JP2001353486A - 浄水カートリッジ - Google Patents

浄水カートリッジ

Info

Publication number
JP2001353486A
JP2001353486A JP2000176424A JP2000176424A JP2001353486A JP 2001353486 A JP2001353486 A JP 2001353486A JP 2000176424 A JP2000176424 A JP 2000176424A JP 2000176424 A JP2000176424 A JP 2000176424A JP 2001353486 A JP2001353486 A JP 2001353486A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
support frame
filtration chamber
water purification
purification cartridge
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000176424A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuji Hiraishi
裕二 平石
Toshiyuki Kubota
俊幸 久保田
Naoto Matsuo
直人 松尾
Masuo Yamaguchi
益生 山口
Takuma Sato
琢磨 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP2000176424A priority Critical patent/JP2001353486A/ja
Publication of JP2001353486A publication Critical patent/JP2001353486A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 微細な球状のろ材が使用できるためにトリハ
ロメタンの除去能力が高く、また、ろ材がカートリッジ
の仕切り部に目詰まりしないために一定の水量が確保で
き、安全でおいしい水を得ることのできる浄水カートリ
ッジを提供することを目的とする。 【解決手段】 本発明の浄水カートリッジ1は、外周壁
に水の流入用又は流出用の開口部を備えたろ過室3と、
ろ過室3に内設された支持枠5と、支持枠5又はろ過室
3の外周壁の内周面又は外周面に積層した繊維を絡合、
縫合、接着又は融着させた繊維のいずれか1以上からな
るシートと、を備えた構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水道水に含まれる
トリハロメタンをろ材を用いて除去する浄水カートリッ
ジに関するものである。
【0002】
【従来の技術】河川の水や地下水を水道水として利用し
ている我国においては、各家庭や事業所等に安全な水道
水を供給するために、各地の浄水場が、河川の水や地下
水に塩素等の各種の薬品を添加し、浄水処理を行ってい
る。近年、水源となっている河川や地下水の水質が悪化
しているので、各地の浄水場では、水道水の水質を低下
させないために、従来よりも大量の塩素を添加しなけれ
ばならなくなった。そのため、特に都市部では、カビ臭
や塩素臭などの臭いに悩まされるようになった。水道水
の臭気が大きくなるにつれ、浄水装置が各家庭や事業所
等で広く使われるようになっており、そのような浄水装
置としては活性炭と中空糸膜を組み合わせたものが一般
的に使用される。活性炭がカビ臭や塩素臭をとり、中空
糸膜がにごりなどの粒子成分を除去する。中空糸膜は、
活性炭部に発生する雑菌を除去する働きもする。
【0003】しかし、近年問題となっているのは、水道
水の臭いやにごりだけでなく、水道水中に微量含まれる
トリハロメタンである。ここで、トリハロメタンとは、
クロロホルムやブロモジクロロメタン等の低沸点有機ハ
ロゲン化合物をいい、浄水場で処理しきれなかったフミ
ン質等の有機物が添加された塩素と反応して生成される
ものであり、クロロホルムに発ガン性のあることが認め
られている。従って、浄水装置には、臭いやにごりの除
去効果だけでなく、トリハロメタンの除去効果も要求さ
れている。
【0004】活性炭は水道水中に含まれるトリハロメタ
ンを除去する効果を有するが、その効果をさらに高める
ため、最近の浄水装置に用いられる活性炭には以下の配
慮がされている。
【0005】(1)活性炭は、粒状の形状が不規則なも
のを用いるのではなく、球状のものを充填する。球状の
活性炭におけるトリハロメタンの除去性能は不特定形状
の活性炭のそれより高いためと、浄水カートリッジ内の
活性炭の充填密度を高めて水が活性炭に接触せずにその
隙間を抜けてしまうのを防ぐためである。
