JP2001248749A - 液流路開閉器 - Google Patents

液流路開閉器

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JP2001248749A
JP2001248749A JP2000062138A JP2000062138A JP2001248749A JP 2001248749 A JP2001248749 A JP 2001248749A JP 2000062138 A JP2000062138 A JP 2000062138A JP 2000062138 A JP2000062138 A JP 2000062138A JP 2001248749 A JP2001248749 A JP 2001248749A
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drive shaft
ink
flow path
liquid flow
bobbin case
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JP2000062138A
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Masataka Sakaeda
正孝 榮田
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Canon Inc
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/17Ink jet characterised by ink handling
    • B41J2/175Ink supply systems ; Circuit parts therefor
    • B41J2/17596Ink pumps, ink valves

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)
  • Lift Valve (AREA)
  • Magnetically Actuated Valves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクジェットプリンタのインク経路の流れ
制御に適した小型で軽量で、構造がシンプルで動作の信
頼性が高い従来には無い液流路開閉器を提供する。 【解決手段】 液流路を開閉する電磁駆動式の液流路開
閉器であって、高透磁性の駆動シャフト406と、駆動
シャフト406を一方向に付勢するばね407と、駆動
シャフト406を筒状の室に配置したボビンケース40
3と、ボビンケース403の外周面に巻かれた巻線コイ
ル404と、巻線コイル404を巻いたボビンケース4
03を収納した高透磁性のケース401,402と、駆
動シャフト406が配置されたボビンケース403の筒
状の室と連通する入口及び出口ジョイント411,40
9とを備え、当該ジョイントは、ばね407の付勢力に
抗して駆動シャフト406を駆動することで開通するも
のである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に、インクジェ
ットプリンターやファクスや複写機などのインクジェッ
ト方式の記録装置のインク供給路に使用する液流路開閉
器に関するもので、しかも、2気圧以下の低圧用途に関
するものである。さらに、その大きさが4立方センチメ
ートル以下と小型で、且つ、その消費電力も1.5ワッ
ト以下であり、且つその重さも、8g以下程度の小型の
液流路開閉器に関するものである。
【0002】また、用途が可能であれば、インク以外に
も空気やその他の液体(洗剤、ジュース、香料、調味
剤)などに使用してもかまわないものである。特に、今
後市場が拡大すると推測される小型玩具(おもちゃロボ
ット)などには、低圧のために安全で、軽く、消費電力
も低いために、好適なものと推測される。
【0003】
【従来の技術】インクジェット記録装置には、コンティ
ニュアス型とオンデマンド型の2タイプがある。
【0004】前者は、高圧力のインクを連続的に吐出
し、この吐出方向を変更制御することで、印字や画像を
形成する方法を用いている。
【0005】従って、印字開始や終了の時点で、インク
の供給や遮断を制御する開閉器は、高圧タイプのもので
その大きさは、20mm幅×30mm高さ×20mm長
さ程度と大きく、且つ、金属などの強固な材料で構成さ
れ、その機構も複雑であった。
【0006】また、後者のオンデマンド型においては、
日本特許公開平成3年101944号に開示されている
ように、インク液滴自体の吐出をインクジェット吐出素
子にて行うために、インクに高い圧力を付加する必要な
く、インクジェットヘッドにインクを供給するだけでよ
く、むしろ、インクがインクジェットヘッドより洩れ出
さないように、若干の負圧状態で供給するなどというも
のであった。
【0007】従って、インクの供給を制御する必要はな
く、むしろ、パイプをつないで、インクジェットヘッド
が必要な分を吸い上げる程度にしておけば良いものであ
った。あるいは、インクタンクの中にインクの吸収保持
材を収納し、これにインクを貯蔵して供給するカートリ
ッジ方式でよかった。
【0008】ところが、近年、インクジェット記録装置
が写真画質などの高精細の画像を記録する状況になっ
て、インクの種類が従来の黒1色や、Y(黄色)、M
(マゼンタ)、C(シアン)の3色から、6色や7色の
インクを必要とする状況になってきた。
【0009】さらに、印字速度が上昇し、また、そのた
めに印字枚数が増加したために、大量のインクが必要と
なる状況となった。さらに、記録装置の小型化のため
に、インクをインクジェットヘッドよりも高い位置に貯
蔵しなければならないという状況となってきた。あるい
は、インクをインクジェットヘッドとは別の大型容器に
保管し、そこから、パイプなどを経由して送るという方
式もとられている。
【0010】このような観点から、インクをインクジェ
