JP2001270505A - ラベル付きパルプモールド成形体 - Google Patents

ラベル付きパルプモールド成形体

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JP2001270505A
JP2001270505A JP2000083198A JP2000083198A JP2001270505A JP 2001270505 A JP2001270505 A JP 2001270505A JP 2000083198 A JP2000083198 A JP 2000083198A JP 2000083198 A JP2000083198 A JP 2000083198A JP 2001270505 A JP2001270505 A JP 2001270505A
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pulp molded
pulp
mold
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Shingo Odajima
信吾 小田嶋
Minoru Goto
実 後藤
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Kao Corp
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Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 凹凸や曲面等の複雑な形状を有するパルプモ
ールド成形体に、ラベルが密着して貼着されたラベル付
きパルプモールド成形体及びその製造方法を提供するこ
と。 【解決手段】 展開状態が平面とならない三次元曲面を
有するパルプモールド成形体2の外面に、紙を基材とす
るラベル3が密着して貼着されているラベル付きパルプ
モールド成形体1。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ラベル付きパルプ
モールド成形体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】特開昭
56−77135号公報には、花や葉をパルプモールド
成形体に貼り付けることが記載されている。しかし、花
や葉は、通気性に関しては、紙より劣ると考えられるの
で、ブリスターの発生や乾燥効率の低下のおそれがあ
る。実際、この公報では、花や葉に含まれる水分は、成
形体中を通って成形体の端面から排出されると記載され
ている。これに対して、通気性のある紙ラベルの場合、
通気孔を設けた型を使用すれば、成形体中の水分はラベ
ルを通って通気孔から排出されるので、ブリスターが発
生せず、また乾燥効率に優れる。また、紙ラベルの場合
には、パルプ同士の結合も行われると考えられるので、
貼着時の加圧力は、前記公報に記述されている1×10
5 〜3×105 Paまでは必要とされず、1×105
a以下の圧力で充分である。
【0003】登録実用新案3013399号明細書に
は、パルプモールド成形体の表面に所定の印刷模様が施
された帯状シートを貼付した容器が記載されている。し
かし、このパルプモールド成形体における帯状シートを
貼着する部位の表面は平坦であると考えられるので、該
帯状シートの貼着に困難性は無いが、該部位の表面が凹
凸である場合には、該帯状シートに皺が寄ったり破れが
生じたりして、該帯状シートを密着して貼付させること
は極めて困難である。
【0004】従って本発明は、凹凸や曲面等の複雑な形
状を有するパルプモールド成形体に、ラベルが密着して
貼着されたラベル付きパルプモールド成形体及びその製
造方法を提供することを目的とする。また本発明は、ラ
ベルが損傷や皺の発生の無く貼着されたラベル付きパル
プモールド成形体及びその製造方法を提供することを目
的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、展開状態が平
面とならない三次元曲面を有するパルプモールド成形体
の外面に、紙を基材とするラベルが密着して貼着されて
いるラベル付きパルプモールド成形体を提供することに
より前記目的を達成したものである。
【0006】また、本発明は、所定形状を有する型内
に、紙を基材とするラベルを介して所定形状のパルプモ
