JP2001149053A - 物品の保存方法 - Google Patents
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Abstract
やすい物品、特に鉄と付加物を形成し変色しやすい物質
を含む物品の保存方法の提供。 【解決手段】鉄粉系脱酸素剤を有孔多層包装袋に収納し
た後、これを無孔紙系通気性包装材によって包装してな
る包装体、もしくは、鉄粉系脱酸素剤を熱可塑性樹脂に
配合、成形、延伸したシート状脱酸素剤を通気性包装材
によって包装してなる包装体であって、前記包装材の脱
酸素剤包装体外側表面の面積当たりの付着鉄粉量が0.
5mg/m2以下である脱酸素剤包装体、又は、鉄粉系
脱酸素剤に熱可塑性樹脂を配合、成形したシート状脱酸
素剤に酸素バリヤー層を積層した少なくとも2層以上の
脱酸素性多層体であって、前記脱酸素性多層体を物品収
納側表面の面積当たりの付着鉄粉量が0.5mg/m2
以下である脱酸素性多層体を物品収納側表面の少なくと
も一部に使用してなる容器を用いる。
Description
体の外表面積当たりの付着鉄粉量が極めて少なく清浄度
の高い鉄粉系脱酸素剤包装体または鉄粉系脱酸素性容器
を用いる物品の保存方法に関する。本発明は、特に、鉄
と付加物を形成する物質を含む、饅頭、香水、石鹸、輸
液用バッグに例示される飲食料品、化粧品、医用品等の
物品の保存方法に関する。
の物品を手軽で確実に長期保存する方法として、各種の
脱酸素剤を用いる保存方法が行われている。そして、こ
れら各種の脱酸素剤の中では、安価で機能的に優れ、安
全衛生性が高い鉄粉を主剤とする鉄粉系脱酸素剤の使用
が主流になっている。しかし、本発明者らの経験によれ
ば、この鉄粉系脱酸素剤を用いて物品を保存する場合、
保存する物品によっては時として物品の表面に汚れや褐
変、黒変などの好ましくない変色が発生する現象が見ら
れた。
脱酸素剤の主剤である鉄粉を包装袋に機械充填する際に
微量ではあるが大気中に浮遊したり、包装袋から滲み出
たりした鉄粉が酸素剤包装袋の外表面に付着し、この付
着鉄粉と物品中の成分とが反応して鉄付加物を形成して
汚れや褐変、黒変などの好ましくない変色現象を発生さ
せることを見出した。
及び脱酸素速度の制御の両方の点から無孔の紙系基材と
貫通孔もしくはそれに近い状態の微小孔を設けた有孔な
樹脂層とを積層した包装材を用いて製袋し、これに脱酸
素剤を収納して脱酸素包装体を作製していた。また、従
来の脱酸素剤は、粉体であるため充填機で脱酸素剤を包
装袋に収納する際に、どうしても浮遊鉄粉が発生し包装
袋の外表面に付着したり、あるいは、収納した粉末鉄粉
が微小孔を通じて包装体の外表面に染み出て付着したり
することがあった。そして、この付着鉄粉が、物品、特
に鉄と付加物を形成する物資を含む物品の保存の際に褐
変、黒変などの好ましくない変色現象を発生させること
が見出された。
の従来技術の課題を解決し、汚れや褐変、黒変などの好
ましくない変色現象が発生しないように改良された鉄粉
系脱酸素剤包装体または脱酸素性収納体を用いる物品の
保存方法を提供することにある。
検討したところ、付着鉄粉量を一定量以下に減少させた
脱酸素包装体を用いることが極めて有効な対策であるこ
とが分かった。本発明者らは、前記の課題を解決する方
法を検討した結果、鉄粉系脱酸素剤包装体あるいは脱酸
素性収納体の外表面に付着する鉄粉量をある一定量以下
に少なくした清浄度の高い脱酸素剤包装体あるいは脱酸
素性収納体を用いることによって物品、特に鉄と付加物
を形成するような物質を含む物品の保存において汚れや
褐変、黒変といった好ましくない変色現象の発生を防止
できることを見出し本発明を完成させるに至った。
るいは脱酸素性収納体を用いて物品を保存する方法にお
いて、包装体あるいは収納体の外表面積当たりの付着鉄
粉量を0.5mg/m2以下にした清浄な脱酸素剤を用
いることよって物品、特に鉄と付加物を形成する物質を
含む物品の保存において汚れや褐変、黒変といった好ま
しくない変色現象の発生を防止することを特徴とする物
品の保存方法に関する。
多層包装袋に収納した後、これを無孔紙系通気性包装材
