JP2001277219A - 窯業系板材の製造方法および窯業系板材 - Google Patents
窯業系板材の製造方法および窯業系板材Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 フローオン成形法で得た板材に、プレスによ
り深彫りの凹凸模様を付す場合、通常のセメント系配合
からなる基層表面に、プレスに適したセメント系配合か
らなる表面層を積層する場合、基層と表面層との界面に
気泡が入るのを防止し、層間密着性を改良することを課
題とする。 【解決手段】 裏面にサクションボックス2を臨ませた
透水性ベルト1上に基層用セメント系スラリーS1を層
状10aに供給後、該層10a表面に表面層用のセメン
ト系スラリーS2を供給して成層し、吸引脱水しつつ製
板するフローオン成形法において、前記透水性ベルト1
上に成層された基層10a上に表面層用セメント系スラ
リーS2を均一に供給して吸引脱水し、最終的な表面層
10bの厚さが0.5〜2.0mmとなるようプレスに
より深彫り凹凸模様を付すことよりなる。
り深彫りの凹凸模様を付す場合、通常のセメント系配合
からなる基層表面に、プレスに適したセメント系配合か
らなる表面層を積層する場合、基層と表面層との界面に
気泡が入るのを防止し、層間密着性を改良することを課
題とする。 【解決手段】 裏面にサクションボックス2を臨ませた
透水性ベルト1上に基層用セメント系スラリーS1を層
状10aに供給後、該層10a表面に表面層用のセメン
ト系スラリーS2を供給して成層し、吸引脱水しつつ製
板するフローオン成形法において、前記透水性ベルト1
上に成層された基層10a上に表面層用セメント系スラ
リーS2を均一に供給して吸引脱水し、最終的な表面層
10bの厚さが0.5〜2.0mmとなるようプレスに
より深彫り凹凸模様を付すことよりなる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、フローオン成形
法による窯業系板材の製造方法および窯業系板材に関す
る。
法による窯業系板材の製造方法および窯業系板材に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、壁板、屋根材等の建材として無機
質板材が非常に広く使用されている。これら、無機質板
材の多くは表面に凹凸模様を付し意匠性を付与すること
が行われ、この凹凸模様を付す方法としてプレス成形が
よく用いられる。
質板材が非常に広く使用されている。これら、無機質板
材の多くは表面に凹凸模様を付し意匠性を付与すること
が行われ、この凹凸模様を付す方法としてプレス成形が
よく用いられる。
【0003】一方、従来より繊維補強セメント系板の製
造方法として裏面にサクションボックスを臨ませた透水
性ベルト上にセメント系スラリーを層状に供給し、吸引
脱水しつつ製板するフローオン層成形法が知られてい
る。
造方法として裏面にサクションボックスを臨ませた透水
性ベルト上にセメント系スラリーを層状に供給し、吸引
脱水しつつ製板するフローオン層成形法が知られてい
る。
【0004】このような成形法で得た未硬化の繊維補強
セメント系板に、前述のプレス成形法で深い凹凸模様を
付す方法として、繊維補強セメント系板のセメント系配
合を基層と表面層に分け、基層セメント系配合を強度的
に優れた配合材料、表面層セメント系配合を深彫りプレ
スに適した材料配合とし、もって美麗な深彫りの凹凸模
様を有する繊維補強セメント系板を製造する方法が提案
されかつ実施されている。
セメント系板に、前述のプレス成形法で深い凹凸模様を
付す方法として、繊維補強セメント系板のセメント系配
合を基層と表面層に分け、基層セメント系配合を強度的
に優れた配合材料、表面層セメント系配合を深彫りプレ