ールド成形体を装填し、次いで該パルプモールド成形体
を該ラベルと共に該型の内面に向けて押圧して、該ラベ
ルを該パルプモールド成形体に密着して貼着させるラベ
ル付きパルプモールド成形体の製造方法を提供すること
により前記目的を達成したものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明のラベル付きパルプ
モールド成形体を、その好ましい実施形態に基づき図面
を参照して説明する。図1には本発明のラベル付きパル
プモールド成形体の一実施形態の斜視図が示されてお
り、このラベル付きパルプモールド成形体1は、パルプ
モールド成形体2とラベル3とから構成されている。パ
ルプモールド成形体2は、その上部に開口部4を有し、
更に胴部5及び底部6を有する中空体であり、粉状体や
粒状体等の内容物の収容に有用な中空容器として特に好
適に用いられる。このパルプモールド成形体2は、底部
6の接地面と胴部5の側壁の外面とのなす角が、何れの
側壁においても略90°となっている。また高さが50
mm以上の深底となっている。更にパルプモールド成形
体2の胴部5には、その全周に亘って連続した凹状部7
が形成されている。従って、パルプモールド成形体2
は、この凹状部7が形成されていることによって、展開
状態が平面とならない三次元曲面を有している。
【0008】パルプモールド成形体2には、その開口部
4、胴部5及び底部6の何れにも貼り合わせによるつな
ぎ目及び肉厚部が存在していない。これにより、パルプ
モールド成形体2の強度が高まると共に外観の印象が良
好となる。
【0009】ラベル3は、パルプモールド成形体2の胴
部5の外側面全周に亘って密着して隙間無く貼着されて
いる。そして、パルプモールド成形体2が、展開状態が
平面とならない三次元曲面を有しているにも拘わらず、
ラベル3には破れ等の損傷や皺の発生が生じていない。
その結果、ラベル付きパルプモールド成形体1は良好な
外観を呈する。ラベル3をパルプモールド成形体2に密
着して貼着させるには、例えば後述するラベル付きパル
プモールド成形体1の好ましい製造方法を用いればよ
い。
【0010】ラベル3はパルプモールド成形体2に、所
定の接着剤よって、又は接着剤を介さずに貼着されてい
る。ラベル3がパルプモールド成形体2に、接着剤を介
さずに貼着されている場合、ラベル3は機械的あるいは
物理的に貼着されている。即ち、微視的にはラベル3を
構成するパルプとパルプモールド成形体2を構成するパ
ルプとが機械的に交絡してラベル3のパルプモールド成
形体2への貼着状態が維持され、また巨視的にはラベル
3がパルプモールド成形体2へ機械的に係合あるいは嵌
合していることにより(例えば、ラベル3がパルプモー
ルド成形体2の凹状部7に係合していることにより)、
貼着状態が維持されている。ラベル3が接着剤よって貼
着されている場合には、これらに加えて接着剤によって
も貼着状態が維持されている。接着剤としては、例えば
でんぷん糊やにかわ等の天然系接着剤、ポリビニルアル
コールやポリ酢酸ビニルエマルジョン等の合成系の接着
剤、粘着剤、感熱性粘着剤、ホットメルト等が用いられ
る。
【0011】パルプモールド成形体2は、パルプを主原
料として形成されている。勿論パルプ100%から形成
されていてもよい。パルプに加えて他の材料を用いる場
合には、他の材料の配合量を1〜70重量%、特に5〜
50重量%とすることが好ましい。他の材料としてはタ
ルクやカオリナイト等の無機物、ガラス繊維やカーボン
繊維等の無機繊維、ポリオレフィン等の合成樹脂の粉末
又は繊維、非木材又は植物質繊維、カルボキシメチルセ
ルロース等の多糖類等が挙げられる。
【0012】ラベル3とパルプモールド成形体2との密
着性を良好にするために、パルプモールド成形体2の外
面は平滑であることが好ましい。本明細書において「平
滑」とは、パルプモールド成形体2の外面の表面凹凸形
状についての中心線平均粗さ(Ra)が50μm以下
で、且つ最大高さ(Ry)が500μm以下であること
をいう(JIS B 0601に準拠して測定された
値)。斯かる平滑な外面を有するパルプモールド成形体
2は例えば後述するラベル付きパルプモールド成形体1
の好ましい製造方法によって得ることができる。
【0013】ラベル3は紙を基材としている。即ち、ラ
ベル3はパルプモールド成形体2と同様にパルプを主原
料として形成されており、その構成材料に関しては、パ
