JP2001338592A - 陰極線管受像機 - Google Patents

陰極線管受像機

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JP2001338592A
JP2001338592A JP2000159625A JP2000159625A JP2001338592A JP 2001338592 A JP2001338592 A JP 2001338592A JP 2000159625 A JP2000159625 A JP 2000159625A JP 2000159625 A JP2000159625 A JP 2000159625A JP 2001338592 A JP2001338592 A JP 2001338592A
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correction
beam spot
ray tube
screen
magnetic field
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JP2000159625A
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Akio Murata
明夫 村田
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画面上でビームスポットの傾きが生じ、色純
度の悪化を招いていた。 【解決手段】 パネル部の内面に形成された蛍光面を1
本の電子ビームで走査して画像を再現する陰極線管受像
機において、陰極線管バルブのネック部13内を進行す
る電子ビームに対し、該ビームスポット25の上側と下
側に水平軸方向で逆向きの力f1,f2,f3,f4を
加える補正磁界φ1,φ2,φ3,φ4を形成する補正
コイル(21A,21B,21C,21D)を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、1本の電子ビーム
を用いて画像を再現する陰極線管受像機に関する。
【0002】
【従来の技術】カラー陰極線管の一つに、1本の電子ビ
ームによってカラー画像を再現するビームインデックス
型の陰極線管がある。このビームインデックス型の陰極
線管では、パネル部の内面に形成されたストライプ状の
蛍光面を1本の電子ビームで走査することにより、所望
の画像(カラー画像等)を再現している。
【0003】このようなビームインデックス型の陰極線
管は、電子銃に組み込むカソードの個数が一個で済むう
え、アパーチャグリル、シャドウマスク等を用いた色選
別機構がないため、構造が簡単で安価に製造でき、しか
も消費電力が少ないといった利点を有している。
【0004】ここで、ビームインデックス型の陰極線管
の動作時においては、例えば緑の蛍光体ストライプに電
子ビームを照射したときに、その隣の赤又は青の蛍光体
ストライプに電子ビームの一部が照射されると、表示画
像の色純度が悪化してしまう。そのため、蛍光面に対し
ては、電子銃から出射された電子ビームのスポット幅
(ストライプ状蛍光面における電子ビームのスポット
幅)を、赤(R),緑(G),青(B)各色の蛍光体ス
トライプの幅よりも小さくする必要がある。
【0005】一方、3本の電子ビームによってカラー画
像を再現するカラー陰極線管においては、3本の電子ビ
ームのスポット形状を円形にしてアパーチャグリル等で
色選別することにより、ストライプ状蛍光面で縦長のビ
ームスポットを形成している。これに対して、ビームイ
ンデックス型の陰極線管において、電子ビームのスポッ
ト形状を円形にした場合は、次のような不具合が生じ
る。
【0006】即ち、色純度の悪化を回避するために電子
ビームのスポット径を蛍光体ストライプ幅よりも小さく
すると、ビーム電流が不足して輝度の低下を招いてしま
う。そのためビームインデックス型の陰極線管では、ビ
ームスポットの垂直方向の長さを水平方向の長さよりも
大きくした、いわゆる縦長のビームスポットとすること
により、所望のビーム電流を確保している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ビーム
インデックス型の陰極線管において電子ビームのスポッ
ト形状を縦長にすると、電子ビームを偏向ヨーク(Defl
ection Yoke;DY)で水平軸方向と垂直軸方向に偏向
した場合、図13に示すように画面50の中央部51を
基準にした水平軸(X軸)上と垂直軸(Y軸)上ではビ
