JP2001315381A - 感光感熱記録材料への画像記録方法、及び画像記録装置 - Google Patents

感光感熱記録材料への画像記録方法、及び画像記録装置

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JP2001315381A
JP2001315381A JP2000139102A JP2000139102A JP2001315381A JP 2001315381 A JP2001315381 A JP 2001315381A JP 2000139102 A JP2000139102 A JP 2000139102A JP 2000139102 A JP2000139102 A JP 2000139102A JP 2001315381 A JP2001315381 A JP 2001315381A
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Toshiro Hayakawa
利郎 早川
Kazuo Hakamata
和男 袴田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 短波長で発光する半導体レーザを用いて、感
光感熱記録材料へ、高品位の画像を記録する。 【解決手段】 短波長のレーザ光を出射する半導体レー
ザへ印加する電流として、画像データD1,D2,D
3,D4,・・・に対応する光強度I1,I2,I3,
I4,・・・、の光強度の波高値を有する光強度パルス
信号を生成し、光強度パルス信号立ち上がりから所定時
間t以前に立ち上がるように、予め定めた閾値近傍の電
流値Bのバイアス電流を生成する。これらの光強度パル
ス信号及びバイアスパルス信号を合成して、半導体レー
ザを変調するための電流信号(生成パルス)すなわちパ
ルス信号電流を生成し出力する。バイアス電流の印加で
光出力の減少が低減されかつ、間欠的な印加で発振遅延
時間を減少できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感光感熱記録材料
への画像記録方法、及び画像記録装置にかかり、特に、
感光感熱記録材料を用いて画像を記録する感光感熱記録
材料への画像記録方法、及び画像記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】銀塩写
真に代表される従来の光記録システムでは、ネガフィル
ムやポジフィルム等の写真フィルムを用いて撮影を行
い、その写真フィルムを現像し、現像後の写真フィルム
に記録された画像情報を光学的に露光した潜像を顕像化
する処理を印画紙や普通紙等の記録材料に施してプリン
トを得ている。なお、以下の説明では、写真フィルムと
は、被写体を撮影後、現像処理されて、ネガ画像または
ポジ画像が可視化されたフィルムをいう。このように、
写真フィルムからプリントを得るには、写真フィルムに
記録された画像情報を記録材料に顕像化する必要がある
が、近年、処理液やトナー等の現像定着材料が不要な記
録材料を用いて、画像情報を顕像化することが行われて
いる。例えば、その記録材料には、画像情報を光学的に
露光することで潜像を得て、熱現像により顕像化し定着
する感光感熱記録材料がある。
【0003】ところで、画像情報を記録材料へ光学的に
露光して潜像を記録するときには、光変調の容易性や小
型であることから半導体レーザを用いることが多くなっ
てきている。また、半導体レーザは、画像記録、光ディ
スク、内視鏡における蛍光による癌検診などの様々な応
用にも用いられており、レーザ光をパルス電流印加によ
るパルス変調して利用している。一般的に、半導体レー
ザの駆動では、パルス電流を印加してからレーザ光が発
光するまでの発振遅延時間やレーザ発光の立ち上がり時
間を短くするため、DCバイアスを印加している。
【0004】半導体レーザの一例としては近年進歩が著
しい、短波長で発光が可能なGaN系の発光デバイスが
あり、400〜410nm程度のInGaNを活性層と
する波長域の半導体レーザが流通してきている。
【0005】ところが、InGaN系の半導体レーザ
は、従来のGaAs基板上に形成された半導体レーザと
異なり、基板となるサファイヤやバッファ層などで用い
られる層が発光波長において完全に透明であるため、画
像形成用に不要な迷光が多く生じることになる不要部分
を有している。特に低光出力時には不要部分からの光が
強い迷光となって、高品位の画像形成をするときに支障
を生じる場合がある。
【0006】しかしながら、従来の半導体レーザより、
発振閾値以下における発光強度が大きいGaN系の半導
体レーザは、閾値以下であっても、DCバイアスにより
比較的大きな発光強度を生じるため、発光のためのパル
ス電流を印加していない時間でも、本来の発光以外の雑
音となる、ある程度の発光強度を有する背景光を発生す
る。この背景光により最低露光量が上昇するため、レー
ザ光を強度変調して画像記録をする場合には、画像のコ
ントラストが低下する。また、パルス光の照射(パルス
励起光)により感光感熱記録材料への露光を行う場合に
は、即時性が要求されるが、パルス励起光を照射してい
ないときにもバイアスによる背景光が照射されることに
なり、高品位の画像形成の妨げとなる。
【0007】すなわち、パルス変調により記録材料に露
光して画像を形成する場合、DCバイアスを加えた時の
光(以下、EL光という)によって記録材料が露光され
るため、最小露光量が大きくなる。一方、最大露光量は
レーザ出力の最大値によって上限があるため、得られる
画像のコントラストが小さくなる。
【0008】本発明は、上記事実を考慮して、短波長で
発光する半導体レーザを用いて、感光感熱記録材料へ、
高品位の画像を記録することができる感光感熱記録材料
への画像記録方法、及び画像記録装置を得ることが目的
である。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明者は、短波長で発光する半導体レーザとし
て、GaN系の半導体レーザを用いた各種実験を行い、
GaN系の半導体レーザ固有の問題を見出した。図3に
は、発振波長405nmの半導体レーザのDC駆動電流
と光出力との関係を表す電流−光出力特性を示した。図
から理解されるように、DC駆動における閾値電流は約
50mAであった。この半導体レーザにパルス電流を印
加すると、デューティ比10%程度で閾値電流は10%
程度低減し、約45mAとなった。また、この半導体レ
ーザは、高速変調時には正常な応答を示した。すなわ
ち、立ちあがり2nsec以下、8nsec幅の高速パ
ルスにて変調した場合には、文献(S.Nakamura and G.F
asol: The Blue Laser Doide,Springer-Verlag, Berli
n, 1997, p252)に記載されているように、遅延時間が
閾値電流とバイアス電流、キャリア寿命とで決定される
特性(参考文献:R.Nagarajan and J.E.Bowers: Semico
nductor Laser I, Fundamentals, Academic Press, San
Diego, 1999, p267)を示し、nsecオーダの高速変
調が可能であった。
【0010】一方、図4には、比較的低周波のパルス電
流により変調したときの印加電流波形と光出力波形のD
Cバイアス依存性を示した。駆動条件は、図4−a:D
Cバイアスなし、図4−b:DCバイアス10mA、図
4−c:DCバイアス40mA、でパルス尖頭値は60
mAである。DCバイアスなしでは、80μsec程度
以上のきわめて大きな発振遅れがある。これは、DCバ
イアス印加により光出力の減少は低減するが、バイアス
電流を増加するほど発振遅延時間が減少し、閾値電流近
傍までバイアスしないと、遅延時間をなくすことができ
なかった。しかし、バイアス電流を増加するほど背景光
が増加する。
【0011】以上のことにより、本発明者は、背景光を
少なくするためにバイアス電流を極力小さくしたい、ま
た発振遅延時間を少なくするためにバイアス電流を閾値
電流近傍まで大きくしたい、という二律相反する点を解
消するため、本発明に到達した。
【0012】本発明の感光感熱記録材料への画像記録方
法は、GaN系の半導体レーザから出射されるレーザ光