によって包装してなる包装体、もしくは、鉄粉系脱酸素
剤を熱可塑性樹脂に配合、成形、延伸したシート状脱酸
素剤を通気性包装材によって包装してなる包装体であっ
て、前記包装材の脱酸素剤包装体外側表面の面積当たり
の付着鉄粉量が0.5mg/m2以下である脱酸素剤包
装体、又は、鉄粉系脱酸素剤に熱可塑性樹脂を配合、成
形したシート状脱酸素剤に酸素バリヤー層を積層した少
なくとも2層以上の脱酸素性多層体であって、前記脱酸
素性多層体を物品収納側表面の面積当たりの付着鉄粉量
が0.5mg/m2以下である脱酸素性多層体を物品収
納側表面の少なくとも一部に使用してなる容器を用いる
ことによって鉄と付加物を形成し変色しやすい物品を保
存できる。
末の鉄粉系脱酸素剤、あるいは、鉄粉系脱酸素剤に熱可
塑樹脂を配合、成形、必要に応じて延伸したシート状の
脱酸素剤を、一部または全面に通気性を有する包装材に
よって包装・被覆したものである。この脱酸素剤包装体
は、物品と共にガスバリア性容器内に収納することによ
り、物品の長期間の保存を容易にする。また、本発明の
脱酸素性多層体とは、鉄粉系脱酸素剤に熱可塑樹脂を配
合、成形し、必要に応じて延伸したフィルム状の脱酸素
剤樹脂層に酸素バリヤー層等を配して2層以上の脱酸素
性多層体にしたものである。この脱酸素性多層体を用い
て、袋、小箱、トレー、瓶、樽などの物品を収納する容
器等に成形することができる。かかる脱酸素性容器は、
物品の長期間の保存を容易にする。
元鉄、酸化第一鉄、炭化鉄、水酸化鉄などの鉄粉を主剤
とし、ハロゲン化金属などの電解質を添加して、これに
必要に応じて活性炭、ゼオライト、ケイソウ土などの担
体を混合したり、あるいは、これらの担体に担持させた
酸素吸収組成物である。この鉄粉系脱酸素剤は、通常、
通気性包装袋に収納して脱酸素剤包装体として用いられ
る。鉄粉系脱酸素剤層に用いられる組成物としては、鉄
粉を主剤とし、ハロゲン化金属塩を含み、必要に応じて
水難溶性フィラー等の成分を添加したものを挙げること
が出来る。鉄粉主剤は、そのまま用いて他の組成物と単
に混合しても良いが、鉄粉の表面をハロゲン化金属塩で
被覆あるいはハロゲン化金属塩を分散付着させた処理を
行った鉄粉の使用が好ましい。
ては、細かいものが酸素吸収速度、能力の点で好ましい
が、細かすぎると取扱い性が困難になったり、シート化
後に延伸する場合、延伸性が悪くなったりするので、通
常、粒径は1〜300μm、好ましくは10〜150μ
m程度である。また、ハロゲン化金属塩としては、例え
ば、塩化ナトリウム、塩化カリウムなどの塩化物塩、臭
素ナトリウム、臭化カリウムなどの臭化物塩、ヨウ化ナ
トリウム、ヨウ化カリウムなどのヨウ化物塩が好適に用
いられる。主剤の鉄粉の処理条件として、鉄粉100重
量部に対しハロゲン化金属塩0.4〜4重量部の割合で
被覆したものが好適に用いられるが、酸素吸収速度、能
力保持時間の点から、0.4〜2.5重量部が更に好ま
しい。
ート状脱酸素剤包装体を用いる方法について詳述する。
シート状脱酸素剤包装体としては、例えば、粉末状の鉄
粉系脱酸素剤および必要に応じ活性炭などの脱臭剤を熱
可塑性樹脂と混合し、シート化させたものを挙げること
ができる。前記シートは、必要に応じて延伸したり、あ
るいは、これに紙などの基材に活性炭を含有させた脱臭
層を積層接着させてもよい。活性炭などの脱臭剤を用い
ると、粉末状の鉄粉系脱酸素剤と熱可塑性樹脂を混合
し、シート化する際に加熱操作のため樹脂成分が分解、
揮散して臭気を帯びた場合、除臭する効果が得られる。
酸素剤層に用いられる脱酸素剤としては、前記の鉄粉系
脱酸素剤が使用できる。
酸素剤と混合される熱可塑性樹脂としては、低密度ポリ
エチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチ
レン−α−オレフィン共重合体、ポリメチルペンテンな
どのオレフィン系樹脂が用いられる。シート状脱酸素剤
は、通常、鉄粉系脱酸素剤30〜85重量部に対し、上
記の熱可塑性樹脂を15〜70重量部の割合で混練、溶
融してシート化し、必要に応じて延伸される。延伸する
場合の倍率は、通常、1.5〜20倍、好ましくは1.
