JP2001277292A - 構造物およびその製造方法、ならびに筐体装置、携帯型端末装置 - Google Patents

構造物およびその製造方法、ならびに筐体装置、携帯型端末装置

Info

Publication number
JP2001277292A
JP2001277292A JP2000090239A JP2000090239A JP2001277292A JP 2001277292 A JP2001277292 A JP 2001277292A JP 2000090239 A JP2000090239 A JP 2000090239A JP 2000090239 A JP2000090239 A JP 2000090239A JP 2001277292 A JP2001277292 A JP 2001277292A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
molding material
molding
mold
injecting
filler
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000090239A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001277292A5 (ja
Inventor
Atsushi Morimoto
淳 森本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2000090239A priority Critical patent/JP2001277292A/ja
Publication of JP2001277292A publication Critical patent/JP2001277292A/ja
Publication of JP2001277292A5 publication Critical patent/JP2001277292A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Pivots And Pivotal Connections (AREA)
  • Casings For Electric Apparatus (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 既存の成形法を利用して、所定の信頼性
を有する構造物を提供可能とすること。 【解決手段】 まず、フィラーが混入されていな
い第1の成形用材料RNを射出する。この第1の成形用
材料RNは、共通ランナ部23を通って、ヒンジ部近傍
からキャビティ内に射出される。その後、充填が完了す
る前に、ダイをスライドさせて注入口を切り替え、フィ
ラーが混入された第2の成形用材料RYを射出する。こ
れによって第1の成形用材料RNが押しやられ、ヒンジ
部近傍には第2の成形用材料RYが充填される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に、突起物やヒ
ンジ機構を構成する局所を有するように特定部分に過重
がかかりやすい筐体装置に代表される、成形性に困難を
生じさせないようにしながら機械的強度を確保したい構
造物と、その製造方法に関する。また、携帯型端末装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、パソコン、移動無線などの携帯型
情報端末が普及してきている。携帯型端末には、外形寸
法をコンパクト化するために、液晶表示装置が内蔵され
た表示部とこの液晶表示部に表示させる情報を生成する
本体部とを別個の筐体に収納し、これら筐体に突設され
たヒンジで接続されて折りたたみ可能に構成されている
ものがあり、非使用時にはこれが折りたたまれ、使用時
にはこれが展開されるようにされている。このようにヒ
ンジによって折りたたみ可能に構成されている電気機器
においては、そのヒンジ部およびその近傍には頻繁に応
力が付与されるために、他の部分よりも破壊されやす
い。構造物の強度を決定するのは形状と材料である。形
状については、厚さを増す、R形状に構成する、リブで
補強するなどの対策が施されている。材料については、
強度が高く、成形性に優れた樹脂として、芳香族ポリア
ミド樹脂(ナイロン等)、ポリカーボネート(PC)樹
脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体
(ABS)樹脂、PC樹脂とABS樹脂のアロイ化物な
どが開発され頻繁に利用されているが、さらに強度を高
めるためにこれらの樹脂にガラス繊維やタルクなどのフ
ィラーを混入して用いる場合が多い。その他、金属部品
をインサート成形する方法もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、形状に
よる強度改善方法については、厚肉にすると軽量化が
困難になる、装置全体のデザインや寸法上の制約など
から、その設計におのずと限界を生じさせている、など
の問題がある。また、材料による強度改善方法について
