JP2001302867A - ポリビニルアルコールフィルムおよび偏光フィルム - Google Patents
ポリビニルアルコールフィルムおよび偏光フィルムInfo
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Abstract
耐久性に優れ、液晶ディスプレイ用として好適な偏光フ
ィルム用ポリビニルアルコールフィルムおよび偏光フィ
ルムを提供する。 【解決手段】 けん化度が99.9モル%以上のポリビ
ニルアルコール100重量部に対し、水膨潤助剤を1〜
30重量部含有させる。
Description
に優れた偏光フィルムの製造原料として有用なポリビニ
ルアルコールフィルムおよびこれを用いて作製した偏光
フィルムに関するものである。
は、光のスイッチング機能を有する液晶とともに、液晶
ディスプレイ(LCD)の基本的な構成要素である。こ
のLCDの適用分野も、開発初期の頃の電卓および腕時
計などの小型機器から、近年では、ラップトップパソコ
ン、ワープロ、液晶カラープロジェクター、車載用ナビ
ゲーションシステム、液晶テレビ等の広範囲に広がり、
大画面での長時間使用や屋外での使用が増えてきたこと
から、従来品以上に耐久性に優れた偏光板が求められて
いる。
ィルム(以下、これを「PVAフィルム」と略記し、ま
た、これの原料であるポリビニルアルコールをポリビニ
ルアルコール系重合体と言い、これを「PVA」と略記
することがある)を一軸延伸して染色して得られた偏光
フィルムの両面に、三酢酸セルロース(TAC)膜など
の保護膜を貼り合わせた構成となっている。
により退色して偏光性能が低下する。特に高湿下では著
しい。そのため、従来より、偏光板の基材となるPVA
フィルムの耐湿性を向上させるために、変性や架橋およ
び熱処理などを施す種々の試みが行われている。しか
し、これら従来の方法は、PVAの水に対する親和性を
低下させたり、PVA分子を固定して水の侵入を阻害す
る工夫であるため、偏光フィルムに用いられる二色性染
料に対する親和性も低下して、染色性が阻害されたり、
さらに延伸性も低下するなどの弊害を伴う。
性能の著しい低下が起らない耐久性に優れた液晶ディス
プレイ用として好適な偏光フィルムを得ることにある。
め、本発明の偏光フィルム用に有用なPVAフィルム
は、けん化度が99.9モル%以上のPVA100重量
部に対し、水膨潤助剤を1〜30重量部含有させてい
る。このとき、前記PVAの膨潤度は、120%〜33
0%とすることが好ましい。また、このPVAの重合度
は、2000以上であることが好ましい。
する。この発明のPVAフィルムを構成するポリビニル
アルコール系重合体(PVA)としては、ビニルエステ
ル系モノマーを重合して得られたビニルエステル系重合
体をけん化し、ビニルエステル単位をビニルアルコール
単位としたものを用いることができる。該ビニルエステ
ル系モノマーとしては、例えば、ギ酸ビニル、酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、ラウリン
酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、ピバ
リン酸ビニル、バーサティック酸ビニル等を挙げること
ができ、これらのなかでも酢酸ビニルを用いるのが好ま
しい。
に、必要に応じて共重合可能な他のモノマーを、発明の
趣旨を損なわない範囲内(好ましくは15モル%以下、
より好ましくは5モル%以下の割合)で共重合させるこ
ともできる。
重合可能なモノマーとしては、例えば、エチレン、プロ
ピレン、1−ブテン、イソブテン等の炭素数3〜30の
オレフィン類;アクリル酸およびその塩;アクリル酸メ
チル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、ア
クリル酸i−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリ
ル酸i−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2
−エチルへキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オ
クタデシル等のアクリル酸エステル類;メタクリル酸お
よびその塩;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸i−プロ
ピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチ
ル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチル
へキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸オクタ
デシル等のメタクリル酸エステル類;アクリルアミド、
N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミ
ド、N,N−ジメチルアクリルアミド、ジアセトンアク
リルアミド、アクリルアミドプロパンスルホン酸および
その塩、アクリルアミドプロピルジメチルアミンおよび
その塩、N−メチロールアクリルアミドおよびその誘導
体等のアクリルアミド誘導体;メタクリルアミド、N−
メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミ
ド、メタクリルアミドプロパンスルホン酸およびその
