JP2001152924A - 内燃機関の燃料噴射量制御装置 - Google Patents

内燃機関の燃料噴射量制御装置

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JP2001152924A
JP2001152924A JP34237599A JP34237599A JP2001152924A JP 2001152924 A JP2001152924 A JP 2001152924A JP 34237599 A JP34237599 A JP 34237599A JP 34237599 A JP34237599 A JP 34237599A JP 2001152924 A JP2001152924 A JP 2001152924A
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fuel injection
engine
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injection amount
intake air
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衛 ▲吉▼岡
Mamoru Yoshioka
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】機関低温時に機関負荷に基づく燃料噴射量の増
量補正を行う際、燃焼室内における混合気の空燃比が適
正値から過度にずれるのを抑制することのできる内燃機
関の燃料噴射量制御装置を提供する。 【解決手段】機関低温時にエンジン負荷率klsmに基
づきエンジン11の燃料噴射量が増量補正される。吸気
通路32の内面等への噴射燃料の付着率はエンジン11
の吸入空気量Gaの影響を受けるが、上記エンジン負荷
率klsmに基づく燃料噴射量の増量補正に吸入空気量
Gaも反映される。そのため、上記エンジン負荷率kl
smに基づき補正される燃料噴射量の増量補正量を、吸
入空気量Gaが多くなるほど少なくして適切な値とする
ことができるようになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の燃料噴
射量制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、車載用の内燃機関においては、
燃料噴射弁から吸気通路に燃料を噴射して燃焼室に空気
と燃料とからなる混合気を供給し、この混合気を燃焼さ
せることによって駆動される。こうした内燃機関では、
燃料噴射弁から噴射された燃料の一部が吸気通路の内面
等に付着するが、同付着した燃料は揮発(気化)した後
に燃焼室に供給されることとなる。
【0003】ところで、上記のような内燃機関において
機関低温時には、吸気通路の内面等に付着した燃料の揮
発性が悪くなり、燃焼室に供給される燃料が適正量より
も少なくなって内燃機関の空燃比が過度にリーンにな
る。そのため、機関低温時には、機関温度(例えば冷却
水温)に応じて燃料噴射量を増量補正し、内燃機関の空
燃比が過度にリーンになるのを抑制することが行われ
る。
【0004】また、こうした機関低温時には、機関負荷
(内燃機関において一回の燃焼サイクルが行われる際に
燃焼室に吸入される空気の量)に応じて吸気通路の内面
等に付着した燃料の揮発量が変動する。そのため、この
機関負荷によっても燃焼室に供給される燃料の量が変動
し、燃焼室内における混合気の空燃比が適正値からずれ
ることとなる。なお、機関負荷に応じて吸気通路の内面
等に付着した燃料の揮発量が変動するのは、機関負荷が
大きくなって吸気通路内の圧力が大気圧側の値になるほ
ど、上記燃料の気化が始まる温度が高くなり、同燃料の
揮発性が悪化するためである。
【0005】上記のように機関低温時における機関負荷
の変動に伴い空燃比が適正値からずれるのを抑制すべ
く、例えば特開平9−177580号公報に記載された
燃料噴射量制御装置のように、機関低温時に機関負荷に
応じて燃料噴射量の増量補正を行うことも考えられる。
同公報に記載された燃料噴射量制御装置では、機関低温
時において機関高負荷になるほど燃料噴射量の増量補正
が大きなものとされ、こうした燃料噴射量の増量補正に
より上記機関負荷の変動に伴う空燃比の適正値からのず
れが抑制される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、燃料噴射弁
から噴射される燃料における吸気通路の内面等への付着
率は、燃焼室に吸入される空気の量(吸入空気量)の影
響を受けることとなる。これは、吸気通路内の圧力が一
定である条件のもとでは、内燃機関の吸入空気量が多く
なるほど、燃料噴射弁から噴射される燃料のうち、吸入
空気によって燃焼室に運ばれる燃料の量が多くなるため
である。従って、吸入空気量が多くなって上記吸気通路
の内面等への燃料の付着率が低くなるほど、燃焼室に供
給される燃料が多くなって混合気の空燃比がリッチ側の
値になる。
【0007】通常は、こうした吸入空気量の変化に対す
る吸気通路の内面等への燃料の付着率の変化を考慮する
ことなく、上記機関低温時での機関負荷に基づく燃料噴
射量の増量補正が行われる。即ち、例えば吸入空気量が
比較的多い状態を想定して、上記機関負荷に基づく燃料
噴射量の増量補正が行われる。この場合、内燃機関のア
イドル運転時など吸入空気量が少なくなる機関運転状態
のとき、吸気通路の内面等に付着する燃料の量が多くな
り、燃焼室に供給される燃料の量が適正よりも少なくな
る。その結果、燃焼室内における混合気の空燃比が過度
にリーン側の値となって機関回転数が低下し、この機関
回転数の低下に伴いドライバビリティが悪化することと
なる。