は、強化材が混入されることによって流動性が低下し
て射出成形に困難を生じさせる場合がある、異なる材
料間で収縮量の異方性が増大し、そりなどの成形不良を
生じやすくさせる、などの問題がある。このような問題
は、構造物でも、特に筐体装置のように複雑かつ薄くて
面積の大きな形状を成形する上で、形状精度の確保を困
難にさせる要因となる。そこで、本発明は、成形性に困
難を生じさせないようにしながら機械的強度が確保され
た構造物と、その製造方法を提供する。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、第1の成形用材料が硬化して得られる部
分と、硬化後の強度が前記第1の成形用材料に比して低
い第2の成形用材料が硬化して得られる部分とを具備
し、前記第1の成形用材料および前記第2の成形用材料
を構成する樹脂材料が同一であることを特徴とする構造
物を提供する。さらに本発明は、第1の成形用材料が硬
化して得られる部分と、金型内における流動性が前記第
1の成形用材料に比して良好な第2の成形用材料が硬化
して得られる部分とを具備し、前記第1の成形用材料お
よび前記第2の成形用材料を構成する樹脂材料が同一で
あることを特徴とする構造物を提供する。さらに本発明
は、第1の成形用材料は、硬化後の第2の成形用材料の
機械的強度を向上させるフィラーを前記第2の成形用材
料に混入して得られる成形用材料であることが好まし
い。さらに本発明は、少なくとも流動性を有する成形用
材料が硬化されて形成される部分を有する構造物であっ
て、前記成形用材料へのフィラーの混入密度が所定領域
について高いことを特徴とする構造物を提供する。さら
に本発明は、複数の筐体がヒンジによって結合されてお
り、前記ヒンジ及びその近傍へのフィラーの混入密度が
前記筐体の他の領域に比して高いことを特徴とする筐体
装置を提供する。このとき、携帯型端末装置は、いずれ
かの構造物または筐体装置を筐体として具備することが
好ましい。
【0005】さらに本発明は、第1の成形用材料を金型
内に射出する第1の射出工程と、この第1の射出工程中
に、前記第1の成形用材料を構成する樹脂材料が同一で
硬化後の強度が前記第1の成形用材料に比して低い第2
の成形用材料を射出する第2の射出工程と、を具備する
ことを特徴とする構造物の製造方法を提供する。さらに
本発明は、第1の成形用材料を金型内に射出する第1の
射出工程と、この第1の射出工程中に、前記第1の成形
用材料を構成する樹脂材料が同一で金型内における流動
性が前記第1の成形用材料に比して良好な第2の成形用
材料を射出する第2の射出工程と、を具備することを特
徴とする構造物の製造方法を提供する。さらに本発明
は、第1の成形用材料を金型内に射出する第1の射出工
程と、前記第1の成形用材料を、構成する樹脂材料が同
一で硬化後の強度が前記第1の成形用材料に比して低い
第2の成形用材料を射出することによって、金型内に充
填させる第2の射出工程と、を具備することを特徴とす
る構造物の製造方法を提供する。
【0006】さらに本発明は、第1の成形用材料を金型
内に射出する第1の射出工程と、金型内の前記第1の成
形用材料を、構成する樹脂材料が同一で金型内における
流動性が前記第1の成形用材料に比して良好な第2の成
形用材料を射出することによって、金型内に充填させる
第2の射出工程と、を具備することを特徴とする構造物
の製造方法を提供する。このとき、第1の成形用材料
は、硬化後の第2の成形用材料の機械的強度を向上させ
るフィラーを前記第2の成形用材料に混入して得られる
成形用材料であることが好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】成形性に困難を生じさせず強度を
高めたい構造物の代表である筐体装置においては、ヒン
ジ部およびその近傍など、応力が集中して加わる部分の
強度を補強するために、筐体全体を強度に優れた材料で
構成していた。本発明では、強度を強化したい特定の部
分についてのみ強度の比較的高い材料で形成し、残余の
部分を比較的成形性に優れた材料で構成することによっ
て、上記問題を解決する。また、このとき用いる成形用
材料の樹脂成分については同じ樹脂材料を使用すること
により、異なる流路で流れた材料同士が交わるウェルド
ラインにおける接合強度の低下を防ぐ。以下、図面を参
照し、詳細に説明する。 <筐体装置の実施形態>本発明を用いた携帯型端末装置
の実施例の説明をする。図1乃至図3にノート型パソコ
ンとその筐体装置の一部を示す模式図を示す。図1
(a)は、ノート型パソコンが展開された状態を示す斜
視図であり、上側筐体Aと下側筐体Bは、折りたたまれ
た状態の時には対向状態に合った主面が外部に向かって
露見される状態となる。すなわち、上側筐体Aの主面に
は液晶表示装置Dがその表示面を露出させて内蔵されて
おり、下側筐体Bの主面には内部回路に情報を入力する
ためのインタフェイスであるキーボードKが、その個々
のキートップKTが主面から露出する状態で内蔵されて
いる。応力付与により破壊しやすい部品や動作にかかわ
るスイッチ類、突出物などをこの主面内に配置しておく
