JP2001340052A - 糯米菓の製造方法並びに糯米菓 - Google Patents

糯米菓の製造方法並びに糯米菓

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JP2001340052A
JP2001340052A JP2000155675A JP2000155675A JP2001340052A JP 2001340052 A JP2001340052 A JP 2001340052A JP 2000155675 A JP2000155675 A JP 2000155675A JP 2000155675 A JP2000155675 A JP 2000155675A JP 2001340052 A JP2001340052 A JP 2001340052A
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aging
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water
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rice
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Akira Yamazaki
彬 山崎
Ichiro Hoshino
一郎 星野
Miwako Kinebuchi
美倭子 杵渕
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Echigo Seika Co Ltd
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Echigo Seika Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来製法の固定観念を打破し、糊化度の高い
製品の追求に取り組み、老化を抑制する手法によって新
しい搗きたて焼き餅を実現できる画期的な糯米菓の製造
方法並びに糯米菓を提供すること。 【解決手段】 水の存在下で澱粉を加熱することによっ
て膨潤又は溶解する糊化現象が生じた餅生地を、冷却す
ることで前記糊化とは逆の水に不溶性の状態に変化する
老化現象を生じてしまうことを防止するために、少なく
とも10°C以下で2時間以上冷却保存せず、この老化
が生じにくい状態を保って水分を25%以下に乾燥する
と共に、切断若しくは保形することで整形して、前記老
化を抑制した状態で前記整形した餅生地を焼き上げ処理
する糯米菓の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、糯米菓の製造方法
並びに糯米菓に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】澱粉粒
には結晶水とみられる水が存在し、その他に水素結合で
分子に強く吸着した水や組織間隙を埋めているような自
由水が存在する。
【0003】それぞれの水について明確な定量的根拠は
示されていないが、澱粉粒は分子会合の基因である水素
結合が破壊されない限度内において可逆的に水分子を吸
・脱着して膨潤・収縮する。
【0004】しかし、水素結合を破壊するような条件下
では不可逆的に膨潤(または溶融)し、糊化する。
【0005】例えば、澱粉粒を水の存在下で加熱する
か、ジメチルスルホキシド,液体アンモニア,アルカリ
溶液,ロダン酸ナトリウム溶液などの水素結合を破壊す
る媒体中におくと、粒は不可逆的に膨潤(または溶液)
し、糊化する。糊化とともに結晶性,複屈折性を失い、
粘度が上昇し、酵素(アミラーゼ)や化学薬品に対する
反応性が急激に大きくなる。従って、これらの現象を追
跡することによって糊化を評価することができる。糊化
は別名α化とも称せられる。
【0006】即ち、この糊化度が高ければ、溶解性が良
く、膨潤で粘度があるため美味しさが増し、口当たりが
良く、少なくとも溶解性が高いため口溶けの良い製品と
なる。
【0007】一方、糯米菓に対して消費者から次のよう
なニーズがある。
【0008】 年々高齢化してきている人達に飽きの
こない美味しい米菓が欲しい。
【0009】 お米を使った米菓で口溶けの良いもの