塩、メタクリルアミドプロピルジメチルアミンおよびそ
の塩、N−メチロールアクリルアミドおよびその誘導体
等のメタクリルアミド誘導体;N−ビニルホルムアミ
ド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドン等
のN−ビニルアミド類;メチルビニルエーテル、エチル
ビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、i−プ
ロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、i
−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、
ドデシルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテル等
のビニルエーテル類;アクリロニトリル、メタクリロニ
トリル等のニトリル類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、
フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等のハロゲン化ビニル
類;酢酸アリル、塩化アリル等のアリル化合物;マレイ
ン酸およびその塩またはそのエステル;イタコン酸およ
びその塩またはそのエステル;ビニルトリメトキシシラ
ン等のビニルシリル化合物;酢酸イソプロペニル等を挙
げることができる。
合度は、フィルムの強度の点からは500以上、偏光性
能の点からは1000以上である必要がある。本発明の
PVAの重合度は、さらに、耐久性能の点から2000
以上であり、3500以上がより好ましい。PVAの重
合度の上限は、フィルムの製膜性の点から10000以
下が好ましい。
726に準じて測定される。すなわち、PVAを再けん
化し、精製した後、30℃の水中で測定した極限粘度
[η](単位:デシリットル/g)から次式により求め
られる。 Po =([η]×103 /8.29)(1/0.62)
ん化度は、偏光フィルムの耐久性(高湿下でも偏光性能
の著しい低下が起こらない)の点から99.9モル%以
上であり、99.92モル%以上が好ましく、99.9
5モル%以上がより好ましく、99.97モル%以上が
最も好ましい。また、けん化度99.99モル%以上の
PVAは製造が困難になる傾向があるため、これより低
くすることが好ましい。前記けん化度とは、けん化によ
りビニルアルコール単位に変換されうる単位の中で、実
際にビニルアルコール単位にけん化されている単位の割
合を示したものである。なお、PVAのけん化度は、J
IS記載の方法により測定を行った。
化度の低いPVAも混入していると考えられるが、本発
明のけん化度とは上記JIS法により求めた平均けん化
度である。ただし、偏光フィルムの耐久性の点からは、
本発明の範囲を逸脱するようなけん化度が低いPVAが
混入していないことが好ましい。けん化度が低いPVA
は、けん化度が高いPVAに比べて水に溶解しやすいこ
とから、温水で水洗したPVA樹脂を用いることが好ま
しい。
潤助剤としては、PVAフィルムに添加した際に、透明
性を阻害せず、膨潤度を向上させる物質が用いられ、P
VAフィルムを水で膨潤した場合に溶出する物質であれ
ば特に限定はない。例えば、塩化リチウムなどの無機塩
類やグリセリンなどの多価アルコールが好適に用いられ
る。取り扱いの容易さの点から、多価アルコールが最も
好ましい。多価アルコールとしては、例えばエチレング
リコール、グリセリン、プロピレングリコール、ジエチ
レングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチ
レングリコール、トリメチロールプロパン等を挙げるこ
とができ、これらのうち1種または2種以上を使用でき
る。これらの中でも、膨潤性の向上効果から、エチレン
グリコールあるいはグリセリンが好適に使用される。
0重量部に対して1〜30重量部であり、5〜20重量
部がより好ましい。1重量部より少ないと、偏光フィル
ムを製造する際の染色性や延伸性が劣る。一方、30重
量部より多いと、フィルムが柔軟になりすぎて取り扱い
性が低下する。
は、界面活性剤を添加することが好ましい。界面活性剤
の種類としては特に限定はないが、アニオン性あるいは
ノニオン性の界面活性剤が好ましい。アニオン性界面活
性剤としては、例えば、ラウリン酸カリウムなどのカル
ボン酸型、オクチルサルフェートなどの硫酸エステル
型、ドデシルベンゼンスルホネートなどのスルホン酸型
のアニオン性界面活性剤が好適である。ノニオン性界面
活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンオレイル
エーテルなどのアルキルエーテル型、ポリオキシエチレ
ンオクチルフェニルエーテルなどのアルキルフェニルエ
ーテル型、ポリオキシエチレンラウレートなどのアルキ
ルエステル型、ポリオキシエチレンラウリルアミノエー
テルなどのアルキルアミン型、ポリオキシエチレンラウ
リン酸アミドなどのアルキルアミド型、ポリオキシエチ
レンポリオキシプロピレンエーテルなどのポリプロピレ
ングリコールエーテル型、オレイン酸ジエタノールアミ
ドなどのアルカノールアミド型、ポリオキシアルキレン
アリルフェニルエーテルなどのアリルフェニルエーテル
型などのノニオン性界面活性剤が好適である。これらの
界面活性剤の1種あるいは2種以上の組み合わせで使用
することができる。
0重量部に対して0.01〜1重量部が好ましく、0.