スに適した材料配合とし、もって美麗な深彫りの凹凸模
様を有する繊維補強セメント系板を製造する方法が提案
されかつ実施されている。
【0005】ところで、基層上に積層される表面層は、
深彫りプレスに適した材質の配合とされ、具体的には補
強繊維として短繊維のものを使用するなどの措置がとら
れている。
深彫りプレスに適した材質の配合とされ、具体的には補
強繊維として短繊維のものを使用するなどの措置がとら
れている。
【0006】しかしながら、表面層の層厚は厚くすれば
プレス時の賦形性は良くなるが基層との層間剥離が生じ
易くなるといった問題があった。
プレス時の賦形性は良くなるが基層との層間剥離が生じ
易くなるといった問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この発明は上記問題を
解消し、フローオン成形法で通常のセメント系配合から
なる基層表面に、プレスに適したセメント系配合からな
る表面層を成層し、プレスにより深彫りの凹凸模様を付
す場合、深彫り凹凸模様のシャープさを損なうことなく
層間剥離を有効に防止することを課題としてなされたも
のである。
解消し、フローオン成形法で通常のセメント系配合から
なる基層表面に、プレスに適したセメント系配合からな
る表面層を成層し、プレスにより深彫りの凹凸模様を付
す場合、深彫り凹凸模様のシャープさを損なうことなく
層間剥離を有効に防止することを課題としてなされたも
のである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1の窯業系板材の製造方法は、裏面にサクシ
ョンボックスを臨ませた透水性ベルト上に基層用セメン
ト系スラリーを層状に供給後、該層表面に表面層用のセ
メント系スラリーを供給して成層し、吸引脱水しつつ製
板するフローオン成形法において、前記透水性ベルト上
に成層された基層上に表面層用セメント系スラリーを厚
さ1.0〜3.0mmになるように供給して吸引脱水
し、表面層の厚さが0.5〜2.0mmとなるようプレ
スにより深彫り凹凸模様を付すものである。
め、請求項1の窯業系板材の製造方法は、裏面にサクシ
ョンボックスを臨ませた透水性ベルト上に基層用セメン
ト系スラリーを層状に供給後、該層表面に表面層用のセ
メント系スラリーを供給して成層し、吸引脱水しつつ製
板するフローオン成形法において、前記透水性ベルト上
に成層された基層上に表面層用セメント系スラリーを厚
さ1.0〜3.0mmになるように供給して吸引脱水
し、表面層の厚さが0.5〜2.0mmとなるようプレ
スにより深彫り凹凸模様を付すものである。
【0009】この方法によれば、基層用のセメント系ス
ラリー上に積層される表面層用のセメント系層は非常に
薄い層とされこの薄さによって層間剥離が有効に防止さ
れる。
ラリー上に積層される表面層用のセメント系層は非常に
薄い層とされこの薄さによって層間剥離が有効に防止さ
れる。
【0010】また、プレスによる凹凸模様は基層だけで
あると配合物を構成する比較的長い補強繊維によりシャ
ープなエッジ部分の再現性が低下するが、表面層用のセ
メント系層がこれらの表面を覆うのでエッジ部分の再現
性も維持され、模様の鮮明さは保たれる。
あると配合物を構成する比較的長い補強繊維によりシャ
ープなエッジ部分の再現性が低下するが、表面層用のセ
メント系層がこれらの表面を覆うのでエッジ部分の再現
性も維持され、模様の鮮明さは保たれる。
【0011】表面層の厚さを0.5mm〜2.0mmと
するのは上記作用効果を発揮させるためであって、0.
5mmより薄いと表面層を設けた効果が得られず、鮮明
な凸部エッジが得られなくなる。また2.0mmより厚
くすると、模様の鮮明さの点では問題無いものの、層間
に空気が入りやすくなり耐剥離性が低下する。
するのは上記作用効果を発揮させるためであって、0.
