JP2001323472A - 特殊プレキャスト法枠工の緑化方法 - Google Patents
特殊プレキャスト法枠工の緑化方法Info
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- JP2001323472A JP2001323472A JP2000145681A JP2000145681A JP2001323472A JP 2001323472 A JP2001323472 A JP 2001323472A JP 2000145681 A JP2000145681 A JP 2000145681A JP 2000145681 A JP2000145681 A JP 2000145681A JP 2001323472 A JP2001323472 A JP 2001323472A
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- Japan
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- slope
- frame
- concrete sheet
- sheet pile
- vegetation
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- Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 特殊プレキャスト法枠工の持つ急勾配斜面の
崩壊防止機能、迅速な施工などの特徴を失うことなく、
枠内の健全な緑化方法を提供する。 【解決手段】 鋼管を芯材としてコンクリートを肉付け
した梁材により格子状の法枠を構築し、裏込め材を保持
するための加圧コンクリート矢板とを併用して急傾斜地
等の斜面崩壊防止を図るに際し、法面の長さ方向に連続
して設置される加圧コンクリート矢板のそれぞれの接合
部に予め切り欠きを設け、当該コンクリート矢板で形成
される法面に法面方向に一定間隔で開口部9を設ける一
方、当該開口部と地山の間に植生土のう等の植生基盤材
10を設置し、格子の枠内に大きさを合わせた厚層金網
11と、該厚層金網11の上部にネット状の起立片部と
を有する上層支持部材12を法面の長さ方向に一定間隔
を確保しつつ固定した後、植生基盤材13を上層支持部
材が埋没する程度に吹き付ける。
崩壊防止機能、迅速な施工などの特徴を失うことなく、
枠内の健全な緑化方法を提供する。 【解決手段】 鋼管を芯材としてコンクリートを肉付け
した梁材により格子状の法枠を構築し、裏込め材を保持
するための加圧コンクリート矢板とを併用して急傾斜地
等の斜面崩壊防止を図るに際し、法面の長さ方向に連続
して設置される加圧コンクリート矢板のそれぞれの接合
部に予め切り欠きを設け、当該コンクリート矢板で形成
される法面に法面方向に一定間隔で開口部9を設ける一
方、当該開口部と地山の間に植生土のう等の植生基盤材
10を設置し、格子の枠内に大きさを合わせた厚層金網
11と、該厚層金網11の上部にネット状の起立片部と
を有する上層支持部材12を法面の長さ方向に一定間隔
を確保しつつ固定した後、植生基盤材13を上層支持部
材が埋没する程度に吹き付ける。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、従来緑化が困難で
あった急崖斜面等で急勾配に設置される特殊プレキャス
ト法枠工の表面を対象として、特殊プレキャスト法枠工
の構成部品の一部に改良を施し、かつ新たな手法を加え
ることにより特殊プレキャスト法枠工の機能を損なうこ
となく良好な植生環境を提供する緑化工法に関するもの
である。
あった急崖斜面等で急勾配に設置される特殊プレキャス
ト法枠工の表面を対象として、特殊プレキャスト法枠工
の構成部品の一部に改良を施し、かつ新たな手法を加え
ることにより特殊プレキャスト法枠工の機能を損なうこ
となく良好な植生環境を提供する緑化工法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】特殊プレキャスト法枠工は、近傍に民家
が密集する狭隘な急傾斜地等において、安全性及びスペ
