JP2001261046A - ボトル形パウチ - Google Patents
ボトル形パウチInfo
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Abstract
持ち運びや内容物の移し替えなど使用適性に優れると共
に、胴部に折れシワなどもなく外観にも優れたボトル形
パウチを提供する。 【解決手段】 ボトル形パウチ100 を、上下にガセット
部6,7 を有し、両側部が側部シール部9,9 で封止される
形態で形成し、上部のガセット部6 の長さを、下部のガ
セット部7 の長さよりも小さくし、且つ、上部のガセッ
ト部6 の前後のひだ状部のうち、一方(前側)のひだ状
部の上辺に、外周がヒートシールで封止され上部方向に
幅が狭くなる形状の注出口部10を延設し、もう一方のひ
だ状部は、内側が台形状となる上部ガセット部背面側シ
ール部13でヒートシールすると共に、その上辺に、パウ
チの保持用の穴18を設けた拡大シール部15を延設し、下
部のガセット部7 は船底形の底部シール部8 でヒートシ
ールして構成する。
Description
状、粒状などの流動性を有する内容物を密封包装するた
めに用いられるボトル形パウチに関し、更に詳しくは、
パウチが、縦長のボトルに似た形状であると同時に、自
立性を有し、上部には狭い幅の注出口部とパウチの保持
用または吊り下げ用の穴を備え、また、内容物充填後の
形態安定性にも優れ、通常の用途のパウチとしてはもと
より、詰め替え用のパウチとしても好適に使用すること
のできるボトル形パウチに関する。
剤、エマルジョン糊などのほか、各種飲料や、醤油、ソ
ース、めんつゆなどの液体調味料など、液状物や、粉
乳、ココアなどの粉体などは、主に、プラスチックボト
ル、ガラス瓶、金属缶などの保形性のある容器に充填さ
れ、流通、使用に供され、使用後の容器は廃棄処分され
ていた。また、一方、廃棄物処理の問題もあり、これら
の容器は、使用後分別処理し、回収、リサイクルするこ
とが進められている。しかし、このような保形性容器
は、資源の消費傾向が強く、商品に占める容器コストの
割合も無視できないものがあった。
など軟包装材料によるパウチなど、より低価格の簡易型
の容器が求められるようになっている。このような簡易
型容器は、前記プラスチックボトル、ガラス瓶、金属缶
などの保形性容器の代替として使用できるほか、使用後
のボトルなどの容器に同一内容物を補充するために用い
る詰め替え用容器としても使用することができる。この
ような簡易型容器としては、例えば、自立性を有するス
タンディングパウチをそのまま使用したもの、或いは、
スタンディングパウチの上部に幅を狭くした注出口部を
設けたもの、更には、その注出口部の開口性と保形性を
一層安定なものにするため、スタンディングパウチの上
部にプラスチックの成形体による注出口を取り付けたも
のなどがある。
く、軽量であり、コンパクトに内容物を包装できるの
で、省資源、物流費の削減が可能であり、更に、使用後
の廃棄処理も容易であるなどの長所を有しており、中で
もスタンディングパウチの上部にプラスチックの成形体
による注出口を取り付けたものは、取扱いが容易で、性
能と共に使用適性においても優れている。
の上部にプラスチックの成形体による注出口を取り付け
たものは、注出口を別に用意する必要があり、コスト面
で割高になること、そして、パウチ自体を形成する積層
フィルムは、薄く、剛性が低いため本体部が保形性に劣
り、特に、パウチの形状をボトルに似た縦長の形状とし
た場合、パウチに内容物を充填すると、パウチ胴部の中
間部から上部寄りの位置に、両側の側部シール部から内
側に向けて折れシワが発生し、外観に劣る問題があっ
た。そして、パウチの容量についても、比較的小容量の
場合はよいが、1Lを超えるような容量になると、パウ
チサイズが大きくなると同時に重量も重くなり、持ち運
びや、内容物を他の容器に移し替える際の取扱いが厄介
になる問題があった。
な問題点を解消するためになされたものであり、その目
的とするところは、パウチが積層フィルムで形成され、