ことによって、不意の応力付与に対して不具合を生じさ
せないようにすることができる。なお、上側筐体Aはヒ
ンジ部HAが設けられる側面から最も離間して配置され
た側面近傍にラッチLを有している。このラッチLが下
側筐体Bに設けられた穴部に掛合することによって、折
りたたみ状態が保持されている。このラッチLは掛合状
態が開放される方向にスライド可能に構成されており、
かつこの逆方向にバネで付勢されている。このラッチL
が人為的にスライドされることによって、掛合状態が解
除可能になるように構成されている。
【0008】図1(b)は、このノート型パソコンが折
りたたまれた状態を示す斜視図であり、上側筐体Aと下
側筐体Bは、回動軸Xにて回動されて、その主面を対向
させた状態に折りたたまれて略直方体化されている。こ
の折りたたまれた状態で携帯されることにより、端末装
置をコンパクト化させるとともに突出部分を減らして応
力がかかりにくくし、不用意な応力付与による破壊の防
止を可能にしている。表示装置が内蔵された表示部を構
成する上側筐体Aは上側ヒンジ部HAを有する。また、
キーボードやCPUなどを内蔵する本体部を構成する下
側筐体Bは下側ヒンジ部HBを有する。これらヒンジ部
HA,HBは、互いに噛合するよう組み合わされ、共通
の回動軸Xを貫いて配置される軸によって、一体化され
ている。図2は、一方の上側ヒンジ部HA近傍の内部構
造を示す模式図である。他端は、この模式図と線対称の
構造となっている。上側筐体Aは液晶表示装置の表示面
側に配されるフロントパネルと液晶表示装置の裏面側に
配されるリアパネル1とにより構成されている。このリ
アパネルの内面側にはネジが螺合可能に設けられたボス
が複数突設されており、これに対して第1のブラケット
2がネジ止めされている。この第1のブラケット2はヒ
ンジ軸HAXを有しており、上側ヒンジ部HAから回動
軸Xと平行な方向にヒンジ軸HAXを突出させている。
下側筐体B内部には、第2のブラケット3が第1のブラ
ケット2同様にネジ止めされている。第2のブラケット
3は回動軸X周りに開口を有しており、この開口に第1
のブラケット2のヒンジ軸HAXが回動軸Xを軸として
回動可能に挿通されている。
【0009】このようなノート型パソコンにおいては、
折りたたんだ状態における全体の厚さが薄くなるほど可
搬性に優れるため、液晶表示装置以外の大型部品が配さ
れない上側筐体Aの厚さは、液晶表示装置の厚さまで絞
られることとなり、図1(b)に示される外観からわか
るように、下側筐体全体の厚さに比して薄く設けられ
る。また、下側筐体B内部には磁気記憶装置や入出力装
置などの機能部品が高密度に実装されており、これらを
支えるだけの強度が要求されることから、全体的に強度
を高めるために、厚肉に成形されているが、上側筐体A
には、液晶表示装置とその付属品のみが配置されるた
め、軽量化の都合上、下側筐体Bより薄肉に形成され
る。したがって、上側筐体全体の機械的強度は、下側筐
体全体の機械的強度に比して劣るように構成されている
場合が多い。そこで、このリアパネル1においては、破
線N−N’(図3に図示)からヒンジ部HAを含む領域
について、成形用材料が硬化した後の状態での機械的強
度を向上させるためのフィラーを10重量%程度混入さ
せてある。残余の部分にはフィラーを混入させていな
い。成形用樹脂材料としてはナイロン6とナイロン66
の共重合体(ポリアミド樹脂)と液晶ポリエステルとを
重量比3:1で組み合わせた混練物を用い、フィラーに
は、粒径5〜10ミクロン程度のシリカ細粒を用いた。
【0010】上記の筐体装置を形成している成形用材料
のようなフィラーを混入させた樹脂材料は、複雑な形状
や薄い形状を有するキャビティ内を流通させた場合に、
流動速度が低下する傾向があり、キャビティ内における
硬化状態にむらが生じ、これが未充填・そり・ひけなど
の成形不良の発生を促す場合がある。一方、フィラーを
混入させていない樹脂材料は、フィラーを混入した樹脂
材料に比して、同一条件下では流動性が良好である。し
たがって、フィラーを混入しない樹脂材料を主として用
い、強度を向上させたい特定部分についてのみフィラー
を混入した樹脂材料を用いることによって、全体として
薄肉を保ったままで成形品に成形不良を生じにくくさせ
ることができる。特にラッチなどの機能的な構造が一体
化されている場合など、強度が高くなっていないほうが
良い場合もある。また、樹脂材料部分に同じ材料を用い
るため、ウェルドにおける接合強度を高くすることを可
能としている。上記した構成とすることによって、上側
筐体Aを構成するリアパネルを厚くすること無く、ヒン
ジ部およびその近傍の機械的強度をあげることができ
た。これによって、従来ブラケット固定位置近傍におい
て発生する場合があったひび・割れなどの発生数を低減
することを可能としている。
【0011】なお、フィラーは、意図する効果や材料に
応じて一般的には40重量%程度までの範囲で適宜調製
が可能である。また、フィラーの種類についても、意図
する効果に応じて種々のものが利用可能である。すなわ
ち、シリカ細粒以外にも繊維状/非繊維状の無機強化材