ットヘッドよりも高い位置に液体の状態で貯蔵し、これ
を必要に応じて供給することを可能とする必要が発生し
た。ただし、インクジェットヘッドが小型化し、且つ、
インクの必要種類が7色も必要となるために、小型のイ
ンクの流れ制御装置や部品が必要となってきた。その大
きさは、約15mm高さ×15mm長さ×15mm幅以
下レベルである。
【0011】また、インクをインク貯蔵部に大量に貯蔵
し、これをチューブやパイプでインクジェットヘッドに
供給するとなった場合、インクの流れの制御機器をイン
ク貯蔵部の出口、もしくはインク流路の途中に配置する
必要がある。この方法は、インクジェットヘッドが固定
され、移動しないものであれば良いが、インクジェット
ヘッドが左右に移動するシリアルプリント方式において
は、採用することは望ましくない。
【0012】それは、インクジェットヘッドが左右に移
動する時の慣性により、インクが余分に供給されたり、
逆に吸引側の負圧が働いたりなどの圧力変動が発生し、
インクジェットヘッドからのインクの吐出が安定しない
結果となるからである。従来のキャラクターや文字など
の印字レベルにおいては、特に問題とならなかったが、
写真画質の高精細の画像においては、微妙な印字品質の
ばらつきや低下を余儀なくされるからである。このあた
りの問題に関しては、日本特許公開平成7年25150
7号に詳しく技術公開されている。そこで、パイプの出
口にあたるインクジェットヘッド側に、インクの流れを
制御する開閉器を配置することが望まれる。これを実現
するためには、インクの流れを制御する開閉器は小型で
軽量で且つ応答性がよいことが望ましい。しかし、上記
の特許公開平成7年251507号公報には開閉器の部
分の構造の概略は記載されているが、開閉弁がインクの
流れ方向と同じ方向か逆の方向にしか開閉しない構造で
あるために、開閉器部分が大きくなり、且つ、上記の公
開公報においても装置が大型化していることが確認され
る。
【0013】このような課題を解決したインク流路の開
閉器を実現することが、本発明の目的である。
【0014】そこで、本発明者らは鋭意、上記の要望を
満たす開閉器付きインクジョイントを探したが、入手す
ることは不可能となった。そこで、自ら作り出す必要に
迫られ、従来の技術を調査したが、本発明者らの要望を
満たす技術は探し出せなかった。
【0015】従来の技術としては、特許公開平成9年第
089146号や特許公開平成7年243542号に示
されている比較的構造が簡単な開閉器の技術が公開され
ている。しかし、インクジェットヘッドの上に軽量で且
つ小型で少なくとも4個〜7個も搭載できるような開閉
器付きインクジョイントではない。
【0016】図5と図6に比較的簡単な構造の従来の開
閉器部分の形状を示す。この開閉器部分は、特開平9−
089146号公報によれば、図6に示すようにコイル
61、スプリング62、弁棒63、補助軸64、シール
部材65、環状鉄心66、補助部材67、筐体68から
成り立っており、部品構成も複雑である。また、特開平
7−243542号公報によれば、図5に示すように筐
体68、ばね(スプリング)62、移動芯63、コイル
61、弁体ロッド70、稼動弁体71、コイル保持体7
2から構成されている。これも、かなり複雑である。以
上のように、従来技術においては、小型化することは到
底望めない。
【0017】その理由は、用途が工業用機械駆動用の高
圧エアー(10気圧用途)や自動車の油圧系統(20〜
30気圧用途)に用いられるもので、構造部材が強固で
なくてはならず、且つ、使用流体の流量が1000ml
/秒程度と大量である必要のためで、金属の鋳造部材の
切削加工や、金属魂からの直接の切削加工とする構造と
なっているためである。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】そこで、従来技術では
実現できなかったような小型で軽量で、構造がシンプル
で動作の信頼性が高い開閉器を実現することが本発明の
課題(目的)である。
【0019】主な課題としては、比較的低い圧力のイン
クや液体などを供給するにおいて、流量やタイミングを
制御して、精度良く供給することが望まれる。また、前
述の如く、小型で軽量で簡単な構造であることが最低条
件である。少なくとも、重量は30g以下、大きさは1
個の開閉器部分が4cm3程度以下であることであり、
インクや液体の供給や排出が簡便な構造であることであ
る。
【0020】
【課題を解決するための手段】そこで、鋭意検討を進め
て来た結果、このような機能を有する電磁バルブで小型
化するためには駆動シャフトが磁界中で良好に動作する
必要があり、ひいては小型で磁束密度を高める必要があ
る。そこで、磁束を外部に放散させないために、閉磁界
回路を形成し、磁束を密閉する必要が発生する。そこ
で、電磁バルブの筐体を高透磁性材料で形成し、その内
部に巻線コイルを配置し、そのコイルの内部に駆動シャ
フトとインクの流路を確保する従来には無い新規な構成
とした。
【0021】さらに、これらの筐体や駆動シャフトは、
直径10mm程度で、高さも10mm以下であるので、
通常の切削工法では製造コストを安価にすることは到底
不可能である。そこで、これを可能にするために、筐体
は高透磁性材料を金属深絞り加工で、駆動シャフトは冷
間鍛造で加工することとした。また、消費電力を抑える
ために、巻線コイルの線径は50〜100μmと細いも
のを使用することで対応し、巻線コイルの巻数を高めて
磁束密度も上昇させることとした。このようにすること
で、消費電力0.3〜1.5W程度で、約2気圧のエア
ーや液体の流路を開閉遮断する小型バルブを安価に製作
することが可能となった。
【0022】しかしながら、瞬時の開閉を行うことは可
能であったが、1分間に1滴、2滴というようなインク
の洩れを良好に遮断することは不可能であるという問題
に突き当たった。この問題を詳細に検討した結果、以下
の要因がインク洩れの原因であることが確認された。
筐体の深絞りによる表面の傷や微少な凹凸により形成さ
れる駆動シャフトとのシール隙間冷間鍛造における駆