液状物など流動性を有する内容物が密封包装されるパウ
チであって、内容物の保存性に優れ、軽量で嵩張らず、
使用後の廃棄処理も容易で、且つ、パウチが自立性を有
し、内容量が大きい場合でも、持ち運びや内容物を他の
容器に移し替える際の取扱いが容易であると同時に、注
出口部の保形性もよく、外観面でもボトルなどの保形性
容器に似てスマートで、内容物充填後のパウチに折れシ
ワなどが発生せず、形態安定性に優れ、店頭での陳列効
果にも優れたボトル形パウチを生産性よく提供すること
にある。
発明により解決することができる。即ち、請求項1に記
載した発明は、積層フィルムで形成され、液状物など流
動性を有する内容物が密封包装されるパウチであって、
該パウチの上部と下部が、前後2面の壁面フィルムの間
に、それぞれ上面フィルムまたは底面フィルムを内側に
折り込んで挿入してなるガセット部を有する形式で形成
され、胴部が、前後2面の壁面フィルムの両側端縁部を
側部シール部でヒートシールして形成され、且つ、下部
のガセット部が、自立性を付与する形状のシールパター
ンでヒートシールされ、上部のガセット部の前後両側の
ひだ状部のうち、一方のひだ状部の上辺に、その両側の
フィルム、即ち、壁面フィルムとそれに対向する上面フ
ィルムとを延長して、両側が上部方向に向かって幅が狭
くなる形状の注出口部が設けられ、該注出口部の両側端
縁部が、該ひだ状部の基部から注出口部の上部までつな
がる形状の上側部シール部でヒートシールされ、また、
もう一方のひだ状部が、内側が上部方向に向かって凸状
となるシールパターンでヒートシールされると共に、該
パウチの上部周縁のヒートシール部のいずれかに、また
は、該ヒートシール部を広げてなる拡大シール部に、該
パウチの保持用または吊り下げ用の穴が設けられている
ことを特徴とするボトル形パウチからなる。
は、パウチを持ち運ぶ際、或いは内容物を他の容器に移
し替える際、手指を差し込んでパウチを保持し易くする
ための穴、または吊り下げ紐などを通してパウチを手で
下げ易くするための穴であり、その形状や数は任意に設
けることができる。このような穴は、完全に切り欠かれ
た穴でもよく、一部につなぎ部が設けられた穴でもよ
く、また、ミシン目状などの断続的な切り目線で形成さ
れ、容易に突き破って手指などを差し込めるようにした
穴であってもよい。
ール部に関しても、通常は、両側のフィルムで形成し、
且つ、その全面をヒートシールして形成することが、穴
部の周囲の強度を高められる点で好ましいが、特に限定
はされず、例えば、そのヒートシールは、部分的に非シ
ール部を設けたパターン状のヒートシールでもよく、ま
た、拡大シール部のフィルムは、片側のフィルムのみで
形成してもよく、更に、強度を高める必要のある場合
は、フィルムなどの補強材を追加積層し、多層化して形
成してもよい。
のボトル形パウチは、プラスチックボトルなどの保形性
容器と比較して、材料の消費量を少なくでき、軽量で嵩
張らず、使用後の廃棄処理も容易になる。そして、内容
物が充填されたパウチは、下部のガセット部とそのシー
ルパターンにより自立性が付与されるので取り扱いやす
く、且つ、パウチの上部と下部の両方にガセット部が設
けられているので、パウチの本体部が、筒状に広がり、
容量の割にコンパクトに包装することができ、物流費の
削減および店頭での陳列スペースの削減が可能となる。
のひだ状部のうち、一方のひだ状部の上辺には、両側の
フィルムを延長して、両側が上部方向に向かって幅が狭
くなる形状の注出口部が設けられ、該注出口部の両側端
縁部が、該ひだ状部の基部から注出口部の上部までつな
がる形状の上側部シール部でヒートシールされており、
また、もう一方のひだ状部が、内側が上部方向に向かっ
て凸状となるシールパターンでヒートシールされ、更
に、該パウチの上部周縁のヒートシール部のいずれか
に、または、該ヒートシール部を広げてなる拡大シール
部に、該パウチの保持用または吊り下げ用の穴が設けら
れている。従って、パウチ上部にもガセット部があり、
且つ、前記もう一方のひだ状部が、内側が上部方向に向
