JP2001507692A - 球根植物における茎の伸長の阻害方法 - Google Patents

球根植物における茎の伸長の阻害方法

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Abstract

(57)【要約】 鑑賞用球根植物又はこのような植物からの切り花における茎の伸長の阻害方法であって、ACCシンターゼ阻害剤の固体、半固体、又は溶液の投与によって、茎の伸長を阻害するのに有効量のACCシンターゼ阻害剤、例えばアミノエトキシビニルグリシン及びアミノオキシ酢酸でこのような植物又は花を処理することを含む方法。

Description

【発明の詳細な説明】 球根植物における茎の伸長の阻害方法 技術分野 この発明は、装飾用鑑賞花球根植物及びこのような植物からの切り花における 茎の伸長を阻害する方法に関する。より特定すれば本発明は、球根植物又はこの ような植物からの切り花に、この目的を達成するのに十分な量のACCシンター ゼ阻害剤を投与することによって茎の伸長を阻害することに関している。発明の背景 装飾用鑑賞花球根植物及び切り花の生産及び貿易は、世界的に重要な事業であ る。例えば1990年には、米国における小売業レベルでの切り花及び鑑賞花植 物の消費は、86億9,700万米ドルと推定されている(「国際草花栽培貿易 統計(International F1oriculture Trade Statistics)」1991年、英国エセックス州Pathfast P ublishing、98頁)。15ヶ国(西ヨーロッパ、日本、及び米国を含 む)での切り花及び鑑賞花植物の消費は、166億1,100万米ドル(同書) と推定されている。 球根植物は、栄養物及び湿分を貯える専門の地下器官を特徴とし、これによっ て季節的な成長及び発達が可能にされる植物種である(De Hertogh, A.及びM.Le Nard版「花の球根の生理学(The Physiolo gy of Flower Bulbs)」Elsevier、アムステルダム 、7頁(1993年))。球根植物は、アシダンテラ(acidanthera )、アガパンサス(agapanthus)、アリウム(allium)、アル ストレーメリア(alstroemeria)、アマリリス(amarylli s)、アネモネ(anemome)、アスティルベ(astilbe)、ベゴニ ア(begonia)、カラジューム(caladium)、カンナ(cann a)、チオノドクサ(chionodoxa)、コンバラリア(convall aria)、クロコスミア(crocosmia)(モントブレシア(mont ebretia))、クロッカス(crocus)、シクラメン(cyclam en)、ダリア(dahlia)、ラッパズイセン(daffodil)、エン デュミオン(endymion)、エランティス(eranthis)、エレム ールス(eremurus)、フリージア(freesia)、 バイモ(fritillaria)、グラジオラス(gladiolus)、ヒ アシンス(hyacinth)、アイリス(iris)、イキシア(ixia) 、リアトリス(liatris)、ユリ(lily)、ムスカリ(muscar i)、ネリネ(nerine)、オリニトガルム(orinithogalum )、ポリアント(polianth)、ラナンキュラス(ranunculus )、シラー(scilla)、トリテレイア(triteleia)、チューリ ップ(tulip)、及びザンテデシア(zantedeschia)(ミズイ モ(calla lily))である。最も重要な属は、Gladiolus、 Hyancinthyus、Iris、Lilium、Narciscuss( ラッパズイセン)、及びTulipaである。これらの属は各々900ヘクター ル以上で生産され、世界の鑑賞花球根生産エーカーの約90%を占める(同書、 21頁)。 世界中の鑑賞花球根生産面積は、32,000ヘクタール以上と推定される。 オランダが最大の生産国であり、報告されている面積の約55%である(同書) 。主な鑑賞花球根はチューリップであり、オランダは有力なチューリップ球根栽 培国である。1989年〜90年の栽培シーズンには、オランダは 27億7,700万のチューリップの球根を生産した。その年にオランダは、約 9億本のチューリップの切り花を生産した(同書、619〜621頁)。199 0年のオランダからのチューリップの切り花の輸出額は、1億4,360万米ド ルと報告されている(「国際草花栽培貿易統計」、英国エセックス州Pathf ast Publishing、75頁(1991年))。 多くの場合球根植物に関連する問題の1つは、茎の過剰な伸長である。鉢植え 球根植物の場合、消費者に好まれる小型植物を生産するためには茎の伸長を阻害 することが望ましい。チューリップの切り花の場合、茎は採取後も成長を続け、 日光の方に湾曲する。この不均一な茎の伸長は、チューリップの切り花の魅力を ひどく損ない、これによってその有効花瓶寿命が短縮される。切り花保存料は、 この茎の伸長を悪化させる傾向があり、従ってその結果切られたチューリップに は推奨できない(Sacalis,J.N.「切り花(Cut Flowers )」、第二版、Ball Publishing、イリノイ州バタビア、101 〜102頁(1993年))。 