JP2001260240A - 繊維強化樹脂複合製品の成形用フィラメントワインディング機 - Google Patents

繊維強化樹脂複合製品の成形用フィラメントワインディング機

Info

Publication number
JP2001260240A
JP2001260240A JP2000073514A JP2000073514A JP2001260240A JP 2001260240 A JP2001260240 A JP 2001260240A JP 2000073514 A JP2000073514 A JP 2000073514A JP 2000073514 A JP2000073514 A JP 2000073514A JP 2001260240 A JP2001260240 A JP 2001260240A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fiber
tension
winding
mandrel
winding machine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000073514A
Other languages
English (en)
Inventor
Hidehiro Takemoto
秀博 竹本
Takashi Imamura
孝 今村
Tetsuya Kuroiwa
哲也 黒岩
Kazuhiko Terajima
寺嶋  一彦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Rayon Co Ltd filed Critical Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority to JP2000073514A priority Critical patent/JP2001260240A/ja
Publication of JP2001260240A publication Critical patent/JP2001260240A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Moulding By Coating Moulds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形体の成形の際に、繊維の張力をリアルタ
イムに変化させて適切に制御することによって、所要の
機械的特性を備えた繊維強化樹脂複合製品を安定して製
造することができるフィラメントワインディング機を提
供する。 【解決手段】 繊維(3) の送出しロール(4) と、樹脂を
含浸させた繊維(3) を所定の形状に成形するマンドレル
(6) とを有するフィラメントワインディング機(1) にあ
って、前記送出しロール(4) 及びマンドレル(6) にはそ
れぞれに駆動装置(7,13)が設けられている。コンピュー
タ(11)にはマンドレル(6) の目標駆動速度、成形体の巻
径等をパラメータとした張力目標値の演算式が予め入力
されている。本発明において前記張力目標値の演算式
は、繊維(3) の材質や成形体の用途に応じて変動する張
力減少曲線が採用されており、前記コンピュータからの
指令により、繊維(3) の張力を成形体の巻径の増加と共
に前記減少曲線に沿って逐次減少するように、前記駆動
装置(7,13)の駆動速度を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、繊維強化樹脂複合
製品の成形用フィラメントワインディング機に関し、具
体的には所要の機械的特性を備えた繊維強化樹脂複合製
品を得るためのフィラメントワインディング機に関す
る。
【0002】
【従来の技術】フィラメントワインディング機による繊
維強化樹脂複合材料の成形は、一般にボビンから巻戻さ
れる機能繊維に樹脂を含浸させ、同繊維を目的形状の金
型に巻付けることにより行なわれる。
【0003】この成形によって得られる成形体は、例え
ば回転体の支軸、各種の構造部材、天然ガスを燃料とし
た自動車のガス容器、或いはスポーツ用や趣向用の各種
ロッド部材など様々な用途に広く利用されており、従来
の金属製品と比較して軽量であることは勿論のこと、当
然に十分な機械的強度を有することが要求される。
【0004】このため、前記繊維は金型に所定の巻径に
巻付けられると共に、その巻付ける途中で繊維を様々な
角度に巻付けて、繊維の配向、つまり繊維の積層構成を
変更することによって、得られる成形体の機械的特性を
あらゆる方向に対して向上させるようにしている。
【0005】ここで、前記成形に際しては、例えば、繊
維の巻付け張力が必要以上に大きいと、成形体の内周側
の繊維配向が乱されたり、或いは座屈したり、更には前
記外周側の繊維から大きなせん断力を受けて亀裂を生じ
ることがある。その結果、折角、成形体を所定の巻径と