かって凸状となるシールパターンでヒートシールされて
いるので、この部分の剛性が高められ、従来、パウチ胴
部の中間部から上部寄りの位置に、両側の側部シール部
から内側に向けて発生していた折れシワもなくなり、外
観、形態安定性が向上する。また、外形もボトルなどの
保形性容器に似てスマートであり、店頭での陳列効果に
も優れたものとなる。
には、注出口部を開封し、開口部を容器の口部に向けて
傾けることにより、内容物が開口部に向かって流動し、
その内圧により、注出口部を含む上部ガセット部の両側
のフィルムが外側に広がり、この部分に壁面フィルムと
上面フィルムとによる漏斗形状が保形性よく形成され
る。従って、内容物の注出口への流動がスムーズに行わ
れ、内容物を最後まで安全且つ容易に移し替えることが
できる。この時、パウチの上部周縁のヒートシール部の
いずれかに、または、該ヒートシール部を広げてなる拡
大シール部に、該パウチの保持用または吊り下げ用の穴
が設けられているので、例えば、保持用の穴に手指を差
し込んで、パウチの上部と下部の両方を保持することも
でき、パウチが大容量のものであっても安全且つ容易に
内容物を移し替えることができる。また、前記パウチの
保持用または吊り下げ用の穴は、パウチの持ち運びの際
にも利用できるので、パウチの取扱いが容易になる。
セット部の自立性を付与する形状のシールパターンが、
中央部が低く、両側端部に向かって高くなる船底形のシ
ールパターンであることを特徴とする請求項1記載のボ
トル形パウチからなる。
求項1に記載した発明の作用効果に加えて、内容物を充
填したパウチは、その底部が、前記シールパターンに応
じて、例えば、内側が湾曲線で形成される船底形のシー
ルパターンの場合は楕円形状に、内側が所定幅の底部か
ら両側が外側に傾斜を持って直線状に立ち上がる形状の
船底形のシールパターンの場合は六角形状になり、いず
れも中央部が前後に大きく広げられ、また、底面の外周
にはヒートシール部による脚部が形成されるため、パウ
チの自立性を一層向上させることができる。
セット部の一方のひだ状部の内側が上部方向に向かって
凸状となるシールパターンが、内側が鈍角の逆V字形ま
たは逆船底形となるシールパターンであることを特徴と
する請求項1または2に記載のボトル形パウチである。
上記内側が逆船底形となるシールパターンは、船底形の
天地を逆にしたシールパターンであり、例えば、内側
が、円弧状などの曲線状に凸状となるシールパターン
や、台形状に凸状となるシールパターンなどである。
求項1または2に記載した発明の作用効果に加えて、パ
ウチに充填された内容物を他の容器に移し替える際、内
容物の内圧で前記注出口部を含む上部ガセット部の両側
のフィルムが外側に広げられ、この部分に壁面フィルム
と上面フィルムとによる漏斗形状が形成されるが、この
時、内側が上部方向に向かって凸状となるシールパター
ンの凸状の先端部から注出口部の先端に向けて、上面フ
ィルムが自然に稜線状に広がり、安定した漏斗形状が形
成される。従って、上記内側が上部方向に向かって凸状
となるシールパターンを、内側が鈍角の逆V字形となる
シールパターンとした場合は、逆V字形の先端部から注
出口部の先端に向けて、上面フィルムに一層シャープな
稜線が形成され、前記漏斗形状が角錐状となるので、そ
の保形性が更に向上し、内容物の注出口部への流動が一
層スムーズになり、内容物を最後まで安全且つ容易に移
し替えることができる。
となるシールパターンを、内側が逆船底形となるシール
パターンとした場合は、下部のガセット部のシールパタ
ーンと上下で対称形にすることができるので、胴部の形
状を楕円柱、六角柱など一層整った形状に近づけること
ができ、ボトルに似たスマートな形状にすることができ
る。また、注出口部に形成される前記漏斗形状に関して
も、内側の逆船底形のパターンに対応して、円錐状や角
錐状の安定した漏斗形状が形成されるため、その保形性
はよく、内容物の注出口部への流動はスムーズに行わ
れ、内容物の移し替えも最後まで安全且つ容易に行うこ
とができる。
