JP2001288101A - 漢方液剤及びその製造法 - Google Patents
漢方液剤及びその製造法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 独活葛根湯を簡便に服用することができ、し
かも吸収が速い独活葛根湯の漢方液剤を得る。 【解決手段】 カッコン（葛根）エキスとドクカツ（独
活）エキスとを含む独活葛根湯エキスを矯味剤と共に容
器内に封じてなるもの。
かも吸収が速い独活葛根湯の漢方液剤を得る。 【解決手段】 カッコン（葛根）エキスとドクカツ（独
活）エキスとを含む独活葛根湯エキスを矯味剤と共に容
器内に封じてなるもの。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、肩こり薬として処
方される独活葛根湯のエキスを含む漢方液剤に関するも
のである。
方される独活葛根湯のエキスを含む漢方液剤に関するも
のである。
【０００２】
【従来の技術】「肩こり」とは、首筋から肩にかけて筋
肉が硬くなり、張って重苦しく不快な状態であり、自覚
的には首筋のこり、背中のこり及び五十肩と称されてい
る痛み、しびれ、脱力なども含めた疾病症候群である。
肉が硬くなり、張って重苦しく不快な状態であり、自覚
的には首筋のこり、背中のこり及び五十肩と称されてい
る痛み、しびれ、脱力なども含めた疾病症候群である。
【０００３】「肩こり」は、次の状態が互いに原因及び
結果となって、筋肉内組織血流量の減少を引き起こすた
め発現すると考えられている。 １．作業持続、姿勢異常、眼科異常などによる筋肉の緊
張 ２．疲労、低血圧、貧血、寒冷刺激による循環障害 ３．頚椎周辺組織の障害関連痛など内科的疾患による疾
病 ４．心身症、ストレス、更年期障害など精神神経的疾患
結果となって、筋肉内組織血流量の減少を引き起こすた
め発現すると考えられている。 １．作業持続、姿勢異常、眼科異常などによる筋肉の緊
張 ２．疲労、低血圧、貧血、寒冷刺激による循環障害 ３．頚椎周辺組織の障害関連痛など内科的疾患による疾
病 ４．心身症、ストレス、更年期障害など精神神経的疾患
【０００４】更に、筋肉内組織血流量の減少から、筋肉
内の酸素不足となり、その結果、発病物質の産生・蓄積
が生じ、これが末梢神経の刺激し、筋肉の痛み、筋肉内
組織血流量の減少と慢性化のサイクルに入り治癒し難い
とされている。
内の酸素不足となり、その結果、発病物質の産生・蓄積
が生じ、これが末梢神経の刺激し、筋肉の痛み、筋肉内
組織血流量の減少と慢性化のサイクルに入り治癒し難い
とされている。
【０００５】一般のアンケート調査によれば、肩こりを
「いつも」あるいは「ときどき」訴える「肩こり症」
は、調査人口の６４％にものぼり、「まれに」自覚する
２０％を加えると８４％もの高率で肩こりを経験してい
る。
「いつも」あるいは「ときどき」訴える「肩こり症」
は、調査人口の６４％にものぼり、「まれに」自覚する
２０％を加えると８４％もの高率で肩こりを経験してい
る。
【０００６】肩こりの治療法としては、その原因を除去
することが望ましいが、一般にその原因を明確に把握で
きないこともあり、薬物療法、注射療法、理学療法、体
操等の対症療法を行いながら経過を観察して行くことが
少なくない。その中でも薬物療法は好んで用いられる対
症療法のひとつで消炎鎮痛剤が多用されているが、より
副作用が少なく、より有効性の優れた薬剤が望まれてい
る。
することが望ましいが、一般にその原因を明確に把握で
きないこともあり、薬物療法、注射療法、理学療法、体
操等の対症療法を行いながら経過を観察して行くことが
少なくない。その中でも薬物療法は好んで用いられる対
症療法のひとつで消炎鎮痛剤が多用されているが、より
副作用が少なく、より有効性の優れた薬剤が望まれてい
る。
【０００７】漢方製剤は長い伝統的使用実績を持ちその