エチレンは、いくつかの植物生化学経路の調節に関わる気体 植物ホルモンである。エチレンは、次のようなプロセスに影響を与える。例えば 器官脱離、開花、種子発芽、性発現、根成長、節間伸長、上偏成長、後熟、結実 (fruit set)、老化、重力屈性である。(Beyer,E.M.、M organ.P.W.、Yang.S.F.、「上級用植物生理学(Advan ced Plant Physiology)」、Wilkens.M.G.版 、Longman Scientific and Technical、英国 エセックス、111〜126頁(1984年))。植物は、植物中に存在するメ チオニンをS−アデノシルメチオニン(頭字語「SAM」として知られているも の)に、ついで1−アミノシクロプロパン−1−カルボン酸(頭字語「ACC」 として知られているもの)に、最後にエチレンに変換することによってエチレン を生成する。エチレン生合成経路における重要な調節工程は、SAMからACC への変換であり、これは酵素ACCシンターゼによって調節されている(同書) 。ACCシンターゼの活性は、次のような物質によって阻害されることが知られ ている。例えばL−トランス−2−アミノ−4−(2−アミノエトキシ)−3− ブテン酸(同様に俗称アミノエトキシビニルグリシン及び頭字語「AVG」 として知られているもの)、及びカルボキシメトキシルアミン(同様に俗称アミ ノオキシ酢酸及び頭字語「AOA」として知られているもの)である(同書、及 びYang,S.G.、Hoffman,N.E.、“Ann.Rev.Pla nt Physiol.”、第35巻、155〜189頁(1984年))。A VG及びAOAは、ACCシンターゼの競争的阻害剤である。 球根植物において、エチレンはいくつかの発達プロセスに影響を与える。例え ば小さいアイリスの球根において、低濃度のエチレンへの暴露は、花の形成を生 じる(Kanneworff,W.A.ら、“J.P1ant Physiol .”第143巻、200〜206頁(1994年))。エチレンの暴露がない場 合、これらの球根は3つの長い葉だけを生じ、花は生じない(同書)。同様にエ チレンは、鉢植えアイリス、スイセン、チューリップ、及びヒアシンスの植物に おいて苗条及び根の伸長及び成長を阻害することが分かった(Kamerbee k,G.A.ら、“Scientia Horticulturae”、第4巻 、101〜115頁(1976年))。 いくつかの球根植物において、エチレンはまた、多くの生理 学的障害を引き起こすことがある。例えばチューリップは、保存、輸送、及び温 室での初期発達段階において、エチレンに対して非常に感受性が高いことが知ら れている(Moe,R.、“Acta Horticulturae”、第10 9巻、197〜204頁(1980年))。さらにはエチレンはまた、ゴム病、 芽壊死、及び鉢植えチューリップにおける花枯れを引き起こすことも知られてい る(Kanneworff,W.A.ら、“J.Plant Physiol. ”、第143巻、200〜206頁(1994年))。エチレンは、ユリ及びチ ューリップを含む多くの球根植物の切り花の花瓶寿命を減少させることが知られ ている(Sacalis,J.N.、「切り花」、第2版、Ball Publ ishing,イリノイ州バタビア(Batavia,IL.)、101〜10 2頁(1993年))。エチレンはまた、ヒアシンス及びアイリスにもゴム病を 引き起こす。ユリ、ヒアシンス、及びアイリスにおいて、エチレンは花芽の器官 脱離を引き起こすか又は刺激することがある(同書)。 植物成長を抑制する植物成長調節物質(PGR)は、鑑賞花装飾用植物を含む 非常に多様な作物に商業利用されている。植 物成長を遅らせるPGRは、その生化学的作用態様に基づいて次の3つの主なグ ループに分けることができる。すなわちジベレリン(GA)生合成の阻害剤、G A転座の阻害剤、及びエチレン放出化合物である(Rademacher,W. 、H.W.Gausman版の「植物生化学調節物質(Plant Bioch emical Regulators)」、Marcel Dekker、ニュ ーヨーク、169〜200頁(1991年))。ジベレリンは、内生植物ホルモ ンであり、これらの主な作用の1つは苗条の伸長である。GA生合成経路におけ る1つ又は複数の工程を阻害することによって、GAの形成が妨げられ、その結 果として植物成長が遅くなる。GA生合成の阻害によって作用する通常の成長抑 制物質の例には、塩化クロルメクオート(chlormequat chlor ide)、塩化メピクオート(mepiquat chloride)、アンシ ミドール(ancymido1)、パクロブトラゾール(paclobutra zol)、及びシメクタカーブ(cimectacarb)がある。塩化クロル メクオート及び塩化メピクオートは、GA生合成の初期工程を阻害し、GA先駆 物質ent−カウレン(kaurene)の形成を妨げる。アンシミドール 及びパクロブトラゾールは、ent−カウレンのGA先駆物質ent−カウレン 酸への酸化を阻害する。シメクタカーブは、GA生合成の後期工程を阻害する。 成長抑制物質の第2グループは、GA転座を阻害する。この種類の成長抑制物質 の1つの例はダミノジドである。