セット部の上面フィルムの折り込み長さが、下部のガセ
ット部の底面フィルムの折り込み長さよりも小さく形成
されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか
に記載のボトル形パウチである。
折り込み長さと、下部のガセット部の底面フィルムの折
り込み長さとは、同一長さで設けるか、または、上面フ
ィルムの折り込み長さを、底面フィルムの折り込み長さ
よりも小さく形成することが好ましい。同一長さで設け
た場合は、内容物を充填したパウチが、略均等な筒状体
となるので、一層ボトルに似た形状にできる特徴があ
る。
ガセット部の一方のひだ状部の上辺に、その両側のフィ
ルムを延長して、両側が上部方向に向かって幅が狭くな
る形状の注出口部が設けられ、該注出口部の両側端縁部
が、該ひだ状部の基部から注出口部の上部までつながる
形状の上側部シール部でヒートシールされ、もう一方の
ひだ状部が、内側が上部方向に向かって凸状となるシー
ルパターンでヒートシールされており、パウチに充填さ
れた内容物を注出する際、上部の注出口部に形成される
前記漏斗形状の部分では、壁面フィルムよりも上面フィ
ルムの方が、その折り込み長さ(正確にはシール部の長
さを除いた長さ)だけ長いため、注出口部の漏斗形状が
外側に折れ曲がりやすくなる。
り、前記請求項1乃至3のいずれかに記載した発明の作
用効果に加えて、パウチに内容物を充填した時、パウチ
上部の広がりが下部よりも小さくなり、パウチの安定感
が増すと共に、注出口部の漏斗形状の外側への折れ曲が
りが防止され、漏斗形状の効果を一層確実に得られるよ
うになる。
の折り込み長さを、下部のガセット部の底面フィルムの
折り込み長さよりも小さくする量は、特に限定するもの
ではなく、例えば、数mmでも小さければ、それなりの
効果が得られる。従って、前記パウチ上部の広がりの減
少と、漏斗形状の外側への折れ曲がり防止効果とを勘案
して任意に設定することができる。
出口部が設けられた側のひだ状部の両側端縁部をヒート
シールする上側部シール部の内側ラインが、該ひだ状部
の両側基部から該注出口部の上部まで、傾斜直線でつな
がる形状にヒートシールされていることを特徴とする請
求項1乃至4のいずれかに記載のボトル形パウチからな
る。
求項1乃至4のいずれかに記載した発明の作用効果に加
えて、パウチに充填された内容物を他の容器に移し替え
る際、注出口部に形成される漏斗形状が、途中に段や折
れ曲がりがなく、一層整った角錐状などの形状になるの
で、その保形性が向上し、一層スムーズに内容物を移し
替えることができる。
に用いるフィルム、および、ボトル形パウチの製造方法
など発明の実施の形態について説明する。先ず、本発明
のボトル形パウチに用いるフィルムは、主にプラスチッ
クを主体とする積層フィルムを用いるが、特に限定はさ
れず、液状などの内容物の包装用パウチに用いられてい
る公知の積層フィルムは、いずれも使用することがで
き、充填する内容物の種類や充填後の加熱処理の有無な
ど、使用条件に応じて適する材料を自由に選択して使用
することができる。本発明のボトル形パウチに用いる積
層フィルムの構成の代表的な例として、以下のような構
成が挙げられる。
フィルム(シーラント層) (2) ONフィルム/接着剤/一軸延伸または二軸延伸H
DPEフィルム/接着剤/L・LDPEフィルム(シー
ラント層) (3) ONフィルム/接着剤/一軸延伸または二軸延伸P
Pフィルム/接着剤/L・LDPEフィルム(シーラン
ト層) (4) ONフィルム/接着剤/一軸延伸または二軸延伸P
Pフィルム/接着剤/アルミニウム箔/接着剤/L・L
DPEフィルム(シーラント層) (5) ONフィルム(シリカ又はアルミナ蒸着層)/接着
剤/一軸延伸または二軸延伸HDPEフィルム/接着剤
/L・LDPEフィルム(シーラント層) (6) ONフィルム/アンカーコート層/共押し出しコー
ト層(HDPE層/L・LDPE層)(シーラント層
は、L・LDPE層) (7) ONフィルム/アンカーコート層/共押し出しコー
ト層(HDPE層/LDPE層)/接着剤/L・LDP