05〜0.3重量部が特に好ましい。0.01重量部よ
り少ないと、延伸性向上や染色性向上の効果が現れにく
く、一方、1重量部より多いと、フィルム表面に溶出し
てブロッキングの原因になり、取り扱い性が低下する場
合がある。
は、例えば、PVAを溶剤に溶解したPVA溶液を使用
して、流延製膜法、湿式製膜法(貧溶媒中への吐出)、
ゲル製膜法(PVA水溶液を一旦冷却ゲル化した後、溶
媒を抽出除去し、PVAフィルムを得る方法)、および
これらの組み合わせによる方法や、含水PVA(有機溶
剤などを含んでいても良い)を溶融して行う溶融押出製
膜法などを採用することができる。これらのなかでも流
延製膜法および溶融押出製膜法が、透明性の高いPVA
フィルムが得られることから好ましい。このPVAフィ
ルムを製造する際に使用されるPVA溶液の揮発分濃度
は50〜90重量%が好ましく、55〜80重量%がよ
り好ましい。揮発分濃度が50%より小さいと粘度が高
くなるため製膜が困難となる。揮発分濃度が90%より
大きいと粘度が低くなり過ぎてフィルムの厚さ均一性が
損なわれ易いため好ましくない。
〜330%であり、140〜330%が好ましく、18
0〜300%がより好ましく、220〜280%が最も
好ましい。膨潤度が120%より小さいと、延伸時の切
断が起こりやすくて延伸倍率を低くする必要があるた
め、偏光性能が上がりにくい場合がある。膨潤度が33
0%より大きいと、延伸時に配向されにくいため、初期
の偏光度が上がりにくく、耐久性も低くなる場合があ
る。ここでいう膨潤度(%)の測定法は次の通りであ
る。すなわち、PVAフィルム3gを約3mm幅に裁断
し、30°Cの温水に15分間浸漬後、300rpmで
5分間遠心脱水した後のフィルム重量を(W1)、それ
を105°Cで16時間乾燥した後のフィルム重量を
(W2)とすると、膨潤度(%)は次式により求められ
る。 膨潤度(%)=((W1)/(W2))×100
0μmが好ましく、30〜100μmがより好ましい。
造するには、例えばPVAフィルムを染色、一軸延伸、
固定処理、乾燥処理、さらに必要に応じて熱処理を行え
ばよい。各工程の順序は特に限定はなく、また染色と一
軸延伸などの二つの工程を同時に実施しても良い。ま
た、各工程を複数回繰り返しても良い。
伸後のいずれでも可能であるが、エチレン変性PVA
は、一軸延伸により結晶化度が上がりやすく染色性が低
下することがあるため、一軸延伸に先立つ任意の工程あ
るいは一軸延伸工程中において染色するのが好ましい。
化カリウム;ダイレクトブラック17、19、154;
ダイレクトブラウン 44、106、195、210、
223;ダイレクトレッド 2、23、28、31、3
7、39、79、81、240、242、247;ダイ
レクトブルー 1、15、22、78、90、98、1
51、168、202、236、249、270;ダイ
レクトバイオレット9、12、51、98;ダイレクト
グリーン 1、85;ダイレクトイエロー8、12、4
4、86、87;ダイレクトオレンジ 26、39、1
06、107等の二色性染料などが使用できる。染色
は、通常、PVAフィルムを上記染料を含有する溶液中
に浸漬させることにより行うことができるが、その処理
条件や処理方法は特に制限されるものではない。
延伸は、湿式延伸法あるいは乾熱延伸法を使用でき、温
水中(前記染料を含有する溶液中や後記固定処理浴中で
もよい)または吸水後のフィルムを用いて空気中で行っ
