JP2001277459A - 裏打材及び化粧パネルの製造方法 - Google Patents

裏打材及び化粧パネルの製造方法

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JP2001277459A
JP2001277459A JP2000097488A JP2000097488A JP2001277459A JP 2001277459 A JP2001277459 A JP 2001277459A JP 2000097488 A JP2000097488 A JP 2000097488A JP 2000097488 A JP2000097488 A JP 2000097488A JP 2001277459 A JP2001277459 A JP 2001277459A
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fluid mixture
cured
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Hiroshi Inoue
弘 井上
Yoshiyuki Oka
欣之 岡
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Toyo Kagaku Co Ltd
Original Assignee
Toyo Kagaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造工数を減らすことができるとともに、軽
量で高い断熱性をもち、しかも無機組成物硬化体に対し
て高い接合力を得ることができる。 【解決手段】 アルカリ土類金属酸化物と有機炭酸化合
物とを主成分とする流動状混合物を成型し硬化させた無
機組成物硬化体1の片面1aに積層される裏打材2にお
いて、裏打材2の透水係数を1×10−7〜1×10
−2cm/sec.にするとともに、嵩比重を0.2〜
0.8にした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は壁の化粧パネル及
びその裏打材に関し、特に建造物の内装用の化粧パネル
の裏打材及びその化粧パネルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、アルカリ土類金属酸化物と有機炭
酸化合物とを主成分とする無機組成物硬化体の片面に裏
打材を一体化してなる化粧パネルとして特願平11−3
6576号公報に記載されたものがある。
【0003】この化粧パネルでは、無機組成物硬化体と
特定範囲(300≦Q≦650mmHg(45mm
角))の通気度Qを有する裏打材とを一体化したので、
高い曲げ強度が得られるとともに、無機組成物硬化体に
対する裏打材の高い接合力が得られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述のような化粧パネ
ルを建造物の内装用の壁に使用する場合、無機組成物硬
化体を補強するための裏打材として軽量で高い断熱性を
もつ発泡プラスチック製等のものを無機組成物硬化体に
一体化する必要がある。その方法として無機組成物硬化
体に裏打材を接着剤で接着して、両者を互いに貼り合わ
せることが行われている。
【0005】しかし、この接着剤で接着する方法には、
工数が増加して製造コストが高くなるとともに、無機組
成物硬化体に対する裏打材の接着力がばらつくため、品
質が安定しないという問題があった。
【0006】この発明はこのような事情に鑑みてなされ
たもので、その課題は、製造工数を減らすことができる
とともに、軽量で高い断熱性をもち、しかも無機組成物
硬化体に対して高い接合力を得ることができる裏打材及
びその裏打材を用いた化粧パネルの製造方法を提供する
ことである。
【0007】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
め請求項1記載の発明の裏打材は、アルカリ土類金属酸
化物と有機炭酸化合物とを主成分とする無機組成物を成
型し硬化させた無機組成物硬化体の片面に積層される裏
打材において、透水係数が1×10−7〜1×10−2
cm/secであり、嵩比重が0.2〜0.8であるこ
とを特徴とする。
【0008】ここで透水係数とは、裏打材を透過する水
の見掛けの流速と動水勾配を関係付ける比例定数であ
る。また、嵩比重とは、水の密度に対する裏打材の密度
である。
【0009】上述のように裏打材の透水係数が1×10
−7〜1×10−2cm/sec.であるので、裏打材
を流動状混合物に積層すれば、流動状混合物の一部が裏
打材に吸い上げられて裏打材と流動状混合物とが一体化
する。接着剤を用いずに裏打材を無機組成物硬化体に接
合することができるので、化粧パネルの接着工程を省略
することができ、製造コストを低減することができると
ともに、接着剤を用いて接合したときに生じる無機組成
物硬化体に対する裏打材の接着力のばらつきをなくすこ
とができる。また、上述のように裏打材の嵩比重が0.