し、或いは繊維の巻付け角度を変更しても所要の機械的
強度を確保することができなくなる。
【0006】このため、前記座屈等の不具合が生じない
ように、前記張力を適切に制御することが要求され、従
来にあっては、例えば複数の回転しないロールが図示せ
ぬ繊維の巻出し部及び巻付け部の間に繊維の進行方向に
沿って直交して配され、繊維を複数のロール上をジグザ
グに通過させる。この通過の際に、同繊維と前記ロール
との間に摩擦力が生じて、繊維には所定の張力が発生す
る。このとき、前記張力の設定は、ロールの設置数を増
やしたり、或いは同ロールの配置や径を変更して、繊維
とロールとの接触面積を変化させることによって行われ
る。また、例えば繊維の走行路にダンサーロールを配
し、同ダンサーロールの重量は繊維の設定張力により決
められ、両者の間がバランスするように決められてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記成形に
際しては、前記繊維には同繊維の毛羽立ちを防止し且つ
樹脂の含浸性を向上させて、得られる成形体の品質の維
持を図ることを目的として、予めサイズ剤が塗布される
ことが多く、このサイズ剤の種類や塗布量は、成形条件
に応じて変更されるのが一般的である。
【0008】したがって、前記複数の固定ロールを利用
する上記張力制御装置では、サイズ剤の種類等によって
繊維とロールとの摩擦抵抗力が異なることがあり、ま
た、この摩擦抵抗力はロールの表面の状態によっても変
化し易い。この摩擦抵抗力が変化すると、繊維の巻付け
張力も変化するため、成形体の成形に際しては、前記摩
擦抵抗力を適切に調節することが必要になるが、前記張
力制御装置における摩擦抵抗力の調節手段は、既述した
ごとく基本的にはロールの設置数や寸法等を変更して繊
維とロールとの接触面積を変化させることによる。この
場合、前記摩擦抵抗力を逐次的に調製することは難し
く、また繊維の巻付け張力を目標値に正確且つ一定に設
定することが困難となる。
【0009】一方、繊維の巻付け張力を一定に制御する
ため、上述のごとくダンサーロールを張力制御装置とし
て採用することも多い。しかし、前記ダンサーロール
は、張力を変更させようとしてその重量を簡単に変更す
ることは不可能である。
【0010】ここで、既述の如く、成形体の機械的強度
を十分に確保するために、繊維を金型に所定の巻径とな
るように巻付け、繊維の巻付け角度(繊維の配向)を変
更した複数の繊維層から構成されている。この成形体の
巻径は、同成形体の使用用途によって必要とされる機械
的強度が変わるため、前記用途に応じて異なり、かなり
の巻径となることが少なくない。
【0011】また、成形体の機械的強度を様々な方向に
対して向上させるために、既述のとおり繊維を様々な角
度に巻付けて繊維の配向を変更しているが、前記配向を
変更すると、同一の巻径であっても張力を変更する必要
がある。
【0012】一般に、前記巻径が大きくなるに連れて、
前記成形体の内周側では繊維配向が乱されたり、或いは
座屈するなどの不具合を生じ易くなり、所要の特性をも
つ成形体を安定して製造することができなくなる。した
がって、巻径に応じてリアルタイムに張力を変化させる
ことが好ましい。
【0013】ところが、前記固定ロールやダンサーロー
ルでは、成形体の巻径や積層構成をパラメータとして巻
径に応じてリアルタイムで繊維の張力を変化させること
は困難である。
【0014】本発明はかかる課題を解決すべくなされた
ものであり、その具体的な目的は、成形体の成形時に、
繊維の張力を巻径やその積層構成に応じて適切に制御す
ることによって、成形体を安定して製造することができ
る繊維強化樹脂複合製品の成形用フィラメントワインデ
ィング機を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段及び作用効果】前記目的
は、本件請求項1〜5に記載された各発明により達成さ
れる。本件請求項1に係る発明は、繊維の巻出し部と、
同巻出し部から巻き戻された繊維に樹脂を含浸させる樹
脂含浸部と、樹脂を含浸した繊維の巻付け部とを備えて
なる繊維強化樹脂複合製品の成形用フィラメントワイン
ディング機であって、前記繊維の巻付け張力を巻径の増
加に伴って予め設定された減少曲線に沿って変化させる
張力制御部を備えてなることを特徴とするフィラメント
ワインディング機にある。
【0016】本発明者等による多様の実験の結果、フィ
ラメントワインディング成形の際に、前記繊維の巻径の
増加に伴って巻付け張力を予め設定された減少曲線に沿
って変化させることにより、内周側の繊維に対する局部
的で且つ過剰な負荷がかからないようになり、成形体の
全体的な繊維配向の乱れや座屈等の不具合を生じないこ
とが分かった。
【0017】具体的には、例えば、張力制御部としてコ
ンピュータを備え、前記巻付け張力の変化を、材質、繊
度等の所定のデータと、成形体の巻径をパラメータとす
