JP2001348510A - 非晶質シリカ微粒子の製造方法 - Google Patents
非晶質シリカ微粒子の製造方法Info
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Abstract
その焼成灰を原料として白色度が高く、比表面積の大き
く、製紙用顔料或いは填料に好適な非晶質シリカ微粒子
を提供する。 【解決手段】シリカ又はその化合物を含むスラッジ又は
その焼成灰をアルカリ金属化合物と混合焼成し、混合焼
成工程で得られた焼成物を、酸処理する。酸処理工程
は、多段工程とすることが好ましい。混合焼成すること
によって、高硬度化合物(ケイ酸アルミニウムカルシウ
ム)の生成を防止し、ケイ酸アルミニウムのアルカリ金
属塩の生成を促進する。この焼成物を酸処理によって高
効率で白色度の高い非晶質シリカを取り出すことができ
る。
Description
の化合物を含むスラッジを原料とする非晶質シリカ微粒
子の製造方法に関し、特に製紙用充填材或いは顔料とし
て好適な非晶質シリカ微粒子に関する。
液スラリーからパルプを取り出した後の廃液にはインク
粒子に加え、シリカ、カオリンクレー、タルク、炭酸カ
ルシウムなどの無機充填剤および無機顔料粒子をかなり
の比率で含んでいる。従来は、これら汚泥を脱水処理し
て製紙スラッジとし、さらに焼却処理し、セメント原料
や炉の保温材として利用するか埋立処理していた。
古紙リサイクル過程で排出される製紙スラッジを再利用
することが提案されている。例えば特開平11-310732号
には、製紙スラッジを焼成した焼成灰(以下、PS灰と
いう)を500℃〜1100℃で再燃焼した後、スラリー化
し、湿式分散して白色顔料を製造する方法が提案されて
いる。また特表平11-502877号には、PS灰を生石灰と
ともにスラリー化し、このスラリーを炭酸化して、灰粒
子表面を沈降炭酸カルシウム(PPC)で覆った粒状物
質を製造する方法が提案されている。
次のような問題がある。製紙スラッジにはシリカ、カオ
リンクレー、タルクや炭酸カルシウムの他に鉄、マンガ
ンなど重金属に起因する着色成分が含まれているため、
製紙スラッジを製紙用にリサイクルするためには着色成
分を除去する必要があるが、焼成や粉砕などの処理では
これら着色成分を完全に除去することができない。この
ためPS灰を焼成、粉砕処理した粒状物質では大幅な白
色度の向上を望むことはできず、これを顔料或いは填料
として上質の紙を製造することはできない。
粒子が生成するという問題がある。製紙スラッジには多
く含まれる元素Si、Al、Caは、通常シリカ、アルミナ、
ケイ酸アルミニウム、炭酸カルシウムのような形で存在
するが、製紙スラッジを焼成するとケイ酸にカルシウム
が結合し例えばゲーレナイト(Ca2Al2Si2O7)のような
硬度の高い粒子を生成する。このような硬度の高い粒子
は製紙工程において抄紙用のプラスチックワイヤの損傷
を早めたり、ブレード塗工の際にブレード刃の損傷を早
める原因となる。
ーからPCCを製造する方法では、必ずしも白色度の高
い粒子を得ることができず、また白色度を高めるために
は多量の水酸化カルシウムを必要とする。一方、製紙用
の顔料或いは填料としていわゆるホワイトカーボンが用
いられている。ホワイトカーボンはシリカ微粒子或いは
シリカを主成分としアルミナを含む微粒子で、炭酸カル
シウムに比べ比表面積、吸油量が大きく、特に高いイン
ク吸収性を要求される用途、例えばインクジェット記録
用紙や新聞用紙に用いられている。しかし一般にシリカ
は炭酸カルシウムに比べ高価である。
スラッジ等の、シリカやその化合物を含むスラッジを原
料として白色度が高く、比表面積の大きい非晶質シリカ
微粒子を提供することを目的とする。また本発明は、製
紙用顔料或いは填料として、特に高いインク吸収性を必
要とする用途に好適な非晶質シリカ微粒子を提供するこ
とを目的とする。
明者らは、スラッジの焼成について鋭意研究した結果、
焼成時にアルカリ金属化合物を加え混合焼成することに
より、ケイ酸アルミニウムとカルシウムの結合による高
硬度化合物(ケイ酸アルミニウムカルシウム)の生成を
防止でき、この焼成物を酸処理によって高効率で非晶質
シリカを取り出すことができることを見出し本発明に至
ったものである。