植物内での活性的成長部位へのGA又はGA先 駆物質の転座を阻害することによって、苗条成長を抑制することができる。GA 転座を阻害することに加えて、ダミノジドはまた、GAの不活性化を促進しうる ことも示唆されている(同書)。ダミノジドは植物に対して広い範囲の作用を有 する。この作用には、結実を増加させること、並びに植物成長を阻害することが 含まれる。同様にリンゴの場合、ダミノジドは、エチレン生産を阻害しうること も報告されている(Gussman,C.D.、S.Salas、及びT.J. Gianfagna、「植物成長調節(Plant Growth Regul ation)」、第12巻、149〜154頁(1993年))。しかしながら ACCシンターゼの特異的阻害剤とは異なって、ダミノジドはACCシンターゼ の競争的阻害剤であるようには見えない。例えばACCシンターゼ阻害剤とは異 なって、ダミノジドはリンゴの円盤状組織に添加された 場合、エチレン生産には全く影響を与えない(同書)。植物成長抑制物質の3番 目のグループは、エチレンを放出する化合物である。エテフォンは、加えられた 後に植物中で分解されて、植物にひとたび加えられたらエチレンを形成する化合 物である。エチレンは、植物におけるいくつかのプロセスに影響を与えることが ある。これらのプロセスには、例えば茎の伸長を阻害することが含まれる。 球根植物における植物の高さを制御するための通常用いられている3つのPG Rは、アンシミドール、パクロブトラゾール、及びエテフォンである。 アンシミドール(アルファ−シクロプロピル−アルファ−(p−メトキシフェニ ル)5−ピリミジンメタノール)は、A− チューリップ、キク、ポインセチア、白ユリ、及び鉢植えダリアに用いることに ついて、米国環境保護局(EPA)によって承認されている。アンシミドールは 、葉面スプレー又は土壌ドレンチのどちらかによって植物に使用される。しかし ながら鉢植えチューリップに用いる場合、唯一の効果的な使用法は、土壌ドレン チである。 アンシミドールは、様々な植物において、節間(茎)伸長を減少させるが、下 部の葉のクロロシスを引き起こすことがある(Wees,D.、“Can.J. Plant Sci.”、第73巻、879〜883頁(1993年7月))。 さらにはアンシミドールの植物への使用は、注意深くなされなければならない。 アンシミドールの過剰量又は不均一な使用は、過剰又は不規則な成長制御を生じ る結果になるであろう。 球根植物用の通常用いられている第2の植物成長抑制物質は、パクロブトラゾ ール((±)−(R,R)−ベータ((4−クロロフェニル)メチル)−アルフ ァ−(1,1−ジメチルエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−エタ ノール)で られている。パクロブトラゾールは、様々な植物における高さ制御に用いること ができ、葉面スプレー、土壌ドレンチ、又は球根ソーク(soak)として使用 される。パクロブトラゾールが葉面スプレーとして用いられる場合、スプレーは 鉢植え媒質中への過剰な溢れ出し(runoff)点に至るまで用いてはならな い。媒質への多すぎる溢れ出しの結果、過剰な高さ制御を生じることがある。さ らには葉面スプレーは、完全で首尾 一貫した均一な方法で植物に対して用いられなければならない。そのようにする ことに失敗したら、結果として不均一な高さ制御を生じることがある。同様に土 壌にパクロブトラゾールが残留することは、潜在的な問題にもなりうる(De Hertogh,A.及びM.Le Nard版「花の球根の生理学」、Els evier、アムステルダム、38頁(1993年))。 球根植物用の通常用いられている第3の植物成長抑制物質は、エテフォン(( 2−クロロエチル)ホスホン酸)である。エテ という商品として知られている。エテフォンは、ユリ、ヒアシンス、ラッパズイ セン、及びチューリップにおける高さの減少を制御することが分かっており、こ れらの植物に対して、葉面スプレーとして又は土壌ドレンチによって使用するこ とができる。エテフォンはエチレンを放出するので、エチレン暴露によって引き 起こされる生理学的障害が、エテフォンの使用から生じうる。例えばエテフォン は、いくつかの植物、例えばチューリップにおける花の発育不全(aborti on)を引き起こすことが知られている。 エチレンはいくつかの球根植物において茎の伸長を阻害する ことが知られているが、本発明の発明者らは、植物におけるエチレン生産を阻害 し、かつ切り花保存料として商品販売されているACCシンターゼ阻害剤が、球 根植物における茎の伸長を阻害するためにも用いうることを意外にも発見した。発明の概要 本発明は、装飾用鑑賞花球根植物及びそれから生じる切り花における茎の伸長 を阻害する方法を目的とする。この方法は、鑑賞花球根植物及びこのような植物 からの切り花を、茎の伸長を阻害するのに十分な量のACCシンターゼ阻害剤、 例えばAVG及びAOA、好ましくはAVGで処理することを含む。 ACCシンターゼ阻害剤は、固体、半固体形態で、あるいは溶液として球根植 物に投与することができる。固体として投与された場合、植物に送られるACC シンターゼ阻害剤の量は、約5〜約50ミリグラム(mg)/植物であってもよ い。