2〜0.8であるので、軽量で高い断熱性をもつ化粧パ
ネルを製造することができる。
【0010】請求項2記載の発明の化粧パネルの製造方
法は、アルカリ土類金属酸化物と有機炭酸化合物とを主
成分とする流動状混合物を成型し硬化させた無機組成物
硬化体と、この無機組成物硬化体の片面に積層される請
求項1記載の裏打材とで構成される化粧パネルの製造方
法において、前記アルカリ土類金属酸化物100重量部
に対して前記有機炭酸化合物が5〜80重量部配合され
た前記流動状混合物を型に注入する第1工程と、前記第
1工程後、前記流動状混合物に前記裏打材を積層する第
2工程と、前記第2工程後、前記流動状混合物に前記裏
打材を積層した状態で養生する第3工程とを含むことを
特徴とする。
【0011】請求項3記載の発明の化粧パネルの製造方
法は、請求項2記載の化粧パネルの製造方法において、
前記第1工程の後で、前記第2工程の前に、減圧された
第1チャンバ内で前記流動状混合物中の泡を除去する脱
泡工程を含むことを特徴とする。
【0012】請求項4記載の発明の化粧パネルの製造方
法は、請求項2又は3記載の化粧パネルの製造方法にお
いて、前記第3工程の作業を50〜95℃の加湿された
第2チャンバ内で行うことを特徴とする。
【0013】第2工程で裏打材に積層された流動状混合
物は第3工程で硬化して無機組成物硬化体になると同時
に、裏打材に接合される。接着剤を用いる接着工程が必
要なくなるので、製造コストが低減されるとともに、接
着剤によらずに裏打材と無機組成物硬化体とが接合され
るので、接着剤を用いて接合するときに生じる接着力の
ばらつきがなくなる。
【0014】前記アルカリ土類金属酸化物として、例え
ばMgO、CaO、SrO、BaOやその複塩(例えば
CaO・MgO等)、又はこれらを2種以上組み合わせ
たものがある。なお、上述のアルカリ土類金属酸化物の
中では、可使時間(作業可能な時間)と強度発現との点
からMgOが最も好ましい。アルカリ土類金属酸化物の
形態として、ソフトバーン(嵩比重の小さい軽焼)とハ
ードバーン(嵩比重の大きい硬焼)とがあるが、いずれ
も良好な結果を得ることができる。
【0015】なお、このアルカリ土類金属酸化物には、
原料や製法に起因する不純物、具体的にはFe
Al、SiO、TiO、NaO、KO等
の金属酸化物や、MgCO、CaCO、SrCO
等の炭酸塩、Mg(OH)、Ca(OH)などの水
酸化物が1〜30重量パーセント含有されていても問題
なく使用できる。
【0016】前記有機炭酸化合物として、例えば炭酸オ
レフィン、炭素数1〜6のアミンの水溶性炭酸塩又は炭
酸窒素化合物等がある。炭酸オレフィンとしては、エチ
レンカーボネート、プロピレンカーボネート等がある。
炭素数1〜6のアミンの水溶性炭酸塩としては、メチル
アミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリメチル
アミン、トリエチルアミン、水酸化テトラメチルアンモ
ニウム、メタノールアミン、エタノールアミン、プロピ
ルアミン、ブチルアミン、アミルアミン、ヘキシルアミ
ン等の炭酸塩などがあるが、強度発現の観点からエチレ
ンカーボネート、プロピレンカーボネート等の炭酸オレ
フィンが好ましい。また、炭酸窒素化合物としては、カ
ルバミン酸、尿素等がある。
【0017】前記裏打材の透水係数を特定した理由は、
次の通りである。裏打材の透水性が高いと、流動状混合
物が裏打材の内部に浸透し易くなるので、裏打材と無機
化合物硬化体とを強固に接合することができる。しか
し、透水係数が1×10−2cm/sec.を越える場
合、裏打材の強度が低くなるので、好ましくない。一
方、透水係数が1×10−7cm/sec.未満である
場合、流動状混合物が裏打材の内部に浸透しにくくなる
ので、流動状混合物の硬化後に裏打材と無機組成物硬化
体との間で層間剥離が生じ、好ましくない。そこで、透
水係数を1×10 〜1×10−2cm/sec.に
特定した。
【0018】前記裏打材の嵩比重を特定した理由は、嵩
比重が0.8を越える場合、化粧パネルの重量が大きく
なるとともに、断熱性が低くなり、裏打材の嵩比重が
0.2未満である場合、化粧パネルの強度が低下するた
めである。嵩比重の数値がここに特定した範囲から外れ
ると、化粧パネルの実用性、汎用性は著しく低下する。
【0019】なお、裏打材として一般的な木質系、紙質
系の材質は吸湿又は吸水により膨張して変形するので、