法は、シリカまたはその化合物を含むスラッジ又はスラ
ッジを焼成した焼成灰をアルカリ金属化合物と混合焼成
する工程と、この混合焼成工程で得られた焼成物を、酸
処理する工程とを含むものである。シリカまたはその化
合物を含むスラッジとは、古紙のリサイクル工程やその
他一般の化学的処理工程から排出される半固体廃棄物及
びボーリング等で排出される岩石の破片、残泥、残屑等
であって、シリカ及びその化合物のいずれかを含むもの
である。本発明の非晶質シリカ微粒子の製造方法におい
て、好適にはアルカリ金属化合物は、焼成灰に対し重量
比1:0.01〜1:5の範囲で混合する。
法は、好適には酸処理工程は、複数の酸処理工程からな
る。複数の工程では、pH、酸の濃度、種類を異ならせ
ることができ、これら条件の異なる複数の酸処理工程を
適宜組合せることにより、例えばケイ酸のゾル−ゲル化
を防止し、作業性よく非晶質シリカ微粒子を得ることが
できる。
混合焼成によってケイ酸アルミニウムとアルカリ金属が
結合した焼成物を生成し、カルシウム含有化合物の生成
を防止する。これによって、この焼成物から酸処理によ
って容易にケイ素を非晶質シリカとして取り出すことが
できる。また酸処理をすることによって鉄、マンガン、
カルシウム等を水溶性の化合物として除去することがで
き、白色度の高い非晶質シリカ微粒子を得ることができ
る。特に多段処理することにより、効率よく不要物を除
去することができる。
な方法によって製造したものであり、主として非晶質シ
リカからなり、更に原料であるスラッジに含まれるアル
ミニウムに起因するケイ酸アルミニウム、アルミナを含
んでいてもよい。即ち、ケイ酸アルミニウム、アルミナ
との混合物も本発明の非晶質シリカ微粒子に含まれる。
方法によって製造した非晶質シリカ微粒子であってkett
白色度90%以上、BET比表面積100m2/g以上のもの
である。このような非晶質シリカ微粒子は、製紙用顔料
又は填料として好適であり、吸油量が多いので、高いイ
ンク吸収性が求められるインクジェット記録用紙や新聞
用紙に好適である。
方法についてさらに詳述する。本発明の非晶質シリカ微
粒子の製造方法において用いられるスラッジとは、一般
に化学的処理工程から排出される半固体廃棄物やボーリ
ング等で排出される岩石の破片、残泥、残屑等であって
シリカやその化合物(例えば、ケイ酸アルミニウム、ケ
イ酸アルミニウムカルシウム等)を含有するものであ
る。具体的には、製紙スラッジ、石炭灰、FRP焼却残
渣、汚泥焼却物、砕石微粉末等が挙げられ、これらは単
独でも混合物であってもよい。
発生する残渣であり、パルプ等の繊維、澱粉や接着剤、
コーティング剤等の有機物、カオリン、炭酸カルシウ
ム、二酸化チタン、タルク等の無機填料或いは顔料、残
留インク等を含む。さらに工場廃水として排出される余
剰汚泥等が含まれていてもよい。
は、このようなスラッジを乾燥した後、直接アルカリ金
属化合物と混合して焼成してもよいが、スラッジが泥状
である場合には、乾燥後、まずスラッジを焼成して焼成
灰とすることが好ましい。焼成は、例えばロータリーキ
ルン、流動床、流動、ストーカ、回転炉等通常用いられ
ている汚泥焼却炉を用いることができる。焼成温度は、
スラッジ中に含有される有機物等を燃焼するのに十分な
温度が好ましい。例えば、製紙スラッジの場合、製紙ス
ラッジ中に残留するインク粒子(主としてカーボン)、
繊維およびポリマー等の有機系化合物を燃焼するのに十
分な温度として、約800℃かそれ以上であることが好ま
しい。焼成時間は特に限定されないが、通常1分〜12時
間程度とする。
アルカリ金属化合物を加え、再焼成する。アルカリ金属
化合物としては、例えば炭酸ナトリウム、硝酸ナトリウ
ム、硫酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等のナトリウム
化合物やこれら化合物のナトリウムをカリウムに置き換
えたもの等を用いることができる。特にナトリウムの化
合物は、焼成時にスラッジ中のシリカやケイ酸化合物の
融点を下げ、カルシウムとの化合物の生成を抑制する効
果が最も大きく、好適である。また水酸化ナトリウムや
炭酸ナトリウムは、製紙工場や化学処理工程において回
収、再生されるものを使用することも可能である。
は、重量比で1:0.01〜1:5、好適には1:0.