ームスポット52が一様に縦長の形状に維持されるもの
の、画面50のコーナー部(四隅)53では偏向磁界の
影響でビームスポット52に傾きが生じてしまう。この
ビームスポット52の傾きは、画面コーナー部に近づく
ほど顕著化する傾向にある。
【0008】そうした場合、ビームスポット52が縦長
に維持される部分では、図14(A)に示すように、狙
いとする蛍光体ストライプ(図例では緑の蛍光体ストラ
イプ)54Gだけにビームスポット52が照射されてい
ても、ビームスポット52に傾きが生じる部分(特に、
画面コーナー部)では実質的にビームスポット52の幅
が広がることになるため、図14(B)に示すように、
狙いとする蛍光体ストライプ(図例では緑の蛍光体スト
ライプ)54G以外の蛍光体ストライプ(図例では赤、
青の蛍光体ストライプ)54R,54Bにもビームスポ
ット52が照射され、色純度が悪化してしまう。
【0009】この対策としては、水平偏向コイルによる
水平偏向磁界を強いピンクッション(糸巻き形)磁界
(以下、ピン磁界と略称)とすることが考えられる。水
平偏向磁界をピン磁界にすると、図15に示すように画
面コーナー部に向かう電子ビームに対しては、そのビー
ムスポット52Aの上側と下側に強度の異なる偏向力が
作用する。この偏向力は、ビームスポット52Aの下側
を上側よりも水平方向に大きく変位させる力、つまりビ
ームスポット52Aを回転させる成分として働く。その
ため、ピン磁界の強度をある程度強めることで、画面コ
ーナー部53におけるビームスポット52Aの傾きを補
正することが可能となる。
【0010】しかしながら、画面の水平軸端(右端、左
端)に向かう電子ビームに対しては、そのビームスポッ
ト52Bの上側と下側にほぼ同じ強度の偏向力が作用す
る。このとき、上記ビームスポット52Aの傾きを補正
すべくピン磁界を強めると、画面水平軸端に向かう電子
ビームは、そのビームスポット52Bの幅寸法が広がる
方向で且つその高さ寸法が縮まる方向の力を受ける。
【0011】そのため、図16に示すように、画面50
のコーナー部53におけるビームスポット52Aの傾き
は補正できても、画面50の水平軸(X軸)上において
は、画面中央部51の縦長のビームスポット52Cに比
較して、画面水平軸端のビームスポット52Bが幅広に
潰された形状となる(このとき、画面垂直上に照射され
る電子ビームはピン磁界歪みの影響を殆ど受けないこと
から、画面垂直軸端におけるビームスポット52Dの形
状は縦長に維持される)。このようにビームスポット5
3Bが形状的に潰れると、実質的なビームスポット幅の
広がりによって色純度の悪化を招く恐れがある。
【0012】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、その目的とするところは、水平偏向コイルに
よる水平偏向磁界を強いピン磁界にしなくても、画面の
全域にわたってビームスポットの傾きを適切に補正可能
な陰極線管受像機を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するためになされたもので、パネル部の内面に形成さ
れた蛍光面を1本の電子ビームで走査して画像を再現す
る陰極線管受像機において、陰極線管バルブのネック部
内を進行する電子ビームに対し、該ビームスポットの上
側と下側に水平軸方向で逆向きの力を加える補正磁界を
形成可能な補正磁界形成手段を備えた構成を採用してい
る。
【0014】上記構成の陰極線管受像機においては、陰
極線管バルブのネック部内を進行する電子ビームに対し
て、補正磁界形成手段による補正磁界を作用させること
により、ビームスポットの上側と下側に水平軸方向で逆
向きの力(即ち、回転力)が加えられる。これにより、
画面上でのビームスポットの傾き具合に合わせて補正磁
界の向きや強度を適宜設定(調整)することにより、画
面全域にわたってビームスポットの傾きを補正すること
が可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0016】図1は本発明が適用される陰極線管の全体
像を示す概略斜視図である。図1において、陰極線管バ
ルブ10は、パネル部11、ファンネル部12及びネッ
ク部13により構成されている。パネル部11の内面に
は、赤,青,緑の各色蛍光体ストライプをパターン配列
したストライプ状の蛍光面(不図示)が形成されてい
る。一方、ネック部13には、電子ビームの出射源とな
る電子銃14が内装されている。また、ネック部13か