【0006】(2)活性炭は、その粒径が100μm〜
350μmのもの以外に70μm〜100μm程度のも
のを加え、図10に示すような70μm〜350μmの
分布をもつものを充填する。粒径の小さな活性炭はその
比表面積が大きいので、水が活性炭表面と接触する確率
が増え、トリハロメタンの除去効率が上がるからであ
る。
【0007】ここで、活性炭はろ過室とろ過室に内設さ
れた支持枠との間に充填され、支持枠には活性炭が水道
水に流されてろ過室から抜けてしまうのを防ぐために、
活性炭の粒径よりも小さな寸法の開口部をもつシートが
取り付けられる。
【0008】従来の浄水カートリッジのろ過室には、繊
維を交錯させてつくられたシート(以下、メッシュと呼
ぶ)が備えられていた。メッシュは、粒径が70μm〜
350μmの活性炭を充填する場合には、活性炭がその
開口部を通過せず、かつ、水の流量が確保できるように
するため、目開きの一辺が60〜80μmである200
メッシュのものがよく使われていた。
【0009】以下、従来の浄水カートリッジに備えられ
たメッシュについて、図面を参照しながら説明する。
【0010】図11(a)は従来の浄水カートリッジに
備えられたメッシュの部分斜視図であり、図11(b)
は従来の浄水カートリッジに備えられた通水後のメッシ
ュの部分断面図であり、図12は従来の浄水カートリッ
ジにおける活性炭の粒度と浄水の流量との関係を示す図
である。
【0011】図中、21は目開きの一辺が60〜80μ
mである200メッシュのメッシュ、22は粒径が70
μm〜100μmの球状の活性炭である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の浄水カートリッジでは、粒径が70μm〜100μ
mの球状の活性炭が、規則正しく配列した目開きの一辺
が60〜80μmであるメッシュの開口部にはまり込
み、水の通路を塞ぎ、浄水の流路を少なくしてしまうと
いう課題があった。従って、従来の浄水カートリッジの
浄水の流量が、図12に示すように、活性炭の粒径が3
50μmのときに3.5L/min、70μmのときに
2.6L/minと、約74%に低下してしまうという
課題を有していた。
【0013】本発明の浄水カートリッジは上記従来の課
題を解決するためのもので、微細な球状のろ材が使用で
きるためにトリハロメタンの除去能力が高く、また、ろ
材がろ過室に備えられたシートに目詰まりしないために
一定の水量が確保でき、安全でおいしい水を得ることの
できる浄水カートリッジを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記従来の課題を解決す
るために本発明の浄水カートリッジは、外周壁に水の流
入用又は流出用の開口部を備えたろ過室と、ろ過室に内
設された支持枠と、ろ過室と支持枠との間に充填された
ろ材と、を備えた浄水カートリッジであって、支持枠又
はろ過室の外周壁の内周面又は外周面に、積層した繊維
を絡合、縫合、接着又は融着させた繊維のいずれか1以
上からなるシートを備えた構成を有している。
【0015】この構成により、微細な球状のろ材が使用
できるためにトリハロメタンの除去能力が高く、また、
ろ材がろ過室に備えられたシートに目詰まりしないため
に一定の水量が確保でき、安全でおいしい水を得ること
のできる浄水カートリッジを提供することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、外周壁に水の流入用の開口部を備えたろ過室と、ろ
過室に内設された支持枠と、ろ過室と支持枠との間に充
填されたろ材と、を備えた浄水カートリッジであって、
支持枠は、積層した繊維を絡合、縫合、接着又は融着さ
せた繊維のいずれか1以上からなるシートを備えた構成
を有している。
【0017】この構成により、浄水カートリッジに通水
された際に、ろ材は支持枠に備えられた積層した繊維を
絡合、縫合、接着又は融着させた繊維のいずれか1以上
からなるシートに捕捉されるが、その開口部は目開きが
不均一なので、シートに捕捉されたろ材によって流路が
ふさがれることがなく、延いては、一定の水量を確保す
ることができるという作用を有する。
【0018】ここで、繊維とは、太さに比して充分の長
さをもつ細くてたわみやすいものをいい、その原料に
は、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン、ビニロ
ン、アクリル、ポリエチレン、レーヨン、キュプラ、
綿、羊毛等の獣毛、ガラス、麻、アセテートなどが使わ
れる。
【0019】また、ろ材としては、活性炭のほかに、骨
炭、木炭等を用いてもよい。
【0020】さらに、シートは、支持枠すべてを覆うよ
うに取り付ける必要はなく、支持枠の開口部だけに取り
付けられていてもよい。
【0021】なお、シートの厚みとしては、0.5mm