Eフィルム(シーラント層) (8) PETフィルム/接着剤/アルミニウム箔/接着剤
/ONフィルム/接着剤/L・LDPEフィルム(シー
ラント層) (9) PETフィルム/接着剤/アルミニウム箔/接着剤
/ONフィルム/接着剤/CPPフィルム(シーラント
層) (10)PETフィルム/接着剤/ONフィルム/接着剤/
アルミニウム箔/接着剤/L・LDPEフィルム(シー
ラント層) (11)PETフィルム/接着剤/ONフィルム/接着剤/
アルミニウム箔/接着剤/CPPフィルム(シーラント
層) (12)PETフィルム/接着剤/EVOHフィルム/接着
剤/ONフィルム/接着剤/CPPフィルム(シーラン
ト層) などが挙げられるが、これらに限定されるものではなく
様々な組み合わせの積層フィルムを使用することができ
る。
延伸ナイロンフィルム、PETフィルムは二軸延伸ポリ
エチレンテレフタレートフィルム、PPはポリプロピレ
ン、L・LDPEは直鎖状低密度ポリエチレン、HDP
Eは高密度ポリエチレン、LDPEは低密度ポリエチレ
ン、CPPフィルムは無延伸ポリプロピレンフィルム、
また、EVOHフィルムはエチレン−酢酸ビニル共重合
体ケン化物フィルムを指すものである。
常、その積層をドライラミネーション法で行うため、2
液硬化型ポリウレタン系接着剤などのドライラミネーシ
ョン用接着剤が用いられる。また、アンカーコートは、
押し出しコーティングで樹脂を積層する際、接着性を向
上させるために基材フィルム側に予めコーティングする
ものでプライマーコートの一種である。
ィルム、PETフィルムは、最外層に用いる場合は、基
材フィルムとしてパウチに機械的強度や耐熱性、印刷適
性などを付与するために用いられ、中間層に用いる場合
は、主に機械的強度を補強するために用いられる。中間
層に一軸延伸HDPEフィルム、または一軸延伸PPフ
ィルムを用いる場合は、その延伸方向を、パウチを開封
する際の引き裂き方向と一致するように積層することに
より、引き裂きを容易にし、且つ、その方向性を安定化
させることができる。また、中間層に二軸延伸HDPE
フィルム、または二軸延伸PPフィルムを用いた場合
は、積層フィルムの厚さを増し、その剛性や機械的強度
を高めると同時に、水蒸気透過度を小さくすることがで
きる。
ミナ蒸着層、EVOHフィルムなどは、主にガスバリヤ
ー性を付与するために積層するものであり、これらのほ
か、アルミニウムなどの金属蒸着層、ポリ塩化ビニリデ
ンの塗膜層、或いは、ポリアクリロニトリルフィルムな
どのガスバリヤー性材料を積層することもできる。
PEフィルムとCPPフィルムの2種類の例を挙げた
が、L・LDPEフィルムは、ヒートシールの安定性や
耐内容物性、例えば界面活性剤に対する耐ストレスクラ
ッキング性などに優れ、CPPフィルムは、耐熱性、低
臭性に優れており、これらの性能を必要とする内容物の
包装用に適している。
内容物や注出口の材質に応じて、エチレン・αオレフィ
ン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン
・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル
共重合体、アイオノマー、ポリエステル系樹脂なども適
宜選択して使用することができる。
メタロセン系触媒などシングルサイト触媒を用いて重合
したものは、分子量分布の幅が狭く、共重合比も安定し
ているため、低温ヒートシール性や、熱間シール性に優
れており、本発明のボトル形パウチのように、上下のガ
セット部と胴部シール部との間など、ヒートシール部に
フィルムの重なりの差による段差のあるパウチのシーラ
ント層には、シール抜けによるピンホールの発生を防止
できる点で適している。更に、前記共重合体にオレフィ
ン系エラストマーをブレンドしたものを用いることによ
り、シーラント層の熱流動性が改善され、前記段差など
によるピンホールの発生も一層効果的に防止することが
できる。
内容物は、液状物のほか、粉状、粒状など流動性を有す