る張力目標値の演算式と、フィラメントワインディング
機の各部の動特性をパラメータとする張力値の演算式等
を前記コンピュータに予め入力しておくことによって、
繊維の適正な巻付け張力に制御することが可能となり、
繊維に座屈などの不具合が生じないようになる。
【0018】すなわち、前記巻付け部の現在の駆動速度
や回転数等からコンピュータにより成形体の巻径を計算
して、同巻径からその張力目標値を知り、巻付け部の速
度を演算し、巻出し部の実際の駆動速度を前記演算され
た速度に対応するよう張力目標値から演算して得られた
駆動速度に変更する。このようにして、巻径に応じて繊
維の巻付け張力がリアルタイムで制御される。
【0019】このとき、前記張力目標値の演算式は多様
な実験により得られたデータに基づき設定され、前記繊
維の巻付け張力を巻径の増加と共に所定の曲線に沿って
減少させることが効果的であることを知った。前記曲線
は、湾曲線上を減少させるほか、直線的或いは段階的に
減少させるなど様々な形態にてリアルタイムに変化させ
ることが可能である。
【0020】本件請求項2に係る発明は、更に前記減少
曲線が、繊維の積層構成の変更に対応する曲線をも含ん
でいる。既述の如く、成形体の機械的強度を十分に確保
するために、繊維を金型に所定の巻径となるように巻付
けると共に、得られる成形体の強度があらゆる方向に対
しても確保できるように、様々な角度に巻付けられて繊
維配向、つまり繊維の積層構成を変更することが多い。
この積層構成の変更に伴って、前記座屈等が生じる張力
の値も変動することがあるため、繊維の巻付け張力を成
形体の積層構成の変更に応じても変化させることが必要
である。従って、前記減少曲線を設定するとき繊維の積
層構成もパラメータの一つとなる。
【0021】本件請求項3に係る発明は、上記構成に加
えて更に繊維の張力検出手段を有している。前記巻付け
部の駆動速度を制御することにより得られる実際の張力
が、同駆動速度の制御精度や想定した成形条件と実際の
成形条件などの相違により、予め設定されている張力目
標値と異なることが少なくない。
【0022】実際の張力が前記張力目標値よりも大きい
ときには、内周側に大きな締め付け力がかかり、一方で
実際の張力が前記張力目標値よりも小さいときには、外
周側の巻付けが強くなされず、外周側の積層構成に乱れ
を生じやすい。
【0023】したがって、フィラメントワインディング
成形に際しては、実際の張力を知って同実際の張力と張
力目標値とを一致させるように前記巻付け部あるいは巻
出し部の駆動速度を制御する必要がある。そのために
は、張力検出器などの張力検出手段により実際の張力を
検出することが不可欠となる。前記張力検出手段により
実際の張力を検出すれば、同実際の張力と張力目標値と
の差を把握することができ、その差を適切に補正するこ
とができる。
【0024】こうして、実際の張力を前記張力目標値に
追随させることができ、繊維の張力が高精度に制御され
るため、前記座屈等の不具合は起こり得えない。このた
め、前記張力検出手段の採用は更に安定した成形体の製
造を保証することになる。
【0025】本件請求項4に係る発明は、前記繊維の巻
出し部及び巻付け部にはそれぞれに駆動装置が設けられ
ており、前記繊維の巻付け張力が前記各駆動装置間の駆
動速度差に基づいて制御されている。
【0026】前記成形に際しては、当然に成形体の生産
効率を向上させることが不可欠である。そのため前記巻
付け部の駆動速度を不動として繊維の巻戻し速度を増加
させたり、逆に巻戻し速度を一定として巻付け速度を増
加させる場合がある。
【0027】ところが、上述の如く、巻戻す速度と前記
巻付ける速度との間の相対速度を一定とし、或いは増加
させると、巻径の増加に伴って繊維の巻付け張力は大き
くなって、同繊維に亀裂が入ることがあるため、前記要
求を満足するに適切な巻戻し速度と巻付け速度との双方
を同時に制御する必要が生じる。
【0028】そこで、本発明にあっては、巻付け部に駆
動装置を設けると共に、巻戻し部にも駆動装置を設け
て、双方の速度を積極的に制御し得るようにする。その
結果、巻付け部に適切な張力をもって繊維を巻付けるこ
とができる。このとき、前記張力の制御は、同張力に直
接影響を与える前記各駆動装置間の駆動速度を制御する
ことによって行う。
【0029】すなわち、制御部に各駆動装置間の駆動速
度差をパラメータとした張力目標値の演算式を設定し
て、その張力目標値と各駆動装置間の駆動速度差に基づ
く実際の張力とを比較する。その比較値が許容範囲を越
えないように予め同定してあるFW装置のシステムパラ
メータに基づき各駆動装置の駆動速度を制御する。この
とき、前記繊維の張力変化は基本的に巻だし部の駆動速
度を制御することによって行うようにすると、前記巻付
け速度を変更する必要がないため、前記成形体の生産効
率が維持される。従って、巻付け部の駆動速度を変更す
る場合は、成形体の形状が複雑な場合などに限られる。