ルプモールド成形体2の構成材料に関する説明が適宜適
用される。ラベル3の外面には、必要に応じて印刷等に
よる加飾が施されていてもよい。また、ラベル3が通気
性を有すると、ラベル3とパルプモールド成形体2との
密着性が一層良好となることから好ましい。ラベル3の
通気性の程度は、JIS P 8117に従い測定され
た透気度(ガーレー)が3000〜0秒/100ml、
特に1500〜2秒/100mlであることが、ラベル
3がパルプモールド成形体2から部分的に浮いたり、ラ
ベル付きパルプモールド成形体1が変形することを防止
する観点、及び通気性と印刷適性とのバランスの観点等
から好ましい。
【0014】また、ラベル3は、伸展性又は収縮性を有
することが、パルプモールド成形体2に貼着されたとき
に破れ等の損傷や皺の発生が効果的に防止される観点か
ら好ましい。ラベル3が伸展性を有する場合、その伸展
性の程度は、20℃、60%RHの条件下で測定された
ラベル3の破断伸び率が4〜20%、特に7〜20%で
あることが前記の観点、特にラベル3の破れや亀裂の発
生防止の観点から好ましい。尚、20%を超える伸び率
は、実現困難である。前記破断伸び率の値は、ラベル3
の任意の一方向に関して満たされていればよい。特に、
ラベル3の長手方向(MD)及び幅方向(TD)の少な
くとも何れかの方向に関して満たされていることが好ま
しく、ラベル3の何れの方向に関しても満たされている
ことが更に好ましい。破断伸び率を高くする方法として
は、パルプ繊維の適切な選定や抄紙条件の適切な選定に
よって紙自体の伸びを高くする以外に、ラベル3に高分
子成分をコーティングまたは含浸する方法やクレープ加
工を行う方法等が挙げられる。破断伸び率の測定には、
15mm×100mmの測定片が用いられ、測定条件
は、23℃、50%RH、チャック間距離50mm、引
張速度10mm/分である。
【0015】ラベル3が収縮性を有する場合、その収縮
性の程度は、ラベル3を20℃の水中に1時間浸漬後、
熱風温度を105℃に設定した乾燥炉(高温槽)で3時
間乾燥させた後に測定された収縮率が0.5〜10%、
特に2〜10%であることが前記の観点、特に貼着によ
って生じたたるみが残ること及びそれに起因する皺の発
生防止の観点から好ましい。尚、10%を超える収縮率
は実現困難である。収縮率はラベル3の初期長(20
℃、60%RHで測定)から浸漬・乾燥後の長さ(20
℃、60%RHで測定)を差し引いた値を初期長で除
し、これに100を乗じた値である。収縮率の測定に
は、50mm×50mmの測定片が用いられる。
【0016】ラベル3の少なくとも周縁部は、パルプモ
ールド成形体2に埋もれた状態で貼着されており、前記
周縁部とパルプモールド成形体2の表面とは略同一面上
に位置している。これにより、ラベル3とパルプモール
ド成形体2との間の段差が小さくなり、ラベル付きパル
プモールド成形体1に塗装や印刷を施す場合に有利とな
る。この段差を小さくするためには、パルプモールド成
形体2へラベル3を貼着する時に、パルプモールド成形
体2の含水率を高めに設定することが好ましい。
【0017】次に、本実施形態のラベル付きパルプモー
ルド成形体1の好ましい製造方法を、図2を参照して説
明する。図2において(a)はパルプモールド成形体の
抄紙工程、(b)は抄紙用割型からパルプモールド成形
体を取り出す工程、(c)はパルプモールド成形体をラ
ベルと共に押圧用割型に装填する工程、(d)はパルプ
モールド成形体内に中子を挿入する工程、(e)は中子
を膨張させてパルプモールド成形体をラベルと共に押圧
用割型に押圧する工程、(f)は押圧用割型を開き、ラ
ベル付きパルプモールド成形体を取り出す工程である。
【0018】先ず、図2(a)に示すように、一対の抄
紙用割型11,12を突き合わせることにより、所定形
状のキャビティ13が形成される金型10の該キャビテ
ィ13内にパルプスラリーを注入する。キャビティ13
の形状は、製造すべきラベル付きパルプモールド成形体
の外形に略対応した形状となっている。各割型11,1
2には、その外側面よりキャビティ13とを連通させる
複数の連通孔14がそれぞれ設けられている。また、各
割型11,12の内面は、所定の大きさの網目を有する
ネット(図示せず)によってそれぞれ被覆されている。
【0019】次に、抄紙用割型11,12の外側より吸
引してキャビティ13内を減圧し、パルプスラリー中の