を添加することが可能であり、それら強化剤の具体例と
しては、ガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カリウィス
カ、酸化亜鉛ウィスカ、硼酸アルミウィスカ、アラミド
繊維、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、セラミック繊維、
アスベスト繊維、石コウ繊維、金属繊維などの繊維状充
填材、また、ワラステナイト、ゼオライト、セリサイ
ト、カオリン、マイカ、クレー、パイロフィライト、ベ
ントナイト、アスベスト、タルク、アルミナシリケート
などの珪酸塩、アルミナ、酸化珪素、酸化マグネシウ
ム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化鉄などの金属
化合物、また、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ド
ロマイトなどの炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウム
などの硫酸塩、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウ
ム、水酸化アルミニウムなどの水酸化物、ガラスビー
ズ、セラミックビーズ、窒化ホウ素、炭化珪素などの非
繊維状充填材が挙げられ、これらは中空であってもよ
く、さらにはこれら充填材を2種類以上併用することも
可能である。また、より優れた機械的強度を得る観点か
ら、これらのフィラーをイソシアネート系化合物、有機
シラン系化合物、有機チタネート系化合物、有機ボラン
系化合物、エポキシ化合物などのカップリング材で予備
処理して使用することが好ましい。
【0012】<筐体装置の製造方法の実施形態>上記し
た筐体装置を製造するための方法を以下に説明する。図
4(a)は、この射出成形に用いられる射出成形機と金
型装置の構成を示す模式図、図4(b)は、金型の内部
における樹脂の状態(ショートショット)を示す模式図
である。まず、第1の射出成形機10Aによって、フィ
ラーが混入されていない第1の成形用材料RNを射出す
る。フィーダ11に供給されたペレット状の第1の成形
用材料RNは、シリンダ12内に導入されるとヒータ1
3によって熱が加えられ溶融されて、粘性を有する流動
体となり、スクリュー14に設けられた羽根によって圧
力を加えられながら、ノズル15に向けて送り出され
る。ノズル15は、金型装置20に設けられた注入口に
接続されている。注入口から圧入された樹脂材料は、第
1のランナ部21を通ってキャビティ内に射出される。
第1の成形用材料RNは、筐体装置のヒンジ部HAを有
しない領域を形成する樹脂であり、ナイロン6とナイロ
ン66の共重合体(ポリアミド樹脂)と液晶ポリエステ
ルとを重量比3:1で組み合わせた混練物である。流動
性に優れており、大面積にわたる薄肉を反り無く形成す
る場合に適している。なお、薄肉とは、一般的に2mm
以下、超薄肉成形では1mm以下の厚さを示す。
【0013】一方、第2の射出成形機10Bにはフィラ
ーが混入された第2の成形用材料RYが供給されてお
り、第1の射出成形機による射出の1秒後に、同様に射
出を行う。第2の射出成形機10Bによって射出された
材料は、第2のランナ部22を通ってキャビティ内に射
出される。第2の成形用材料RYは、筐体装置のヒンジ
部HAを有する領域を形成する樹脂材料であり、第1の
成形用材料RNに対してシリカ細粒が重量比4:1で添
加されたものである。硬化後の機械的強度に優れるが、
流動性が第1の成形用材料RNに比して低下しており、
第1の成形用材料RNほどの面積においては、薄肉の成
形に適さない。なお、シリカを添加したことにより材料
の性質が多少変化しているため、第2の射出成形機10
Aとは成形条件を変えている。また、射出する樹脂の量
に応じて射出するタイミングをずらして設定している。
このようにして射出された成形用材料RN,RYはキャ
ビティ内を流動し、そのフローフロント同士が互いに交
わり合う地点でウェルドを形成する。図3に示す破線N
−N’は、このウェルドラインを示しているが、実際に
は、複雑な曲線となる。実際の成形条件は、このウェル
ドラインの位置を確認することにより設定するものとな
る。
【0014】射出が終了したあと、成形用材料RN,R
Yが冷却され硬化するのを待って、金型を開く。成形品
にはランナ部21,22が一体に成形されているので、
これを切除することにより、成形が終了する。成形され
た筐体装置は、必要に応じて塗装が施されて、完成品と
なる。他方、図5(a)は、他の射出成形機と金型装置
の構成を示す模式図、図5(b)は、この金型装置の内
部における樹脂の状態(ショートショット)を示す模式
図である。これもやはり射出成形機を2台使用している
が、ダイが軸Yを中心として回動することにより、ラン
ナ部が連通する注入口が切り替え可能な金型装置を使用
している。まず、第1の射出成形機によって、フィラー
が混入されていない第1の成形用材料RNを射出する。
この第1の成形用材料RNは、共通ランナ部23を通っ