らファンネル部12に至るコーン部には、電子ビームを
偏向するための偏向ヨーク15が装着されている。
【0017】上記構成からなる陰極線管においては、電
子銃14から1本の電子ビームが出射される。このと
き、偏向ヨーク15において、電子銃14から出射され
た電子ビームの軌道上に偏向磁界を形成することによ
り、電子ビームが上下左右(垂直軸方向及び水平軸方
向)に偏向される。これにより、陰極線管バルブ10の
パネル部11においては、その内面に形成されたストラ
イプ状の蛍光面を1本の電子ビームが走査してカラー画
像を再現する。この陰極線管は、パネル部11内面の蛍
光面にカラー画像を再現するのに必要な各種の付属部品
とともに図示せぬ筐体に組み込まれ、これによって陰極
線管受像機が構成される。
【0018】図2は本発明の実施形態に係る偏向ヨーク
の一部破断面を含む側面図である。図2から明らかなよ
うに、偏向ヨーク15には、水平偏向コイル16、垂直
偏向コイル17、セパレータ18、DYコア19及びリ
ングマグネット20等の部品が装備されている。水平偏
向コイル16はセパレータ18に鞍型に巻線されてい
る。垂直偏向コイル17は水平偏向コイル16の外側に
鞍型に巻線されている。
【0019】また、水平偏向コイル16は偏向ヨーク1
5の上下(垂直軸方向)に対をなして配置され、垂直偏
向コイル17は偏向ヨーク15の左右(水平軸方向)に
対をなして配置されている。そして、電子銃14から出
射される電子ビームの軌道上において、水平偏向コイル
16は電子ビームを画面の左右方向(水平軸方向)に偏
向させる水平偏向磁界を発生し、垂直偏向コイル17は
電子ビームを画面の上下方向(垂直軸方向)に偏向させ
る垂直偏向磁界を発生する。
【0020】DYコア19はフェライト等の磁性材料か
らなるもので、垂直偏向コイル17の外側に配置されて
いる。このコア19は、水平偏向コイル16及び垂直偏
向コイル17が発生する磁界の効力を高めるために、そ
れらの偏向コイル16,17を覆うように装着されてい
る。リングマグネット20は、電子銃14の組み立て誤
差等による電子ビームの軌道ずれを補正するために、偏
向ヨーク15の後端部(ガン側)に取り付けられてい
る。
【0021】これに加えて、偏向ヨーク15の後端部に
は補正コイル21が取り付けられている。この補正コイ
ル21は、ネック部13内に所定の補正磁界(詳細は後
述)を形成するもので、ネック部13の外周側に設けら
れている。補正コイル21による補正磁界は、ネック部
13内を進行する電子ビームに対して、該ビームスポッ
トの上側と下側に水平軸方向で逆向きの力が加わるよう
に形成される。
【0022】図3は偏向ヨークにおける補正コイル21
の配置状態を陰極線管の中心軸(Z軸)方向から見た図
である。図示のように補正コイル21は、水平軸X上に
配置された左右一対のコイル21A,21Bと、垂直軸
Y上に配置された上下一対のコイル21C,21Dとに
よって構成されている。このうち、コイル21A,21
B,21Cは、陰極線管のネック部13を介して水平軸
X上に対向配置された一対のコア(例えば、鉄芯)22
A,22Bにそれぞれ巻装されている。また、コイル2
1C,21Dは、陰極線管のネック部13を介して垂直
軸Y上に対向配置された一対のコア(例えば、鉄芯)2
2C,22Dにそれぞれ巻装されている。
【0023】図4は偏向ヨークにおける補正コイルの結
線状態を示す図である。図示のように補正コイル21を
構成する4つのコイル21A,21B,21C,21D
は互いに直列に接続されている。そして、電子ビームの
偏向時には、上記4つのコイルコイル21A,21B,
21C,21Dからなる直列接続回路に対して、図示し
ない偏向回路(電流供給手段)により補正電流Ihが供
給される構成となっている。
【0024】また、上記の補正電流Ihが各コイル21
A,21B,21C,21Dに流れた場合には、その補
正電流Ihの向きに応じて、コイル21A,21Bに対
応するコア22A,22Bは互いに同じ磁極(N極又は
S極)を形成し、コイル21C,21Dに対応するコア
22C,22Dはコア22A,22Bの磁極と逆の磁極
を形成するように構成されている。
【0025】図5は所望のビーム電流を確保するために
電子ビームのスポット形状を縦長にした場合に、画面上
で生じるビームスポットの傾き状態を示す図である。こ
の図5において、垂直軸Y方向におけるx0の位置は、
水平軸X上での水平走査位置を示し、x1,x2の位置
は、水平軸Xよりも上側での水平走査位置をそれぞれ示
し、x3,x4の位置は、水平軸Xよりも下側での水平走