動シャフトの表面の傷や微少な凹凸により形成される筐
体とのシール隙間駆動シャフトにシールゴムを形成し
た場合は、その表面の微少な傷、凹凸により発生するシ
ール隙間が原因ということが判明した。
【0023】そこで、深絞りの表面を極力平滑にする検
討を行ったが、金属の絞りで筐体を形成する方法では表
面を平滑にすることは不可能であることが判明した。そ
れは、金属の型で絞りを行うために型が微少に傷付き、
これが連続で生産すると約1000回の絞りで10μm
程度の傷を無数に発生するためである。また、同様に鍛
造も金属を金型で変形させるために、同様の傷が発生
し、この方が早い段階から微少な傷が発生し始め、60
0回程度の鍛造で傷が発生した。
【0024】また、金属同士のシールでは必ず寸法精度
の誤差に基づく隙間が発生するので、たとえ筐体と駆動
シャフトが鏡面同士であっても、斜め方向の擦りあわせ
誤差により僅かな隙間が発生し、インク洩れが発生す
る。
【0025】そこで、シール部をゴム部材とし、駆動シ
ャフト側にシールゴムをコンプレッション接合で一体化
し、筐体とシールする方法を取ることが出来る。しかし
ながら、この方法でも、シールの完全化は不可能であ
り、インクの僅かな洩れが発生した。その理由は、やは
り、金属筐体側の傷であり、シールゴムの表面にある僅
かな傷があり且つゴムが平面状態であると、変形し傷や
僅かな凹凸部分を食い切り分断でシールすることが出来
ないからであることが判明した。
【0026】その後検討を進めた結果、金属筐体のシー
ル部に傷を覆い隠す樹脂の平滑塗装部を設けることで、
あるいはボビンケースの形状を変更しシール部をボビン
ケースの成形鏡面にすることでこの問題を解決した。
【0027】また、シールゴムの傷の解消や食い切り変
形部を増やす方法は、以下の手段をとることとした。シ
ールゴムの傷は、ゴムを平面状のプレス成形から、表面
が鏡面状の移出コンプレッション成形にすることで傷の
解消もしくは大幅な改善を行った。また、食い切り変形
部を増やす方法は、シールゴムのシール部分を山型に形
成し、シールのための押し付け負荷がかかると、山型の
頂点部分のシールゴム部が容易に潰れやすくなり、食い
切り変形部を大きくすることが可能となった。
【0028】このような手段をとることで、小型で、省
電力で動作する電磁バルブを完成させることが可能とな
った。
【0029】しかしながら、さらに、新たな問題が発生
した。それは、インクを入れて、長時間シール状態を維
持していくと、バルブの開放が不可能になることが生じ
た。
【0030】その理由は、シールゴムとインク成分との
反応によるシールゴムの筐体シール面への擬似接着であ
ることが判明した。さらにこの傾向は、筐体のシール面
を樹脂塗装した場合に多く見られた。
【0031】これらの結果より、擬似接着はシールゴム
と筐体シール面でのインク成分と双方のシール部材から
の溶出不純物との反応と考えられる。
【0032】そこで、さらに鋭意検討した結果、シール
ゴムを不純物を低温ではあまり放出せず、且つ、有機物
との反応や膨潤を示さない安定したゴムであるフッ素ゴ
ムとすることとした。
【0033】さらに、筐体のシール面を形成する部材は
樹脂の塗装面でも、焼き付け温度を300℃以上として
溶出不純物を放出しにくい安定した材料のポリイミド焼
き付け塗装層とすることとした。
【0034】また、ボビンケースと一体のシール面をも
つボビンケースを使用する場合は、滑材や離型材を含ま
ないポリサルフォンの樹脂成形ボビンケースを用いるこ
ととした。
【0035】このようにすることで、長期間のシールを
行った状態の後でも、安定して開閉動作可能なインク供
給用の小型の電磁バルブを作製することが可能となっ
た。
【0036】以上のような様々な問題を解決し得る本発
明の液流路開閉器は次の構成からなる。すなわち、本発
明の液流路開閉器は、電磁駆動式であって、高透磁性の
駆動シャフトと、該駆動シャフトを一方向に付勢する付
勢力発現手段と、該駆動シャフトを筒状の室に配置した
ボビンケースと、該ボビンケースの外周面に巻かれた巻
線コイルと、該巻線コイルを巻いた前記ボビンケースを
収納した一組の高透磁性ケースと、前記駆動シャフトが
配置された前記ボビンケースの筒状の室と連通する流路
部とを備え、前記流路部は、前記付勢力発現手段の付勢
力に抗して前駆駆動シャフトを駆動することで開通する
ことを特徴とする。
【0037】この構成では、巻線コイルに電気信号を付
与すると電磁力が発生し、ボビンケースの筒状の室内で
駆動シャフトが付勢力発現手段の付勢力に抗して移動す
る。これにより、液流路が開通する。このような構成で
は、インクジェットプリンタのインク経路の流れ制御に
適した、質量が10g以下で、消費電力が1.2W以下
で駆動可能な小型な開閉器を実現し得る。
【0038】また、上記の開閉器においては、前記駆動
シャフトが前記付勢力発現手段で押し付けられる方向と
は反対側の、前記駆動シャフトと接触する部位が、前記
巻線コイルの内部に配置されていることがシャフト駆動
方向の安定化を図る上で好ましい。
【0039】そして、前記付勢力発現手段によって前記
駆動シャフトが押し付けられる部位が、前記ボビンケー
スと一体成形された成形平滑面であり、前記駆動シャフ
トの該成形平滑面と接合する部分にシールゴムが設けら
れ、前記成形平滑面と前記シールゴムとで前記流路部が
遮蔽されるものや、あるいは、前記付勢力発現手段によ
って前記駆動シャフトが押し付けられる部位が、前記一
方の高透磁性ケースの前記収納凹部の底面に塗装された
塗装平滑面であり、前記駆動シャフトの該塗装平滑面と
接合する部分にシールゴムが設けられ、前記塗装平滑面
と前記シールゴムとで前記流路部が遮蔽されるものが望
ましい。この構成では、駆動待機時に前記駆動シャフト
のシールゴムが、表面に傷や凹凸が無い前記成形平滑面
もしくは前記塗装平滑面に押し付けられるため、前記流
路部が良好に遮蔽される。
【0040】さらに前記高透磁性ケースおよび前記駆動
シャフトの、インクと接する面は、インクに悪影響を及
ぼさない腐食防止層で覆われていることが望ましい。こ