5mmより薄いと表面層を設けた効果が得られず、鮮明
な凸部エッジが得られなくなる。また2.0mmより厚
くすると、模様の鮮明さの点では問題無いものの、層間
に空気が入りやすくなり耐剥離性が低下する。
【0012】請求項2の窯業系板材の製造方法は、請求
項1の方法を実施する場合に、表面層用セメント系スラ
リーの供給が、底部に開口巾の調整可能な開口が設けら
れた容器であって、該開口部にスラリーの排出用ロール
が配設された供給装置により行なわれるものである。
項1の方法を実施する場合に、表面層用セメント系スラ
リーの供給が、底部に開口巾の調整可能な開口が設けら
れた容器であって、該開口部にスラリーの排出用ロール
が配設された供給装置により行なわれるものである。
【0013】従って、極めて薄い層を成層する場合に、
開口巾の調整によって供給量を絞ると共に、開口巾が狭
くなっても排出用ロールによって均一な排出量が得られ
るため層厚の安定した表面層が得られる。
開口巾の調整によって供給量を絞ると共に、開口巾が狭
くなっても排出用ロールによって均一な排出量が得られ
るため層厚の安定した表面層が得られる。
【0014】請求項3の窯業系板材の製造方法は、上記
製造方法において、表面層用セメント系スラリーの供給
をスプレー装置により行なうものである。スプレー散布
されるので薄い層が容易に得られる。
製造方法において、表面層用セメント系スラリーの供給
をスプレー装置により行なうものである。スプレー散布
されるので薄い層が容易に得られる。
【0015】請求項4の発明は、上記方法で得た窯業系
板材であって、長繊維で補強された繊維補強セメント系
配合よりなる基層表面に短繊維で補強されたセメント系
配合よりなる薄層の表面層を一体に積層してなる繊維補
強セメント系板であって、前記基層厚さが10〜20m
mに対し上記薄層の表面層の厚さが0.5〜2.0mm
とされ、該表面層側に表面層の層厚以上の凹凸模様が付
されてなるものである。
板材であって、長繊維で補強された繊維補強セメント系
配合よりなる基層表面に短繊維で補強されたセメント系
配合よりなる薄層の表面層を一体に積層してなる繊維補
強セメント系板であって、前記基層厚さが10〜20m
mに対し上記薄層の表面層の厚さが0.5〜2.0mm
とされ、該表面層側に表面層の層厚以上の凹凸模様が付
されてなるものである。
【0016】この窯業系板材は表面層が薄いため、基層
との密着性が良く、しかも深彫り凹凸模様に対しても再
現性良く凹凸が形成される。請求項5の発明は、上記請
求項4の窯業系板材において、長繊維は長さ1〜3mm
のパルプ繊維であり、短繊維は長さ1.2mm以下のパ
ルプ繊維であり、凹凸模様は凹凸差が3〜5mmである
ものである。
との密着性が良く、しかも深彫り凹凸模様に対しても再
現性良く凹凸が形成される。請求項5の発明は、上記請
求項4の窯業系板材において、長繊維は長さ1〜3mm
のパルプ繊維であり、短繊維は長さ1.2mm以下のパ
ルプ繊維であり、凹凸模様は凹凸差が3〜5mmである
ものである。
【0017】長繊維によって強度を高め、表層の補強繊
維は短くして賦形性を良くするのである。
維は短くして賦形性を良くするのである。
【0018】
【発明の実施の形態】次に、この発明の実施の形態を説
明する。図1はこの発明の実施の形態であるセメント系
スラリー供給装置を備えたフローオン成形装置の側断面
図である。
明する。図1はこの発明の実施の形態であるセメント系
スラリー供給装置を備えたフローオン成形装置の側断面
図である。
【0019】図1において、1は透水性ベルト、例えば
透水孔の設けられた金属ベルトなどの透水性ベルトを示
し、駆動プーリ1aおよび従動プーリ1b間に巻き掛け
られている。この透水性ベルト1の下面にはサクション
ボックス2…2が配設され、透水性ベルト1上に成層さ
れたセメント系スラリーS1、S2から水分を吸引脱水
できるようにされている。
透水孔の設けられた金属ベルトなどの透水性ベルトを示
し、駆動プーリ1aおよび従動プーリ1b間に巻き掛け
られている。この透水性ベルト1の下面にはサクション
ボックス2…2が配設され、透水性ベルト1上に成層さ