てもよい。延伸倍率は、4倍以上が好ましく、5倍以上
が特に好ましい。延伸倍率が4倍より小さいと、実用的
に十分な偏光性能や耐久性能が得られにくい。延伸は一
段階で目的の延伸倍率まで行ってもよいが、二段階以上
の多段延伸を行った方がさらにネックインが小さくな
り、光学性能がより均一なものが得られる。
ィルムを温水中で延伸(湿式延伸)する場合は30〜9
0℃が、また乾熱延伸する場合は50〜180℃が好適
である。延伸後のPVAフィルムの厚さは、3〜75μ
mが好ましく、10〜50μmがより好ましい。
強固にすることを目的に、固定処理を行うことができ
る。固定処理に使用する処理浴には、通常、ホウ酸およ
びホウ素化合物が添加される。また、必要に応じて処理
浴中にヨウ素化合物を添加してもよい。
は30〜150℃で行うのが好ましく、50〜150℃
で行うのがより好ましい。
ィルムは、通常、その両面あるいは片面に、光学的に透
明で、かつ機械的強度を有した保護膜を貼り合わせて偏
光板として使用される。保護膜としては、通常セルロー
スアセテート系フィルム、アクリル系フィルム、ポリエ
ステル系フィルム等が使用される。
するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものでは
ない。なお、実施例中の二色性比は以下の方法により評
価した。
能を評価する指標として二色性比を使用した。この二色
性比は、日本電子機械工業会規格(EIAJ)LD−2
01−1983に準拠し、分光光度計を用いて、C光
源、2℃視野にて測定・計算して得た透過率Ts(%)
と偏光度P(%)を使用して下記の式から求めた。 二色性比=log(Ts/100−Ts/100×P/
100)/log(Ts/100+Ts/100×P/
100)
00重量部に、グリセリン20重量部とポリオキシエチ
レンラウリルエーテル0.1重量部および水を含浸した
揮発分70%の含水PVAチップを、最高温度130℃
の押出機で加熱溶融した。この溶融物を熱交換機で10
0℃に冷却した後、95℃の金属ドラムに溶融押出製膜
し、100℃で乾燥した。そして、フィルム幅2.6m
で平均厚さ75μmのPVAフィルムを得た。このフィ
ルムを30℃の撹拌した蒸留水中で膨潤させたところ、
膨潤度は230%であった。
処理、乾燥、熱処理の順に処理して偏光フィルムを作製
した。すなわち、膨潤PVAフィルムをヨウ素濃度0.
7g/リットル、ヨウ化カリウム濃度40g/リットル
の40℃の水溶液中に1分間浸漬した。そして、4%ホ
ウ酸水溶液中で50℃で4.5倍に一軸延伸を行った。
この一軸延伸PVAフィルムを緊張状態に保ったまま、
続いてヨウ化カリウム60g/リットル、ホウ酸70g
/リットルの65℃の水溶液中に5分間浸漬して固定処
理を行った。これを20℃の蒸留水で10秒間水洗した
後、定長下、40℃で熱風乾燥し、さらに100℃で5
分間熱処理を行った。
%、偏光度は99.7%、二色性比は49.6であっ
た。この偏光フィルムを50℃×90%RHの雰囲気下
で3時間保管したところ、透過率は44.6%、偏光度
は96.3%、二色性比は30.9であり、二色性比の
変化率は約62%であった。
00重量部、グリセリン15重量部、ラウリン酸ジエタ
ノールアミド0.1重量部および水を120℃でタンク
溶解し、揮発分90%の混合溶液を作製した。この溶液
を熱交換機で100℃に冷却後、95℃の金属ドラムに
流延製膜して100℃の温風で乾燥し、フィルム幅2.