〜5.0mm、好ましくは1.0mm〜3.0mmとさ
れる。シートの厚みが1.0mmより薄くなるにつれ、
シートの開口部の量が少なくなり浄水の流量が低下する
傾向がみられ、3.0mmより厚くなるにつれろ過室の
容積が低下する傾向がみられるため、いずれも好ましく
ない。特に、シートの厚みが0.5mmよりも薄くなる
か、5.0mmよりも厚くなるとこの傾向が著しいの
で、いずれも好ましくない。
【0022】本発明の請求項2に記載の発明は、外周壁
に水の流出用の開口部を備えたろ過室と、ろ過室に内設
された支持枠と、ろ過室と支持枠との間に充填されたろ
材と、を備えた浄水カートリッジであって、ろ過室の外
周壁の内周面または外周面に、積層した繊維を絡合、縫
合、接着又は融着させた繊維のいずれか1以上からなる
シートを備えた構成を有している。
【0023】この構成により、浄水カートリッジに通水
された際に、ろ材はろ過室の外周壁に備えられた積層し
た繊維を絡合、縫合、接着又は融着させた繊維のいずれ
か1以上からなるシートに捕捉されるが、その開口部は
目開きが不均一なので、シートに捕捉されたろ材によっ
て流路がふさがれることがなく、延いては、一定の水量
を確保することができるという作用を有する。
【0024】ここで、繊維とは、太さに比して充分の長
さをもつ細くてたわみやすいものをいい、その原料に
は、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン、ビニロ
ン、アクリル、ポリエチレン、レーヨン、キュプラ、
綿、羊毛等の獣毛、ガラス、麻、アセテートなどが使わ
れる。
【0025】また、ろ材としては、活性炭のほかに、骨
炭、木炭等を用いてもよい。
【0026】さらに、シートは、ろ過室の外周壁すべて
を覆うように取り付ける必要はなく、外周壁の開口部だ
けに取り付けられていてもよい。
【0027】なお、シートの厚みとしては、0.5mm
〜5.0mm、好ましくは1.0mm〜3.0mmとさ
れる。シートの厚みが1.0mmより薄くなるにつれ、
シートの開口部の量が少なくなり浄水の流量が低下する
傾向がみられ、3.0mmより厚くなるにつれろ過室の
容積が低下する傾向がみられるため、いずれも好ましく
ない。特に、シートの厚みが0.5mmよりも薄くなる
か、5.0mmよりも厚くなるとこの傾向が著しいの
で、いずれも好ましくない。
【0028】本発明の請求項3に記載の発明は、請求項
1又は2に記載の浄水カートリッジであって、シートが
不織布又はフェルトからなる構成を有している。
【0029】この構成により、不織布又はフェルトが有
する開口部は目開きが不均一なので、水に流されたろ材
によって流路がふさがれることなく一定の水量を確保す
ることができるという作用を有する。
【0030】ここで、不織布とは、繊維を機械的、熱
的、化学的な手法を用いて接着又は交絡した繊維の集合
体をいう。不織布の原料としては、ポリプロピレン、ポ
リエステル、ナイロン、ビニロン、アクリル、ポリエチ
レン、レーヨン、キュプラ、綿、羊毛等の獣毛、ガラ
ス、麻、アセテートなどが使われる。また、フェルトと
は、羊毛などの獣毛の集合体に熱、水分、圧力を加え
て、獣毛を絡合させた集合体をいう。
【0031】請求項4に記載の発明は、請求項1又は3
に記載の浄水カートリッジであって、シートと支持枠が
一体成型されている構成を有している。
【0032】この構成によって、請求項1又は3の作用
に加え、以下のような作用を有する。
【0033】(1)支持枠とシートとを一体成形した場
合は、支持枠とシートとの厚みを、支持枠にシートを溶
着した場合よりも薄くできるため、ろ材を充填できるろ
過室の容積を大きくでき、延いては、ろ材の充填量を多
くでき、それに伴って、ろ材に吸着可能なトリハロメタ
ンの量を多くできるので、浄水カートリッジの寿命を長
くできる。
【0034】(2)一体成形品は、円筒形状をした支持
枠に平板状のシートを溶着するといった面倒な工程がな
いため、その製造コストを下げることができる。
【0035】ここで、支持枠とシートとを一体成形する
方法としては、金型内にシートと支持枠をセットし加熱
圧着する方法、加熱された金型内にシートをセットし樹
脂を流し込んで成形する方法等が用いられる。
【0036】請求項5に記載の発明は、請求項2又は3
に記載の浄水カートリッジであって、ろ過室の外周壁に
備えられた水の流出用の開口部とシートが一体成型され
ている構成を有している。
【0037】この構成によって、請求項2又は3の作用
に加え、以下のような作用を有する。
【0038】(1)ろ過室の外周壁とシートとを一体成
形した場合は、支持枠とシートとの厚みを、支持枠にシ
ートを溶着した場合よりも薄くできるため、ろ材を充填
できるろ過室の容積を大きくでき、延いては、ろ材の充
填量を多くでき、それに伴って、ろ材に吸着可能なトリ