溶液として投与される場合、溶液中のACCシンターゼ阻害剤の濃度は、こ の溶液がどのようにして植物に用いられたかに依るであろう。この溶液が、媒質 ドレンチ又は植付前ソークとして用いられる場合、ACCシンターゼ阻害剤の濃 度は、約50〜約1000部/百万(ppm)であってもよい。溶液が葉面スプ レーとして用いられる場合、ACCシンターゼ阻害剤の濃度は、約50〜約20 00ppmであってもよい。溶液が切り花花瓶溶液又は水栽培溶液として用いら れる場合、ACCシンターゼ阻害剤の濃度は、約0.1〜約100ppmであっ てもよい。溶液が予備処理溶液中の浸漬によって切り花に送られる場合、ACC シンターゼ阻害剤の濃度は、約50〜約2000ppmであってもよい。ACC シンターゼ阻害剤が植物細胞組織栽培において用いられる場合、溶液、半固体又 は固体媒質中のACCシンターゼ阻害剤の濃度は、約0.001mg/L〜約1 00mg/Lであってもよい。発明の詳細な説明 本発明は、装飾用鑑賞花球根植物及びそれから生じる切り花における茎の伸長 を阻害する方法を目的とする。本発明の方法によれば、装飾用鑑賞花球根植物及 び切り花は、茎の伸長を阻害するのに有効量のACCシンターゼ阻害剤で処理さ れる。ここで用いられている「球根植物」という用語は、栄養物及び湿分を貯え る専門の地下器官を有し、これによって季節的な成長及び発達が可能にされる植 物種のことを言う。ここで用いられている「鑑賞花球根植物」という用語は、無 傷の完全な鑑賞花 球根植物のことを言う。鑑賞花球根植物は、植木鉢又はその他の型の容器中又は 地中にあってもよく、天然又は人工の媒質中にあってもよい。ここで用いられて いる「媒質」という用語は、植物を繁茂させるのに用いることができる、固体、 半固体、又は液体形態にある天然又は人工の物質のことを言う。この発明におい て用いることができる適切な種類の媒質の例には、土壌、人工的な又は土壌を用 いない鉢植えミックス、水(水栽培)、及び寒天が含まれる。ここで用いられて いる「切り花」という用語は、なんらかの方法で植物から取り除かれた鑑賞花球 根植物から生じた花のことを言う。 この発明の方法によって処理することができる装飾用鑑賞花球根植物の品種に は、アシダンテラ、アガパンサス、アリウム、アルストレーメリア、アマリリス 、アネモネ、アスティルベ、ベゴニア、カラジューム、カンナ、チオノドクサ、 コンバラリア、クロコスミア(モントブレシア)、クロッカス、シクラメン、ダ リア、ラッパズイセン、エンデュミオン、エランティス、エレムールス、フリー ジア、バイモ、グラジオラス、ヒアシンス、アイリス、イキシア、リアトリス、 ユリ、ムスカリ、ネリネ、オリニトガルム、ポリアント、ラナンキュラス、シラ ー、 トリテレイア、チューリップ、及びザンテデシア(ミズイモ)が含まれる。この 発明の方法によって処理することができる好ましい装飾用鑑賞花球根植物は、ア マリリス、ラッパズイセン、ダリア、フリージア、グラジオラス、ヒアシンス、 アイリス、ユリ、及びチューリップである。 いくつかのエチレン生合成阻害剤、例えばAVG、AOA、及びポリアミンは この技術で知られている。この発明において用いられるACCシンターゼ阻害剤 は、AVG及びAOAであり、これらは以前の発明において用いられていたもの であり、米国特許第5,284,818号及び5,550,403号に詳細に記 載されている。好ましいACCシンターゼ阻害剤はAVGである。 AVGは、Streptomyces種による第2代謝産物として生成された 自然界に生じるL−アミノ酸であり、塩酸塩として精製される。AVG分子はま た、低収率多工程非キラル合成図式を用いて化学的に合成することもできる。A OAは非キラル合成分子である。 AVGとAOAはどちらもACCシンターゼ阻害剤であることが証明されてい る(Wang,C.Y.、Baker,J. E.“HortScience”、第15(6)巻、805〜806頁(198 0年)、Yang,S.F.、Hoffman,N.E.、“Ann.Rev. Plant PhySiol.”、第35巻、155〜89頁(1984年)) 。植物においてACCシンターゼを阻害するのに必要なAOAの濃度は、一般的 には必要とされるAVG濃度よりも高い(同書)。植物においてACCシンター ゼは、SAMをACCに変換し、これはついでエチレンに変換される。エチレン は、茎の伸長を阻害することが知られており、エチレンを生じるPGR物質は、 この目的のためにいくつかの植物種に用いられている。従って本発明において、 植物におけるエチレン生産を阻害する、例えばAVG又はAOAのようなACC シンターゼ阻害剤は、球根植物における茎の伸長を防ぐために用いうることが驚 くべきことに発見された。 球根の切り花においてこの発明の方法に用いるために、ACCシンターゼ阻害 剤は、切り花の茎に単独で又はその他の成分、例えば1つ又はそれ以上の糖及び /又は1つ又はそれ以上の抗菌剤と組合わせて投与されてもよい。糖は植物にエ ネルギー源を与える。抗菌剤は、細菌成長によって引き起こされる切り取 られた植物の導管系の詰まりを防ぐと考えられている。例えば 保存料は、AVG又はAOA、糖、グリコシド、又はこれらの はまた、ACCシンターゼ阻害剤の植物への取り込みを高めるために、非イオン 性及び/又はアニオン性界面活性剤、並びに ンターゼ阻害剤を約0.05重量部〜約2重量部含んでいる。 