JP2001266830A - 電池用セパレータ - Google Patents

電池用セパレータ

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JP2001266830A
JP2001266830A JP2000242060A JP2000242060A JP2001266830A JP 2001266830 A JP2001266830 A JP 2001266830A JP 2000242060 A JP2000242060 A JP 2000242060A JP 2000242060 A JP2000242060 A JP 2000242060A JP 2001266830 A JP2001266830 A JP 2001266830A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電気抵抗が低く、電極表面との密着性に優
れ、しかも貫通孔や濃淡がなく地合いの優れる電池用セ
パレータを提供すること。 【解決手段】 本発明の電池用セパレータは、内部に中
空部を有する、より細い繊維に分割可能な分割性繊維か
ら発生したより細い繊維を含む繊維シートを備えたもの
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電池用セパレータに
関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、電池(例えば、アルカリ電
池)の正極と負極とを分離して短絡を防止すると共に、
電解液を保持して起電反応を円滑に行なうことができる
ように、正極と負極との間にセパレータが使用されてい
る。このセパレータに必要とされる要件として、高容量
化できしかも充放電特性に優れるように電気抵抗が低
く、また電極からの活物質の脱落を防止できるように電
極表面との密着性に優れている、ということがある。こ
のように電気抵抗が低く、しかも電極表面との密着性に
優れている、極細繊維を利用した不織布からなるセパレ
ータが公知である。この極細繊維を利用したセパレータ
の製造方法の1つとして、水流などの外力によって分割
されて極細繊維を発生可能な分割性繊維を含む繊維ウエ
ブに対して水流を噴出して、分割性繊維を分割して極細
繊維を発生させる方法がある。この方法によれば、分割
性繊維から極細繊維を発生させることができるが、分割
性繊維を十分に分割するためには、高圧の水流を噴出す
る必要があり、このような高圧水流を噴出すると、水流
による貫通孔を形成しやすい傾向があった。このような
貫通孔はセパレータ本来の働きである正極と負極との分
離という働きを損なうため、到底受け入れられないもの
である。特にアルカリ電池用のセパレータの場合には、
耐アルカリ性や耐酸化性に優れるように、ポリオレフィ
ン系の樹脂のみから構成されているのが好ましいため、
ポリオレフィン系樹脂のみから構成されている分割性繊
維を使用するのが好ましいが、この分割性繊維は樹脂成
分同士の相溶性が高く分割しにくく、更に高圧の水流を
噴出する必要があるため、貫通孔を形成しやすい傾向の
強いものであった。また、湿式法のように繊維長の短い
繊維を使用する場合、分割性繊維も繊維長の短いものを
使用する必要があるが、繊維長が短いと分割性繊維の自
由度が高く、水流が効率的に作用せず、更に高圧の水流
を噴出する必要があるため、貫通孔を形成しやすい傾向
が強かった。なお、貫通孔が形成されないまでも、高圧
水流により地合が乱れ、濃淡(繊維量の多い個所と少な
い個所)が発生しやすい傾向があった。濃淡が大きくな
ると、それにしたがって、正極と負極との分離や電解液
の保持といったセパレータ性能の局所的なばらつきが発
生し、薄い部分(繊維量の少ない個所)では、正極と負
極の短絡や電解液保持量の不足といった問題が発生しや
すい傾向があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこれらの問題
点を解決するためになされたものであり、電気抵抗が低
く、電極表面との密着性に優れ、しかも貫通孔や濃淡が
なく地合いの優れる電池用セパレータを提供することを
目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の電池用セパレー
タ(以下、単に「セパレータ」ということがある)は、
内部に中空部を有する、より細い繊維に分割可能な分割
性繊維から発生したより細い繊維を含む繊維シートを備
えたものである。前記のような中空部を有する分割性繊
維は水流などの外圧力が弱くても容易に分割して、より
細い繊維を発生させることができるため、貫通孔や濃淡
がなく地合いの優れるセパレータであり、しかもより細
い繊維を含んでいるため電気抵抗が低く、しかも電極表
面との密着性に優れるセパレータであることを見出した
のである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明のセパレータは構成する繊
維として、内部に中空部を有する、より細い繊維に分割
可能な分割性繊維から発生したより細い繊維を含んでい
る。この内部に中空部を有する分割性繊維は低い外圧力
で容易に分割されるため、この分割性繊維から発生した
より細い繊維を含むセパレータは貫通孔や濃淡のない地
合いの優れるものである。この分割性繊維は1種類以上
の樹脂成分から構成されており、この樹脂成分として
は、耐アルカリ性や耐酸化性などに優れているように、
ポリオレフィン系樹脂から構成されているのが好まし
く、例えば、ポリエチレン(例えば、高密度ポリエチレ
ン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状
低密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、エチレ
ン共重合体など)、エチレン系共重合体(例えば、エチ
レン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−アクリル
酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレ
ン−ブテン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレ
ン共重合体など)、ポリプロピレン(例えば、ポリプロ
ピレン、プロピレン系共重合体など)、プロピレン系共