8mで平均厚さ50μmのPVAフィルムを得た。この
フィルムを30℃の撹拌した蒸留水中で膨潤させたとこ
ろ、膨潤度は250%であった。
処理、乾燥、熱処理の順に処理して偏光フィルムを作製
した。すなわち、膨潤PVAフィルムをヨウ素濃度0.
7g/リットル、ヨウ化カリウム濃度40g/リットル
の40℃の水溶液中に1分間浸漬した。そして、4%ホ
ウ酸水溶液中で50℃で5.0倍に一軸延伸を行った。
この一軸延伸PVAフィルムを緊張状態に保ったまま、
続いてヨウ化カリウム60g/リットル、ホウ酸70g
/リットルの65℃の水溶液中に5分間浸漬して固定処
理を行った。これを20℃の蒸留水で10秒間水洗した
後、定長下、40℃で熱風乾燥し、さらに100℃で5
分間熱処理を行った。
%、偏光度は99.8%、二色性比は50.2であっ
た。この偏光フィルムを50℃×90%RHの雰囲気下
で3時間保管したところ、透過率は44.7%、偏光度
は97.5%、二色性比は36.1であり、二色性比の
変化率は約72%であった。
00重量部に、グリセリン10重量部とポリオキシエチ
レンラウリルエーテル0.1重量部および水を含浸した
揮発分70%の含水PVAチップを、最高温度130℃
の押出機で加熱溶融した。この溶融物を熱交換機で10
0℃に冷却した後、95℃の金属ドラムに溶融押出製膜
し、120℃で乾燥した。そして、フィルム幅2.6m
で平均厚さ75μmのPVAフィルムを得た。このフィ
ルムを30℃の撹拌した蒸留水中で膨潤させたところ、
膨潤度は130%であった。
処理、乾燥、熱処理の順に処理して偏光フィルムを作製
した。すなわち、膨潤PVAフィルムをヨウ素濃度0.
7g/リットル、ヨウ化カリウム濃度40g/リットル
の40℃の水溶液中に1分間浸漬した。そして、4%ホ
ウ酸水溶液中で50℃で4.2倍に一軸延伸を行った。
この一軸延伸PVAフィルムを緊張状態に保ったまま、
続いてヨウ化カリウム60g/リットル、ホウ酸70g
/リットルの65℃の水溶液中に5分間浸漬して固定処
理を行った。これを20℃の蒸留水で10秒間水洗した
後、定長下、40℃で熱風乾燥し、さらに100℃で5
分間熱処理を行った。
%、偏光度は99.2%、二色性比は45.1であっ
た。この偏光フィルムを50℃×90%RHの雰囲気下
で3時間保管したところ、透過率は48.3%、偏光度
は85.2%、二色性比は23.7であり、二色性比の
変化率は約53%であった。
00重量部、グリセリン20重量部、ラウリン酸ジエタ
ノールアミド0.1重量部および水を120℃でタンク
溶解し、揮発分80%の混合溶液を作製した。この溶液
を熱交換機で100℃に冷却後、95℃の金属ドラムに
流延製膜して80℃の温風で乾燥し、フィルム幅2.8
mで平均厚さ50μmのPVAフィルムを得た。このフ
ィルムを30℃の撹拌した蒸留水中で膨潤させたとこ
ろ、膨潤度は350%であった。
処理、乾燥、熱処理の順に処理して偏光フィルムを作製
した。すなわち、膨潤PVAフィルムをヨウ素濃度0.