てここに含まれる)に完全な記載がある乾燥固体配合物として、あるいは米国特 許第5,550,403号(参照してここに含 して入手することができる。とは異なる。その理由は、これが安定した粉末配合物として、例えばAVG又は AOAのようなACCシンターゼ阻害剤を含んでいるからである。先行技術に教 示されている切り花保存料配合物は、切り花にエネルギー源を与える糖、抗菌剤 、及び無機塩を含んでいる。切り花保存料配合物の通常の成分について は、Halevy,A.H.、Mayak,S.「園芸批評(Horticul tural Reviews)」、第3巻、59〜143号(1981年)にお いて検討されている。普通 が含まれる。 ACCシンターゼ阻害剤は、溶液の形態で球根植物の切り花に投与されてもよ い。この溶液は、ACCシンターゼ阻害剤又はACCシンターゼ阻害剤を含む切 り花配合物を水道水又は蒸留水に溶解して調製される。ACCシンターゼ阻害剤 が、切断された茎を通して切り花花瓶溶液の取り込みによって連続的に送られる ならば、溶液中のACCシンターゼ阻害剤の濃度は、約5〜約100ppm、好 ましくは約25〜約75ppmであってもよい。ACCシンターゼ阻害剤は、切 られた茎を処理溶液中に、約1〜約72時間の短い処理時間の間浸漬することに よって切り花に送られるならば、溶液中のACCシンターゼ阻害剤の濃度は、約 50〜約2000ppm、好ましくは約500〜約1000ppmであってもよ い。 ACCシンターゼ阻害剤はまた、採取前又は採取後のどちら かに、葉面スプレーとして球根植物の切り花に用いてもよい。葉面スプレーとし て用いられる時、スプレーにおけるAVGの濃度は、約50〜約2000ppm 、好ましくは約100〜約500ppmであってもよい。葉面スプレーとして用 いられる場合、スプレー溶液はまた、界面活性剤、例えば非イオン性及びアニオ ン性界面活性剤、好ましくはオルガノシリコーン界面活性剤を含んでいてもよい 。これは例えばSilwet L− Connecticut)のOSiスペシャルティーズ社(OSiSpecia lties,Inc.)から入手しうる。葉面スプレーとして用いることができ るオルガノシリコーン界面活性剤の濃度は、約0.025〜約0.25%(v/ v)、好ましくは約0.05〜約0.20%(v/v)である。さらには切り花 は、これらの溶液の組合わせによって、例えば切り花花瓶溶液と葉面スプレーと によって処理することもできる。 ACCシンターゼ阻害剤は、いくつかの異なる形態で鑑賞花球根植物に投与す ることもできる。1つの側面において、阻害剤は固体形態で鑑賞花球根植物に投 与することができる。例えば阻害剤は、葉及び媒質、例えば植物の土壌に粉末と して投与 することができる。植物へ粉末を加えた後、植物の細胞組織中への阻害剤の取り 込みを促進するために、植物には水を掛けるのが好ましい。しかしながら植物の 繁茂のために用いられる媒質が、例えば水栽培系におけるように水であるならば 、追加の水やりは必要ではない。阻害剤が固体形態で植物に投与される場合、植 物に用いられるACCシンターゼ阻害剤の量は、固体配合物において植物1つあ たり約5〜約50mgであってもよく、この配合物においてACCシンターゼ阻 害剤の濃度は好ましくは約0.5%〜約95%である。 第2の側面においてACCシンターゼ阻害剤は、溶液形態で鑑賞花球根植物に 投与することもできる。この溶液は、阻害剤を水、すなわち水道水又は蒸留水に 溶解して調製される。阻害剤を含む溶液は、球根の植付前ソークとして用いるこ ともでき、あるいは媒質ドレンチ又は葉面スプレーによって鑑賞花植物に用いる こともできる。阻害剤が、球根の植付前ソークとして溶液に送られるならば、そ の場合、溶液中の阻害剤の濃度は、約50〜約1000ppm、好ましくは約1 00〜約500ppmであってもよい。ACCシンターゼ阻害剤が媒質ドレンチ によって鑑賞花球根植物に送られるならば、ドレンチ中のその濃度 は、約50〜約1000ppm、好ましくは約250〜約500ppmであって もよい。阻害剤が葉面スプレーとして鑑賞花球根植物に送られるならば、スプレ ー中のその濃度は、約50〜約2000ppm、好ましくは約750〜約150 0ppmであってもよい。 同様に阻害剤が葉面スプレーとして送られる場合、葉面スプレーは界面活性剤 、例えば非イオン性及びアニオン性界面活性剤、好ましくはオルガノシリコーン 界面活性剤、例えばSilwet きるオルガノシリコーン界面活性剤の濃度は、約0.025〜約0.25%(v /v)、好ましくは約0.050〜約0.20%(v/v)である。 第3の側面において、ACCシンターゼ阻害剤は、媒質を含んでいる植物細胞 組織培養において栽培されている鑑賞花球根植物に投与されてもよい。これは、 溶液、固体、又は半固体の形態にあってもよい。溶液、半固体、又は固体の媒質 におけるACCシンターゼ阻害剤の濃度は、約0.001mg/L〜約100m g/Lであってもよい。 鑑賞花球根植物における茎の伸長を阻害することに加えて、 本発明の方法は、開花を遅らせ、花びらの脱落を減少させ、花の形を保持し、あ るいくつかの球根の切り花、例えばチューリップにおける全体的な花瓶寿命を延 ばすことができる。 