重合体、ポリメチルペンテン(例えば、ポリメチルペン
テン、メチルペンテン系共重合体など)などの、1種類
以上のポリオレフィン系樹脂から構成されているのが好
ましい。これらの中でも、分割性繊維を構成する樹脂成
分として、エチレン−ビニルアルコール共重体などの親
水性ポリオレフィン系樹脂を含んでいると、水酸化カリ
ウム水溶液などの電解液の保持性向上に効果的である。
なお、分割性繊維が分割されやすいように、分割性繊維
は2種類以上の樹脂成分から構成されているのが好まし
く、2種類以上のポリオレフィン系樹脂のみから構成さ
れているのがより好ましい。分割性繊維が2種類のポリ
オレフィン系樹脂からなる場合、ポリプロピレンとポリ
エチレンから構成されていたり、ポリプロピレンとエチ
レン−ビニルアルコール共重合体から構成されているの
が好ましい。後者のように、ポリプロピレンとエチレン
−ビニルアルコール共重合体から構成されている場合、
エチレン−ビニルアルコール共重合体は親水性に優れて
いるため、特に親水化処理をしなくてもセパレータとし
て使用できることもあり得る。また、親水化処理を実施
した場合も、エチレン−ビニルアルコール共重合体から
なる繊維の存在により、セパレータ内部においても良好
な親水性をもたせることができ、電解液の保持性をより
向上させることができる。なお、分割性繊維を構成する
樹脂成分数の上限は特に限定するものではないが、分割
性繊維の実際の製造上から、3種類程度であるのが好ま
しい。また、分割性繊維が2種類以上の樹脂成分からな
る場合、樹脂成分はどのように配置していても良いが、
いずれの樹脂成分も繊維表面に露出しているように配置
していると、外圧力によって分割しやすいため好適であ
る。本発明の分割性繊維は弱い外圧力によって容易に分
割できるように、分割性繊維の内部に中空部を有するも
のである。本発明で使用できる分割性繊維について、分
割性繊維の模式的断面図である図1〜図9を参照しなが
ら説明する。図1は繊維軸と一致する中心を有する中空
部Sを備えており、繊維軸から一定角度ごとに伸びる直
線を樹脂成分11、12間の境界とする分割性繊維1で
ある。この分割性繊維1は外力を受けた際に、その力を
支えることのできる内部が存在していない、つまり中空
部Sを有するため、外力によって容易に分割されて、樹
脂成分11からなるより細い繊維及び樹脂成分12から
なるより細い繊維を発生させることができる。図2の分
割性繊維1は、繊維軸から不規則な角度ごとに伸びる直
線を樹脂成分11、12間の境界としていること以外は
図1の分割性繊維1と全く同様である。この分割性繊維
1は外力によって大小様々なより細い繊維を発生させる
ことができ、繊維シートがより緻密な構造を採ることが
できるため、電気抵抗がより低く、しかも電極表面との
密着性に優れるセパレータとすることができる。このよ
うに、本発明の分割性繊維1は大きさの異なるより細い
繊維に分割可能であっても良い。図3の分割性繊維1
は、樹脂成分11、12間の境界が互いに平行であるこ
と以外は図1の分割性繊維1と全く同様である。この分
割性繊維1も外力によって大小様々なより細い繊維に分
割可能であり、繊維シートはより緻密な構造を採ること
ができるため、電気抵抗がより低く、しかも電極表面と
の密着性に優れるセパレータとすることができる。この
ように、本発明の分割性繊維1は樹脂成分がどのように
配置していても良い。図4の分割性繊維1は、中空部S
の中心が分割性繊維1の繊維軸と一致していないこと以
外は図1の分割性繊維1と全く同様である。この分割性
繊維1も外力によって大小様々なより細い繊維を発生さ
せることができ、繊維シートはより緻密な構造を採るこ
とができるため、電気抵抗がより低く、しかも電極表面
との密着性に優れるセパレータとすることができる。こ
のように、本発明の分割性繊維1の中空部Sの中心は繊
維軸と一致している必要はない。図5の分割性繊維1
は、中空部Sが9つ存在していること以外は、図1の分
割性繊維1と全く同様である。この分割性繊維1は中空
部Sが多いため外力によって分割してより細い繊維を発
生しやすい繊維である。このように、本発明の分割性繊
維1の中空部Sは1つである必要はなく、2つ以上であ
っても良い。図6の分割性繊維1は、単一樹脂成分から
なること以外は、図5の分割性繊維1と全く同様であ
る。この分割性繊維1は同じ樹脂成分からなるより細い
繊維のみを発生させることができるため、繊維シート全
体を均一に親水化することができる。また、分割性繊維
1が不規則に分割されて、繊維シートが緻密な構造を採
ることができるため、電気抵抗がより低く、しかも電極
表面との密着性に優れるセパレータとすることができ
る。このように、本発明の分割性繊維1は2種類以上の
樹脂成分から構成されている必要はなく、1種類の樹脂
成分から構成されていても良い。図7の分割性繊維1
は、中空部Sの断面形状が星状に凹凸を有すること以外
は、図1の分割性繊維1と全く同様である。この分割性
繊維1は中空部Sの凸部において繊維表面と中空部Sと
の距離がより短くなっているため、容易に分割されやす
い繊維である。このように、本発明の分割性繊維1の中
空部Sの断面形状は円形である必要はなく、非円形(例
えば、楕円状、長円状、T状、Y状、+状、多角形状な
ど)であっても良い。図8の分割性繊維1は、繊維断面
における外周形状が凹凸状であること以外は、図1の分
割性繊維1と全く同様である。この分割性繊維1は繊維
表面の凹部において外力を受け止めやすいため、容易に
分割されやすい繊維である。このように、本発明の分割
性繊維1の繊維断面における外周形状は円形である必要
はなく、非円形(例えば、楕円状、長円状、T状、Y
状、+状、多角形状など)であっても良い。本発明の分
割性繊維1は、図1〜8をもとに説明した分割性繊維1
の特徴を適宜組み合わせた繊維(例えば、図9)であっ
ても良い。更に、分割性繊維を構成する少なくとも1種
類の樹脂成分中に、その樹脂成分の融点よりも10℃以
上(より好ましくは20℃以上)高い融点を有する樹脂
が混在していると、その樹脂成分を融着させたとして
も、混在している樹脂によって繊維形状(分割性繊維や
発生したより細い繊維の繊維形状)を維持できる。本発
明における融点は、示差走査熱量計を用い、昇温速度1
0℃/分で室温から昇温して得られる融解吸熱曲線の極
大値を与える温度をいう。本発明の分割性繊維はより細
い繊維に分割可能なものであり、繊度が0.01〜0.