ハロメタンの量を多くできるので、浄水カートリッジの
寿命を長くできる。
【0039】(2)一体成形品は、円筒形状をしたろ過
室に平板状のシートを溶着するといった面倒な工程がな
いため、その製造コストを下げることができる。
【0040】ここで、ろ過室とシートとを一体成形する
方法としては、金型内にシートとろ過室をセットし加熱
圧着する方法、加熱された金型内にシートをセットし樹
脂を流し込んで成形する方法等が用いられる。
【0041】以下、本発明の一実施の形態について、図
面を参照しながら説明する。
【0042】(実施の形態1)図1は本発明の実施の形
態1における浄水カートリッジの断面図であり、図2は
本発明の実施の形態1における中空糸膜部を除く浄水カ
ートリッジの断面図である。図3(a)は本発明の実施
の形態1における支持枠に取り付けられたフェルトの部
分斜視図であり、図3(b)は同通水後の支持枠に取り
付けられたフェルトの部分断面図である。
【0043】図中、1は浄水カートリッジ、2は水道水
を浄水カートリッジ内に供給する水道水供給用開口部、
3はろ過室、4はろ過室に備えられた流入用開口部、5
は容器に内設された支持枠、6は支持枠に固着されたフ
ェルト、7はろ材を抑えるろ材押さえ板、8はろ材の充
填ばらつきを吸収するためのフェルト、9はろ過室の
蓋、10はろ材、11は中空糸膜である。矢印の方向は
水の流れである。
【0044】以上のように構成された本実施の形態1に
おける浄水カートリッジについて、以下その動作を説明
する。
【0045】浄水カートリッジ1に水道水供給用開口部
2から供給された水は、矢印のように、ろ過室の外周壁
に備えられた流入用開口部4からろ過室3に入り、ろ材
10、支持枠5に固着されたフェルト6、中空糸膜11
の順に通って、浄化される。
【0046】一方、ろ材10は、ろ過室3に通水された
際に、目開きが不均一で厚みのあるフェルト6の表面お
よび内部に捕捉されるが、フェルト6にはまだ水の通路
が残るため、浄水カートリッジ1の流量が低下しない。
【0047】ここでフェルト6は、ろ過室3に備えられ
た流入用開口部4にも備えられる場合がある。さらに、
フェルト6は、400g/m2程度の目付けのものを使
用するのが好ましい。
【0048】以上のように本実施の形態1における浄水
カートリッジは構成されているので、ろ材が充填された
ろ過室に通水された際に、粒径70μm〜100μmの
粒径を有する球状のろ材が目開きが不均一で厚みのある
フェルトの表面および内部に捕捉されるが、フェルトに
はまだ水の通路が残っているので、矢印の向きに一定の
量の水が流れ、浄水カートリッジを通過する水量が低下
しないという作用を有する。
【0049】(実施の形態2)図4は本発明の実施の形
態2における浄水カートリッジの断面図であり、図5は
本発明の実施の形態2における中空糸膜部を除く浄水カ
ートリッジの断面図である。なお、実施の形態1で説明
したものと同一のものは、同一の符号を付して説明は省
略する。
【0050】図中、12はろ過室に備えられた流出用開
口部である。
【0051】以上のように構成された本実施の形態2に
おける浄水カートリッジについて、以下その動作を説明
する。
【0052】浄水カートリッジ1に水道水供給用開口部
2から供給された水は、矢印のように、ろ過室3に内設
された支持枠5からろ過室3に入り、ろ材10、ろ過室
3の外周壁に備えられた流出用開口部12、ろ過室3の
外周壁に固着されたフェルト6、中空糸膜11の順に通
って、浄化される。
【0053】一方、ろ材10は、ろ過室3に通水された
際に、目開きが不均一で厚みのあるフェルト6の表面お
よび内部に捕捉されるが、フェルト6にはまだ水の通路
が残るため、浄水カートリッジ1の流量が低下しない。
【0054】ここでフェルト6は、ろ過室3に内設され
た支持枠5にも備えられていて良い。さらに、フェルト
6は、400g/m2程度の目付けのものを使用するの
が好ましい。
【0055】以上のように本実施の形態2における浄水
カートリッジは構成されているので、ろ材が充填された
ろ過室に通水された際に、粒径70μm〜100μmの
粒径を有する球状のろ材が目開きが不均一で厚みのある
フェルトの表面および内部に捕捉されるが、フェルトに
はまだ水の通路が残っているので、矢印の向きに一定の
量の水が流れ、浄水カートリッジを通過する水量が低下
しないという作用を有する。
【0056】(実施の形態3)図6は本実施の形態3に
おける不織布が一体成形された支持枠の外観図、図7は
本実施の形態3における外周壁と不織布が一体成形され
たろ過室の外観図である。なお、実施の形態1で説明し
たものと同一のものは、同一の符号を付して説明は省略
する。
【0057】図中、13は不織布、14は不織布13と
一体成形された支持枠、15は不織布13と一体成形さ
れたろ過室である。