れたセメント系スラリーS1、S2から水分を吸引脱水
できるようにされている。
【0020】上記透水性ベルト1上面には、供給装置P
1から基層用セメント系スラリーS1が供給される供給
ボックス3と、供給装置P2から表面層用セメント系ス
ラリーS2が供給される供給ボックス4とが配設されて
いる。
1から基層用セメント系スラリーS1が供給される供給
ボックス3と、供給装置P2から表面層用セメント系ス
ラリーS2が供給される供給ボックス4とが配設されて
いる。
【0021】上記基層用セメント系スラリーS1の供給
ボックス3は、底面3aが開口され、透水性ベルト1の
移動方向下流側の側面にセメント系スラリーS1を層状
にして送り出すゲート3bが開口されている。
ボックス3は、底面3aが開口され、透水性ベルト1の
移動方向下流側の側面にセメント系スラリーS1を層状
にして送り出すゲート3bが開口されている。
【0022】このゲート3bから基層用セメント系スラ
リーS1がゲート3bの開口高さの層となって基層10
aとして送り出される。上記基層用セメント系スラリー
S1を供給する供給ボックス3から透水性ベルト1の移
送方向下流側には、表面層用セメント系スラリーS2の
供給装置4が設けられている。
リーS1がゲート3bの開口高さの層となって基層10
aとして送り出される。上記基層用セメント系スラリー
S1を供給する供給ボックス3から透水性ベルト1の移
送方向下流側には、表面層用セメント系スラリーS2の
供給装置4が設けられている。
【0023】この供給装置4は、表面層用セメント系ス
ラリーS2を厚さ1.0mm〜3.0mmの薄い表面層
10bとして供給できるようにされている。この供給装
置4は基層10a表面に対する底面に開口4aが設けら
れ、開口巾がスライドゲート4bで調整できるようにさ
れ、さらにこのスライドゲート4bの内側にスラリーS
2の掻き出しローラ4cが軸支されており、スライドゲ
ート4bの開口巾が狭く絞られても、絞り量に対応する
一定量のスラリーが排出されるようにされている。
ラリーS2を厚さ1.0mm〜3.0mmの薄い表面層
10bとして供給できるようにされている。この供給装
置4は基層10a表面に対する底面に開口4aが設けら
れ、開口巾がスライドゲート4bで調整できるようにさ
れ、さらにこのスライドゲート4bの内側にスラリーS
2の掻き出しローラ4cが軸支されており、スライドゲ
ート4bの開口巾が狭く絞られても、絞り量に対応する
一定量のスラリーが排出されるようにされている。
【0024】このスラリー供給装置4により表面層10
bが積層形成された基層10aは透水性ベルト1で移送
されながら吸引ボックス2…2より含有水分が吸引脱水
され、最終的な脱水水分量となったとき、表面層10b
の層厚が0.7〜2.5mmの厚さとなるようにされて
いる。
bが積層形成された基層10aは透水性ベルト1で移送
されながら吸引ボックス2…2より含有水分が吸引脱水
され、最終的な脱水水分量となったとき、表面層10b
の層厚が0.7〜2.5mmの厚さとなるようにされて
いる。
【0025】その後、積層板状体10は、カッター5で
切断されプレス装置6へと移送される。このプレス装置
6では、表面層10bの層厚以上の凹凸差を有する凹凸
模様、例えば煉瓦目地状の凹凸差が3〜5mmといった
深彫りの凹凸模様が付される。
切断されプレス装置6へと移送される。このプレス装置
6では、表面層10bの層厚以上の凹凸差を有する凹凸
模様、例えば煉瓦目地状の凹凸差が3〜5mmといった
深彫りの凹凸模様が付される。
【0026】このプレス時、積層板状体10は図2に拡
大して示すようにプレス盤による凹凸6a、6bに沿っ
て表面層10bが薄い層のまま凹凸変化し、基層10a
に対する皮膜のような形態となり、この表面層10bの
プレス後の厚さは0.5〜2.0mmに形成される。
大して示すようにプレス盤による凹凸6a、6bに沿っ
て表面層10bが薄い層のまま凹凸変化し、基層10a
に対する皮膜のような形態となり、この表面層10bの
プレス後の厚さは0.5〜2.0mmに形成される。
【0027】従って、基層10aの配合材料に繊維長1
〜3mmの比較的長繊維の補強用パルプ繊維や粒度の大