ース等の問題から緩い勾配での切土工ないし通常の現場
吹付法枠工等の施工が困難な箇所に使用されるものであ
り、組み立てられた梁材と背面の地山の不陸による間隙
を調整するため裏込め材の充填を行うことにより、地山
の切土を最小限度とすることを特徴とする工法である。
が密集する狭隘な急傾斜地等において、安全性及びスペ
ース等の問題から緩い勾配での切土工ないし通常の現場
吹付法枠工等の施工が困難な箇所に使用されるものであ
り、組み立てられた梁材と背面の地山の不陸による間隙
を調整するため裏込め材の充填を行うことにより、地山
の切土を最小限度とすることを特徴とする工法である。
【0003】また、当該特殊プレキャスト法枠工が形成
する法面勾配が急な場合では、梁材により構成される法
枠工の枠内から裏込め材ないし地山の不安定表層土の流
失、崩落する現象を防止するため、極薄かつ高強度の加
圧コンクリート矢板を組み立てられた梁材の背面に設置
することにより枠内を当該加圧コンクリートで遮蔽する
手法が採用されていた。
する法面勾配が急な場合では、梁材により構成される法
枠工の枠内から裏込め材ないし地山の不安定表層土の流
失、崩落する現象を防止するため、極薄かつ高強度の加
圧コンクリート矢板を組み立てられた梁材の背面に設置
することにより枠内を当該加圧コンクリートで遮蔽する
手法が採用されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、かかる特殊
プレキャスト法枠工は法面勾配が急峻である上、枠内表
面を構成する加圧コンクリート矢板の表面が平滑である
ため植生基盤材の固着を図りがたいこと、並びに仮に植
生基盤材の固着が可能であるとしても、地山と植生基盤
材が加圧コンクリート矢板で遮断されるために水分の供
給や植物根の活着等に問題があり、植物の生育不良に陥
り易く完全な枠内緑化は困難であった。
プレキャスト法枠工は法面勾配が急峻である上、枠内表
面を構成する加圧コンクリート矢板の表面が平滑である
ため植生基盤材の固着を図りがたいこと、並びに仮に植
生基盤材の固着が可能であるとしても、地山と植生基盤
材が加圧コンクリート矢板で遮断されるために水分の供
給や植物根の活着等に問題があり、植物の生育不良に陥
り易く完全な枠内緑化は困難であった。
【0005】本発明の目的は、上記従来技術の有する問
題点に鑑み、特殊プレキャスト法枠工の持つ急勾配斜面
の崩壊防止機能、迅速な施工などの特徴を失うことな
く、枠内の健全な緑化方法を提供することにある。
題点に鑑み、特殊プレキャスト法枠工の持つ急勾配斜面
の崩壊防止機能、迅速な施工などの特徴を失うことな
く、枠内の健全な緑化方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴は、上述し
た目的を達成するために次の構成を具備することにあ
る。すなわち、本発明は先ず、従来より特殊プレキャス
ト法枠工に使用されていた加圧コンクリート矢板に切り
欠きを設け、該加圧コンクリート矢板を格子状のプレキ
ャスト枠の背面に法面の長さ方向に連続して設置する際
に、該加圧コンクリート矢板の上下接合部に開口部が生
ずる様に設置する。従来工法では加圧コンクリート矢板
と地山の間隙に不陸調整と加圧コンクリート矢板の固定
を目的として砕石等を投入・転圧するが、本発明ではそ
の際に該加圧コンクリート矢板により構成される開口部
背面においてのみ砕石等ではなく植生土のうなどの、植
物の根の進入を阻害しない植生基盤材を使用する。これ
により特殊プレキャスト法枠工表面と地山の間は植生基
盤材で連通し、地山からの養分・水分を法枠工表面に導
くことができるとともに、植物の根が容易に地山に到達
することにより、健全な植物の生育を図るものである。
た目的を達成するために次の構成を具備することにあ
る。すなわち、本発明は先ず、従来より特殊プレキャス
ト法枠工に使用されていた加圧コンクリート矢板に切り
欠きを設け、該加圧コンクリート矢板を格子状のプレキ
ャスト枠の背面に法面の長さ方向に連続して設置する際
に、該加圧コンクリート矢板の上下接合部に開口部が生
ずる様に設置する。従来工法では加圧コンクリート矢板