1〜1:3の範囲とする。尚、スラッジを直接アルカリ
金属化合物と混合して焼成する場合には、スラッジによ
って含有される水分量や有機物量(強燃減量)が異なる
ので、スラッジ重量から水分量及び強燃減量を差引いた
値に対し上記混合割合となるようにする。
後、焼成する。混合焼成に先立って粉砕することにより
焼成灰とアルカリ金属化合物とが均一に混じり合い、よ
り効果的にアルカリ金属化合物を作用させることができ
る。混合焼成の温度は、好適には800〜1400℃とする。
時間は特に限定されないが通常0.1〜12時間程度とす
る。
おいて完全に燃焼されずに残留するカーボンや繊維等を
完全に燃焼、除去することができ、またケイ酸アルミニ
ウムカルシウムの生成が抑制される。これはアルカリ金
属が1)融剤のように機能し、融点を下げ、カルシウム
とケイ酸(SiO2)或いはケイ酸アルミニウムとの反応を
抑制する、2)最初の熱処理でケイ酸アルミニウムカル
シウムが生成していた場合でも、アルカリ金属がケイ酸
アルミニウムカルシウムのカルシウムと置換し、結果と
してケイ酸アルミニウムカルシウムの生成を抑制する、
ためと考えられる。この際、融点を下げるには、アルカ
リ金属のうちナトリウムが最も効果的である。
る。焼成物は酸処理に先立って粉砕しておくことが好ま
しい。粉砕は、ケージミル、ジェットミル、ディスクミ
ル、振動ミル等を用いる乾式粉砕や、サンドミル、アト
ライター、振動ミル等を用いる湿式粉砕で行うことがで
きる。さらに必要に応じて分級してもよい。
熱下攪拌しながら反応させることにより行なうことが好
ましい。反応温度は好適には50〜110℃とする。反応時
間は反応温度によって異なるが、通常0.1〜5時間程度と
する。酸としては、塩酸、硝酸のような一塩基酸や硫酸
のような二塩基酸を用いることができるが、複数回処理
を行うことが好ましい。これにより重金属等不純物の分
離の度合いを高め、白色度の高いシリカを得ることがで
きる。また種類の異なる酸による処理を組合せることが
好ましく、これにより、より純度の高いシリカを得るこ
とができる。例えば硫酸で処理した後、塩酸処理するこ
とにより、硫酸カルシウムを水相にして除去することが
できる。最も好ましい酸処理として、硫酸による多段処
理とそれに続く塩酸処理が挙げられる。
るケイ酸アルミニウムに対し、1当量以上とすることが
好適である。pHは特に限定されないが、pHを2以上
とすることにより、シリカのゾル−ゲル化(流動性の低
下)を防止することができ、反応液のろ過を容易に行う
ことができる。また比較的低いpHで反応させる場合に
は、反応液をそのまま乾燥し、得られた固体を水洗する
ことにより非晶質シリカを回収してもよい。
更に必要に応じて乾式又は湿式で粉砕及び/又は分級し
てもよい。粉砕は酸処理前に行う粉砕と同様に行うこと
ができる。分級は液体サイクロンや振動篩を用いて行う
ことができる。粉砕或いは分級工程を経ることにより、
粒径の大きな粒子を取り除き粒度の揃った非晶質シリカ
を得ることができる。
非晶質シリカ微粒子は、非晶質のシリカ粒子を80%以
上含む粒子であり、平均粒径(二次粒子)は、0.1〜
10μm程度である。本発明の非晶質シリカ微粒子は、
原料となる焼成灰に含まれるアルミニウムに起因するア
ルミナ或いはケイ酸アルミニウムを含んでいてもよい。
この非晶質シリカ微粒子は白色度が高く、また比表面積
が大きい。具体的には白色度はkett白色度約90%以上
であり、BET比表面積が100m2/g以上である。また吸油量
も大きく、酸処理条件によっては100ml/100g以上とな
る。
白色度が高く、製紙用の填料或いは顔料として用いるこ
とにより高い品質の紙を製造することができる。また本