【0058】本実施の形態3においては、不織布は支持
枠またはろ過室の外周壁と一体成形された構成を有して
いるため、以下のような作用を有する。
【0059】(1)支持枠またはろ過室の外周壁と不織
布との厚みは、支持枠またはろ過室の外周壁と不織布と
を一体成形した場合は、それらに不織布を溶着した場合
よりも薄くできるため、ろ材を充填できるろ過室の容積
を大きくでき、延いては、ろ材の充填量を多くでき、そ
れに伴って、ろ材に吸着可能なトリハロメタンの量を多
くできるので、浄水カートリッジの寿命を長くできる。
【0060】(2)一体成形品は、円筒形状をした支持
枠およびろ過室の外周壁に平板状の不織布を溶着すると
いった面倒な工程がないため、その製造コストを下げる
ことができる。
【0061】ここで、支持枠又はろ過室の外周壁と不織
布とを一体成形する方法としては、金型内に不織布と支
持枠又はろ過室とをセットし加熱圧着する方法、加熱さ
れた金型内に不織布をセットし樹脂を流し込んで成形す
る方法等が用いられる。
【0062】
【実施例】以下、本発明について、実施例、比較例及び
試験例を用いて具体的に説明する。
【0063】(実施例)ろ過室に内設された支持枠に目
付け400g/m2のフェルト(厚さ2.0mm)を取
り付け、中空糸膜を装着し、支持枠とろ過室との間に平
均粒径50、70、350μmの活性炭をそれぞれ充填
し、本実施の形態1に示す構成の浄水カートリッジを作
成した。なお、中空糸膜は、材質ポリスルホン、孔径
0.04μm、内径0.20mm、外径0.42mmの
ものを使用した。
【0064】(比較例)ろ過室に内設された支持枠に2
00メッシュのメッシュ(厚さ0.2mm)を取り付
け、中空糸膜を装着し、支持枠とろ過室との間に粒径7
0、350μmの活性炭をそれぞれ充填し、支持枠に取
り付けたシートの種類及び厚さ以外は実施例と同様の構
成の浄水カートリッジを作成した。なお、中空糸膜は、
材質ポリスルホン、孔径0.04μm、内径0.20m
m、外径0.42mmのものを使用した。
【0065】(試験例1)実施例と比較例の各浄水カー
トリッジにおける水圧100KPaの浄水の流量を測定
した。図8はろ過室に充填された活性炭の粒径と、実施
例と比較例の浄水カートリッジの浄水の流量とを示す図
で、その結果を示す。
【0066】活性炭の平均粒径が350μmのときに
は、浄水の流量が、実施例も比較例も3.5L/min
であったが、活性炭の平均粒径が70μmのときには、
比較例の浄水カートリッジの浄水流量が2.6L/mi
nであったのに対し、実施例の浄水カートリッジのそれ
は3.1L/minと、比較例の約120%に向上し
た。
【0067】(試験例2)図9はろ過室の外周と支持枠
の外周との間隔rと浄水カートリッジの寿命との関係を
示す図、図10は浄水カートリッジに充填されるろ材の
粒度分布を示す図である。
【0068】ろ過室に内設され種々の外周径を有する支
持枠に目付け400g/m2のフェルト(厚さ2.0m
m)を取り付け、中空糸膜を装着し、支持枠とろ過室と
の間に図10に示す70〜350μmの粒度分布を有す
る活性炭を充填し、本実施の形態1に示す構成の浄水カ
ートリッジを作成した。なお、中空糸膜は、材質ポリス
ルホン、孔径0.04μm、内径0.20mm、外径
0.42mmのものを使用した。
【0069】種々の外周径を有する支持枠をろ過室に内
設した結果、図2に示すろ過室の外周と支持枠の外周と
の間隔rが種々の値を有する浄水カートリッジが得られ
た。
【0070】この種々の浄水カートリッジの寿命を測定
し、寿命と間隔rとの関係を調べた。図9にその結果を
示す。
【0071】ここで、浄水カートリッジの寿命とは、J
IS S 3201(1999)6.2.3に準拠した
試験において、総トリハロメタン(クロロホルム45
%、ジクロロブロモメタン30%、クロロブロモメタン
20%、ブロロホルム5%)を除去しはじめてから、そ
の除去率が80%になるまでの総流量のことをいう。
【0072】図9から、rが小さくなるにつれて、浄水
カートリッジの寿命が短くなることが確認された。
【0073】試みに、厚み2.0mm、材質ポリエステ
ルの不織布と、材質ポリプロピレンの支持枠とを70℃
に保たれた金型内に装着し、50MPaの圧力を2秒間
加えることで不織布と一体成形された支持枠における支
持枠と不織布の厚みと、同じ厚み、同じ材質の不織布を
支持枠に溶着したものの支持枠と不織布の厚みとを比較
してみたところ、一体成形した場合の支持枠と不織布の
厚みは、そうでないものよりも約2mm薄くすることが
できることが確認された。ろ過室の外周と支持枠の外周
との間隔rを2mm大きくすることができるとすると、
浄水カートリッジの寿命を約5%長くすることができる
ことが図9から確認された。
【0074】
【発明の効果】以上のように本発明の浄水カートリッジ