水分を吸引すると共にパルプ繊維をキャビティ13の内
面に堆積させる。その結果、キャビティ13の内面に
は、パルプ繊維が堆積されてなる含水状態のパルプモー
ルド成形体2が形成される。
【0020】所定厚みのパルプモールド成形体2が形成
されたら、パルプスラリーの注入を停止し、キャビティ
13内を完全に吸引・脱水する。このようにして得られ
たパルプモールド成形体2の外面にはキャビティ13の
内面形状が精度良く転写されているので、パルプモール
ド成形体2の外面の表面性が良好となり、ラベルとの密
着性が良好となる。また、従来のパルプモールド成形体
の製造方法のように一対の割り子を貼り合わせることで
パルプモールド成形体を製造していないので、得られる
パルプモールド成形体2には、その開口部4、胴部5及
び底部6の何れにも貼り合わせによるつなぎ目及び肉厚
部が存在していない。次いで、図2(b)に示すよう
に、抄紙用割型11,12を開き、得られた湿潤状態の
パルプモールド成形体2を取り出す。
【0021】パルプモールド成形体2の含水率は、その
保形性を維持し且つハンドリング性を良好にする観点、
後述する押圧工程におけるラベルとの密着性を良好に
し、またラベル3の破れを防止する観点、及び長時間の
乾燥に起因するラベルの紙基材や印刷インキの劣化(例
えば黄変)を防止する観点から、20〜85重量%、特
に20〜50重量%であることが好ましい。成形体の含
水率を調整する方法としては、脱水及び乾燥工程の途中
において最適な含水率の状態でラベルを貼着する方法、
20重量%以下の含水率に予め乾燥された成形体表面に
スプレー等の手段で水分を付与する方法等が挙げられ
る。
【0022】次いで、所定形状を有する型内に、ラベル
3を介して湿潤状態のパルプモールド成形体2を装填す
る。該型としては、図2(c)に示すように、互いに突
き合わせることにより所定形状のキャビティ23が形成
される一対の押圧用割型21,22が用いられ、該キャ
ビティ23内に、ラベル3を介してパルプモールド成形
体2を装填する。該キャビティ23の形状は、製造すべ
きラベル付きパルプモールド成形体1の外形に対応した
形状となっている。各割型21,22には、その外側面
よりキャビティ23に連通する複数の連通孔24がそれ
ぞれ設けられている。また各割型21,22は、所定温
度に加熱されている。
【0023】図2(c)に示すように、キャビティ23
内において、ラベル3はパルプモールド成形体2の胴部
の外側面に対応する位置に配されている。ラベル3は、
キャビティ23に装填された時点では未だ湿潤しておら
ず乾燥状態にある。即ち、この時点ではパルプモールド
成形体のみが湿潤されている。ラベル3のパルプモール
ド成形体対向面には必要に応じて所定の接着剤が塗布さ
れている。尚、図2(c)においては、便宜上ラベル3
はパルプモールド成形体2の胴部における相対向する一
対の外側面に配されているように描かれているが、実際
はパルプモールド成形体2の胴部の外側面全周に亘って
配されていても良い。この場合、ラベル3は所定のイン
サート手段によって押圧用割型21,22内に配されて
もよく、或いはパルプモールド成形体2に所定の手段で
仮止めされた状態で配されてもよい。
【0024】次いで、図2(d)に示すように、押圧用
割型21,22を閉じ、キャビティ23内を吸引・減圧
すると共に、拡縮可能な中空状をなす中子25をパルプ
モールド成形体2内に挿入する。本発明において拡縮と
は、中子25が伸縮してその体積が変化する場合と、中
子25自体は伸縮しないが、その内部へ流体を供給又は
その内部から流体を除去することにより、その体積が変
化する場合の双方を包含する。前者の例としては天然ゴ
ム、ウレタン、フッ素系ゴム、シリコーン系ゴム又はエ
ラストマー等の弾性材から構成された中子が挙げられ、
後者の例としてはポリエチレンやポリプロピレン等のプ
ラスチック材料、これらのプラスチック材料のフィルム
にアルミニウムやシリカが蒸着されたフィルム、これら
のプラスチック材料のフィルムにアルミニウム箔がラミ
ネートされたフィルム、紙類、布類等の可撓性材料から
構成された中子が挙げられる。本実施形態では、中子2
5として伸縮可能な弾性材から構成された袋状(風船
状)のものを用いている。
【0025】中子25をパルプモールド成形体2内に挿
入後、図2(e)に示すように、中子25内に加圧流体
を供給して中子25を膨張させ、膨張した中子25によ