7g/リットル、ヨウ化カリウム濃度40g/リットル
の40℃の水溶液中に1分間浸漬した。そして、4%ホ
ウ酸水溶液中で50℃で4.7倍に一軸延伸を行った。
この一軸延伸PVAフィルムを緊張状態に保ったまま、
続いてヨウ化カリウム60g/リットル、ホウ酸70g
/リットルの65℃の水溶液中に5分間浸漬して固定処
理を行った。これを20℃の蒸留水で10秒間水洗した
後、定長下、40℃で熱風乾燥し、さらに100℃で5
分間熱処理を行った。
%、偏光度は99.3%、二色性比は39.3であっ
た。この偏光フィルムを50℃×90%RHの雰囲気下
で3時間保管したところ、透過率は50.7%、偏光度
は77.6%、二色性比は20.7であり、二色性比の
変化率は約53%であった。
00重量部に、グリセリン15重量部とポリオキシエチ
レンラウリルエーテル0.1重量部および水を含浸した
揮発分60%の含水PVAチップを、最高温度130℃
の押出機で加熱溶融した。この溶融物を熱交換機で10
0℃に冷却した後、95℃の金属ドラムに溶融押出製膜
し、100℃で乾燥した。そして、フィルム幅1.3m
で平均厚さ75μmのPVAフィルムを得た。このフィ
ルムを30℃の撹拌した蒸留水中で膨潤させたところ、
膨潤度は200%であった。
処理、乾燥、熱処理の順に処理して偏光フィルムを作製
した。すなわち、膨潤PVAフィルムをヨウ素濃度0.
7g/リットル、ヨウ化カリウム濃度40g/リットル
の40℃の水溶液中に1分間浸漬した。そして、4%ホ
ウ酸水溶液中で50℃で4.0倍に一軸延伸を行った。
この一軸延伸PVAフィルムを緊張状態に保ったまま、
続いてヨウ化カリウム60g/リットル、ホウ酸70g
/リットルの65℃の水溶液中に5分間浸漬して固定処
理を行った。これを20℃の蒸留水で10秒間水洗した
後、定長下、40℃で熱風乾燥し、さらに100℃で5
分間熱処理を行った。
%、偏光度は98.8%、二色性比は39.2であっ
た。この偏光フィルムを50℃×90%RHの雰囲気下
で3時間保管したところ、透過率は55.1%、偏光度
は63.4%、二色性比は15.3であり、二色性比の
変化率は約39%であった。
00重量部に、グリセリン20重量部とポリオキシエチ
レンラウリルエーテル0.1重量部および水を含浸した
揮発分70%の含水PVAチップを、最高温度130℃
の押出機で加熱溶融した。この溶融物を熱交換機で10
0℃に冷却した後、95℃の金属ドラムに溶融押出製膜
し、100℃で乾燥した。そして、フィルム幅2.6m
で平均厚さ75μmのPVAフィルムを得た。このフィ
ルムを30℃の撹拌した蒸留水中で膨潤させたところ、
膨潤度は280%であった。
処理、乾燥、熱処理の順に処理して偏光フィルムを作製
した。すなわち、膨潤PVAフィルムをヨウ素濃度0.
7g/リットル、ヨウ化カリウム濃度40g/リットル
の40℃の水溶液中に1分間浸漬した。そして、4%ホ
ウ酸水溶液中で50℃で4.6倍に一軸延伸を行った。
この一軸延伸PVAフィルムを緊張状態に保ったまま、
続いてヨウ化カリウム60g/リットル、ホウ酸70g
/リットルの65℃の水溶液中に5分間浸漬して固定処
理を行った。これを20℃の蒸留水で10秒間水洗した
後、定長下、40℃で熱風乾燥し、さらに100℃で5
分間熱処理を行った。
%、偏光度は99.8%、二色性比は48.7であっ
た。この偏光フィルムを50℃×90%RHの雰囲気下
で3時間保管したところ、透過率は54.5%、偏光度
は66.6%、二色性比は17.6であり、二色性比の
変化率は約36%であった。
00重量部に、グリセリン40重量部とポリオキシエチ
レンラウリルエーテル0.1重量部および水を含浸した
揮発分70%の含水PVAチップを、最高温度130℃
の押出機で加熱溶融した。この溶融物を熱交換機で10
0℃に冷却した後、95℃の金属ドラムに溶融押出製膜
し、100℃で乾燥した。そして、フィルム幅2.6m
で平均厚さ75μmのPVAフィルムを得た。このフィ
ルムを30℃の撹拌した蒸留水中で膨潤させたところ、
膨潤度は360%であった。
処理、乾燥、熱処理の順に処理して偏光フィルムを作製
した。すなわち、膨潤PVAフィルムをヨウ素濃度0.