によれば、以下のような有利な効果が得られる。
【0075】請求項1に記載の発明によれば、通水され
た際に、ろ材は支持枠に備えられた積層した繊維を絡
合、縫合、接着又は融着させた繊維のいずれか1以上か
らなるシートに捕捉されるが、その開口部は目開きが不
均一なので、シートに捕捉されたろ材によって流路がふ
さがれることがなく、延いては、一定の水量を確保する
ことができる優れた浄水カートリッジを提供することが
できる。
【0076】請求項2に記載の発明によれば、通水され
た際に、ろ材は支持枠に備えられた積層した繊維を絡
合、縫合、接着又は融着させた繊維のいずれか1以上か
らなるシートに捕捉されるが、その開口部は目開きが不
均一なので、シートに捕捉されたろ材によって流路がふ
さがれることがなく、延いては、一定の水量を確保する
ことができる優れた浄水カートリッジを提供することが
できる。
【0077】請求項3に記載の発明によれば、請求項1
又は2の効果に加え、不織布又はフェルトが有する開口
部は目開きが不均一なので、水に流されたろ材によって
流路がふさがれることなく、一定の水量を確保すること
ができる優れた浄水カートリッジを提供することができ
る。
【0078】請求項4に記載の発明によれば、請求項1
又は3の効果に加え、以下の有利な効果が得られる。
【0079】(1)支持枠にシートを固着したときより
も、ろ過室の容積を広く確保できるため、ろ過室にろ材
をたくさん入れることができ、トリハロメタンを除去す
る能力を長時間維持することができる経済的で安全性に
優れた浄水カートリッジを提供することができる。
【0080】(2)支持枠にシートを固着する必要がな
いので、低コストで製造できる浄水カートリッジを提供
することができる。
【0081】請求項5に記載の発明によれば、請求項2
又は3の効果に加え、以下の有利な効果が得られる。
【0082】(1)ろ過室の外周壁にシートを固着した
ときよりも、ろ過室の容積を広く確保できるため、ろ過
室にろ材をたくさん入れることができ、トリハロメタン
を除去する能力を長時間維持することができる経済的で
安全性に優れた浄水カートリッジを提供することができ
る。
【0083】(2)ろ過室の外周壁にシートを固着する
必要がないので、低コストで製造できる浄水カートリッ
ジを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における浄水カートリッ
ジの断面図
【図2】本発明の実施の形態1における中空糸膜部を除
く浄水カートリッジの断面図
【図3】(a)本実施の形態1における支持枠に取り付
けられたフェルトの部分斜視図 (b)本実施の形態1における通水後の支持枠に取り付
けられたフェルトの部分断面図
【図4】本発明の実施の形態2における浄水カートリッ
ジの断面図
【図5】本発明の実施の形態2における中空糸膜部を除
く浄水カートリッジの断面図
【図6】本実施の形態3における不織布が一体成形され
た支持枠の外観図
【図7】本実施の形態3における外周壁に不織布が一体
成形されたろ過室の外観図
【図8】ろ過室に充填された活性炭の粒径と、実施例と
比較例の浄水カートリッジの浄水の流量とを示す図
【図9】ろ過室の外周と支持枠の外周との間隔rと浄水
カートリッジの寿命との関係を示す図
【図10】浄水カートリッジに充填されるろ材の粒度分
布を示す図
【図11】(a)従来の浄水カートリッジに備えられた
メッシュの部分斜視図 (b)従来の浄水カートリッジに備えられた通水後のメ
ッシュの部分断面図
【図12】従来の浄水カートリッジにおける活性炭の粒
度と浄水の流量との関係を示す図
【符号の説明】
1 浄水カートリッジ 2 水道水供給用開口部 3 ろ過室 4 流入用開口部 5 支持枠 6 フェルト 7 ろ材押さえ板 8 ろ材の充填ばらつきを吸収するフェルト 9 ろ過室の蓋 10 ろ材 11 中空糸膜 12 流出用開口部 13 不織布 14 不織布と一体成形された支持枠 15 不織布と一体成形されたろ過室 21 メッシュ 22 粒径70〜100μmの球状の活性炭
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松尾 直人 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 山口 益生 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 佐藤 琢磨 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 4D019 AA03 BA03 BA12 BA13 BA17 BB03 BB04 BB18 BC05 CA03 CB01 4D024 AA02 AB11 BA02 BA03 BB01 BB08 BC02 CA04 CA13 DB03 DB05