好ましくない。また、裏打材として耐水処理を施して吸
湿又は吸水による寸法変化を生じないように加工した材
質や、吸湿又は吸水しない材質(金属系、プラスチック
系)が好ましい。具体的には、磁気テープの廃棄物を裁
断し、その磁気テープを接着剤を加えてプレスしたパネ
ルや、カーボン繊維、ガラス繊維又は金属繊維などを接
着剤とともに加熱しながらプレスして形成されたパネル
や、鉱物や廃物のガラスを発泡させたビーズ状の成形物
を接着剤で固めたものがある。
【0020】前記第1工程のアルカリ土類金属酸化物と
有機炭酸化合物との混合の割合について、アルカリ土類
金属酸化物100重量部に対して有機炭酸化合物が5〜
80重量部であり、好ましくは10〜50重量部であ
る。この理由は、有機炭酸化合物の量が5重量部未満に
なる場合や80重量部を越える場合、無機組成物硬化体
の圧縮強度及び曲げ強度などの機械特性が低下するとと
もに、寸法安定性が低下するためである。
【0021】なお、流動状混合物を注入する型の材質に
ついては特に制限がない。例えば、金属型、ガラス型、
発泡ウレタン型、発泡スチロール型、プラスチックシー
トを真空成形した型等、化粧パネルのコストや品種構成
などに応じて適宜選ぶことができる。
【0022】また、型の構造についても特に制限はな
く、例えば、矩形の型の四隅に裏打材を支持するスペー
サなどを配置して無機組成物硬化体の厚さを調節するこ
とができる構造を有するものであれば問題なく使用する
ことができる。
【0023】更に、型のリサイクル性を確保するため、
型の内面にシリコン系、石油系、金属石鹸系、パラフィ
ン系の離型剤を塗布することができる。
【0024】前記脱泡工程において流動状混合物中に含
まれる泡を除去する理由は、流動状混合物中に混入した
気泡が無機組成物硬化体の表面に残って穴になると、無
機組成物硬化体の表面の美的外観が損なわれるためであ
る。
【0025】流動状混合物中の気泡を除去する方法に
は、無機組成物を注入した後の型に大気圧の雰囲気下で
振動を加える方法や、減圧された雰囲気下で振動を加え
る方法などがあるが、効率的に気泡を除去するには減圧
された雰囲気下で型に振動を加える方法が好ましい。
【0026】前記第2工程において流動状混合物を裏打
材に積層する理由は、流動状混合物を型に注入した後、
流動状混合物の上に裏打材を載せることにより、流動状
混合物の一部が裏打材の内部に吸い上げられて無機組成
物と裏打材とが一体化するためである。なお、流動状混
合物に裏打材を積層する方法には特に制限がない。
【0027】前記第3工程において50〜95℃の加湿
されたチャンバ内で流動状混合物に裏打材を積層した状
態で養生する理由は、流動状混合物と裏打材とに湿気を
加えながら養生することにより流動状混合物の硬化反応
を促進するためである。
【0028】養生の条件を50〜95℃とした理由は、
養生の温度が50℃未満である場合、所定の強度が発現
するまでの時間が長くなるので、生産性が低下してしま
うためであり、養生の温度が95℃を越える場合、蒸気
量が多くなるので、蒸気を発生させるための費用が高く
なったり、裏打材の変形や変質を招くおそれが生じたり
するためである。なお、生産性を上げるため、蒸気を閉
じ込めたチャンバ内で養生したり、高い蒸気圧のオート
クレーブ内で養生したりすることができる。
【0029】また、本発明に係る無機組成物硬化体には
セメント又はセメント用の配合剤を配合してもよい。更
に、金属繊維、ガラス繊維、ビニロン繊維及びアクリル
繊維を代表とする有機繊維等の補強繊維、骨材、減水
剤、消泡剤、起泡剤、その他セメント用の化学混和剤、
顔料等を使用できる。骨材としては、硅砂、寒水石、硅
石粉、花崗岩、安山岩、大理石、石灰石をはじめとする
天然石の粉砕品、高炉スラグなどの普通骨材、シラスバ
ルーン、膨張粘度・膨張けつ岩などの焼成品、蛭石、黒
曜石・真珠岩の焼成品、ガラスバルーンなどの軽量骨材
等があり、目的に応じて単独で又は2種類以上の組合せ
で用いることができる。
【0030】また、可使時間調整用の凝結遅延剤や凝結
促進剤も使用できる。凝結遅延剤として、オキシカルボ
ン酸及びその塩、EDTA(エチレンジアミン・四酢
酸)及びその塩、多価アルコール及びその塩並びに硅弗
化物があり、前記凝結促進剤としてNaCO、K
CO、NaCl、KCl、CaCl、アルミン酸ナ
トリウム、ミョウバンなどがあり、これらを2種類以上