と地山の間隙に不陸調整と加圧コンクリート矢板の固定
を目的として砕石等を投入・転圧するが、本発明ではそ
の際に該加圧コンクリート矢板により構成される開口部
背面においてのみ砕石等ではなく植生土のうなどの、植
物の根の進入を阻害しない植生基盤材を使用する。これ
により特殊プレキャスト法枠工表面と地山の間は植生基
盤材で連通し、地山からの養分・水分を法枠工表面に導
くことができるとともに、植物の根が容易に地山に到達
することにより、健全な植物の生育を図るものである。
【0007】つづいて、組立の完了した当該加圧コンク
リート矢板の表面に、予め格子の枠内に大きさを合わせ
て加工された厚層金網を固定する。そして、厚層金網の
上に、ネット状の基礎片部と基礎片部から直角に立ち上
がり形成されたネット状の起立片部とを有する上層支持
部材を法面の長さ方向に一定間隔を確保しつつ固定した
後、植生基盤材を上記上層支持部材が埋没する程度に吹
き付けることにより遂行される。厚層金網は加圧コンク
リート矢板により構成された平滑な格子の枠内に植生基
盤材を有効に固着するための資材であり、上層支持部材
は断面略L字状を形成し厚層金網の厚さを越えて吹き付
けられた植生基盤材を保持するのに有効となり、これら
の効果により平滑な格子の枠内に十分な厚さの植生基盤
を構成することができる。
リート矢板の表面に、予め格子の枠内に大きさを合わせ
て加工された厚層金網を固定する。そして、厚層金網の
上に、ネット状の基礎片部と基礎片部から直角に立ち上
がり形成されたネット状の起立片部とを有する上層支持
部材を法面の長さ方向に一定間隔を確保しつつ固定した
後、植生基盤材を上記上層支持部材が埋没する程度に吹
き付けることにより遂行される。厚層金網は加圧コンク
リート矢板により構成された平滑な格子の枠内に植生基
盤材を有効に固着するための資材であり、上層支持部材
は断面略L字状を形成し厚層金網の厚さを越えて吹き付
けられた植生基盤材を保持するのに有効となり、これら
の効果により平滑な格子の枠内に十分な厚さの植生基盤
を構成することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に従って本発明に
よる実施例について説明する。図1は従来から用いられ
てきた特殊プレキャスト法枠工の一般的な用途における
斜視図である。また図3は図1におけるA−A’断面図
である。
よる実施例について説明する。図1は従来から用いられ
てきた特殊プレキャスト法枠工の一般的な用途における
斜視図である。また図3は図1におけるA−A’断面図
である。
【0009】特殊プレキャスト法枠工は、地山1の前面
下部にコンクリート製の基礎工を設け、その上部に鋼管
を芯材としてコンクリートを肉付けした竪梁5及び横梁
6を地山1に沿う形で格子状に組み立て、竪梁5及び横
梁6で構成される各交点部から地山1に対してアンカー
を打設することにより地山1の安定を図ると同時に、地
山1と竪梁5及び横梁6を結合する。さらに、竪梁5と
横梁6にて構成される格子の背面に、法面の長さ方向に
一定幅を有しかつ竪梁5の芯々間隔と同じ長さを有する
加圧コンクリート矢板7を下段より順次あてがい、加圧
コンクリート矢板7と地山1の間に生ずる空隙に砕石や
栗石等の裏込め材2を充填することにより、地山の圧力
を竪梁5及び横梁6で構成される格子とアンカーに伝達
して全体の安定を図ると同時に、裏込め材2の圧力によ
り加圧コンクリート7を竪梁5及び横梁6に固定する。
下部にコンクリート製の基礎工を設け、その上部に鋼管
を芯材としてコンクリートを肉付けした竪梁5及び横梁
6を地山1に沿う形で格子状に組み立て、竪梁5及び横
梁6で構成される各交点部から地山1に対してアンカー
を打設することにより地山1の安定を図ると同時に、地
山1と竪梁5及び横梁6を結合する。さらに、竪梁5と
横梁6にて構成される格子の背面に、法面の長さ方向に
一定幅を有しかつ竪梁5の芯々間隔と同じ長さを有する
加圧コンクリート矢板7を下段より順次あてがい、加圧
コンクリート矢板7と地山1の間に生ずる空隙に砕石や
栗石等の裏込め材2を充填することにより、地山の圧力
を竪梁5及び横梁6で構成される格子とアンカーに伝達