により感光感熱記録材料を露光して潜像を記録する感光
感熱記録材料への画像記録方法であって、前記半導体レ
ーザに、記録すべき画像に対応するパルス電流を印加す
ることにより前記レーザ光をパルス光として出射させる
と共に、前記パルス電流の印加以前から印加終了まで、
バイアス電流を印加することを特徴とする。
【0013】本発明では、感光感熱記録材料を露光して
潜像を記録する。感光感熱記録材料は、露光され加熱さ
れることにより発色する感光感熱記録層を含んでいる。
この感光感熱記録層は、1色の単層で構成し単色画像を
形成するようにしてもよく、複数層で構成してカラー画
像を形成してもよい。この潜像は、加熱により現像さ
れ、光の照射で定着される。潜像の記録は、GaN系の
半導体レーザから出射されるレーザ光(短波長のレーザ
光)による露光でなされる。この半導体レーザには、記
録すべき画像に対応するパルス電流が印加される。これ
により、レーザ光がパルス光として出射される。これと
共に、半導体レーザには、バイアス電流が印加される。
このバイアス電流は、パルス電流の印加以前から印加終
了まで、バイアス電流を印加する。このように、半導体
レーザには、直流的に常時バイアス電流が印加されるの
ではなく、パルス電流の印加以前から印加終了までの
間、パルス電流に同期して間欠的に印加されるので、そ
の印加するバイアス電流の印加特性によって、例えば、
デューティ比で制御すれば、背景光を増加させない程度
でかつ発振遅延時間を増加させない程度にバイアス電流
を閾値電流近傍まで増加させることができる。
【0014】前記バイアス電流は、矩形波形、三角波及
び正弦波の何れか1つの波形で印加することができる。
バイアス電流は、間欠的に印加されるが、その間欠的な
印加は、実施の容易さ等のため、一定の周期を有する矩
形波形、三角波及び正弦波の何れか1つの波形による信
号に対応する電流が好ましい。
【0015】前記パルス電流は、パルス強度変調、パル
ス幅変調、及びパルス位相変調の何れかで変調して印加
することができる。すなわち、パルス電流は、少なくと
もパルスが形成されていればよく、その形成には、画像
記録に用いる等の変調方法が利用できる。このため、パ
ルス強度変調、パルス幅変調、及びパルス位相変調の何
れかで変調して印加することによって、容易に画像記録
を実施することができる。
【0016】前記感光感熱記録材料への画像記録方法
は、次の画像記録装置によって容易に実現可能である。
詳細には、本発明の画像記録装置は、GaN系の半導体
レーザを含み、前記半導体レーザから出射されるレーザ
光により感光感熱記録材料を露光して潜像を記録する光
記録手段と、前記半導体レーザに、記録すべき画像に対
応するパルス電流を印加するパルス電流印加手段と、前
記半導体レーザに、前記パルス電流の印加以前から印加
終了まで、バイアス電流を印加するバイアス電流印加手
段と、加熱により潜像を現像する加熱現像手段と、光を
照射して現像された画像を定着する光定着手段と、を備
えている。
【0017】本発明の画像記録装置は、光記録手段によ
り感光感熱記録材料を露光して潜像を記録する。この感
光感熱記録材料は、露光され加熱されることにより発色
する感光感熱記録層を含んでいる。この感光感熱記録層
は、1色の単層で構成し単色画像を形成するようにして
もよく、複数層で構成してカラー画像を形成してもよ
い。光記録手段は、GaN系の半導体レーザを含み、前
記半導体レーザから出射されるレーザ光により感光感熱
記録材料を露光して潜像を記録する。この半導体レーザ
には、パルス電流印加手段によって、記録すべき画像に
対応するパルス電流が印加される。また、この半導体レ
ーザには、バイアス電流印加手段によってバイアス電流
が印加される。このバイアス電流は、パルス電流の印加
以前から印加終了まで印加される。そして、感光感熱記
録材料の潜像は、加熱現像手段により加熱により現像さ
れ、光定着手段による光の照射により現像された画像が
定着される。従って、半導体レーザには、直流的に常時
バイアス電流が印加されるのではなく、パルス電流の印
加以前から印加終了までの間、パルス電流に同期して間
欠的に印加されるので、背景光を増加させない程度でか
つ発振遅延時間を増加させない程度のバイアス電流を印
加でき、高品位の画像記録が可能な潜像を記録できる。
【0018】前記バイアス電流印加手段は、矩形波形、
三角波及び正弦波の何れか1つの波形の電流を生成する
生成手段を含むことができる。すなわち、前記バイアス
電流として、矩形波形、三角波及び正弦波の何れか1つ
の波形となるバイアス電流を印加することができる。
【0019】前記パルス電流印加手段は、パルス電流
を、パルス強度変調、パルス幅変調、及びパルス位相変
調の何れか1つで変調する変調手段を含むことができ
る。すなわち、前記パルス電流として、パルス強度変
調、パルス幅変調、及びパルス位相変調の何れかで変調
したパルス電流を印加することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ、支持体
上に、イエロー、マゼンタ、シアンの各色相に各々発色
する単色の感光感熱記録層(以下、「記録層」と称する
場合がある)を3層積層したカラー感光感熱記録材料を
用いて画像を記録する画像記録装置に本発明を適用した
実施の形態について説明する。
【0021】〔第1実施の形態〕図1に、ロール状に巻
回された感光感熱記録材料12を用いた、第1の実施の
形態に係る画像記録装置の概略構成を示す。図1に示す
ように、画像記録装置のハウジング内部には、感光感熱
記録材料12を収納する収納部14、収納部14から供
給された感光感熱記録材料12を露光して潜像を記録す
る光記録部16、加熱により潜像を現像する加熱現像部
18、光を照射して現像された画像を定着する光定着部
20、及び画像が記録された感光感熱記録材料12が排
出される排出部22が設けられており、収納部14、光
記録部16、加熱現像部18、光定着部20、及び排出
部22は、水平方向にこの順に配置されている。
【0022】これら各部の間には、感光感熱記録材料1
2を挟んで搬送するための搬送ローラ対24、27、4
6、50がそれぞれ配置されており、これら搬送ローラ
対24、27、46、50により感光感熱記録材料12
を収納部14から排出部22の方向に搬送するための搬
送路が形成されている。また、搬送ローラ対24、2
7、46、50は、搬送駆動部(図示せず)に接続さ
れ、この搬送駆動部によりそれぞれ駆動されている。
【0023】また、収納部14と光記録部16とは、感
光感熱記録材料12の通過口を備えた仕切板23で仕切
られ、加熱現像部18と光定着部20とは、感光感熱記
録材料12の通過口を備えた仕切板25で仕切られてい
る。また、排出部22には、感光感熱記録材料12を外
部に排出するための排出口22Aが設けられており、光
定着部20内の排出口22A近傍には、感光感熱記録材
料12を画像形成領域毎に切断するカッタ52が設けら
れている。
【0024】収納部14には、記録層側を内側にしてロ
ール状に巻回された感光感熱記録材料12を収納したマ
ガジン21が収納されている。一対の搬送ローラ24
は、仕切板23に設けられた通過口の光記録部16側に
配置されており、この一対の搬送ローラ24が感光感熱
記録材料12をニップした状態で回転することにより、
収納部14内のマガジン21から感光感熱記録材料12
が記録層側を上側にして引き出され、所定の搬送路に沿
って搬送されて、搬送方向下流側に配置された光記録部
16に供給される。
【0025】光記録部16には、搬送路の上方に配置さ
れ、駆動回路90に接続された光ビーム走査装置26が
設けられている。光ビーム走査装置26は、図2に示す
ように、赤色用のレーザ光源28R、緑色用のレーザ光
源28G、及び青色用のレーザ光源28Bの3色のレー
ザ光源を備えている。これらのレーザ光源28R、28
G、28Bには駆動回路90が接続されている。詳細は
後述するが、駆動回路90は、各レーザ光源からレーザ
光を発振させるための回路であり、レーザ光源28Rに
は駆動回路90Rが対応して接続され、レーザ光源28
Gには駆動回路90Gが対応して接続され、レーザ光源
28Bには駆動回路90Bが対応して接続されている。
【0026】各色のレーザ光源には、それぞれに対応し
て、コリメータレンズ30R、30G、30B、及びシ