て、ヒンジ部HA近傍からキャビティ内に射出される。
その後、充填が完了する前に、ダイを回動させて、ラン
ナに連通させる注入口を切り替え、第2の射出成形機に
よってフィラーが混入された第2の成形用材料RYを射
出する。これによって第1の成形用材料RNが押しやら
れ、ヒンジ部HA近傍には第2の成形用材料RYが充填
される。
【0015】なお、冷却硬化した成形用材料RNに対し
て成形用材料RYを2色成形する場合もあるが、ウェル
ドにおける接合強度の観点からは、上記2例のように、
互いに流動状態にあるうちに互いを接合させておき、冷
却硬化させることが好ましいものとなる。このように、
本発明の構造物の成形にあたっては、フィラーが混入さ
れていない成形用材料とフィラーが混入された成形用材
料とを異なる材料として扱うことにより、一般的な2色
成形法をそのまま用いることができる。すなわち、DR
I法(ダイロータリー成形法)、DSI法(ダイスライ
ド成形法)などの2色成形法を用いることができる。以
上に説明した本発明の実施形態において、上記実施形態
の樹脂には、添加物を加えなかったが、成形用材料に密
着性付与剤などの有機物を添加したい場合、互いの成形
用材料内に同一の有機物を混入させるか否かは、加える
有機物によって性質が変化する場合があるため、場合に
応じて適宜決定する。また、上記実施形態では同一の樹
脂材料を用いているが、ウェルドにおける結合強度に影
響が無い範囲内において、樹脂材料の混合比率を変動さ
せた材料も、略同一の範囲内であり、含まれる。
【0016】また、筐体装置を例示したが、細長い突起
物を具える構造物など、機械的強度が弱い構造物におい
て、特定個所の強度を高めたい場合一般に適用可能なも
のである。また、フィラーを混入した樹脂材料と、フィ
ラーを混入しない樹脂材料とを用いた例を示したが、構
造物の形状や成形条件に応じて、フィラーの混入量が相
互に異なる樹脂材料を用いてもよい。また、本発明の構
造物の製造方法は、基本的にフィラーを含む材料で成形
し、特定個所において流動性が高い材料で成形したい構
造物に対しても適用可能である。すなわち、図6に示す
携帯電話のように、下側筐体Pと連結するためのヒンジ
部HOを有する上側筐体Oに対して画像表示装置用の大
きな開口31が設けられた携帯電話など、射出成形用金
型内に樹脂の流動を大きく妨げる要素を有する筐体装置
の成形においても、流動性の良好な第1の成形用材料で
開口周りの成形を行い、硬化後の強度が高い第2の成形
用材料で残余の部分を成形することにより、成形不良が
生じにくく、かつ機械的強度に優れた筐体装置を成形可
能とする。
【0017】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の構造物と
その製造方法は、既存の成形法を利用して、所定の信頼
性を有する構造物を提供可能とする。このような構造物
は、形状精度よく軽量な筐体装置を提供可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は本発明の実施形態のノート型パソコ
ンを展開したときを示す斜視図、(b)は本発明の実施
形態のノート型パソコンを閉じたときのヒンジ部近傍を
示す斜視図。
【図2】 本発明の実施形態の上側ヒンジ部HA近傍の
内部構造を示す模式図。
【図3】 本発明の実施形態のリアパネル1を示す模式
図。
【図4】 (a)は本発明の構造物の成形を行うための
射出成形機および金型装置の一例を示す模式図、(b)
は(a)の金型装置の内部における樹脂の状態(ショー
トショット)を示す斜視図。
【図5】 (a)は本発明の構造物の成形を行うための
他の射出成形機および金型装置を示す模式図、(b)は
他の射出成形法による金型の内部における樹脂の状態
(ショートショット)を示す模式図。
【図6】 本発明の実施形態の携帯電話を示す模式図。
【符号の説明】
A,O…上側筐体、B,P…下側筐体、HA,HB,H
O…ヒンジ部、X…回動軸、D…液晶表示装置、K…キ
ーボード、L…ラッチ、KT…キートップ、HAX…ヒ
ンジ軸、1…リアパネル、2…第1のブラケット、3…
第2のブラケット、10A…第1の射出成形機、10B
…第2の射出成形機、11…フィーダ、12…シリン
ダ、13…ヒータ、14…スクリュー、15…ノズル、
20…金型装置、21…第1のランナ部、22…第2の
ランナ部、23…共通ランナ部、31…開口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29K 105:16 B29L 31:34 B29L 31:34 G06F 1/00 312E Fターム(参考) 3J105 AA01 AB50 AC06 AC07 4E360 AA02 AB04 AB05 AB12 AB17 AB42 AB51 BB02 BB12 BB16 BB27 BC05 EA13 EC11 ED03 ED16 ED17 ED27 EE03 GA12 GA52 GB46 GC08 4F206 AA24 AA29E AB11 AB17 AB25 AC07 AG30 AH42 JA07 JB21 JQ81