が欲しい。
【0010】 食べた時の硬さ、柔らかさは好みでい
ろいろあるが、サッパリとした食感を求めたい、揚げ物
ばかりでは油がきつい。
【0011】 見た目が良い商品でも食べるとガリガ
リで口溶けしないものがある。口溶けを良くして喉ごし
の爽やかな米菓が欲しい。
【0012】 食べた後でも、お腹がスッキリしてい
る米菓が欲しい。
【0013】 素材の味を引き出して上掛けの味を押
さえて欲しい。
【0014】 搗きたてのお餅に匹敵する美味しさが
欲しい。
【0015】従って、このニーズに応え、画期的な製品
を開発するには、従来品に比べて糊化度の高い製品を開
発実現することであることを出願人は見い出したのであ
る。
【0016】しかし、従来製法においては、従来例の工
程説明図を示す図1に示すように、糯玄米を搗精した
後、水洗又は水浸漬し、これを蒸して餅生地とし、水の
存在下で澱粉を加熱することによって膨潤又は溶解する
糊化現象が生じたこの餅生地を、冷却して冷蔵庫で長時
間保存した後切断・乾燥処理することで前記糊化と逆の
水に不溶性で澱粉が生にもどる状態に変化する老化現象
を生じさせてしまっている。
【0017】即ち、水切りして蒸煮し、搗いた餅生地
は、真に水の存在下で澱粉を加熱することによって膨潤
又は溶解する糊化現象が折角十分に生じているにもかか
わらず、この搗きたての折角の餅生地を、2〜3℃に急
冷して冷蔵庫で長時間保存することで逆に老化させてし
まい製品の糊化度を低くしてしまっている。
【0018】これは、蒸して搗いた高温の餅生地は、熱
く粘度が上がっているため、切断や保形などの製品化の
ための整形処理が困難なために、冷蔵庫で2〜3℃に冷
却し、2〜3日保存し、粘度を下げ、扱い易くしてから
切断・乾燥処理し、焼き上げて製品化しなければならな
いという固定観念があったからである。
【0019】即ち、従来の伝統的な米菓の製造方法によ
れば、餅をついた後、冷却し、固めるが、なんと48時
間から72時間もの長時間冷却保存している。この工程
による品質の劣化(老化)は致命的なものとなり、折角
の糊化度を製品時には著しく低くしてしまい口溶けを著
しく悪くしてしまう。
【0020】また冷却保存の後、温風乾燥でまた乾燥
し、10時間から72時間という長時間の乾燥時間を要
している。この工程による品質の劣化(老化)も甚だし
いものがある。従って、従来の糯米菓は、折角の吟味さ
れた材料も全くその特性を無くし旨みを無くしている。
【0021】かくして、焼き上げる段階で既に生地は現
代の消費者の不満を解消できる商品になりえないものと
なっていた。
【0022】製品によっては搗きたて後、最長144時
間(6日間)も冷却保存する製品もあり、これでは本来
の旨みは引き出せず、現代の消費者から支持を受けにく
い原因のひとつがここに有ることを出願人は見い出した
のである。
【0023】本発明は、このような現状を鑑み、前記技
術課題を解決すべく、従来製法の固定観念を打破し、糊
化度の高い製品の追求に取り組み、老化を抑制する手法
によって新しい搗きたて焼き餅を実現できる画期的な糯
米菓の製造方法並びに糯米菓を提供するものである。
【0024】即ち、糊化度が高いことで旨みがあり、口
当たりも良く、少なくとも口溶けが良い今までにない新
しい焼き餅が実現でき、しかも、搗きたての餅を直ぐに
製品化でき、素材のもつ美味しさが餅と共に新しい旨み
を引き出し、搗きたて後3時間程度で焼き上げ可能とす
ることもでき、十分に風味,旨みが引き出されると共
に、口溶けの良い画期的な糯米菓の製造方法並びに糯米
菓を提供するものである。
【0025】
【課題を解決するための手段】添付図面を参照して本発
明の要旨を説明する。
【0026】水の存在下で澱粉を加熱することによって
膨潤又は溶解する糊化現象が生じた餅生地を、冷却する
ことで前記糊化とは逆の水に不溶性の状態に変化する老
化現象を生じてしまうことを防止するために、少なくと
も10°C以下で2時間以上冷却保存せず、この老化が
生じにくい状態を保って水分を25%以下に乾燥すると
共に、切断若しくは保形することで整形して、前記老化
を抑制した状態で前記整形した餅生地を焼き上げ処理す
ることを特徴とする糯米菓の製造方法に係るものであ
る。
【0027】また、水の存在下で澱粉を加熱することに
よって膨潤又は溶解する糊化現象が生じた餅生地を、冷