リンドリカルレンズ34R、34G、34Bが設けられ
ている。また、シリンドリカルレンズ34R、34G、
34Bの光出射側には、ポリゴンミラー36、fθレン
ズ38、及びシリンドリカルレンズ40が配置されてい
る。
【0027】レーザ光源28R、28G、28Bとして
は、半導体レーザの他、固体レーザ、ファイバーレー
ザ、波長変換固体レーザ、ガスレーザ、面発光レーザ
等、特に制限無く使用することができる。なお、本実施
の形態では、少なくともレーザ光源28Bに、短波長の
レーザ光を出射するGaN系の半導体レーザを用いてい
る。例えば、青色用のレーザ光源28Bとして、発振波
長域が400〜410nmのGaN系半導体レーザを用
いることができる。
【0028】なお、本実施の形態では、外部変調器を用
いずに半導体レーザを直接変調駆動して画像を記録する
場合を説明する。半導体レーザを直接変調せずに、外部
変調器を用いて変調する一例としては、レーザ光源の各
々に対応して音響光学変調器(AOM)等により構成さ
れた光変調器を、光路の途中、例えば、コリメータレン
ズ30R、30G、30B、及びシリンドリカルレンズ
34R、34G、34Bの間に設ければよい。本実施の
形態では、少なくとも短波長のレーザ光を出射する半導
体レーザ28Bを直接変調することで、背景光の低減及
び良好なパルス応答を得るものであるため、長波長のレ
ーザ光を出射する半導体レーザを用いた場合には、外部
変調器を用いて変調するようにしてもよい。
【0029】また、レーザ光源28R、28Gは、30
0〜1100nmの波長範囲に最大強度を有するものを
用いることができる。300nmより短波長では適当な
光源がないため安価なシステムにすることができず、1
100nmより長波長の光源を用いても、1100nm
より長波長に感光性を有する感光感熱記録材料は不安定
なものが多く、長期の経時安定性を有する感光感熱記録
材料を設計するのが困難になる。そこで、短波長のレー
ザ光が要求されるレーザ光源28B以外のレーザ光源
は、300〜1100nmの波長範囲から選択された波
長に最大強度を有するものを適宜選択することができ
る。本実施の形態では、例えば、赤色用レーザ光源28
Rとして中心発振波長680nmの半導体レーザを用
い、緑色用のレーザ光源28Gとして中心発振波長53
2nmの半導体励起の波長変換固体レーザを用いること
ができる。
【0030】感光感熱記録材料12表面上の最大照射光
量は、0.01〜50mJ/cm2とすることが好まし
く、0.05〜10mJ/cm2がより好ましい。最大
照射光量が50mJ/cm2より大きいと、露光時間が
長いシステムとなり利便性が失われると共に、光源が大
型化してコストが高いシステムになってしまう。一方、
感光感熱記録材料12の一般的な感度を考慮すると、最
大照射光量は0.01mJ/cm2以上必要であり、仮
に高感度の感光感熱記録材料であっても、最大照射光量
0.01mJ/cm2未満では、外界からの光を遮光す
る遮光設備が必要となりコストの高いシステムになって
しまう。
【0031】レーザ光源28R、28G、28Bから発
せられたレーザ光の各々は、コリメータレンズ30R、
30G、30Bにより平行光化されて、シリンドリカル
レンズ34R、34G、34Bによりそれぞれポリゴン
ミラー36面上に集光するように入射される。ポリゴン
ミラー36により反射されたレーザ光は、fθレンズ3
8及びシリンドリカルレンズ40で補正され、感光感熱
記録材料12上にドット状に収束する。ポリゴンミラー
36はポリゴン駆動部(図示せず)により回転駆動され
矢印Q方向に所定の角速度で回転しているため、感光感
熱記録材料12は、ポリゴンミラー36により反射され
たレーザ光によって、矢印Mで示す方向に主走査され
る。
【0032】一対の搬送ローラ27は、光記録部16の
搬送方向下流側に配置されており、感光感熱記録材料1
2は、この一対の搬送ローラ27によりニップされ、搬
送路に沿って搬送されて、搬送方向下流側に配置された
加熱現像部18に供給される。感光感熱記録材料12
は、上記の通り、ポリゴンミラー36により反射された
レーザ光によって主走査されると共に、搬送方向とは逆
方向に副走査されて、露光され、感光感熱記録材料12
に潜像が記録される。
【0033】レーザ光源28R、28G、28B(半導
体レーザ)を直接変調する駆動回路90について説明す
る。図5には、青色用のレーザ光源28Bとして、例え
ば、発振波長域が400〜410nmのGaN系半導体
レーザを用いた場合の駆動回路90B周辺の概略構成を
ブロック図として示した。GaN系半導体レーザである
青色用のレーザ光源28Bには、光強度変調回路94及
びバイアス回路96から構成される駆動回路90Bが接
続されている。この駆動回路90Bには、画像処理装置
92のフレームメモリ(図示せず)から画像処理済の画
像データが入力されるように画像処理装置92に接続さ
れている。すなわち、画像処理装置92は、光強度変調
回路94を介してレーザ光源28Bに接続され、光強度
変調回路94にはバイアス回路も接続されている。
【0034】レーザ光源28Bに印加される電流は、画
像処理装置92から入力された画像データにより光強度
変調されたパルス電流及びバイアス回路96でバイアス
電流が変調信号として印加される。これにより、レーザ
光源28Bは、画像データに応じてレーザ光の強度が直
接変調される。
【0035】他のレーザ光源28R,28Gは、上記レ
ーザ光源28Bと同様に構成することができるため、説
明を省略する。他のレーザ光源28R,28Gにおいて
は、バイアス電流の印加が不要な場合もあり、この場合
にはバイアス回路96は不要である。
【0036】なお、上記のポリゴン駆動部、搬送駆動部
は、画像処理装置(図示せず)のフレームメモリから画
像処理済の画像データを読み出し、読み出した画像デー
タに基づいて感光感熱記録材料12を露光する露光制御
部(図示せず)により露光に同期して制御される。
【0037】加熱現像部18は、搬送路の上方に配置さ
れて感光感熱記録材料12の露光面側を加熱する加熱装
置としての遠赤外線ヒータ42、及び遠赤外線ヒータ4
2の背後に設けられ、ヒータから放射された遠赤外線を
感光感熱記録材料12方向に反射する反射板44から構
成されている。遠赤外線ヒータ42は、感光感熱記録材
料12を所定温度に加熱できるように、感光感熱記録材
料12の近傍に設けられた温度センサ(図示せず)の出
力データに基づき、温度制御装置(図示せず)により制
御される。この加熱現像部18において、感光感熱記録
材料12は、遠赤外線ヒータ42により所定温度に加熱
され、感光感熱記録材料12に記録された潜像が現像さ
れる。
【0038】加熱温度は、感光感熱記録材料12の現像
温度以上の温度とされ、50〜200℃の範囲が好まし
く、90〜140℃の範囲がより好ましい。加熱温度を
が50℃より低いと、現像温度が50℃より低い感光感
熱記録材料では、露光前の感光材料の保存性が著しく損
なわれるため、感光感熱記録材料の設計が困難となる。
一方、加熱温度が200℃より高いと、感光感熱記録材
料の支持体が熱により変形し寸度安定性が確保できな
い。また、加熱温度は、設定温度に対する変動幅が±5
℃以内となるように制御される。感光感熱記録材料は温
度変動に対して許容範囲が比較的広い系であり、±5℃
以内でも性能を確保することができる。
【0039】また、遠赤外線ヒータ42の搬送方向下流
側上方には、加熱現像時に発生する水等の蒸散物を除去
するための排気装置45が設けられており、加熱現像時
に発生する蒸散物を吸引し、内部に備えられたガス吸着
フィルターにより蒸散物を吸着して除去する。
【0040】一対の搬送ローラ46は、加熱現像部18
の搬送方向下流側に配置されており、加熱現像後の感光
感熱記録材料12は、この一対の搬送ローラ46により
ニップされ、搬送路に沿って搬送されて、搬送方向下流
側に配置された光定着部20に供給される。
【0041】光定着部20は、現像後の感光感熱記録材
料12の画像形成面側に光を照射する定着光源48A、
48B、48C、48D、及び定着光源48A、48
B、48C、48Dの背後に配置された反射板49から
構成され、定着光源48A、48B、48C、48D
は、搬送路の上方に配置されている。この光定着部20
において、感光感熱記録材料12は、定着光源48A、