きい発泡軽量骨材等が含まれ、これらによって基層10
aだけであると凹凸模様のシャープなエッジの再現性が
悪くなる場合であってもこれら欠点が表面層10bによ
って隠され、シャープなエッジが形成される。
〜3mmの比較的長繊維の補強用パルプ繊維や粒度の大
きい発泡軽量骨材等が含まれ、これらによって基層10
aだけであると凹凸模様のシャープなエッジの再現性が
悪くなる場合であってもこれら欠点が表面層10bによ
って隠され、シャープなエッジが形成される。
【0028】さらに、表面層10bの配合材料としては
繊維長1.2mm以下の比較的短繊維の補強用パルプ繊
維が含まれ、表面層10bが薄いことと相俟って基層1
0aとの界面に十分なプレス圧が加わり強い密着力が得
られ、気泡などの噛み込みが層間にあっても表面層10
bが薄いのでプレス圧によって表面層10bを透過し外
部へ排出されてしまう。
繊維長1.2mm以下の比較的短繊維の補強用パルプ繊
維が含まれ、表面層10bが薄いことと相俟って基層1
0aとの界面に十分なプレス圧が加わり強い密着力が得
られ、気泡などの噛み込みが層間にあっても表面層10
bが薄いのでプレス圧によって表面層10bを透過し外
部へ排出されてしまう。
【0029】特に、凹凸角部10cに空気の噛み込みが
起きやすいがこのような部分での空気の噛み込みも十分
に防止される。このため、層間剥離といった問題は解消
される。
起きやすいがこのような部分での空気の噛み込みも十分
に防止される。このため、層間剥離といった問題は解消
される。
【0030】そして、このプレス後、積層板状体10は
養生工程へ送られ、養生工程、塗装工程を経て製品化さ
れる。上記実施の形態における表面層用セメント系スラ
リーS2の供給手段として図3に示すようにスプレーに
よっても良い。
養生工程へ送られ、養生工程、塗装工程を経て製品化さ
れる。上記実施の形態における表面層用セメント系スラ
リーS2の供給手段として図3に示すようにスプレーに
よっても良い。
【0031】このスプレー装置7は透水性ベルト1で移
送される基層10a表面に、所定の層厚に表面層用セメ
ント系スラリーS2を供給できる数のノズル7a…が多
段状態に基枠7b…7dに配置され、さらにそれら段を
構成する基枠7b…7dは基層10aの巾方向にシリン
ダピストン装置7e…7gによって平行移動可能とさ
れ、この相互の移動により、均一散布ができるようにさ
れている。
送される基層10a表面に、所定の層厚に表面層用セメ
ント系スラリーS2を供給できる数のノズル7a…が多
段状態に基枠7b…7dに配置され、さらにそれら段を
構成する基枠7b…7dは基層10aの巾方向にシリン
ダピストン装置7e…7gによって平行移動可能とさ
れ、この相互の移動により、均一散布ができるようにさ
れている。
【0032】なお、上記多段構成のスプレー装置に代
え、図4に示すように環状体7hにノズル7a…を配置
し、環状体7hを回転させることによってセメント系ス
ラリーS2を散布する散布装置や、固定式のスプレー装
置を巾方向に楢べた散布装置によっても良い。
え、図4に示すように環状体7hにノズル7a…を配置
し、環状体7hを回転させることによってセメント系ス
ラリーS2を散布する散布装置や、固定式のスプレー装
置を巾方向に楢べた散布装置によっても良い。
【0033】この回転散布装置を使用する場合、回転移
動するノズル7a…と直線的に移動する基層10aとの
相対移動によって、表面に均一なスラリー散布が可能と
なる。
動するノズル7a…と直線的に移動する基層10aとの
相対移動によって、表面に均一なスラリー散布が可能と
なる。
【0034】また、表層用セメント系スラリーS2の流
動性が悪い場合は、上記スプレーに代えリシン吹き付け
用のノズルを使用しても良い。以上説明したように、こ
の方法によれば、強度に優れ厚さの厚い基層表面に出来
るだけ薄い表面層を積層し、これに深彫りの凹凸模様を
付したので、シャープな凹凸模様とすることができる
上、基層と表面層との密着強度が強く、層間剥離や爆裂
の危険もないなどの効果を有する。実施例次にこの発明
の窯業系板材の製造方法の実施例を説明する。