して全体の安定を図ると同時に、裏込め材2の圧力によ
り加圧コンクリート7を竪梁5及び横梁6に固定する。
【0010】図2は本発明で具備される構成を含めた特
殊プレキャスト法枠工の一般的用途における斜視図であ
る。また図4は図2におけるB−B’断面図である。
殊プレキャスト法枠工の一般的用途における斜視図であ
る。また図4は図2におけるB−B’断面図である。
【0011】本発明の特殊プレキャスト法枠工の緑化方
法は次の手順で実施される。なお、アンカー3の打設ま
での手順は上記した従来工法と同一手順で行われる。ま
ず、法面の長さ方向に一定幅を有し、かつ竪梁5の芯々
間隔と同じ長さを有する加圧コンクリート矢板7に対
し、法面の長さ方向に連続して設置される際のそれぞれ
の接合部に切り欠き加工を施し、切り欠き付加圧コンク
リート矢板8を製作する。この作業は施工現場でも行え
るが品質管理の面からコンクリート二次製品工場におい
て出荷前に実施することが望ましい。続いて、切り欠き
付加圧コンクリート矢板8を従来工法と同様に法面の長
さ方向に対して連続して設置することにより、それぞれ
の接合部に開孔部9を形成する。
法は次の手順で実施される。なお、アンカー3の打設ま
での手順は上記した従来工法と同一手順で行われる。ま
ず、法面の長さ方向に一定幅を有し、かつ竪梁5の芯々
間隔と同じ長さを有する加圧コンクリート矢板7に対
し、法面の長さ方向に連続して設置される際のそれぞれ
の接合部に切り欠き加工を施し、切り欠き付加圧コンク
リート矢板8を製作する。この作業は施工現場でも行え
るが品質管理の面からコンクリート二次製品工場におい
て出荷前に実施することが望ましい。続いて、切り欠き
付加圧コンクリート矢板8を従来工法と同様に法面の長
さ方向に対して連続して設置することにより、それぞれ
の接合部に開孔部9を形成する。
【0012】図5は切り欠き付加圧コンクリート矢板8
と同切り欠き付加圧コンクリート矢板8の接合部に形成
される開孔部9を示す模式図である。開孔部9の形状
は、図5に示すように、将来生長する植物の種類や目的
とする緑化形態等に応じて切り欠き付加圧コンクリート
矢板8に設ける切り欠き状態により適宜選定することが
できる。
と同切り欠き付加圧コンクリート矢板8の接合部に形成
される開孔部9を示す模式図である。開孔部9の形状
は、図5に示すように、将来生長する植物の種類や目的
とする緑化形態等に応じて切り欠き付加圧コンクリート
矢板8に設ける切り欠き状態により適宜選定することが
できる。
【0013】続いて切り欠き付加圧コンクリート矢板8
と地山1の間に生ずる空隙に砕石や栗石等の裏込め材2
を充填するが、その際に開孔部9の背面側には裏込め材
2のかわりに肥沃な土を詰め込んだ植生土のうなどの、
植物の根の進入を阻害せず且つ設置が容易な植生基盤材
10を、開口部9の背面から地山1にかけて上下方向、
横方向とも開口部9より若干広めの範囲にて敷設してお
く。
と地山1の間に生ずる空隙に砕石や栗石等の裏込め材2
を充填するが、その際に開孔部9の背面側には裏込め材
2のかわりに肥沃な土を詰め込んだ植生土のうなどの、
植物の根の進入を阻害せず且つ設置が容易な植生基盤材
10を、開口部9の背面から地山1にかけて上下方向、
横方向とも開口部9より若干広めの範囲にて敷設してお
く。
【0014】上述の如くして設けられた開孔部9並びに
植生基盤材10は、のちに切り欠き付加圧コンクリート
矢板8の表面に施工される吹付植生基盤材13に繁茂し
た植物に対して、地山からの養分・水分を常に補給する
とともに、植物の根が容易に地山に到達できるようにす
ることを目的としている。
植生基盤材10は、のちに切り欠き付加圧コンクリート
矢板8の表面に施工される吹付植生基盤材13に繁茂し
た植物に対して、地山からの養分・水分を常に補給する
とともに、植物の根が容易に地山に到達できるようにす
ることを目的としている。
【0015】ここまでは、開孔部9とその背面に植生基
盤材10の構成を具備することを除き、従来工法と同様
な手順で行われる。本発明ではさらに、竪梁5と横梁6
にて構成される格子の枠内全体に緑化を図るため、以下
の処理を施す。