安全性・有効性は一般に認められている。その中で肩こ
りの緩和を目的として使用されるものには、葛根湯・独
活葛根湯、柴胡桂枝湯・大柴胡湯・小柴胡湯など柴胡
剤、桂枝茯苓湯など茯苓剤がある。
安全性・有効性は一般に認められている。その中で肩こ
りの緩和を目的として使用されるものには、葛根湯・独
活葛根湯、柴胡桂枝湯・大柴胡湯・小柴胡湯など柴胡
剤、桂枝茯苓湯など茯苓剤がある。
【０００８】これらの中で独活葛根湯は「一般用漢方処
方の手引き」に収載され、効能または効果は五十肩・肩
こりである。由来は、唐の時代に刊行された「外台秘
要」に記載されている処方であり、「漢方後世要方解
説」には、「柔中風、身体疼痛、四肢緩弱、不随せんと
欲するを癒す。産後の柔中風、またこの方を用いる。」
の説明がある。
方の手引き」に収載され、効能または効果は五十肩・肩
こりである。由来は、唐の時代に刊行された「外台秘
要」に記載されている処方であり、「漢方後世要方解
説」には、「柔中風、身体疼痛、四肢緩弱、不随せんと
欲するを癒す。産後の柔中風、またこの方を用いる。」
の説明がある。
【０００９】柔中風とは「病源候論」に以下のような解
説がある。「血気ともに虚し風邪並に入り、四肢収るこ
とあたわず、裏急して仰ぐこと能ざるなり。」即ち、独
活葛根湯は、外から寒さや湿気が侵入したために、気・
血の流れが悪くなり部分的（首、筋、肩等）に血の不足
が生じることによって起こる肩こりに効くとされてい
る。
説がある。「血気ともに虚し風邪並に入り、四肢収るこ
とあたわず、裏急して仰ぐこと能ざるなり。」即ち、独
活葛根湯は、外から寒さや湿気が侵入したために、気・
血の流れが悪くなり部分的（首、筋、肩等）に血の不足
が生じることによって起こる肩こりに効くとされてい
る。
【００１０】独活葛根湯の構成生薬は、カッコン（葛
根）、ケイヒ（桂皮）、シャクヤク（芍薬）、マオウ
（麻黄）、ドクカツ（独活）、ショウキョウ（生姜）、
ジオウ（地黄）、タイソウ（大棗）及びカンゾウ（甘
草）の９種である。すなわち、葛根湯にドクカツ（独
活）及びジオウ（地黄）を加えた方剤である。
根）、ケイヒ（桂皮）、シャクヤク（芍薬）、マオウ
（麻黄）、ドクカツ（独活）、ショウキョウ（生姜）、
ジオウ（地黄）、タイソウ（大棗）及びカンゾウ（甘
草）の９種である。すなわち、葛根湯にドクカツ（独
活）及びジオウ（地黄）を加えた方剤である。
【００１１】独活葛根湯は、臨床において肩こりに対し
て高い有効性を示し、また副作用として消化器系障害が
数例みられたがいずれも軽微なもので安全性は優れてい
ると判断された。さらに、高血圧、高脂血症、糖尿病な
ど合併症のある場合にも血液、肝臓、腎臓などに悪影響
を及ぼすことなく悪い症状に対してのみ作用することも
報告されている。
て高い有効性を示し、また副作用として消化器系障害が
数例みられたがいずれも軽微なもので安全性は優れてい
ると判断された。さらに、高血圧、高脂血症、糖尿病な
ど合併症のある場合にも血液、肝臓、腎臓などに悪影響
を及ぼすことなく悪い症状に対してのみ作用することも
報告されている。
【００１２】
【発明が解決しようとする課題】独活葛根湯は、調剤さ
れた構成生薬を煎じた服用剤であるが、肩こり薬として
漢方薬局で処方してもらい、更にそれを煎じるなどは、
服用までに煩わしい手間が必要であった。また、服用に
際しては甘草が含まれているものの、苦みがあり、決し
て飲用し易いものとは云い難いものであった。
れた構成生薬を煎じた服用剤であるが、肩こり薬として
漢方薬局で処方してもらい、更にそれを煎じるなどは、
服用までに煩わしい手間が必要であった。また、服用に
際しては甘草が含まれているものの、苦みがあり、決し
て飲用し易いものとは云い難いものであった。
【００１３】本発明は、独活葛根湯を簡便に服用するこ
とができ、しかも吸収が速い独活葛根湯の漢方液剤を得
ることを目的とし、更に、内容物の沈殿が殆ど生じない