査位置をそれぞれ示している。図示のように画面23の
中央部24を基準にした水平軸(X軸)上と垂直軸(Y
軸)上ではビームスポット25が一様に縦長に維持され
ている。ただし、画面23のコーナー部(四隅),
,,ではビームスポット25に傾きが生じてい
る。この電子ビーム25の傾きは、画面23のコーナー
部,,,に近づくほど(水平軸X及び垂直軸Y
から離れるほど)顕著化している。
【0026】上述のようなビームスポット25の傾きを
補正するにあたり、本実施形態においては、補正コイル
21を構成する4つのコイル21A,21B,21C,
21Dに対し、図示しない偏向回路(電流供給手段)に
よって偏向周期に対応した補正電流Ihが供給される。
図6に補正電流Ihの具体的な波形図を示す。図示のよ
うに画面の水平軸X上となるx0の位置を水平走査する
場合は、水平走査有効期間(帰線期間を除く期間)1H
において、補正電流Ihの振幅が一様にゼロ、つまり各
コイル21A,21B,21C,21Dに電流は流れな
いようになっている。
【0027】これに対して、画面の水平軸Xよりも上側
(x1,x2の位置)を水平走査する場合は、水平走査有
効期間1Hの前半部分でマイナス(−)の電流、後半部
分でプラス(+)の電流が各コイル21A,21B,2
1C,21Dに流れるようになっている。また、前後半
の中間時点では、各コイル21A,21B,21C,2
1Dに流れる電流がゼロになっている。つまり、水平走
査有効期間1Hの前半部分と後半部分で、補正電流Ih
の位相が反転したかたちで各コイル21A,21B,2
1C,21Dに電流が流れるようになっている。また、
画面の水平軸Xよりも上側を水平走査する場合の補正電
流Ihの振幅は、水平軸X方向における電子ビームの走
査位置が画面の左右端に近づくほど大きく設定され、且
つ垂直軸Y方向における電子ビームの走査位置が画面の
上端位置に近づくほど大きく設定されている。これにし
たがい、画面の上端位置(x1の位置)を水平走査する
ときの補正電流Ihの振幅W1は、画面上側の中間位置
(x2の位置)を水平走査するときの補正電流Ihの振
幅W2よりも大きく設定されている。
【0028】一方、画面の水平軸Xよりも下側(x3
4の位置)を水平走査する場合は、水平走査有効期間
1Hの前半部分でプラスの電流、後半部分でマイナスの
電流が各コイル21A,21B,21C,21Dに流れ
るようになっている。また、前後半の中間時点では、各
コイル21A,21B,21C,21Dに流れる電流が
ゼロになっている。つまり、水平走査有効期間1Hの前
半部分と後半部分で、補正電流Ihの位相が反転したか
たちで各コイル21A,21B,21C,21Dに電流
が流れるようになっている。また、画面の水平軸Xより
も下側を水平走査する場合の補正電流Ihの振幅は、水
平軸X方向における電子ビームの走査位置が画面の左右
端に近づくほど大きく設定され、且つ垂直軸Y方向にお
ける電子ビームの走査位置が画面の下端位置に近づくほ
ど大きく設定されている。これにしたがい、画面の下端
位置(x4の位置)を水平走査するときの補正電流Ih
の振幅W4は、画面下側の中間位置(x3の位置)を水
平走査するときの補正電流Ihの振幅W3よりも大きく
設定されている。
【0029】図7は補正コイル21に補正電流Ihが流
れたときに発生する磁界を説明する図である。なお、図
7は陰極線管のネック部断面をパネル側から見た状態を
示している。先ず、上記図5の画面コーナー部,に
向けて電子ビームを偏向する場合は、補正コイル21に
対してマイナスの電流が流れる(図6参照)。このと
き、図7(A)に示すように、左右のコイル21A,2
1Bに対応するコア22A,22Bは共にN極、上下の
コイル21C,21Dに対応するコア22C,22Dは
共にS極となる。
【0030】これにより、陰極線管のネック部13内に
は、左右のコア22A,22Bから上側のコア22Cに
向かう補正磁界φ1と、左右のコア22A,22Bから
下側のコア22Dに向かう補正磁界φ2が形成される。
これらの補正磁界(4重極磁界)φ1,φ2の作用によ
り、ビームスポット25の上側には右向きの力f1が加
わり、ビームスポット25の下側には左向きの力f2が
加わる。このように補正コイル21による補正磁界φ
1,φ2によってビームスポット25の上側と下側に水
平軸方向で逆向きの力f1,f2を加えることにより、
ビームスポット25が時計回りの方向に回転する。この
回転によるビームスポット25の傾き方向は、上記図5
の画面コーナー部,におけるビームスポット25の