7g/リットル、ヨウ化カリウム濃度40g/リットル
の40℃の水溶液中に1分間浸漬した。そして、4%ホ
ウ酸水溶液中で50℃で4.8倍に一軸延伸を行った。
この一軸延伸PVAフィルムを緊張状態に保ったまま、
続いてヨウ化カリウム60g/リットル、ホウ酸70g
/リットルの65℃の水溶液中に5分間浸漬して固定処
理を行った。これを20℃の蒸留水で10秒間水洗した
後、定長下、40℃で熱風乾燥し、さらに100℃で5
分間熱処理を行った。
%、偏光度は99.2%、二色性比は38.3であっ
た。この偏光フィルムを50℃×90%RHの雰囲気下
で3時間保管したところ、透過率は64.8%、偏光度
は40.3%、二色性比は10.0であり、二色性比の
変化率は約26%であった。
00重量部に、ポリオキシエチレンラウリルエーテル
0.1重量部および水を含浸した揮発分70%の含水P
VAチップを、最高温度130℃の押出機で加熱溶融し
た。この溶融物を熱交換機で100℃に冷却した後、9
5℃の金属ドラムに溶融押出製膜し、100℃で乾燥し
た。そして、フィルム幅2.6mで平均厚さ75μmの
PVAフィルムを得た。このフィルムを30℃の撹拌し
た蒸留水中で膨潤させたところ、膨潤度は140%であ
った。
処理、乾燥、熱処理の順に処理して偏光フィルムを作製
した。すなわち、膨潤PVAフィルムをヨウ素濃度0.
7g/リットル、ヨウ化カリウム濃度40g/リットル
の40℃の水溶液中に1分間浸漬した。そして、4%ホ
ウ酸水溶液中で50℃で4.1倍に一軸延伸を行った。
この一軸延伸PVAフィルムを緊張状態に保ったまま、
続いてヨウ化カリウム60g/リットル、ホウ酸70g
/リットルの65℃の水溶液中に5分間浸漬して固定処
理を行った。これを20℃の蒸留水で10秒間水洗した
後、定長下、40℃で熱風乾燥し、さらに100℃で5
分間熱処理を行った。
%、偏光度は99.2%、二色性比は44.3であっ
た。この偏光フィルムを50℃×90%RHの雰囲気下
で3時間保管したところ、透過率は58.3%、偏光度
は55.4%、二色性比は13.6であり、二色性比の
変化率は約31%であった。
に、PVAフィルムのけん化度が99.9モル%未満で
あったり、また水膨潤助剤を含まなかったり、さらにP
VAフィルム100重量部に対する水膨潤助剤の含有率
が1〜30重量部の範囲から逸脱すると、湿度の影響を
受けて偏光性能(二色性比)が低下する。このことか
ら、高湿下における偏光性能の低下を防止して耐久性を
高めるためには、PVAフィルムのけん化度を99.9
モル%以上とし、また水膨潤助剤の含有量を1〜30重
量部の範囲にする必要のあることが理解できる。
でも偏光性能の著しい低下が起らない耐久性に優れ、液
晶ディスプレイ用として好適な偏光フィルムを得ること
ができる。
Claims (5)
- 【請求項1】 けん化度が99.9モル%以上のポリビ
ニルアルコール100重量部に対し、水膨潤助剤を1〜
30重量部含有することを特徴とするポリビニルアルコ
ールフィルム。 - 【請求項2】 請求項1において、膨潤度が120%〜
330%であるポリビニルアルコールフィルム。 - 【請求項3】 請求項1において、ポリビニルアルコー
ルの重合度が2000以上であるポリビニルアルコール
フィルム。 - 【請求項4】 偏光フィルム用である請求項1〜3のい
ずれかに記載されたポリビニルアルコールフィルム。 - 【請求項5】 請求項4に記載された偏光フィルム用ポ
リビニルアルコールフィルムを用いて作製した偏光フィ
ルム。
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