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外周壁に水の流入用の開口部を備えたろ過
    室と、前記ろ過室に内設された支持枠と、前記ろ過室と
    前記支持枠との間に充填されたろ材と、を備えた浄水カ
    ートリッジであって、前記支持枠は、積層した繊維を絡
    合、縫合、接着又は融着させた繊維のいずれか1以上か
    らなるシートを備えていることを特徴とする浄水カート
    リッジ。
  2. 【請求項2】外周壁に水の流出用の開口部を備えたろ過
    室と、前記ろ過室に内設された支持枠と、前記ろ過室と
    前記支持枠との間に充填されたろ材と、を備えた浄水カ
    ートリッジであって、前記ろ過室の外周壁の内周面また
    は外周面に、積層した繊維を絡合、縫合、接着又は融着
    させた繊維のいずれか1以上からなるシートを備えてい
    ることを特徴とする浄水カートリッジ。
  3. 【請求項3】前記シートが、不織布又はフェルトからな
    るシートであることを特徴とする請求項1又は2に記載
    の浄水カートリッジ。
  4. 【請求項4】前記シートと前記支持枠が、一体成型され
    ていることを特徴とする請求項1又は3に記載の浄水カ
    ートリッジ。
  5. 【請求項5】前記ろ過室の外周壁に備えられた水の流出
    用の開口部と前記シートが、一体成型されていることを
    特徴とする請求項2又は3に記載の浄水カートリッジ。
JP2000176424A 2000-06-13 2000-06-13 浄水カートリッジ Pending JP2001353486A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000176424A JP2001353486A (ja) 2000-06-13 2000-06-13 浄水カートリッジ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000176424A JP2001353486A (ja) 2000-06-13 2000-06-13 浄水カートリッジ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001353486A true JP2001353486A (ja) 2001-12-25