【0008】本発明はこのような実情に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、機関低温時に機関負荷に基
づく燃料噴射量の増量補正を行う際、燃焼室内における
混合気の空燃比が適正値から過度にずれるのを抑制する
ことのできる内燃機関の燃料噴射量制御装置を提供する
ことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】以下、上記目的を達成す
るための手段及びその作用効果について記載する。上記
目的を達成するため、請求項1記載の発明では、機関低
温時に機関負荷に基づき燃料噴射量の増量補正を行う内
燃機関の燃料噴射量制御装置において、前記燃料噴射量
の増量補正を行うための補正値を内燃機関の吸入空気量
を加味して算出する補正値算出手段を備えた。
【0010】同構成よれば、機関低温時には機関負荷に
基づき内燃機関の燃料噴射量が増量補正され、機関負荷
に応じて同機関の吸気系等に付着した噴射燃料の揮発量
が変動することに伴い、燃焼室内における混合気の空燃
比が適正値から過度にずれることが抑制される。また、
上記吸気系等への噴射燃料の付着率は内燃機関の吸入空
気量の影響を受けるが、上記燃料噴射量の増量補正を行
うための補正値の算出には内燃機関の吸入空気量が加味
されることとなる。そのため、上記機関負荷に基づく燃
料噴射量の増量補正を内燃機関の吸入空気量に応じて適
切なものとし、燃焼室内における混合気の空燃比が吸入
空気量の変化等によって適正値から過度にずれるのを抑
制することができる。
【0011】請求項2記載の発明では、請求項1記載の
発明において、前記補正値算出手段は、吸入空気量が少
ないときには同吸入空気量の多いときに比べて燃料噴射
量が増量側に補正されるよう前記補正値を算出するもの
とした。
【0012】内燃機関の吸気系等に対する噴射燃料の付
着率は、同機関の吸入空気量が少ないほど多くなる。同
構成によれば、吸入空気量が少ないとき、上記機関負荷
に基づく燃料噴射量の増量補正が同吸入空気量が多いと
きに比べて大きいものとされる。そのため、この燃料噴
射量の増量補正を吸入空気量に応じて適切なものとし、
燃焼室内における混合気の空燃比が吸入空気量の変化等
によって適正値から過度にずれるのを一層的確に抑制す
ることができる。
【0013】請求項3記載の発明では、請求項1又は2
記載の発明において、前記補正値算出手段は、機関負荷
に基づき算出される基本補正値を内燃機関の吸入空気量
に基づき補正することで前記補正値を算出するものとし
た。
【0014】上記のように算出される補正値に基づき燃
料噴射量の増量補正を行う同構成によれば、機関負荷に
基づく燃料噴射量の増量補正を吸入空気量が多くなるほ
ど小さくすることができる。そのため、上記燃料噴射量
の増量補正を吸入空気量に応じて適切なものとすること
ができる。
【0015】請求項4記載の発明では、請求項1又は2
記載の発明において、吸入空気量が少なくなる機関運転
状態であるか否かを判断する判断手段を更に備え、前記
補正値算出手段は、前記判断手段による判断結果に応じ
て異なる値となるよう前記補正値を算出するものとし
た。
【0016】上記のように算出される補正値に基づき燃
料噴射量の増量補正を行う同構成によれば、上記燃料噴
射量の増量補正を吸入空気量が少なくなる機関運転状態
のときに大きくし、吸入空気量が多くなる機関運転状態
のときに小さくすることができる。そのため、上記燃料
噴射量の増量補正を吸入空気量に応じて適切なものとす
ることができる。
【0017】請求項5記載の発明では、請求項1〜4の
いずれかに記載の発明において、前記補正値に基づき補
正される燃料噴射量の増量補正量が減少する際、この増
量補正量の減少を制限する制限手段を更に備えた。
【0018】例えば機関負荷の低下により上記燃料噴射
量の増量補正量が過度に減少すると、これに伴い機関回
転数が大きく低下する。この機関回転数の低下に伴い機
関負荷が大きくなり、同機関負荷(補正値)に基づき補
正される燃料噴射量の増量補正量が再び増大して機関回
転数が上昇するようになる。このように機関負荷の低下
により燃料噴射量の増量補正量が過度に減少すると、機
関回転数の周期的な増減(ハンチング)が発生すること
となる。しかし、同構成によれば、機関負荷(補正値)
に基づき補正される燃料噴射量の増量補正量が減少する
際、この減少が制限手段によって制限されるため、上記
のようなハンチングの発生を抑制することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)以下、本発明を
自動車用のガソリンエンジンに適用した第1実施形態を
図1〜図9に従って説明する。
【0020】図1に示すように、エンジン11のシリン
ダブロック11a内には、ピストン12が往復移動可能
に設けられている。このピストン12は、コンロッド1
3を介してエンジン11の出力軸であるクランクシャフ
ト14に連結されている。そして、ピストン12の往復
移動は、コンロッド13によってクランクシャフト14
の回転へと変換されるようになっている。また、シリン
ダブロック11aには、エンジン11の冷却水温を検出
するための水温センサ11bが設けられている。
【0021】クランクシャフト14にはシグナルロータ
14aが取り付けられている。このシグナルロータ14
aの外周部には、複数の突起14bがクランクシャフト
14の軸線を中心とする等角度毎に設けられている。ま
た、シグナルロータ14aの側方には、クランクポジシ
ョンセンサ14cが設けられている。そして、クランク
シャフト14が回転して、シグナルロータ14aの各突
起14bが順次クランクポジションセンサ14cの側方
を通過することにより、同センサ14cからはそれら各
突起14bの通過に対応したパルス状の検出信号が出力
されるようになる。
【0022】上記シリンダブロック11aの上端には、