独活葛根湯の漢方液剤を得ることを目的とする。
とができ、しかも吸収が速い独活葛根湯の漢方液剤を得
ることを目的とし、更に、内容物の沈殿が殆ど生じない
独活葛根湯の漢方液剤を得ることを目的とする。
【００１４】
【課題を解決するための手段】請求項１に記載された発
明に係る漢方液剤は、カッコン（葛根）エキスとドクカ
ツ（独活）エキスとを含む独活葛根湯エキスを矯味剤と
共に容器内に封じてなるものである。
明に係る漢方液剤は、カッコン（葛根）エキスとドクカ
ツ（独活）エキスとを含む独活葛根湯エキスを矯味剤と
共に容器内に封じてなるものである。
【００１５】請求項２に記載された発明に係る漢方液剤
は、請求項１に記載された漢方液剤において、前記独活
葛根湯エキスは、微細粒子が除去されたカッコン（葛
根）とドクカツ（独活）とを含む抽出濃縮液の希釈液か
らなるものである。
は、請求項１に記載された漢方液剤において、前記独活
葛根湯エキスは、微細粒子が除去されたカッコン（葛
根）とドクカツ（独活）とを含む抽出濃縮液の希釈液か
らなるものである。
【００１６】請求項３に記載された発明に係る漢方液剤
の製造法は、カッコン（葛根）とドクカツ（独活）とを
含む独活葛根湯処方の各成分を混合して抽出濃縮する抽
出濃縮工程と、得られた抽出濃縮液を予め定められた割
合で希釈する希釈工程と、該希釈液を矯味剤と混合して
液剤を調製する液剤調製工程と、得られた液剤を容器内
に封じる封止工程とを備えたものである。
の製造法は、カッコン（葛根）とドクカツ（独活）とを
含む独活葛根湯処方の各成分を混合して抽出濃縮する抽
出濃縮工程と、得られた抽出濃縮液を予め定められた割
合で希釈する希釈工程と、該希釈液を矯味剤と混合して
液剤を調製する液剤調製工程と、得られた液剤を容器内
に封じる封止工程とを備えたものである。
【００１７】請求項４に記載された発明に係る漢方液剤
の製造法は、請求項３に記載された製造法において、前
記引用溶液内に封じる前に、前記液剤に含まれる微細粒
子を除去する工程を備えたものである。
の製造法は、請求項３に記載された製造法において、前
記引用溶液内に封じる前に、前記液剤に含まれる微細粒
子を除去する工程を備えたものである。
【００１８】請求項５に記載された発明に係る漢方液剤
の製造法は、請求項４に記載された製造法において、前
記微細粒子の除去工程が、遠心分離手段によって行われ
るものである。
の製造法は、請求項４に記載された製造法において、前
記微細粒子の除去工程が、遠心分離手段によって行われ
るものである。
【００１９】
【発明の実施の形態】本発明においては、カッコン（葛
根）エキスとドクカツ（独活）エキスとを含む独活葛根
湯エキスを矯味剤と共に容器内に封じてなるものである
ため、独活葛根湯を簡便に服用することができ、しかも
吸収が速い独活葛根湯の漢方液剤を得ることができる。
根）エキスとドクカツ（独活）エキスとを含む独活葛根
湯エキスを矯味剤と共に容器内に封じてなるものである
ため、独活葛根湯を簡便に服用することができ、しかも
吸収が速い独活葛根湯の漢方液剤を得ることができる。
【００２０】更に、本発明では、独活葛根湯エキスとし
て、微細粒子が除去されたカッコン（葛根）とドクカツ
（独活）とを含む抽出濃縮液の希釈液を用いてなるた
め、内容物の沈殿が殆ど生じない独活葛根湯の漢方液剤
を得ることができる。
て、微細粒子が除去されたカッコン（葛根）とドクカツ
（独活）とを含む抽出濃縮液の希釈液を用いてなるた
め、内容物の沈殿が殆ど生じない独活葛根湯の漢方液剤
を得ることができる。
【００２１】本発明における独活葛根湯エキスとして
は、少なくともカッコン（葛根）エキスとドクカツ（独
活）エキスとを含むものであり、カッコン（葛根）エキ
ス、ケイヒ（桂皮）エキス、シャクヤク（芍薬）エキ
ス、マオウ（麻黄）エキス、ドクカツ（独活）エキス、
ショウキョウ（生姜）エキス、ジオウ（地黄）エキス、