傾き方向と逆方向になる。
【0031】したがって、画面コーナー部,におけ
るビームスポット25の傾き角度に応じて上記補正磁界
φ1,φ2の強度(補正電流Ihのレベル)を調整する
ことにより、画面コーナー部,でのビームスポット
25の傾きを補正することが可能となる。また、画面の
左上領域及び右下領域において、各部のビームスポット
25の傾き角度に応じて補正磁界φ1,φ2の強度(補
正電流Ihのレベル)を変化させることにより、それら
2つの画面領域でビームスポット25の傾きを補正する
ことが可能となる。
【0032】一方、上記図5の画面コーナー部,に
向けて電子ビームを偏向する場合は、補正コイル21に
対してプラスの電流が流れる(図6参照)。このとき、
図7(B)に示すように、左右のコイル21A,21B
に対応するコア22A,22Bは共にS極、上下のコイ
ル21C,21Dに対応するコア22C,22Dは共に
N極となる。
【0033】これにより、陰極線管のネック部13内に
は、上側のコア22Cから左右のコア22A,22Bに
向かう補正磁界φ3と、下側のコア22Dから左右のコ
ア22A,22Bに向かう補正磁界φ4が形成される。
これらの補正磁界(4重極磁界)φ3,φ4の作用によ
り、ビームスポット25の上側には左向きの力f3が加
わり、ビームスポット25の下側には右向きの力f4が
加わる。このように補正コイル21による補正磁界φ
3,φ4によってビームスポット25の上側と下側に水
平軸方向で逆向きの力f3,f4を加えることにより、
ビームスポット25が反時計回りの方向に回転する。こ
の回転によるビームスポット25の傾き方向は、上記図
5の画面コーナー部,におけるビームスポット25
の傾き方向と逆方向になる。
【0034】したがって、画面コーナー部,におけ
るビームスポット25の傾き角度に応じて上記補正磁界
φ3,φ4の強度(補正電流Ihのレベル)を調整する
ことにより、画面コーナー部,でのビームスポット
の傾きを補正することが可能となる。また、画面の右上
領域及び左下領域において、各部のビームスポット25
の傾き角度に応じて補正磁界φ3,φ4の強度(補正電
流Ihのレベル)を変化させることにより、それら2つ
の画面領域でビームスポットの傾きを補正することが可
能となる。
【0035】この結果、図5に示す画面23の全域にわ
たってビームスポット25の傾きを適切に補正すること
が可能となる。これにより、縦長のビームスポットの採
用で所望のビーム電流を確保しつつ、狙いとする蛍光体
ストライプだけにビームスポットを照射して色純度を向
上させることができる。また、陰極線管バルブ11に対
する偏向ヨーク15の取り付け誤差等によって生じるビ
ームスポットの傾きについても補正することが可能とな
る。
【0036】図8〜図12は補正コイルの具体的な構成
例を示すものである。先ず、図8に示すものでは、磁性
材料からなるリング状部材26の内周側に90°ピッチ
で突状のコア部26A,26B,26C,26Dを設
け、これらのコア部26A,26B,26C,26Dに
それぞれコイル27A,27B,27C,27Dを巻装
することにより、補正コイル27が構成されている。ま
た、コア26A,26Bは水平軸上で対向状態に配置さ
れ、コア26C,26Dは垂直軸上で対向状態に配置さ
れている。
【0037】この図8に示す補正コイル27の構成にお
いては、各々のコイル27A,27B,27C,27D
に所定の向きで補正電流を流すことにより、水平軸上の
コア部26A,26BをN極、垂直軸上のコア部26
C,26DをS極とした補正磁界(4重極磁界)φ1,
φ2を形成し、この補正磁界φ1,φ2の作用でビーム
スポット25の上側に右向きの力f1、下側に左向きの
力f2を加えることにより、画面の左上領域及び右下領
域でのビームスポット25の傾きを補正することができ
る。また、コイル27A,27B,27C,27Dに流
す補正電流の向きを変えることにより、補正磁界φ1,
φ2と逆向きの補正磁界を形成し、この補正磁界の作用
でビームスポット25の上側に左向きの力、下側に右向
きの力を加えることにより、画面の左下領域及び右上領
域でのビームスポット25の傾きを補正することができ
る。
【0038】図9に示すものでは、一対のC形コア28
A,28Bを斜め45°の角度で対向状態に配置し、こ
れらのC型コア28A,28Bにそれぞれコイル29
A,29Bを巻装することにより、補正コイル29が構
成されている。この場合、各々のC形コア28A,28
Bの一端は水平軸上で対向状態に配置され、同他端は垂