シリンダヘッド15が設けられている。シリンダヘッド
15とピストン12との間には燃焼室16が設けられ、
この燃焼室16には吸気通路32及び排気通路33が接
続されている。吸気通路32において、その上流部分に
は同吸気通路32を通過する空気の量(吸入空気量)を
検出するエアフローメータ28が設けられ、エアフロー
メータ28よりも下流には吸入空気量を調整するための
スロットルバルブ24が設けられている。
【0023】そして、自動車の室内に設けられたアクセ
ルペダル25が踏込操作されると、それに応じてスロッ
トルバルブ24の開度が調節され、エンジン11の吸入
空気量が調整されるようになる。なお、上記アクセルペ
ダル25の踏み込み量はアクセルポジションセンサ26
によって検出される。また、上記吸気通路32の下流端
には、エンジン11の吸入空気量に対応した燃料を吸気
通路32に向けて噴射する燃料噴射弁40が設けられて
いる。
【0024】燃料噴射弁40からの燃料噴射はエンジン
11の吸気行程中に行われる。この燃料噴射によって燃
焼室16内に空気と燃料とからなる混合気が供給され、
同混合気に対しシリンダヘッド15に設けられた点火プ
ラグ41によって点火が行われる。そして、燃焼室内の
混合気が点火されて燃焼すると、このときの燃焼エネル
ギーによりピストン12が往復移動してエンジン11が
駆動される。また、燃焼室16内で燃焼した後の混合気
は、排気として排気通路33に送り出されるようにな
る。
【0025】次に、本実施形態の燃料噴射量制御装置の
電気的構成について説明する。この燃料噴射量制御装置
は、エンジン11の運転状態を制御するための電子制御
ユニット(以下「ECU」という)92を備えている。
このECU92は、ROM、CPU、RAM及びバック
アップRAM等を備える算術論理演算回路として構成さ
れている。
【0026】ここで、ROMは各種制御プログラムや、
それら各種制御プログラムを実行する際に参照されるマ
ップ等が記憶されたメモリであり、CPUはROMに記
憶された各種制御プログラムやマップに基づいて演算処
理を実行する。また、RAMはCPUでの演算結果や各
センサから入力されたデータ等を一時的に記憶するメモ
リであり、バックアップRAMはエンジン11の停止時
にその記憶されたデータ等を保存する不揮発性のメモリ
である。
【0027】このように構成されたECU92には、水
温センサ11b、クランクポジションセンサ14c、ア
クセルポジションセンサ26、エアフローメータ28、
及び燃料噴射弁40等が接続されている。
【0028】ECU92は、クランクポジションセンサ
14cからの検出信号に基づきエンジン回転数NEを求
めるとともに、エアフローメータ28からの検出信号に
基づき吸入空気量Gaを求める。ECU92は、これら
エンジン回転数NE及び吸入空気量Gaに基づき基本燃
料噴射量Qbse を算出し、同基本燃料噴射量Qbse 等か
ら求められる最終燃料噴射量Qfin に基づき燃料噴射弁
40を駆動制御する。この燃料噴射弁40の駆動制御に
より、最終燃料噴射量Qfin に対応した量の燃料が燃料
噴射弁40から吸気通路32内に向けて噴射されるよう
になる。
【0029】このように吸気通路32内に噴射された燃
料の一部は、吸気通路32の内面等に付着し、その後に
揮発(気化)して燃焼室16に供給されることとなる。
しかし、機関低温時には吸気通路32の内面等に付着し
た燃料の揮発性が悪くなり、燃焼室16に供給される燃
料が適正量よりも少なくなってエンジン11の空燃比が
過度にリーンになる。そのため、ECU92は、機関温
度として水温センサ11bからの検出信号に基づき冷却
水温THWを求め、機関低温時には同冷却水温THWに
応じて燃料噴射量を増量補正し、エンジン11の空燃比
が過度にリーンになるのを抑制する。
【0030】また、こうした機関低温時には、エンジン
負荷率klsmに応じて吸気通路32の内面等に付着す
る燃料の揮発量が変動することともなる。上記エンジン
負荷率klsmは、エンジン11において一回の燃焼サ
イクルが行われる際に燃焼室16に吸入される空気の量
であって、吸入空気量Gaをエンジン回転数NEで除算
することによって求められる。ここで、エンジン負荷率
klsmの変化に対する上記燃料の揮発量の推移を図2
に示す。
【0031】この図から明らかなように、上記燃料の揮
発量はエンジン負荷率klsmが高負荷側の値になるほ
ど少なくなる。これは、エンジン負荷率klsmが高負
荷側の値になって吸気通路32内の圧力が大気圧側の値
になるほど、吸気通路32の内面等に付着した燃料の気
化が始まる温度が高くなり、同燃料の揮発性が悪化する
ためである。上記機関低温時のエンジン負荷率klsm
の変動により吸気通路32の内面に付着した燃料の揮発
量が変化しても、燃焼室16内の混合気の空燃比が過度
に適正値からはずれないよう、ECU92は、上記エン
ジン負荷率klsmに応じた燃料噴射量の増量補正を行
う。
【0032】ところで、燃料噴射弁40から噴射される
燃料の吸気通路32の内面等への付着率は、エンジン1
1の吸入空気量Gaの影響を受けることとなる。ここ
で、吸気通路32内の圧力を一定とした条件下で、エン
ジン11の吸入空気量Gaを変化させた場合、燃料噴射
弁40から噴射される燃料の吸気通路32の内面等への
付着率がどのように推移するかを図3に示す。
【0033】この図から明らかなように、吸入空気量G
aが多くなるほど吸気通路32の内面等に対する燃料の
付着率が小さくなる。これは、吸気通路32内の圧力が
一定である条件のもとでは、吸入空気量Gaが多くなる
ほど、燃料噴射弁40から噴射される燃料のうち、吸入
空気によって燃焼室16内に運ばれる燃料の量が多くな
るためである。従って、吸入空気量Gaが多くなって上
記吸気通路32の内面等への燃料の付着率が低くなるほ
ど、燃焼室16に供給される燃料が多くなって混合気の