却することで前記糊化とは逆の水に不溶性の状態に変化
する老化現象を生じてしまうことを防止するために、こ
の老化が生じにくい高温乾燥若しくは凍結乾燥して水分
を25%以下に乾燥すると共に、切断若しくは保形する
ことで整形して、前記老化を抑制した状態で前記整形し
た餅生地を焼き上げ処理することを特徴とする請求項1
記載の糯米菓の製造方法に係るものである。
【0028】また、糯玄米を搗精した後、水洗又は水浸
漬し、これを蒸して餅生地とし、水の存在下で澱粉を加
熱することによって膨潤又は溶解する糊化現象が生じた
この餅生地を、冷却して長時間保存した後切断・乾燥処
理することで前記糊化と逆の水に不溶性の状態に変化す
る老化現象を生じることを防止するために、少なくとも
10°C以下に冷却して2時間以上保存する工程を行わ
ず、この老化が生じにくい高温乾燥若しくは凍結乾燥し
て水分を25%以下に乾燥すると共に、切断若しくは保
形することで整形して、前記老化を抑制した状態で整形
した餅生地を焼き上げ処理することを特徴とする請求項
2記載の糯米菓の製造方法に係るものである。
【0029】また、糯玄米を搗精し、水洗又は水浸漬し
た後水切りして蒸煮し、餅搗することで餅生地とし、こ
の餅生地を前記老化が生じにくい高温乾燥若しくは凍結
乾燥して水分を25%以下に乾燥すると共に、切断若し
くは保形することで整形して、前記老化を抑制した状態
で整形した餅生地を焼き上げ処理することを特徴とする
請求項3記載の糯米菓の製造方法に係るものである。
【0030】また、前記餅生地を、前記老化が生じにく
い60℃以上の熱風による前記高温乾燥若しくは冷凍室
を備えた真空装置で凍結状態のまま水分を直接昇華させ
て乾燥する凍結乾燥して水分を25%以下に乾燥すると
共に、切断若しくは保形することで整形して、前記老化
を抑制した状態で整形した餅生地を焼き上げ処理するこ
とを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の糯
米菓の製造方法に係るものである。
【0031】また、水の存在下で澱粉を加熱することに
よって膨潤又は溶解する糊化現象が生じた餅生地を、冷
却・切断若しくは保形することで整形・乾燥並びに焼き
上げ処理を行って製品化する工程の中で前記糊化と逆の
水に不溶性の状態に変化する老化現象を抑制して、前記
糊化の度合いを示す製品の糊化度を、下記の手法による
測定値が30%以上となる度合いとしたことを特徴とす
る糯米菓に係るものである。 記 「製品の生地から無作為に10gを取り、粗めに砕き、
更に粉砕機で10秒間粉砕し、得られた粉を20メッシ
ュでふるって米菓粉とする。
【0032】100cc三角フラスコにこの米菓粉0.
5gを採取し、30±1℃の恒温振とう機中で0.04
%SDSラウリル硫酸ナトリウム液にて2時間振とう抽
出する。
【0033】この振とう抽出物を3000r.p.mで2
0分間遠心分離し、得られた上澄みを3倍に希釈したも
のを抽出試料とする。
【0034】この抽出試料の全糖量を求めるために試料
0.5mlをフェノール硫酸法で発色させる。
【0035】分光光度計を用い470nmでの吸光度を
測定・比色定量し、得られた全糖量の含有率を糊化度と
して測定した測定値(%)。」また、水の存在下で澱粉
を加熱することによって膨潤又は溶解する糊化現象が生
じた餅生地を、冷却することで前記糊化とは逆の水に不
溶性の状態に変化する老化現象を生じてしまうことを防
止するために、この老化が生じにくい高温乾燥若しくは
凍結乾燥して水分を25%以下に乾燥すると共に、切断
若しくは保形することで整形して、前記老化を抑制した
状態で前記整形した餅生地を焼き上げ処理することで、
前記糊化の度合いを示す製品の糊化度を、前記手法によ
る測定値が30%以上となる度合いとしたことを特徴と
する請求項6記載の糯米菓に係るものである。
【0036】
【発明の実施の形態】好適と考える本発明の実施の形態
(発明をどのように実施するか)を、図面に基づいてそ
の作用効果を示して簡単に説明する。
【0037】例えば、糯米菓(あられ,おかき)は、図
1に示すように糯玄米を搗精し、水洗・水浸漬して水切
りした後、蒸煮し、餅搗して餅生地を得るが、この餅生
地は、前述したように水分存在下で澱粉を加熱している
ため、膨潤し溶解性を呈し十分に糊化している。