48B、48C、48Dにより光を照射され、現像され
た画像が定着される。
【0042】定着光源48としては、蛍光灯等の白色光
源のほか、LED、ハロゲンランプ、冷陰極管、レーザ
等、種々の光源を使用することができる。感光感熱記録
材料12の照射部の照度は定着に必要な光強度が得られ
る範囲であればよく、基本的には感光感熱記録材料12
の特性に応じて選択されるが、10000〜50000
000ルクスの範囲が好ましく、20000〜6000
000ルクスの範囲がより好ましい。照度が10000
より小さいと、光定着性(光消色性)が不充分となり、
50000000ルクスより大きな照度が必要なシステ
ムでは、装置が大型化してコストが高くなるため、利便
性が得られないからである。
【0043】一対の搬送ローラ50は、光定着部20の
搬送方向下流側に配置されており、光定着後の感光感熱
記録材料12は、この一対の搬送ローラ50によりニッ
プされ、搬送路に沿って搬送されて、搬送方向下流側に
配置された排出部22に供給される。
【0044】排出部22の排出口22Aの外側には、排
出トレイ53が設けられている。帯状の状態で露光、現
像、及び定着の各処理が連続して行われた感光感熱記録
材料12は、光定着部20内の排出口22A近傍に設け
られたカッタ52により切断されて1枚のプリントとさ
れ、排出口22Aより排出トレイ53に排出される。
【0045】この装置では、感光感熱記録材料への光記
録、加熱現像、及び光定着の全工程を1つの装置内で行
うことができる。また、この装置では、加熱現像により
現像を行い、光定着により現像された画像を定着するの
で、処理液が不要で完全ドライシステムとすることがで
き、受像部材等が不要で廃棄物が発生しない。
【0046】なお、上記構成による本実施の形態の画像
記録装置では、光記録部16が本発明の光記録手段に相
当し、加熱現像部18が本発明の加熱現像手段に相当
し、光定着部20が本発明の光定着手段に相当する。ま
た、光強度変調回路94が本発明のパルス電流印加手段
に相当し、バイアス回路96が本発明のバイアス電流印
加手段に相当する。
【0047】次に、直接変調されるレーザ光源28B
(半導体レーザ)の作動について説明する。本実施の形
態は、上記構成で説明したように、画像形成のための露
光の応用で、レーザ光をパルス光として記録材料に照射
するときに、画像データに応じて光強度を変調して露光
量を調整し、画像記録するものである。ここでは、光強
度変調として、10MHz、パルス幅が10nsec、
すなわちデューティ10%のパルス電流変調した場合を
説明する。
【0048】図6には、レーザ光源28B(半導体レー
ザ)を変調するときの各種信号をタイミングチャートと
して示した。光強度変調回路94には、図6(A)に示
すように、画像データD1,D2,D3,D4,・・・
が順次入力される。光強度変調回路94は、図示しない
基準クロック回路を備えており、図6(B)に示す画像
クロックが生成される。この画像クロックに同期して読
み出した画像データから、画像の濃淡に相当する光強度
パルス信号が生成される(図6(C)参照)。図6の例
では、画像データD1,D2,D3,D4,・・・に対
応する光強度I1,I2,I3,I4,・・・、の光強
度の波高値を有する光強度パルス信号が生成される。
【0049】また、光強度変調回路94には、バイアス
回路96から予め定めた閾値近傍の電流値Bのバイアス
電流が入力される。そして、光強度変調回路94は、画
像クロック及び読み出した画像データに同期して、バイ
アスパルス信号が生成される(図6(D)参照)。この
バイアスパルス信号は、画像データに対応する光強度の
レーザ光をパルス応答よく、すなわち遅延時間が抑制さ
れて出射するように、パルス応答を向上させるため、予
め計測された所定電流値(例えば、約45mA)が設定
されている。本実施の形態では、光強度パルス信号立ち
上がりから所定時間t以前に立ち上がるように、バイア
スパルス信号が生成される。この所定時間tは、例え
ば、約15nsecに設定する。
【0050】光強度パルス信号及びバイアスパルス信号
が生成されると、光強度変調回路94は、これらを合成
して、レーザ光源28B(半導体レーザ)を変調するた
めの電流信号(生成パルス)すなわちパルス信号電流を
生成し出力する(図6(E)参照)。このパルス信号電
流は、画像記録のための光強度(例えば光強度I1)の
電流をレーザ光源28Bに印加する直前に所定時間t
(=約15nsec)だけ電流値Bのバイアス電流を印
加している。
【0051】すなわち、レーザ光源28B(半導体レー
ザ)には、光強度変調回路94によって、記録すべき画
像に対応する強度で一定パルス幅のパルス電流が印加さ
れる。これによりレーザ光がパルス光として出射され
る。これと共に、光強度変調回路94には、バイアス回
路96からパルス電流の印加以前から印加終了まで、バ
イアス電流が印加される。これにより、半導体レーザに
は、直流的に常時バイアス電流が印加されるのではな
く、パルス電流の印加以前から印加終了までの間、パル
ス電流に同期して間欠的に印加されるので、背景光を増
加させない程度でかつ発振遅延時間を増加させない程度
のバイアス電流を印加でき、高品位の画像記録が可能な
潜像を記録できる。
【0052】従って、本実施の形態では、GaN系半導
体レーザであるレーザ光源28Bを高速変調するとき
に、バイアス電流の印加により、光出力の減少は低減さ
れる。また、レーザ光源28Bには、バイアス電流は直
流的に印加するのではなく、画像記録のための光強度電
流を印加する直前から所定時間だけバイアスパルス信号
として間欠的に印加しているので、閾値電流近傍までバ
イアスしても、バイアス電流を直流的に印加することに
比較して発振遅延時間を減少することができる。すなわ
ち、応答性が向上し、高速応答性を確保することができ
る。これによって、高速応答性を維持しつつ背景光を抑
制してレーザ光源を駆動することができる。これによっ
て、良好なパルス応答を実現でき、さらに最小露光量を
低減して露光ダイナミックレンジを大きくすることがで
きる。
【0053】〔第2実施の形態〕上記実施の形態では、
光強度変調した場合を説明したが、本実施の形態は、パ
ルス幅変調した電流をレーザ光源へ印加するものであ
る。なお、本実施の形態は、上記実施の形態と略同様の
構成であるため、同一部分には同一符号を付して詳細な
説明を省略する。
【0054】まず、レーザ光源28R、28G、28B
(半導体レーザ)を直接変調する駆動回路90について
説明する。上記実施の形態では、青色用のレーザ光源2
8B(GaN系半導体レーザ)には光強度変調回路94
により強度変調した電流画印加したが(図5参照)、本
実施の形態では、パルス幅変調した電流をレーザ光源へ
印加する。
【0055】図7に示すように、GaN系半導体レーザ
である青色用のレーザ光源28Bには、パルス幅変調回
路95及びバイアス回路96から構成される駆動回路9
0Bが接続されている。従って、レーザ光源28Bに印
加される電流は、画像処理装置92から入力された画像
データによりパルス幅変調されたパルス電流及びバイア
ス回路96でバイアス電流が変調信号として印加され
る。これにより、レーザ光源28Bは、画像データに応
じてレーザ光のパルス幅が直接変調される。
【0056】他のレーザ光源28R,28Gは、上記レ
ーザ光源28Bと同様に構成することができるため、説
明を省略する。他のレーザ光源28R,28Gにおいて
は、バイアス電流の印加が不要な場合もあり、この場合
にはバイアス回路96は不要である。
【0057】なお、上記構成による本実施の形態の画像
記録装置では、光記録部16が本発明の光記録手段に相
当し、加熱現像部18が本発明の加熱現像手段に相当
し、光定着部20が本発明の光定着手段に相当する。ま
た、パルス幅変調回路95が本発明のパルス電流印加手
段に相当し、バイアス回路96が本発明のバイアス電流
印加手段に相当する。
【0058】次に、直接変調されるレーザ光源28B
(半導体レーザ)の作動について説明する。本実施の形
態は、上記構成で説明したように、画像形成のための露
光の応用で、レーザ光をパルス光として記録材料に照射
するときに、画像データに応じてパルス幅を変調して露
光量を調整し、画像記録するものである。ここでは、パ
ルス幅変調として、1MHzで変調するとき、パルス幅
