JP2001293060A - 切艾の製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 生産性良く製造することができ、また、施灸
に手間がかからず施灸時間を短縮することができる切艾
の製造方法を提供する。 【解決手段】 艾をシート状に成形した艾シート１に切
り目２を形成することによって、複数個の艾粒３に分割
する。艾を薄紙で巻く必要が無い。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、患部の灸治療に用
いる切艾の製造方法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来より、艾を所定の大きさに切断して
から使用する切艾が提供されている。図７に示す切艾は
艾２０を薄紙２１で巻いて細い円柱状に形成されるもの
であって、これを鎖線で示す切断箇所で切断して所定寸
法の艾粒３を切り出して使用するものである。そして、
艾粒３を薄紙２１から取外した後台座や灸頭針に取り付
け、この台座や灸頭針を患部に配置した後、艾粒３に点
火することによって燃焼させ、この燃焼熱を患部の経穴
に伝えて灸治療を行なうものである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、綿のような性
状である艾２０を上記のように薄紙２１で巻いて細い円
柱状に成形するには、高度の熟練を要すると共に非常に
手間が掛かるものであり、生産性が極めて低いという問
題があった。また、使用時に艾粒３から薄紙２１を一梃
ずつ取外さなければならず、手間がかかり施灸時間が長
くなるという問題があった。本発明は上記の点に鑑みて
なされたものであり、生産性良く製造することができ、
また、施灸に手間がかからず施灸時間を短縮することが
できる切艾の製造方法を提供することを目的とするもの
である。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明の請求項１に係る
切艾の製造方法は、艾２０をシート状にプレス成形する
と共に切り目２を形成することによって、複数個の艾粒
３に分割可能とすることを特徴とするものである。

【０００５】本発明の請求項２に係る切艾の製造方法
は、請求項１の構成に加えて、複数本の刃部４を有する
切断具５によりシート状に形成した艾シート１に切り目
２を縦横方向に形成することを特徴とするものである。

【０００６】本発明の請求項３に係る切艾の製造方法
は、請求項２の構成に加えて、縦横方向の切り目２のう
ち、一方向の切り目２ａを形成した後、他方向の切り目
２ｂを形成することを特徴とするものである。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。

【０００８】艾シート１は艾を厚み２〜５ｍｍのシート
状に成形したものであり、艾シート１の大きさは任意に
設定することができる。艾シート１を形成するにあたっ
ては次のようにして行なう。まず、封筒のような袋状の
包装紙１０の中に、厚紙などで板状に形成されるセパレ
ータ１１と艾２０を入れる。艾２０はセパレータ１１の
片面のみに接触するように配置する。次に、図３に示す
ように、プレス成形機のプレステーブル１３にシート切
断型１４を載置する。シート切断型１４はトムソン型で
形成されるものであって、シート切断型１４の上面には
平面視で略「田」字状の刃部１６が突設されている。次
に、セパレータ１１と艾２０を入れた上記の包装紙１０
をシート切断型１４に載置する。次に、包装紙１０に当
て板１７を載置する。シート切断型１４と当て板１７は
帯電防止剤を含ませた布で拭くようにし、このことでシ
ート切断型１４と当て板１７に静電気が発生するのを防
止することができ、艾２０や艾シート１がシート切断型
１４と当て板１７に付着することが無くて製造しやすく
なるものである。次に、プレス成形機を作動させること
によって、セパレータ１１と艾２０を入れた上記の包装
紙１０をシート切断型１４と当て板１７で挟持して押圧
（圧縮）して艾２０をシート状にプレス成形すると共に
シート状に成形された艾２０とセパレータ１１にシート
切断型１４の刃部１６を食い込ませて切断する。このよ
うにして図２に示すように、矩形状の切断されたセパレ
ータ１１の上に矩形状の艾シート１を複数個（図のもの
では四つ）形成することができる。

【０００９】次に、艾シート１に切り目２を形成する。
切り目２は艾シート１の長手方向（横方向）と平行に長
い多数本の横切り目２ａと、艾シート１の短手方向（縦
方向）と平行に長い多数本の縦切り目２ｂとで縦横方向
に形成されている。切り目２はトムソン型で形成される
切断具５を用いるが、切断具５としては、横切り目２ａ
を形成するための横切り用切断具５ａと、縦切り目２ｂ
を形成するための縦切り用切断具５ｂを用いる。横切り
用切断具５ａはその下面に多数本の刃部４ａを有して形
成されるものであって、各刃部４ａは艾シート１の長手
方向と平行に長く形成されている。また、縦切り用切断
具５ｂはその下面に多数本の刃部４ｂを有して形成され
るものであって、各刃部４ｂは艾シート１の短手方向と
平行に長く形成されている。