発明の非晶質シリカ微粒子は表面積、吸油量が大きいの
で、インクジェット記録用紙や新聞用紙の顔料填料とし
て好適である。本発明の非晶質シリカ微粒子は、製紙用
に好適であるが、製紙に限らずゴム、プラスチック、塗
料、インキ等のフィラーとして用いることができる。
填料或いは顔料への適用について説明する。本発明の非
晶質シリカ微粒子は、単独で或いはPCC、カオリンクレ
ー、タルク、二酸化チタン、サチンホワイト等の填料と
混合して製紙用の内填料或いは塗被料として用いること
ができる。
紙を製造する方法は、通常の内填紙の製造方法と同様で
あり、例えば本発明の非晶質シリカ微粒子と必要に応じ
て他の填料を含むスラリー中にパルプ原料、紙力増強
剤、サイズ剤、歩留り向上剤等の添加剤を加え、抄紙す
ることにより得られる。パルプ原料に対する填料添加率
は、1〜50重量%、好適には5〜40重量%とする。
知のものを用いることができ、例えば紙力増強剤として
は澱粉類、植物性ガム、水性セルロース誘導体、ケイ酸
ソーダ等が、サイズ剤としてはロジン、澱粉、CMC
(カルボキシルメチルセルロース)、ポリビニルアルコ
ール、アルキルケテンダイマー、ASA(アルケニル無
水こはく酸)、中性ロジン等が、また歩留り向上剤とし
てポリアクリルアミドおよび共重合体、ケイ酸ソーダ等
が挙げられる。更に必要に応じて染料、顔料等の色料を
添加してもよい。
抄造器具で抄造することにより内填紙を製造することが
できる。坪量は特に限定されないが、通常10〜300g/m2
程度とする。
紙を製造する方法は、通常の塗工紙の製造方法と同様で
あり、例えば本発明の非晶質シリカ微粒子と、必要に応
じて他の顔料及び添加剤を分散剤とともに混合して塗被
料を調整し、これを中質紙、上質紙等の紙材上に塗布す
ることにより得られる。添加剤および分散剤としては公
知のものが用いられ、例えば添加剤としては染料、カゼ
インや澱粉などの接着剤、植物性或いは動物性ロウなど
のつや出し剤、潤滑剤等が挙げられる。分散剤としては
ケイ酸ソーダ、ヘキサメタリン酸ソーダ、ポリアクリル
酸ソーダ等が挙げられる。
ブレード、ゲートロール、ロッド、バー、キャスト、グ
ラビア、カーテン等の公知の塗工機(コーター)で行う
ことができる。塗布量は通常数〜数10g/m2程度であ
る。上述した本発明の内填紙或いは塗工紙は、内填剤或
いは塗工用顔料として通常のホワイトカーボンを用いた
紙と比べても遜色のない白色度、印刷適性、特にインク
吸収性を有する。また硬度の高い粒子を含まないので抄
紙の際にワイヤー摩耗を低減することができる。
ついて、蛍光X線分析法(蛍光X線分析装置VXQ-150、
島津製作所社製)により組成を求めた。結果を表1に示
す。またkett白色度(JPCS-102-87)及び比表面積(流
動式比表面積測定装置フローソープII2300型)を測定す
るとともに、X線回折法(X線回折装置RAD-B、理学電
気社製)により主成分の同定を行った。結果を表2に示
す。
を電気炉にて十分な空気を送りながら1000℃で30分間再
焼成した。得られた焼成灰について参考例1と同様にX
線回折法により主成分の同定を行うとともに、kett白色
度(JPCS-102-87)及び比表面積を測定した。結果を表
2に示す。
合で混合し、ディスクミルで1分間粉砕したものを電気
炉にて十分な空気を送りながら1000℃で30分間再焼成し
た。得られた焼成灰について参考例1と同様にX線回折
法により主成分の同定を行うとともに、kett白色度(JP
CS-102-87)及び比表面積を測定した。結果を表2に示
す。
炭酸ナトリウムと混合焼成することにより、ケイ酸アル
ミニウムカルシウムの生成が抑制され、代りにケイ酸ア
ルミニウムナトリウムが生成した。またPS灰を単に再