として1%〜90%に可変可能な構成とし、この場合、
10nsecから90nsecの可変パルス幅で電流変
調した場合を説明する。
【0059】図8には、レーザ光源28B(半導体レー
ザ)をパルス幅変調するときの各種信号をタイミングチ
ャートとして示した。パルス幅変調回路95は、図8
(A)に示すように、画像データD1,D2,D3,D
4,・・・が順次入力され、図8(B)に示す画像クロ
ックが生成され、バイアス回路96から予め定めた閾値
近傍の電流値Bのバイアス電流を印加するためのバイア
スパルス信号が入力される(図8(D)参照)。このバ
イアスパルス信号は、本実施の形態では、光強度パルス
信号立ち上がりから所定時間t(例えば、約10nse
c)以前に立ち上がるように、バイアスパルス信号が生
成される。パルス幅変調回路95では、画像クロックに
同期して読み出した画像データから、画像の濃淡に相当
するパルス幅のパルス信号が生成される(図8(C)参
照)。図8の例では、画像データD1,D2,D3,D
4,・・・に対応する時間T1,T2,T3,T4,・
・・、のパルス幅を有するパルス信号が生成される。
【0060】パルス幅変調回路95は、画像の濃淡に相
当するパルス幅のパルス信号及びバイアスパルス信号が
生成されると、これらを合成して、レーザ光源28B
(半導体レーザ)を変調するための電流信号(生成パル
ス)すなわちパルス信号電流を生成し出力する(図8
(E)参照)。このパルス信号電流では、画像記録のた
めの光強度(例えば光強度I)の電流をレーザ光源28
Bに印加する直前に所定時間t(=約10nsec)だ
け電流値Bのバイアス電流を印加している。
【0061】すなわち、レーザ光源28B(半導体レー
ザ)には、パルス幅変調回路95によって、記録すべき
画像に対応するパルス幅で一定強度のパルス電流が印加
される。これによりレーザ光がパルス光として出射され
る。これと共に、パルス幅変調回路95には、バイアス
回路96からパルス電流の印加以前から印加終了まで、
バイアス電流が印加される。これにより、半導体レーザ
には、直流的に常時バイアス電流が印加されるのではな
く、パルス電流の印加以前から印加終了までの間、パル
ス電流に同期して間欠的に印加されるので、背景光を増
加させない程度でかつ発振遅延時間を増加させない程度
のバイアス電流を印加でき、高品位の画像記録が可能な
潜像を記録できる。
【0062】従って、本実施の形態では、GaN系半導
体レーザであるレーザ光源28Bを高速変調するとき
に、バイアス電流の印加により、光出力の減少は低減さ
れる。また、レーザ光源28Bには、バイアス電流は直
流的に印加するのではなく、画像記録のためのパルス幅
の電流を印加する直前から所定時間だけバイアスパルス
信号として間欠的に印加しているので、閾値電流近傍ま
でバイアスしても、バイアス電流を直流的に印加するこ
とに比較して発振遅延時間を減少することができる。す
なわち、応答性が向上し、高速応答性を確保することが
できる。これによって、高速応答性を維持しつつ背景光
を抑制してレーザ光源を駆動することができる。これに
よって、良好なパルス応答を実現でき、さらに最小露光
量を低減して露光ダイナミックレンジを大きくすること
ができる。
【0063】なお、上記実施の形態では、矩形波による
信号特性の電流をレーザ光源に印加した場合を説明した
が、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、
三角波や正弦波による信号特性の電流をレーザ光源に印
加してもよい。このようにすることによって、駆動電源
に矩形波を用いるより簡便な回路構成を実現できる。ま
た、矩形波、三角波、及び正弦波の何れかを組み合わせ
て用いてもよい。一例を図9に示した。図9(A)は、
第1実施の形態の矩形波による信号特性の電流を光強度
変調してレーザ光源に印加した場合を示し、図9(B)
は、第2実施の形態の矩形波による信号特性の電流をパ
ルス幅変調してレーザ光源に印加した場合を示した。図
9(C)は、バイアス電流を三角波で印加した場合を示
した。
【0064】また、上記実施の形態では、光強度変調
と、パルス幅変調とを単独で用いて、レーザ光源を変調
した場合を説明したが、光強度変調と、パルス幅変調と
を組み合わせて用いてもよい。このようにすることによ
り、光強度変調と、パルス幅変調との各々の段階を組み
合わせた段階で変調することができ、より多い段階の階
調を有する露光がかのうとなる。また、パルス位置(位
相)を変調するようにしてもよい。
【0065】〔感光感熱記録材料〕次に、本発明の画像
記録装置での画像記録に使用する感光感熱記録材料につ
いて説明する。本発明に使用する感光感熱記録材料は、
支持体上に感光感熱記録層(画像記録層)を備えたもの
である。この感光感熱記録層は、露光により潜像を形成
し、加熱によりこの潜像が現像されて画像を形成する。
また、本発明に使用する感光感熱記録材料は、この感光
感熱記録層の他、公知のその他の層、例えば、保護層、
中間層、UV吸収層等がいずれかの位置に形成されてい
てもよい。また、本発明に使用する感光感熱記録材料
は、支持体上に、イエロー発色成分、マゼンタ発色成
分、及び、シアン発色成分をそれぞれ含む、少なくとも
3層の感光感熱記録層を備えることにより、カラー感光
感熱記録材料としてカラー画像形成に用いることができ
る。また、必要に応じて、ブラック発色成分を含む感光
感熱記録層を備えていてもよい。
【0066】本発明では、(a)発色成分Aを内包した
熱応答性マイクロカプセルと、該マイクロカプセル外
に、少なくとも、同一分子内に重合性基と前記発色成分
Aと反応して発色する部位とを有する実質的に無色の化
合物Bと、光重合開始剤と、からなる光重合性組成物
と、を含有する感光感熱記録層、(b)発色成分Aを内
包した熱応答性マイクロカプセル、該マイクロカプセル
外に、少なくとも、前記発色成分Aと反応して発色する
実質的に無色の化合物Cと、光重合性化合物Dと、光重
合開始剤と、からなる光重合性組成物と、を含有する感
光感熱記録層、(c)発色成分Aを内包した熱応答性マ
イクロカプセル、該マイクロカプセル外に、少なくと
も、前記発色成分Aと反応して発色する実質的に無色の
化合物Cと、発色成分Aと化合物Cとの反応を抑制する
部位を有する光重合性化合物Dpと、光重合開始剤と、
からなる光重合性組成物と、を含有する感光感熱記録
層、(d)発色成分Aと反応して発色する実質的に無色
の化合物Cを内包した熱応答性マイクロカプセルと、該
マイクロカプセル外に、少なくとも、発色成分Aと、光
重合性化合物Dと、光重合開始剤と、を含む光重合性組
成物と、を含む感光感熱記録層を備えた感光感熱記録材
料を好適に使用することができる。
【0067】上記感光感熱記録層(a)は、所望の画像
形状に露光することにより、マイクロカプセル外部にあ
る光重合性組成物が、光重合開始剤から発生するラジカ
ルにより重合反応を起こして硬化し、所望の画像形状の
潜像を形成する。次いで、加熱することにより未露光部
分に存在する前記化合物Bが記録材料内を移動し、カプ
セル内の発色成分Aと反応し発色する。従って、上記感
光感熱記録層(a)は、露光部では発色せず、未露光部
の硬化されなかった部分が発色し画像を形成するポジ型
の感光感熱記録層である。例えば、具体的態様として、
特開平3−87827号に記載の、マイクロカプセル外
部に、電子受容性基と重合性基を同一分子内に有する化
合物、光重合開始剤を含有する光硬化性組成物およびマ
イクロカプセルに内包された電子供与性無色染料を含有
する感光感熱記録層が挙げられる。この感光感熱記録層
においては、露光によりマイクロカプセル外部にある光
硬化性組成物が重合して硬化し、潜像が形成される。そ
の後、加熱により未露光部分に存在する電子受容性化合
物が記録材料内を移動し、マイクロカプセル内の電子供
与性無色染料と反応、発色する。従って、露光部の硬化
した潜像部分は発色せず、硬化されなかった部分のみが
発色し、コントラストの高い鮮明なポジ画像を形成する
ことができる。
【0068】上記感光感熱記録層(b)は、所望の画像
形状に露光することにより光重合性化合物Dが、露光に
より反応した光重合開始剤から発生するラジカルにより
重合して膜が硬化し、所望の画像形状の潜像を形成す
る。光重合性化合物Dが発色成分Aと化合物Cとの反応
