JP2001334388A - フラックス入りワイヤおよびその製造方法 - Google Patents
フラックス入りワイヤおよびその製造方法Info
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Abstract
なワイヤ送給性を維持しうるフラックス入りワイヤを提
供する。 【解決手段】 溶接用フラックス入りワイヤにおいて、
製品表面の表色(L値,b値)が以下の式(1),(2) を満
たすフラックス入りワイヤである。前記L値,b値は、
伸線加工後の表色測定工程により式(1),(2) を満たす範
囲に保持するのが好ましい。 −4≦b≦10 (1) (3/4)b+41≦L≦65 (2)
Description
れる溶接用フラックス入りワイヤおよびその製造方法に
関する。
溶接用フラックス入りワイヤを用いるガスメタルアーク
溶接では、スプールに巻回された直径1.2 〜1.6 mm程度
のフラックス入りワイヤを送給モータにより、6〜10m
程度の長さのフレキシブルなコンジットチューブ、トー
チ、チップに順次通して溶接部に送給する。フラックス
入りワイヤは、コンジットチューブ、トーチ(溶接トー
チ)、チップ(溶接チップ)に接触しながら送給される
ので、これらの内面との間の接触抵抗(摩擦力)が大き
いと送給モータの負荷が大きくなってワイヤの円滑送給
が困難となる結果、アークが不安定になって溶接欠陥を
生じやすくなる。また、ワイヤがコンジットチューブ内
では円滑に通過しても、チップ通過抵抗が大きいとチッ
プ内面の摩耗を早める結果、チップ通過後のワイヤ変動
が大きくなりアークが不安定となる。このため、フラッ
クス入りワイヤの品質特性として、コンジットチューブ
内を円滑に通過する性質とチップを摩耗させにくい性質
(これらの特性を総合してワイヤ送給性という)が重視
される。
を良好なレベルに維持するには、伸線加工段階でワイヤ
表面粗度を特定の範囲に規定し、かつ、種類を特定した
潤滑剤を使用することにより、製品ワイヤ表面に特定の
潤滑剤を適量保持させる方法が有効とされている(例え
ば特開平8−290287号公報参照)。この方法はフラック
ス入りワイヤに適用しても同様に有効であると思われ
る。
ヤ送給性、アーク安定性さらに伸線性の安定化を目的と
してKとNaを含有する潤滑剤を残留させるようにしたも
のである。しかし、ワイヤ送給性とチップ摩耗の観点か
らみると未だ十分とはいえなかった。すなわち、従来の
フラックス入りワイヤは、送給条件が厳しくなると、ワ
イヤ送給性が悪くなり、溶接不良を生じたり、また溶接
チップの摩耗が予想以上に早く進行する場合があった。
長時間にわたり良好なワイヤ送給性を維持しうるフラッ
クス入りワイヤおよびその製造方法を提供することを目
的とする。
成に向けて鋭意検討した結果、従来のフラックス入りワ
イヤが前記問題を生じる所以は、ワイヤ表面に不純物が
残留しているためであることがわかった。そして、この
残留不純物量が、JIS Z 8729に規定される表色とよい相
関関係にあることをつきとめた。この表色は、L* a*
b* 表色系におけるL* およびb* のレベル(夫々L
値、b値と称し、記号L、bで表す)を用いた。
ので、その要旨とするところは以下の項に記載のフラッ
クス入りワイヤおよびその製造方法にある。 (1)溶接用フラックス入りワイヤにおいて、製品表面
の表色(L値,b値)が下記式(1),(2) を満たすことを
特徴とするフラックス入りワイヤ。 (2)溶接用フラックス入りワイヤを潤滑剤の適用下で
伸線加工して製造するにあたり、伸線加工後の製品の表
色(L値,b値)を測定し該測定値が下記式(1),(2) を
満たすように前記潤滑剤の残量を調整することを特徴と
するフラックス入りワイヤの製造方法。
製造したフラックス入りワイヤを送給モータにより長さ
6mのコンジットケーブルを介してチップに送給速度10
m/分で送給し、30分間連続溶接する実験を行って得られ
た、ワイヤ送給性やチップ摩耗、ワイヤ製造性に及ぼす
L値、b値の影響を示すグラフである。
L< (3/4)b+41の範囲では、不純物残留量が多すぎ
て、コンジットケーブル内の蓄積量が過剰となって送給
抵抗が増加し、あるいは送給ローラに汚れとして付着し
てスリップが生じた状態に対応する。なお、不純物とは
ワイヤ地肌に付着したものの総称であり、その主体は伸
線時に適用された潤滑剤である。
状態(潤滑剤残留量が少なすぎてチップの摩耗進行が早
すぎる状態)となり経済性が損なわれる。このチップ摩
耗大の状態は、図3に定義を示すチップ摩耗率が25%超
の範囲に対応する。なお、b値はチップ摩耗率にほとん
ど影響しない。また、b<−4の範囲では、潤滑剤残留
量が少なすぎてワイヤ製造性に問題がある。
(2) を同時に満たす範囲では、ワイヤ送給性、ワイヤ製
造性とも良好であり、また溶接時のチップ摩耗も過度に
進行せず経済的に有利である。表色の測定は、例えば次
のようにして実施できる。図1は、上記実験の際に用い
た表色測定手段を示す説明図であり、1はスプール、2
はワイヤ(フラックス入りワイヤ)、3は測定ヘッド3A
および該測定ヘッド3Aの測定結果を表示する表示装置3B
からなる色彩色差計(本例ではミノルタ(株)製の色彩
色差計CR-300を用い、JIS Z 8729付表3の標準光Cにて
校正をして使用)である。この方式の色彩色差計は、測
定ヘッド3Aが投光部と受光部を備え投光部からワイヤ表
面に投光しそこからの反射光を受光部で受光しこれを分
析してJIS Z 8729に規定される表色(L値、b値)に変
換して表示装置3Bに表示するもので、図示のように、ワ
イヤ2のスプール最外巻部表面にセットして作動させる
だけで、該セットした部位のL値、b値を極めて容易に
測定・表示できる。なお、本発明者の前記実験では、上
記色彩色差計を用いてスプール最外巻部表面の周方向に
略均等間隔にとった6箇所を測定し、その平均値で当該
製品ワイヤの表色を評価した。
