JP2001283885A - 燃料電池用燃料ガスの生成システム - Google Patents

燃料電池用燃料ガスの生成システム

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JP2001283885A
JP2001283885A JP2000118849A JP2000118849A JP2001283885A JP 2001283885 A JP2001283885 A JP 2001283885A JP 2000118849 A JP2000118849 A JP 2000118849A JP 2000118849 A JP2000118849 A JP 2000118849A JP 2001283885 A JP2001283885 A JP 2001283885A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃料電池用の燃料ガス生成システムにおい
て、水素の分離効率、生成効率を高めつつ、装置の小型
化を図る。 【解決手段】 炭化水素化合物を改質して水素リッチな
燃料ガスを生成するシステムを構成する。この際、改質
反応で生じた水素は水素分離膜18を利用して分離す
る。分離部20にパージガスを供給することにより水素
分圧を下げ、水素の分離効率を向上する。改質部16か
ら水素を分離することにより、改質反応を促進して水素
の生成効率を向上する。パージガスは、水素分離膜18
で分離されずに残った未透過ガスを燃焼したガスを利用
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水素を含有する所
定の原料に化学的処理を施して燃料電池に供給される水
素ガスを生成する燃料ガス生成システムに関し、詳しく
はその生成工程において水素を分離する分離機構を有す
る燃料ガス生成システムに関する。
【0002】
【従来の技術】水素イオンを透過する電解質層を挟んで
水素極と酸素極とを備え、陰極(水素極)と陽極(酸素
極)でそれぞれ次の反応式で表される反応を生じさせる
ことによって、起電力を発生する燃料電池が提案されて
いる。 陰極(水素極):H2→2H+ + 2e- 陽極(酸素極):(1/2)O2+2H++2e-
2
【0003】こうした燃料電池を電源として利用するシ
ステムにおいては、水素極側に水素ガスを供給する必要
がある。水素ガスの供給には、原料として用意されたメ
タノールおよび天然ガスなどの炭化水素化合物から改質
反応により取り出された水素を利用する方法がある。天
然ガスなどの原料は、次式に示す複数の反応によって段
階的に水素リッチな燃料ガスに分解される。
【0004】第1段階の反応は、改質反応と呼ばれ、次
式(1)(2)で表される。 Cnm+nH2O →nCO+(n+m/2)H2 …(1); Cnm+n/2O2 →nCO+m/2H2 …(2); 改質反応では、一酸化炭素が生成される。
【0005】第2段階の反応は、改質反応で生成された
一酸化炭素を水蒸気を利用して酸化するとともに水素を
生成する反応である。この反応は、シフト反応と呼ば
れ、次式(3)で表される。 CO+H2O→H2+CO2 …(3);
【0006】このように化学反応を経て生成された水素
を用いる燃料電池システムでは、供給される燃料ガス中
の水素分圧を高めるとともに、燃料ガス中に水素以外の
有害成分が含まれることを回避する目的から、水素を分
離する機構を備えるシステムが提案されている。図25
は従来技術としての燃料電池システムの概略構成を示す
説明図である。このシステムでは、原料タンク100、
水タンク130から蒸発器112を介して改質部116
に原料、水を供給する。改質部116において改質反応
により生成された水素は水素分離膜118を用いて分離
部120に分離される。この際、水素の分離を効率的に
行うために、分離部には水タンク130の水を用いて蒸
発器132で生成された水蒸気が水素運搬用のガス(以
下、「パージガス」と呼ぶ)として供給される。分離部
120に分離された水素は、パージガスとともに凝縮器
126に供給され、ここで余剰の水分が凝縮水として除
去された後、燃料電池128に供給される。改質部11
6で生成されたガスのうち、水素が分離された未透過ガ
スは燃焼部122で一酸化炭素および残った水素が酸化
され後、排気される。
【0007】図25にはパージガスとして水蒸気を用い
た場合を例示した。パージガスには、この他に燃料電池
に悪影響を与えない種々の凝縮性ガスを利用可能である
ことが知られている。パージガスとしては、気化熱が小
さく常温では液体である方が取り扱い上好ましい。図2
6は気化熱と沸点の関係を示す説明図である。化学便覧
を出典としている。上述の条件を考慮すると、パージガ
スとして有力なガスとしては、パラフィン系炭化水素、
ジメチルエーテル、酢酸などが挙げられる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
燃料ガス生成システムでは、パージガスを生成するため
の蒸発器が別途必要であった。また、パージガスを十分
に供給するためには、別途パージガス生成用のタンクを
用意する必要もあった。これらの原因により、従来の構
成では、燃料ガス生成システムの大型化、複雑化を招い
ていた。近年では、燃料電池を車両などに搭載すること
も検討されている。かかる観点からは、装置の大型化、
複雑化は特に看過し得ない課題と言える。
【0009】また、従来は、パージガスの流量の制御は
ほとんどなされていなかった。パージガスの流量は、水
素の分離効率に影響を与え、燃料電池の運転効率にも影
響する。特に、燃料電池の運転状態が変動する際には、
パージガスの流量による影響が大きく、燃料ガスの供給
不足や供給遅れに起因して、電力の出力に応答遅れが生
じる場合もあった。さらに、パージガスのガス導入源が
複数設けられている場合にも、各導入源の流量の十分な
使い分けがなされておらず、燃料電池の運転効率や出力
の応答性を向上する余地が残されていた。
【0010】本発明は、上述の課題を解決するためにな
されたものであり、燃料電池用の燃料ガス生成装置にお
いて、効率的にパージガスを生成し、水素の分離効率、
ひいては燃料ガスの生成効率を向上する技術の提供を目
的とする。また、パージガスの流量を制御して、燃料電
池の運転効率、応答性を向上する技術の提供を目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
述の課題の少なくとも一部を解決するために、本発明
は、化学的工程により所定の原料から水素を含有する混
合ガスを生成する化学反応部と、一方の面側を前記混合
ガスを供給する混合ガス室、他方の面側を前記水素が抽
出される抽出室として備えられた水素分離膜を用いて前
記混合ガスから水素を分離するための分離機構とを備
え、少なくとも該分離機構によって分離された水素を用
いて燃料電池に供給する水素リッチな燃料ガスを生成す
る燃料ガス生成システムを対象とし、第1の構成とし
て、前記混合ガスのうち前記分離機構で水素が分離され
た残りの未透過ガスに対し、前記燃料電池にとって有害
な成分の濃度を低減するための低減処理を施す有害成分
低減部と、該低減処理を施した後の未透過ガスを、前記
水素を運搬する運搬用ガス(以下、「パージガス」と呼
ぶ)として前記分離機構の前記抽出室に供給する運搬用
ガス供給部とを備えるものとした。所定の原料として
は、水素が含有された種々の化合物、例えば炭化水素化
合物やアルコールを用いることができる。
【0012】つまり、未透過ガスをパージガスとして利
用する構成である。化学反応部で生成された混合ガスに
は、一酸化炭素など燃料電池にとって有害な成分が含ま
れているのが通常である。このガスを直接パージガスと
して利用すれば、その有害成分が燃料電池に供給される
ことになり不適当である。本発明では、低減処理を施し
て有害な成分の濃度を低減させた上でパージガスとして
用いるため、かかる弊害はない。このように未透過ガス
をパージガスとして用いることにより、第1の構成で
は、パージガスの再利用に不可欠な凝縮器を省略または
小型化することができる。また、パージガスを生成する
ための蒸発器を省略することができる。この結果、シス
テムの小型化を図ることができる。
【0013】分離機構にパージガスを供給する意義は、
第1に水素の分離効率の向上である。水素分離膜はその
両面の水素分圧差を利用して水素を分離する。従って、
抽出室にパージガスを供給して水素を運搬することで水
素分圧を低下させれば、水素分離膜による分離を効率的
に行うことができる。第2の意義は化学反応部での反応
促進である。上述の通り、パージガスの供給によって水
素分離効率を向上できれば、化学反応部から水素を効率
的に抽出でき、化学反応部の水素濃度を低減することが
できる。化学反応部での反応は平衡反応であり、反応速
度は水素濃度に影響されるから、化学反応部の水素濃度
を低減できれば、反応速度を向上することができる。本
発明においてパージガスを供給することには、かかる利
点があり、この結果、本発明のシステムによれば、高い
効率で水素を生成することができる。
【0014】さらに、未透過ガスをパージガスとして利
用することにより生成された水素を無駄なく利用できる
利点もある。上述した通り、水素分離膜は水素分圧差を
利用して水素を分離するものであり、混合ガス中の水素
を完全に分離できるとは限らない。第1の構成では、未
透過ガスをパージガスとして利用するため、低減処理と
して水素を消費しない処理を施す場合には、分離機構で
分離されずに残留した水素も結果として燃料電池に供給
することができ、無駄なく水素を利用することができ
る。
【0015】ここで、前記低減処理は、例えば前記未透
過ガスに対する酸化反応であるものとしたり、前記未透
過ガスに対する触媒反応であるものとしたりすることが
できる。酸化反応としては、例えば燃焼が挙げられる。
触媒反応としては、先に式(3)で示したシフト反応が
挙げられる。これらの低減処理は、燃料電池の電極を被
毒する成分として知られる一酸化炭素の濃度低減に有効