下記実施例は、チューリップに関する本発明の特別な実施態様を例証する。商 品としては、チューリップは主な装飾用鑑賞花球根植物であり、世界中で約90 00ヘクタールにおいて生産されている(De Hertogh,A.及びM. Le Nard版「花の球根の生理学」Elsevier、アムステルダム、6 60頁(1993年))。切られたチューリップの茎は、採取後も伸長を続け、 過剰な成長は望ましくなくかつ魅力的でない特性と考えられている(同書)。鉢 植えチューリップの高さの制御は重要である。茎の伸長を減少させて全体的な植 物の高さを減少させ、これによって市場価値のある小型植物を生産するために植 物成長抑制物質が用いられる。これらの実施例は、チューリップに関して本発明 を例証してはいるが、これらの実施例はまったく本明細書を制限するものではな い。 実施例 商品として入手しうる切られたチューリップを、栽培者又は 卸売業者から入手した。チューリップの茎を水中で再切断し、様々な処理溶液の 花瓶に入れた。処理溶液は、水、ACCシン ーゼ阻害剤を含む切り花保存料)を含むものであった。すべての茎が花瓶に入れ られたら、先端節間の長さを測定し、各茎について記録した。花瓶は約22〜2 4℃で蛍光灯の下に維持した。6日又は7日後、先端節間を再び測定した。結果 実験番号1 用いられたチューリップの品種は、「メリーウイドウ(Lustige Wi twe)」及び「ドンキホーテ(Don Quichotte)」であった。栽 培品種「メリーウイドウ」の18本の切り花の茎を水中で再切断し、その地域の 公営水道 (6茎)のどれかが入っている花瓶に入れた。栽培品種「ドンキホーテ」の6本 の切り花の茎を水中で再切断し、その地域の (2茎)のどれかが入っている花瓶に入れた。これらの製品の 溶液は、その地域の公営水道水を用いてラベルの指示に従って調製した。先端節 間長さは、各茎について実験の開始の時、及び6日後に再び測定した。結果を表 1及び2に示す。分散分析を実施し、ダンカンの多重範囲検定を用いて平均を統 計学的に分けた。共通の文字表示での平均は、p=0.05において有意差がな い。 は、増加したセンチメートル又は当初長さのパーセントとして ものよりも成長した。しかしながら当初長さのパーセントとして表示した時、こ の差は統計学的に有意ではなかった。実験番号2 栽培品種「ブレンダ(Blenda)」及び「ヨコハマ(Yokohama) 」の各々20本の切り花の茎を、水中で 茎)のどれかが入っている花瓶に入れた。これらの製品の溶液は、その地域の公 営水道水を用いてラベルの指示に従って調製した。先端節間長さは、各茎につい て実験の開始の時、及び6日後に再び測定した。結果を表3及び4に示す。分散 分析を実施し、ダンカンの多重範囲検定を用いて平均を統計学的に分けた。共通 の文字表示での平均は、p=0.05において有意差がない。 た「ブレンダ」及び「ヨコハマ」のチューリップの茎の先端節 多く(長く)成長した。 実験番号1及び2における結果は、切られたチューリップの茎の連続成長が有 意な問題であることを証明している。これら が、これらの植物における茎の伸長を減少させうることを示している。 商品として入手しうる切られたチューリップを、栽培者又は卸売業者から入手 した。受け取った時に切り花の茎を水中で再切断し、各栽培品種(「ラッキース トライプ(Lucky Stripe)」、未確認の白い栽培品種、及び未確認 の黄色い栽培品種)の12本の茎を各処理溶液中に入れた。処理溶液 れらの製品の溶液は、その地域の公営水道水を用いてラベルの指示に従って調製 した。花瓶を約22〜24℃で蛍光灯の下に維持した。これらの花は、生存能力 について毎日評価された。結果を表5、6、及び7に示す。分散分析を実施し、 ダンカンの多重範囲検定を用いて平均を統計学的に分けた。共通の文字表示での 平均は、p=0.05において有意差がない。 この実施例における結果は、ACCシンターゼ阻害剤を含む 水と比較して、切られたチューリップの花瓶寿命を延ばすことを証明している。 従って実施例1及び2に示されているように、ACCシンタ に阻害し、切られたチューリップの全体的な花瓶寿命を増しうる。実施例3: AVG含有溶液を用いた鉢植えチューリップの実験 職業的栽培者によるPGRの使用前に、鉢植えチューリップを取得した。受け 取る前は、これらの植物に成長抑制物質は使用されていなかった。植物の花の茎 が10〜15センチメートル(cm)の高さになった時、均一な高さの球根植物 に対して葉面スプレー又は媒質ドレンチが行なわれた。約500〜約 を含む溶液を用いて、溢れ出すまでスプレー塗布がなされた。約50〜約500 ppmのAVGを含むドレンチ溶液は、6インチ(15cm)直径の1鉢あたり 100ミリリットル(ml)の割合で用いられた。これらの使用がなされた後2 週間の間、植物を温室条件で成長させた。様々な時点で茎の長さを記録した。実験番号1 用いられた鉢植えチューリップ品種は、「メリークリスマス(Merry C hristmas)」と「クリスマスマーベル(Christmas Marv el)」であった。これら AVG溶液500ppm、1000ppm、1500ppm、又は2000pp mで各々処理された。AVG溶液は、植物の花の茎が10〜15cmの高さであ る時に葉面スプレーとして塗布された。