焼成したものに比べ、白色度の高い焼成灰が得られた。
したものを50g採取し、10%硫酸水溶液300mlを添加し
て、90℃で加熱攪拌しながら30分間反応を行なった。反
応物をろ過、洗浄し、ケーキ状物質を得た。このケーキ
状物質に、5%塩酸溶液300mlを添加し、90℃で加熱攪
拌しながら30分間反応を行なった後、反応物をろ過、洗
浄、乾燥し、粉末状物質を得た。この粉末状物質につい
てX線回折法及び蛍光X線法により同定を行ったとこ
ろ、非晶質シリカであることが確認された。また蛍光X
線法及び熱分析法(MTS9000、真空理工社製)で測定し
た結果、非晶質シリカの割合は91.9%であった。
ルで1分間粉砕し、325meshの篩で分級したものについ
てkett白色度、比表面積及び吸油量を測定した。結果を
表3に示す。
したものを50g採取し、5%硫酸水溶液200mlを添加し
て、90℃で加熱攪拌しながら30分間反応を行なった(第
1段の酸処理)。反応物をろ過、洗浄して得られたケー
キ状物質に、さらに10%硫酸水溶液300mlを添加し、90
℃で加熱攪拌しながら1.5時間反応を行なった(第2段
の酸処理)。反応物をろ過、洗浄し、ケーキ状物質を得
た。このケーキ状物質に、5%塩酸水溶液300mlを添加
し、90℃で加熱攪拌しながら30分間反応を行なった後
(第3段の酸処理)、反応物をろ過、洗浄、乾燥し、粉
末状物質を得た。この粉末状物質について実施例1と同
様に同定を行ったところ、97.2%非晶質シリカであるこ
とが確認された。
ルで1分間粉砕し、325meshの篩で分級したものについ
てkett白色度、比表面積及び吸油量を測定した。結果を
表3に示す。
mlを添加して、105℃で蒸発乾固させた後、水500mlを添
加して攪拌した。この溶液をろ過した後、得られたケー
キ状物質に、ろ液100mlを戻して攪拌し、再度105℃で蒸
発乾固させた。この操作を3回繰り返してケーキ状物質
を得た。このケーキ状物質に、5%塩酸水溶液300mlを
添加し、90℃で加熱攪拌しながら30分間反応を行なった
後、反応物をろ過、洗浄、乾燥し、粉末状物質を得た。
この粉末状物質について実施例1と同様に同定を行った
ところ、99.8%非晶質シリカであることが確認された。
ルで1分間粉砕し、325meshの篩で分級したものについ
てkett白色度、比表面積及び吸油量を測定した。結果を
表3に示す。
てkett白色度、比表面積及び吸油量を測定した。結果を
表3に示す。
リウムと混合焼成した焼成灰を酸処理することにより、
白色度が高く比表面積の大きい非晶質シリカが得られ
た。特に硫酸処理を複数の段階に分けて行うことによ
り、市販の非晶質シリカに劣らない白色度、比表面積、
吸油量の非晶質シリカを得ることができた。
晶質シリカ及び比較例の非晶質シリカを用いて以下のよ
うにインクジェット記録紙を得た。まずPS灰或いは非
晶質シリカに水を加えてコーレスミキサーで分散し、30
重量%の濃度のスラリーを作製した。このスラリー100
重量%にポリビニルアルコール(PV-117、クラレ社製)
15重量%を加え、固形分濃度20重量%の塗工液を調整し
た。この塗工液を市販の上質紙にコーティングロッドで
手塗りし、105℃で2分間乾燥した後、24時間調湿を行
い、カレンダー処理(線圧:100kg/cm、処理温度:55
℃、処理速度:8m/min、ニップ回数:1回)してインク
ジェット記録紙を得た。
プリンタ(PM-750C、EPSON社製)を用いて印刷を行い、
次の項目についてインクジェット記録適性を評価した。
結果を表4に示す。 ベタ均一性:シアン及びマゼンタの2色混合のベタ印字
部について目視で印字ムラを観察し、印字ムラが見られ
なかった場合を○、印字ムラが殆ど見られなかった場合