の腐食防止層はポリイミドの蒸着コート層もしくはエポ
キシ樹脂コート層であることが考えられる。
【0041】前記シールゴムは、フッ素ゴムであり、か
つ、そのシール部が山型の形状をなしていることが望ま
しい。この構成によれば、シールゴムの表面にある僅か
な傷があり且つゴムが平面状態であると、変形し傷や僅
かな凹凸部分を食い切り分断でシールすることが出来な
いという問題が解消され、より完全にインク流路を遮蔽
することができる。
【0042】前記高透磁性ケースは高透磁性材料の板金
の深絞り加工で作製され、前記駆動シャフトは高透磁性
材の冷間鍛造で作製されていることで、安価で生産性の
高いものとなる。
【0043】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。また、ここではインク供給
路の開閉器について説明するが、インク以外にも空気や
その他の液体に使用してもかまわないものである。
【0044】(第1の実施の形態)図1は本発明の第1
の実施の形態による液流路開閉器の構成を説明するため
の概略断面図で、図(a)は流路遮蔽状態、図(b)は
流路開放状態を示したものである。この図に示す形態の
液流路開閉器は、高透磁性材料の上ケース401と下ケ
ース402で、巻線コイル404を巻回したボビンケー
ス403を収納し固定する構成からなり、上ケース40
1と下ケース402が本装置の筐体及び磁束路を兼ねて
いる。
【0045】ボビンケース403の中心の貫通穴には、
高透磁性の駆動シャフト406がばね(付勢力発現手
段)407により付勢された状態で配置されている。駆
動シャフト406はその外周にばね407が突き当たる
フランジを有しており、該フランジとボビンケース40
3との間には隙間860が形成されている。
【0046】ボビンケース403には、駆動シャフト4
06が配置された室とのインク流路IRを形成する出口
ジョイント409が一体で構成されている。出口ジョイ
ント409は下ケース402より突き出ている。出口ジ
ョイント409にはパイプ201が接続されている。
【0047】駆動シャフト406が配置された室におい
てインク流路IRと連通する部分にはシール面801が
配されている。シール面801はボビンケース403と
一体成形された鏡面で形成される。シール面801に対
向する駆動シャフト406の端面はシールゴム408を
有していて、ばね407の付勢力でボビンケース403
のシール面801に押し付けられている。つまり、駆動
シャフト406と一体化したシールゴム408のシール
部901で、インク流路IRを遮蔽したり開放したりす
る構成である。本装置ではインク流路の遮蔽部分におい
て深さ10μm以下ほどの微小な加工傷があるとインク
漏れが生じてしまうので、駆動シャフト406端面にシ
ールゴム408を接合するだけでなく、シールゴム90
1が当接するシール面801を鏡面とした。
【0048】上ケース401には、駆動シャフト406
が配置された室と連通するインク入口が形成されてい
る。また上ケース401には、インク流路を形成する入
口ジョイント411が接合されている。入口ジョイント
411にはパイプ201が接続されている。
【0049】図2は上ケース401の上面図である。こ
の図に示すようにボビンケース403に巻かれた巻線コ
イル(不図示)の銅線404’に電気信号を付与するた
めのリード端子405が、上ケース401の外側に導出
されている。コイル銅線404’は各リード端子405
に巻かれ、はんだ413で固定されている。
【0050】このようなリード端子405から電流が流
されると、図1において、磁界の発生により駆動シャフ
ト406はばね407の付勢力に逆らってシール面80
1を開放する。インク30はパイプ201を通じて供給
され、入口ジョイント411を経由して、駆動シャフト
406が配置された室内へ導入される。インク30は、
インク流路IRが開放されている場合(図1(b)参
照)は、駆動シャフト406に構成された凹部流路85
2を経由して、さらに、駆動シャフト406とボビンケ
ース403の間に出来る隙間860を通して、インク流
路IRへと流れ、最終的には、出口ジョイント409を
経由し放出される。なお、インク30の流路を逆にし
て、出口ジョイント409からインク30を供給し、入
口ジョイント41から出てくるような構成としても長
い。
【0051】上ケース401や下ケース402や駆動シ
ャフト406の、インク30との接触面は、図3に示さ
れるようにインク30に不溶で且つ悪影響を及ぼさない
ポリイミドの腐食防止層851で覆われている。
【0052】本装置の筐体を構成する上ケース401と
下ケース402とは、アークスポット溶接により強固に
接合されており、これによりボビンケース403や駆動
シャフト406などを安定に固定することが可能となっ
ている。このような構成とすることで、巻線コイル40
4で発生する磁束は、高透磁性材料の上ケース401と
下ケース402による筐体内部に閉じ込められ、外部に
放散されることなく、駆動シャフト406の駆動に有効
に使用される。
【0053】また、上ケース401の、駆動シャフト4
06との接触面SGを、図1に示すように巻線コイル4
04の内部に配置したので、駆動シャフト406の駆動
方向が上下方向と安定化させることが可能である。上ケ
ース401に巻線コイル404の内部に入り込む内部凸
部Lを設けない場合、接触面SGは巻線コイル404の
外部となり、僅かに駆動方向のばらつきが発生するとと
もに、吸引駆動力が低下する。しかしながら、本構成の
場合、接触面SGが巻線コイル404の内部にあるため
に、吸引力の低下はなく、且つ、駆動方向の安定化も図
られる。
【0054】また、シールゴム408は図1及び図3に
示すように、山型の形状を有している。平面で見た場合
はインク流路を囲む少なくとも二重の環状凸部の形状で
ある。この構成によれば、ばね407により付勢力が付
加されると山型の頂点部分YGに付勢力が集中し、山型
頂点部分YGが変形することで、ボビンケース403の
シール面801に発生する極微少な傷も食い切り封緘
