JP2001334388A - フラックス入りワイヤおよびその製造方法 - Google Patents

フラックス入りワイヤおよびその製造方法

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JP2001334388A
JP2001334388A JP2000149414A JP2000149414A JP2001334388A JP 2001334388 A JP2001334388 A JP 2001334388A JP 2000149414 A JP2000149414 A JP 2000149414A JP 2000149414 A JP2000149414 A JP 2000149414A JP 2001334388 A JP2001334388 A JP 2001334388A
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Kenji Tokinori
健次 時乗
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JFE Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課 題】 厳しい送給条件下でも長時間にわたり良好
なワイヤ送給性を維持しうるフラックス入りワイヤを提
供する。 【解決手段】 溶接用フラックス入りワイヤにおいて、
製品表面の表色(L値,b値)が以下の式(1),(2) を満
たすフラックス入りワイヤである。前記L値,b値は、
伸線加工後の表色測定工程により式(1),(2) を満たす範
囲に保持するのが好ましい。 −4≦b≦10 (1) (3/4)b+41≦L≦65 (2)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ワイヤ送給性に優
れる溶接用フラックス入りワイヤおよびその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】例えば造船等の溶接において多用される
溶接用フラックス入りワイヤを用いるガスメタルアーク
溶接では、スプールに巻回された直径1.2 〜1.6 mm程度
のフラックス入りワイヤを送給モータにより、6〜10m
程度の長さのフレキシブルなコンジットチューブ、トー
チ、チップに順次通して溶接部に送給する。フラックス
入りワイヤは、コンジットチューブ、トーチ(溶接トー
チ)、チップ(溶接チップ)に接触しながら送給される
ので、これらの内面との間の接触抵抗(摩擦力)が大き
いと送給モータの負荷が大きくなってワイヤの円滑送給
が困難となる結果、アークが不安定になって溶接欠陥を
生じやすくなる。また、ワイヤがコンジットチューブ内
では円滑に通過しても、チップ通過抵抗が大きいとチッ
プ内面の摩耗を早める結果、チップ通過後のワイヤ変動
が大きくなりアークが不安定となる。このため、フラッ
クス入りワイヤの品質特性として、コンジットチューブ
内を円滑に通過する性質とチップを摩耗させにくい性質
(これらの特性を総合してワイヤ送給性という)が重視
される。
【0003】ソリッドワイヤの場合には、ワイヤ送給性
を良好なレベルに維持するには、伸線加工段階でワイヤ
表面粗度を特定の範囲に規定し、かつ、種類を特定した
潤滑剤を使用することにより、製品ワイヤ表面に特定の
潤滑剤を適量保持させる方法が有効とされている(例え
ば特開平8−290287号公報参照)。この方法はフラック
ス入りワイヤに適用しても同様に有効であると思われ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記公報の技術はワイ
ヤ送給性、アーク安定性さらに伸線性の安定化を目的と
してKとNaを含有する潤滑剤を残留させるようにしたも
のである。しかし、ワイヤ送給性とチップ摩耗の観点か
らみると未だ十分とはいえなかった。すなわち、従来の
フラックス入りワイヤは、送給条件が厳しくなると、ワ
イヤ送給性が悪くなり、溶接不良を生じたり、また溶接
チップの摩耗が予想以上に早く進行する場合があった。
【0005】そこで、本発明は、厳しい送給条件下でも
長時間にわたり良好なワイヤ送給性を維持しうるフラッ
クス入りワイヤおよびその製造方法を提供することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記目的達