動性が悪い場合は、上記スプレーに代えリシン吹き付け
用のノズルを使用しても良い。以上説明したように、こ
の方法によれば、強度に優れ厚さの厚い基層表面に出来
るだけ薄い表面層を積層し、これに深彫りの凹凸模様を
付したので、シャープな凹凸模様とすることができる
上、基層と表面層との密着強度が強く、層間剥離や爆裂
の危険もないなどの効果を有する。実施例次にこの発明
の窯業系板材の製造方法の実施例を説明する。
【0035】基層用のセメント系配合として、セメント
系40重量%、珪砂40重量%、軽量骨材10重量%、パルプ
繊維として繊維長1〜3mmのパルプ繊維10重量%のセメ
ント系配合を用意し、これら配合材料を水と共に混合槽
に投入し均一混合して「固形分総量」/「水+固形分総
量」が20%の基層用セメント系スラリーS1を調整し
た。
系40重量%、珪砂40重量%、軽量骨材10重量%、パルプ
繊維として繊維長1〜3mmのパルプ繊維10重量%のセメ
ント系配合を用意し、これら配合材料を水と共に混合槽
に投入し均一混合して「固形分総量」/「水+固形分総
量」が20%の基層用セメント系スラリーS1を調整し
た。
【0036】上記スラリーS1を図1に示すように吸引
脱水装置2を備えた無端透水性ベルト1上に、スラリー
供給装置3より供給し厚さ30mmの基層10aを成層
したた。
脱水装置2を備えた無端透水性ベルト1上に、スラリー
供給装置3より供給し厚さ30mmの基層10aを成層
したた。
【0037】次いで、セメント系25〜35重量%、珪
砂20〜40重量%、軽量骨材15〜20重量%、繊維
長が1.2mm以下のパルプ繊維5〜10重量%、ベン
トナイト5〜15重量%からなり、「固形分総量」/
「水+固形分総量」が20%の表面層用セメント系スラ
リーS2を基層10a上に厚さ1〜3.0mmの層状に
供給し表面層10bとした。
砂20〜40重量%、軽量骨材15〜20重量%、繊維
長が1.2mm以下のパルプ繊維5〜10重量%、ベン
トナイト5〜15重量%からなり、「固形分総量」/
「水+固形分総量」が20%の表面層用セメント系スラ
リーS2を基層10a上に厚さ1〜3.0mmの層状に
供給し表面層10bとした。
【0038】ついで、吸引脱水装置1で表面層10bと
基層10aとから吸引脱水し、最終的に「固形分総量」
/「水+固形分総量」が45〜60%となるまで吸引脱
水し、表面層10bの層厚を0.7〜2.5mmとした
後、カッター5により成形板材を裁断した。
基層10aとから吸引脱水し、最終的に「固形分総量」
/「水+固形分総量」が45〜60%となるまで吸引脱
水し、表面層10bの層厚を0.7〜2.5mmとした
後、カッター5により成形板材を裁断した。
【0039】裁断した成形板材10をプレス盤6に移送
し10cm×5cmのレンガ目地状で深さ6mm、立ち上がり
角60°の凹凸模様を有するプレス盤7で、プレス圧5
MPa〜10MPaで30秒間圧縮プレスし、上層の厚み
0.5〜2.0mm、基層の厚み9〜20mmとなるよ
うにプレスした。
し10cm×5cmのレンガ目地状で深さ6mm、立ち上がり
角60°の凹凸模様を有するプレス盤7で、プレス圧5
MPa〜10MPaで30秒間圧縮プレスし、上層の厚み
0.5〜2.0mm、基層の厚み9〜20mmとなるよ
うにプレスした。
【0040】プレス後、成形板を養生し製品とした。次
に、上記実施例で作成した板材について賦形性試験、剥
離試験、耐爆裂性の試験を行なったところ表1の結果と
なった。
に、上記実施例で作成した板材について賦形性試験、剥
離試験、耐爆裂性の試験を行なったところ表1の結果と
なった。
【0041】表1より明らかなように、表面層0.5m
m〜2.0mmの実施例については、乾燥時、表面層の
爆裂は無く、表面層の耐剥離強度も優れることが判明し
た。これに対し、表面層の厚さが2.1mmの比較例2
は、爆裂が見られ、表面層の耐剥離性に問題があること
が判明した。
m〜2.0mmの実施例については、乾燥時、表面層の
爆裂は無く、表面層の耐剥離強度も優れることが判明し
た。これに対し、表面層の厚さが2.1mmの比較例2
は、爆裂が見られ、表面層の耐剥離性に問題があること
が判明した。