【0038】本発明は、この搗きたての糊化度の高い餅
生地を、従来製法のように扱い易くするため粘度を下げ
るべく冷却して長時間保存して老化を進めず、即ち、少
なくとも10°C以下で2時間以上冷却保存せず、老化
しにくいように高温を保つ高温乾燥や一挙に水を凍結さ
せて老化を抑制したまま乾燥させる凍結乾燥によって水
分量を下げて整形し、焼き上げ処理して製品化する。
【0039】従って、老化を生じる工程を行わずに乾燥
し整形して焼き上げるため、従来品に比して糊化度の高
い製品を実現でき、糊化度が高く水に再膨潤し易いため
に旨みが十分に引き出され、美味しく舌触りも良く、ま
た十分な溶解性を有するため口溶けの良いニーズに対応
した画期的な糯米菓を提供できることとなる。
【0040】
【実施例】本発明の具体的な実施例について図面に基づ
いて説明する。
【0041】先ず従来の糯米菓の製造方法を説明する
と、図1左側の工程図に示すように、糯米菓(あられ,
おかき)の製造において、糯米菓を搗精(91%精白)
し、水洗いして6〜12時間水浸漬して水切りする。こ
の状態で糯玄米では15%前後程度であった水分のパー
セントは30〜34%となる。
【0042】この水切りしたものを蒸煮機又はセイロで
96℃〜100℃、15〜20分蒸す蒸煮を行い、均一
化のため餅搗する。このとき水分は40%となり、十分
な粘度を生じ、この蒸煮によって糊化度も後述する測定
法によって図2に示すように90%と高い状態となる。
【0043】従来の製造方法では、このあと切断整型し
やすいように粘度を極力下げるべく、餅生地を2〜5℃
の冷蔵庫で急冷し、2〜3日保存し、その後に切断整型
し、天日や通風乾燥によって水分20%まで乾燥し、平
煎機または運行燃釜により200℃〜260℃で焼き上
げ、水分3%とし、上掛液などを付ける仕上げを施して
製品化している。
【0044】従って、従来の糯米菓は、折角水分存在下
での加熱によって良好に糊化している餅生地が、長時間
の冷却保存によって老化し、製品時の糊化度を低下させ
てしまっている。少なくとも10°C以下で2時間以上
冷却保存すると老化は顕著となり、製品時の口溶け度合
に影響を与える程、糊化度は低下する。
【0045】特に従来法では冷蔵庫で冷却し、2〜3日
も保存しておくために、最も老化の進みやすい温度帯で
長期保存することから、糊化度は極めて低いものとなっ
てしまっている。後述する測定法によって従来の糯米菓
では10%以下まで糊化度は下がってしまう。
【0046】本実施例では、餅生地を冷蔵庫で冷却し長
時間保存することはせず、老化が生じにくい60℃以上
を保った温風によって高温乾燥を行うか、高温乾燥の代
わりに同様に老化が生じにくい0℃以下に一挙に真空化
で水分を凍結させ老化を抑制したまま凍結乾燥を行うこ
とで、水分を25%以下に乾燥し、糊化状態を老化させ
ずに水分を25%以下とする。水分が15%以下では老
化は起こらず、30〜60%で最も老化が起きるが、本
実施例では水分を25%以下とすることで老化を抑制
つつ扱い易くし、型に入れて保形したり、棒状としたも
のを切断したりして製品化のために整形し、従来法のよ
うに冷却保存することなく、老化を生じさせないように
して3時間程度以内で乾燥・整形処理を行って、これを
焼き上げ処理して仕上げを施し製品化する。
【0047】従って、いわば搗きたての糊化度を極力保
持したまま保存しておくことなく、短時間で焼き上げ搗
きたての焼き餅米菓を提供することができる。
【0048】しかも糊化度は高いため、素材本来の旨み
が引き出され、新たな餅の旨みが醸し出され、更に澱粉
の糊化による膨潤によって美味しく風味や食感も良く、
糊化による溶解性の向上のために滑らかな舌触りや口溶
けの良さは今までの糯米菓では到底なし得なかった画期
的な糯米菓を提供できることとなる。
【0049】また、工程所要時間も短縮でき、前記乾燥
手段も容易に実現できるため、製造効率も著しく向上す
る。
【0050】具体的に従来の糯米菓の糊化度を次のよう
な手法の測定値として比較した。
【0051】「白生地部分の回収として上掛け液(た
れ)の部分を削り落とした製品の生地から無作為に10
gを取り、粗めに砕き、更に粉砕機で10秒間粉砕し、
得られた粉を20メッシュでふるって米菓粉とする。
【0052】100cc三角フラスコにこの米菓粉0.