である。低減処理は、これらに限らず、燃料電池に悪影
響を与える成分に応じて適宜選択することができる。ま
た、複数の低減処理を用いるものとしてもよい。
【0016】本発明は、上述した未透過ガスのみをパー
ジガスとして利用する態様で構成することもできるが、
前記運搬用ガス供給部を、前記運搬用ガスとして利用可
能な部位に前記燃料電池から排出されるオフガスをも供
給するユニットとしてもよい。つまり、未透過ガスに加
えて燃料電池のオフガスをもパージガスとして用いるも
のとしてもよい。オフガスをもパージガスとして利用す
れば、未透過ガスのみではパージガスが不足する場合で
も、十分な量のパージガスを供給可能となり、水素の分
離効率をより向上することができる利点がある。
【0017】ここで、燃料電池のアノードから排出され
るオフガス、即ちアノードオフガスを用いる場合には、
燃料ガス中の水素のうち発電に利用されなかった水素を
パージガスとして利用しつつ燃料電池に再度供給するこ
とができるから、水素を無駄なく使用できる利点があ
る。一方、燃料電池のカソードから排出されるオフガ
ス、即ちカソードオフガスを用いる場合、水素が含まれ
ていないから、抽出室の水素分圧の上昇を抑制でき、分
離効率を向上することができる利点がある。
【0018】上記構成において、オフガスはパージガス
として利用可能な部位、即ち、分離機構の抽出室よりも
上流側であれば種々の部位に供給可能である。オフガス
を供給する第1の部位は、前記化学反応部の上流側であ
る。オフガスを供給する第2の部位は、前記分離機構の
混合ガス室と前記有害成分低減部との間である。オフガ
スを供給する第3の部位は、前記有害成分低減部と前記
分離機構の前記抽出室との間である。
【0019】化学反応部の上流側(第1の部位)に供給
するときは、オフガス中の成分を化学反応に供すること
ができる利点がある。例えば、カソードオフガスを供給
すればその中に微量ではあるが残存している酸素を先に
示した式(2)の反応に供することができる。パージガ
スに酸素が含まれていると、分離機構で抽出された水素
とパージガス中の酸素が反応し燃料ガス中の水素が無駄
に消費される可能性があるが、上記構成により、パージ
ガス中の酸素が化学反応部で消費されれば、かかる弊害
を抑制できる利点もある。さらに、水素分圧が低いた
め、化学反応部での反応速度を向上することができる利
点もある。一方、アノードオフガスには、燃料電池での
反応による生成水が含まれているから、これを先に式
(1)で示した反応に供することができる利点がある。
【0020】分離機構の混合ガス室と有害成分低減部と
の間(第2の部位)に供給するときは、次の利点があ
る。カソードオフガスを供給する場合には、残留する酸
素を低減処理としての酸化処理に供することができる。
上流部に供給したのと同様、酸素を消費できる利点、水
素分圧が低いことによる利点もある。アノードオフガス
を供給する場合には、有害成分低減部での処理によって
水素を酸化して水蒸気とし、水素分圧を低減した上で分
離機構に供給することができるため、水素の分離効率を
向上することができる。
【0021】有害成分低減部と抽出室との間(第3の部
位)に供給するときは、次の利点がある。カソードオフ
ガスを供給する場合には、水素分圧の低いガスをパージ
ガスとして利用できるため水素の分離効率を向上するこ
とができる。アノードオフガスを供給する場合には、残
留している水素を再利用することができる利点がある。
また、カソードオフガス、アノードオフガスのいずれを
用いる場合についても、パージガスの温度が燃料電池の
運転温度に非常に近いという利点もある。化学反応部は
非常に高温で反応が行われるため、燃料電池に供給する
前に燃料ガスの温度を熱交換機で低減する処理が必要に
なることが多い。第3の部位に供給する場合には、燃料
電池の運転温度に近いパージガスを用いて水素を分離す
ることにより燃料ガスの温度を燃料電池の運転温度に近
づけることができ、熱交換機の小型化または省略を図る
ことができる。
【0022】本発明は、第1の構成に代わる第2の構成
として、前記燃料電池のカソードから排出されるカソー
ドオフガスを、前記水素を運搬する運搬用ガスとして前
記分離機構の前記抽出室に供給する運搬用ガス供給部を
備える構成を採ることもできる。
【0023】カソードオフガスは、水素分圧が0のた
め、パージガスに適している。この場合カソードでの酸
素利用率を上げることにより、カソードオフガス中の酸
素は微量にすることができ、分離された水素との反応が
生じたとしてもごくわずかに抑えることができる。ま
た、パージガスの温度が燃料電池の運転温度に近いとい
う利点もある。
【0024】本発明においては、上述した第1および第
2の構成に加えて、前記燃料電池のアノードから排出さ
れるアノードガスを、前記運搬用ガスとして前記分離機
構の抽出室に循環させる循環機構を備えることも望まし
い。かかる構成を第3の構成と呼ぶものとする。第3の
構成によれば、アノードガスを循環させることにより、
燃料電池での反応に利用されなかった水素を再利用する
ことができる。
【0025】運搬ガスは、更に第4の構成として、燃料
ガス生成システム中のガスのうち前記燃料電池に供給さ
れる前のガスに対して水素と反応しやすい成分および水
素自体の少なくとも一方を低減する処理を施されたガス
を用いるものとしてもよい。水素を低減する処理として
は、燃料電池で水素を消費する処理や水素を燃焼する処
理などが含まれる。水素と反応する成分としては、一酸
化炭素や酸素が含まれる。これらの成分の低減処理に
は、酸化処理、燃焼などによって酸素が消費される態様
も含まれる。
【0026】以上で説明した第1〜第4の構成におい
て、それぞれ運搬用ガスの供給量は、予め定めた一定量
などに保持するものとしてもよいが、前記燃料電池の負
荷状態と前記運搬用ガスの流量との関係を予め記憶する
記憶手段と、前記燃料電池の負荷状態を検出する検出手
段と、該検出された負荷状態に応じて前記運搬用ガスの
流量を制御する流量制御手段とを備えるものとすること
が望ましい。
【0027】こうすることにより、燃料電池の負荷状態
に応じた適切な流量で運搬ガスを供給することができ
る。運搬ガスの流量は、水素の分離効率に影響を与え、
ひいては燃料電池の運転効率に影響を与えるため、燃料
電池の負荷状態に応じた制御により、その運転効率を向
上することができる。なお、負荷状態と運搬用ガスの流
量との関係は、運転効率を考慮して実験、または解析に
より設定することができる。特に、次の燃料電池の負荷
状態に応じて要求される水素の量、およびパージガスの
流量に起因するエネルギ損失の2点を考慮することが好
ましい。一般に燃料電池の負荷状態が高くなれば多くの
水素が要求されるため、パージガスの流量を増大して、
水素の分離効率を向上することが望まれる。その一方
で、パージガスの流量を増大すれば、パージガスを供給
するために必要となる動力が増大し、燃料電池の運転効
率低下につながる。負荷状態に応じて、両者による影響
を総合的に考慮することにより、最適の流量を設定する
ことができる。なお、前記記憶手段には、負荷状態と流
量の関係をテーブルの形式で記憶する手段、関数により
記憶する手段その他種々の記憶手段を適用することがで
きる。パージガスの流量を制御する構成は、アノードオ
フガスのみをパージガスとして利用する構成においても
適用可能である。
【0028】このように運搬用ガスの流量を制御する流
量制御手段を備える構成においては、さらに、前記検出
手段は、前記燃料電池の負荷状態の変化率をも検出する
手段であり、前記流量制御手段は、該燃料電池の負荷状
態が所定以上の変化率で増大したと判断された場合に
は、前記運搬用ガスの流量を、前記記憶手段に基づいて
定まる流量よりも有意に多くする手段であるものとする
ことが望ましい。流量の増加量は、変化率に応じた関数
で当たられるものとしてもよいし、予め設定された値と
してもよい。
【0029】つまり、燃料電池の負荷状態の変化率に応
じて運搬用ガスの流量を、予め設定された値から補正す
る制御態様に相当する。運搬用ガスの流量を増大するこ
とにより、燃料ガス全体の流速が向上し、燃料電池での
拡散性を向上することができる。拡散性の向上は、燃料
ガス中の水素の利用率の向上につながる。これらの作用
により、上記制御を行えば、負荷が急激に増大した場合
に、高い応答性で電力を出力することが可能となる。ま
た、運搬要ガスの流量が増大すれば、水素の分離効率も
向上する。従って、より効率的に水素を燃料電池に供給
可能となり、負荷に応じた電力を高い応答性で出力する
ことができる。
【0030】さらに、運搬用ガスの流量を増大すれば、
効率的に水素を分離できる結果、分離機構の下流側から
燃料電池まで燃料ガスを運搬する配管中における水素量
を増大することができる。この結果、負荷状態の変動に
対し、化学反応部での水素ガスの生成および分離機構で
の水素の分離に応答遅れが生じた場合でも、配管中に分
布する水素により応答遅れを補償することができる。従
って、燃料電池を高い応答性で運転することが可能とな
る。
【0031】なお、この制御は、通常時は一定の流量で
運搬用ガスを流し、負荷状態が急激に増大したときは、
その一定値から流量を増大する態様で実現してもよい。
この態様は、前記記憶手段において、流量が一定値で与
えられている場合に相当する。負荷状態の変化率を考慮
した制御は、その他種々の態様で実現可能であり、負荷
状態が急激に低減した場合に、流量を有意に減少させる
ものとしてもよい。
【0032】運搬用ガスの流量を制御する構成におい
て、前記運搬用ガス供給部が、さらに、運搬用ガスを供
給可能な付加的なガス導入源を備える機構である場合に
は、前記流量制御手段は、該運搬用ガスの流量が不足す
るときに該付加的なガス導入源を用いる手段であるもの
とすることが好ましい。
【0033】こうすることにより、燃料電池の負荷状態
に応じた流量を比較的容易に維持することができる。付
加的なガス導入源に、空気など特別な貯蔵源が不要とな
る導入源を用いれば、着実に流量を維持することができ
る利点がある。また、流量不足時にのみ付加的なガス導