5dtex(デシテックス)のより細い繊維を発生可能
であるのが好ましく、繊度が0.01〜0.3dtex
のより細い繊維を発生可能であるのがより好ましい。な
お、本発明の分割性繊維の繊維長は繊維シートの種類に
よって異なり、繊維シートが乾式不織布からなる場合に
は25〜160mm程度であり、湿式不織布からなる場
合には1〜25mm程度である。なお、スパンボンド不
織布のようにフィラメント状であっても良い。本発明の
分割性繊維は水流などの流体流、ニードル、カレンダー
などの外力によって分割可能であるのが好ましく、水流
などの流体流で分割可能であるのがより好ましい。この
ような本発明の分割性繊維は、常法の複合紡糸装置を利
用して紡糸することができる。
【0006】本発明のセパレータは前述のような分割性繊維
から発生したより細い繊維を含む繊維シートを備えたも
のであるが、その含有量は繊維シート質量全体の30m
ass%以上であるのが好ましい。より細い繊維が30
mass%以上含まれていれば、電気抵抗が低く、電極
表面との密着性に優れているためで、より好ましくはよ
り細い繊維が50mass%以上含まれている。本発明
のセパレータは前述のような分割性繊維から発生したよ
り細い繊維以外に、引張り強さが4.5cN/dtex
以上の高強度繊維や融着可能な融着性繊維などを含んで
いるのが好ましい。
【0007】本発明の繊維シートを構成する繊維として、引
張り強さが4.5cN/dtex以上の高強度繊維が含
まれていると、極板群を形成する際に、極板のバリがセ
パレータを突き抜けたり、極板のエッジによって切断さ
れて短絡するのを防止することができる。より好ましく
は引張り強さが6.2cN/dtex以上の高強度繊維
を含み、更に好ましくは引張り強さが7.9cN/dt
ex以上の高強度繊維を含み、最も好ましくは引張り強
さが10.5cN/dtex以上の高強度繊維を含んで
いる。なお、高強度繊維の引張り強さの上限は特に限定
するものではないが、50cN/dtex程度が適当で
ある。本発明における引張り強さはJIS L 101
5(化学繊維ステープル試験法)によって測定した値を
いう。この高強度繊維も耐アルカリ性や耐酸化性に優れ
るように、ポリオレフィン系樹脂から構成されているの
が好ましく、前述の分割性繊維を構成するポリオレフィ
ン系樹脂と同様のポリオレフィン系樹脂1種類以上から
構成されているのが好ましい。特に、ポリプロピレンや
超高分子量ポリエチレンを少なくとも繊維表面に含む高
強度繊維が好ましい。この高強度繊維の繊度は電解液の
保持性を低下させないように、0.5〜5dtex程度
であるのが好ましい。
【0008】本発明のセパレータを構成する繊維シート中に
融着性繊維を含んでいると、この融着性繊維の融着によ
ってセパレータの引張り強さや剛性が向上するため、効
率的に極板群を製造することができる。この融着性繊維
の融着成分の融点は分割性繊維から発生したより細い繊
維を構成するいずれの樹脂成分よりも低いのが好まし
く、10℃以上低いのがより好ましい。なお、より細い
繊維を融着させる場合には、融着性繊維の融着成分はよ
り細い繊維を構成するいずれの樹脂成分よりも低い必要
はない。また、前述のような高強度繊維を含む場合、融
着性繊維の融着成分の融点は高強度繊維を構成するいず
れの樹脂成分よりも低いのが好ましく、10℃以上低い
のがより好ましい。なお、高強度繊維を融着させる場合
には、融着性繊維の融着成分は高強度繊維を構成するい
ずれの樹脂成分よりも低い必要はない。この融着性繊維
も耐アルカリ性や耐酸化性に優れるように、ポリオレフ
ィン系樹脂から構成されているのが好ましく、前述の分
割性繊維を構成するポリオレフィン系樹脂成分と同様の
ポリオレフィン系樹脂成分1種類以上から構成されてい
るのが好ましい。特に、融着性繊維の融着成分は低密度
ポリエチレンや直鎖状低密度ポリエチレンなどから構成
されているのが好ましい。この融着性繊維の繊度は短絡
防止性に優れるように、また、電解液の保持性を低下さ
せないように、0.5〜5dtexであるのが好まし
い。なお、融着性繊維は単一の樹脂成分から構成されて
いても良いし、2種類以上の樹脂成分から構成されてい
ても良いが、後者の方が、セパレータの引張り強さをよ
り向上させることができるため好適である。融着性繊維
が2種類以上の樹脂成分からなる場合、樹脂成分はどの
ように配置していても良く、例えば、2種類の樹脂成分
からなる場合、芯鞘型、偏芯型、サイドバイサイド型、
海島型、オレンジ型、多重バイメタル型に配置している
ことができる。
【0009】本発明のセパレータは前述のような分割性繊維
から発生したより細い繊維を含み、好ましくはこのより
細い繊維に加えて、高強度繊維及び/又は融着性繊維を
含む繊維シートを備えたものである。本発明のセパレー
タを構成する繊維シート、つまり前述のような分割性繊
維から発生したより細い繊維を含む繊維シートの平均地
合指数が0.25以下であることが好ましく、より好ま
しくは0.20以下であり、更に好ましくは0.15以
下である。他方、下限は0である。この「平均地合指
数」は繊維シートの地合いの状態を表す数値であり、こ
の数値が小さいほど、繊維シートの地合いが均一である
ことを意味する。すなわち、この数値が小さいほど、貫
通孔や濃淡が少ないことを意味する。この「平均地合指
数」は特願平11−152139号に記載されている方
法により得られる値をいう。つまり、次のようにして得
られる値をいう。 (1)光源から被測定物(繊維シート)に対して光を照
射し、照射された光のうち、被測定物の所定領域におい
て反射された反射光を受光素子によって受光して輝度情