空燃比がリッチ側の値になる。
【0034】こうした吸入空気量Gaの変化に対する上
記燃料付着率の変化を考慮せずにエンジン負荷率kls
mに応じた燃料噴射量の増量補正を行うと、この燃料噴
射量の増量補正が吸入空気量Gaに対して不適切なもの
となるおそれがある。
【0035】例えば、吸入空気量Gaが比較的少ない状
態を想定して、上記エンジン負荷率klsmに基づく燃
料噴射量の増量補正を行うと、登坂路での加速中など吸
入空気量Gaが多くなるとき、吸気通路32の内面等に
付着する燃料の量が少なくなる。この状態にあっては、
燃焼室16に供給される燃料の量が適正よりも多くな
り、燃焼室16内における混合気の空燃比が過度にリッ
チ側の値になる。
【0036】また、例えば、吸入空気量Gaが比較的多
い状態を想定して、上記エンジン負荷率klsmに基づ
く燃料噴射量の増量補正を行うと、アイドル運転時など
吸入空気量Gaが少なくなるとき、吸気通路32の内面
等に付着する燃料の量が多くなる。この状態にあって
は、燃焼室16に供給される燃料の量が適正よりも少な
くなり、燃焼室16内における混合気の空燃比が過度に
リーン側の値になる。
【0037】このように混合気の空燃比がリーン側の値
になると、エンジン回転数NEが低下し、このエンジン
回転数NEの低下に伴いドライバビリティが悪化するこ
ととなる。特に、燃料として揮発性の悪い夏用の燃料等
が用いられると、燃焼室16に供給される燃料の量が更
に少なくなって空燃比が一層リーン側の値になるため、
これに伴うエンジン回転数NEの低下も大きくなり、ド
ライバビリティの悪化も無視できないものとなる。
【0038】そこで本実施形態では、機関低温時にエン
ジン負荷率klsmに基づき燃料噴射量を増量補正する
際、更に吸入空気量Gaを加味して同燃料噴射量の増量
補正を行う。これにより、吸入空気量Gaが少ないとき
に上記燃料噴射量の増量補正量を多くするとともに、吸
入空気量Gaが多いときに上記燃料噴射量の増量補正量
を少なくし、同増量補正量を吸入空気量Gaに応じて適
切なものとすることができる。従って、エンジン負荷率
klsmに基づく燃料噴射量の増量補正を行う際、エン
ジン11の空燃比が吸入空気量Gaの変化等によって適
正値から過度にずれるのを抑制することができる。
【0039】次に、燃料噴射量制御に用いられる最終燃
料噴射量Qfin の算出手順について図4及び図5を参照
して説明する。図4及び図5は、最終燃料噴射量Qfin
を算出するための最終燃料噴射量算出ルーチンを示すフ
ローチャートである。この最終燃料噴射量算出ルーチン
は、ECU92を通じて例えば所定時間毎の時間割り込
みにて実行される。
【0040】最終燃料噴射量算出ルーチンにおいては、
ステップS112(図5)の処理により、下記の式
(1)を用いて、基本燃料噴射量Qbse 、低温増量係数
FWL、負荷増量係数klthw、及び無効噴射量Aに
基づき、最終燃料噴射量Qfin を算出する。
【0041】 Qfin =Qbse *FWL*klthw+A …(1) 式(1)において、低温増量係数FWLは冷却水温TH
Wに基づき算出されるものであり、負荷増量係数klt
hwはエンジン負荷率klsm(Ga/NE)及び吸入
空気量Gaに基づき算出されるものである。また、燃料
噴射の際には燃料噴射弁40が開弁状態にあっても実際
には燃料が噴射されない期間が存在するが、この期間に
噴射されるべき燃料量に対応した値が上記式(1)の無
効噴射量Aである。当該無効噴射量Aはバッテリ電圧に
応じて設定される。
【0042】最終燃料噴射ルーチンにおいては、ステッ
プS102(図4)の処理で基本燃料噴射量Qbse が算
出され、ステップS103の処理で低温増量係数FWL
が算出される。また、ステップS105〜S111(図
5)の処理によって、負荷増量係数klthwが算出さ
れる。これら基本燃料噴射量Qbse 、低温増量係数FW
L、及び負荷増量係数klthw等に基づき、ステップ
S112の処理により最終燃料噴射量Qfin が算出され
る。このように最終燃料噴射量Qfin が算出されると、
ECU92は、燃料噴射弁40を駆動制御して最終燃料
噴射量Qfin に対応した量の燃料を吸気通路32に噴射
させる。
【0043】最終燃料噴射量算出ルーチンにおいて、E
CU92は、ステップS101(図4)の処理として、
吸入空気量Gaをエンジン回転数NEで除算してエンジ
ン負荷率klsmを算出し、ステップS102の処理と
して、吸入空気量Ga及びエンジン回転数NEに基づき
基本燃料噴射量Qbse を算出する。続いて、ECU92
は、ステップS103の処理として、冷却水温THWに
基づき図6のマップを参照して低温増量係数FWLを算
出する。図6から明らかなように、低温増量係数FWL
は、冷却水温が高くなるほど徐々に小さくなって「1.
0」に近づき、エンジン11の暖機が完了したときに
「1.0」となる。
【0044】ECU92は、続くステップS104の処
理として、低温増量係数FWLが「1.0」よりも大き
いか否か、即ち機関低温時であるか否かを判断する。そ
して、「FWL>1.0」でなく機関低温時でない旨判
断されると、ステップS113の処理として負荷増量係
数klthwを「1.0」とした後、ステップS112
(図5)に進む。また、「FWL>1.0」であって機
関低温時である旨判断されると、ステップS105に進
む。ステップS105〜〜S109の処理は、負荷増量
係数klthwをエンジン負荷率klsmに基づき算出
するだけでなく、吸入空気量Gaも加味して算出するた
めのものである。
【0045】ECU92は、ステップS105の処理と
して、エンジン負荷率klsmに基づき図7のマップを
参照して基本負荷増量係数klthwBを算出する。図
7から明らかなように、基本負荷増量係数klthwB
は、エンジン負荷率klsmが大きくなるほど「1.