入源を利用するため、通常時は、水素の分離により適し
た運搬用ガスを利用することができる利点がある。
【0034】本発明の第1〜第4の燃料ガス生成システ
ムにおいては、燃料ガスを直接燃料電池に供給するもの
としてもよいが、前記生成された燃料ガスが前記燃料電
池に供給される前に、該燃料ガスから水蒸気を分離する
気液分離機構を備えるものとすることが望ましい。燃料
ガスが供給されるアノードには、水素イオンの移動を助
けるため、加湿が行われるのが通常であるが、過剰に水
蒸気が存在する場合には、水蒸気が電極内部で結露し、
発電効率を低下させる可能性がある。水蒸気が分離され
た後の燃料ガスを燃料電池に供給するものとすれば、か
かる弊害を回避することができる。
【0035】本発明の第1〜第4の燃料ガス生成システ
ムにおいて、前記運搬用ガス供給部は、前記運搬用ガス
として酸素を含有した酸素含有ガスを導入可能な機構で
ある場合には、前記燃料電池が暖機済みか否かを判定す
る暖機判定手段と、該燃料電池が未暖機であると判定さ
れた場合には、前記運搬用ガス供給部を制御して、運搬
用ガスに導入される酸素含有ガスの量を増大する制御手
段とを備えるものとすることが望ましい。酸素含有ガス
としては、例えば、空気が挙げられる。こうすれば、空
気中の酸素と燃料ガス中の水素の反応熱により燃料電池
の暖機を促進することができる。酸素含有ガスとして、
酸素自体、カソードオフガスを導入するものとしてもよ
い。なお、アノードオフガスをパージガスに循環する構
成においては、暖機時には循環を中断するものとしても
よい。酸素含有ガスを導入することによりアノードオフ
ガス中にはほとんど水素が含まれなくなり、循環しても
水素の有効活用につながらないためである。かかる制御
は、アノードオフガスの流路を分離機構への循環と、外
部への排気とで切り替える機構を備えることにより実現
できる。
【0036】以上で説明した燃料ガス生成システムとし
ての態様の他、本発明は種々の態様で構成可能である。
例えば、上述の燃料ガス生成システムを備える燃料電池
システムとして構成してもよい。燃料電池用の燃料ガス
を生成する燃料ガス生成方法、その一工程として混合ガ
スから水素を分離するための水素分離方法などの態様で
構成することもできる。さらに、上述の通り、パージガ
スに混入される空気の量を制御することにより、燃料ガ
スを暖機する効果を奏することもできるから、かかる点
に着目して、燃料ガスを利用して燃料電池の暖機を行う
方法として構成することもできる。
【0037】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について、実
施例に基づき以下の順序で説明する。 A.第1実施例: B.第2実施例 カソードオフガスをパージガスとして
利用する構成: C.第2実施例の変形例 カソードオフガスの供給部位
に関する変形例: D.第3実施例 未透過ガスにシフト処理、CO酸化処
理を施す構成: E.第4実施例 カソードオフガスをパージガスとし
て利用する構成: F.第5実施例 カソードオフガスのみをパージガスと
して利用する構成: G.第6実施例 処理後の未透過ガスを燃料ガスに合流
させる構成: H.第7実施例: パージガスの流量制御:
【0038】A.第1実施例:図1は第1実施例として
の燃料電池システムの概略構成を示す説明図である。こ
の燃料電池システムは、原料タンク10に蓄えられた原
料を、分解して水素リッチな燃料ガスを生成する燃料ガ
ス生成システムと、生成された燃料ガス中の水素と、空
気中の酸素とを用いた電気化学反応により起電力を得る
燃料電池28とから構成される。
【0039】燃料電池28は、リン酸型や溶融炭酸塩型
など種々のタイプの燃料電池を適用可能であるが、本実
施例では、比較的小型で発電効率に優れる固体高分子膜
型の燃料電池を適用した。燃料電池28は、電解質膜、
カソード、アノード、およびセパレータとから構成され
るセルを複数積層して構成されている。電解質膜は、フ
ッ素系樹脂などの固体高分子材料で形成されたプロトン
伝導性のイオン交換膜である。カソードおよびアノード
は、共に炭素繊維を織成したカーボンクロスにより形成
されている。セパレータは、カーボンを圧縮してガス不
透過とした緻密質カーボンなどガス不透過の導電性部材
により形成されている。カソードおよびアノードとの間
に燃料ガスおよび酸化ガスの流路を形成する。酸化ガス
は圧縮した空気が用いられ、燃料ガスは原料タンク10
に貯蔵された原料から以下に説明する燃料ガス生成シス
テムにより生成される。
【0040】原料から燃料ガスを生成するための燃料ガ
ス生成システムの概略構成は、次の通りである。原料に
は、アルコールや炭化水素などが用いられる。原料は水
タンク30から供給される水とともに、蒸発器12を通
過して気化された状態で化学的工程を施す化学反応部に
供給される。本実施例では、化学反応部として、先に式
(1)(2)で示した改質反応を施す改質部16、燃焼
部22の2つのユニットを備える。
【0041】改質部16には、原料ガスに応じて、改質
反応を促進する触媒が担持されている。天然ガスを原料
ガスとする場合には、例えばニッケル触媒やロジウム貴
金属を改質触媒として用いることができ、メタノールを
原料として用いる場合には、CuO−ZnO系触媒、C
u−ZnO系触媒などが有効であることが知られてい
る。
【0042】燃料ガス生成システムには、生成過程のガ
スから水素を分離するための機構が設けられている。こ
の機構は、改質部16と一体的に構成されており、水素
分離膜18を改質部16と分離部20で挟んだ構成とな
っている。水素分離膜18は、パラジウムなどの水素選
択透過性を有する金属で構成された膜である。水素分離
膜18は、パラジウム金属単体で構成することも可能で
あるが、本実施例では、セラミックで構成された多孔質
支持体の細孔中にパラジウムの微粒子を担持させて形成
された膜を用いた。本実施例の水素分離膜18の構造に
ついて説明する。
【0043】図2は水素分離膜18の断面図である。本
実施例の水素分離膜18は水素分離金属が担持された厚
さ0.1mm〜5mmの多孔質支持体である。図示する
通り、水素分離膜18の内部では多孔質支持体を構成す
るセラミック微粒子18Bが数百Å程度の間隔を空けて
存在しており、細孔を形成している。この細孔内部に水
素分離金属であるパラジウム微粒子18Cが担持されて
いる。図示の都合上、パラジウム微粒子18Cは散在す
るように示されているが、実際には、多孔質支持体の細
孔を内部で塞ぐ程度に密に担持されている。但し、必ず
しも全ての細孔を塞いでいるとは限らない。水素を含有
する混合ガスが、セラミック微粒子18Bの隙間を通過
する際に、パラジウム微粒子18Cで塞がれたいずれか
の細孔を必然的に通過する程度に、パラジウム微粒子1
8Cが担持されていればよい。なお、担持する金属とし
ては、水素を選択的に透過する性質を有する種々の物質
を適用でき、パラジウムと銀の合金や、ランタンとニッ
ケルの合金などを用いることができる。また、セラミッ
ク微粒子としては、アルミナ、窒化珪素、シリカ等を用
いることができる。かかる水素分離膜18は、予め形成
された多孔質支持体にパラジウム微粒子18Cを溶かし
た溶剤を含浸させて焼成する含浸担持法や、多孔質支持
体を構成するセラミック微粒子とパラジウム微粒子を混
合したポリマーを焼成する方法などによって製造するこ
とができる。
【0044】改質部16で改質反応によって生成された
水素は、分離部20との水素分圧差によって水素分離膜
18を分離部20側に通過する。水素以外のガスは水素
分離膜18を通過し得ないため、燃焼部22に供給され
る。本実施例では、分離部20には、燃焼部22を経た
ガスがパージガスとして供給され、水素の抽出を助けて
いる。原料の一部は上流側から改質部16,水素分離膜
18、分離部20と通過し、残りの未透過ガスは改質部
16、燃焼部22,分離部20と通過することになる。
【0045】図3は分離機構の概略構成を示す説明図で
ある。図中にハッチングを付して示した水素分離膜18
を挟んで、上方に改質部16、下方に分離部20を示し
た。改質部16には、図示する方向に原料ガスが供給さ
れ、内部で改質反応が生じる。その過程で生成された水
素は、逐次、水素分離膜18を通って分離部20側に抽
出される。下流側に排出された未透過ガスは、改質部1
6の下流に位置する燃焼部22に供給され、燃焼が行わ
れる。
【0046】パージガスは、改質部16の全圧よりも分
離部20の全圧が高くなるか若しくは等しい条件下で供
給される。但し、パージガスは未透過ガスであるため、
分離部20の水素分圧は改質部16よりも低い。このよ
うな圧力条件でパージガスを供給することにより、水素
分離膜18にピンホールが存在する場合でも、改質部1
6で発生した一酸化炭素が分離部20側にリークするの
を抑制することができる。また、このようなピンホール
が存在すると、分離部20側から改質部16側に未透過
ガス中に残留する水蒸気が通過し、改質反応に供される
利点もある。なお、水素分離効率の観点からは、改質部
16の全圧が分離部20の全圧よりも高いことが望まし
い。ピンホールが存在する可能性が低い場合には、かか
る圧力条件を適用してもよい。分離機構での圧力条件
は、特に断らない限り、以下の各実施例で同様である。
【0047】図3に示す通り、本実施例では、原料ガス
の流れ方向と、パージガスの流れ方向とを対向させるも
のとした。一般に水素分離膜18での水素透過性能は、
改質ガスの供給面となる改質部16側の面と、分離部2
0側の面との水素分圧差に依存する。改質部16では、
下流に行くほど改質反応が進むため、水素分圧が高くな
る。一方、分離部20では、上流ほどパージガス中の水
素が低くなる。従って、両者の流れを対向させ、改質部
16を流れる原料ガスの下流側と分離部20を流れるパ
ージガスの上流側とを近傍に位置させることによって、
この部位での水素分圧差を非常に大きくすることができ
る。この結果、水素の分離を効率的に行うことが可能と
なる。
【0048】図1に戻り、燃料ガス生成システムの概略