タイソウ（大棗）エキス及びカンゾウ（甘草）エキスの
９種の生薬エキスを含む独活葛根湯エキスをも含む。
は、少なくともカッコン（葛根）エキスとドクカツ（独
活）エキスとを含むものであり、カッコン（葛根）エキ
ス、ケイヒ（桂皮）エキス、シャクヤク（芍薬）エキ
ス、マオウ（麻黄）エキス、ドクカツ（独活）エキス、
ショウキョウ（生姜）エキス、ジオウ（地黄）エキス、
タイソウ（大棗）エキス及びカンゾウ（甘草）エキスの
９種の生薬エキスを含む独活葛根湯エキスをも含む。
【００２２】生薬エキス成分は、各生薬を混合した後に
抽出濃縮する。抽出濃縮は、抽出されたエキス分が規定
の濃度より濃ければよく、規定の量よりも多い各生薬量
を規定の量よりも少ない溶媒で抽出してもよく、規定の
量の各生薬量を抽出した後に溶媒を揮散させて濃縮して
もよい。尚、抽出する溶媒は、熱水及び有機溶媒（30vo
l%のエタノール）を用いてもよいが、熱水が好ましい。
抽出濃縮する。抽出濃縮は、抽出されたエキス分が規定
の濃度より濃ければよく、規定の量よりも多い各生薬量
を規定の量よりも少ない溶媒で抽出してもよく、規定の
量の各生薬量を抽出した後に溶媒を揮散させて濃縮して
もよい。尚、抽出する溶媒は、熱水及び有機溶媒（30vo
l%のエタノール）を用いてもよいが、熱水が好ましい。
【００２３】抽出濃縮された独活葛根湯エキス成分は、
希釈して用いられる。好ましい希釈率は、抽出濃縮され
た濃縮割合に応じて、１．２〜１０倍に希釈して漢方液
剤を調製する。１．２倍を下回る場合には、矯味剤等を
混入して調製できず、１０倍を越える場合には、濃縮
後、容易に溶解して調製できない。
希釈して用いられる。好ましい希釈率は、抽出濃縮され
た濃縮割合に応じて、１．２〜１０倍に希釈して漢方液
剤を調製する。１．２倍を下回る場合には、矯味剤等を
混入して調製できず、１０倍を越える場合には、濃縮
後、容易に溶解して調製できない。
【００２４】本発明では、独活葛根湯エキスに矯味剤を
混入する。好ましい矯味剤としては、服用に際して、独
活葛根湯エキスに由来する苦みを緩和する矯味剤が用い
られる。例えば、白糖、ハチミツ、トウヒシロップ、ソ
ルビトール、サッカリンナトリウム等の甘味料や、クエ
ン酸、酒石酸等の酸味料などが用いられる。また、矯味
剤の他に、独活葛根湯エキスの薬効を阻害しないなら
ば、芳香油製剤等の矯臭剤、ポリオキシエチレン硬化ヒ
マシ油６０等のような界面活性剤、安定剤等の各種添加
物を添加してもよい。
混入する。好ましい矯味剤としては、服用に際して、独
活葛根湯エキスに由来する苦みを緩和する矯味剤が用い
られる。例えば、白糖、ハチミツ、トウヒシロップ、ソ
ルビトール、サッカリンナトリウム等の甘味料や、クエ
ン酸、酒石酸等の酸味料などが用いられる。また、矯味
剤の他に、独活葛根湯エキスの薬効を阻害しないなら
ば、芳香油製剤等の矯臭剤、ポリオキシエチレン硬化ヒ
マシ油６０等のような界面活性剤、安定剤等の各種添加
物を添加してもよい。
【００２５】本発明では、独活葛根湯エキスと矯味剤と
を混合して液剤を調製した後、容器内に封じる。容器は
内部の液剤を安定的に保持するものであればよいが、遮
光性のある色付き瓶が好ましい。また、好ましくは１本
２０ｍＬ〜１００ｍＬの飲みきりサイズの容器が好まし
く、１〜３本の飲用で１日の服用量を達成させるよう
に、１本当たりの独活葛根湯エキス量を決定し、１〜３
本をセットにして箱詰めする。
を混合して液剤を調製した後、容器内に封じる。容器は
内部の液剤を安定的に保持するものであればよいが、遮
光性のある色付き瓶が好ましい。また、好ましくは１本
２０ｍＬ〜１００ｍＬの飲みきりサイズの容器が好まし
く、１〜３本の飲用で１日の服用量を達成させるよう
に、１本当たりの独活葛根湯エキス量を決定し、１〜３
本をセットにして箱詰めする。
【００２６】本発明の独活葛根湯エキスは、液剤として