0」から離れて大きくなる。ECU92は、続くステッ
プS106の処理として、エンジン11が始動開始して
から時間SAが経過したか否かを判断する。この時間S
Aとしては、エンジン始動開始した後にエンジン11が
始動完了するのに十分な時間(例えば一秒)が採用され
る。
【0046】そして、ステップS106の処理におい
て、肯定判定(YES)であればステップS107の処
理として、吸入空気量Gaに基づき図8のマップを参照
してklthw用補正係数kGaを算出する。図8から
明らかなように、klthw用補正係数kGaは、吸入
空気量Gaが多くなるほど小さくなって「1.0」に近
づくようになる。
【0047】ECU92は、続くステップS109の処
理として、基本負荷増量係数klthwBにklthw
用補正係数kGaを乗算することにより負荷増量係数k
lthwを算出する。klthw用補正係数kGaは吸
入空気量Gaが多くなるほど「1.0」に向かって小さ
くなるため、負荷増量係数klthwも吸入空気量Ga
が多くなるほど小さくなる。
【0048】このように算出される負荷増量係数klt
hwに基づき燃料噴射量が増量補正されることとなる
が、この増量補正量は吸入空気量Gaが多くなるほど減
少するようになる。従って、エンジン負荷率klsm
(負荷増量係数klthw)に基づく燃料噴射量の増量
補正を吸入空気量Gaに応じて適切なものとし、燃焼室
16内における混合気の空燃比が吸入空気量Gaの変化
等によって適正値から過度にずれるのを抑制することが
できる。
【0049】一方、上記ステップS106の処理におい
て、否定判定(NO)、即ちエンジン11の始動開始か
ら始動完了までの期間中であれば、ステップS108の
処理として、klthw用補正係数kGaが「1.0」
とされ、その後に上記ステップS109の処理が実行さ
れる。このため、エンジン11の始動開始から始動完了
までの間は、吸入空気量Gaが少ない状態であってもk
lthw用補正係数kGaによって負荷増量係数klt
hwが増加されることはなくなる。従って、エンジン1
1の始動開始から始動完了までの間のように、エンジン
回転数NEが低い状態であってエンジン負荷率klsm
(Ga/NE)が大きくなり、同負荷増量係数klth
wが大きくなる機関運転状態のとき、この負荷増量係数
klthwによる燃料噴射量の増量補正が過剰に行われ
ることは抑制される。
【0050】上記ステップS109の処理を実行した
後、ステップS110に進む。ステップS110,S1
11の処理は、エンジン負荷率klsmの低下等に伴い
負荷増量係数klthwが「1.0」に向けて減少する
ことにより燃料噴射量の増量補正量が減少する際、この
増量補正量の減少を制限するためのものである。
【0051】仮に、こうした燃料噴射量の増量補正量の
減少が制限されないとすると、同増量補正量の減少に伴
いエンジン回転数NEが大きく低下する。このエンジン
回転数NEの低下に伴いエンジン負荷率klsmが大き
くなり、同エンジン負荷率klsm等に基づき補正され
る燃料噴射量の増量補正量が再び増大してエンジン回転
数NEが上昇するようになる。このように負荷増量係数
klthwの減少により燃料噴射量の増量補正量が過度
に減少すると、エンジン回転数NEの周期的な増減(ハ
ンチング)が発生するようになる。
【0052】しかし、上記ステップS110,S111
の処理により、負荷増量係数klthwが減少して燃料
噴射量の増量補正量が減少する際、この増量補正量の減
少を制限することで、上記のようなエンジン回転数NE
の周期的な増減を抑制することができる。上記ステップ
S110の処理として、ECU92は、負荷増量係数k
lthwが減少したか否かを判断する。そして、負荷増
量係数klthwが減少した旨判断されると、ステップ
S111の処理として前回の負荷増量係数klthwか
ら所定値Cを減算したものを今回の負荷増量係数klt
hwとする。
【0053】上記所定値Cは、こうして算出される今回
の負荷増量係数klthwが前回の負荷増量係数klt
hwから過度に減少したものとなり、燃料噴射量の増量
補正量が過度に減少してエンジン回転数NEのハンチン
グが生じることのない値に設定される。このようにステ
ップS111の処理を実行した後、ステップS112に
進む。また、上記ステップS110の処理において、負
荷増量係数klthwが減少していない旨判断された場
合もステップS112に進む。
【0054】ECU92は、ステップS112の処理と
して、上記式(1)を用いて、基本燃料噴射量Qbse 、
低温増量係数FWL、負荷増量係数klthw、及び無
効噴射量Aに基づき、最終燃料噴射量Qfin を算出した
後、この最終燃料噴射量算出ルーチンを一旦終了する。
ECU92は、最終燃料噴射量Qfin に基づき燃料噴射
弁40を駆動制御し、同最終燃料噴射量Qfin に対応し
た量の燃料を吸気通路32に噴射させる。
【0055】最後に、本実施形態のエンジン負荷率kl
smに基づく燃料噴射量の増量補正について図9のタイ
ムチャートを参照して総括する。図9は、エンジン11
の始動開始後のアイドル運転時など、エンジン11が冷
えており吸入空気量Gaが少ない状態におけるエンジン
負荷率klsm、負荷増量係数klthw、空燃比、及
びエンジン回転数NEの推移を示すタイムチャートであ
る。
【0056】例えば吸入空気量Gaが比較的多い状態を
想定して、エンジン負荷率klsmに基づく負荷増量係
数klthwの算出が行われると、例えば図9(a)に
実線で示すように推移するエンジン負荷率klsmに対
し、図9(b)に二点鎖線で示すように負荷増量係数k
lthwが推移するようになる。こうして算出される負
荷増量係数klthwに基づき燃料噴射量の増量補正を
行う場合、アイドル運転時など吸入空気量Gaが少ない
ときに、吸気通路32の内面等に付着する燃料の量が多
くなる。
【0057】この状態にあっては、燃焼室16に供給さ
れる燃料の量が適正よりも少なくなり、燃焼室16内に
おける混合気の空燃比が図9(c)に二点鎖線で示すよ
うに過度にリーン側の値になる。その結果、図9(d)
に二点鎖線で示すようにエンジン回転数NEが低下し、
このエンジン回転数NEの低下に伴いドライバビリティ
が悪化する。特に、燃料として揮発性の悪い夏用の燃料
等が用いられると、燃焼室16に供給される燃料の量が
更に少なくなって空燃比が一層リーン側の値になるた