各処理の場合、1鉢あたり3つの球根を 含む3つの鉢を各品種についてテストした。茎の長さは、植物へのスプレー塗布 後7日目と14日目に測定した。結果を表8及び9に示す。分散分析を実施し、 ダンカンの多重範囲検定を用いて平均を統計学的に分けた。共通の文字表示での 平均は、p=0.05において有意差がない。 表8及び9における結果は、AVGが、「クリスマスマーベル」と「メリーク リスマス」の両方において、有意な茎の長さの減少を引き起こすことを示してい る。1000〜2000ppmの割合では、両品種の茎の長さを14日目におい て対照よりも有意に減少させた。実験番号2 用いられた鉢植えチューリップ品種は、「メリークリスマス」と「クリスマス マーベル」であった。これらの品種は各々、媒質ドレンチとして用いられたAV G溶液50ppm、100ppm、250ppm、又は500ppmで各々処理 された。各処理の場合、1鉢あたり3つの球根を含む3つの鉢を各品種について テストした。茎の長さは、これらの植物について媒質ドレンチを用いた後7日目 と14日目に測定した。表10及び11は、「メリークリスマス」と「クリスマ スマーベル」植物についての7日目と14日目における平均の茎の長さを示す。 分散分析を実施し、ダンカンの多重範囲検定を用いて平均を統計学的に分けた。 共通の文字表示での平均は、p=0.05において有意差がない。 表10及び11における結果は、250ppmと500ppmのAVG処理で の両品種における茎の伸長の阻害を示す。実験番号3 用いられた鉢植えチューリップ品種は、「クリスマスマーベル」と「スノウス ター(SnowStar)」であった。これらの品種は各々、媒質ドレンチとし て用いられたAVG溶液500ppm、又は葉面スプレーとして用いられたAV G溶液2000ppmで各々処理された。「クリスマスマーベル」品種の場合、 1鉢あたり3つの球根を含む10鉢を各処理に用いた。「スノウスター」品種の 場合、1鉢あたり6つの球根を含む10鉢を各処理に用いた。「クリスマスマー ベル」の場合、茎の長さは、媒質ドレンチ又は葉面スプレーを用いた後7日目と 13日目に測定した。「スノウスター」の場合、茎の長さは媒質ドレンチ又は葉 面スプレーを用いた後7日目に測定した。結果を表12及び13に示す。分散分 析を実施し、ダンカンの多重範囲検定を用いて平均を統計学的に分けた。共通の 文字表示での平均は、p=0.05において有意差がない。 表12における結果は、ドレンチ及びスプレー塗布の両方の場合に、「クリス マスマーベル」品種について対照と比較して有意な高さの減少を示している。ス プレー塗布は、媒質ドレンチよりも有意に良好な高さ制御を与えた。処理された 植物の開花は遅れた。表13の結果は、葉面スプレーで処理された場合、「スノ ウスター」について対照と比較して有意な高さの減少を示している。媒質ドレン チ処理は、この特別な品種の場合効果 的ではなかった。しかしながら植物の発達は、AVG使用の時に非常に促進され たことに注目すべきである(植物の花の茎は20〜25cmの高さになった)。実験番号4 用いられた鉢植えチューリップ品種は、「プロミネンス(Prominenc e)」であった。この品種は、水で処理されるか、又は媒質ドレンチとして用い られたAVG溶液500ppmで処理された。各処理の場合、1鉢あたり6つの 球根を含む4つの鉢をテストした。茎の長さは、媒質ドレンチを用いた後5日目 と11日目に測定した。各処理の場合、1鉢あたり6つの球根を含む4つの鉢を テストした。表14は、これらの植物の平均の茎の長さを示す。平均を統計学的 に分析した。分散分析を実施し、ダンカンの多重範囲検定を用いて平均を統計学 的に分けた。共通の文字表示での平均は、p=0.05において有意差がない。 表14における結果は、AVGが対照と比べて茎伸長に有意な減少を引き起こ すことを示している。実験番号5 用いられた鉢植えチューリップ品種は、矮性品種「カレオール(Kareol )」であった。このチューリップ品種は、水で処理されるか、又は媒質ドレンチ として用いられたAVG溶液350ppm又は500ppmで処理された。各処 理の場合、1鉢あたり6つの球根を含む6つの鉢をテストした。茎の長さは、媒 質ドレンチを用いた後7日目に測定した。各処理の場合、1鉢あたり6つの球根 を含む6つの鉢をテストした。表15は、これらの植物の平均の茎の長さを示す 。分散分析を実施し、ダンカンの多重範囲検定を用いて平均を統計学的に分けた 。共通の文字表示での平均は、p=0.05において有意差がない。 表15における結果は、対照と比べてわずかな数字の上での高さの減少を示し ている。「カレオール」は矮性品種なので、茎の伸長に対するAVGの劇的効果 は期待されないことに留意すべきであろう。 実験番号1〜5の結果は、ACCシンターゼ阻害剤、例えばAVGの、葉面ス プレー又は媒質ドレンチのどちらかとしての使用が、鉢植えチューリップのいく つかの品種に対して茎成長の有意な阻害を与えたことを証明している。実施例の要約 前記実施例は、ACCシンターゼ阻害剤、例えばAVG又はAOAが、切り花 及び鉢植えチューリップ植物及びこれから生じる切り花の茎の伸長を阻害するこ とを証明している。