%程度に相当するスプール最外巻部表面の任意の部位の
表色を容易かつ迅速に測定することができるようにな
る。一方、ワイヤ表面の潤滑剤残留量測定は手間がかか
るため、工程的には伸線後スプールに巻回された製品ワ
イヤの巻回終端から高々2〜3m(全長の0.1 %程度)
の長さ部分に対してしか実施できない。よって、表色を
管理指標とすることにより、従来の潤滑剤残留量測定よ
りもはるかに広範囲の製品部分を工程検査対象とするこ
とが可能となり、特に6〜10mと長くて曲がりの大きい
コンジットケ−ブルを用いた厳しい送給条件で行われる
造船の溶接に使用するフラックス入りワイヤでは、ワイ
ヤ送給性に関わる製品信頼度が向上する。
値、b値)が前記式(1),(2) を満たすフラックス入りワ
イヤは、送給性に関わる信頼度の高い製品であり、それ
ゆえ、送給条件の厳しい状態で長時間使用されても、連
続溶接の途上でワイヤ送給性が悪化しアーク不安定を引
き起こすことがほとんどなく、かつ、チップ摩耗を促進
することもほとんどない。
「スプール巻ワイヤ表面の表色」のことをいい、ワイヤ
表面で光が乱反射する場合を含めて、人間の目で見た状
態に近い値になると考えられる。なお、チップ摩耗をさ
らに抑制するには、製品ワイヤ表面にMoS2を分布させる
のがよいが、MoS2はL値を低下させb値を増大させるた
めその適用に際しては注意する必要がある。本発明者の
知見では、その適量はワイヤ1g 当たり0.01〜2.0mg で
ある。
は、製品表面のL値、b値のばらつき(標準偏差σ)が
2未満のフラックス入りワイヤであることが好ましい。
さらに、コンジットケーブルの長さが10mを超えるよう
な一段と厳しい送給条件で使用される場合は、L値、b
値のσ:2未満であることに加えて、L値、b値が次式
(3),(4) の範囲のフラックス入りワイヤとすることが好
ましい。
測定工程を設け、この測定結果が本発明範囲に収まるよ
うに潤滑剤の塗布量や伸線工程での除去量を調整して潤
滑剤残量を調整する管理方式が好ましい。
伸線加工後に、表色測定工程を設け該工程で図1に示し
た要領で製品ワイヤのスプール最外巻部表面の周方向略
等間隔に選んだ6箇所につき前記色彩色差計を用いて測
定した結果の平均値を該製品ワイヤの代表の表色とし、
これを伸線工程で使用する潤滑剤の塗布量に反映させる
ことにより製品ワイヤのL値、b値を本発明範囲内とし
た実施例と、比較のため意図的にL値、b値を本発明範
囲外とした比較例とを用い、これら製品ワイヤを送給モ
ータで長さ6mのコンジットケーブルを介して送給速度
10m/min でチップに通して溶接部に供給し、30min 間の
連続溶接を行って、送給モータ負荷電流のσおよびチッ
プ摩耗率を調査した。その結果を表1に示す。表1より
実施例が比較例よりも優れたワイヤ送給性を有すること
が明らかである。表1の送給モータ負荷電流の好適範囲
は0.20以下である。
は、厳しい送給条件下でも長時間にわたり良好なワイヤ
送給性を維持しうるものであり、産業上寄与するところ
大なるものである。
ぼすL値、b値の影響を示すグラフである。
Claims (2)
- 【請求項1】 溶接用フラックス入りワイヤにおいて、
製品表面の表色(L値,b値)が下記式(1),(2) を満た
すことを特徴とするフラックス入りワイヤ。 記 −4≦b≦10 (1) (3/4)b+41≦L≦65 (2) - 【請求項2】 溶接用フラックス入りワイヤを潤滑剤の
適用下で伸線加工して製造するにあたり、伸線加工後の
製品の表色(L値,b値)を測定し該測定値が下記式
(1),(2) を満たすように前記潤滑剤の残量を調整するこ
とを特徴とするフラックス入りワイヤの製造方法。 記 −4≦b≦10 (1) (3/4)b+41≦L≦65 (2)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000149414A JP2001334388A (ja) | 2000-05-22 | 2000-05-22 | フラックス入りワイヤおよびその製造方法 |
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JP2000149414A JP2001334388A (ja) | 2000-05-22 | 2000-05-22 | フラックス入りワイヤおよびその製造方法 |
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JP2001334388A true JP2001334388A (ja) | 2001-12-04 |
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JP2000149414A Pending JP2001334388A (ja) | 2000-05-22 | 2000-05-22 | フラックス入りワイヤおよびその製造方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11007592B2 (en) | 2015-07-30 | 2021-05-18 | Denso Aircool Corporation | Heat exchanger and method for producing same |
-
2000
- 2000-05-22 JP JP2000149414A patent/JP2001334388A/ja active Pending
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US11007592B2 (en) | 2015-07-30 | 2021-05-18 | Denso Aircool Corporation | Heat exchanger and method for producing same |
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