盤材10の構成を具備することを除き、従来工法と同様
な手順で行われる。本発明ではさらに、竪梁5と横梁6
にて構成される格子の枠内全体に緑化を図るため、以下
の処理を施す。
【0016】まず、竪梁5と横梁6にて構成される格子
の枠内の表面を構成する切り欠き付加圧コンクリート矢
板8に、同枠内に大きさを合わせて切断した厚層金網1
1と、厚層金網11の上部に上層支持部材12とをそれ
ぞれ固定する。上層支持部材12は、図6に示すように
金属棒を組み付けて断面略L字状でネット状をなすよう
に形成されている。図中、参照符号12aで示すものは
上層支持部材12の基礎片部であり、12bは基礎片部
12aから直角に立ち上がった起立片部である。上層支
持部材12の長さは竪梁5と横梁6にて構成される格子
の内幅に合わせておく。上層支持部材12は竪梁5と横
梁6にて構成される格子の枠内において数本を、法面の
長さ方向に一定の間隔を置くとともに基礎片部12aが
法肩を向くように設置する。次いで、基礎片部12aの
適所に、座金15を介してボルト16を厚層金網11と
ともに貫通させ、ボルト16を基礎片部12aの適所に
合わせて切り欠き付加圧コンクリート矢板8に打ち込ん
だあと、施工アンカー14の雌ねじ部に締め込むことに
より、厚層金網11と上層支持部材12を同時に切り欠
き付加圧コンクリート矢板8に固定することができる。
の枠内の表面を構成する切り欠き付加圧コンクリート矢
板8に、同枠内に大きさを合わせて切断した厚層金網1
1と、厚層金網11の上部に上層支持部材12とをそれ
ぞれ固定する。上層支持部材12は、図6に示すように
金属棒を組み付けて断面略L字状でネット状をなすよう
に形成されている。図中、参照符号12aで示すものは
上層支持部材12の基礎片部であり、12bは基礎片部
12aから直角に立ち上がった起立片部である。上層支
持部材12の長さは竪梁5と横梁6にて構成される格子
の内幅に合わせておく。上層支持部材12は竪梁5と横
梁6にて構成される格子の枠内において数本を、法面の
長さ方向に一定の間隔を置くとともに基礎片部12aが
法肩を向くように設置する。次いで、基礎片部12aの
適所に、座金15を介してボルト16を厚層金網11と
ともに貫通させ、ボルト16を基礎片部12aの適所に
合わせて切り欠き付加圧コンクリート矢板8に打ち込ん
だあと、施工アンカー14の雌ねじ部に締め込むことに
より、厚層金網11と上層支持部材12を同時に切り欠
き付加圧コンクリート矢板8に固定することができる。
【0017】図7は以上の作業が終了した状態における
竪梁5と横梁6にて構成される格子の枠内の斜視図であ
り、図8は厚層金網11と上層支持部材12の固定方法
を示す断面図である。
竪梁5と横梁6にて構成される格子の枠内の斜視図であ
り、図8は厚層金網11と上層支持部材12の固定方法
を示す断面図である。
【0018】上層支持部材12を固定した後、竪梁5と
横梁6にて構成される格子の枠内に植生基盤材13が吹
き付けられる。植生基盤材13は、通常、土、肥料、結
合材、侵食防止剤に種子が混入されたものが使用され
る。吹き付けにあたり、法肩方向から作業綱に牽引され
る作業者にとって、上層支持部材12の起立片部12b
を足場とすることができる。吹き付け量は、上層支持部
材12が隠れる程度の量で十分であり、起立片12bの
上端を目安にして吹き付け作業を行うことにより、植生
基盤材13はほぼ均一な厚さとなる。
横梁6にて構成される格子の枠内に植生基盤材13が吹
き付けられる。植生基盤材13は、通常、土、肥料、結
合材、侵食防止剤に種子が混入されたものが使用され
る。吹き付けにあたり、法肩方向から作業綱に牽引され
る作業者にとって、上層支持部材12の起立片部12b
を足場とすることができる。吹き付け量は、上層支持部
材12が隠れる程度の量で十分であり、起立片12bの
上端を目安にして吹き付け作業を行うことにより、植生
基盤材13はほぼ均一な厚さとなる。
【0019】このようにして施工された竪梁5と横梁6
にて構成される格子の枠内は厚層金網11の厚み相当に
植生基盤材13が充満しているにとどまらず、厚層金網
11の上方の植生基盤材13が上層支持部材12に支持