直軸上で対向状態に配置されている。
【0039】この図9に示す補正コイル29の構成にお
いては、各々のコイル29A,29Bに所定の向きで補
正電流を流すことにより、水平軸上の各コア端をそれぞ
れN極、垂直軸上の各コア端をそれぞれS極とした補正
磁界(4重極磁界)φ1,φ2を形成し、この補正磁界
φ1,φ2の作用でビームスポット25の上側に右向き
の力f1、下側に左向きの力f2を加えることにより、
画面の左上領域及び右下領域でのビームスポット25の
傾きを補正することができる。また、コイル29A,2
9Bに流す補正電流の向きを変えることにより、補正磁
界φ1,φ2と逆向きの補正磁界を形成し、この補正磁
界の作用でビームスポット25の上側に左向きの力、下
側に右向きの力を加えることにより、画面の左下領域及
び右上領域でのビームスポット25の傾きを補正するこ
とができる。
【0040】一方、図10に示すものでは、偏向ヨーク
15の後端部に陰極線管のネック部13を囲む状態で4
つの空芯コイル30A,30B,30C,30Dを巻装
することにより、補正コイル30が構成されている。ま
た、上記4つの空芯コイル30A,30B,30C,3
0Dはネック部13に嵌合されるボビン31に巻線さ
れ、その外側にリングマグネット20が嵌め込まれるよ
うになっている。この場合、空芯コイル30A,30B
は水平軸上で対向状態に配置され、空芯コイル30C,
30Dは垂直軸上で対向状態に配置されている。
【0041】この図10に示す補正コイル30の構成に
おいては、各々の空芯コイル30A,30B,30C,
30Dに所定の向きで補正電流を流すことにより、水平
軸上の空芯コイル30A,30BをそれぞれN極側、垂
直軸上の空芯コイル30C,30DをそれぞれS極側と
した補正磁界(4重極磁界)φ1,φ2を形成し、この
補正磁界φ1,φ2の作用でビームスポット25の上側
に右向きの力f1、下側に左向きの力f2を加えること
により、画面の左上領域及び右下領域でのビームスポッ
ト25の傾きを補正することができる。また、空芯コイ
ル30A,30B,30C,30Dに流す補正電流の向
きを変えることにより、上記補正磁界φ1,φ2と逆向
きの補正磁界を形成し、この補正磁界の作用でビームス
ポット25の上側に左向きの力、下側に右向きの力を加
えることにより、画面の左下領域及び右上領域でのビー
ムスポット25の傾きを補正することができる。さら
に、この構成の場合は、補正磁界を形成するための構造
が非常に簡単であるため、コストを安く抑えることがで
きる。また、他の部品(本例ではリングマグネット2
0)と取付スペースを共用できるため、偏向ヨーク15
の全長(中心軸方向の長さ)を短く抑えることができ
る。
【0042】図11に示すものでは、水平軸上に一対の
E形コア32A,32Bを対向状態に配置し、これらの
E形コア32A,32Bにそれぞれ1つずつコイル33
A,33Bを巻装することにより、補正コイル33が構
成されている。この場合、各々のE形コア32A,32
Bの真中のコア端は水平軸上で対向状態に配置され、同
両側のコア端は、垂直軸方向の一方(上側)と他方(下
側)でそれぞれ対向状態に配置されている。
【0043】この図11に示す補正コイル33の構成に
おいては、各々のコイル33A,33Bに所定の向きで
補正電流を流すことにより、水平軸上のコア端をそれぞ
れN極、それ以外(上側及び下側)のコア端をそれぞれ
S極として補正磁界φ1,φ2を形成し、この補正磁界
φ1,φ2の作用でビームスポット25の上側に右向き
の力f1、下側に左向きの力f2を加えることにより、
画面の左上領域及び右下領域でのビームスポット25の
傾きを補正することができる。また、コイル33A,3
3Bに流す補正電流の向きを変えることにより、補正磁
界φ1,φ2と逆向きの補正磁界を形成し、この補正磁
界の作用でビームスポット25の上側に左向きの力、下
側に右向きの力を加えることにより、画面の左下領域と
右上領域でのビームスポット25の傾きを補正すること
ができる。
【0044】図12に示すものでは、水平軸上に一対の
E形コア34A,34Bを対向状態に配置し、これらの
E形コア34A,34Bにそれぞれ3つずつコイル35
A〜35C,35D〜35Fを巻装することにより、補
正コイル35が構成されている。この場合、各々のE形
コア34A,34Bの真中のコア端は水平軸上で対向状
態に配置され、同両側のコア端は、垂直軸方向の一方
(上側)と他方(下側)でそれぞれ対向状態に配置され
ている。
【0045】この図12に示す補正コイル35の構成に