【0042】また、プレスレス時の表面成形性も、実施
例の場合は凸部模様のエッジ部の成形性は問題無く、シ
ャープな成形性が得られる事が判明した。これに対し表
面層の全く無い比較例1の場合は、凸部エッジに多数の
クラックや欠けが見られ、模様の成形性に問題のあるこ
とが判明した。
例の場合は凸部模様のエッジ部の成形性は問題無く、シ
ャープな成形性が得られる事が判明した。これに対し表
面層の全く無い比較例1の場合は、凸部エッジに多数の
クラックや欠けが見られ、模様の成形性に問題のあるこ
とが判明した。
【0043】以上より、表面層が厚いものは表面凹凸模
様の成形性は良いものの層間耐剥離強度が弱く、表面層
の無い物は、表面凹凸模様の成形性が悪いといった問題
があるのに対し、本発明の実施例は表面凹凸模様の成形
性が良くしかも、層間耐剥離強度も強いといった利点を
有する。
様の成形性は良いものの層間耐剥離強度が弱く、表面層
の無い物は、表面凹凸模様の成形性が悪いといった問題
があるのに対し、本発明の実施例は表面凹凸模様の成形
性が良くしかも、層間耐剥離強度も強いといった利点を
有する。
【表1】 表1において、「乾燥時爆裂」は試験板材を加熱し、2
00℃に10分間維持したとき表面層の爆裂が僅かでも
あれば「あり」、無い場合は「なし」とした。
00℃に10分間維持したとき表面層の爆裂が僅かでも
あれば「あり」、無い場合は「なし」とした。
【0044】「表面成形性」は凹凸模様の凸エッジ部分
にヘアクラックが多数見られたものが「不良」、わずか
に見られるが製品として問題無いものを「やや良好」、
殆ど乃至全くクラックが見られずシャープなエッジとな
っていたものを「良好」とした。
にヘアクラックが多数見られたものが「不良」、わずか
に見られるが製品として問題無いものを「やや良好」、
殆ど乃至全くクラックが見られずシャープなエッジとな
っていたものを「良好」とした。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば表面凹凸模様の成形性が良く、しかも表面層の耐
剥離強度に優れる窯業系板材を製造することができ、請
求項2の発明によれば、上記方法の発明の実施、特に非
常に薄いセメント系層の成層が容易に行なえる。また、
請求項3の発明によればさらに薄いセメント系層の成層
が容易となる。
よれば表面凹凸模様の成形性が良く、しかも表面層の耐
剥離強度に優れる窯業系板材を製造することができ、請
求項2の発明によれば、上記方法の発明の実施、特に非
常に薄いセメント系層の成層が容易に行なえる。また、
請求項3の発明によればさらに薄いセメント系層の成層
が容易となる。
【0046】また、請求項4に記載の窯業系板材は、表
面の耐剥離強度が優れるので、凍害や火災などにも対応
強度を発揮するなどの効果を有する。
面の耐剥離強度が優れるので、凍害や火災などにも対応
強度を発揮するなどの効果を有する。
【図1】この発明の実施の形態であるセメント系スラリ
ー供給装置を備えたフローオン成形装置の側面図であ
る。
ー供給装置を備えたフローオン成形装置の側面図であ
る。
【図2】プレス状態を示す要部拡大断面図である。
【図3】スプレー装置の説明平面図である。
【図4】他のスプレー装置の説明平面図である。
1 透水性ベルト 1a 駆動プーリ 1b 従動プーリ 2 サクションボックス 3 基層用セメント系スラリーの供給装置 3a 底面 3b ゲート 4 表面層用セメント系スラリーの供給ボックス 4a 底面 4b ゲート 5 カッター 6 プレス装置 6a 凹部 6b 凸部 7 スプレー装置 10a 基層 10b 表面層 S1 基層用セメント系スラリー S2 表面層用セメント系スラリー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) //(C04B 28/02 (C04B 28/02 16:02 16:02 Z 14:02 14:02 B 14:06 14:06 Z 14:10) 14:10) Z 111:20 111:20 (72)発明者 藤田 大典 大阪府堺市築港南町10番地 株式会社クボ タ大浜工場内 Fターム(参考) 4G012 PA02 PA04 PA06 PA22 PC12 PE02 4G052 GA02 GA11 GA17 GB64 GB86 GC04 GC05 GC06 4G055 AA02 AC01 AC02 BA44