5gを採取し、30±1℃の恒温振とう機中で0.04
%SDSラウリル硫酸ナトリウム液にて2時間振とう抽
出する。
【0053】この振とう抽出物を3000r.p.mで2
0分間遠心分離し、得られた上澄みを3倍に希釈したも
のを抽出試料とする。
【0054】この抽出試料の全糖量を求めるために試料
0.5mlをフェノール硫酸法で発色させる。
【0055】分光光度計を用い470nmでの吸光度を
測定・比色定量し、得られた全糖量の含有率を糊化度と
して測定した測定値(%)。」で比較した。
【0056】この手法によれば、従来の糯米菓では、図
2に示すように8%で、バラツキはあるものの約5〜1
5%程度が限界であったが、本実施例の糯米菓では68
%であり、少なくとも35%以上は確保され、この実施
例のように70%前後のものを容易に量産できることを
確認した。
【0057】この糊化度の測定方法は、この例の他に様
々考えられるが、本実施例では、この測定方法による糊
化度が30%以上となることで、従来の糯米菓とは明ら
かに食感に違いが出て、口溶け感に違いが出ることを確
認したものである。
【0058】
【発明の効果】本発明は上述のように構成したから、従
来製法による製品と比較して、糊化度の高い製品を得る
ことができ、老化を抑制することで新しい搗きたて焼き
餅を実現できる画期的な糯米菓の製造方法並びに糯米菓
となる。
【0059】即ち、糊化度が高いことで旨みがあり、口
当たりも良く、少なくとも口溶けが良い今までにない新
しい焼き餅が実現でき、しかも、搗きたての餅を直ぐに
製品化でき、素材のもつ美味しさが餅と共に新しい旨み
を引き出し、搗きたて後3時間程度で焼き上げ可能とす
ることもでき、十分に風味,旨みが引き出されると共
に、口溶けの良い画期的な糯米菓の製造方法並びに糯米
菓となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の製造方法と従来の製造方法を示す説
明図である。
【図2】本実施例の製品糊化度並びに従来品の製品糊化
度などを口溶けの目安として示した説明グラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杵渕 美倭子 新潟県長岡市呉服町1丁目4番地5 越後 製菓株式会社内 Fターム(参考) 4B014 GG03 GP23 GQ01 GQ05 GY03

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水の存在下で澱粉を加熱することによっ
    て膨潤又は溶解する糊化現象が生じた餅生地を、冷却す
    ることで前記糊化とは逆の水に不溶性の状態に変化する
    老化現象を生じてしまうことを防止するために、少なく
    とも10°C以下で2時間以上冷却保存せず、この老化
    が生じにくい状態を保って水分を25%以下に乾燥する
    と共に、切断若しくは保形することで整形して、前記老
    化を抑制した状態で前記整形した餅生地を焼き上げ処理
    することを特徴とする糯米菓の製造方法。
  2. 【請求項2】 水の存在下で澱粉を加熱することによっ
    て膨潤又は溶解する糊化現象が生じた餅生地を、冷却す
    ることで前記糊化とは逆の水に不溶性の状態に変化する
    老化現象を生じてしまうことを防止するために、この老
    化が生じにくい高温乾燥若しくは凍結乾燥して水分を2
    5%以下に乾燥すると共に、切断若しくは保形すること
    で整形して、前記老化を抑制した状態で前記整形した餅
    生地を焼き上げ処理することを特徴とする請求項1記載
    の糯米菓の製造方法。
  3. 【請求項3】 糯玄米を搗精した後、水洗又は水浸漬
    し、これを蒸して餅生地とし、水の存在下で澱粉を加熱
    することによって膨潤又は溶解する糊化現象が生じたこ
    の餅生地を、冷却して長時間保存した後切断・乾燥処理
    することで前記糊化と逆の水に不溶性の状態に変化する
    老化現象を生じることを防止するために、少なくとも1