保持すると、液剤の底部に沈殿物が現れる。この沈殿物
は主に生薬末の抽出残渣に由来する微細な粒子であり、
服用の際にザラツキ感を生じることとなる。この沈殿物
を除去しても、エキス分が既にエキス中に抽出されてい
るため、薬効に関しては何ら問題がない。
保持すると、液剤の底部に沈殿物が現れる。この沈殿物
は主に生薬末の抽出残渣に由来する微細な粒子であり、
服用の際にザラツキ感を生じることとなる。この沈殿物
を除去しても、エキス分が既にエキス中に抽出されてい
るため、薬効に関しては何ら問題がない。
【００２７】従って、本発明では、好ましくは、独活葛
根湯エキスに含まれる沈殿物の原因となる微細粒子を除
去する。微細粒子の除去は、経時的に互いに接合して大
きくなって沈殿する微細な粒子を液剤から分離するもの
であればよい。従って、濾過や遠心分離などを行えばよ
いが、遠心分離が操作が単純であるため、コンタミネー
ションの点から好ましい。
根湯エキスに含まれる沈殿物の原因となる微細粒子を除
去する。微細粒子の除去は、経時的に互いに接合して大
きくなって沈殿する微細な粒子を液剤から分離するもの
であればよい。従って、濾過や遠心分離などを行えばよ
いが、遠心分離が操作が単純であるため、コンタミネー
ションの点から好ましい。
【００２８】また、本発明での沈殿物の原因となる微細
粒子の除去作業は、独活葛根湯エキスと矯味剤とを混合
して液剤を調製する前でも後でもよい。しかし、液剤を
調製する前に行う場合には、全量を遠心分離した後でな
ければ矯味剤を混合して液剤を調製できず、液剤を調製
した後に行う場合には、遠心分離量は多いが、容器の封
止まで連続的に行うことができる。このため、液剤を調
製した後に行う方が効率的、品質の安定が図れる。
粒子の除去作業は、独活葛根湯エキスと矯味剤とを混合
して液剤を調製する前でも後でもよい。しかし、液剤を
調製する前に行う場合には、全量を遠心分離した後でな
ければ矯味剤を混合して液剤を調製できず、液剤を調製
した後に行う場合には、遠心分離量は多いが、容器の封
止まで連続的に行うことができる。このため、液剤を調
製した後に行う方が効率的、品質の安定が図れる。
【００２９】遠心分離によって、好ましい遠心分離条件
は、遠心速度が速ければ短い時間で行うことができる
が、微細粒子全てを除去する必要はない。少なくとも、
容器内に封止した漢方液剤を長期間放置した場合に沈降
しない程度に除去すればよい。例えば、連続遠心機を用
いる場合では、液量２．５〜３リットル／ｍｉｎに対し
て回転速度18,000rpmである。
は、遠心速度が速ければ短い時間で行うことができる
が、微細粒子全てを除去する必要はない。少なくとも、
容器内に封止した漢方液剤を長期間放置した場合に沈降
しない程度に除去すればよい。例えば、連続遠心機を用
いる場合では、液量２．５〜３リットル／ｍｉｎに対し
て回転速度18,000rpmである。
【００３０】
【実施例】以下に本発明の独活葛根湯エキスを含む漢方
液剤の一実施例を示すが、本発明は、この実施例のみに
限定されるものではない。
液剤の一実施例を示すが、本発明は、この実施例のみに
限定されるものではない。
【００３１】実施例１．処方例 次の表１に本実施例で用いた独活葛根湯エキス（６０ｍ
Ｌ）中の処方例を示す。これら処方の生薬成分末を熱水
抽出して抽出濃縮液を得た。尚、この処方例は、成人１
日分の独活葛根湯エキス量となっている。
Ｌ）中の処方例を示す。これら処方の生薬成分末を熱水
抽出して抽出濃縮液を得た。尚、この処方例は、成人１
日分の独活葛根湯エキス量となっている。
【００３２】
【表１】
【００３３】得られた独活葛根湯エキス抽出濃縮液（６
０ｍＬ）を次の表２に示す添加物を添加して、合計量に
対して１．５倍希釈（９０ｍＬ）となるように液剤を調
製した。
０ｍＬ）を次の表２に示す添加物を添加して、合計量に
対して１．５倍希釈（９０ｍＬ）となるように液剤を調
製した。