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の成形用材料が硬化して得られる部
    分と、硬化後の強度が前記第1の成形用材料に比して低
    い第2の成形用材料が硬化して得られる部分とを具備
    し、前記第1の成形用材料および前記第2の成形用材料
    を構成する樹脂材料が略同一であることを特徴とする構
    造物。
  2. 【請求項2】 第1の成形用材料が硬化して得られる部
    分と、金型内における流動性が前記第1の成形用材料に
    比して良好な第2の成形用材料が硬化して得られる部分
    とを具備し、前記第1の成形用材料および前記第2の成
    形用材料を構成する樹脂材料が略同一であることを特徴
    とする構造物。
  3. 【請求項3】 第1の成形用材料は、硬化後の第2の成
    形用材料の機械的強度を向上させるフィラーを前記第2
    の成形用材料に混入して得られる成形用材料であること
    を特徴とする請求項1乃至2いずれか記載の構造物。
  4. 【請求項4】 少なくとも流動性を有する成形用材料が
    硬化されて形成される部分を有し、前記成形用材料への
    フィラーの混入密度が所定領域について高いことを特徴
    とする構造物。
  5. 【請求項5】 複数の筐体がヒンジによって結合されて
    おり、前記ヒンジ及びその近傍へのフィラーの混入密度
    が前記筐体の他の領域に比して高いことを特徴とする筐
    体装置。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至4いずれか記載の構造物ま
    たは請求項5記載の筐体装置を、筐体として具備するこ
    とを特徴とする携帯型端末装置。
  7. 【請求項7】 第1の成形用材料を金型内に射出する第
    1の射出工程と、 この第1の射出工程中に、前記第1の成形用材料を構成
    する樹脂材料が略同一で硬化後の強度が前記第1の成形
    用材料に比して低い第2の成形用材料を射出する第2の
    射出工程と、を具備することを特徴とする構造物の製造
    方法。
  8. 【請求項8】 第1の成形用材料を金型内に射出する第
    1の射出工程と、 この第1の射出工程中に、前記第1の成形用材料を構成
    する樹脂材料が略同一で金型内における流動性が前記第
    1の成形用材料に比して良好な第2の成形用材料を射出
    する第2の射出工程と、を具備することを特徴とする構
    造物の製造方法。
  9. 【請求項9】 第1の成形用材料を金型内に射出する第
    1の射出工程と、 前記第1の成形用材料を、構成する樹脂材料が略同一で
    硬化後の強度が前記第1の成形用材料に比して低い第2
    の成形用材料を射出することによって、金型内に充填さ
    せる第2の射出工程と、を具備することを特徴とする構
    造物の製造方法。
  10. 【請求項10】 第1の成形用材料を金型内に射出する
    第1の射出工程と、 金型内の前記第1の成形用材料を、構成する樹脂材料が
    略同一で金型内における流動性が前記第1の成形用材料
    に比して良好な第2の成形用材料を射出することによっ
    て、金型内に充填させる第2の射出工程と、を具備する
    ことを特徴とする構造物の製造方法。
  11. 【請求項11】 第1の成形用材料は、硬化後の第2の
    成形用材料の機械的強度を向上させるフィラーを前記第
    2の成形用材料に混入して得られる成形用材料であるこ
    とを特徴とする請求項7乃至10いずれか記載の構造物
    の製造方法。
JP2000090239A 2000-03-29 2000-03-29 構造物およびその製造方法、ならびに筐体装置、携帯型端末装置 Pending JP2001277292A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000090239A JP2001277292A (ja) 2000-03-29 2000-03-29 構造物およびその製造方法、ならびに筐体装置、携帯型端末装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000090239A JP2001277292A (ja) 2000-03-29 2000-03-29 構造物およびその製造方法、ならびに筐体装置、携帯型端末装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001277292A true JP2001277292A (ja) 2001-10-09
JP2001277292A5 JP2001277292A5 (ja) 2007-04-05