構成について引き続き説明する。改質部16から分離部
20に分離された水素は、凝縮器26で余分の水蒸気を
凝縮水として取りだした後、燃料ガスとして燃料電池2
8に供給される。燃料ガス中の水蒸気を除去してから燃
料電池28に供給することにより、燃料電池28の電極
での結露を回避することができ、燃料電池28での発電
を安定させることができる。分離部20に分離されずに
残った未透過ガスは、改質部16から燃焼部22に供給
される。先に式(1)(2)で示した通り、改質反応で
は水素の他に一酸化炭素が生成される。未透過ガスには
一酸化炭素が多く含まれることになる。燃焼部22は、
この未透過ガスを燃焼することにより一酸化炭素を二酸
化炭素に酸化し、分離されずに残った水素を水蒸気に酸
化する。燃焼時の熱は、原料の加熱等に利用される。本
実施例では、水素を一旦分離した後の未透過ガスを燃焼
するため、生成された水素の大部分は酸化されずに燃料
ガスに活用される。こうして、燃料電池28の電極を被
毒する有害な物質である一酸化炭素の濃度が十分に低減
され、窒素、水蒸気、二酸化炭素、若干の酸素を含有し
たガスが生成される。このガスは、先に説明した通り、
パージガスとして分離部20に供給され、抽出された水
素とともに、凝縮器26を経て燃料電池28に供給され
る。
【0049】以上で説明した燃料電池システムによれ
ば、改質部16で生成された水素を分離部20に分離す
ることにより、改質部16での反応を促進することがで
きる。また、分離部20にパージガスを供給し抽出され
た水素を運搬して分離部20の水素分圧を低い状態に保
つことにより、水素を効率的に分離することができる。
【0050】このパージガスとして改質反応によって生
成されたガスのうち分離されずに残った未透過ガスを利
用するため、パージガスを新たに生成するための特別な
機構、例えば蒸発器などを要しない。パージガスの再利
用を前提として凝縮性ガスを用いる場合と異なり、凝縮
器を省略または小型化することができる。この結果、本
実施例では、システムの小型化を図ることができる。
【0051】本実施例では、未透過ガスに含まれる一酸
化炭素を燃焼器で酸化した上でパージガスとして利用す
るため、燃料電池28の電極を被毒するおそれを低減で
きる。ここで、燃焼部22は比較的小型のユニットで酸
化できるため、システム全体を小型化することもでき
る。
【0052】B.第2実施例 カソードオフガスをパー
ジガスとして利用する構成:図4は第2実施例としての
燃料電池システムの概略構成を示す説明図である。第1
実施例では、改質部16で生成された改質ガスのうち分
離部20に分離されなかった未透過ガスをパージガスと
して用いる場合を例示した。第2実施例では、この未透
過ガスに加えて燃料電池28のカソードオフガスをもパ
ージガスとして利用する場合を例示する。
【0053】図示する通り、第2実施例におけるシステ
ムの構成は、第1実施例と同様である。燃料電池28の
カソードオフガスを改質部16の上流側に供給する流路
が構成されている点で第1実施例と相違する。燃料電池
28のカソードには、空気が供給され、その中の酸素が
発電に利用されるから、カソードオフガスは、窒素を主
成分とし微量の酸素を含む組成である。
【0054】カソードオフガスは改質部16に供給され
た後、燃焼部22を通ってパージガスとして分離部20
に供給される。カソードオフガスをもパージガスとして
利用すれば、未透過ガスのみを利用する場合に比較して
パージガスの量を増やすことができ、分離部20の水素
分圧をより低減することができる利点がある。また、カ
ソードオフガス中の酸素が改質部16での反応に供され
る利点もある。さらに、カソードオフガスを燃焼部22
で燃焼させて酸素を消費した後、パージガスとして利用
するため、分離部20で抽出された水素とカソードオフ
ガス中の酸素とが反応することをより確実に抑制するこ
とができる。
【0055】C.第2実施例の変形例 カソードオフガ
スの供給部位に関する変形例:第2実施例では、カソー
ドオフガスを改質部16の上流側に供給する場合を例示
した。カソードオフガスの供給部位は、これに限定され
るものではない。図5は第2実施例の第1の変形例とし
ての燃料電池システムの概略構成を示す説明図である。
ここでは、カソードオフガスを改質部16と燃焼部22
との間に供給する場合を例示した。かかる態様で供給す
る場合、カソードオフガス中の酸素を改質反応に供する
ことはできないが、その他の点では第2実施例と同様の
利点がある。
【0056】図6は第2実施例の第2の変形例としての
燃料電池システムの概略構成を示す説明図である。ここ
では、カソードオフガスを燃焼部22と分離部20との
間に供給する場合を例示した。かかる場合も、カソード
オフガス中の酸素を改質反応に供することはできない
が、その他の点では第2実施例と同様の利点がある。ま
た、パージガスの温度が燃料電池の運転温度に非常に近
くなるという利点もある。改質部16は非常に高温で反
応が行われるため、燃料電池28に供給する前に抽出さ
れた水素を含む燃料ガスの温度を熱交換機で低減する処
理が必要になることが多い。カソードオフガスは燃料電
池28の運転温度に近いガスであるから、第2の変形例
によれば、このガスを用いて水素を分離することにより
燃料ガスの温度を燃料電池28の運転温度に近づけるこ
とができ、熱交換機の小型化または省略を図ることがで
きる。
【0057】第2実施例および変形例では、カソードオ
フガスを利用する場合を例示した。これに対し、アノー
ドオフガスをパージガスとして利用することも可能であ
る。アノードオフガスを利用するシステムは、図4〜5
に示した各構成において、カソードオフガスを供給する
流路を、アノードオフガスを供給する流路に置換するこ
とで容易に構成可能であるため、図示を省略する。
【0058】アノードオフガスを利用した場合も第2実
施例と同様、パージガスの量を増やすことができる利点
がある。アノードオフガスには燃料電池の反応で生成さ
れた水蒸気が含まれているから、図4に準じた構成で改
質部16の上流側にアノードオフガスを供給するものと
すれば、この水蒸気を改質反応に利用できる利点もあ
る。アノードオフガスには燃料電池28での反応に使用
されなかった残留水素が残っているため、アノードオフ
ガスをパージガスとして利用すれば、この残留水素を再
び燃料電池28に供給することができ、無駄なく利用で
きる利点もある。
【0059】D.第3実施例 未透過ガスにシフト処
理、CO酸化処理を施す構成:図7は第3実施例として
の燃料電池システムの概略構成を示す説明図である。シ
ステムの基本的な構成は第1実施例と同様である。第1
実施例における燃焼部22に代えて、シフト部23,C
O酸化部24を備える点が相違する。
【0060】シフト部23とは、先に式(3)で示した
シフト反応を行うユニットであり、改質部16から排出
された未透過ガスを通過する流路に、シフト反応に適し
た触媒を担持するとともに水蒸気を供給する構成となっ
ている。CO酸化部24は、シフト部23での反応を経
て、更に残った一酸化炭素を触媒反応によって酸化する
ためのユニットである。CO酸化部24から排出された
ガスは、パージガスとして分離部20に供給される。第
3実施例の構成においては、水素の分離を実現するため
に、改質部18の全圧が分離部20の全圧よりも高い条
件下でパージガスの供給をする必要があることが確認さ
れた。
【0061】第3実施例の燃料電池システムによれば、
第1実施例と同様の利点がある。即ち、パージガスを生
成する特別な機構を備えることなく、パージガスの供給
が可能となる利点がある。未透過ガスを利用するため、
無駄なく水素を利用できる利点もある。
【0062】第3実施例では、未透過ガス中の一酸化炭
素を低減するために触媒反応を行うユニット、即ちシフ
ト部23とCO酸化部24を備えている。このため、第
1実施例における燃焼部22に比較してシステムが大型
化する傾向にあるものの、次に示す利点がある。つま
り、未透過ガスに対してシフト反応を施すことにより、
更に水素を生成することができ、水素の生成効率を向上
することができる。しかも、水素分圧の低い未透過ガス
に対してシフト反応を施すため、反応速度を向上するこ
ともできる。この結果、第3実施例によれば、原料から
の水素の生成効率を大きく向上することができる。
【0063】図8は第3実施例における変形例としての
燃料電池システムの概略構成を示す説明図である。分離
部20Aをシフト部23に一体的に構成している点で第
3実施例と相違する。分離膜18A、分離部20Aの作
用は、改質部16と一体的に構成された場合を同様であ
る。ガソリンを原料として改質を行う場合には、変形例
のようにシフト部23に分離機構を備えることが望まし
い。天然ガスを原料として改質を行う場合には、第3実
施例のように改質部16に分離機構を設けることが望ま
しい。なお、分離機構は、必ずしも改質部16またはシ
フト部23に一体的に構成する必要はない。改質部16
に一体的に備えられた分離機構に代えて、改質部16と
シフト部23との間に、分離機構を別体として備えても
よい。シフト部23に一体的に備えられた分離機構に代
えて、シフト部23とCO酸化部24との間に、分離機
構を別体として備えても良い。
【0064】E.第4実施例 カソードオフガスをパ
ージガスとして利用する構成:第3実施例では、改質部
16から排出された未透過ガスをパージガスとして利用
する場合を例示した。かかる構成においても第2実施例
と同様、燃料電池28からのオフガスを併せてパージガ
スに利用するシステムを構成することができる。図9は
第4実施例としての燃料電池システムの概略構成を示す
説明図である。図示する通り、第3実施例の構成に加え
て、燃料電池28のカソードオフガスをパージガスとし
て利用する場合を例示した。カソードオフガスは、改質
部16の上流側に供給される。
【0065】第4実施例の燃料電池システムは、燃焼部
22がシフト部23,CO酸化部24に置換されている
ものの、その他の点では第2実施例と同じ構成である。
従って、第4実施例は、第3実施例の利点と併せて第2