おいては、各々のコイル35A〜35C,35D〜35
Fに所定の向きで補正電流を流すことにより、水平軸上
のコア端をそれぞれN極、それ以外(上側及び下側)の
コア端をそれぞれS極とした補正磁界φ1,φ2を形成
し、この補正磁界φ1,φ2の作用でビームスポット2
5の上側に右向きの力f1、下側に左向きの力f2を加
えることにより、画面の左上領域及び右下領域でのビー
ムスポット25の傾きを補正することができる。また、
コイル35A〜35C,35D〜35Fに流す補正電流
の向きを変えることにより、補正磁界φ1,φ2と逆向
きの補正磁界を形成し、この補正磁界の作用でビームス
ポット25の上側に左向きの力、下側に右向きの力を加
えることにより、画面の左下領域及び右上領域でのビー
ムスポット25の傾きを補正することができる。
【0046】なお、本発明は、ビームインデックス型と
称されるものを含めて、1本の電子ビームにより画像を
再現する陰極線管全般(電子ビームの位置情報をどのよ
うな手段で検知するかは問わない)に広く適用し得るも
のである。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、陰
極線管バルブのネック部内を進行する電子ビームに対し
て、補正磁界形成手段による補正磁界を作用させること
により、画面の全域にわたってビームスポットの傾きを
適切に補正することが可能となる。これにより、縦長の
ビームスポットの採用で所望のビーム電流を確保しつ
つ、狙いとする蛍光体にビームスポットを的確に照射し
て色純度を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される陰極線管の全体像を示す概
略斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る偏向ヨークの一部破断
面を含む側面図である。
【図3】補正コイルの配置状態を示す図である。
【図4】補正コイルの結線状態を示す図である。
【図5】画面上でのビームスポットの傾き状態を示す図
である。
【図6】補正コイルに供給される補正電流の波形図であ
る。
【図7】補正コイルによる磁界の発生状態を説明する図
である。
【図8】補正コイルの第1の構成例を示す図である。
【図9】補正コイルの第2の構成例を示す図である。
【図10】補正コイルの第3の構成例を示す図である。
【図11】補正コイルの第4の構成例を示す図である。
【図12】補正コイルの第5の構成例を示す図である。
【図13】画面コーナー部でのビームスポットの傾き状
態を示す図である。
【図14】ビームスポットと蛍光体ストライプの位置関
係を示す図である。
【図15】従来におけるビームスポットの傾き補正原理
を説明する図である。
【図16】水平偏向磁界をピン磁界としたときのビーム
スポット形状を示す図である。
【符号の説明】
10…陰極線管バルブ、11…パネル部、12…ファン
ネル部、13…ネック部、14…電子銃、15…偏向ヨ
ーク、21,27,29,30,33,35…補正コイ
ル、21A,21B,21C,21D,27A,27
B,27C,27D,29A,29B,33A,33
B,35A,35B,35C,35D,35E,35F
…コイル、22A,22B,22C,22D…コア、2
3…画面、25…ビームスポット、26A,26B,2
6C,26D…コア部、28A,28B…C形コア、3
0A,30B,30C,30D…空芯コイル、32A,
32B,34A,34B…E形コア、φ1,φ2,φ
3,φ4…補正磁界

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パネル部の内面に形成された蛍光面を1
    本の電子ビームで走査して画像を再現する陰極線管受像
    機において、 陰極線管バルブのネック部内を進行する電子ビームに対
    し、該ビームスポットの上側と下側に水平軸方向で逆向
    きの力を加える補正磁界を形成可能な補正磁界形成手段
    を備えたことを特徴とする陰極線管受像機。
  2. 【請求項2】 前記補正磁界形成手段は、前記ネック部
    の外周側に設けられた補正コイルと、この補正コイルに
    補正電流を供給する電流供給手段とを有することを特徴
    とする請求項1記載の陰極線管受像機。
  3. 【請求項3】 前記補正コイルを空芯コイルで構成して
    なることを特徴とする請求項2記載の陰極線管受像機。
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