め、これに伴うエンジン回転数NEの低下も大きくな
り、ドライバビリティの悪化も無視できないものとな
る。
【0058】しかし、本実施形態では、負荷増量係数k
lthwをエンジン負荷率klsmに基づき算出するだ
けでなく、更に吸入空気量Gaを加味して算出するよう
にしている。即ち、最終燃料噴射量算出ルーチンのステ
ップS105〜S109の処理において、エンジン負荷
率klsmに基づき求められる基本負荷増量係数klt
hwBに、吸入空気量Gaに基づき求められるklth
w用補正係数kGaを乗算することにより、上記負荷増
量係数klthwが算出される。
【0059】このように算出される負荷増量係数klt
hwは、klthw用補正係数kGaが吸入空気量Ga
の増加に伴い小さくなることから、同じく吸入空気量G
aの増加に伴い小さい値として算出されるようになる。
この負荷増量係数klthwに基づき燃料噴射量を増量
補正することで、同増量補正量を吸入空気量Gaが多く
なるほど少なくして吸入空気量Gaに応じて適切な値に
することができる。
【0060】従って、アイドル運転時など吸入空気量G
aが少ない状態のときには、負荷増量係数klthwが
上記吸入空気量Gaに応じて図9(b)に実線で示すよ
うに大きくされる。この負荷増量係数klthwに基づ
き燃料噴射量の増量補正を行うことで、アイドル運転時
など吸入空気量Gaが少ないときに吸気通路32の内面
等に付着する燃料の量が多くなったとしても、燃焼室1
6に吸入される燃料が適正よりも少なくなることは抑制
される。
【0061】その結果、燃焼室16内における混合気の
空燃比が図9(c)に実線で示す状態となり、アイドル
運転時など吸入空気量Gaが少なくなるときに同空燃比
が過度にリーン側の値になることは抑制される。このよ
うに空燃比が過度にリーン側の値になることはないた
め、エンジン回転数NEが図9(d)に実線で示す状態
となり、エンジン回転数NEの過度な低下に伴いドライ
バビリティが悪化することも抑制される。
【0062】以上詳述した処理が行われる本実施形態に
よれば、以下に示す効果が得られるようになる。 (1)エンジン負荷率klsmに基づき求められる基本
負荷増量係数klthwBを、吸入空気量Gaに基づき
求められるklthw用補正係数kGaに基づき補正す
ることで、負荷増量係数klthwを算出するようにし
た。そのため、エンジン負荷率klsm(負荷増量係数
klthw)に基づき補正される燃料噴射量の増量補正
量を、吸入空気量Gaが多くなるほど少なくして適切な
値とすることができる。従って、例えばアイドル運転時
など吸入空気量Gaが少ない状態のとき、吸気通路32
の内面等に付着する燃料の量が多くなったとしても、燃
焼室16内における混合気の空燃比が過度にリーン側の
値になることは抑制される。そして、空燃比が過度にリ
ーン側の値になってエンジン回転数NEが低下し、この
エンジン回転数NEの過度な低下に伴いドライバビリテ
ィが悪化することも抑制されるようになる。
【0063】(2)上記klthw用補正係数kGa
は、図8に示されるように吸入空気量Gaが多くなるほ
ど徐々に小さくなる。こうしたklthw用補正係数k
Gaを基本負荷増量係数klthwBに乗算して負荷増
量係数klthwが算出されるため、同負荷増量係数k
lthwは、吸入空気量Gaの増加に対して徐々に小さ
くなるという推移傾向を示すようになる。従って、上記
負荷増量係数klthwに基づく燃料噴射量の増量補正
も、吸入空気量Gaが増加するほど徐々に小さいものと
され、上記燃料噴射量の増量補正量を吸入空気量Gaに
応じて一層適切な値とすることができる。
【0064】(3)エンジン負荷率klsmの低下等に
より負荷増量係数klthwが減少し、この負荷増量係
数klthwに基づく燃料噴射量の増量補正量が減少す
る際、この増量補正量の減少が制限されることとなる。
即ち、負荷増量係数klthwが減少する際、その減少
幅が大きい場合であっても実際の負荷増量係数klth
wの減少は、同減少に伴いエンジン回転数NEの周期的
な増減(ハンチング)が生じない値である所定値Cずつ
に制限される。このように負荷増量係数klthwの減
少を制限することにより、上記のようなハンチングを抑
制することができる。
【0065】(第2実際形態)次に、本発明の第2実施
形態を図10〜図13に基づき説明する。本実施形態で
は、負荷増量係数klthwを算出するためのマップと
して、吸入空気量Gaが少なくなるアイドル運転時に適
したものと、吸入空気量Gaが多くなる非アイドル運転
時に適したものとの二種類が用いられる。そして、エン
ジン11がアイドル運転状態にあるか、非アイドル運転
状態にあるかに応じて、上記負荷増量係数klthwを
算出するためのマップを切り換えることにより、エンジ
ン負荷率klsmに基づく燃料噴射量の増量補正に吸入
空気量Gaを反映させる。
【0066】このように本実施形態では、吸入空気量G
aをエンジン負荷率klsmに基づく燃料噴射量の増量
補正に反映させる仕方が第1実施形態と異なっている。
従って、本実施形態においては第1実施形態と異なる部
分についてのみ説明し、第1実施形態と同一の部分につ
いては詳しい説明を省略する。
【0067】図10及び図11は、本実施形態の最終燃
料噴射量算出ルーチンを示すフローチャートである。こ
の最終燃料噴射量算出ルーチンも、ECU92を通じて
所定時間毎の時間割り込みにて実行される。なお、本実
施形態の最終燃料噴射量算出ルーチンにおいては、第1
実施形態の最終燃料噴射量算出ルーチンにおけるステッ
プS105〜S109(図5)に相当する処理(ステッ
プS205〜S209(図11))のみが第1実施形態
と異なっている。
【0068】ECU92は、ステップS201〜S20
3(図10)の処理で順次エンジン負荷率klsm、基
本燃料噴射量Qbse 、及び低温増量係数FWLを算出
し、ステップS204の処理で低温増量係数FWLが
「1.0」よりも大きく機関低温時であるか否かを判断
する。そして、「FWL>1.0」でなければステップ
S213の処理として低温増量係数FWLを「1.0」
に設定した後にステップS212(図11)に進み、
「FWL>1.0」であればステップS205に進む。
ステップS205〜ステップS209の処理は、吸入空
気量Gaを加味してエンジン負荷率klsmに基づき負
荷増量係数klthwを算出するためのものである。