併用してもよい。
【0031】また、アルカリ土類金属酸化物と有機炭酸
化合物とを混合するために必要なミキサに関しては特に
制限はない。例えば、ヘンシェルタイプ、ニーダータイ
プ又はオムニタイプの他に一般的なミキサを使用するこ
とができ、製造方法や混合効率などにより適宜選択する
ことができる。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように請求項1又は2記載
の発明によれば、製造工数を減らすことができるととも
に、軽量で高い断熱性をもち、しかも無機組成物硬化体
に対して高い接合力を得ることができる。
【0033】請求項3記載の発明によれば、無機組成物
硬化体の表面に気泡による穴が生じないので、化粧パネ
ルの表面に美的外観が得られる。
【0034】請求項4記載の発明によれば、流動状混合
物の硬化反応が促進されるので、化粧パネルの生産性が
向上する。
【0035】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面及び表に基づ
いて説明する。
【0036】図1はこの発明の実施例に係る裏打材を有
する化粧パネルの斜視図である。
【0037】この化粧パネルは、アルカリ土類金属酸化
物と有機炭酸化合物とを主成分とするスラリー(流動状
混合物)を成型し硬化させた無機組成物硬化体1と、こ
の無機組成物硬化体1に積層された裏打材2とで構成さ
れている。
【0038】裏打材2は無機組成物硬化体1の片面1a
に積層され、無機組成物硬化体1を補強するための板で
ある。裏打材2の透水係数は1×10−7〜1×10
−2cm/sec、嵩比重は0.2〜0.8である。こ
こで透水係数とは、裏打材を透過する水の見掛けの流速
と動水勾配とを関係付ける比例定数であり、透水係数を
k、見掛けの流速をv、動水勾配をiとすると、v=k
×iの関係式から導き出される定数である。また、嵩比
重とは、水の密度に対する裏打材の密度であり、裏打材
の質量をm、裏打材の厚さをt、裏打材の長さをl、裏
打材の幅をwとしてρ=m/(t×l×w)の関係式よ
り裏打材の密度ρを求め、この密度ρを水の密度で割っ
た値である。
【0039】次に、化粧パネルの製造方法を説明する。
【0040】図2は型の斜視図、図3は型、裏打材及び
錘の斜視図、図4は化粧パネルを製造する工程を説明す
るための図である。
【0041】次に、化粧パネルの製造方法を説明する。
【0042】まず、アルカリ土類金属酸化物、骨材、有
機炭酸化合物、減水剤及び水を計量し、これらのうち紛
体状の材料(アルカリ土類金属酸化物及び骨材)をヘン
シェルタイプのミキサに投入した後、エチレンカーボネ
ート及び減水剤を所定量溶解させた水溶液を攪拌しなが
らミキサに投入し、これらを5分間混合してスラリー3
を作った。
【0043】次に、板6を保護するための底板4の上に
内側寸法66cm×66cmの鉄製の矩形の型枠5を配
置し、その型枠5の内側に65.5cm×65.5cm
の矩形の板6を挿入する。ちなみに、型枠5と板6とで
型9が構成される。その後、この板6の四隅に裏打材2
を支持するためのスペーサ(30mm(l)×20mm
(w)×10mm(t))7を配置して、型9にスラリ
ー3を注入する(図2及び図4の注型工程参照)。
【0044】その後、スラリー3を振動させる機能が搭
載された減圧可能な容器(第1チャンバ)8内にスラリ
ー3及び型9を挿入し、容器8内を60Torrの真空
度にしてスラリー3に5分間の振動を加える(図4の減
圧脱泡工程参照)。このとき、スラリー3から泡が除去
される。
【0045】その次に、容器8の内部から取り出したス
ラリー3の上に63cm×63cmの裏打材2を載せ、
更にその上に、無機組成物硬化体1がスラリー3の上に
浮き上がる現象を抑制するために20kgの錘10を載
せる(図3及び図4の裏打材複合化工程参照)。このと
き、裏打材2にスラリー3の一部が吸い上げられて裏打
材2とスラリー3とが一体化する。
【0046】その後、裏打材2、スラリー3、型9及び
錘10を85℃の養生室(第2チャンバ)11内に放置
し、この養生室11内に蒸気を導入しながらスラリー3
を養生する(図4の養生工程参照)。その結果、スラリ
ー3が硬化して無機組成物硬化体1になるとともに、無
機組成物硬化体1が裏打材2の面2aに接合される。
【0047】その次に、型9を分解して型9から取り外