    0°C以下に冷却して2時間以上保存する工程を行わ
    ず、この老化が生じにくい高温乾燥若しくは凍結乾燥し
    て水分を25%以下に乾燥すると共に、切断若しくは保
    形することで整形して、前記老化を抑制した状態で整形
    した餅生地を焼き上げ処理することを特徴とする請求項
    2記載の糯米菓の製造方法。
  4. 【請求項4】 糯玄米を搗精し、水洗又は水浸漬した後
    水切りして蒸煮し、餅搗することで餅生地とし、この餅
    生地を前記老化が生じにくい高温乾燥若しくは凍結乾燥
    して水分を25%以下に乾燥すると共に、切断若しくは
    保形することで整形して、前記老化を抑制した状態で整
    形した餅生地を焼き上げ処理することを特徴とする請求
    項3記載の糯米菓の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記餅生地を、前記老化が生じにくい6
    0℃以上の熱風による前記高温乾燥若しくは冷凍室を備
    えた真空装置で凍結状態のまま水分を直接昇華させて乾
    燥する凍結乾燥して水分を25%以下に乾燥すると共
    に、切断若しくは保形することで整形して、前記老化を
    抑制した状態で整形した餅生地を焼き上げ処理すること
    を特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の糯米
    菓の製造方法。
  6. 【請求項6】 水の存在下で澱粉を加熱することによっ
    て膨潤又は溶解する糊化現象が生じた餅生地を、冷却・
    切断若しくは保形することで整形・乾燥並びに焼き上げ
    処理を行って製品化する工程の中で前記糊化と逆の水に
    不溶性の状態に変化する老化現象を抑制して、前記糊化
    の度合いを示す製品の糊化度を、下記の手法による測定
    値が30%以上となる度合いとしたことを特徴とする糯
    米菓。 記 「製品の生地から無作為に10gを取り、粗めに砕き、
    更に粉砕機で10秒間粉砕し、得られた粉を20メッシ
    ュでふるって米菓粉とする。100cc三角フラスコに
    この米菓粉0.5gを採取し、30±1℃の恒温振とう
    機中で0.04%SDSラウリル硫酸ナトリウム液にて
    2時間振とう抽出する。この振とう抽出物を3000
    r.p.mで20分間遠心分離し、得られた上澄みを3倍
    に希釈したものを抽出試料とする。この抽出試料の全糖
    量を求めるために試料0.5mlをフェノール硫酸法で
    発色させる。分光光度計を用い470nmでの吸光度を
    測定・比色定量し、得られた全糖量の含有率を糊化度と
    して測定した測定値(%)。」
  7. 【請求項7】 水の存在下で澱粉を加熱することによっ
    て膨潤又は溶解する糊化現象が生じた餅生地を、冷却す
    ることで前記糊化とは逆の水に不溶性の状態に変化する
    老化現象を生じてしまうことを防止するために、この老
    化が生じにくい高温乾燥若しくは凍結乾燥して水分を2
    5%以下に乾燥すると共に、切断若しくは保形すること
    で整形して、前記老化を抑制した状態で前記整形した餅
    生地を焼き上げ処理することで、前記糊化の度合いを示
    す製品の糊化度を、前記手法による測定値が30%以上
    となる度合いとしたことを特徴とする請求項6記載の糯
    米菓。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100454151B1 (ko) * 2002-06-28 2004-10-26 주식회사농심 비스켓 및 그 제조 방법
JP2010063444A (ja) * 2008-09-12 2010-03-25 Kenichi Suzuki あられの製造方法

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