報を取得する。 (2)被測定物の所定領域を画像サイズ3mm角、6m
m角、12mm角、24mm角に等分割して、4つの分
割パターンを取得する。 (3)得られた各分割パターン毎に等分割された各区画
の輝度値を輝度情報に基づいて算出する。 (4)各区画の輝度値に基づいて、各分割パターン毎の
輝度平均(X)を算出する。 (5)各分割パターン毎の標準偏差(σ)を求める。 (6)各分割パターン毎の変動係数(CV)を次の式に
より算出する。 変動係数(CV)=(σ/X)×100 ここで、σは各分割パターン毎の標準偏差を示し、Xは
各分割パターン毎の輝度平均を示す。 (7)各画像サイズの対数をX座標、当該画像サイズに
対応する変動係数をY座標とした結果得られる座標群
を、最小二乗法により一次直線に回帰させ、その傾きを
算出し、この傾きの絶対値を地合指数とする。 (8)上記(1)〜(7)の操作を被測定物(繊維シー
ト)の3箇所以上について繰り返して、それぞれの地合
指数を算出した後、これら地合指数の平均値を平均地合
指数とする。
【0010】本発明のセパレータを構成する繊維シートの態
様としては、例えば、織物、編物、不織布、或いはこれ
らの複合シートを挙げることができる。これらの中でも
電解液の保持性に優れている不織布を含んでいるのが好
ましい。なお、本発明のセパレータは繊維シートのみか
ら構成することもできるし、繊維シートに加えて微孔フ
ィルムなどを備えていても良い。後者のように微孔フィ
ルムと繊維シート(特に不織布)とを組み合わせたセパ
レータは微孔フィルムを含んでいることによって短絡が
発生しにくいため、繊維シートを薄くすることができ、
結果として軽量かつ薄いセパレータとすることができ
る。本発明のセパレータは繊維シート単独又は繊維シー
トと微孔フィルムなどとの複合体からなるが、その面密
度は前者の場合には30〜100g/m2であるのが好
ましく、40〜80g/m2であるのがより好ましく、
後者の場合には10〜60g/m2であるのが好まし
く、20〜40g/m2であるのがより好ましい。ま
た、繊維シート単独からなる場合の厚さは0.1〜0.
3mmであるのが好ましく、繊維シートと微孔フィルム
などとの複合体からなる場合には、0.02〜0.1m
mであるのが好ましい。
【0011】本発明のセパレータを構成する繊維シートは常
法により製造することができる。例えば、本発明のセパ
レータとして好適である不織布は、次のようにして製造
できる。まず、前述のような分割性繊維を含む繊維ウエ
ブを、湿式法又は乾式法(例えば、カード法、エアレイ
法、メルトブロー法、スパンボンド法など)により形成
する。なお、繊維配合の異なる繊維ウエブを積層した
り、繊維ウエブ形成方法の異なる繊維ウエブを積層する
など、異種の繊維ウエブを積層しても良い。特に、湿式
法により形成した繊維ウエブと乾式法により形成した繊
維ウエブとを積層すると、地合いに優れるとともに強度
的にも優れるセパレータを製造することができる。次い
で、形成した繊維ウエブを絡合及び/又は融着させて、
不織布を得ることができる。前者の絡合方法としては、
水流などの流体を繊維ウエブに対して噴出する方法があ
る。この流体流を噴出する方法であると、高度に絡合し
た緻密な構造を有する不織布を得ることができる。な
お、本発明の分割性繊維は水流などの流体の作用によっ
て分割されて、より細い繊維を発生できる。この流体流
による絡合は、例えば、ノズル径が0.05〜0.3m
mで、ピッチが0.2〜3mmで、1列以上に配列した
ノズルプレートを使用し、内圧1〜30MPa程度の流
体を繊維ウエブに対して噴出して実施することができ
る。また、流体流の噴出は繊維ウエブの片面又は両面に
対して実施することができ、流体流の噴出は2回以上で
あるのが好ましい。更に、流体流を噴出する際に繊維ウ
エブを支持する支持体として目の粗いものを使用する
と、開孔を有する不織布となり短絡する可能性が高くな
るため、目の開きが0.295mmよりも目の細かい支
持体を使用するのが好ましい。他方、融着処理は融着性
繊維を融着させる場合、分割性繊維を融着させる場合、
より細い繊維を融着させる場合、及び/又は高強度繊維
を融着させる場合に実施する。この融着処理は無圧下で
行なっても良いし、加圧下で行っても良い。後者のよう
に加圧下で実施すると、厚さを調整することができる。
この加圧は加熱と同時に行っても、加熱した後に行って
も良い。なお、融着処理における加熱温度は、加熱と加
圧とを同時に行う場合には、融着させる樹脂の軟化点か
ら融点までの範囲内の温度で実施するのが好ましく、加
熱後に加圧を行う場合には、融着させる樹脂の軟化点か
ら融点よりも20℃程度高い温度までの範囲内の温度で
実施するのが好ましい。また、加圧は加熱と同時に加圧
する場合であっても、加熱後に加圧する場合であって
も、線圧力5〜30N/cm程度であるのが好ましい。
なお、「軟化点」は示差走査熱量計を用い、昇温速度1
0℃/分で室温から昇温して得られる融解吸熱曲線の開
始点を与える温度をいう。なお、本発明の分割性繊維は
繊維ウエブを形成する前に、外力によってより細い繊維
に分割しても良いし、絡合処理とは別に分割処理を実施
しても良い。前者の分割処理としては、例えば、ビータ
ーなどがあり、後者の分割処理としては、例えば、カレ
ンダーロール、フラットプレス機、ニードルパンチ、水
流などの流体流、などがある。例えば、繊維ウエブに対
して融着処理を実施した後に、水流などの流体流を作用
させると、絡合はほとんど生じず、主として分割性繊維
の分割が生じる。このように融着処理後に流体流を作用
させると、分割性繊維の自由度が低いため分割性繊維が