を抑制する部位を有していないので、加熱することによ
り未露光部分に存在する前記化合物Cが記録材料内を移
動し、カプセル内の発色成分Aと反応し発色する。従っ
て、上記感光感熱記録層(b)は、露光部では発色せ
ず、未露光部の硬化されなかった部分が発色し画像を形
成するポジ型の感光感熱記録層となる。例えば、具体的
態様として、マイクロカプセルに内包されたアゾメチン
色素前駆体、該色素前駆体からアゾメチン色素を生成す
る脱保護剤、光重合性化合物、及び光重合開始剤を含有
する感光感熱記録層が挙げられる。この感光感熱記録層
においては、露光によりマイクロカプセル外部にある光
重合性化合物が重合して硬化し、潜像が形成される。そ
の後、加熱により未露光部分に存在する脱保護剤が記録
材料内を移動し、マイクロカプセル内のアゾメチン色素
前駆体と反応、発色する。従って、露光部の硬化した潜
像部分は発色せず、硬化されなかった部分のみが発色
し、ポジ画像を形成することができる。
【0069】上記感光感熱記録層(c)は、所望の画像
形状に露光することにより光重合性化合物Dpが、露光
により反応した光重合開始剤から発生するラジカルによ
り重合して膜が硬化し、所望の画像形状の潜像を形成す
る。光重合性化合物Dpが発色成分Aと化合物Cとの反
応を抑制する部位を有しているので、露光により形成さ
れた潜像(硬化部)の持つ膜性に依存して、前記化合物
Cが移動し、カプセル内の発色成分Aと反応して画像を
形成する。従って、上記感光感熱記録層(c)は、露光
部が発色して、画像を形成するネガ型の感光感熱記録層
となる。例えば、具体的態様として、特開平4−211
252号に記載の、マイクロカプセル外部に電子受容性
化合物、重合性ビニルモノマー、光重合開始剤およびマ
イクロカプセルに内包された電子供与性無色染料を含有
する感光感熱記録層が挙げられる。この感光感熱記録層
における画像形成の機構は明確ではないが、露光により
マイクロカプセル外部に存在するビニルモノマーが重合
される一方、露光部分に共存する電子受容性化合物は、
形成された重合体には全く取り込まれず、むしろビニル
モノマーとの相互作用が低下して、拡散速度の高い移動
可能な状態で存在する。一方、未露光部の電子受容性化
合物は、共存するビニルモノマーにトラップされて存在
するため、加熱した際、露光部における電子受容性化合
物が優先的に記録材料内で移動し、マイクロカプセル内
の電子供与性無色染料と反応するが、未露光部の電子受
容性化合物は、加熱してもカプセル壁を透過できず、電
子供与性無色染料と反応せず、発色に寄与できないため
と考えられる。従って、この感光感熱記録層では、露光
部分が発色し、未露光部分では発色せずに画像を形成す
るため、コントラストの高い鮮明なネガ画像を形成する
ことができる。
【0070】上記感光感熱記録層(d)は、所望の画像
形状に露光することにより光重合性化合物Dが、露光に
より反応した光重合開始剤から発生するラジカルにより
重合して膜が硬化し、所望の画像形状の潜像を形成す
る。光重合性化合物Dが発色成分Aと化合物Cとの反応
を抑制する部位を有していないので、加熱することによ
り未露光部分に存在する前記発色成分Aが記録材料内を
移動し、カプセル内の化合物Cと反応し発色する。従っ
て、上記感光感熱記録層(d)は、露光部では発色せ
ず、未露光部の硬化されなかった部分が発色し画像を形
成するポジ型の感光感熱記録層となる。
【0071】以下に、上記感光感熱記録層(a)〜
(d)を構成する構成成分について説明する。
【0072】感光感熱記録層(a)〜(d)中の発色成
分Aとしては、実質的に無色の電子供与性無色染料また
はジアゾニウム塩化合物が挙げられる。このような電子
供与性無色染料としては、例えば特願平11−3630
8号明細書の段落番号[0051]〜段落番号[006
1]に記載された電子供与性無色染料を使用することが
でき、ジアゾニウム塩化合物としては、例えば特願平1
1−36308号明細書の段落番号[0062]〜段落
番号[0077]に記載されたジアゾニウム塩化合物を
使用することができる。
【0073】感光感熱記録層(a)中に使用する、同一
分子内に重合性基と前記発色成分Aと反応して発色する
部位とを有する実質的に無色の化合物Bとしては、重合
性基を有する電子受容性化合物または重合性基を有する
カプラー化合物等の前記発色成分Aと反応して発色し、
かつ光に反応して重合し、硬化するという両機能を有す
るものであれば全て使用することができる。重合性基を
有する電子受容性化合物、即ち、同一分子中に電子受容
性基と重合性基とを有する化合物は、重合性基を有し、
かつ前記発色成分Aの一つである電子供与性無色染料と
反応して発色し、かつ光重合して膜を硬化しうるもので
あれば全て使用することができる。このような重合性基
を有する電子受容性化合物としては、例えば特願平11
−36308号明細書の段落番号[0079]〜段落番
号[0088]に記載された電子受容性化合物を使用す
ることができる。また、重合性基を有するカプラー化合
物としては、例えば特願平11−36308号明細書の
段落番号[0089]〜段落番号[0105]に記載さ
れたカプラー化合物を使用することができる。
【0074】また、感光感熱記録層(b)〜(d)で
は、前記発色成分Aと反応して発色する化合物として、
前記のような重合性基を有する化合物Bに代えて、重合
性基を有しない、発色成分Aと反応して発色する実質的
に無色の化合物Cを使用する。但し、化合物Cは重合性
基を有さないため、記録層に光重合による膜硬化作用を
付与する必要があることから、他に重合性基を有する光
重合成化合物Dを併用して用いる。上記化合物Cとして
は、重合性基を有しない全ての電子受容性化合物または
カプラー化合物を使用することができる。重合性基を有
しない電子受容性化合物としては、例えば特願平11−
36308号明細書の段落番号[0107]〜段落番号
[0111]に記載された電子受容性化合物を使用する
ことができ、重合性基を有しないカプラー化合物として
は、例えば特願平11−36308号明細書の段落番号
[0117]〜段落番号[0126]に記載されたカプ
ラー化合物を使用することができる。
【0075】光重合成化合物Dとしては、光重合性モノ
マーを使用することができる。光重合性モノマーとして
は分子内に少なくとも1個のビニル基を有する光重合性
モノマーを使用することができる。また、ネガ画像を得
たい場合には、光重合成化合物として発色成分Aと化合
物Cとの反応を抑制する部位を有する光重合性化合物D
pを使用する。光重合性化合物Dpは、用いる上記化合
物Cに応じて適合する光重合性化合物Dp、即ち、特定
の光重合性モノマー(Dp1、Dp2)を選択して用い
る。重合性基を有しない電子受容性化合物を用いる場
合、特定の光重合性モノマーDp1を併用するが、該光
重合性モノマーDp1としては、電子供与性無色染料と
電子受容性化合物との反応抑制機能を有し、分子内に少
なくとも1個のビニル基を有する光重合性モノマーであ
ることが好ましい。このような光重合性モノマーDp1
としては、例えば特願平11−36308号明細書の段
落番号[0112]〜段落番号[0116]に記載され
た光重合性モノマーを使用することができる。また、重
合性基を有しないカプラー化合物を用いる場合、特定の
光重合性モノマーDp2を併用して用いるが、該光重合
性モノマーDp2としては、カップリング反応の抑制効
果を有する酸性基を有し、金属塩化合物でない光重合性
モノマーであることが好ましい。このような光重合性モ
ノマーDp2としては、例えば特願平11−36308
号明細書の段落番号[0128]〜段落番号[013
1]に記載の光重合性モノマーを使用することができ
る。
【0076】また、感光感熱記録層(b)〜(d)にお
いて、発色成分Aとしてアゾメチン色素前駆体を用い、
化合物Cとしてアゾメチン色素前駆体との接触によりア
ゾメチン色素を生成(発色)させる脱保護剤を用いるこ
ともできる。また、光重合成化合物としてアゾメチン色
素前駆体と脱保護剤との反応を抑制する部位を有する光
重合性化合物(Dp)を使用することにより、ネガ画像
を得ることもできる。このようなアゾメチン色素前駆体
としては、例えば特願2000−18425号明細書の
段落番号[0028]〜段落番号[0106]に記載の
アゾメチン色素前駆体を使用することができる。また、