実施例における利点をも有している。
【0066】第2実施例では、カソードオフガスの供給
部位に応じて第1の変形例(図5)および第2の変形例
(図6)を示した。第4実施例においても同様の変形例
を挙げることができる。例えば、カソードオフガスを改
質部16とシフト部23との間に供給するものとしても
よい。この構成は、先に示した第2実施例の第1変形例
(図5)に対応し、同様の利点を有している。
【0067】図10は第4実施例における第1の変形例
としての燃料電池システムの概略構成を示す説明図であ
る。カソードオフガスをシフト部23とCO酸化部24
の間に供給する場合を例示した。カソードオフガスに何
らかの処理を施した上でパージガスとして利用する点
で、第2実施例における第1の変形例と類似した構成で
あり、同様の利点を有している。
【0068】図11は第4実施例における第2の変形例
としての燃料電池システムの概略構成を示す説明図であ
る。カソードオフガスをCO酸化部24と分離部20と
の間に供給する場合を例示した。第2実施例における第
2の変形例(図6)に対応する構成であり、同様の利点
を有している。
【0069】第4実施例およびその変形例では、カソー
ドオフガスを利用した場合を例示した。これに対し、ア
ノードオフガスを利用できる点についても第2実施例お
よびその変形例と同様である。また、アノードオフガス
を利用した場合の利点についても同様である。第4実施
例においてもガソリンを原料として使用する場合には、
シフト部23、またはシフト部23とCO酸化部24と
の間に分離機構を設けることが望ましい。
【0070】F.第5実施例 カソードオフガスのみを
パージガスとして利用する構成:図12は第5実施例と
しての燃料電池システムの概略構成を示す説明図であ
る。第1実施例ないし第4実施例では、改質部16から
排出された未透過ガスをパージガスとして利用する場合
を例示した。これに対し、第5実施例では、未透過ガス
をパージガスとして利用せず、カソードオフガスのみを
パージガスとして利用する点で第1実施例ないし第4実
施例と相違する。
【0071】第5実施例の各構成部は、第1実施例と同
様の構成であるため説明を省略する。第1実施例では、
燃焼部22から排出されたガスが分離部20に供給され
ていたのに対し、第5実施例ではそのまま排気される点
で相違する。また、カソードオフガスが分離部20に供
給される点で第1実施例と相違する。
【0072】第5実施例によれば、第1実施例と同様、
パージガスを新たに生成する特別な機構を要しない利
点、これによりシステムの小型化を図ることができる利
点、パージガスを供給して水素を分離することにより分
離効率を向上することができる利点がある。
【0073】第5実施例では、更に次の利点がある。カ
ソードオフガスは、水素分圧が低いため、パージガスに
適しており、分離部20での分離効率を向上することが
できる利点がある。カソードオフガス中の酸素は微量で
あるため、分離された水素との反応が生じたとしてもご
くわずかであるから、酸化処理を施すことなくパージガ
スとして利用できる利点がある。また、パージガスの温
度が燃料電池28の運転温度に近いという利点もある。
【0074】第5実施例のシステムは、改質部16また
は燃焼部22の上流側に燃料電池28のオフガスを更に
供給する構成としてもよい。図13は第5実施例におけ
る第1の変形例としての燃料電池システムの概略構成を
示す説明図である。ここでは、アノードオフガスを改質
部16の上流側に供給する場合を例示した。こうするこ
とにより、アノードオフガス中の成分、例えば水蒸気を
改質反応に供することができる。また、アノードオフガ
ス中の残留水素が水素分離膜18で分離されれば、残留
水素を燃料電池に再度供給でき、発電に利用できる利点
がある。
【0075】図14は第5実施例における第2の変形例
としての燃料電池システムの概略構成を示す説明図であ
る。ここでは、アノードオフガスを燃焼部22の上流側
に供給する場合を例示した。こうすることにより、アノ
ードオフガス中の残留水素を燃焼部22で酸化した後、
排気することができる。
【0076】第1の変形例(図13)、第2の変形例
(図14)では、アノードオフガスを改質部16または
燃焼部22の上流側に供給する場合を例示した。これに
対し、カソードオフガスを分離部20に供給しつつ、そ
の一部を改質部16または燃焼部22の上流側に供給す
るものとしてもよい。
【0077】G.第6実施例 処理後の未透過ガスを燃
料ガスに合流させる構成:図15は第6実施例としての
燃料電池システムの概略構成を示す説明図である。カソ
ードオフガスを分離部20に供給する点を含む基本的な
構成は第5実施例と同様である。第5実施例における燃
焼部22に代えて、シフト部23、CO酸化部24を備
え、かつ、ここで処理されたガスを分離部20で抽出さ
れた水素と合流して燃料電池28に供給する流路構成と
なっている点で第5実施例と相違する。シフト部23,
CO酸化部24の構成は、第3実施例と同様である。
【0078】第6実施例では、パージガスとしてカソー
ドオフガスを利用するため、第5実施例と同様の利点を
有している。第6実施例は、燃焼部22に代えて、シフ
ト部23,CO酸化部24を用いることにより、次の利
点を有している。改質部16から排出された未透過ガス
に対してシフト反応を施すことにより、更に水素を生成
することができる。しかも、改質部16で生成された水
素が分離された後の水素分圧が低い状態でシフト反応を
施すため、非常に反応速度が高い利点がある。こうして
得られた水素を分離部20で得られた水素と合流して使
用するため、第6実施例によれば、原料から水素を生成
する効率を向上することができる。
【0079】第6実施例においても、さらに、燃料電池
28のオフガスを種々の部位に供給する変形例を構成す
ることができる。図16は第6実施例における第1の変
形例としての燃料電池システムの概略構成を示す説明図
である。ここでは、アノードオフガスを改質部16の上
流側に供給する場合を例示した。こうすることにより、
アノードオフガス中の成分を改質反応に供することがで
きる利点がある。また、アノードオフガス中の残留水素
を燃料電池に再度供給でき、発電に利用できる利点があ
る。
【0080】図17は第6実施例における第2の変形例
としての燃料電池システムの概略構成を示す説明図であ
る。ここでは、アノードオフガスを改質部16とシフト
部23との間に供給する場合を例示した。こうすること
により、アノードオフガス中の成分、例えば水蒸気をシ
フト反応に供することができる利点がある。シフト反応
後のガスは、燃料電池28に供給されるから、これと併
せてアノードオフガス中の残留水素を燃料電池に再度供
給できる利点もある。
【0081】図18は第6実施例における第3の変形例
としての燃料電池システムの概略構成を示す説明図であ
る。ここでは、アノードオフガスをシフト部23とCO
酸化部24との間に供給する場合を例示した。図19は
第6実施例における第4の変形例としての燃料電池シス
テムの概略構成を示す説明図である。ここでは、アノー
ドオフガスをCO酸化部24の下流側に供給する場合を
例示した。アノードオフガス中にはCO酸化反応に有効
活用できる成分はほとんど存在しない。第3および第4
の変形例では、アノードオフガス中の成分を何らかの反
応で有効活用することはできないものの、改質部16、
シフト部23での反応を妨げずにアノードオフガスを燃
料電池28に再供給できる利点がある。アノードオフガ
ス中には残留水素が含まれるため、アノードオフガスを
改質部16,シフト部23に供給すると、改質反応、シ
フト反応の反応速度を低下させる。第3および第4の変
形例では、改質部16,シフト部23を避けてアノード
オフガスを供給するため、残留水素が改質反応、シフト
反応の促進を阻害することがない。
【0082】第1ないし第4の変形例では、アノードオ
フガスを改質部16等に供給する場合を例示した。これ
に対し、カソードオフガスを分離部20に供給しつつ、
その一部を改質部16等に供給するものとしてもよい。
第6実施例においてもガソリンを原料として使用する場
合には、シフト部23、またはシフト部23とCO酸化
部24との間に分離機構を設けることが望ましい。
【0083】H.第7実施例: パージガスの流量制
御:第1〜第6実施例では、それぞれ燃料電池システム
のハードウェア構成を中心に説明した。本実施例の燃料
ガス生成システムは、パージガスの流量を制御しない態
様で実施できるが、パージガスの流量を制御することに
より、燃料ガスの生成効率、燃料電池の運転効率、応答
性の向上を図ることができる。第7実施例では、パージ
ガスの流量を制御する構成について例示する。
【0084】図20は第7実施例における燃料電池シス
テムの概略構成を示す説明図である。基本的な構成は、
第5実施例と同様である。第7実施例では、アノードオ
フガスをもパージガスとして利用すべく、燃料電池28
のアノード出口から分離部20にアノードオフガスを供
給する配管が備えられている点で第5実施例と相違す
る。また、パージガスの一部として、分離部20に空気
を供給可能な配管が設けられている点でも第5実施例と
相違する。
【0085】第7実施例では、更に、パージガスの流量
を制御するために、次の要素を備えている。パージガス
として供給されるアノードオフガス、空気、カソードオ
フガスの流量を個別に調整するための流量調整機構とし
て、第7実施例では、各流路にポンプ110,111,
112を設けた。また、アノードオフガスの流路には、
分離部20への循環と外部への排気を切り替えるため
に、切替弁113を設けた。パージガスの流量は、EC
U100により制御される。ECU100は、内部にC
PU、ROM、RAM等を備えたマイクロコンピュータ
である。流量制御に用いる情報として、ECU100に
は、圧力センサ102および要求電力が入力される。圧
力センサ102は、アノードオフガスの流量を圧力によ
って検出するためのセンサである。後述する通り、第7
実施例では、パージガスに主としてアノードオフガスを