し、インク30の洩れを防止することが可能となる。
【0055】「具体例1」上述した形態をさらに具体的
に説明する。
【0056】上ケース401と下ケース402を金型に
よる深絞り加工と打ち抜きプレスによりそれぞれ別部品
として作製した。特に、深絞り加工でなくとも、切削加
工で作製しても良いが、生産性の面からは遥かに絞り加
工の方が有利である。次に、駆動シャフト406を冷間
鍛造にて作製した。これも、切削加工で作製してもよい
が、生産性の面からは、遥かに鍛造加工の方が有利であ
る。
【0057】ボビンケース403は、ポリサルフォン樹
脂を射出成形することにより作製した。これはナイロン
やポリスチレン、ポリカーボネートなどでも良いが、イ
ンクへの溶解や悪影響を考慮すると、滑剤や離型剤の添
加されていないタイプのポリサルフォンやポリプロピレ
ンが良い。また、巻線コイル404の端部をリード端子
405に接合する場合に図2に示す半田による接合を行
うために、半田槽の熱で変形しにくいポリサルフォン樹
脂が有利であった。
【0058】このボビンケース403にウレタンコート
の銅線を300〜2000回から巻き付けて巻線コイル
404とした。100μmφの銅線の場合は300回程
度の巻き付けで、50μmφの銅線の場合は1000回
程度の巻き付けで、50μmφの銅線の場合は2000
回程度の巻き付けで巻線コイル404が形成された。そ
れぞれの抵抗は約25Ω、100Ω、400Ω程度の巻
線コイル404となった。
【0059】次に、駆動シャフト406と上ケース40
1と下ケース402にポリイミドの厚さ7μm程度の蒸
着コート層である腐食防止層851を形成した。次に、
この状態の駆動シャフト406に、シールゴム408と
してのフッ素ゴムを200℃の温度でコンプレッション
接合した。
【0060】このようにして図1に示した小型の電磁バ
ルブを構成する各部品を準備し、次のように組み付け
た。まず、下ケース402の内面に、薄くエポキシ接着
剤を塗布し、巻線コイル404の形成されたボビンケー
ス403を配置し、120℃の温度で40分間放置し
て、ボビンケース403を下ケース402に接合した。
次に、ボビンケース403の筒状の室内に前記のシール
ゴム408付き駆動シャフト406を投入し、ばね40
7をその上から配置し、その後、ボビンケース403の
上に塩素化ブチルゴム製のパッキン410を乗せ、その
上から、上ケース401を配置した。そして、上ケース
401と下ケース402を押し付けながら位置合わせを
行った状態で、アークスポット溶接にて接合し、固定し
た。アークスポット溶接機は松下電器製YP−300で
あり、溶接条件は60アンペア、10ミリ秒で行った。
このようにして組み立てた電磁バルブの上ケース401
に、ポリプロピレン製の入口ジョイント411をエポキ
シ接着剤で接合し、さらに、インク供給パイプ201を
接合した。また、インクの出口となる出口ジョイント4
09にも同様にパイプ201を接合した。こうしてイン
クの供給経路が形成され、その中間に、インクの流路開
閉器である電磁バルブを配置することが可能となった。
【0061】以上のインク流路開閉器において、インク
の入口ジョイント411側に0.2気圧でインク30を
供給した。その結果、シール面801でインク流路IR
が遮断されているために、インク30の漏れ出しは認め
られなかった。
【0062】次に、100μmφの銅線を用いた巻線コ
イル、70μmの銅線を用いた巻線コイル、50μmφ
銅線を用いた巻線コイルの場合、それぞれに、4V、1
0V、20Vの電圧を印加したところ、駆動シャフト4
06が上ケース401側へ吸引駆動され、インク流路I
Rが開放されて、インク30が勢い良く放出された。そ
の時の、インク供給量は約3ml/秒であった。なお、
0.1気圧のインク30を供給した場合は、インクの供
給量は約1.7ml/秒であった。
【0063】このインク流路開閉器の重量は約5gであ
り、寸法は高さ12mm程度、直径12mm程度の大き
さであり、動作電力も1.2ワット以下で、動作電圧も
20V以下で、インクジェットプリンターには最適なイ
ンク流路開閉器である。
【0064】また、インク供給後、インク流路IRを遮
断しても、インク30の漏れ出しは確認されなかった。
【0065】さらに、インク30の出口側パイプの先端
をパイプ遮断コックにより密閉し、この状態で、60
℃、1月間の放置試験を行った後に、前記コックを開放
し、開閉器の駆動動作を行ったところ問題無く上記の印
加電圧でインクの供給を行うことが可能であった。
【0066】インク30としての黒インクは、カーボン
粒子を純水、エチルグリコール、イソプロピルアルコー
ルの他、界面活性剤で分散懸濁させたpH4の顔料イン
クを用いた。また、黄色、シアン、マゼンタのカラーイ
ンク30は、上記の色の染料と純水、エチルグリコー
ル、イソプロピルアルコール、尿素とを溶解させたpH
10程度の染料インクを用いた。
【0067】(第2の実施の形態)ここでは上記の第1
の実施の形態と異なる構成のみを図4を参照して説明す
る。図4は本発明の第2の実施の形態による液流路開閉
器の構成を説明するための概略断面図である。この図で
示す形態は、駆動シャフト406のシールゴム408が
当接する面(シール面)を、第1の実施の形態で説明し
たボビンケース403の一部で構成するのではなく、深
絞り加工した下ケース402の凹部底面によって構成
し、その凹部底面に樹脂を塗装して平滑面部802とし
たものである。この場合、ボビンケース405は上下に
貫通した形状となる。
【0068】平滑面部802は有機樹脂を吹き付け塗装
により形成し、溶媒の乾燥除去までの時間にセルフレべ
リング作用により、筐体ケースを作製する絞り加工時の
シール面の傷を平坦化させるものである。この塗装厚さ
は約20〜50μm程度であり、静電塗装や吹き付け塗
装が望ましいが、どぶ漬け後遠心レべリングによる均一
塗装も可能である。
【0069】また、下ケース402のシール面に相当す
る部分が平面で且つ傷がない鏡面状態に近いものであれ
ば、樹脂塗装による平滑面802を形成する必要もな