した化粧パネルを一定の大きさに切断し、化粧パネルの
水分を除去するために乾燥室12内に放置する(図4の
乾燥工程参照)。乾燥室12内はヒータ13によって4
0℃に設定される。乾燥室12内の空気はファン14に
よって攪拌される。
【0048】最後に、汚れ、傷又は薬品などから化粧パ
ネルを守るための保護材を無機組成物硬化体1の表面に
ノズル15で吹き付けて塗布する(図4の塗装工程参
照)。
【0049】なお、アルカリ土類金属酸化物として軽焼
酸化マグネシウム(協和化学株式会社製)、硬焼酸化マ
グネシウム(日本海水加工社製)を、有機炭酸化合物と
してエチレンカーボネート(東亜合成化学工業社製)
を、骨材として重質炭酸カルシウム(ケーシー工業社
製)をそれぞれ使用した。また、減水剤(デンカグレー
ス社製、商品名;FT―4S)も使用した。
【0050】表1は実施例及び比較例の組成並びに裏打
材2の材質、透水係数及び嵩比重を示す表である。配合
量の単位は重量部である。なお、減水剤の配合量は表1
に示されていないが4重量部である。
【0051】
【表1】 透水係数はJIS A−1218の変水位透水試験方法
に準拠して測定された。単位はcm/sec.である。
【0052】嵩比重はJIS A−5451の密度側定
方法に準拠して測定された。
【0053】比較例1は裏打材2として厚さ6mm、嵩
比重1.65のフレキシブルボード(アスク社製、商品
名;セルフレックス)を用いた例、比較例2は裏打材2
として厚さ10mm、嵩比重0.8のケイカル板(アス
ク社製、商品名;セルストンF)を用いた例、比較例3
は裏打材2としてガラス繊維の不織布にエポキシ系の接
着剤を含浸させた厚さ6mm、透水係数2.9×10
−1cm/sec.のボードを用いた例である。
【0054】なお、比較例1、2では、透水係数の測定
の際に水が裏打材2にほとんど透過しないので、裏打材
2の透水係数は測定できなかった。
【0055】実施例1〜4は、いずれも裏打材2の透水
係数が1×10−7〜1×10−2cm/sec.、嵩
比重が0.2〜0.8であり、裏打材2の材質の点でそ
れぞれ異なる。実施例1では裏打材2として厚さ20m
mのEMパネル(富士化学社製)を用いた。実施例2で
は裏打材2としてガラス繊維の不織布をエポキシ系接着
剤で硬化させ、厚みを6mmにしたボードを用いた。実
施例3では裏打材2としてガラスの粉末を加熱して発泡
させたビーズにエポキシ系の接着剤を加え、加熱しなが
らプレスして成形した厚さ3mmのボードを用いた。実
施例4では裏打材2としてガラス発泡ビーズに珪石粉を
混合したエポキシ系の樹脂を含浸させて加熱しながらプ
レスして成形した厚み10mmのボードを用いた。
【0056】表2は実施例及び比較例の試験結果を示す
表である。
【0057】
【表2】 外観の観察は、型9から取り外した化粧パネルの外観を
肉眼で観察することにより行われた。外観の観察では、
化粧パネルの表面に気泡がなく、化粧パネルの表面の光
沢が均一で、化粧パネルが型9の形状を忠実に転写して
いると見えたとき、「良好」と判断し、化粧パネルの表面
に気泡があると見えたとき、化粧パネルの表面の光沢が
均一でないと見えたとき又は型9の形状を忠実に転写し
ていないと見えたとき、「不良」と判断した。
【0058】剥離試験は、次のようにして行われた。ま
ず、化粧パネルを50℃の乾燥機で3日間乾燥した後、
5cm角に切断して剥離試験用の試料を作成する。次
に、試料をオートグラフ(島津製作所製、容量10ト
ン)を用いてクロスヘッドスピード1cm/min.で
引っ張り、試料を破断させたときの試料の破断面の状態
を観察する。剥離試験結果の評価では、裏打材2が破断
したとき、「ボード材破」と判断し、裏打材2と無機組成
物硬化体1との界面だけが破断(剥離)したとき、「界
面剥離」と判断し、裏打材2と無機組成物硬化体1との
界面の一部が剥離したとき、「一部界面剥離」と判断し
た。なお、化粧パネルの剥離試験と同時に試料が破断し
たときの強度(剥離強度)も測定した。剥離強度の単位
はkg/cmである。
【0059】比較例1では化粧パネルの剥離試験用の試
料の切断面に気泡が多く確認され、剥離強度を測定した
とき、剥離強度のばらつきがあった。
【0060】比較例2、3では化粧パネルの剥離試験用
の試料の切断面に気泡が確認された。
【0061】実施例1〜4では、いずれも裏打材2の透
水係数が1×10−7〜1×10 cm/sec.で