【００１０】そして、艾シート１に切り目２を形成する
にあたっては次のようにして行なう。まず、図４に示す
ように、プレス成形機のプレステーブル１３に当て板１
７を載置すると共に艾２０が均等となるように艾シート
１をプレステーブル１３に置く。この時、艾シート１に
付いている包装紙１０は除去する。次に、刃部４ａを艾
シート１に当接させるように横切り用切断具５ａを艾シ
ート１に載置する。尚、切断具５と当て板１７は帯電防
止剤を含ませた布で拭いておくと良い。次に、プレス成
形機を作動させることによって、横切り用切断具５ａを
艾シート１にプレス（押圧）成形すると共に横切り用切
断具５ａの刃部４ａを艾シート１に食い込ませることに
よって、図５に示すように、艾シート１の長手方向（横
方向）と平行に長い多数本の横切り目２ａを形成する。
この時、艾シート１の下側にあるセパレータ１１には刃
部４ａを食い込ませないようにする。

【００１１】次に、横切り用切断具５ａによる艾シート
１のプレスを解除した後、図６に示すように、横切り用
切断具５ａに代えて縦切り用切断具５ｂを艾シート１に
載置する。この時、刃部４ｂを艾シート１に当接させる
ようにする。次に、プレス成形機を作動させることによ
って、縦切り用切断具５ｂを艾シート１にプレス（押
圧）成形すると共に縦切り用切断具５ｂの刃部４ｂを艾
シート１に食い込ませることによって、艾シート１の短
手方向（縦方向）と平行に長い多数本の縦切り目２ｂを
形成する。この時、艾シート１の下側にあるセパレータ
１１には刃部４ｂを食い込ませないようにする。このよ
うにして艾シート１に縦横方向の切り目２を形成するこ
とによって、図１に示すように、切り目２で分割される
多数個の艾粒３を有する切艾を形成することができる。
尚、艾粒３の大きさは任意に設定されるが、例えば、縦
横の長さが２〜５ｍｍにすることができる。また、縦切
り目２ｂを形成した後、横切り目２ａを形成するように
しても良い。

【００１２】本発明の切艾は、一個又は複数個の艾粒３
を取外した後、台座や灸頭針に取り付け、この台座や灸
頭針を患部に配置した後、艾粒３に点火することによっ
て燃焼させ、この燃焼熱を患部の経穴に伝えて灸治療を
行なうものである。そして、本発明では従来のように艾
２０を薄紙２１で巻く必要が無いので、生産性良く製造
することができるものであり、また、従来のように使用
時に薄紙２１を艾粒３から取り除く必要が無いので、施
灸に手間がかからず施灸時間を短縮することができるも
のである。しかも、従来では艾粒３が薄紙２１で固く締
められており、艾本来の風合いが損なわれることがあっ
たが、本発明では薄紙２１を用いないので、艾本来の風
合いをそのまま生かし、ほぐしやすく火立ちも柔らかに
なるものである。

【００１３】また、縦方向に長い刃部と横方向に長い刃
部の両方を有する切断具を用いると、刃部の間に艾粒３
が詰まって成形することができないが、本発明では、横
方向に長い刃部４ａを有する横切り用切断具５ａを用い
て横方向に長い横切り目２ａを形成した後、縦方向に長
い刃部４ｂを有する縦切り用切断具５ｂを用いて縦方向
に長い縦切り目２ｂを形成したので、刃部４ａの間及び
刃部４ｂの間に艾２０（艾粒３）が詰まりにくくなって
容易に成形することができるものである。

【００１４】

【発明の効果】上記のように本発明の請求項１の発明
は、艾をシート状にプレス成形すると共に切り目を形成
することによって、複数個の艾粒に分割可能とするの
で、従来のように艾を薄紙で巻く必要が無く、生産性良
く製造することができるものであり、また、従来のよう
に使用時に薄紙を艾粒から取り除く必要が無く、使用時
に切断する必要もなく、施灸に手間がかからず施灸時間
を短縮することができるものである。

【００１５】また、本発明の請求項２の発明は、複数本
の刃部を有する切断具によりシート状に形成した艾シー
トに切り目を縦横方向に形成するので、従来のように艾
を薄紙で巻く必要が無く、切断具を艾シートにプレスし
て刃部を食い込ませるだけで一度の複数個（多数個）の
艾粒を形成することができ、生産性良く製造することが
できるものである。

【００１６】また本発明の請求項３の発明は、縦横方向
の切り目のうち、一方向の切り目を形成した後、他方向
の切り目を形成するので、切断具の刃部の間に艾や艾粒
が詰まることなく切り目を形成することができ、容易に
きれいに製造することができるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態の一例を示す斜視図であ
る。

【図２】同上の斜視図である。

【図３】同上の斜視図である。

【図４】同上の斜視図である。

【図５】同上の斜視図である。

【図６】同上の斜視図である。

【図７】従来例を示す斜視図である。

【符号の説明】

１ 艾シート ２ 切り目 ３ 艾粒 ２０ 艾

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 艾をシート状にプレス成形すると共に切
   り目を形成することによって、複数個の艾粒に分割可能
   とすることを特徴とする切艾の製造方法。
2. 【請求項２】 複数本の刃部を有する切断具によりシー
   ト状に形成した艾シートに切り目を縦横方向に形成する
   ことを特徴とする請求項１に記載の切艾の製造方法。
3. 【請求項３】 縦横方向の切り目のうち、一方向の切り
   目を形成した後、他方向の切り目を形成することを特徴
   とする請求項２に記載の切艾の製造方法。