く、インク30への腐食防止層851であるポリイミド
膜の形成のままでも良い。しかし、連続した数万個/日
で生産するレベルであれば、品質上、樹脂塗装による平
滑面802の形成は必要である。
【0070】筐体を構成する高透磁性材料の1組のケー
ス401,402は、東北特殊鋼KSF−24を用い、
高透磁性材料の駆動シャフト406は同社製のKM−6
0を用いた。さらに、巻線コイル404は、日立電線製
の線径50〜100μmφのウレタンコート銅線を使用
し、ポリイミドの蒸着コートは日本真空社方式を用い、
エポキシ樹脂のスプレーコートや稀釈どぶ漬け乾燥コー
トは自社開発の耐インク性紫外線硬化型エポキシを用い
た。
【0071】ボビンケース406は米国アモコ社製のポ
リサルフォンユーデル1700を用いた。
【0072】また、シールゴム408は住友3M社のフ
ッ素ゴム:フローレル707や旭硝子社製のアフラスを
用いた。
【0073】ばね407は線径0.2φの18−8オー
ステナイトステンレス線を用いてコイルばね化し、その
上に、4μm程度の厚さのポリイミド蒸着コートを行っ
たものとした。
【0074】「具体例2」上述した形態をさらに具体的
に説明する。
【0075】上ケース401と下ケース402を金型に
よる深絞り加工と打ち抜きプレスによりそれぞれ別部品
として作製した。特に、深絞り加工でなくとも、切削加
工で作製しても良いが、生産性の面からは遥かに絞り加
工の方が有利である。次に、駆動シャフト406を冷間
鍛造にて作製した。これも、切削加工で作製してもよい
が、生産性の面からは、遥かに鍛造加工の方が有利であ
る。
【0076】ボビンケース403は、ポリサルフォン樹
脂を射出成形することにより作製した。これはナイロン
やポリスチレン、ポリカーボネートなどでも良いが、イ
ンクへの溶解や悪影響を考慮すると、滑剤や離型剤の添
加されていないタイプのポリサルフォンやポリプロピレ
ンが良い。また、巻線コイル404の端部をリード端子
405に接合する場合に図2に示す半田による接合を行
うために、半田槽の熱で変形しにくいポリサルフォン樹
脂が有利であった。
【0077】このボビンケース403にウレタンコート
の銅線を300〜2000回から巻き付けて巻線コイル
404とした。100μmφの銅線の場合は300回程
度の巻き付けで、50μmφの銅線の場合は1000回
程度の巻き付けで、50μmφの銅線の場合は2000
回程度の巻き付けで巻線コイル404が形成された。そ
れぞれの抵抗は約25Ω、100Ω、400Ω程度の巻
線コイル404となった。
【0078】次に、下ケース402のシール面に相当す
る部分に紫外線硬化型の樹脂をNメチルピロリドンの溶
媒に12%に薄めてスプレーコートした。その後、この
状態で30秒間放置し、次に、遠心分離機を用い、10
00rpmで1分間回転させ、不要な樹脂を除去した。
次に、80℃の温度で3分間乾燥した後に筐体の内面か
ら紫外線を照射し、シール面付近のみを硬化させた。そ
の後、メチルエチルケトン溶液に1分間浸けて、余分な
部分の樹脂を溶解除去し、200℃の温度で硬化させ
た。
【0079】次に、この状態の下ケース402を再度、
Nメチルピロリドンの溶媒に溶かした5%エポキシ樹脂
溶液に全体をどぶ漬けし、同様に遠心分離機による不溶
樹脂の除去と、紫外線の全面照射と、乾燥、200℃で
の硬化を行った。このようにして、前記シール面に平滑
面部802の形成された下ケース402を作製した。
【0080】次に、駆動シャフト406と上ケース40
1にポリイミドの厚さ7μm程度の蒸着コート層である
腐食防止層851を形成した。駆動シャフト406や上
ケース401も、エポキシ樹脂のどぶ漬けと乾燥、およ
び、熱処理による硬化でのエポキシ樹脂層の形成を行っ
ても良い。本エポキシ樹脂は270℃までは分解しない
安定なものであるので、熱硬化を250℃付近で行って
おけば、フッ素ゴムの駆動シャフト406へのコンプレ
ッション接合成形も可能であることは言うまでもない。
このようにして、全体をインクに安定なエポキシ樹脂層
でコートすることも可能である。
【0081】次に、この状態の駆動シャフト406に、
シールゴム408としてのフッ素ゴムを200℃の温度
でコンプレッション接合した。
【0082】このようにして図4に示した小型の電磁バ
ルブを構成する各部品を準備し、次のように組み付け
た。まず、下ケース402の内面に、薄くエポキシ接着
剤を塗布し、巻線コイル404の形成されたボビンケー
ス403を配置し、120℃の温度で40分間放置し
て、ボビンケース403を下ケース402に接合した。
次に、ボビンケース403の筒状の室内に前記のシール
ゴム408付き駆動シャフト406を投入し、ばね40
7をその上から配置し、その後、ボビンケース403の
上に塩素化ブチルゴム製のパッキン410を乗せ、その
上から、上ケース401を配置した。そして、上ケース
401と下ケース402を押し付けながら位置合わせを
行った状態で、アークスポット溶接にて接合し、固定し
た。アークスポット溶接機は松下電器製YP−300で
あり、溶接条件は60アンペア、10ミリ秒で行った。
このようにして組み立てた電磁バルブの上ケース401
に、ポリプロピレン製の入口ジョイント411をエポキ
シ接着剤で接合し、さらに、インク供給パイプ201を
接合した。また、インクの出口となるポリエチレン製の
出口ジョイント412にてインク経路に接合した。こう
してインクの供給経路が形成され、その中間に、インク
の流路開閉器である電磁バルブを配置することが可能と
なった。
【0083】以上のインク流路開閉器において、インク
の入口ジョイント411側に0.2気圧でインク30を
供給した。その結果、シール面801でインク流路IR
が遮断されているために、インク30の漏れ出しは認め
られなかった。
【0084】次に、100μmφの銅線を用いた巻線コ
イル、70μmの銅線を用いた巻線コイル、50μmφ
銅線を用いた巻線コイルの場合、それぞれに、4V、1
0V、20Vの電圧を印加したところ、駆動シャフト4
06が上ケース401側へ吸引駆動され、インク流路I