あるので、裏打材2をスラリー3に積層することによ
り、スラリー3の一部が裏打材2に吸い上げられて裏打
材2とスラリー3とが一体化した。また、裏打材2の嵩
比重が0.2〜0.8であるので、化粧パネルが軽量化
されるとともに、化粧パネルの断熱性が得られる。
【0062】また、実施例1〜4の外観はいずれも「良
好」であるので、美的外観の化粧パネルが得られた。
【0063】更に、実施例1〜4の剥離試験結果はいず
れも「ボード材破」であり、裏打材2と無機組成物硬化体
1との界面の剥離強度は裏打材2だけを引っ張る強度よ
り高いので、裏打材2が壊れるほどの荷重が化粧パネル
に作用するときでも、裏打材2と無機組成物硬化体1と
の界面が剥離しない強い接合力又は密着力が確認され
た。
【0064】この実施例によれば、裏打材2を無機組成
物硬化体1に接着剤を用いないで接合することができる
ので、接着剤を用いる接着工程を省略でき、製造コスト
を低減することができるとともに、接着剤を用いて接合
したときに生じる無機組成物硬化体1に対する裏打材2
の接着力のばらつきがなくなり、無機組成物硬化体1に
対する裏打材2の接合力がアップする。
【0065】なお、本発明は上述の各実施例に限定され
るものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はこの発明の実施例に係る化粧パネルの斜
視図である。
【図2】図2は型の斜視図である。
【図3】図3は型、裏打材及び錘の斜視図である。
【図4】図4は化粧パネルを製造する工程を説明するた
めの図である。
【符号の説明】
1 無機組成物硬化体 1a 片面 2 裏打材 3 スラリー(流動状混合物) 8 容器(第1チャンバ) 9 型 11 養生室(第2チャンバ)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C04B 28/10 C04B 28/10 40/02 40/02 // C04B 111:40 111:40 Fターム(参考) 4F100 AA08H AA18A AG00 AH02A AR00B BA02 CA24 CA30 DE04 DG15 EH112 EH312 EJ082 EJ242 EJ252 EJ422 EJ582 EJ962 EJ982 GB08 JA15B JD05B JJ02 JK06 JL02 JL03 JL16 YY00A YY00B 4G012 PA12 PB16 PE04 PE07 RA03 RA05 4G052 AB16 AB46

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルカリ土類金属酸化物と有機炭酸化合
    物とを主成分とする流動状混合物を成型し硬化させた無
    機組成物硬化体の片面に積層される裏打材において、 透水係数が1×10−7〜1×10−2cm/sec.
    であり、嵩比重が0.2〜0.8であることを特徴とす
    る裏打材。
  2. 【請求項2】 アルカリ土類金属酸化物と有機炭酸化合
    物とを主成分とする流動状混合物を成型し硬化させた無
    機組成物硬化体と、 この無機組成物硬化体の片面に積層される請求項1記載
    の裏打材とで構成される化粧パネルの製造方法におい
    て、 前記アルカリ土類金属酸化物100重量部に対して前記
    有機炭酸化合物が5〜80重量部配合された前記流動状
    混合物を型に注入する第1工程と、 前記第1工程後、前記流動状混合物に前記裏打材を積層
    する第2工程と、 前記第2工程後、前記流動状混合物に前記裏打材を積層
    した状態で養生する第3工程とを含むことを特徴とする
    化粧パネルの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記第1工程の後で、前記第2工程の前
    に、減圧された第1チャンバ内で前記流動状混合物中の
    泡を除去する脱泡工程を含むことを特徴とする請求項2
    記載の化粧パネルの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記第3工程の作業を50〜95℃の加
    湿された第2チャンバ内で行うことを特徴とする請求項
    2又は3記載の化粧パネルの製造方法。
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