りパルプモールド成形体2をラベル3と共にキャビティ
23の内面に向けて押圧する。その結果、パルプモール
ド成形体2及びラベル3は、膨張した中子25によって
キャビティ23の内面に押し付けられ、ラベル3がパル
プモールド成形体2の外面に隙間無く密着する。これと
共にパルプモールド成形体2及びラベル3にキャビティ
23の内面形状が転写される。この場合、パルプモール
ド成形体2が所定の含水率に湿潤した状態にあるので、
前記押圧によってパルプモールド成形体2に含まれてい
る水分の一部がパルプモールド成形体2とラベル3との
間に移動し、またラベル3を湿潤させる。この水分によ
って、ラベル3の伸展及び乾燥に伴う収縮が生じ易くな
り、またパルプモールド成形体2及びラベル3を構成す
る各パルプ繊維間の水素結合や絡合が生じやすくなり、
両者の密着性が向上すると考えられる。このように、パ
ルプモールド成形体2の内部からパルプモールド成形体
2及びラベル3がキャビティ23の内面に押し付けられ
るために、キャビティ23の内面の形状、即ち製造すべ
きラベル付きパルプモールド成形体の外形が複雑であっ
ても、精度良くラベル3をパルプモールド成形体2に密
着させることができる。また、キャビティ23の内面の
形状を精度良く転写させることができる。更に、ラベル
3が損傷したり、インクの滲み等が起こるおそれも無
い。中子25を膨張させるために用いられる加圧流体と
しては、例えば圧縮空気(加熱空気)、油(加熱油)、
その他各種の液が使用される。また、加圧流体を供給す
る圧力は、0.01〜5MPa、特に0.1〜3MPa
となすことが好ましい。
【0026】膨張した中子25によりパルプモールド成
形体2及びラベル3をキャビティ23の内面に押圧させ
た状態下に、湿潤したパルプモールド成形体2を加熱乾
燥させる。これによりパルプモールド成形体2に含まれ
ている水分が蒸発し、蒸発した水分がラベル3を一層湿
潤させる結果、パルプモールド成形体2とラベル3との
密着性が一層良好となる。その上、ラベル3がパルプを
主体として形成されているので、パルプ同士の水素結合
が弱められてラベル3が伸張し易くなるので、パルプモ
ールド成形体2とラベル3との密着性が更に一層良好と
なる。また、ラベル3の損傷や皺の発生も防止される。
この加熱の時間及び温度は、パルプモールド成形体2の
含水率やラベル3の透気度、破断伸び率、収縮率及び材
質等に応じて適宜設定することができる。
【0027】パルプモールド成形体2とラベル3とが十
分に密着したら、図2(f)に示すように、中子25内
の加圧流体を抜く。すると、中子25が自動的に縮んで
元の大きさに戻る。次いで、縮んだ中子25をパルプモ
ールド成形体2内より取り出し、更に押圧用割型21,
22を開いて、ラベル付きパルプモールド成形体1を取
り出す。
【0028】この後、ラベル付きパルプモールド成形体
1は、赤外線や熱風を用いた後乾燥工程に付されて完全
乾燥される。
【0029】ラベル付きパルプモールド成形体の製造方
法の別の実施形態として、図2に示す実施形態において
パルプモールド成形体を湿潤させることに代えて、ラベ
ルのみを湿潤させる方法が挙げられる。即ち、図2に示
す実施形態においてはパルプモールド成形体が湿潤して
おり、ラベルが乾燥していたのに対して、本実施形態に
おいては、パルプモールド成形体が乾燥しており、ラベ
ルが湿潤している。これ以外は図2に示す実施形態と同
様である。そして、本実施形態によっても図2に示す実
施形態と同様の効果が奏される。湿潤したラベルの含水
率は、押圧工程におけるラベルとパルプモールド成形体
との密着性を良好にする観点から、10〜70重量%、
特に10〜40重量%とすることが好ましい。尚、乾燥
したパルプモールド成形体を得るには、例えば図2に示
す実施形態における図2(b)に示す工程で得られた湿
潤状態のパルプモールド成形体を、乾燥炉中にて乾燥さ
せる等の操作を行えばよい。
【0030】ラベル付きパルプモールド成形体の製造方
法の更に別の実施形態として、パルプモールド成形体及
びラベルの双方を湿潤させる方法が挙げられる。これ以
外は図2に示す実施形態と同様である。そして、本実施
形態によっても図2に示す実施形態と同様の効果が奏さ
れる。湿潤したパルプモールド成形体の含水率は、その
保形性を維持し且つハンドリング性を良好にする観点、
及び押圧工程におけるラベルとの密着性を良好にする観