【0030】本件請求項5に係る発明は、前記繊維の巻
出し部制動手段を有してなり、前記繊維の巻付け張力が
前記制動手段を作動させることにより制御されている。
繊維の巻付け張力を変化させる際には、実際の張力を迅
速に張力目標値となるように制御することが要求され
る。本発明は、張力制御を迅速に行うために、巻出し部
に制動手段を設けている。
【0031】本件発明にあっては、巻出し部に電磁ブレ
ーキなどの制動手段を設け、前記張力制御部に設定され
た所定の張力目標値に応じて前記制動手段の制動力を適
切に制御することにより、前記巻出し部の回転速度を短
時間に増減速することを可能としている。
【0032】
【発明の実施形態】以下に本発明の好適な実施形態を図
面に基づき詳細に説明する。図1は本発明のフィラメン
トワインディング機の実施形態を示す概略図である。フ
ィラメントワインディング機1は、図示せぬクリールに
支持されたボビン2と、繊維3の送出しロール4と、繊
維3の樹脂塗工部5と、繊維3を巻付けて所定の形状に
成形するマンドレル6とを有しており、同マンドレル6
には駆動装置7が設けられている。この駆動装置7を駆
動することによりマンドレル6が回転してボビン2かち
繊維3が連続的に巻戻される。この繊維3は送出しロー
ル4と同ロール4の上部に配されたニップロール8とに
挟持されながら樹脂塗工部5に送られて所定量の樹脂を
含浸した後、マンドレル6に巻付けられる。
【0033】前記クリール、送出しロール4、ニップロ
ール8、及び樹脂塗工部5はトラバース台車10に載置
されている。このトラバース台車10は駆動装置9によ
りマンドレル6の円筒軸方向に予め設定されている繊維
の積層構造に基づき可変速可能に往復動して、マンドレ
ル6の周面に樹脂が含浸した繊維が均一に巻き付けられ
る。
【0034】ここで、フィラメントワインディング機1
には、張力制御部としてコンピュータ11が備えられて
おり、同コンピュータ11には繊維3の材質、成形体の
用途、マンドレル6の寸法、成形体の巻径やマンドレル
6の駆動速度、フィラメントワインディング機の各部の
動特性等をパラメータとした張力目標値の演算式が予め
記憶されており、前記巻径の増加に追随して張力目標値
に沿って繊維3の張力が制御される。
【0035】本発明者等の実験によると、前記張力目標
値は一定ではなく、巻径の増加に追随する減少する曲線
からなる。この減少曲線は、繊維3の材質や成形体の用
途により決まる繊維3の積層構造などに基づいて変更さ
れ、図2及び図3に示すように下方に凸状の湾曲線であ
ったり、直線或いは段階的に減少させるなど一律ではな
い。
【0036】すなわち、前記張力目標値を、前記巻径の
増加と共に単純に減少させるほか、成形体の巻径が同一
であっても積層構造が異なる場合には、増減を繰り返し
ながら減少させたり、或いは湾曲する減少曲線に沿って
変化させている。したがって、前記張力目標値は、繊維
の積層構造に応じた多様な演算式が入力されており、同
演算式は適宜選択される。
【0037】コンピュータ11には、マンドレル6の駆
動装置7及びトラバース台車10に登載された各駆動部
に対する駆動装置9の各駆動速度が信号値として連続的
に送られており、繊維3の巻付け速度と予め入力されて
いるマンドレル6の寸法等から成形体の巻径が計算さ
れ、同巻径から繊維3の張力目標値を演算して、同張力
目標値からマンドレル6やニップロール8等の目標駆動
速度が決定され、駆動装置7の駆動速度を前記目標駆動
速度となるように制御する。
【0038】このような制御手法を採用することで、成
形体の巻径及び繊維の積層構造によって繊維3の巻付け
張力をリアルタイムに変化させることを可能としてい
る。なお、前記駆動装置7の駆動速度、すなわち、繊維
3の巻付け速度及びマンドレル6の寸法等から、コンピ
ュータ11ではマンドレル6の円筒軸方向における繊維
3の巻付け位置が計算されており、同位置にトラバース
台車10が移動するように同台車10に設けられた駆動
装置9の駆動速度をも制御している。
【0039】次に、図4に示す本発明の他の実施形態に
おいては、圧電素子等を使った張力検出器12が備えら
れており、樹脂が含浸された繊維3の実際の張力が逐次
検出される。
【0040】この検出された実際の張力は信号値として
コンピュータ11に送られて、同実際の張力と予め設定
されている張力目標値とが比較される。前記実際の張力
と張力目標値の間に差がある場合には、実際の張力を張
力目標値に近づけるべく、駆動装置7に指令信号が発せ
られてマンドレル6の駆動速度を制御する。この制御
は、マンドレル6の繊維巻付き径の変動に応じて上記減
少曲線に沿って逐次なされる。
【0041】次に、図5に示す本発明の更に他の実施形
態においては、マンドレル6及び送出しロール4のいず
れにも駆動装置7,13を設けることによって、繊維3
の巻付け張力を制御すると共に、生産性を向上させる。
【0042】すなわち、コンピュータ11には、成形体