Claims (5)
- 【請求項1】裏面にサクションボックスを臨ませた透水
性ベルト上に基層用セメント系スラリーを層状に供給
後、該層表面に表面層用のセメント系スラリーを供給し
て成層し、吸引脱水しつつ製板するフローオン成形法に
おいて、前記透水性ベルト上に成層された基層上に表面
層用セメント系スラリーを厚さ1.0〜3.0mmにな
るように供給して吸引脱水し、表面層の厚さが0.5〜
2.0mmとなるようプレスにより深彫り凹凸模様を付
す窯業系板材の製造方法。 - 【請求項2】表面層用セメント系スラリーの供給が、底
部に開口巾の調整可能な開口が設けられた容器であっ
て、該開口部にスラリーの排出用ロールが配設された供
給装置により行なわれるものである請求項1に記載の窯
業系板材の製造方法。 - 【請求項3】表面層用セメント系スラリーの供給がスプ
レー装置により行なわれるものである請求項1に記載の
窯業系板材の製造方法。 - 【請求項4】長繊維で補強された繊維補強セメント系配
合よりなる基層表面に短繊維で補強されたセメント系配
合よりなる薄層の表面層を一体に積層してなる繊維補強
セメント系板であって、前記基層厚さが10〜20mm
に対し上記薄層の表面層の厚さが0.5〜2.0mmと
され、該表面層側に表面層の層厚以上の凹凸模様が付さ
れてなる窯業系板材。 - 【請求項5】請求項4の窯業系板材における長繊維は長
さ1〜3mmのパルプ繊維であり、短繊維は長さ1.2
mm以下のパルプ繊維であり、凹凸模様は凹凸差が3〜
5mmである窯業系板材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000096025A JP2001277219A (ja) | 2000-03-31 | 2000-03-31 | 窯業系板材の製造方法および窯業系板材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000096025A JP2001277219A (ja) | 2000-03-31 | 2000-03-31 | 窯業系板材の製造方法および窯業系板材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001277219A true JP2001277219A (ja) | 2001-10-09 |
Family
ID=18610843
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000096025A Pending JP2001277219A (ja) | 2000-03-31 | 2000-03-31 | 窯業系板材の製造方法および窯業系板材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001277219A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110294635A (zh) * | 2019-07-05 | 2019-10-01 | 南通四建集团有限公司 | 一种混凝土基层的喷浆浆料及其喷浆施工方法 |
-
2000
- 2000-03-31 JP JP2000096025A patent/JP2001277219A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110294635A (zh) * | 2019-07-05 | 2019-10-01 | 南通四建集团有限公司 | 一种混凝土基层的喷浆浆料及其喷浆施工方法 |
CN110294635B (zh) * | 2019-07-05 | 2022-05-24 | 南通四建集团有限公司 | 一种混凝土基层的喷浆浆料及其喷浆施工方法 |
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