点から、20〜85重量%、特に20〜50重量%であ
ることが好ましい。一方、湿潤したラベルの含水率は、
押圧工程におけるパルプモールド成形体との密着性を良
好にする観点から、10〜70重量%、特に10〜40
重量%とすることが好ましい。
【0031】本発明は前記実施形態に制限されず種々の
変更が可能である。例えば 前記実施形態においては、
ラベル3はパルプモールド成形体2の胴部5の外側面全
周に亘って貼付されているが、展開状態が平面とならな
い三次元曲面の部位であれば任意の位置に貼付してもよ
い。展開状態が平面とならない三次元曲面には、前述の
凹状部7の他に、例えば文字、図形、記号等を浮き彫り
にした部位が挙げられる。
【0032】また、パルプモールド成形体2の形状は、
図1に示すものに限られず、その他の形状、例えば開口
部の開口面積が胴部の断面積よりも小さいボトル型の形
状や、浅底の皿やトレーの形状でもよい。
【0033】また、ラベルとして、各層に所望の特性が
付与された多層構造のものを用いてもよい。例えば、外
面側が印刷適性の良好な層であり、内面側が耐水性の良
好な層である2層構造のラベルを用いることができる。
【0034】また、前述したラベル付きパルプモールド
成形体の製造方法は、展開状態が平面とならない三次元
曲面を有するパルプモールド成形体の外面にラベルを貼
着する場合のみならず、展開状態が平面となる形状のパ
ルプモールド成形体の外面にラベルを貼着する場合にも
適用できる。
【0035】また前述したラベル付きパルプモールド成
形体の製造方法においては、製造すべきラベル付きパル
プモールド成形体の形状に応じ、押圧用割型21,22
に代えて、雌雄一対の押圧用型を用いてもよい。
【0036】また前述したラベル付きパルプモールド成
形体の製造方法においては、抄紙用割型11,12を突
き合わせることによって形成されるキャビティ13の形
状を、製造すべきラベル付きパルプモールド成形体の外
形に略対応した形状となしたが、キャビティ13の形状
はこれに限られず必要に応じ種々の形状を用いても良
い。この場合、抄紙により得られるパルプモールド成形
体の形状は、目的物であるラベル付きパルプモールド成
形体の形状と異なることがあり、そのようなパルプモー
ルド成形体はいわばパルプモールド中間体と呼ぶべきも
のであるが、そのようなパルプモールド中間体も本発明
においては広義にパルプモールド成形体と呼ぶ。
【0037】また前述したラベル付きパルプモールド成
形体の製造方法においては、製造すべきラベル付きパル
プモールド成形体の形状に応じ、パルプモールド成形体
の抄紙工程で用いられる抄紙型として上記抄紙用割型1
1,12に代えて雌雄一対の型を用いてもよい。
【0038】また前述したラベル付きパルプモールド成
形体の製造方法においては、パルプモールド成形体及び
ラベルの少なくとも一方を所定の含水率に湿潤させて用
いたが、ラベルの材質・種類によっては、パルプモール
ド成形体及びラベルの何れも湿潤させずに用いてもよ
い。
【0039】
【実施例】〔実施例1〜10〕図2に示す方法を用いて
図1に示す形態のラベル付きパルプモールド成形体を得
た。表1に使用したラベルの種類を示す。各ラベルは異
なる紙基材から構成されていた。各ラベルの表側には絵
柄を印刷し、裏側にはポリビニルアルコール系接着剤の
層を設けた。但し、ラベル3とラベル4は紙基材は同一
であるが、ラベル4には印刷層の上に更に一般的なクリ
アニスでオーバーコート層を設けた。破断伸び率(TD
方向)、収縮率及び通気度は、前述した測定方法に従
い、完成されたラベルについて測定された値である。
尚、ラベルのTD方向とは、ラベルに使用する紙を製造
する工程における紙の流れ方向(MD方向)に対して直
交する方向である。紙中において繊維の多くが配向して
いる方向はMD方向である。
【0040】表2にはラベルの成形体への貼着時の含水
率と、貼着後のラベル付きパルプモールド成形体の評価
結果が示されている。含水率の調整は、成形体において
は抄紙時の脱水時間を変更することで行い、ラベルにお
いてはスプレーで水を吹き付けて紙基材にその水分を吸
収させた後に所定の含水率までに乾燥させることで行っ
た。各評価は、以下の基準に従い目視により行った。
尚、表には示していないが、各実施例においては、ラベ
ルの少なくとも周縁部がパルプモールド成形体に埋もれ
た状態で貼着されており、該周縁部と該成形体の表面と