Rが開放されて、インク30が勢い良く放出された。そ
の時の、インク供給量は約3ml/秒であった。なお、
0.1気圧のインク30を供給した場合は、インクの供
給量は約1.7ml/秒であった。
【0085】また、インク供給後、インク流路IRを遮
断しても、インク30の漏れ出しは確認されなかった。
【0086】さらに、インク30の出口側パイプの先端
をパイプ遮断コックにより密閉し、この状態で、60
℃、1月間の放置試験を行った後に、前記コックを開放
し、開閉器の駆動動作を行ったところ問題無く上記の印
加電圧でインクの供給を行うことが可能であった。
【0087】インク30としての黒インクは、カーボン
粒子を純水、エチルグリコール、イソプロピルアルコー
ルの他、界面活性剤で分散懸濁させたpH4の顔料イン
クを用いた。また、黄色、シアン、マゼンタのカラーイ
ンク30は、上記の色の染料と純水、エチルグリコー
ル、イソプロピルアルコール、尿素とを溶解させたpH
10程度の染料インクを用いた。
【0088】(その他の実施の形態) 「比較検討1」上述した第1の実施の形態による液流路
開閉器を、ボビンケース403のシール面801が鏡面
で形成されていないタイプにしたところ、筐体下ケース
402の表面に発生する無数の傷にて、インクの遮蔽を
良好に行うことが不可能で、インクの洩れをを発生し
た。0.2気圧では0.1ml/秒程度で、0.1気圧
では0.01ml/秒程度で、0.05気圧でも1ml
/分程度であった。このレベルではインクの漏れ出し量
は一見少ないように見受けられるが、インクジェットプ
リンターにおけるインク貯蔵部のインクの貯蔵量が約1
0〜40ml/色であることを考慮すると、インクジェ
ットプリンターが1000枚程度のプリントに使用する
インクを僅か数時間〜1日で使用してしまう大変な問題
である。
【0089】また、この下ケース402のシール面80
1の上に、ポリイミドやエポキシなどで7〜8μm程度
の樹脂層を形成して見たが、筐体下ケース402の絞り
加工における傷が15μm程度ある場合もあるので、イ
ンクの洩れ出し量は低減したが、完全にすることは不可
能であった。
【0090】そこで、第1の実施の形態や第2の実施の
形態のように、駆動シャフト406のシールゴム408
が当接する面(シール面)を図1に示すようなボビンケ
ース403と一体の成形平面や図2に示すような樹脂塗
装の平滑面802にした結果、劇的にインクの漏れ出し
量は改善された。
【0091】しかし、それでも場合によって、5%程度
の発生確率で、3時間で1ml程度の漏れ出し量が発生
した。そのため、原因を追求した結果、シールゴム40
8が平面形状であると、その平面の上に、僅かではある
が、3μm以下程度の傷や凹凸が僅かに発生しているこ
とが要因であることが判明した。そこで、平面状であっ
たシールゴム408を山型頂点部分YGを有するものと
した。
【0092】このようにすることで、僅かに、シールゴ
ム408の表面に傷や凹凸が発生していても、ばね40
7の付勢力で、山型頂点部YGが変形し、上記の傷や凹
凸が食い切り封緘されるため、インク30の洩れや滲み
出しが防止された。その結果、前述の5%程度のインク
の漏れ出しの発生が解消された。
【0093】「比較検討2」pH4の黒インクを用い
て、60℃の環境で、1月間放置した場合、高透磁性材
料の筐体となる上ケース401、下ケース402や駆動
シャフト406に図3に示すようなポリイミドの腐食防
止層851を形成していないものでは、高透磁性材料の
腐食が発生し、錆びが発生した。駆動シャフト406が
動作するたびに、その錆びがインク30中に混ざってイ
ンクジェットヘッドの方に供給されて来た。そして、イ
ンクジェットヘッドの前に配置されているフィルターに
堆積し、フィルター目詰まりを発生した。
【0094】さらに、場合によっては、シールゴム40
8と、このシール部が当接する面(シール面)との間
に、錆びが部分的に挟み込まれて、インク流路IRを良
好に遮蔽することが不可能となり、インク洩れを発生す
るという問題を引き起こした。
【0095】ところが、上述の実施の形態のように、上
ケース401、下ケース402や駆動シャフト406、
ばね407などのインクの接する表面をポリイミドやエ
ポキシのコート層で覆ったものでは、そのようなインク
の接する部位における腐食は全く見られず、良好にイン
ク流路IRの遮断と開放を行うことが可能であった。
【0096】また、インク30がインク貯蔵部から供給
されて来る場合は、10μm程度のゴミが流路の遮蔽部
分に挟み込まれてシールを不可能にする場合が起こり得
るので、インク貯蔵部とインク入口ジョイントの間や、
インク入口ジョイントの直前にフィルターを配置するこ
とが望ましい。上述した形態のインク流路開閉器を用い
た場合でも、400メッシュの金メッキされたステンレ
スフィルターを用いて、インク中のゴミの流入を防止し
た。
【0097】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の液流路開閉
器は、寸法が小型で、重量も軽く、且つ、1.2ワット
以下の消費電力でインク流路の開閉動作を行わしめるイ
ンクジェットプリンターには殊のほか便利なものであ
る。さらに、従来では、経済的に高価であった切削加工
による高透磁性材料の筐体やシャフトを深絞りや冷間鍛
造で製作することで、安価で生産製の高いものとするこ
とが可能となった。また、この安価で生産性に富んだ工
法の欠点であるシール面の傷による平坦性や平滑性の欠
落を、樹脂の成形表面や樹脂の塗装面とすることで問題
解決し、良好にシール遮断を行い、インクの洩れや滲み
出しを防止することが可能となった。
【0098】また、シールゴムのシール部を山型形状と
することで、さらに、インク流路の遮断性を向上させる
ことが可能となった。
【0099】さらに、高透磁性材料のインクによる腐食
を、該高透磁性材料のインクの接触表面にポリイミドや
エポキシ樹脂の薄いコート層を形成することで防止し、
長期の保存や物流時の保管での品質の劣化を防止するこ
とが可能となった。