の巻径に対応して変動する上記張力目標値の演算式と共
に、マンドレル6の目標駆動速度、マンドレル6及び送
出しロール13の各駆動速度の相対的な速度差に基づく
張力変動値等が入力されている。ここで、マンドレル6
の目標駆動速度は成形体の生産計画に基づいて決定され
る。したがって、通常はマンドレル6の前記駆動装置7
による駆動速度を一定としたときの繊維3の送出し速度
を所定に制御して、上記張力目標値の演算式に適応させ
る。
【0043】このように、マンドレル6と送出しロール
13の各駆動速度をそれぞれ制御できるため、繊維3の
張力を適正に制御でき、安定した稼働が可能となる。
【0044】ここで、前記送出しロール4には駆動装置
13の代りに、例えば電磁ブレーキ13´を設けてもよ
い。前記送出しロール4にブレーキ13´の制動力を作
用させることによって、マンドレル6の駆動装置7は前
記制動力に相当する分トルクを大きくしてマンドレル6
への繊維3の巻付けを行うため前記繊維3にかかる引張
力が増加して、結果的に繊維3の巻付け張力の変化量を
大きくすることができる。しかも、ブレーキ13´は応
答性に優れており、送出しロール4の駆動速度を速やか
に制御できるため、繊維3の張力変化に対する前記送出
しロール4の駆動速度の制御性を一段と向上させること
が可能となる。
【0045】なお、本実施形態に用いられる前記マンド
レル6、トラバース台車10及び送出しロール4の各駆
動装置7,9,13は、特に限定しないが、サーボモー
タやステップモータ、或いはインバータモータ、トルク
モータ等を使用することができ、前記ブレーキ13´に
ついても、電磁ブレーキの他にパウダーブレーキや空気
式ブレーキ等の様々な型式のブレーキを採用することが
可能である。
【0046】また、制御方式についても特に限定しない
が、マンドレル6及び送出しロール4のそれぞれに駆動
装置7,13を設ける場合には、上述の如く、各駆動装
置7,13の各駆動速度の差を直接制御するほか、同駆
動装置7,13の形式に応じて、コンピュータ11に所
定の演算式を内臓し、各駆動装置7,13のトルクを制
御することによって、各駆動装置7,13の駆動速度の
差を変化させるようにしてもよい。
【0047】一方、前記送出しロール4の駆動装置13
の代えてブレーキ13´を設ける場合についても、前記
駆動装置7及びブレーキ13´の形式に応じて、駆動速
度制御及びトルク制御を適宜に組み合わせて繊維3の巻
付け張力を制御することができ、更には前記駆動装置
7,13及びブレーキ13´の制御に、フィードフォワ
ード制御とフィードバック制御との融合制御を基本とす
るPID制御やIーPD制御を採用することでより効果
的な結果が得られる。
【0048】更にまた、成形体の巻径や繊維特性の変化
に対する追従性を高めるにはH∞制御やロバスト制御を
採用すると共に、オンラインでのパラメータ変動を同定
して、同変動に応じてコントローラのゲインを変更する
オートチューニング方式、ゲインスケジューリング方式
を採用するなど多様な制御が可能である。
【0049】次に、本発明の実施例を具体的に説明す
る。 (実施例1)繊維3として炭素繊維3(三菱レイヨン
製:TR50S 24K)を用い、同炭素繊維3の含浸
樹脂にエポキシ樹脂(三菱レイヨン製:#D1)を用い
て、繊維含有率が65wt%となるように設定した。マ
ンドレル5、トラバース台車10及び送出しロール4に
は、それぞれに駆動装置7,9,13としてサーボモー
タを用いて、同各モータの全てについて速度制御するこ
とにした。
【0050】コンピュータ11により、定速度或いはラ
ンプ状速度カーブにて設定されたマンドレル6の目標回
転にマンドレル6の駆動装置7の速度を追従させて繊維
3の巻付け速度を所定に制御すると共に、送出しロール
4の駆動装置13の速度を前記駆動装置7の速度制御に
対して従属制御させる。すなわち、マンドレル6の前記
駆動装置7の速度を変化させ、その変化に応じても所定
の張力目標値が得られるように送出しロール4の駆動装
置13を制御するフィードフォワード制御と、リアルタ
イムで実際の繊維3の張力を計測して、同実際の張力と
張力目標値との差を把握し、前記差を修正するように送
出しロール4の駆動速度を制御するフィードバック制御
とを組み合わせた制御構成とした。
【0051】このような張力制御により、繊維3の巻付
け速度を50m/minに設定して、張力検出器12と
して1msecごとの張力が計測可能なものを採用し、
コンピュータ11からはデータを4msecで出力する
ことによって、繊維長さ3.3×10-3m単位での高精
度の張力制御を可能とし、張力目標値を内周2kg/
本、最外周2kg/本の巻径の変化に関わらず張力を一
定に制御しながら、直径250mm、円筒軸方向の長さ
50mmのマンドレル6に炭素繊維3を巻付け、直径4
00mmの成形体を成形した。このとき、実際の張力の
張力目標値に対する変動は±1%以下であった。この成
形体を円筒軸方向の長さ25mmの位置にて切断して、