【0069】ECU92は、ステップS205の処理と
して、アクセルポジションセンサ26からの検出信号に
基づき、エンジン11がアイドル運転状態であるか否
か、即ち吸入空気量Gaが少ない状態であるか多い状態
であるかを判断する。そして、エンジン11がアイドル
運転状態でなく、吸入空気量Gaが多い状態である旨判
断されると、ステップS209に進む。ECU92は、
ステップS209の処理として、エンジン負荷率kls
mに基づき図13に示す非アイドル運転に適したマップ
を参照して負荷増量係数klthwを算出する。こうし
て算出される非アイドル運転(吸入空気量Gaが多い状
態)に適した負荷増量係数klthwは、エンジン負荷
率klsmが大きくなるほど「1.0」から離れて大き
くなる。
【0070】上記のようにステップS209の処理を実
行した後、ステップS210に進む。ECU92は、ス
テップS210の処理として、負荷増量係数klthw
が減少したか否かを判断する。そして、負荷増量係数k
lthwが減少していれば、ステップS211の処理で
前回の負荷増量係数klthwから所定値Cを減算した
ものを今回の負荷増量係数klthwとして設定した
後、ステップS212に進む。また、上記負荷増量係数
klthwが減少していなければ、直接ステップS21
2に進む。
【0071】一方、上記ステップS205の処理におい
て、アイドル運転状態であって、吸入空気量Gaが少な
い状態である旨判断されると、ステップS206に進
む。ステップS206〜S208の処理のうち、ステッ
プS208の処理においては、エンジン負荷率klsm
に基づき図12に示すアイドル運転に適したマップを参
照して負荷増量係数klthwを算出する。こうして算
出されるアイドル運転(吸入空気量Gaが少ない状態)
に適した負荷増量係数klthwも、エンジン負荷率k
lsmが大きくなるほど「1.0」から離れて大きくな
る。
【0072】上記のようにステップS208の処理を実
行した後、ステップS210に進む。ECU92は、ス
テップS210の処理として、負荷増量係数klthw
が減少したか否かを判断する。そして、負荷増量係数k
lthwが減少していれば、ステップS211の処理で
前回の負荷増量係数klthwから所定値Cを減算した
ものを今回の負荷増量係数klthwとして設定した
後、ステップS212に進む。また、上記負荷増量係数
klthwが減少していなければ、直接ステップS21
2に進む。
【0073】エンジン負荷率klsmの増加に対する負
荷増量係数klthwの増加傾向は、上記ステップS2
08の処理によって算出されるアイドル運転時の負荷増
量係数klthwに比べ、上記ステップS209の処理
によって算出される非アイドル運転時の負荷増量係数k
lthwの方が小さいものとなる。従って、この負荷増
量係数klthw(エンジン負荷率klsm)に基づく
燃料噴射量の増量補正を、吸入空気量Gaが少なくなる
アイドル運転状態のときに大きくするとともに、吸入空
気量Gaが多くなる非アイドル運転状態のときに小さく
し、上記燃料噴射量の増量補正量を吸入空気量Gaに応
じて適切な値にすることができる。
【0074】また、上記ステップS206〜S208の
処理のうち、ステップS206,S207の処理は、ス
テップS208の処理によって算出される負荷増量係数
klthwに基づき燃料噴射量を増量補正するのに適し
た機関運転状態であるか否かを判断するためのものであ
る。
【0075】即ち、ECU92は、ステップS206の
処理としてエンジン11が始動開始されてから所定時間
SAが経過したか否かを判断し、ステップS207の処
理として上記所定時間SA経過後にエンジン回転数NE
が一回でも所定値B(図9(d))未満になったか否か
を判断する。アイドル運転状態であって吸入空気量Ga
が少ないときには、吸気通路32の内面等への燃料付着
量が増加してエンジン回転数NEが低下するが、上記所
定値Bは、こうしたエンジン回転数NEの低下が生じた
ことを的確に判断することの可能な値に設定される。
【0076】上記ステップS206の処理とステップS
207の処理とのいずれか一方で否定判定、即ちステッ
プS208の処理によって算出される負荷増量係数kl
thwに基づき燃料噴射量を増量補正するのに適した機
関運転状態でない旨判断されると、ステップS209に
進む。このS209の処理によって、非アイドル運転時
(吸入空気量Gaが多い状態)に適した負荷増量係数k
lthwが算出されることとなる。
【0077】従って、アイドル運転状態であっても、こ
のアイドル運転状態(吸入空気量Gaが少ない状態)に
適した負荷増量係数klthwで燃料噴射量を増量補正
することが好ましくない機関運転状態であれば、非アイ
ドル運転状態(吸入空気量Gaが少ない状態)に適した
負荷増量係数klthwを用いて燃料噴射量が増量補正
されることとなる。そのため、上記アイドル運転状態に
適した負荷増量係数klthwで燃料噴射量を増量補正
することが好ましくない機関運転状態であるとき、同負
荷増量係数klthwによって燃料噴射量が増量補正さ
れて同増量補正が過剰なものになるのを抑制することが
できる。
【0078】上記のようにステップS205〜211の
処理を実行した後、ステップS212に進む。ECU9
2は、ステップS212の処理として、上記式(1)を
用いて、基本燃料噴射量Qbse 、低温増量係数FWL、
負荷増量係数klthw、及び無効噴射量Aに基づき、
最終燃料噴射量Qfin を算出した後、この最終燃料噴射
量算出ルーチンを一旦終了する。ECU92は、最終燃
料噴射量Qfin に基づき燃料噴射弁40を駆動制御し、
同最終燃料噴射量Qfin に対応した量の燃料を吸気通路
32に噴射させる。
【0079】以上詳述した処理が行われる本実施形態に
よれば、上記第1実施形態に記載した(3)の効果に加
え、以下に示す効果が得られるようになる。 (4)負荷増量係数klthwを算出するためのマップ
として、吸入空気量Gaが少なくなる機関運転状態(ア
イドル運転状態)に適したマップと、吸入空気量Gaが
多くなる機関運転状態(非アイドル運転状態)に適した
マップとが用いられる。そして、エンジン11がアイド
ル運転状態か否か、即ち吸入空気量Gaが少ない状態か
否かに基づき、上記二種類のマップを選択的に用いて負
荷増量係数klthwが算出される。そのため、エンジ