更に分割されやすくなる。特に、分割性繊維がポリオレ
フィン系樹脂のみからなる場合及び/又は分割性繊維の
繊維長が25mm程度以下の短い場合、のように分割性
繊維が分割されにくい場合に有効である。
【0012】本発明の平均地合指数が0.25以下である繊
維シート(前述のような前述のような分割性繊維から発
生したより細い繊維を含む)は、例えば、前述のような
分割性繊維を多く使用したり、繊維ウエブを湿式法によ
り形成したり、分割性繊維を分割する際の外力として流
体流を使用する場合には、ノズルプレートの内圧を10
MPa以下としたり、カレンダ−処理を行ったり、微粒
子を吹き付けたり、ニ−ドルパンチを行うなどして、前
述のような分割性繊維の分割を促進させるなど、これら
の処理を単独で、好ましくは併用することにより得るこ
とができる。
【0013】本発明のセパレータの繊維シートを構成する繊
維は、耐アルカリ性や耐酸化性に優れるポリオレフィン
系繊維から構成されているのが好ましいため、電解液の
保持性が劣る傾向がある。そのため、電解液の保持性に
優れるように、例えば、スルホン化処理、フッ素ガス処
理、グラフト処理、界面活性剤処理、放電処理、親水性
樹脂付着処理などの、少なくとも1つの親水化処理を実
施するのが好ましい。この親水化処理は繊維の段階(つ
まり、繊維シート形成前の段階)で行っても良いが、繊
維シート形成後に親水化処理した方が製造上好ましい。
スルホン化処理としては、例えば、発煙硫酸、硫酸、ク
ロロ硫酸、又は塩化スルフリル溶液に繊維シートを浸漬
する方法、繊維シートを三酸化硫黄ガスと接触させる方
法、一酸化硫黄や二酸化硫黄の存在下において放電を作
用させて繊維シートにスルホン酸基を導入する方法など
がある。フッ素ガス処理としては、例えば、不活性ガス
(例えば、窒素ガス、アルゴンガスなど)で希釈したフ
ッ素ガスと、酸素ガス、二酸化炭素ガス、及び二酸化硫
黄ガスなどの中から選ばれる少なくとも1種類のガスと
を混合したガスに、繊維シートをさらすことにより処理
することができる。なお、繊維シートに二酸化硫黄ガス
を予め付着させた後にフッ素ガスと接触させる方法は、
より効率的で恒久的な親水化処理方法である。ビニルモ
ノマーのグラフト重合方法としては、例えば、(1)ビ
ニルモノマーと重合開始剤を含む溶液中に繊維シートを
浸漬し加熱する方法、(2)繊維シートにビニルモノマ
ーを塗布した後、放射線を照射する方法、(3)繊維シ
ートに放射線を照射した後にビニルモノマーと接触させ
る方法、(4)増感剤を含むビニルモノマー溶液を繊維
シートに含浸した後、紫外線を照射する方法などがあ
る。なお、ビニルモノマー溶液と繊維シートとを接触さ
せる前に、紫外線照射、コロナ放電、プラズマ放電など
により、繊維シート表面を処理すると、ビニルモノマー
溶液との親和性が高いため効率的にグラフト重合でき
る。このビニルモノマーとしては、例えば、アクリル
酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸
エステル、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、或いは
スチレンなどを使用することができる。なお、スチレン
をグラフト重合した場合には、電解液との親和性をもた
せるために、スルホン化するのが好ましい。これらの中
でも、アクリル酸は電解液との親和性に優れているため
好適に使用できる。界面活性剤処理としては、例えば、
アニオン系界面活性剤(例えば、高級脂肪酸のアルカリ
金属塩、アルキルスルホン酸塩、もしくはスルホコハク
酸エステル塩など)又はノニオン系界面活性剤(例え
ば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、もしくはポ
リオキシエチレンアルキルフェノールエーテルなど)の
溶液中に繊維シートを浸漬したり、この溶液を塗布又は
散布して付着させることができる。放電処理としては、
例えば、コロナ放電処理、プラズマ処理、グロー放電処
理、沿面放電処理又は電子線処理などがある。これら放
電処理の中でも、空気中の大気圧下で、それぞれが誘電
体を担持する一対の電極間に、これら両方の誘電体と接
触するように繊維シートを配置し、これら両電極間に交
流電圧を印加し、繊維シート内部で放電を発生させる方
法であると、繊維シートの外側だけではなく、繊維シー
トの内部を構成する繊維表面も処理することができる。
したがって、繊維シートの内部における電解液の保持性
に優れているため、過充電時における酸素吸収性に優
れ、内圧特性の優れる電池を製造できる。親水性樹脂付
与処理としては、例えば、カルボキシメチルセルロー
ス、ポリビニルアルコール、架橋可能なポリビニルアル
コール、又はポリアクリル酸などの親水性樹脂を付着さ
せることができる。これらの親水性樹脂は適当な溶媒に
溶解又は分散させた後、この溶媒中に繊維シートを浸漬
したり、この溶媒を塗布又は散布し、乾燥して付着させ
ることができる。なお、親水性樹脂の付着量は、通気性
を損なわないように、セパレータ全体の0.3〜1ma
ss%であるのが好ましい。この架橋可能なポリビニル
アルコールとしては、例えば、水酸基の一部を感光性基
で置換したポリビニルアルコールがあり、より具体的に
は、感光性基としてスチリルピリジニウム系、スチリル
キノリニウム系、スチリルベンゾチアゾリウム系で置換
したポリビニルアルコールがある。この架橋可能なポリ
ビニルアルコールも他の親水性樹脂と同様にして繊維シ
ートに付着させた後、光を照射することによって架橋さ
せることができる。このような水酸基の一部を感光性基
で置換したポリビニルアルコールは、耐アルカリ性に優