成に向けて鋭意検討した結果、従来のフラックス入りワ
イヤが前記問題を生じる所以は、ワイヤ表面に不純物が
残留しているためであることがわかった。そして、この
残留不純物量が、JIS Z 8729に規定される表色とよい相
関関係にあることをつきとめた。この表色は、L* *
* 表色系におけるL* およびb* のレベル(夫々L
値、b値と称し、記号L、bで表す)を用いた。
【0007】本発明はかかる知見に基づいて成されたも
ので、その要旨とするところは以下の項に記載のフラッ
クス入りワイヤおよびその製造方法にある。 (1)溶接用フラックス入りワイヤにおいて、製品表面
の表色(L値,b値)が下記式(1),(2) を満たすことを
特徴とするフラックス入りワイヤ。 (2)溶接用フラックス入りワイヤを潤滑剤の適用下で
伸線加工して製造するにあたり、伸線加工後の製品の表
色(L値,b値)を測定し該測定値が下記式(1),(2) を
満たすように前記潤滑剤の残量を調整することを特徴と
するフラックス入りワイヤの製造方法。
【0008】記 −4≦b≦10 (1) (3/4)b+41≦L≦65 (2)
【0009】
【発明の実施の形態】図2は、L値、b値を種々変えて
製造したフラックス入りワイヤを送給モータにより長さ
6mのコンジットケーブルを介してチップに送給速度10
m/分で送給し、30分間連続溶接する実験を行って得られ
た、ワイヤ送給性やチップ摩耗、ワイヤ製造性に及ぼす
L値、b値の影響を示すグラフである。
【0010】同図に示すように、b>10および/または
L< (3/4)b+41の範囲では、不純物残留量が多すぎ
て、コンジットケーブル内の蓄積量が過剰となって送給
抵抗が増加し、あるいは送給ローラに汚れとして付着し
てスリップが生じた状態に対応する。なお、不純物とは
ワイヤ地肌に付着したものの総称であり、その主体は伸
線時に適用された潤滑剤である。
【0011】また、L>65の範囲では、チップ摩耗大の
状態(潤滑剤残留量が少なすぎてチップの摩耗進行が早
すぎる状態)となり経済性が損なわれる。このチップ摩
耗大の状態は、図3に定義を示すチップ摩耗率が25%超
の範囲に対応する。なお、b値はチップ摩耗率にほとん
ど影響しない。また、b<−4の範囲では、潤滑剤残留
量が少なすぎてワイヤ製造性に問題がある。
【0012】これに対し、表色(L値、b値)が式(1),
(2) を同時に満たす範囲では、ワイヤ送給性、ワイヤ製
造性とも良好であり、また溶接時のチップ摩耗も過度に
進行せず経済的に有利である。表色の測定は、例えば次
のようにして実施できる。図1は、上記実験の際に用い
た表色測定手段を示す説明図であり、1はスプール、2
はワイヤ(フラックス入りワイヤ)、3は測定ヘッド3A
および該測定ヘッド3Aの測定結果を表示する表示装置3B
からなる色彩色差計(本例ではミノルタ(株)製の色彩
色差計CR-300を用い、JIS Z 8729付表3の標準光Cにて
校正をして使用)である。この方式の色彩色差計は、測
定ヘッド3Aが投光部と受光部を備え投光部からワイヤ表
面に投光しそこからの反射光を受光部で受光しこれを分
析してJIS Z 8729に規定される表色(L値、b値)に変
換して表示装置3Bに表示するもので、図示のように、ワ
イヤ2のスプール最外巻部表面にセットして作動させる
だけで、該セットした部位のL値、b値を極めて容易に
測定・表示できる。なお、本発明者の前記実験では、上
記色彩色差計を用いてスプール最外巻部表面の周方向に
略均等間隔にとった6箇所を測定し、その平均値で当該
製品ワイヤの表色を評価した。
【0013】これによれば、少なくとも製品全長の2.1
%程度に相当するスプール最外巻部表面の任意の部位の
表色を容易かつ迅速に測定することができるようにな
る。一方、ワイヤ表面の潤滑剤残留量測定は手間がかか
るため、工程的には伸線後スプールに巻回された製品ワ
イヤの巻回終端から高々2〜3m(全長の0.1 %程度)
の長さ部分に対してしか実施できない。よって、表色を
管理指標とすることにより、従来の潤滑剤残留量測定よ
りもはるかに広範囲の製品部分を工程検査対象とするこ
とが可能となり、特に6〜10mと長くて曲がりの大きい
コンジットケ−ブルを用いた厳しい送給条件で行われる
造船の溶接に使用するフラックス入りワイヤでは、ワイ
ヤ送給性に関わる製品信頼度が向上する。
【0014】すなわち、本発明の、製品表面の表色(L
値、b値)が前記式(1),(2) を満たすフラックス入りワ