ACCシンターゼ阻害剤が、茎の伸長を阻害するために用い られうる という発見は驚くべきことであったが、その理由は、ACCシンターゼ阻害剤、 例えばAVG及びAOAが、切り花保存料として販売されており、花の保存料は 一般に茎の伸長を悪化させる傾向があるからである。同様に、植物における茎の 伸長を減少させるエチレンの形成を妨げるACCシンターゼ阻害剤が、球根植物 における茎の伸長を阻害するために用いられうるという発見も予期しなかったこ とである。最後に前記実施例はまた、ACCシンターゼ阻害剤が、切り花の花瓶 寿命を延ばすためにも用いられうることをも証明している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A01N 61/00 A01N 61/00 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,LS,M W,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY ,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM ,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY, CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,E S,FI,GB,GE,GH,GM,GW,HU,ID ,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ, LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD,M G,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT ,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL, TJ,TM,TR,TT,UA,UG,UZ,VN,Y U,ZW (72)発明者 ウーラード,デレク・デイー アメリカ合衆国、イリノイ・60087、ウオ ークガン、ウエスト・ハート・12677 (72)発明者 シヤフアー,ウオレン・イー アメリカ合衆国、イリノイ・60048、リバ テイビル、マツキンレー・305 (72)発明者 ブラツク−シエーフアー,キヤンデス アメリカ合衆国、イリノイ・60048、リバ テイビル、ハーバード・レイン・607

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.鑑賞花球根植物における茎の伸長の阻害方法であって、前記球根植物を茎の 伸長を阻害するのに有効量のACCシンターゼ阻害剤で処理することを含む方法 。 2.鑑賞花球根植物からの切り花における茎の伸長の阻害方法であって、前記切 られた球根植物を茎の伸長を阻害するのに有効量のACCシンターゼ阻害剤で処 理することを含む方法。 3.ACCシンターゼ阻害剤が、アミノエトキシビニルグリシンとアミノオキシ 酢酸とから成る群から選ばれる、請求項1又は2に記載の方法。 4.球根植物が、アシダンテラ、アガパンサス、アリウム、アルストレーメリア 、アマリリス、アネモネ、アスティルベ、ベゴニア、カラジューム、カンナ、チ オノドクサ、コンバラリア、クロコスミア(モントブレシア)、クロッカス、シ クラメン、ダリア、ラッパズイセン、エンデュミオン、エランティス、エレムー ルス、フリージア、バイモ、グラジオラス、ヒアシンス、アイリス、イキシア、 リアトリス、ユリ、ムスカリ、ネリネ、オリニトガルム、ポリアント、ラナンキ ュラス、シラー、トリ テレイア、チューリップ、又はザンテデシア(ミズイモ)である、請求項1又は 2に記載の方法。 5.ACCシンターゼ阻害剤が、球根植物に固体として投与される、請求項1又 は2に記載の方法。 6.この固体が、約0.5〜約95%のACCシンターゼ阻害剤を含んでいる、 請求項5に記載の方法。 7.ACCシンターゼ阻害剤が、媒質ドレンチ、葉面スプレー、切り花花瓶溶液 、切り花予備処理溶液、水栽培溶液、球根の植付前ソーク、あるいはこれらの方 法の組合わせによって球根植物に投与される、請求項1又は2に記載の方法。 8.媒質ドレンチがACCシンターゼ阻害剤約50〜約1000ppmを含んで おり、葉面スプレーがACCシンターゼ阻害剤約50〜約2000ppmを含ん でおり、切り花花瓶溶液がACCシンターゼ阻害剤約5〜約100ppmを含ん でおり、球根の植付前ソークがACCシンターゼ阻害剤約50〜約1000pp mを含んでおり、切り花予備処理溶液がACCシンターゼ阻害剤約50〜約20 00ppmを含んでおり、水栽培溶液がACCシンターゼ阻害剤約0.1〜約1 0ppmを含んでいる、請求項7に記載の方法。 9.ACCシンターゼ阻害剤が、植物細胞組織培養において球根植物に投与され 、植物組織培養におけるACCシンターゼ阻害剤の濃度が、約0.001mg/ L〜約100mg/Lである、請求項1又は2に記載の方法。 10.茎の伸長を阻害することによって球根植物からの切り花の切り花花瓶寿命 を延ばす方法であって、前記切り花を茎の伸長を阻害するのに有効量のACCシ ンターゼで処理することを含む方法。
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