用いるため、圧力センサ102をかかる部位に設けた。
分離部20の入り口近傍、カソードオフガスの配管、空
気の配管など、圧力センサは主として用いるパージガス
の種類に応じて種々の部位に設けることができる。EC
Uは、圧力センサ102および要求電力に応じ、燃料電
池28、ポンプ110,111,112および切替弁1
13の動作を制御する。ECUは、流量テーブル101
を参照しながら、流量の制御を行う。ECUは、改質部
16,燃焼部22などの動作も制御しているが、第7実
施例では、パージガスの流量制御に密接に関わっている
部分のみを図示した。
【0086】パージガスの流量制御は、次の考え方に基
づいて行われる。第7実施例では、アノードオフガスの
流量を燃料電池28の要求電力に応じて予め設定された
最適な値に制御する。ここで、要求電力が急激に増大し
た場合には、応答性を向上させるために、過渡的にアノ
ードオフガスの流量を最適値よりも増加させる。燃料電
池28が暖機前の状態においては、暖機を助けるために
空気をパージガスに導入する。また、アノードオフガス
のみでは所望の流量を確保できない場合には、カソード
オフガスをパージガスとして導入する。
【0087】具体的には、以下の処理を実行することで
流量は制御される。図21は流量制御処理ルーチンのフ
ローチャートである。ECU100が他の制御処理とと
もに繰り返し実行する処理である。この処理が開始され
るとECU100は、燃料電池28の要求電力を入力
し、その変化率を算出する(ステップS10)。次に、
この要求電力および変化率に基づいてパージガスの流量
目標値を設定する(ステップS12)。流量目標値は、
予め用意されたマップからの読みとりによって設定され
る。
【0088】図22は流量目標値を与えるマップを例示
する説明図である。図22(a)には、要求電力に応じ
てパージガスの流量を与えるマップを例示した。一例と
して要求電力E1に対しては、パージガスの流量の目標
値はF1と設定される。目標値の設定方法は、後述す
る。目標流量は、燃料電池28の運転状態によって影響
を受けるため、第7実施例では、燃料電池28の温度に
応じて、それぞれマップを用意するものとした。パージ
ガスの目標値に影響を与えるその他のパラメータを考慮
するものとしてもよい。また、こうしたパラメータに関
わらず単一のマップを用いるものとしてもよい。ここで
は、マップを用いる場合を例示したが、要求電力と流量
の目標値との関係を、関数で記憶する形式を用いても良
い。
【0089】本実施例では、図22(a)のテーブルに
よって、要求電力に応じてパージガスの流量を設定した
後、要求電力の変化率に応じて流量目標値を補正し、最
終的な目標値を設定する。図22(b)は要求電力の変
化率に対し、流量目標値の補正量を与えるマップであ
る。図示する通り、要求電力の変化率が急増した場合、
即ち、変化率が臨界値Limを超えた場合には、正の流
量補正量が設定される。こうして設定された流量補正量
を図22(a)で設定された目標値に加えることで、最
終的な流量目標値が設定される。本実施例では、図中に
実線で示す通り、変化率に応じて増加するものとした
が、図中に破線で示すように、不連続的に変化する態
様、変化率に関わらず一定値とする態様としてもよい。
補正量は、図22(a)の流量目標値に乗じる係数の形
で設定してもよい。
【0090】要求電力に応じたパージガスの流量目標値
(図22(a))の設定方法について説明する。図23
は流量目標値の設定方法を示す説明図である。パージガ
スの流量と燃料電池の運転効率との関係を示した。パー
ジガスの流量を増加すると、第1〜第6実施例において
説明した作用に従い、分離部20での水素分離効率が向
上する。従って、燃料電池28に水素を効率的に供給す
ることが可能となり、燃料電池28の運転効率が向上す
る。図中の曲線Ef1は、ある要求電力に対し、かかる
作用による運転効率の向上を示している。一方、パージ
ガスの流量を増大したときは、ポンプ110,111,
112の駆動に要する動力が増大する。これは、燃料電
池28の運転効率を低下させる要因となる。図中の曲線
Ef2は、パージガスを流すために生じる損失を表して
いる。これらの曲線は、実験または解析によって得るこ
とができる。
【0091】実際の燃料電池28の運転効率は、パージ
ガスの流量増大による運転効率の向上効果(曲線Ef
1)からガスを流すための損失(曲線Ef2)を引いた
値となり、図中の曲線Efで与えられる。ハッチングを
付した領域が、パージガスを流すための損失に相当す
る。この結果、パージガスの流量には、燃料電池28の
運転効率を最大にすることができる最適値が存在する。
図23の例では、ポイントPが最適点に相当し、それに
対応した流量Foptが最適な流量となる。図22
(a)のマップは、要求電力に応じて、かかる考え方に
基づいて設定された最適値を流量目標値として設定して
いる。なお、ここでは典型的な例として、運転効率Ef
に最大値が現れる場合を例示した。燃料電池28の構
成、要求電力によっては、運転効率Efが単調増加また
は単調減少となる可能性もある。かかる場合には、燃料
電池28の運転上の制約、パージガス流量の上限値など
を考慮して、できるだけ運転効率が高くなる範囲で流量
目標値を設定すればよい。
【0092】図21に戻り、流量制御処理について説明
する。流量目標値が設定されると(ステップS12)、
ECU100は、燃料電池28が暖機中か否かを判断し
(ステップS14)、暖機中と判断された場合には、ポ
ンプ112を運転して空気をパージガス中に導入する
(ステップS16)。暖機済みの場合には、空気はパー
ジガス中に導入されない。空気を導入するのは、空気中
に含まれる酸素を導入することが目的である。導入され
た酸素は、燃料ガスの配管中に含まれる水素と反応する
際に熱を出す。この熱により、燃料電池28の暖機が促
進される。この場合、アノードオフガス中にはほとんど
水素が残留していないことになる。このアノードオフガ
スを再び分離部20に循環しても水素の有効利用になら
ないため、ECU100は、ステップS16の処理とと
もに、切替弁113を制御して、アノードオフガスを排
気する。アノードオフガスを通常通り、分離部20に循
環させるものとしても構わない。
【0093】次に、ECU100は、アノードオフガス
の流量制御を行う(ステップS18)。先に説明した通
り、本実施例では、パージガスに主としてアノードオフ
ガスを用いるものとしている。従って、ポンプ110を
制御して、ステップS12で設定された流量目標値をア
ノードオフガスで実現するように流量制御するのであ
る。この制御は、比例制御など周知のフィードバック制
御により実行される。つまり、圧力センサ102が流量
目標値に応じた圧力となるようにポンプ110の駆動状
態が制御される。
【0094】アノードオフガスの流量を制御した結果、
流量目標値が達成された場合には(ステップS20)、
ECU100は流量制御処理ルーチンを終了する。アノ
ードオフガスが流量目標値に足りない場合には、ECU
100はポンプ111を駆動してカソードオフガスをパ
ージガス中に導入する(ステップS22)。以上の処理
を繰り返し実行することにより、ECU100はパージ
ガスの流量を制御する。
【0095】図24は第7実施例における流量制御の様
子を示す説明図である。要求電力、流量目標値、空気流
量、カソードオフガス流量の時間的変化の様子を示し
た。図示する通り、要求電力が、時刻t0〜t2でEr
1、時刻t4〜t6でEr2,時刻t7〜t10でEr
3、時刻t11以降でEr1に変化した場合を考える。
時刻t2〜t4間における要求電力の変化率は、先に図
22(b)で示した臨界値Limよりも十分に小さい値
であるものとする。時刻t6〜t7における要求電力の
変化率は、臨界値Limよりも大きい急激な変化である
ものとする。なお、時刻t0〜t1間において、燃料電
池28は未暖機状態にあるものとする。
【0096】上述した要求電力の変化に対し、図21に
示した制御処理によって、流量目標値、空気流量、カソ
ードオフガス流量は次の通り変化する。時刻t0〜t1
間では、燃料電池28が未暖機状態であるため、パージ
ガスには空気が導入される(図21のステップS1
6)。時刻t1以降では、燃料電池28の暖機が完了す
るため、空気は導入されない。一方、暖機中は、アノー
ドオフガスの流量目標値は設定されない。時刻t1に至
り、燃料電池28の暖機が完了すると、空気の導入が中
止され、パージガスの流量目標値が設定される。この時
点では、図22(a)のマップに基づき、要求電力Er
1に応じた流量Ft1が目標値として設定される。流量
目標値Ft1は、アノードオフガスのみで供給可能な範
囲にあり、カソードオフガスは導入されない。
【0097】その後、時刻t2〜t4にかけて要求電力
がEr1からEr2に増大すると、若干の時間遅れを伴
って、時刻t3〜t5にかけて目標値がFt1からFt
2に増大する。それぞれの目標値は図22(a)のマッ
プに基づき設定された値である。この間の変化率は、十
分緩やかであるため、図22(b)のマップに基づく補
正量は加味されない。
【0098】時刻t6〜t7にかけて要求電力がEr2
からEr3に増大すると、若干の時間遅れを伴って、時
刻t7〜t8にかけて流量目標値が増大する。この間の
変化率は大きいため、流量目標値は、図22(a)のマ
ップに基づいて設定された値に、図22(b)のマップ
に基づいて設定された補正量を加味してFt4に設定さ
れる。この流量はアノードオフガスのみで賄うことがで
きないため、不足分を補償するようカソードオフガスが
導入される。
【0099】時刻t7〜t10において、要求電力が一
定の値Er3で安定し、要求電力の変化率が0となる
と、図22(b)のマップに基づく補正量は0となる。
この結果、流量目標値は、図22(a)のマップに従っ
て設定された値のみとなり、値Ft4からFt3に低減
する。この流量はアノードオフガスのみで供給可能であ
り、カソードオフガスの供給は中止される。その後、時
刻t10〜t11において、要求電力がEr1まで減少
すると、若干の時間遅れを伴って、流量目標値も要求電