イヤは、送給性に関わる信頼度の高い製品であり、それ
ゆえ、送給条件の厳しい状態で長時間使用されても、連
続溶接の途上でワイヤ送給性が悪化しアーク不安定を引
き起こすことがほとんどなく、かつ、チップ摩耗を促進
することもほとんどない。
【0015】ここで、上記の「製品表面の表色」とは
「スプール巻ワイヤ表面の表色」のことをいい、ワイヤ
表面で光が乱反射する場合を含めて、人間の目で見た状
態に近い値になると考えられる。なお、チップ摩耗をさ
らに抑制するには、製品ワイヤ表面にMoS2を分布させる
のがよいが、MoS2はL値を低下させb値を増大させるた
めその適用に際しては注意する必要がある。本発明者の
知見では、その適量はワイヤ1g 当たり0.01〜2.0mg で
ある。
【0016】また、ワイヤ送給性をさらに向上させるに
は、製品表面のL値、b値のばらつき(標準偏差σ)が
2未満のフラックス入りワイヤであることが好ましい。
さらに、コンジットケーブルの長さが10mを超えるよう
な一段と厳しい送給条件で使用される場合は、L値、b
値のσ:2未満であることに加えて、L値、b値が次式
(3),(4) の範囲のフラックス入りワイヤとすることが好
ましい。
【0017】 −2≦b≦4 (3) (3/4)b+47≦L≦65 (4) なお、本発明の実施にあたっては、伸線加工後に、表色
測定工程を設け、この測定結果が本発明範囲に収まるよ
うに潤滑剤の塗布量や伸線工程での除去量を調整して潤
滑剤残量を調整する管理方式が好ましい。
【0018】
【実施例】本発明にしたがい、フラックス入りワイヤの
伸線加工後に、表色測定工程を設け該工程で図1に示し
た要領で製品ワイヤのスプール最外巻部表面の周方向略
等間隔に選んだ6箇所につき前記色彩色差計を用いて測
定した結果の平均値を該製品ワイヤの代表の表色とし、
これを伸線工程で使用する潤滑剤の塗布量に反映させる
ことにより製品ワイヤのL値、b値を本発明範囲内とし
た実施例と、比較のため意図的にL値、b値を本発明範
囲外とした比較例とを用い、これら製品ワイヤを送給モ
ータで長さ6mのコンジットケーブルを介して送給速度
10m/min でチップに通して溶接部に供給し、30min 間の
連続溶接を行って、送給モータ負荷電流のσおよびチッ
プ摩耗率を調査した。その結果を表1に示す。表1より
実施例が比較例よりも優れたワイヤ送給性を有すること
が明らかである。表1の送給モータ負荷電流の好適範囲
は0.20以下である。
【0019】
【表1】
【0020】
【発明の効果】かくして本発明のフラックス入りワイヤ
は、厳しい送給条件下でも長時間にわたり良好なワイヤ
送給性を維持しうるものであり、産業上寄与するところ
大なるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】表色測定手段を示す説明図である。
【図2】ワイヤ送給性やチップ摩耗、ワイヤ製造性に及
ぼすL値、b値の影響を示すグラフである。
【図3】チップ摩耗率の定義説明図である。
【符号の説明】
1 スプール 2 ワイヤ(フラックス入りワイヤ) 3 色彩色差計 3A 測定ヘッド 3B 表示装置 4 チップ 5 ワイヤ通し穴

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶接用フラックス入りワイヤにおいて、
    製品表面の表色(L値,b値)が下記式(1),(2) を満た
    すことを特徴とするフラックス入りワイヤ。 記 −4≦b≦10 (1) (3/4)b+41≦L≦65 (2)
  2. 【請求項2】 溶接用フラックス入りワイヤを潤滑剤の
    適用下で伸線加工して製造するにあたり、伸線加工後の
    製品の表色(L値,b値)を測定し該測定値が下記式
    (1),(2) を満たすように前記潤滑剤の残量を調整するこ
    とを特徴とするフラックス入りワイヤの製造方法。 記 −4≦b≦10 (1) (3/4)b+41≦L≦65 (2)
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11007592B2 (en) 2015-07-30 2021-05-18 Denso Aircool Corporation Heat exchanger and method for producing same

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