れ、しかもイオンとキレートを形成できる水酸基が多く
存在しており、放電時及び/又は充電時に、極板上に樹
枝状の金属が析出する前のイオンとキレートを形成し
て、電極間の短絡を生じにくいので好適である。なお、
セパレータが繊維シート以外に微孔フィルムなども備え
ている場合には、この微孔フィルムなどもポリオレフィ
ン系樹脂から構成されているのが好ましいため、この微
孔フィルムなども親水化処理されているのが好ましい。
【0014】本発明のセパレータは貫通孔や濃淡がなく地合
いの優れるものであり、しかも電気抵抗が低く、電極表
面との密着性に優れるものであるため、例えば、アルカ
リマンガン電池、水銀電池、酸化銀電池、空気電池など
の一次電池、ニッケル−カドミウム電池、銀−亜鉛電
池、銀−カドミウム電池、ニッケル−亜鉛電池、ニッケ
ル−水素電池などの二次電池用のセパレータとして使用
することができる。
【0015】以下に、本発明のセパレータの実施例を記載す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。なお、「スルホン化度」は次のような操作により得
られる、比率(Sm/Cm)を意味する。まず、セパレ
ータの面密度A(g/m2)を測定する。次いで、直径
44mmの試験片を採取した後、蛍光X線装置により試
験片のX線強度を測定して、単位面積あたりのイオウ量
msを算出する。次いで、イオウ量msをイオウの原子
量(32)で除して、イオウのモル数(Sm)を算出す
る。他方、試験片はポリオレフィン系樹脂、つまり−
(CH2n−の構成単位からなるため、試験片の面密度
(A)をCH2の分子量(14)で除することにより、
炭素のモル数(Cm)を算出する。次いで、イオウのモ
ル数(Sm)を炭素のモル数(Cm)で除して、比率
(Sm/Cm)を算出する。また、「通気度」はJIS
L 1096(6.27.1 A法(フラジール
法))に規定されている方法により測定して得た値であ
る。
【0016】
【実施例】(実施例1)分割性繊維として、ポリプロピ
レン(融点:160℃)と高密度ポリエチレン(融点:
135℃)とからなり、図1に示すような繊維断面形状
を有する繊維、つまり、繊維軸と一致する中心を有する
中空部S(断面形状:円)を1つ備えており、繊維軸か
ら一定角度(約22.5°)ごとに伸びる直線をポリプ
ロピレンと高密度ポリエチレンとの境界とする繊維(繊
度:2.2dtex、繊維長:5mm、16分割可能、
いずれの樹脂成分も繊維表面に露出、繊維断面における
外周形状は円形、水流により繊度が0.138dtex
のポリプロピレンからなるより細い繊維8本と繊度が
0.138dtexの高密度ポリエチレンからなるより
細い繊維8本とを発生可能)を用意した。他方、融着性
繊維として、芯成分がポリプロピレンからなり、鞘成分
(融着成分)が低密度ポリエチレン(融点:115℃)
からなる芯鞘型融着性繊維(繊度:2.2dtex、繊
維長:10mm)を用意した。次いで、前記分割性繊維
80mass%と前記芯鞘型融着性繊維20mass%
とを混合し、分散させたスラリーから湿式法により繊維
ウエブを形成した。次いで、この繊維ウエブを温度12
0℃に設定された熱風循環式ドライヤー中に10分間放
置して、繊維ウエブの乾燥及び前記芯鞘型融着性繊維の
鞘成分(低密度ポリエチレン)による熱融着を実施し
て、融着不織布を形成した。次いで、この融着不織布を
コンベア(目の開き:0.147mm)により5m/m
in.の速度で移動させながら、この融着不織布に対し
て、ノズルピッチが0.6mmでノズル径が0.13m
mのノズルプレートから水圧5MPaの水流を、融着不
織布の両面交互に2回づつ作用させることにより、分割
性繊維の分割を実施して分割不織布を得た。次いで、こ
の分割不織布を温度120℃に設定された熱風循環式ド
ライヤー中に10分間放置して、分割不織布の乾燥及び
前記芯鞘型融着性繊維の鞘成分(低密度ポリエチレン)
による再熱融着を実施して、再融着不織布(面密度:4
8.4g/m2、厚さ:0.42mm)を製造した。こ
の再融着不織布の厚さ方向における断面を観察したとこ
ろ、ほとんどの分割性繊維が分割しているのが確認さ
れ、より細い繊維の再融着不織布質量全体における含有
量はほぼ80mass%であった。また、水流による貫
通孔はほとんど観察されなかった。次いで、この再融着
不織布を温度60℃の発煙硫酸溶液(15%SO3
液)中に2分間浸漬した後、十分に水洗し、乾燥してス
ルホン化不織布を得た。次いで、このスルホン化不織布
にカレンダー処理を実施して、本発明のセパレータ(面
密度:50.5g/m2、厚さ:0.12mm、スルホ
ン化度:2.2×10- 3)を製造した。なお、このセパ
レータの通気度は7.2cm/sであり、この値からも
水流による貫通孔がほとんど形成されていないことが推
測された。
【0017】(実施例2)分割性繊維として、ポリプロピレ
ン(融点:160℃)とエチレン−ビニルアルコール共
重合体(融点:155℃)とからなり、図1に示すよう
な繊維断面形状を有する繊維、つまり、繊維軸と一致す
る中心を有する中空部S(断面形状:円)を1つ備えて
おり、繊維軸から一定角度(約22.5°)ごとに伸び
る直線をポリプロピレンとエチレン−ビニルアルコール
共重合体との境界とする繊維(繊度:2.2dtex、
繊維長:5mm、16分割可能、いずれの樹脂成分も繊
維表面に露出、繊維断面における外周形状は円形、水流
により繊度が0.138dtexのポリプロピレンから
なるより細い繊維8本と繊度が0.138dtexのエ
チレン−ビニルアルコール共重合体からなるより細い繊