を△、印字ムラが著しい場合を×とした。 インク乾燥性:ベタ印字部を印字直後に指で触れたと
き、まったく汚れなかった場合を○、かすかに汚れた場
合を△、汚れた場合を×とした。 画質:印字部と非印字部の境界部のインクのにじみを目
視で観察し、にじみが認められなかった場合を○、やや
認められた場合を△、かなりにじんでいたものを×とし
た。
を再焼成したのみを用いた場合には、インクジェット印
刷適性のよい記録用紙を得ることができなかったが、実
施例2〜4の非晶質シリカを用いた場合には、評価した
全ての項目について市販の非晶質シリカに劣らない印刷
適性を有するインクジェット記録用紙が得られた。
晶質シリカ及び比較例5の非晶質シリカを用い、下記処
方のパルプ原料及び添加剤とともに混合し、紙料スラリ
ーを作製した。これを坪量40g/m2で角形シートマシーン
を用いた手抄きにより抄造し、新聞用紙を得た。尚、下
記処方において重量部は乾燥重量に基づくものである。 パルプ 100重量部 (DIP:KP:GP=50:20:30) 非晶質シリカ 8重量部 硫酸アルミニウム 0.7重量部
分、白色度、不透明度、引張強度を下記のJIS試験方法
に準拠して測定した。結果を表5に示す。 灰分:JIS P8128 白色度:JIS P8123 不透明度:JIS P8136 引張強度:JIS P8113
得られた非晶質シリカを用いた場合には、白色度、不透
明度が高く隠蔽性に優れた新聞用紙が得られた。引張強
度も白色度、不透明度と同様に、市販の非晶質シリカに
劣らない強度を示した。
明によれば、スラッジ又は焼成灰を原料として品質の高
い非晶質シリカ微粒子を提供することができる。特に本
発明の製造方法によって製造された非晶質シリカは、白
色度が高く、比表面積が大きいので製紙用填料或いは顔
料として、特に高いインク吸収性が要求される用途に有
用であり、通常のホワイトカーボンを用いた内填紙或い
は塗工紙と殆ど変らない性能の紙を提供することができ
る。
Claims (10)
- 【請求項1】シリカまたはその化合物を含むスラッジ又
は前記スラッジを焼成した焼成灰をアルカリ金属化合物
と混合焼成する工程と、前記混合焼成工程で得られた焼
成物を、酸処理する工程とを含む非晶質シリカ微粒子の
製造方法。 - 【請求項2】前記スラッジが製紙スラッジである請求項
1記載の非晶質シリカ微粒子の製造方法。 - 【請求項3】前記アルカリ金属化合物がナトリウム化合
物であることを特徴とする請求項1又は2記載の非晶質
シリカ微粒子の製造方法。 - 【請求項4】前記ナトリウム化合物が炭酸ナトリウム又
は水酸化ナトリウムであることを特徴とする請求項3記
載の非晶質シリカ微粒子の製造方法。 - 【請求項5】前記アルカリ金属化合物を、焼成灰に対し
重量比1:0.01〜1:5の割合で混合することを特
徴とする請求項1乃至4いずれか1項記載の非晶質シリ
カ微粒子の製造方法。 - 【請求項6】前記酸処理工程は、複数の酸処理工程から
なる請求項1乃至5いずれか1項記載の非晶質シリカ微
粒子の製造方法。 - 【請求項7】請求項1乃至6いずれか1記載の方法で製
造した非晶質シリカ微粒子。 - 【請求項8】kett白色度90%以上、BET比表面積10
0m2/g以上である請求項7記載の非晶質シリカ微粒子。 - 【請求項9】請求項7又は8記載の非晶質シリカ微粒子
を填料として用いたことを特徴とする内填紙。 - 【請求項10】紙の少なくとも一方の面に1ないし複数
の塗工層を設けてなる塗工紙であって、前記塗工層は請
求項7又は8記載の非晶質シリカ微粒子を含むことを特
徴とする塗工紙。
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