Family

ID=18605871

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000090239A Pending JP2001277292A (ja) 2000-03-29 2000-03-29 構造物およびその製造方法、ならびに筐体装置、携帯型端末装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001277292A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010012770A (ja) * 2008-06-02 2010-01-21 Panasonic Electric Works Co Ltd 樹脂成形品及びその製造方法
JP2012040791A (ja) * 2010-08-20 2012-03-01 Toshiba Corp 電子機器、コネクタ、および筐体の製造方法
JP2016533043A (ja) * 2013-10-10 2016-10-20 インテル・コーポレーション 小型フォームファクタデバイスにおいて構造的な剛性を向上させ、サイズを縮小させ、安全性を向上させ、熱性能及び高速充電を向上させるための材料の使用

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010012770A (ja) * 2008-06-02 2010-01-21 Panasonic Electric Works Co Ltd 樹脂成形品及びその製造方法
JP2012040791A (ja) * 2010-08-20 2012-03-01 Toshiba Corp 電子機器、コネクタ、および筐体の製造方法
JP2016533043A (ja) * 2013-10-10 2016-10-20 インテル・コーポレーション 小型フォームファクタデバイスにおいて構造的な剛性を向上させ、サイズを縮小させ、安全性を向上させ、熱性能及び高速充電を向上させるための材料の使用
US10305529B2 (en) 2013-10-10 2019-05-28 Intel Corporation Using materials to increase structural rigidity, decrease size, improve safety, enhance thermal performance and speed charging in small form factor devices

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10067537B2 (en) Electronic device housing and assembly method
TW525423B (en) Housing used for an electronic apparatus and method of forming same, display unit and portable computer system
JP3419388B2 (ja) 操作キーを備えた電子機器およびその製造方法
US9176540B2 (en) Electronic device having audio output unit
CN107708369A (zh) 围绕便携式电子设备的玻璃构件的嵌件模制
JP2001277292A (ja) 構造物およびその製造方法、ならびに筐体装置、携帯型端末装置
CN101596771B (zh) 电子机器机箱的制造方法及电子机器机箱
TW200902282A (en) In-mold decoration injection molding case and method thereof
WO2014103655A1 (ja) サンドイッチ成形品の製造方法、射出成形機及びサンドイッチ成形品
JP2012000810A (ja) 電子機器用筐体およびその製造方法
US20070056965A1 (en) Portable computer and method of forming rear cover thereof
JPH0629669A (ja) 電子機器用匡体
JP2014168848A (ja) 射出成形方法及び射出成形機
JP2001058332A (ja) 薄肉成形品の成形方法
TWI657185B (zh) 嵌入模製鉸鏈
US20090123760A1 (en) Article made of biodegradable resin and method of making the same
JP2009267313A (ja) 電子機器用筐体および電子機器用筐体の製造方法
TWI227187B (en) Method for fabricating molded resinous part with metal distributed in surface thereof
JP2002192549A (ja) 発泡射出成形品
JP3112717B2 (ja) 射出成形用金型
JP2002163627A (ja) 電子タグ及びその製造方法
JPH08156021A (ja) 携帯形情報処理装置用筺体の製造方法
JP2001007574A (ja) 電子機器
Eduljee et al. Design methodology for the molding of short-fiber thermoset composites
JP2002331919A (ja) 金属部材構造物を備えた車両用樹脂製窓

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20050414

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20050606

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070221

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070221

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090430

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090508

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090911