維8本とを発生可能)を用意した。他方、融着性繊維と
して、芯成分がポリプロピレンからなり、鞘成分(融着
成分)が低密度ポリエチレン(融点:115℃)からな
る芯鞘型融着性繊維(繊度:2.2dtex、繊維長:
10mm)を用意した。次いで、水圧2.5MPaの水
流を作用させたこと以外は、実施例1と全く同様にし
て、再融着不織布(面密度:47.5g/m2、厚さ:
0.22mm)を製造した。この再融着不織布の厚さ方
向における断面を観察したところ、ほとんどの分割性繊
維が分割しているのが確認され、より細い繊維の再融着
不織布質量全体における含有量はほぼ80mass%で
あった。また、水流による貫通孔はほとんど観察されな
かった。次いで、この再融着不織布にカレンダー処理を
実施して、本発明のセパレータ(面密度:47.5g/
2、厚さ:0.12mm)を製造した。
【0018】(実施例3)分割性繊維60mass%と芯鞘
型融着性繊維40mass%とを混合し、分散させたス
ラリーから湿式法により繊維ウエブを形成したこと以外
は、実施例2と全く同様にして、再融着不織布(面密
度:44.7g/m2、厚さ:0.20mm)を製造し
た。この再融着不織布の厚さ方向における断面を観察し
たところ、ほとんどの分割性繊維が分割しているのが確
認され、より細い繊維の再融着不織布質量全体における
含有量はほぼ60mass%であった。また、水流によ
る貫通孔はほとんど観察されなかった。次いで、実施例
2と同様にして、この再融着不織布のカレンダー処理を
実施して、セパレータ(面密度:44.7g/m2、厚
さ:0.12mm)を製造した。
【0019】(比較例1)分割性繊維として、ポリプロピレ
ン(融点:160℃)と高密度ポリエチレン(融点:1
35℃)とからなり、図10に示すような繊維断面形状
を有する繊維、つまり、繊維軸と一致する中心を有する
円状のポリプロピレン1つと、繊維軸から一定角度(約
22.5°)ごとに伸びる直線をポリプロピレンと高密
度ポリエチレンとの境界とする繊維(繊度:2.2dt
ex、繊維長:5mm、17分割可能、繊維断面におけ
る外周形状は円形、水流により繊度が0.089dte
xのポリプロピレンからなるより細い繊維1本と繊度が
0.133dtexのポリプロピレンからなるより細い
繊維8本と繊度が0.133dtexの高密度ポリエチ
レンからなるより細い繊維8本とを発生可能)を用意し
た。次いで、前記分割性繊維80mass%と実施例1
と同様の芯鞘型融着性繊維20mass%とを混合し、
分散させたスラリーから湿式法により繊維ウエブを形成
した。次いで、実施例1と全く同様に、繊維ウエブの乾
燥及び前記芯鞘型融着性繊維の鞘成分(低密度ポリエチ
レン)による熱融着、分割性繊維の分割処理、及び分割
不織布の乾燥及び前記芯鞘型融着性繊維の鞘成分(低密
度ポリエチレン)による再熱融着を実施して、再融着不
織布(面密度:49.1g/m2、厚さ:0.66m
m)を製造した。この再融着不織布の厚さ方向における
断面を観察したところ、分割性繊維があまり分割されて
いないことが確認され、より細い繊維の再融着不織布質
量全体における含有量はほぼ40mass%であった。
次いで、実施例1と同様に、この再融着不織布のスルホ
ン化処理及びカレンダー処理を実施して、セパレータ
(面密度:51.0g/m2、厚さ:0.12mm、ス
ルホン化度:2.1×10-3)を製造した。なお、この
セパレータの通気度は12.1cm/sであった。
【0020】(比較例2)分割性繊維の分割処理における水
流の圧力を10MPaとしたこと以外は、比較例1と全
く同様にして、再融着不織布(面密度:49.8g/m
2、厚さ:0.45mm)を製造した。この再融着不織
布の厚さ方向における断面を観察したところ、ほとんど
の分割性繊維が分割されているのが確認され、より細い
繊維の再融着不織布質量全体における含有量はほぼ80
mass%であった。また、水流による貫通孔が多数観
察された。次いで、実施例1と同様に、この再融着不織
布のスルホン化処理及びカレンダー処理を実施して、セ
パレータ(面密度:51.7g/m2、厚さ:0.12
mm、スルホン化度:2.1×10-3)を製造した。な
お、このセパレータの通気度は9.6cm/sであっ
た。
【0021】(比較例3)分割性繊維として、ポリプロピレ
ン(融点:160℃)とエチレン−ビニルアルコール共
重合体とからなり、図11に示すような繊維断面形状を
有する繊維、つまり、繊維軸から一定角度(約22.5
°)ごとに伸びる直線をポリプロピレンとエチレン−ビ
ニルアルコール共重合体との境界とする繊維(繊度:
2.2dtex、繊維長:5mm、16分割可能、繊維
断面における外周形状は円形、水流により繊度が0.1
38dtexのポリプロピレンからなるより細い繊維8
本と繊度が0.138dtexのエチレン−ビニルアル
コール共重合体からなるより細い繊維8本とを発生可
能)を用意した。次いで、前記分割性繊維80mass
%と実施例1と同様の芯鞘型融着性繊維20mass%
とを混合し、分散させたスラリーから湿式法により繊維
ウエブを形成した。次いで、実施例2と全く同様に、繊
維ウエブの乾燥及び前記芯鞘型融着性繊維の鞘成分(低
密度ポリエチレン)による熱融着、分割性繊維の分割処
理、及び分割不織布の乾燥及び前記芯鞘型融着性繊維の
鞘成分(低密度ポリエチレン)による再熱融着を実施し
て、再融着不織布(面密度:46.7g/m2、厚さ:
0.20mm)を製造した。この再融着不織布の厚さ方
向における断面を観察したところ、分割性繊維があまり
分割されていないことが確認され、より細い繊維の再融
着不織布質量全体における含有量はほぼ20mass%