されており、全体として超厚層の植生基盤を構成し、植
物の生育に良好な環境を備えるとともに、同植生基盤は
豪雨等の外的作用に対しても容易に崩落することはな
い。
にて構成される格子の枠内は厚層金網11の厚み相当に
植生基盤材13が充満しているにとどまらず、厚層金網
11の上方の植生基盤材13が上層支持部材12に支持
されており、全体として超厚層の植生基盤を構成し、植
物の生育に良好な環境を備えるとともに、同植生基盤は
豪雨等の外的作用に対しても容易に崩落することはな
い。
【0020】ここにおいて、植物は植生基盤材13に混
入された種子から発芽・生長することを前提としている
が、開孔部9付近の植生基盤材13に苗木を直接植栽す
ることにより、より多様で確実な緑化を図ることも可能
である。
入された種子から発芽・生長することを前提としている
が、開孔部9付近の植生基盤材13に苗木を直接植栽す
ることにより、より多様で確実な緑化を図ることも可能
である。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る緑化
方法は従来緑化が困難であった特殊プレキャスト法枠工
の枠内に厚層金網と上層支持部材を固定し、この上層支
持部材が隠れるように植生基盤材を吹き付けるので、厚
層金網と上層支持部材によって植生基盤材が確実に固着
し、超厚層の植生基盤を構築することができる。同植生
基盤は極めて大容量であり、植物の良好な生育環境を提
供するものである。
方法は従来緑化が困難であった特殊プレキャスト法枠工
の枠内に厚層金網と上層支持部材を固定し、この上層支
持部材が隠れるように植生基盤材を吹き付けるので、厚
層金網と上層支持部材によって植生基盤材が確実に固着
し、超厚層の植生基盤を構築することができる。同植生
基盤は極めて大容量であり、植物の良好な生育環境を提
供するものである。
【0022】また、上層支持部材は起立片部と基礎片部
を有しており、起立片の上端を目安に植生基盤材を吹き
付けることができ、植生基盤を均等な厚みにすることが
容易な上、吹き付け作業にあたり、上層支持部材の起立
片部によって作業員の足場が確保されるので安定且つ効
率的に行うことができる。
を有しており、起立片の上端を目安に植生基盤材を吹き
付けることができ、植生基盤を均等な厚みにすることが
容易な上、吹き付け作業にあたり、上層支持部材の起立
片部によって作業員の足場が確保されるので安定且つ効
率的に行うことができる。
【0023】さらに、加圧コンクリート矢板面に開孔部
を設け、同開孔部と背面地山との間に植生基盤材を設置
することにより、枠内の植生基盤から背面地山まで連通
するため、植物に対して地山からの養分・水分を常に補
給するとともに植物の根が地山に到達することで枯死を
防止し、生長の促進を図ることができる。
を設け、同開孔部と背面地山との間に植生基盤材を設置
することにより、枠内の植生基盤から背面地山まで連通
するため、植物に対して地山からの養分・水分を常に補
給するとともに植物の根が地山に到達することで枯死を
防止し、生長の促進を図ることができる。
【図1】 従来から用いられてきた特殊プレキャスト法
枠工の一般的な用途における模式図である。
枠工の一般的な用途における模式図である。
【図2】 本発明で具備される構成を含めた特殊プレキ
ャスト法枠工の一般的用途における模式図である。
ャスト法枠工の一般的用途における模式図である。
【図3】 図1におけるA-A’断面図である。
【図4】 図2におけるB-B’断面図である。
【図5】 切り欠き付加圧コンクリート矢板の接合部に
形成される開孔部を示す模式図である。
形成される開孔部を示す模式図である。
【図6】 上層支持部材の一例を示す斜視図である。
【図7】 厚層金網と上層支持部材を取り付けた状態に
おける枠内の斜視図である。
おける枠内の斜視図である。
【図8】 厚層金網と上層支持部材の取り付け方法を示
す断面図である。
す断面図である。
1 地山 2 裏込め材 3 アンカー 4 基礎工 5 竪梁 6 横梁 7 加圧コンクリート矢板 8 切り欠き付加圧コンクリート矢板 9 開孔部 10 植生基盤材 11 厚層金網 12 上層支持