その断面を観察したところ、内周の繊維3の座屈が認め
られた。
【0052】一方、張力目標値を内周4kg/本、最外
周2kg/本と外周側で張力が直線的に減少するように
設定して成形体を成形したところ、実際の張力の張力目
標値に対する変動は±1%以下であった。この成形体を
上述と同様に円筒軸方向の長さ25mmの位置にて切断
して、その断面を観察したところ、内周の繊維3の座屈
は見られなかった。
【0053】(実施例2)マンドレル6及びトラバース
台車10にはそれぞれに駆動装置7,9を設け、同駆動
装置7,9にはサーボモータを用い、一方、送出しロー
ル4には駆動速度の微調整が可能なように電磁ブレーキ
13´を設け、同送出しロール4にもサーボモータを採
用して、各モータの全てを速度制御とし、コンピュータ
11により、定速度制御にてマンドレル6の速度を制御
した。
【0054】フィードフォワード制御とフィードバック
制御とを組み合わせて、実際の張力と張力目標値との差
が極力小さくなるようにブレーキ13´の作動速度を制
御し、実施例1と同様に、炭素繊維3の巻付け速度を5
0m/minに維持すると共に、張力検出器12を設け
ることにより繊維長さ3.3×10-3m単位にて張力制
御を行い、張力目標値を内周4kg/本、最外周2kg
/本と外周の張力が内周の張力より小さくなるように直
径250mm、円筒軸方向の長さ50mmのマンドレル
6に炭素繊維3を巻付け、直径400mmの成形体を成
形した。
【0055】このとき、実際の張力の張力目標値に対す
る変動は±1.5%以下であった。この成形体を円筒軸
方向の長さ25mmの位置にて切断して、その断面を観
察したところ、内周の繊維3の座屈は見られなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の代表的な実施例であるフィラメントワ
インディング機の概略構成図である。
【図2】成形体の巻径と張力目標値との関係を示すグラ
フである。
【図3】成形体の巻径と張力目標値との他の関係を示す
グラフである。
【図4】本発明の他の実施例であるフィラメントワイン
ディング機の概略図である。
【図5】本発明の更に他の実施例であるフィラメントワ
インディング機の概略図である。
【符号の説明】
1 フィラメントワインディング機 2 ボビン 3 繊維 4 送出しロール 5 樹脂塗工部 6 マンドレル 7 マンドレル駆動装置 8 ニップロール 9 トラバース台車駆動装置 10 トラバース台車 11 コンピュータ 12 張力検出器 13 送出しロール駆動装置 13´ 送出しロール減速用ブレーキ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黒岩 哲也 愛知県豊橋市天伯町雲雀ケ丘1−1 豊橋 技術科学大学工学部内 (72)発明者 寺嶋 一彦 愛知県豊橋市天伯町雲雀ケ丘1−1 豊橋 技術科学大学工学部内 Fターム(参考) 4F205 AA39 AD16 AG08 AH55 AM19 AP04 AR04 AR08 HA02 HA33 HA46 HB01 HB02 HC02 HC17 HL03 HL12 HM03

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維の巻出し部と、同巻出し部から巻き
    戻された繊維に樹脂を含浸させる樹脂含浸部と、樹脂を
    含浸した繊維の巻付け部とを備えた繊維強化樹脂複合製
    品の成形用フィラメントワインディング機であって、 前記繊維の巻付け張力を巻径の増加に伴って予め設定さ
    れた減少曲線に沿って変化させる張力制御部を備えてな
    ることを特徴とするフィラメントワインディング機。
  2. 【請求項2】 前記減少曲線が、繊維の積層構成の変更
    に対応する曲線を含んでなる請求項1記載のフィラメン
    トワインディング機。
  3. 【請求項3】 繊維の張力検出手段を有してなる請求項
    1又は2記載のフィラメントワインディング機。
  4. 【請求項4】 前記繊維の巻出し部及び巻付け部にはそ
    れぞれの駆動装置が設けられ、前記繊維の巻付け張力が
    前記各駆動装置間の駆動速度差に基づいて制御される請
    求項1〜3のいずれかに記載のフィラメントワインディ
    ング機。
  5. 【請求項5】 前記繊維の巻出し部に制動手段を有し、
    前記繊維の巻付け張力が前記制動手段を作動させること
    により制御される請求項1〜3のいずれかに記載のフィ
    ラメントワインディング機。