【００３４】
【表２】
【００３５】得られた液剤を遠心分離器（バッチ式で
は、２０００ｒｐｍで５分間、又は、連続遠心機では、
液量２．５〜３リットル／ｍｉｎに対して回転速度18,0
00rpm）で内部の微細粒子を除去した後、瓶中に３０ｍ
Ｌ容量となるように注入し、気密状態で封止して独活葛
根湯液剤を得た。
は、２０００ｒｐｍで５分間、又は、連続遠心機では、
液量２．５〜３リットル／ｍｉｎに対して回転速度18,0
00rpm）で内部の微細粒子を除去した後、瓶中に３０ｍ
Ｌ容量となるように注入し、気密状態で封止して独活葛
根湯液剤を得た。
【００３６】実施例２．沈殿防止効果の検証 次の表３に遠心分離器による沈殿予防効果を示す。即
ち、実施例１で示した遠心分離器で沈殿防止措置を行う
前と後との液剤１０ｍＬを、２０００ｒｐｍで５分間遠
心分離して、沈殿容量を計測した。
ち、実施例１で示した遠心分離器で沈殿防止措置を行う
前と後との液剤１０ｍＬを、２０００ｒｐｍで５分間遠
心分離して、沈殿容量を計測した。
【００３７】
【表３】
【００３８】表３に示す通り、遠心分離を行った後の液
剤では、沈殿物は行う間の半分以下となった。尚、これ
ら遠心分離器で沈殿防止措置を行う前と後とを３週間放
置した結果、遠心分離を行う前の液剤では、沈殿物の発
生が確認されたが、遠心分離を行った後の液剤は、沈殿
物が発生していなかった。
剤では、沈殿物は行う間の半分以下となった。尚、これ
ら遠心分離器で沈殿防止措置を行う前と後とを３週間放
置した結果、遠心分離を行う前の液剤では、沈殿物の発
生が確認されたが、遠心分離を行った後の液剤は、沈殿
物が発生していなかった。
【００３９】
【発明の効果】本発明は以上説明した通り、独活葛根湯
を簡便に服用することができ、しかも吸収が速い独活葛
根湯の漢方液剤を得ることができる。更に、内容物の沈
殿が殆ど生じない独活葛根湯の漢方液剤を得ることがで
きるという効果がある。
を簡便に服用することができ、しかも吸収が速い独活葛
根湯の漢方液剤を得ることができる。更に、内容物の沈
殿が殆ど生じない独活葛根湯の漢方液剤を得ることがで
きるという効果がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石黒 淳一 富山県富山市水橋畠等173 大協薬品工業 株式会社内 Ｆターム(参考） 4C076 AA12 BB01 CC11 DD08F DD37E DD37T DD38T DD41R DD45S DD67T EE27 FF12 FF15 FF51 FF52 GG42 4C088 AB40 AB59 AC05 AC11 BA09 CA05 CA12 MA08 MA17 MA52 NA14 ZA94 4D057 AA03 AB01 AC01 AD01 CB04
Claims (5)
- 【請求項１】 カッコン（葛根）エキスとドクカツ（独
活）エキスとを含む独活葛根湯エキスを矯味剤と共に容
器内に封じてなることを特徴とする漢方液剤。 - 【請求項２】 請求項１に記載された漢方液剤におい
て、 前記独活葛根湯エキスは、微細粒子が除去されたカッコ
ン（葛根）とドクカツ（独活）とを含む抽出濃縮液の希
釈液からなることを特徴とする漢方液剤。 - 【請求項３】 カッコン（葛根）とドクカツ（独活）と
を含む独活葛根湯処方の各成分を混合して抽出濃縮する
抽出濃縮工程と、 得られた抽出濃縮液を予め定められた割合で希釈する希
釈工程と、 該希釈液を矯味剤と混合して液剤を調製する液剤調製工
程と、 得られた液剤を容器内に封じる封止工程とを備えたこと
を特徴とする漢方液剤の製造法。 - 【請求項４】 請求項３に記載された製造法において、 前記引用溶液内に封じる前に、前記液剤に含まれる微細
粒子を除去する工程を備えたことを特徴とする漢方液剤
の製造法。 - 【請求項５】 請求項４に記載された製造法において、 前記微細粒子の除去工程が、遠心分離手段によって行わ