部材 12a 上層支持部材における基礎片部 12b 上層支持部材における起立片部 13 吹き付けによる植生基盤材 14 あと施工アンカー 15 座金 16 ボルト
部材 12a 上層支持部材における基礎片部 12b 上層支持部材における起立片部 13 吹き付けによる植生基盤材 14 あと施工アンカー 15 座金 16 ボルト
フロントページの続き (72)発明者 松島 卓己 神奈川県横浜市中区真砂町2丁目25番地 不動建設株式会社内 (72)発明者 中田 耕造 東京都新宿区高田馬場4−25−13 Fターム(参考) 2D044 DA01 DA33 DA36 DB24 DB41
Claims (1)
- 【請求項1】 鋼管を芯材としてコンクリートを肉付け
した梁材を溶接接合することにより格子状の法枠を構築
し、格子の各交点にアンカーを打設し、法枠と地山の不
陸による間隙調整のため充填する裏込め材と、同裏込め
材を保持するための加圧コンクリート矢板とを併用して
急傾斜地等の斜面崩壊防止を図る特殊プレキャスト法枠
の構築に際し、 法面の長さ方向に連続して設置される加圧コンクリート
矢板のそれぞれの接合部に予め切り欠きを設け、当該コ
ンクリート矢板で形成される法面に法面方向に一定間隔
で開口部を設ける一方、 当該開口部と地山の間に植生土のう等の植生基盤材を設
置し、 組立の完了した当該加圧コンクリート矢板面にあらかじ
め格子の枠内に大きさを合わせた厚層金網と、該厚層金
網の上部にネット状の基礎片部と基礎片部から直角に立
ち上がり形成されたネット状の起立片部とを有する上層
支持部材を法面の長さ方向に一定間隔を確保しつつ固定
した後、 植生基盤材を上層支持部材が埋没する程度に吹き付け
る、ことを特徴とした特殊プレキャスト法枠工の緑化方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000145681A JP2001323472A (ja) | 2000-05-17 | 2000-05-17 | 特殊プレキャスト法枠工の緑化方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2000145681A JP2001323472A (ja) | 2000-05-17 | 2000-05-17 | 特殊プレキャスト法枠工の緑化方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001323472A true JP2001323472A (ja) | 2001-11-22 |
Family
ID=18652151
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000145681A Pending JP2001323472A (ja) | 2000-05-17 | 2000-05-17 | 特殊プレキャスト法枠工の緑化方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001323472A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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CN112144548A (zh) * | 2020-08-29 | 2020-12-29 | 兰州理工大学 | 一种半埋入式多功能框架支护结构及其施工方法 |
CN113818300A (zh) * | 2021-09-24 | 2021-12-21 | 中煤科工重庆设计研究院(集团)有限公司 | 一种基于原有道路的海绵城市生态路基构造及其施工方法 |
CN115024056A (zh) * | 2022-02-18 | 2022-09-09 | 湖北三峡职业技术学院 | 一种边坡园林种子喷播落种架及安装设备 |
-
2000
- 2000-05-17 JP JP2000145681A patent/JP2001323472A/ja active Pending
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