ン負荷率klsm(負荷増量係数klthw)に基づき
補正される燃料噴射量の増量補正量を、吸入空気量Ga
が多い機関運転状態のときに少なくするとともに、吸入
空気量Gaが少ない機関運転状態のときに多くして適切
な値とすることができる。従って、例えばアイドル運転
時など吸入空気量Gaが少ない状態のとき、吸気通路3
2の内面等に付着する燃料の量が多くなったとしても、
燃焼室16内における混合気の空燃比が過度にリーン側
の値になることは抑制される。そして、空燃比が過度に
リーン側の値になってエンジン回転数NEが低下し、こ
のエンジン回転数NEの過度な低下に伴いドライバビリ
ティが悪化することも抑制されるようになる。
【0080】なお、上記各実施形態は、例えば以下のよ
うに変更することもできる。 ・上記各実施形態では、負荷増量係数klthwが減少
する際、その減少を所定値Cずつ行うことで、負荷増量
係数klthwに基づき補正される燃料噴射量の増量補
正量の減少を制限したが、本発明はこれに限定されな
い。例えば上記増量補正量の増加と減少との間にヒステ
リシスを設定したり、同増量補正量の減少にディレーを
設定したりして、当該増量補正量の減少を制限してもよ
い。
【0081】・第2実施形態では、アイドル用の負荷増
量係数klthwが算出されるときのみ、上記負荷増量
係数klthwの減少に関して制限を加えたが、非アイ
ドル用の負荷増量係数klthwが算出されるときにも
同様の制限を加えるようにしてもよい。この場合、最終
燃燃料噴射量算出ルーチンのステップS209(図1
1)の処理を実行した後、ステップS212に進むので
はなくステップS210に進むようにすればよい。
【0082】・上記各実施形態において、必ずしも上記
負荷増量係数klthwの減少に関して制限を加える必
要はない。 ・第2実施形態では、吸入空気量が少ない状態か多い状
態かをアイドル運転時か非アイドル運転時かによって判
断したが、これに代えてエアフローメータからの検出信
号に基づき求められる吸入空気量Gaを用いて、直接的
に吸入空気量が少ない状態か多い状態かを判断してもよ
い。
【0083】・第1実施形態においては、吸入空気量G
aが増加するほど徐々にklthw用補正係数kGaが
小さくなるようにすることで、負荷増量係数klthw
が吸入空気量Gaの減少に伴い徐々に減少するようにし
たが、本発明はこれに限定されない。例えば、吸入空気
量Gaが少ない状態に適したklthw用補正係数kG
aと、吸入空気量Gaが多い状態に適したklthw用
補正係数kGaとのいずれかを、そのときの吸入空気量
Gaに応じて選択的に用いるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の燃料噴射量制御装置が適用され
るエンジンを示す断面図。
【図2】エンジン負荷率klsmの変化に対する吸気通
路の内面等に付着した燃料の揮発量の推移を示すグラ
フ。
【図3】吸入空気量Gaの変化に対する吸気通路の内面
等への燃料の付着率の推移を示すグラフ。
【図4】第1実施形態における最終燃料噴射量Qfin の
算出手順を示すフローチャート。
【図5】第1実施形態における最終燃料噴射量Qfin の
算出手順を示すフローチャート。
【図6】低温増量係数FWLを算出する際に参照される
マップ。
【図7】基本負荷増量係数klthwBを算出する際に
参照されるマップ。
【図8】klthw用補正係数kGaを算出する際に参
照されるマップ。
【図9】エンジン11の始動開始後のアイドル運転時に
おけるエンジン負荷率klsm、負荷増量係数klth
w、空燃比、及びエンジン回転数NEの推移を示すタイ
ムチャート。
【図10】第2実施形態における最終燃料噴射量Qfin
の算出手順を示すフローチャート。
【図11】第2実施形態における最終燃料噴射量Qfin
の算出手順を示すフローチャート。
【図12】負荷増量係数klthwを算出する際に参照
されるマップ。
【図13】負荷増量係数klthwを算出する際に参照
されるマップ。
【符号の説明】
11…エンジン、11b…水温センサ、14c…クラン
クポジションセンサ、26…アクセルポジションセン
サ、28…エアフローメータ、40…燃料噴射弁、92
…電子制御ユニット(ECU)。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】機関低温時に機関負荷に基づき燃料噴射量
    の増量補正を行う内燃機関の燃料噴射量制御装置におい
    て、 前記燃料噴射量の増量補正を行うための補正値を内燃機
    関の吸入空気量を加味して算出する補正値算出手段を備
    えることを特徴とする内燃機関の燃料噴射量制御装置。
  2. 【請求項2】前記補正値算出手段は、吸入空気量が少な
    いときには同吸入空気量が多いときに比べて燃料噴射量
    が増量側に補正されるよう前記補正値を算出する請求項
    1記載の内燃機関の燃料噴射量制御装置。
  3. 【請求項3】前記補正値算出手段は、機関負荷に基づき
    算出される基本補正値を内燃機関の吸入空気量に基づき
    補正することで前記補正値を算出する請求項1又は2記
    載の内燃機関の燃料噴射量制御装置。
  4. 【請求項4】請求項1又は2に記載の内燃機関の燃料噴
    射量制御装置において、 吸入空気量が少なくなる機関運転状態であるか否かを判
    断する判断手段を更に備え、 前記補正値算出手段は、前記判断手段による判断結果に
    応じて異なる値となるよう前記補正値を算出することを
    特徴とする内燃機関の燃料噴射量制御装置。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載の内燃機関
    の燃料噴射量制御装置において、 前記補正値に基づき補正される燃料噴射量の増量補正量
    が減少する際、この増量補正量の減少を制限する制限手
    段を更に備えることを特徴とする内燃機関の燃料噴射量
    制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101013880B1 (ko) 2004-11-25 2011-02-14 기아자동차주식회사 디젤 차량의 cold시 연료분사 성능의 개선을 위한제어방법

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