【0100】さらに、シールゴムを不純物の溶出やイン
クによる膨潤を起こしにくいフッ素ゴムとすることで、
開閉の信頼性を高めることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による液流路開閉器
の構成を説明するための概略断面図である。
【図2】図1に示す上ケースの上面図である。
【図3】図1に示す上ケース、駆動シャフトの詳細を示
す断面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態による液流路開閉器
の構成を説明するための概略断面図である。
【図5】従来の液流路開閉器の構成例を示す断面図であ
る。
【図6】従来の液流路開閉器の構成例を示す断面図であ
る。
【図7】 30 インク 201 パイプ 401 上ケース 402 下ケース 403 ボビンケース 404 巻線コイル 404’ コイル銅線 405 リード端子 406 駆動シャフト 407 ばね 408 シールゴム 409 出口ジョイント 410 パッキン 411 入口ジョイント 412 出口ジョイント 413 はんだ 801 シール面 802 平滑面部 851 腐食防止層 852 凹部流路 860 隙間 901 シール部 IR インク流路 YG シールゴムの山型頂点部 L 上ケースの内部凸部 SG 上ケースの駆動シャフトとの接触面
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年4月17日(2000.4.1
7)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による液流路開閉器
の構成を説明するための概略断面図である。
【図2】図1に示す上ケースの上面図である。
【図3】図1に示す上ケース、駆動シャフトの詳細を示
す断面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態による液流路開閉器
の構成を説明するための概略断面図である。
【図5】従来の液流路開閉器の構成例を示す断面図であ
る。
【図6】従来の液流路開閉器の構成例を示す断面図であ
る。
【符号の説明】 30 インク 201 パイプ 401 上ケース 402 下ケース 403 ボビンケース 404 巻線コイル 404’ コイル銅線 405 リード端子 406 駆動シャフト 407 ばね 408 シールゴム 409 出口ジョイント 410 パッキン 411 入口ジョイント 412 出口ジョイント 413 はんだ 801 シール面 802 平滑面部 851 腐食防止層 852 凹部流路 860 隙間 901 シール部 IR インク流路 YG シールゴムの山型頂点部 L 上ケースの内部凸部 SG 上ケースの駆動シャフトとの接触面

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液流路を開閉する電磁駆動式の液流路開
    閉器であって、高透磁性の駆動シャフトと、該駆動シャ
    フトを一方向に付勢する付勢力発現手段と、該駆動シャ
    フトを配置した筒状の室を有するボビンケースと、該ボ
    ビンケースの外周面に巻かれた巻線コイルと、該巻線コ
    イルを巻いた前記ボビンケースを収納した一組の高透磁
    性ケースと、前記駆動シャフトが配置された前記ボビン
    ケースの筒状の室と連通する流路部とを備え、前記流路
    部は、前記付勢力発現手段の付勢力に抗して前駆駆動シ
    ャフトを駆動することで開通することを特徴とする液流
    路開閉器。
  2. 【請求項2】 前記駆動シャフトが前記付勢力発現手段
    で付勢されている方向とは反対側の、前記駆動シャフト
    と接触する部位が、前記巻線コイルの内部に配置されて
    いることを特徴とする請求項1に記載の液流路開閉器。
  3. 【請求項3】 前記付勢力発現手段によって前記駆動シ
    ャフトが押し付けられる部位が、前記ボビンケースと一
    体成形された成形平滑面であり、前記駆動シャフトの該
    成形平滑面と接合する部分にシールゴムが設けられ、前
    記成形平滑面と前記シールゴムとで前記流路部が遮蔽さ
    れることを特徴とする請求項2に記載の液流路開閉器。
  4. 【請求項4】 前記付勢力発現手段によって前記駆動シ
    ャフトが押し付けられる部位が、前記一方の高透磁性ケ
    ースの前記収納凹部の底面に塗装された塗装平滑面であ
    り、前記駆動シャフトの該塗装平滑面と接合する部分に
    シールゴムが設けられ、前記塗装平滑面と前記シールゴ
    ムとで前記流路部が遮蔽されることを特徴とする請求項
    2に記載の液流路開閉器。
  5. 【請求項5】 前記高透磁性ケースおよび前記駆動シャ
    フトの、インクと接する面は、インクに悪影響を及ぼさ
    ない腐食防止層で覆われていることを特徴とする請求項
    3又は4に記載の液流路開閉器。
  6. 【請求項6】 前記腐食防止層はポリイミドの蒸着コー
    ト層もしくはエポキシ樹脂コート層であることを特徴と
    する請求項5に記載の液流路開閉器。
  7. 【請求項7】 前記シールゴムは、フッ素ゴムであり、
    かつ、そのシール部が山型の形状をなしていることを特
    徴とする請求項3から6のいずれかに記載の液流路開閉
    器。
  8. 【請求項8】 前記高透磁性ケースは、高透磁性材料の
    板金の深絞り加工で作製されていることを特徴とする請
    求項1から7のいずれかに記載の液流路開閉器。
  9. 【請求項9】 前記駆動シャフトは高透磁性材の冷間鍛
    造で作製されていることを特徴とする請求項1から8の
    いずれかに記載の液流路開閉器。
  10. 【請求項10】 重量が10g以下で、消費電力が1.
    2W以下である請求項1から9のいずれかに記載の液流
    路開閉器。
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