JP2001353692A - 食品の切断装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、海苔巻きすし等の棒状食品を均等
に切断するのに好適なコンパクトな食品の切断装置を提
供する。 【解決手段】 上下方向へ円弧状に移動できるように左
右フレームの支点軸に軸支されたカセット枠と、前記カ
セット枠に脱着自在に装着される複数の切断刃が切断品
に対して所定間隔を置いて並設された刃物カセットと、
前記の各切断刃が通過するスリットが開設された切断品
を載せる受け台を設けたテーブルとで構成され、前記カ
セット枠の上下方向の移動に連動して前記テーブルが前
後方向にスライド移動する手段を有する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、巻きすし、棒すし
などの棒状食品を、一定幅に輪切りに切断するのに好適
な食品の切断装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】自動巻きすし製造装置などの普及によ
り、多量に製造される巻きすしなどの棒状食品を輪切り
に切断する場合、包丁によっていたのでは労力、時間が
かかるばかりでなく、切断寸法のばらつきや切り口が潰
れて型くずれを生じ不良品の発生や商品価値の低下を招
く原因となり、特に海苔巻きすしの場合は表層の海苔と
中味の飯や具を同時に均一に切断するには熟練を要して
いた。

【０００３】そこで、海苔巻きすし等の切断装置とし
て、種々の装置が提案、製品化されているが、均一な切
断性と切断効率の向上、さらに軽量でコンパクトな構造
からなる装置等の要求を全て満足するものではなかっ
た。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題点
に鑑み検討の結果、切断刃の切断位置が切断品の切断中
心点に対して偏心移動していくことで最適な切断が得ら
れることに着目し、さらに切断装置が簡単な機構で構成
され、軽量、コンパクトでかつ部品交換や使用後の洗浄
等メンテナンスも容易であって、安全な作業性も考慮し
た食品の切断装置を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、上下方向へ円
弧状に移動できるように左右フレームの支点軸で軸支さ
れたカセット枠と、前記カセット枠に脱着自在に装着さ
れる複数の切断刃が切断品に対して所定間隔を置いて並
設された刃物カセットと、前記の各切断刃が通過するス
リットが開設された切断品を載せる受け台を設けたテー
ブルとで構成され、前記カセット枠の上下方向の移動に
連動して前記テーブルが前後方向にスライド移動する手
段を有することを特徴とした食品の切断装置である。

【０００６】前記テーブルの移動手段が、前記カセット
枠と前記テーブルとの間に連結された伝達部材により連
動する食品の切断装置である。

【０００７】さらに、前記テーブルの移動手段が、前記
カセット枠の支点軸に連設された歯車と前記テーブルの
前後方向に開設された連続孔の噛み合わせにより連動す
る食品の切断装置である。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下に本発明の実施形態を図面を
参照して説明する。が、本発明は下記実施例の構成に限
定されることはなく、種々の変形が可能である。

【０００９】図１は本発明の実施例の内部構造を示した
側面断面図および図２は本発明の実施例を示した正面図
である。

【００１０】図１，２に示すように左右のフレーム
（２，２）は前部カバー（３）、後部カバー（４）、上
部カバー（５）および底面板（６）で左右に所定の間隔
をおいて連結され、ビス止め等により一体に組み立てら
れ切断装置本体フレーム（１）が形成されている。

【００１１】上下方向へ円弧状に移動できるカセット枠
（７）が、左右フレーム間にフレーム（２，２）の支点
軸（１１）に配置されて軸支され、このカセット枠
（７）には枠内周に沿い脱着可能な刃物カセット（８）
が連結金具（１０Ａ、１０Ｂ）で合体、固定されるよう
になっている。

【００１２】また、カセット枠（７）には、前記支点軸
（１１）を中心に配置された歯車（１４）がカセット枠
両側部内側に取り付け固定されている。

【００１３】カセット枠（７）は把手（１５）を持っ
て、手動で上下方向に円弧状に移動され切断刃（９）で
切断品（４０）を幅方向に均等に切断することができ
る。また、左右のカセット枠後部には本体フレーム
（１）と連結されたコイルバネ（１７）が取り付けられ
ており、切断作業終了時にカセット枠（７）が元の位置
に戻り、ストッパー（１６）に当接して停止し、次ぎの
切断作業に備えられるようになっている。