るものであれば、食品、非食品など何でもよいが、例え
ば、食用油など酸化され易い内容物が充填される場合
は、前記積層フィルムのいずれかの一層、または複数の
層に紫外線吸収剤を練り込むことができる。また、紫外
線吸収剤を樹脂と混合し、コーティング方式で紫外線吸
収層を設けてもよい。紫外線吸収剤としては、以下から
選択される一種または二種以上の化合物を使用すること
ができる。有機系では、ベンゾフェノン系、ベンゾアリ
ゾール系、サリチル酸系、有機ニッケル系、アクリロニ
トリル系、モノ安息香酸系、シュウ酸アニリド系、シア
ノアクリレート系、トリアゾ系の紫外線吸収剤、また、
無機系では、チタン、亜鉛、セリウムなどの各元素の酸
化物を使用することができる。
製造する本発明のボトル形パウチの製造方法について説
明する。本発明のボトル形パウチは、その製袋自体は、
例えば従来のスタンディングパウチ用の製袋機で、2列
突き合わせ製袋用の製袋機を利用して、上下のガセット
部およびそこに延設される注出口部などを形成すること
ができる。そして、各部のヒートシール装置、および、
トリミング装置、また、パウチの保持用または吊り下げ
用の穴などの打ち抜き装置などを適宜付加することによ
り、容易に製袋することができる。
延設された注出口部などのヒートシールの際には、前後
のひだ状部でシールパターンが異なるため、別々にヒー
トシールする必要があるが、複数のセクションに分割し
てヒートシールすることにより問題なく製袋することが
できる。
説明する。但し、本発明は、提示した図面に限定される
ものではない。
例の構成を示す正面図である。図2は、図1に示したボ
トル形パウチの背面図である。また、図3は、図1に示
したボトル形パウチに内容物を充填し、パウチを膨らま
せた時の形状を示す側面図である。また、図4は、本発
明のボトル形パウチの別の一実施例の構成を示す正面図
である。
について、図1の正面図を中心にして説明する。図1〜
図3に示したボトル形パウチ100は、その上部と下部
が、前後2面の壁面フィルム1、1′の上部と下部の間
に、それぞれ上面フィルム2または底面フィルムを内側
に向けて折り込み、上面フィルムの場合は、その両側端
縁部の上端近傍に上面フィルム切り欠き部4、4を設
け、また、底面フィルムの場合は、その両側端縁部の下
端近傍に底面フィルム切り欠き部5、5を設けて挿入
し、所定のシールパターンでヒートシールする方法で、
ガセット部6、7を有する形状に形成され、胴部が、壁
面フィルム1、1′の両側端縁部を側部シール部9、9
でヒートシールして形成されている。
向の長さ、即ち、上面フィルムの折り込み長さ(図で
は、一点鎖線と上面フィルム折り返し部2a の間の長
さ)は、下部のガセット部7の縦方向の長さ、即ち、底
面フィルムの折り込み長さよりも小さく形成されてい
る。
曲線で形成された船底形のシールパターン、即ち、底部
シール部8でヒートシールされ、また、上部のガセット
部6の前後両側のひだ状部のうち、一方(図1において
前側)のひだ状部には、その上辺に、両側のフィルム、
即ち、壁面フィルム1とそれに対向する上面フィルムと
を延長して、両側が上部方向に向かって幅が狭くなる形
状の注出口部10が設けられ、この注出口部10を含む
前側のひだ状部の両側端縁部が、該ひだ状部の基部から
注出口部10の上部まで、その内側ラインが傾斜直線で
つながる形状の上側部シール部11、11でヒートシー
ルされ、また、もう一方(図1において背面側)のひだ
状部が、内側が上部方向に向かって凸状となるシールパ
ターン(図では、内側が逆船底形となるシールパター
ン)の上部ガセット部背面側シール部13でヒートシー
ルされると共に、該ひだ状部の上辺に、両側のフィルム
を延長し、且つ、ヒートシールされてなる拡大シール部
15(図2参照)が突出部14を形成するように設けら
れ、更にその拡大シール部15にパウチの保持用の穴1
8が設けられて構成されている。
ル部12は、内容物の充填口に使用するため、内容物の
充填後にヒートシールして密封するものである。この点
は、図4に示したボトル形パウチ200においても同様