が略同一面上に位置していた。
【0041】〔ラベルの損傷〕 ◎:ラベルの破れを認識できない。 ○:ラベルの破れが存在するが、極めて小さく認識し難
い程度。 △:ラベルの破れが存在するが、商品価値を大きく損ね
る程度には到っていない。
【0042】〔ラベルの皺や弛み〕 ◎:ラベルの皺や弛みを認識できない。 ○:ラベルの皺や弛みが存在するが、極めて小さく認識
し難い程度。 △:ラベルの皺や弛みが存在するが、商品価値を大きく
損ねる程度には到っていない。
【0043】〔ラベルの変色〕 ◎:ラベルの変色を認識できない。 ○:ラベルの変色が存在するが、極めて小さく認識し難
い程度。 △:ラベルの変色が存在するが、商品価値を大きく損ね
る程度には到っていない。
【0044】〔ラベルの浮き〕 ◎:ラベルの浮きを認識できない。 ○:ラベルの浮きが存在するが、極めて小さく認識し難
い程度。 △:ラベルの浮きが存在するが、商品価値を大きく損ね
る程度には到っていない。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、凹凸や曲面等の複雑な
形状を有するパルプモールド成形体に、ラベルが密着し
て貼着されたラベル付きパルプモールド成形体及びその
製造方法が提供される。また本発明によれば、ラベルが
損傷や皺の発生の無く貼着されたラベル付きパルプモー
ルド成形体及びその製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のラベル付きパルプモールド成形体の一
実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1に示す実施形態のラベル付きパルプモール
ド成形体の好ましい製造工程を順次示す模式図である。
【符号の説明】
1 ラベル付きパルプモールド成形体 2 パルプモールド成形体 3 ラベル 4 開口部 5 胴部 6 底部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 展開状態が平面とならない三次元曲面を
    有するパルプモールド成形体の外面に、紙を基材とする
    ラベルが密着して貼着されているラベル付きパルプモー
    ルド成形体。
  2. 【請求項2】 前記ラベルが伸展性又は収縮性を有する
    請求項1記載のラベル付きパルプモールド成形体。
  3. 【請求項3】 前記ラベルの少なくとも周縁部が前記パ
    ルプモールド成形体に埋もれた状態で貼着されており、
    前記周縁部と前記パルプモールド成形体の表面とが略同
    一面上に位置している請求項1又は2記載のラベル付き
    パルプモールド成形体。
  4. 【請求項4】 所定形状を有する型内に、紙を基材とす
    るラベルを介して所定形状のパルプモールド成形体を装
    填し、次いで該パルプモールド成形体を該ラベルと共に
    該型の内面に向けて押圧して、該ラベルを該パルプモー
    ルド成形体に密着して貼着させるラベル付きパルプモー
    ルド成形体の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記パルプモールド成形体及び前記ラベ
    ルの少なくとも一方を、所定の含水率に湿潤させた状態
    で、該ラベルを該パルプモールド成形体に貼着させる請
    求項4記載のラベル付きパルプモールド成形体の製造方
    法。
JP2000083198A 2000-03-24 2000-03-24 ラベル付きパルプモールド成形体 Pending JP2001270505A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022168923A1 (ja) * 2021-02-05 2022-08-11 株式会社フジシールインターナショナル ラベル付きパルプモールドおよび当該ラベル付きパルプモールドの製造方法

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WO2022168923A1 (ja) * 2021-02-05 2022-08-11 株式会社フジシールインターナショナル ラベル付きパルプモールドおよび当該ラベル付きパルプモールドの製造方法

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