【００１４】また、カセット枠（７）に固定されたの刃
物カセット（８）の前面上部には、切断作業時に誤って
指等を傷つけないように、金属板等の脱着可能な安全カ
バー（３０）が、カセット枠（７）上部の支持軸（３
３）と安全カバーアーム（３４）の上、下端部の回転軸
（３１，３２）で軸支されたアーム（３４）に取り付け
られ、カセット枠（７）の上下移動に合わせて、安全カ
バー（３０）が常に作業者側に対向する動きをし安全性
を向上している。

【００１５】図３に示す刃物カセット（８）には複数
（図示例では７枚）の帯状薄刃の切断刃（９）が切断品
（４０）に対向して所定間隔を置いて並設され、刃物カ
セット（８）の上部と下部で固定ねじ（１２、１３）に
より緊張力を与えて取り付けられ、刃の交換は前記ねじ
により容易に行うことができる構造となっている。

【００１６】切断刃（９）の刃先は直線状、円弧状、逆
円弧状など切断品（４０）の材料、大きさにより切断性
を考慮して選択することができる。また、切断刃（９）
はテフロン（登録商標）加工されたものが、切断時の食
品残さの刃物への付着や切断作業後の洗浄性、耐錆性等
の衛生上、取り扱い性の上で好ましい。

【００１７】図４，図５はカセットテーブル（２０）要
部概略の側面図および上面図を示したもので、前記カセ
ット枠の支点軸に練設固定された歯車（１４）は上部テ
ーブル（２１）の両側部（２８）の前後方向に、位置決
めして開設された連続孔（２９）との噛み合わせによ
り、カセット枠（７）の上下移動に連動して前記上部テ
ーブル（２１）が前後にスライド移動する構造であっ
て、切断時にはカセット枠（７）の下降移動に連動して
上部テーブル（２１）が前方向にスライドするようにな
っている。また、切断後カセット枠（７）が前記コイル
バネ（１７）の動作により元の位置に戻る時には上部テ
ーブル（２１）が連動して後退するようになっている。

【００１８】前記歯車（１４）のピッチ数と前記連続孔
（２９）の開設数は上部テーブル（２１）の移動量、移
動速度により所定の値に設定され、切断刃（９）の切断
位置と切断品（４０）の切断中心点が偏心移動していく
軌跡を決定する本発明の重要な要因である。

【００１９】カセット枠（７）と上部テーブル（２１）
の連動手段は、上記歯車によるものの他に、図６Ａに示
す支点軸に固定された歯車と伝達ベルトあるいはチェー
ン（４１）等の伝達手段や、図６Ｂに示す連結アーム
（４２）の利用手段等が挙げられ、前記連動手段はカセ
ット枠（７）と上部テーブル（２１）間で連結された伝
達部材から構成されることが、装置を簡略化でき好まし
い構造である。

【００２０】また、左右フレーム（２，２）間には、切
断品（４０）を載せる受け部（２３）を持つ切断横断方
向に略Ｌ字型の前述の上部テーブル（２１）と、切断品
（４０）取り扱い時の手指等保護のために上部テーブル
（２１）後部に配置された刃物カセット（８）を収納す
る保護カバー（２４）と、前記上部テーブル（２１）が
前後方向に自在に移動可能に取り付けられた下部テーブ
ル（２２）で構成されたカセットテーブル（２０）が、
本体フレーム（１）に下部テーブル後端の突出部（４
３）と前部の取り付け金具（４４）により脱着自在に取
り付け固定されている。

【００２１】図５に示すように、カセットテーブル（２
０）の上、下部テーブル（２１，２２）および保護カバ
ー（３４）には、切断刃（９）が切断品（４０）を切断
する時の動きに対応し、各切断刃が通過する複数の各ス
リット（２５，２６、２７）が前後方向に長く開設され
ている。

【００２２】切断品（４０）は上部テーブル（２１）の
受け台（２３）に長手方向横向きに位置決めして載せら
れる。手動によりカセット枠（７）は把手（１５）を持
って下方へ移動され、切断刃（９）が円弧状を描いて下
降し、切断品（４０）を切断する。