JP2000073514A 2000-03-16 2000-03-16 繊維強化樹脂複合製品の成形用フィラメントワインディング機 Pending JP2001260240A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000073514A JP2001260240A (ja) 2000-03-16 2000-03-16 繊維強化樹脂複合製品の成形用フィラメントワインディング機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000073514A JP2001260240A (ja) 2000-03-16 2000-03-16 繊維強化樹脂複合製品の成形用フィラメントワインディング機

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001260240A true JP2001260240A (ja) 2001-09-25

Family

ID=18591748

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000073514A Pending JP2001260240A (ja) 2000-03-16 2000-03-16 繊維強化樹脂複合製品の成形用フィラメントワインディング機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001260240A (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005255359A (ja) * 2004-03-12 2005-09-22 Toyota Motor Corp フィラメントワインディング装置
JP2007107603A (ja) * 2005-10-13 2007-04-26 Japan Atomic Energy Agency ループシェイピング手法による磁気軸受ロバスト制御装置
JP2007260973A (ja) * 2006-03-27 2007-10-11 Toyota Motor Corp フィラメントワインディング装置
CN100427822C (zh) * 2003-02-03 2008-10-22 国立大学法人九州大学 压力壳、具有压力壳的高压罐、高压罐制造方法以及高压罐制造装置
JP2010000681A (ja) * 2008-06-20 2010-01-07 Murata Mach Ltd Frpプリフォームの製造装置におけるテンション付与装置
JP2010006025A (ja) * 2008-06-30 2010-01-14 Murata Mach Ltd フィラメントワインディング装置
JP2016107560A (ja) * 2014-12-09 2016-06-20 トヨタ自動車株式会社 フィラメントワインディング装置
JP2017196817A (ja) * 2016-04-28 2017-11-02 トヨタ自動車株式会社 タンクの製造方法
KR102260383B1 (ko) 2020-09-10 2021-06-03 김태형 필라멘트 와인딩 머신의 장력 제어 방법
CN113492540A (zh) * 2020-03-18 2021-10-12 美津浓科技股份有限公司 纤维缠绕装置、成形体的制造系统及成形体的制造方法
WO2022114715A1 (ko) * 2020-11-25 2022-06-02 김재복 섬유 강화 컨베이어 벨트 및 그 제조 방법

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7763137B2 (en) * 2003-02-03 2010-07-27 Kyushu University, National University Corporation Pressure shell, high-pressure tank provided with the pressure shell, manufacturing method of the high-pressure tank and manufacturing apparatus of the high-pressure tank
CN100427822C (zh) * 2003-02-03 2008-10-22 国立大学法人九州大学 压力壳、具有压力壳的高压罐、高压罐制造方法以及高压罐制造装置
JP2005255359A (ja) * 2004-03-12 2005-09-22 Toyota Motor Corp フィラメントワインディング装置
JP2007107603A (ja) * 2005-10-13 2007-04-26 Japan Atomic Energy Agency ループシェイピング手法による磁気軸受ロバスト制御装置
JP2007260973A (ja) * 2006-03-27 2007-10-11 Toyota Motor Corp フィラメントワインディング装置
JP4706974B2 (ja) * 2006-03-27 2011-06-22 トヨタ自動車株式会社 フィラメントワインディング装置