Family

ID=18678152

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000176424A Pending JP2001353486A (ja) 2000-06-13 2000-06-13 浄水カートリッジ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001353486A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002224665A (ja) * 2001-01-31 2002-08-13 Mitsubishi Rayon Co Ltd 浄水カートリッジ及び水処理装置
JP2002346550A (ja) * 2001-05-23 2002-12-03 Mitsubishi Rayon Co Ltd 浄水カートリッジ
JP2006346619A (ja) * 2005-06-17 2006-12-28 Yamaha Motor Co Ltd 浄水装置
JP2008119692A (ja) * 2007-12-28 2008-05-29 Ngk Insulators Ltd 浄水器
JP2008136933A (ja) * 2006-12-01 2008-06-19 Toray Ind Inc 浄水カートリッジ
JP2008279450A (ja) * 2008-07-14 2008-11-20 Mitsubishi Rayon Co Ltd 浄水器用カートリッジ
JP2008279449A (ja) * 2008-07-14 2008-11-20 Mitsubishi Rayon Co Ltd 浄水器用カートリッジ
JP2012206118A (ja) * 2012-06-07 2012-10-25 Mitsubishi Rayon Co Ltd 浄水カートリッジを備えている水栓
CN114618206A (zh) * 2021-04-01 2022-06-14 上海宏跞新材料科技有限公司 一种用于固液分离的cxm精密高效过滤器

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002224665A (ja) * 2001-01-31 2002-08-13 Mitsubishi Rayon Co Ltd 浄水カートリッジ及び水処理装置
JP2002346550A (ja) * 2001-05-23 2002-12-03 Mitsubishi Rayon Co Ltd 浄水カートリッジ
JP2006346619A (ja) * 2005-06-17 2006-12-28 Yamaha Motor Co Ltd 浄水装置
JP2008136933A (ja) * 2006-12-01 2008-06-19 Toray Ind Inc 浄水カートリッジ
JP2008119692A (ja) * 2007-12-28 2008-05-29 Ngk Insulators Ltd 浄水器
JP2008279450A (ja) * 2008-07-14 2008-11-20 Mitsubishi Rayon Co Ltd 浄水器用カートリッジ
JP2008279449A (ja) * 2008-07-14 2008-11-20 Mitsubishi Rayon Co Ltd 浄水器用カートリッジ
JP2012206118A (ja) * 2012-06-07 2012-10-25 Mitsubishi Rayon Co Ltd 浄水カートリッジを備えている水栓
CN114618206A (zh) * 2021-04-01 2022-06-14 上海宏跞新材料科技有限公司 一种用于固液分离的cxm精密高效过滤器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU2003231002B2 (en) Encapsulated filter cartridge
EP1615710A1 (en) Filter assembly utilizing carbon block and pleated filter element
JP2001353486A (ja) 浄水カートリッジ
JP2007296484A (ja) 水処理用フィルター
JPH0810417Y2 (ja) 浄水器
JP3164470U (ja) 浄水器用フィルター、及びこれを用いた浄水器
JPH11300138A (ja) 浄化フィルタおよび空気浄化装置
JP2004050083A (ja) 浄水器
JP6051421B2 (ja) 浄軟水器
JPH05161811A (ja) 濾過装置
JP2005000768A (ja) 浄水カートリッジ
JPH0351032Y2 (ja)
KR20140023012A (ko) 나노기공막 포켓이 장착된 정수기용 멤브레인 필터
KR102594953B1 (ko) 직수형 정수기의 메인 필터용 소재 및 그 필터 제조방법
CN212431312U (zh) 一种可更换滤芯的空气净化器
WO2001047818A1 (fr) Purificateur d'eau
JP2570030Y2 (ja) 浄水用カートリッジ
JP2004000956A (ja) 水栓内蔵型浄水カートリッジ
JP2006015273A (ja) 水処理装置
JP2570029Y2 (ja) 浄水用カートリッジ
JP2004188236A (ja) 浄水器
JP3124627B2 (ja) 浄水器
JP2971933B2 (ja) 浄水器
JP3302738B2 (ja) 浄水器
JPH0691989B2 (ja) 浄水器

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20070319

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20070322

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20070322

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070417

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090618

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090623

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090824

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090915

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091116

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20091215