【００２３】図７は、実施例切断時の切断刃（９）の切
断位置と切断品（４０）の切断中心（３１〜３４）点に
対して偏心移動していく軌跡（３０）を示したものであ
り、切断刃（９）の下降に連動して下部テーブル（２
１）が前方にスライド移動するので、切断刃（９）の切
断位置は切断品の切断中心点に対して前方に移動し、切
断に最適な軌跡（３０）を描くように設定することがで
き、また、切断品（４０）の材料や大きさにより偏心量
を調整することもできる。

【００２４】その結果、食品の種類を問わず切断が極め
て容易となり、切れ味が良く美しい切断面が得られ、ま
た切断効率も著しく向上することができる。

【００２５】一方、図８は上部テーブル（２１）が静止
状態にある比較例の切断軌跡を示したもので、その軌跡
（３５）は単に円弧状を描くのみで、切断刃（９）の同
一箇所（３６〜３９）で切断品（４０）が切断されるの
で押し切り状態になりやすく、切断効率が劣るだけでな
く、商品の型くずれの原因となりやすい。

【００２６】前記刃物カセット（８）およびカセットテ
ーブル（２０）の各部品は切断品（４０）の種類、切断
幅、切断個数等により交換され、それらは取り付け金具
やねじ止めにより簡単に交換できる。

【００２７】本発明の切断装置は海苔巻きすし、ばって
ら、押しすし等のすし類をはじめ、ロールケーキ、パウ
ンドケーキ、フランスパン、ソーセイジ、ハム等の棒状
食品の切断に特に好適に用いることができる。

【００２８】

【発明の効果】本発明の食品の切断装置は、以上説明し
たように簡単な構造からなり、装置がコンパクトで軽量
であって取り扱いも容易であり、切断刃の切断位置が切
断品の切断中心点に対して偏心しながら移動していき、
切断に最適な軌跡を描くことができるので、切断効率が
よく、すしのような軟らかい食品でも極めて容易に切断
することができ、型くずれ等の不良品の発生を抑え商品
価値の高い商品を確実に得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明実施例の切断装置の構造を示す側断面
概略図である。

【図２】 本発明実施例の切断装置の正面概略図であ
る。

【図３】 本発明実施例の刃物枠の正面概略図である。

【図４】 本発明実施例のカセットテーブルの側面概略
図である。

【図５】 同上の上面図である。

【図６】 上部テーブル移動手段の変形例を示した概略
図である。

【図７】 本発明実施例の切断軌跡を示した説明図であ
る。

【図８】 本発明比較例の切断軌跡を示した説明図であ
る。

【符号の説明】

１……切断装置本体 ２……左右フレーム ７……カセット枠 ８……刃物カセット ９……切断刃 １１……支点軸 １４……歯車 ２０……カセットテーブル ２１……上部テーブル（可動） ２２……下部テーブル（固定） ２３……受け台 ２４……保護カバー ２５……上部テーッブルのスリット ２６……下部テーブルのスリット ２７……保護カバーのスリット ２９……上部テーブル側部に開設された連続孔 ３０……実施例の切断軌跡 ３１〜３４……実施例の切断中心点 ３５……比較例の切断軌跡 ３６〜３９……比較例の切断中心点 ４０……切断品

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上下方向へ円弧状に移動できるように左
   右フレームの支点軸で軸支されたカセット枠と、前記カ
   セット枠に脱着自在に装着される複数の切断刃が切断品
   に対して所定間隔を置いて並設された刃物カセットと、
   前記の各切断刃が通過するスリットが開設された切断品
   を載せる受け台を設けたテーブルとで構成され、前記カ
   セット枠の上下方向の移動に連動して前記テーブルが前
   後方向にスライド移動する手段を有することを特徴とし
   た食品の切断装置。
2. 【請求項２】 前記テーブルの移動手段が、前記カセッ
   ト枠と前記テーブルとの間に連結された伝達部材により
   連動することを特徴とした請求項１に記載の食品の切断
   装置。
3. 【請求項３】 前記テーブルの移動手段が、前記カセッ
   ト枠の支点軸に連設された歯車と前記テーブルの前後方
   向に開設された連続孔の噛み合わせにより連動すること
   を特徴とした請求項１または２に記載の食品の切断装
   置。