力Er1に対応したFt1まで減少する。時刻t10〜
t11の変化率は大きいが、減少方向の変化の場合に
は、図22(b)のマップに基づく補正量は加味されな
い。
【0100】以上で説明した第7実施例の燃料電池シス
テムによれば、パージガスの流量を制御することによ
り、次に示す利点が得られる。第1に図23に示した通
り、パージガスの流量を要求電力に応じた最適な値に制
御するため、燃料電池28の運転効率を向上することが
できる。第2に燃料電池28が未暖機の場合にパージガ
ス中に空気を導入することによって、暖機を促進するこ
とができる。燃料ガス中の水素と空気中の酸素との反応
熱が暖機に供されるからである。
【0101】第3に要求電力の変化率が高い場合には、
パージガスの流量を最適値より増大することにより(図
22(b)参照)、次の利点がある。パージガスの流量
を増大することにより、燃料ガス全体の流速が向上し、
燃料電池28内での拡散性を向上することができ、各セ
ルに速やかに燃料ガスを供給することができるととも
に、燃料ガス中の水素の利用率を向上することができ
る。また、パージガスの流量の増大により、分離部20
での水素の分離効率を向上させ、より効率的に水素を燃
料電池28に供給することが可能となる。さらに、パー
ジガスの流量を増大すれば、水素を効率的に分離するこ
とができる結果、分離部20の下流側から燃料電池28
までの配管中における水素量を増大でき、負荷状態の変
動に対する燃料ガス供給を、配管中に分布する水素によ
り速やかに行うことができる。これらの利点によって、
燃料電池を高い応答性で運転することが可能となる。
【0102】第4にアノードオフガスで流量が不足する
場合に、カソードオフガスを補足的に用いることによ
り、パージガスの流量を維持することができる。この結
果、燃料ガスを安定して供給し、燃料電池28の運転を
安定させることができる。特に、分離部20において抽
出側から改質側にパージガスが逆拡散する可能性、燃料
電池の電解質膜部分その他における漏れなどの可能性が
ある場合には、複数のガス導入源からパージガスを供給
することにより、安定した運転を実現することができ
る。第7実施例では、カソードオフガスを補足的に使用
する場合を例示したが、空気や水蒸気を補足的に使用す
るものとしてもよい。逆に、パージガスに主としてカド
ーソオフガスを利用する構成において、アノードオフガ
スを補足的に使用するものとしてもよい。
【0103】第7実施例では、パージガスに主としてア
ノードオフガスを用いる構成を例にとってパージガスの
流量制御を説明した。パージガスの流量制御は、必ずし
もアノードオフガスを主として用いる構成に限らず、先
に第1〜第6実施例およびその変形例で示した種々の構
成に適用可能である。カソードオフガスを主として用い
るものとしてもよいし、アノードオフガスおよびカソー
ドオフガスを併せてパージガスに用いるものとしてもよ
い。アノードオフガスのみをパージガスとして用いるも
のとしてもよい。両者を切り替える態様を採ることもで
きる。
【0104】主としてアノードオフガスを循環させる場
合には、循環する配管中に予め窒素などの不活性ドライ
ガスを充填しておくものとしてもよい。かかる場合は、
不活性ドライガスがパージガスとして使用されることに
なる。不活性ドライガスは、燃料電池での反応で消費さ
れないため、循環させることにより、一定量のパージガ
スを供給することができる。第7実施例では、運転開始
時に空気をパージガスとして供給しつつ、切替弁113
の切り替えによってアノードオフガスを排気する場合を
例示したが、不活性ドライガスを循環させる場合には、
アノードオフガスの排気を原則として禁止することが望
ましい。
【0105】不活性ドライガスを循環させる態様では、
未透過ガス等をパージガスとして利用する態様に比べ
て、運転開始時に直ちにパージガスの供給を行うことが
でき、当初から水素分離を効率的に行うことができる利
点がある。また、不活性ドライガスをパージガスとして
利用すれば、結露する可能性が低いため、燃料電池に燃
料ガスを供給する前の凝縮器26を省略することが可能
となり、装置の小型化を図ることもできる。なお、分離
機構で分離部20から改質部16側に不活性ガスが抜け
るなどの原因により、不活性ガスの量が徐々に低減する
可能性もある。かかる場合には、空気、カソードオフガ
ス、未透過ガス、アノードガスなどで補充する構成を採
ることが望ましい。空気、カソードオフガスの利用は、
第7実施例と同様の構成で実現できる。未透過ガスの利
用は、第1〜第6実施例で示した種々の構成を利用して
実現できる。
【0106】なお、第7実施例で示したパージガスの流
量制御において、暖機時の処理(図21のステップS1
6)、要求電力の変化率に基づく補正(図22(b)参
照)、流量不足時における補助的なパージガス導入源の
利用(図21のステップS22)の適用は、それぞれ任
意に選択可能である。
【0107】以上の実施例では、未透過ガス、燃料電池
28のオフガスを単独、または併せてパージガスとして
利用する態様を例示した。かかる構成に加えて、水蒸気
その他の凝縮性ガスまたは不活性ガスを併せてパージガ
スとして利用するものとしてもよい。また、燃料電池の
運転状態などに応じて、未透過ガス、オフガスと凝縮性
ガスとの間でパージガスを切り替える構成としてもよ
い。このように本発明は、未透過ガスおよびオフガスを
単独、または併せてパージガスとして利用する基本構成
の下、種々の態様で実現することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例としての燃料電池システムの概略構
成を示す説明図である。
【図2】水素分離膜18の断面図である。
【図3】分離機構の概略構成を示す説明図である。
【図4】第2実施例としての燃料電池システムの概略構
成を示す説明図である。
【図5】第2実施例の第1の変形例としての燃料電池シ
ステムの概略構成を示す説明図である。
【図6】第2実施例の第2の変形例としての燃料電池シ
ステムの概略構成を示す説明図である。
【図7】第3実施例としての燃料電池システムの概略構
成を示す説明図である。
【図8】第3実施例における変形例としての燃料電池シ
ステムの概略構成を示す説明図である。
【図9】第4実施例としての燃料電池システムの概略構
成を示す説明図である。
【図10】第4実施例における第1の変形例としての燃
料電池システムの概略構成を示す説明図である。
【図11】第4実施例における第2の変形例としての燃
料電池システムの概略構成を示す説明図である。
【図12】第5実施例としての燃料電池システムの概略
構成を示す説明図である。
【図13】第5実施例における第1の変形例としての燃
料電池システムの概略構成を示す説明図である。
【図14】第5実施例における第2の変形例としての燃
料電池システムの概略構成を示す説明図である。
【図15】第6実施例としての燃料電池システムの概略
構成を示す説明図である。
【図16】第6実施例における第1の変形例としての燃
料電池システムの概略構成を示す説明図である。
【図17】第6実施例における第2の変形例としての燃
料電池システムの概略構成を示す説明図である。
【図18】第6実施例における第3の変形例としての燃
料電池システムの概略構成を示す説明図である。
【図19】第6実施例における第4の変形例としての燃
料電池システムの概略構成を示す説明図である。
【図20】第7実施例における燃料電池システムの概略
構成を示す説明図である。
【図21】流量制御処理ルーチンのフローチャートであ
る。
【図22】流量目標値を与えるマップを例示する説明図
である。
【図23】流量目標値の設定方法を示す説明図である。
【図24】第7実施例における流量制御の様子を示す説
明図である。
【図25】従来技術としての燃料電池システムの概略構
成を示す説明図である。
【図26】気化熱と沸点の関係を示す説明図である。
【符号の説明】
10…原料タンク 12…蒸発器 16…改質部 18,18A…水素分離膜 18B…セラミック微粒子 18C…パラジウム微粒子 20,20A…分離部 22…燃焼部 23…シフト部 24…CO酸化部 26…凝縮器 28…燃料電池 30…水タンク 100…ECU 101…流量テーブル 102…圧力センサ 110,111,112…ポンプ 113…切替弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中田 俊秀 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 井口 哲 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 5H027 AA06 BA01 BA16 BA17 BA19

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化学的工程により所定の原料から水素を
    含有する混合ガスを生成する化学反応部と、一方の面側
    を前記混合ガスを供給する混合ガス室、他方の面側を前
    記水素が抽出される抽出室として備えられた水素分離膜
    を用いて前記混合ガスから水素を分離するための分離機
    構とを備え、少なくとも該分離機構によって分離された
    水素を用いて燃料電池に供給する水素リッチな燃料ガス
    を生成する燃料ガス生成システムであって、 前記混合ガスのうち前記分離機構で水素が分離された残
    りの未透過ガスに対し、前記燃料電池にとって有害な成
    分の濃度を低減するための低減処理を施す有害成分低減
    部と、 該低減処理を施した後の未透過ガスを、前記水素を運搬
    する運搬用ガスとして前記分離機構の前記抽出室に供給
    する運搬用ガス供給部とを備える燃料ガス生成システ
    ム。
  2. 【請求項2】 前記低減処理は、前記未透過ガスに対す
    る酸化反応である請求項1記載の燃料ガス生成システ
    ム。
  3. 【請求項3】 前記低減処理は、前記未透過ガスに対す