脱保護剤としては、例えば特願2000−18425号
明細書の段落番号[0143]〜段落番号[0164]
に記載の脱保護剤を使用することができる。なお、感光
感熱記録層(a)において、発色成分Aとしてアゾメチ
ン色素前駆体を用い、化合物Bとして重合性基を有する
脱保護剤を用いることもできる。重合性基を有する脱保
護剤としては、例えば特願2000−18425号明細
書の段落番号[0233]〜段落番号[0238]に記
載の脱保護剤を使用することができる。
【0077】その他の発色成分Aと、発色成分Aと反応
して発色する化合物Bまたは化合物Cの組み合わせとし
ては、下記(ア)〜(ソ)の組合せが挙げられる。な
お、下記の組合せは、発色成分A、化合物Bまたは化合
物Cの順に示した。 (ア)ベヘン酸銀、ステアリン酸銀のような有機酸金属
塩と、プロトカテキン酸、スピロインダン、ハイドロキ
ノンのような還元剤と、の組み合わせ。 (イ)ステアリン酸第二鉄、ミリスチン酸第二鉄のよう
な長鎖脂肪酸鉄塩と、タンニン酸、没食子酸、サリチル
酸アンモニウムのようなフェノール類と、の組み合わ
せ。 (ウ)酢酸、ステアリン酸、パルミチン酸などのニッケ
ル、コバルト、鉛、銅、鉄、水銀、銀塩のような有機酸
重金属塩と、硫化カルシウム、硫化ストロンチウム、硫
化カリウムのようなアルカリ土類金属硫化物と、の組み
合わせ、又は、前記有機酸重金属塩と、s−ジフェニル
カルバジド、ジフェニルカルバゾンのような有機キレー
ト剤と、の組み合わせ。 (エ)銀、鉛、水銀、ナトリウム等の硫酸塩のような重
金属硫酸塩と、ナトリウムテトラチオネート、チオ硫酸
ソーダ、チオ尿素のような硫黄化合物と、の組み合わ
せ。 (オ)ステアリン酸第二鉄のような脂肪酸第二鉄塩と、
3,4−ヒドロキシテトラフェニルメタンのような芳香
族ポリヒドロキシ化合物と、の組み合わせ。 (カ)シュウ酸塩、シュウ酸水銀のような有機金属塩
と、ポリヒドロキシアルコール、グリセリン、グリコー
ルのような有機ポリヒドロキシ化合物と、の組み合わ
せ。 (キ)ペラルゴン酸第二鉄、ラウリン酸第二鉄のような
脂肪酸第二鉄塩と、チオセシルカルバミドやイソチオセ
シルカルバミド誘導体と、の組み合わせ。 (ク)カプロン酸鉛、ペラルゴン酸鉛、ベヘン酸鉛のよ
うな有機酸鉛塩と、エチレンチオ尿素、N−ドデシルチ
オ尿素のようなチオ尿素誘導体と、の組み合わせ。
(ケ)ステアリン酸第二鉄、ステアリン酸銅のような高
級脂肪酸重金属塩と、ジアルキルジチオカルバミン酸亜
鉛と、の組み合わせ。 (コ)レゾルシンとニトロソ化合物との組み合わせのよ
うなオキサジン染料を形成するもの。 (サ)ホルマザン化合物と還元剤および/または金属塩
との組み合わせ。 (シ)酸化型発色剤と酸化剤との組み合わせ。 (ス)フタロニトリル類とジイミノイソインドリン類と
の組み合わせ(フタロシアニンが生成する組み合わ
せ)。 (セ)イソシアナート類とジイミノイソインドリン類と
の組み合わせ(着色顔料が生成する組み合わせ)。 (ソ)顔料プレカーサと酸または塩基の組み合わせ(顔
料が生成する組み合わせ)。
【0078】上述した発色成分の組合せの中でも、電子
供与性染料前駆体と電子受容性化合物の組み合わせ、ジ
アゾ化合物とカプラー化合物との組み合わせ、保護され
た色素前駆体と脱保護剤との組み合わせ、パラフェニレ
ンジアミン誘導体またはパラアミノフェノール誘導体の
酸化体前駆体とカプラー化合物との組合せが好ましい。
即ち、発色成分Aとしては、電子供与性染料前駆体、ジ
アゾ化合物、保護された色素前駆体、または酸化体前駆
体が好ましく、化合物Bまたは化合物Cとしては、電子
受容性化合物、カプラー化合物、または脱保護剤が好ま
しい。
【0079】次に、感光感熱記録層(a)〜(d)中に
使用する光重合開始剤について説明する。この光重合開
始剤は、前記の感光感熱記録材料(a)〜(d)のいず
れにも使用し、光露光することによりラジカルを発生し
て層内で重合反応を起こし、かつその反応を促進させる
ことができる。この重合反応により記録層膜は硬化し、
所望の画像形状の潜像を形成することができる。上記光
重合開始剤は、300〜1000nmに最大吸収波長を
有する分光増感化合物と、該分光増感化合物と相互作用
する化合物と、を含有するものであることが好ましい
が、上記分光増感化合物と相互作用する化合物が、その
構造内に300〜1000nmに最大吸収波長を有する
色素部とボレート部との両機能を併せ持つ化合物であれ
ば、上記分光増感色素を用いなくてもよい。カラー画像
を形成する場合には、これらを含む光重合開始剤を含有
する感光感熱記録層を有する感光感熱記録材料を用いる
ことが好適である。これらの光重合開始剤としては、例
えば特願平11−36308号明細書の段落番号[01
33]〜段落番号[0179]に記載された光重合性モ
ノマーを使用することができる。
【0080】なお、上記感光願熱記録材料において、感
光感熱記録層の他の添加剤、感光感熱記録層以外の層構
成、及びマイクロカプセル化の方法については、特願平
11−36308号明細書の段落番号[0180]〜段
落番号[0226]に記載されたものを適宜用いること
ができる。
【0081】また、本発明では、上述の感光感熱記録層
(a)〜(d)を備えた感光感熱記録材料のほかに、
(e)熱応答性マイクロカプセルに内包された酸化体前
駆体Eと、該熱応答性マイクロカプセル外部に在って前
記酸化体前駆体Eと反応して酸化体Fを生成する活性化
剤G、及び該酸化体Fとカップリング反応して色素を形
成する色素形成カプラーHを含む感光感熱記録層であっ
て、光照射により被照射部分が硬化する光硬化性の感光
感熱記録層、(f)熱応答性マイクロカプセルに外部に
在る酸化体前駆体Eと、該熱応答性マイクロカプセルに
内包された前記酸化体前駆体Eと反応して酸化体Fを生
成する活性化剤G、及び該酸化体Fとカップリング反応
して色素を形成する色素形成カプラーHを含む感光感熱
記録層であって、光照射により被照射部分が硬化する光
硬化性の感光感熱記録層を備えた感光感熱記録材料も好
適に使用することができる。
【0082】上記感光感熱記録層(e)は、所望の画像
形状に露光することにより照射部分が硬化し、所望の画
像形状の潜像を形成する。次いで、加熱することにより
未露光部分に存在する活性化剤Gが記録材料内を移動
し、カプセル内の酸化体前駆体Eと反応して酸化体Fを
生成する。生成された酸化体Fは色素形成カプラーHと
カップリング反応して色素を形成する(発色する)。従
って、上記感光感熱記録層(e)は、露光部では発色せ
ず、未露光部の硬化されなかった部分が発色し画像を形
成するポジ型の感光感熱記録層である。例えば、具体的
態様として、特願平11−324548号に記載の、マ
イクロカプセルに内包されたパラフェニレンジアミン誘
導体またはパラアミノフェノール誘導体の酸化体前駆体
と色素形成カプラー、マイクロカプセル外部に在ってこ
れら酸化体前駆体と反応してパラフェエレンジアミン誘
導体またはパラアミノフェノール誘導体の酸化体を生成
する活性化剤、光重合性モノマー、及び光重合開始剤を
含有する感光感熱記録層が挙げられる。この感光感熱記
録層においては、露光により光重合性モノマーが重合し
て硬化し、潜像が形成される。その後、加熱により未露
光部分に存在する活性化剤が記録材料内を移動し、マイ
クロカプセル内のパラフェニレンジアミン誘導体または
パラアミノフェノール誘導体の酸化体前駆体と反応し、
マイクロカプセル内で発色現像主薬であるパラフェニレ
ンジアミン誘導体またはパラアミノフェノール誘導体の
酸化体が生成する。この発色現像主薬の酸化体はマイク
ロカプセル内の色素形成カプラーと更に反応し、発色す
る。従って、露光部の硬化した潜像部分は発色せず、硬
化されなかった部分のみが発色し、コントラストの高い
鮮明なポジ画像を形成することができる。
【0083】上記感光感熱記録層(f)は、所望の画像
形状に露光することにより照射部分が硬化し、所望の画
像形状の潜像を形成する。次いで、加熱することにより
未露光部分に存在する酸化体前駆体Eが記録材料内を移
動し、カプセル内の活性化剤Gと反応して酸化体Fを生
成する。生成された酸化体Fは色素形成カプラーHとカ
ップリング反応して色素を形成する(発色する)。従っ
て、上記感光感熱記録層(f)は、露光部では発色せ
ず、未露光部の硬化されなかった部分が発色し画像を形
成するポジ型の感光感熱記録層である。例えば、具体的