JP2010000681A (ja) * 2008-06-20 2010-01-07 Murata Mach Ltd Frpプリフォームの製造装置におけるテンション付与装置
JP2010006025A (ja) * 2008-06-30 2010-01-14 Murata Mach Ltd フィラメントワインディング装置
JP2016107560A (ja) * 2014-12-09 2016-06-20 トヨタ自動車株式会社 フィラメントワインディング装置
JP2017196817A (ja) * 2016-04-28 2017-11-02 トヨタ自動車株式会社 タンクの製造方法
CN113492540A (zh) * 2020-03-18 2021-10-12 美津浓科技股份有限公司 纤维缠绕装置、成形体的制造系统及成形体的制造方法
CN113492540B (zh) * 2020-03-18 2023-12-29 美津浓科技股份有限公司 纤维缠绕装置、成形体的制造系统及成形体的制造方法
KR102260383B1 (ko) 2020-09-10 2021-06-03 김태형 필라멘트 와인딩 머신의 장력 제어 방법
WO2022114715A1 (ko) * 2020-11-25 2022-06-02 김재복 섬유 강화 컨베이어 벨트 및 그 제조 방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3362391B1 (en) Passive tensioning system for composite material payout control
KR20200125284A (ko) 섬유 장력조절 장치 및 이를 이용한 장력조절 방법
US6620475B1 (en) Structure for wound fiber reinforced plastic tubing and method for making
JP2001260240A (ja) 繊維強化樹脂複合製品の成形用フィラメントワインディング機
US10858215B2 (en) Method for coiling a coiled product, control installation, computer software product, and coiling machine
GB2117935A (en) A method of controlling a web winding process
KR20070116148A (ko) 권취 시스템을 위해 설계된 크릴을 작동시키는 방법과 장치그리고 대응 크릴
US11099345B2 (en) Method of winding optical fiber, method of manufacturing bobbin-wound optical fiber, optical fiber winder, and method of manufacturing optical fiber strand
US11168838B2 (en) Method and apparatus for producing high-pressure tank
JP6586921B2 (ja) タンクの製造方法
JP5195350B2 (ja) 繊維巻取装置
EP1697247A1 (en) Method and device for equalizing tension in parallel yarns
JP2005255359A (ja) フィラメントワインディング装置
RU195350U1 (ru) Стенд технологической наладки оборудования для изготовления композиционных изделий методом намотки
JP2019107772A (ja) フィラメントワインディング装置
CN108622698B (zh) 控制用于纤维幅材的卷绕机的操作的方法
US4171942A (en) Calendering installation for thermoplastic sheets
CN113492540B (zh) 纤维缠绕装置、成形体的制造系统及成形体的制造方法
SE544002C2 (en) A method and a machine for winding a web onto spools to form a succession of web reels
FI121270B (fi) Menetelmä ja järjestely rullainlaitteen toiminnan säätämiseksi
JP2018027836A (ja) 樹脂含浸繊維束巻取体の製造方法
JP6443764B2 (ja) プリプレグの製造方法
JP2018192652A (ja) フィラメントワインディング装置
KR20220050075A (ko) 견인력 제어기의 매개변수화
JP5225175B2 (ja) 筒状撚糸製造装置及び該装置を用いた筒状撚糸の製造方法