である。また、内容物を注出する際の注出口部10の開
封手段として、この場合、上記注出口上部シール部12
の下側近傍に、切り取り線16と、その一方の端部にノ
ッチ17を設けて構成したが、ノッチ17は、切り取り
線16の両方の端部に設けてもよく、また、ノッチのほ
かに、レーザー光照射などによるハーフカット線や、パ
ウチの積層フィルムへの一軸延伸フィルムの積層などの
易開封性手段を、単独またはノッチと組み合わせて設け
ることもできる。
び注出口上部シール部12のシールパターン、そして、
切り取り線やノッチなどの開封手段は、内容物の流動性
などの性状や、パウチの使用目的などの条件に応じて自
由に設けることができる。
形パウチ100は、全体が積層フィルムで形成されてい
るので、軽量で嵩張らず、内容物の保存性もよく、ま
た、使用後の廃棄処理も容易である。そして、内容物が
充填されたパウチ100は、上部のガセット部6の注出
口部10が設けられていない側のひだ状部に延設された
拡大シール部15に、パウチの保持用の穴18が設けら
れており、また、下部のガセット部7が、内側が湾曲線
で形成された船底形の底部シール部8でヒートシールさ
れているので、下部の横断面が楕円形状となり、且つ、
底部の外周にリング状の脚部が形成されるので自立性に
優れると共に、持ち運びその他の取り扱いが容易にな
る。
ウチ100の本体部分は、前記のように、上部のガセッ
ト部6の縦方向の長さが、下部のガセット部7の縦方向
の長さより小さく形成されているので、上部がややつぼ
まった形状の筒状体となるが、容量の割にコンパクトで
スペースを取らず、また、上部の注出口部10が、上部
方向に向かって両側から幅が狭くなる形状であるため、
ボトルなどの保形性容器に似て外観がスマートで、店頭
での陳列効果にも優れている。また、上部のガセット部
6においては、背面側のひだ状部が、内側が逆船底形と
なるシールパターンでヒートシールされ、且つ、前後の
ひだ状部が、左右両側の上端近傍に設けられた上面フィ
ルム切り欠き部4、4で接合されているため、パウチ上
部の補強効果が一層高められ、通常の形状の自立性パウ
チの場合にパウチ胴部の中間部からやや上寄りの位置の
両側に発生していた折れシワの発生もなくなり、形態安
定性が向上され外観も一層優れたものとなる。
し替える際には、注出口部10の先端部を、ノッチ17
を利用して切り取り線16に沿って切り取って注出口部
10を開封し、開口部を容器の口部に合わせてパウチ1
00を傾けることにより、内容物が注出口部に流動し、
その内圧により注出口部10の両側のフィルム、即ち、
壁面フィルム1とそれに対向する上面フィルム2(図3
参照)とが両側に広げられ、上部ガセット部6の基部か
ら注出口部10の開口部にかけて、両側のフィルムによ
る角錐状の漏斗形状が、保形性よく形成される。
ムの折り込み長さが、下部のガセット部7の底面フィル
ムの折り込み長さよりも小さく形成されているので、注
出口部10が外側に折れ曲がることも防止され、注出口
部の漏斗形状が安定して保たれる。従って、内容物がス
ムーズに注出口部に流動し、最後まで安全且つ容易に内
容物を移し替えることができる。また、上記内容物の移
し替えに際しては、ボトル形パウチ100の容量が大き
い場合でも、例えば、パウチの上部をその拡大シール部
15に設けた保持用の穴18に指を差し込んで保持し、
また、下部を下側から手で支えて注出することができる
ので、注出操作が容易になり安全に移し替えることがで
きる。
実施例の構成を示す正面図である。図4に示したボトル
形パウチ200は、前記図1〜図3に示したボトル形パ
ウチ100の構成において、パウチ上部のガセット部6
の背面側のシールパターン、即ち、上部ガセット部背面
側シール部13のシールパターンのみを、内側が鈍角の
逆V字形となるシールパターンに変更して構成したもの
である。
に充填された内容物を他の容器に移し替える際、注出口
部10の両側の壁面フィルム1と上面フィルムとが広が
って形成される注出口部の漏斗形状が、その上面フィル
ム側に、前記鈍角の逆V字形のシールパターンの上部