態様として、特願平11−324548号に記載の、マ
イクロカプセル外部に在るパラフェニレンジアミン誘導
体またはパラアミノフェノール誘導体の酸化体前駆体、
マイクロカプセルに内包されたこれら酸化体前駆体と反
応してパラフェエレンジアミン誘導体またはパラアミノ
フェノール誘導体の酸化体を生成する活性化剤と色素形
成カプラー、光重合性モノマー、及び光重合開始剤を含
有する感光感熱記録層が挙げられる。この感光感熱記録
層においては、露光により光重合性モノマーが重合して
硬化し、潜像が形成される。その後、加熱により未露光
部分に存在するパラフェニレンジアミン誘導体またはパ
ラアミノフェノール誘導体の酸化体前駆体が記録材料内
を移動し、マイクロカプセル内の活性化剤と反応し、マ
イクロカプセル内で発色現像主薬であるパラフェニレン
ジアミン誘導体またはパラアミノフェノール誘導体の酸
化体が生成する。この発色現像主薬の酸化体はマイクロ
カプセル内の色素形成カプラーと更に反応して発色す
る。従って、露光部の硬化した潜像部分は発色せず、硬
化されなかった部分のみが発色し、コントラストの高い
鮮明なポジ画像を形成することができる。
【0084】以下に、上記感光感熱記録層(e)、
(f)を構成する構成成分について説明する。感光感熱
記録層(e)、(f)中において生成する酸化体Fは発
色現像主薬の酸化体であり、酸化体前駆体Eとしては、
例えば特願平11−324548号明細書の段落番号
[0009]〜段落番号[0024]に記載された化合
物を用いることができ、活性化剤Gとしては、例えば特
願平11−324548号明細書の段落番号[002
4]〜段落番号[0032]に記載された化合物を用い
ることができる。また、色素形成カプラーHとしては、
例えば特願平11−324548号明細書の段落番号
[0033]に記載された化合物を用いることができ
る。
【0085】感光感熱記録層(b)〜(d)と同様に、
上記感光感熱記録層(e)、(f)に光重合性化合物D
及び光重合開始剤を添加することにより、光硬化性の感
光感熱記録層とすることができる。また、酸化体前駆体
E、活性化剤G、及び色素形成カプラーHのいずれかが
重合性基を有することによっても、光硬化性の感光感熱
記録層とすることができる。また、光重合性化合物とし
て、酸化体F及び色素形成カプラーHのいずれかと大き
な相互作用を有する光重合性化合物Dpを用いることに
より、ネガ画像を得ることもできる。なお、光重合性化
合物D、光重合開始剤については、上記感光感熱記録層
(b)〜(d)と同様のものを使用することができる。
【0086】また、感光感熱記録層の他の添加剤、感光
感熱記録層以外の層構成、及びマイクロカプセル化の方
法についても、上記感光感熱記録層(a)〜(d)と同
様、特願平11−36308号明細書の段落番号[01
80]〜段落番号[0226]に記載されたものを適宜
用いることができる。
【0087】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、潜
像を記録するときの露光時に、短波長の光を発光する半
導体レーザへ印加する電流として、バイアス電流を、パ
ルス電流の印加以前から印加終了までの間、パルス電流
に同期して間欠的に印加するので、背景光を増加させず
かつ発振遅延時間を増加させずに高品位の画像を記録こ
とができる、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施の形態に係る画像記録装置
の概略構成を示すブロック図である。
【図2】 本発明の実施の形態に係る画像記録装置の光
記録部に含まれる光ビーム走査装置周辺の概略構成を示
すブロック図である。
【図3】 短波長発振の半導体レーザのDC駆動電流と
光出力との関係を表す電流−光出力特性を示す特性図で
ある。
【図4】 低周波パルス電流信号により半導体レーザを
変調したときの印加電流波形と光出力波形のDCバイア
ス依存性を示す線図である。
【図5】 本発明の第1実施の形態に係る画像記録装置
に含まれる駆動回路の概略構成を示すブロック図であ
る。
【図6】 第1実施の形態の駆動回路によりレーザ光源
を変調するときの各種信号を示したタイミングチャート
である。
【図7】 本発明の第2実施の形態に係る画像記録装置
に含まれる駆動回路の概略構成を示すブロック図であ
る。
【図8】 第2実施の形態の駆動回路によりレーザ光源
を変調するときの各種信号を示したタイミングチャート
である。
【図9】 レーザ光源を変調するときの印加電流特性の
他例を示す電流信号波形図である。
【符号の説明】
12 感光感熱記録材料 14 収納部 16 光記録部 18 加熱現像部 20 光定着部 21 マガジン 22 排出部 26 光ビーム走査装置 28R、28G、28B レーザ光源 30R、30G、30B コリメータレンズ 34R、34G、34B シリンドリカルレンズ 36 ポリゴンミラー 38 レンズ 40 シリンドリカルレンズ 48 定着光源 90 駆動回路 92 画像処理装置 94 光強度変調回路 95 パルス幅変調回路 96 バイアス回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04N 1/036 H04N 1/23 103B 5F073 1/113 B41J 3/00 M 1/23 103 H04N 1/04 104Z Fターム(参考) 2C362 AA03 AA61 AA63 AA64 CA09 CA10 CA11 CA14 CB47 CB71 CB80 DA28 2H106 AA41 AA72 AB10 BG05 BG21 5C051 AA02 CA01 CA07 DA01 DB02 DB04 DB07 DE03 DE17 FA04 5C072 AA03 BA05 HA02 HA13 HB02 HB04 HB06 VA03 5C074 AA02 BB03 DD07 DD08 GG02 5F073 AB27 AB29 BA07 CA07 EA14 GA04 GA24

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 GaN系の半導体レーザから出射される
    レーザ光により感光感熱記録材料を露光して潜像を記録
    する感光感熱記録材料への画像記録方法であって、 前記半導体レーザに、記録すべき画像に対応するパルス
    電流を印加することにより前記レーザ光をパルス光とし
    て出射させると共に、前記パルス電流の印加以前から印
    加終了まで、バイアス電流を印加することを特徴とする
    感光感熱記録材料への画像記録方法。
  2. 【請求項2】 前記バイアス電流を、矩形波形、三角波
    及び正弦波の何れか1つの波形で印加することを特徴と
    する請求項1に記載の感光感熱記録材料への画像記録方
    法。
  3. 【請求項3】 前記パルス電流を、パルス強度変調、パ
    ルス幅変調、及びパルス位相変調の何れかで変調して印
    加することを特徴とする請求項1または請求項2に記載
    の感光感熱記録材料への画像記録方法。
  4. 【請求項4】 GaN系の半導体レーザを含み、前記半
    導体レーザから出射されるレーザ光により感光感熱記録
    材料を露光して潜像を記録する光記録手段と、 前記半導体レーザに、記録すべき画像に対応するパルス
    電流を印加するパルス電流印加手段と、 前記半導体レーザに、前記パルス電流の印加以前から印
    加終了まで、バイアス電流を印加するバイアス電流印加
    手段と、 加熱により潜像を現像する加熱現像手段と、 光を照射して現像された画像を定着する光定着手段と、
    を含む画像記録装置。
  5. 【請求項5】 前記バイアス電流印加手段は、矩形波
    形、三角波及び正弦波の何れか1つの波形の電流を生成
    する生成手段を含むことを特徴とする請求項4に記載の
    画像記録装置。
  6. 【請求項6】 前記パルス電流印加手段は、パルス電流
    を、パルス強度変調、パルス幅変調、及びパルス位相変
    調の何れか1つで変調する変調手段を含むことを特徴と
    する請求項4または請求項5に記載の画像記録装置。
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