であった。次いで、実施例2と同様に、この再融着不織
布のカレンダー処理を実施して、セパレータ(面密度:
46.7g/m2、厚さ:0.12mm)を製造した。
【0022】(比較例4)分割性繊維の分割処理における水
流の圧力を13MPaとしたこと以外は、比較例1と全
く同様にして、再融着不織布(面密度:45.1g/m
2、厚さ:0.20mm)を製造した。この再融着不織
布の厚さ方向における断面を観察したところ、ほとんど
の分割性繊維が分割されているのが確認され、より細い
繊維の再融着不織布質量全体における含有量はほぼ80
mass%であった。また、水流による貫通孔が多数観
察された。次いで、実施例1と同様に、この再融着不織
布のスルホン化処理及びカレンダー処理を実施して、セ
パレータ(面密度:45.1g/m2、厚さ:0.12
mm)を製造した。
【0023】(平均地合指数の測定)各セパレータの平均地
合指数を次のようにして測定した。 (1)光源から被測定物(繊維シート)に対して光を照
射し、照射された光のうち、被測定物の所定領域におい
て反射された反射光を受光素子によって受光して輝度情
報を取得した。 (2)被測定物の所定領域を画像サイズ3mm角、6m
m角、12mm角、24mm角に等分割して、4つの分
割パターンを取得した。 (3)得られた各分割パターン毎に等分割された各区画
の輝度値を輝度情報に基づいて算出した。 (4)各区画の輝度値に基づいて、各分割パターン毎の
輝度平均(X)を算出した。 (5)各分割パターン毎の標準偏差(σ)を求めた。 (6)各分割パターン毎の変動係数(CV)を次の式に
より算出した。 変動係数(CV)=(σ/X)×100 ここで、σは各分割パターン毎の標準偏差を示し、Xは
各分割パターン毎の輝度平均を示す。 (7)各画像サイズの対数をX座標、当該画像サイズに
対応する変動係数をY座標とした結果得られる座標群
を、最小二乗法により一次直線に回帰させ、その傾きを
算出し、この傾きの絶対値を地合指数とした。 (8)上記(1)〜(7)の操作を被測定物(繊維シー
ト)の5箇所について繰り返して、それぞれの地合指数
を算出した後、これら地合指数の平均値を平均地合指数
とした。この結果は表1に示す通りであった。この表1
から明らかなように、本発明のセパレータは貫通孔や濃
淡がなく、地合の優れるものであった。
【0024】
【表1】
【0025】(電池製造時の不良率の評価)電池の集電体と
して、水酸化ニッケルを発泡ニッケル支持体に充填した
正極(33mm幅、182mm長)と、ペースト式水素
吸蔵合金負極(メッシュメタル系合金NmNi5型、3
3mm幅、247mm長)とを用意した。次いで、33
mm幅、410mm長に裁断した各セパレータをそれぞ
れ正極と負極との間に挟んだ後に渦巻状に巻回して、S
C型対応の電極群を作製した。この時に、極板のバリや
極板のエッジによってショートしてしまい、電池を製造
することができなかった割合を電池製造時の不良率とし
た。この結果は表1に示す通りであった。この結果か
ら、平均地合指数と不良率との間に相関関係があり、本
発明のように平均地合指数が0.25以下のセパレータ
はショートしにくく、不良率も低いことがわかった。
【0026】
【発明の効果】本発明の電池用セパレータは貫通孔や濃
淡がなく地合いの優れるものであり、しかもより細い繊
維を含んでいるため電気抵抗が低く、しかも電極表面と
の密着性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明で使用できる分割性繊維の模式的断面
【図2】 本発明で使用できる別の分割性繊維の模式的
断面図
【図3】 本発明で使用できる更に別の分割性繊維の模
式的断面図
【図4】 本発明で使用できる更に別の分割性繊維の模
式的断面図
【図5】 本発明で使用できる更に別の分割性繊維の模
式的断面図
【図6】 本発明で使用できる更に別の分割性繊維の模
式的断面図
【図7】 本発明で使用できる更に別の分割性繊維の模
式的断面図
【図8】 本発明で使用できる更に別の分割性繊維の模
式的断面図
【図9】 本発明で使用できる更に別の分割性繊維の模
式的断面図
【図10】 従来の分割性繊維の模式的断面図
【図11】 従来の別の分割性繊維の模式的断面図
【符号の説明】
1 分割性繊維 11 樹脂成分 12 樹脂成分 S 中空部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 圭輔 茨城県猿島郡総和町大字北利根7番地 日 本バイリーン株式会社内 Fターム(参考) 5H021 CC02 CC13 EE04 EE15 HH00 HH04

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に中空部を有する、より細い繊維に
    分割可能な分割性繊維から発生したより細い繊維を含む
    繊維シートを備えていることを特徴とする電池用セパレ
    ータ。
  2. 【請求項2】 前記分割性繊維から発生したより細い繊
    維を、繊維シート質量全体の30mass%以上含んで
    いることを特徴とする、請求項1記載の電池用セパレー
    タ。
  3. 【請求項3】 前記分割性繊維から発生したより細い繊
    維を含む繊維シートの平均地合指数が0.25以下であ
    ることを特徴とする、請求項1又は請求項2記載の電池
    用セパレータ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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