(頂点)から、注出口の先端部にかけて稜線状の折れ曲
がり部が形成されるので、シャープな角錐状となり、そ
の保形性が一層向上される。従って、内容物の注出口へ
の流動が一層スムーズになり、内容物の移し替えを一層
安全且つ容易に行えるようになる。また、上記変更点以
外は、図1〜図3に示したボトル形パウチ100と同じ
構成であるため、前記ボトル形パウチ100で説明した
作用効果と同様な作用効果を得ることができる。
よれば、液状物など流動性を有する内容物を密封包装す
るパウチであって、内容物の保存性がよく、軽量で嵩張
らず、使用後の廃棄処理も容易で、且つ、ボトルなどの
保形性容器に似た立体形状を有し、胴部に折れシワが発
生することもなく、自立性、形態安定性に優れ、内容量
が大きい場合でも、持ち運びや内容物の他の容器への移
し替えの操作などの取扱いが容易であり、また、注出口
部の保形性もよく、使用適性と共に、店頭での陳列効果
など外観にも優れたボトル形パウチを容易に提供できる
効果を奏する。
す正面図である。
し、パウチを膨らませた時の形状を示す側面図である。
を示す正面図である。
Claims (5)
- 【請求項1】積層フィルムで形成され、液状物など流動
性を有する内容物が密封包装されるパウチであって、該
パウチの上部と下部が、前後2面の壁面フィルムの間
に、それぞれ上面フィルムまたは底面フィルムを内側に
折り込んで挿入してなるガセット部を有する形式で形成
され、胴部が、前後2面の壁面フィルムの両側端縁部を
側部シール部でヒートシールして形成され、且つ、下部
のガセット部が、自立性を付与する形状のシールパター
ンでヒートシールされ、上部のガセット部の前後両側の
ひだ状部のうち、一方のひだ状部の上辺に、その両側の
フィルム、即ち、壁面フィルムとそれに対向する上面フ
ィルムとを延長して、両側が上部方向に向かって幅が狭
くなる形状の注出口部が設けられ、該注出口部の両側端
縁部が、該ひだ状部の基部から注出口部の上部までつな
がる形状の上側部シール部でヒートシールされ、また、
もう一方のひだ状部が、内側が上部方向に向かって凸状
となるシールパターンでヒートシールされると共に、該
パウチの上部周縁のヒートシール部のいずれかに、また
は、該ヒートシール部を広げてなる拡大シール部に、該
パウチの保持用または吊り下げ用の穴が設けられている
ことを特徴とするボトル形パウチ。 - 【請求項2】前記下部のガセット部の自立性を付与する
形状のシールパターンが、中央部が低く、両側端部に向
かって高くなる船底形のシールパターンであることを特
徴とする請求項1記載のボトル形パウチ。 - 【請求項3】前記上部のガセット部の一方のひだ状部の
内側が上部方向に向かって凸状となるシールパターン
が、内側が鈍角の逆V字形または逆船底形となるシール
パターンであることを特徴とする請求項1または2に記
載のボトル形パウチ。 - 【請求項4】前記上部のガセット部の上面フィルムの折
り込み長さが、下部のガセット部の底面フィルムの折り
込み長さよりも小さく形成されていることを特徴とする
請求項1乃至3のいずれかに記載のボトル形パウチ。 - 【請求項5】前記注出口部が設けられた側のひだ状部の
両側端縁部をヒートシールする上側部シール部の内側ラ
インが、該ひだ状部の両側基部から該注出口部の上部ま
で、傾斜直線でつながる形状にヒートシールされている
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のボ
トル形パウチ。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2000
- 2000-03-17 JP JP2000075664A patent/JP4601762B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP4601762B2 (ja) | 2010-12-22 |
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