    る触媒反応である請求項1記載の燃料ガス生成システ
    ム。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の燃料ガス生成システムで
    あって、 前記運搬用ガス供給部は、前記運搬用ガスとして利用可
    能な部位に前記燃料電池から排出されるオフガスをも供
    給するユニットである燃料ガス生成システム。
  5. 【請求項5】 前記オフガスは、前記運搬用ガス供給部
    により、前記化学反応部の上流側に供給される請求項4
    記載の燃料ガス生成システム。
  6. 【請求項6】 前記オフガスは、前記運搬用ガス供給部
    により、前記分離機構の混合ガス室と前記有害成分低減
    部との間に供給される請求項4記載の燃料ガス生成シス
    テム。
  7. 【請求項7】 前記オフガスは、前記運搬用ガス供給部
    により、前記有害成分低減部と前記分離機構の前記抽出
    室との間に供給される請求項4記載の燃料ガス生成シス
    テム。
  8. 【請求項8】 化学的工程により所定の原料から水素を
    含有する混合ガスを生成する化学反応部と、一方の面側
    を前記混合ガスを供給する混合ガス室、他方の面側を前
    記水素が抽出される抽出室として備えられた水素分離膜
    を用いて前記混合ガスから水素を分離するための分離機
    構とを備え、少なくとも該分離機構によって分離された
    水素を用いて燃料電池に供給する水素リッチな燃料ガス
    を生成する燃料ガス生成システムであって、 前記燃料電池のカソードから排出されるカソードオフガ
    スを、前記水素を運搬する運搬用ガスとして前記分離機
    構の前記抽出室に供給する運搬用ガス供給部を備える燃
    料ガス生成システム。
  9. 【請求項9】 請求項1または請求項8記載の燃料ガス
    生成システムであって、 前記運搬用ガス供給部は、さらに、前記燃料電池のアノ
    ードから排出されるアノードガスを、前記運搬用ガスと
    して前記分離機構の抽出室に循環させる循環機構を備え
    る燃料ガス生成システム。
  10. 【請求項10】 化学的工程により所定の原料から水素
    を含有する混合ガスを生成する化学反応部と、一方の面
    側を前記混合ガスを供給する混合ガス室、他方の面側を
    前記水素が抽出される抽出室として備えられた水素分離
    膜を用いて前記混合ガスから水素を分離するための分離
    機構とを備え、少なくとも該分離機構によって分離され
    た水素を用いて燃料電池に供給する水素リッチな燃料ガ
    スを生成する燃料ガス生成システムであって、 燃料ガス生成システム中のガスのうち前記燃料電池に供
    給される前のガスに対して水素と反応しやすい成分およ
    び水素自体の少なくとも一方を低減する処理を施す低減
    処理部と、 該低減処理を施されたガスを、前記水素を運搬する運搬
    用ガスとして前記抽出室に供給する運搬用ガス供給部と
    を備える燃料ガス生成システム。
  11. 【請求項11】 請求項1,請求項8、請求項9、請求
    項10いずれか記載の燃料ガス生成システムであって、 前記燃料電池の負荷状態と前記運搬用ガスの流量との関
    係を予め記憶する記憶手段と、 前記燃料電池の負荷状態を検出する検出手段と、 該検出された負荷状態に応じて前記運搬用ガスの流量を
    制御する流量制御手段とを備える燃料ガス生成システ
    ム。
  12. 【請求項12】 化学的工程により所定の原料から水素
    を含有する混合ガスを生成する化学反応部と、一方の面
    側を前記混合ガスを供給する混合ガス室、他方の面側を
    前記水素が抽出される抽出室として備えられた水素分離
    膜を用いて前記混合ガスから水素を分離するための分離
    機構とを備え、少なくとも該分離機構によって分離され
    た水素を用いて燃料電池に供給する水素リッチな燃料ガ
    スを生成する燃料ガス生成システムであって、 前記燃料電池のアノードから排出されるアノードオフガ
    スを、前記水素を運搬する運搬用ガスとして前記分離機
    構の前記抽出室に供給する運搬用ガス供給部と、 前記
    燃料電池の負荷状態と前記運搬用ガスの流量との関係を
    予め記憶する記憶手段と、 前記燃料電池の負荷状態を検出する検出手段と、 該検出された負荷状態に応じて前記運搬用ガスの流量を
    制御する流量制御手段とを備える燃料ガス生成システ
    ム。
  13. 【請求項13】 請求項11または請求項12記載の燃
    料ガス生成システムであって、 前記検出手段は、前記燃料電池の負荷状態の変化率をも
    検出する手段であり、 前記流量制御手段は、該燃料電池の負荷状態が所定以上
    の変化率で増大したと判断された場合には、前記運搬用
    ガスの流量を、前記記憶手段に基づいて定まる流量より
    も有意に多くする手段である燃料ガス生成システム。
  14. 【請求項14】 請求項11または請求項12記載の燃
    料ガス生成システムであって、 前記運搬用ガス供給部は、さらに、運搬用ガスを供給す
    る付加的なガス導入源を備える機構であり、 前記流量制御手段は、該運搬用ガスの流量が不足すると
    きに該付加的なガス導入源を用いる手段である燃料ガス
    生成システム。
  15. 【請求項15】 請求項1,請求項8〜請求項11いず
    れか記載の燃料ガス生成システムであって、 前記運搬用ガス供給部は、前記運搬用ガスとして酸素を
    含有した酸素含有ガスを導入可能な機構であり、 前記燃料電池が暖機済みか否かを判定する暖機判定手段
    と、 該燃料電池が未暖機であると判定された場合には、前記
    運搬用ガス供給部を制御して、運搬用ガスに導入される
    前記酸素含有ガスの量を増大する制御手段とを備える燃
    料ガス生成システム。
  16. 【請求項16】 請求項1,請求項8〜請求項11いず
    れか記載の燃料ガス生成システムであって、 前記生成された燃料ガスが前記燃料電池に供給される前
    に、該燃料ガスから水蒸気を分離する気液分離機構を備
    える燃料ガス生成システム。
  17. 【請求項17】 請求項1ないし請求項16いずれか記
    載の燃料ガス生成システムと、 該燃料ガス生成システムにより生成された燃料ガスの供
    給を受けて発電を行う燃料電池とを備える燃料電池シス
    テム。
  18. 【請求項18】 燃料電池用の燃料ガスを生成する一工
    程として、一方の面側が水素を含有する混合ガスを供給
    する混合ガス室、他方の面側が前記水素を抽出する抽出
    室として備えられた水素分離膜を用いて、前記混合ガス
    から水素を分離するための水素分離方法であって、
    (a) 前記混合ガスのうち水素が分離された後の未透
    過ガスに対し、前記燃料電池にとって有害な成分の濃度
    を低減するための低減処理を施す工程と、(b) 該低
    減処理を施した後の未透過ガスを、前記水素を運搬する
    運搬用ガスとして前記抽出室に供給する工程とを備える
    水素分離方法。
  19. 【請求項19】 燃料電池用の燃料ガスを生成する一工
    程として、一方の面側が水素を含有する混合ガスを供給
    する混合ガス室、他方の面側が前記水素を抽出する抽出
    室として備えられた水素分離膜を用いて、前記混合ガス
    から水素を分離するための水素分離方法であって、 前記燃料電池のカソードから排出されるカソードオフガ
    スを、前記水素を運搬する運搬用ガスとして前記抽出室
    に供給する水素分離方法。
  20. 【請求項20】 燃料電池用の燃料ガスを生成する一工
    程として、一方の面側が水素を含有する混合ガスを供給
    する混合ガス室、他方の面側が前記水素を抽出する抽出
    室として備えられた水素分離膜を用いて、前記混合ガス
    から水素を分離するための水素分離方法であって、
    (a) 燃料ガス生成システム中のガスのうち前記燃料
    電池に供給される前のガスに対して水素と反応しやすい
    成分および水素自体の少なくとも一方を低減する処理を
    施す工程と、(b) 該低減処理を施した後の未透過ガ
    スを、前記水素を運搬する運搬用ガスとして前記抽出室
    に供給する工程とを備える水素分離方法。
  21. 【請求項21】 燃料電池用の燃料ガスを生成する一工
    程として、一方の面側が水素を含有する混合ガスを供給
    する混合ガス室、他方の面側が前記水素を抽出する抽出
    室として備えられた水素分離膜を用いて、前記混合ガス
    から水素を分離するための水素分離方法であって、
    (a) 前記燃料電池の負荷状態を検出する工程と、
    (b) 前記燃料電池の負荷状態と前記運搬用ガスの流
    量との間で予め設定された関係に基づいて、前記運搬用
    ガスの流量を該検出された負荷状態に応じた値に制御す
    る工程とを備える水素分離方法。
  22. 【請求項22】 燃料電池用の燃料ガスを生成する一工
    程として、一方の面側が水素を含有する混合ガスを供給
    する混合ガス室、他方の面側が前記水素を抽出する抽出
    室として備えられた水素分離膜を用いて、前記混合ガス
    から水素を分離するための水素分離方法であって、
    (a) 前記燃料電池の負荷状態の増加率を検出する工
    程と、(b) 該増加率が所定以上の場合に、前記運搬
    用ガスの流量を増加させる制御を行う工程とを備える水
    素分離方法。
  23. 【請求項23】 燃料ガスを利用して燃料電池の暖機を
    行う暖機方法であって、 燃料電池が未暖機の場合に、燃料ガス中に酸素を含有し
    た酸素含有ガスを混入した状態で前記燃料電池に供給す
    る工程を備える暖機方法。
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