れることを特徴とする漢方液剤の製造法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000102051A JP2001288101A (ja) | 2000-04-04 | 2000-04-04 | 漢方液剤及びその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000102051A JP2001288101A (ja) | 2000-04-04 | 2000-04-04 | 漢方液剤及びその製造法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2001288101A true JP2001288101A (ja) | 2001-10-16 |
Family
ID=18615995
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2000102051A Pending JP2001288101A (ja) | 2000-04-04 | 2000-04-04 | 漢方液剤及びその製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2001288101A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2004084794A1 (ja) * | 2003-03-27 | 2004-10-07 | Matsuura Yakugyo Co., Ltd. | 生薬抽出液配合液剤パック |
| US7651706B2 (en) | 2001-09-13 | 2010-01-26 | Wakunaga Pharmaceutical Co., Ltd. | Liquid preparation containing crude-drug extract |
| JP2012077003A (ja) * | 2010-09-30 | 2012-04-19 | Kobayashi Pharmaceutical Co Ltd | 独活葛根湯エキス配合剤 |
| WO2021203146A1 (en) * | 2020-03-30 | 2021-10-07 | Sunstar Joint Stock Company | Pain-relieving and anti-inflammatory preparation for preventing and treating thrombosis |
Citations (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS53101513A (en) * | 1977-02-17 | 1978-09-05 | Tsumura Juntendo Kk | Production of herb medicine solution agent |
-
2000
- 2000-04-04 JP JP2000102051A patent/JP2001288101A/ja active Pending
Patent Citations (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS53101513A (en) * | 1977-02-17 | 1978-09-05 | Tsumura Juntendo Kk | Production of herb medicine solution agent |
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|---|---|---|---|---|
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