5〜12倍である。
れの形態でも使用できる。例えば、シート状脱酸素剤に
酸素吸収を補助する含水シート層を積層したもの、ま
た、酸素以外のガス吸着、ガス発生等の付加機能を持た
せるための成分を添加・混合したり、あるいはこれらの
成分を含む層を積層したものなどを挙げることができ
る。シート状脱酸素剤の厚さは、製造の際の加工性及び
使用の目的に応じて0.05〜4mmの範囲で、好まし
くは0.1〜3mmの範囲で選択可能である。また、寸
法、形状については必要とする酸素吸収能力及び使用の
目的により適宜選択可能である。
なく、粉末状の鉄粉系脱酸素剤を熱可塑性樹脂と混練
し、フィルム、ビーズなどの形状を付与したものを用い
ることができる。
気性包装材により包装することにより脱酸素剤包装体が
得られる。鉄粉系脱酸素剤又はシート状脱酸素剤を包装
する通気性包装材としては、たとえば和紙、洋紙、レー
ヨン紙等の紙類、パルプ、セルロース、合成樹脂からの
繊維等の各種繊維類を用いた不織紙、プラスチックフィ
ルムまたはその穿孔物等、また、耐水性、耐油性を持た
せるために紙、不織布などに耐水剤、耐油剤を塗布した
もの、さらに、耐破損性を向上させるためにワリフなど
の補強材を用いたもの、さらにはこれから選択される2
種以上を積層したものなどであって、ガーレー式透気度
が0.1〜3000秒/空気100ml、好ましくは、
1〜1000秒/空気100mlのものであればよい。
製造した包装体を通気性を有する無孔紙系包装材で再包
装する方法(以下2回包装法と略する)である。この方
法によって脱酸素速度に実質的に影響を与えることな
く、包装体の外表面に付着する微粒子鉄粉量を保存物品
に悪影響を与えない量にまで減少させることができた。
その鉄粉量の臨界値は、0.5mg/m2であった。
洋紙、レーヨン紙等の紙類、パルプ、セルロース、合成
樹脂からの繊維などの各種繊維類を用いた不織布を外側
材にし、これを有孔の熱可塑性樹脂で内張り積層し、強
度を持たせたものを用いることができる。
ては、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリ
プロピレン、エチレン−α−オレフィン共重合体、ポリ
メチルペンテンなどのオレフィン系樹脂が好ましい。
通気性包装材を一部または全部に用いて包装して、脱酸
素剤包装体として使用される。包装材の一部に粘着剤又
は接着剤を添着して用いても良い。
酸素剤包装体と物品を収納するガスバリア性容器として
は、酸素透過度が1〜200ml/m2・24h・at
m、好ましくは、1〜100ml/m2・24h・at
m程度の材料が用いられ、また、完全に密封可能であれ
ばその形態に関わらず使用することができる。本発明に
使用される最も簡単な容器としては、例えば、KON/
PE(ポリ塩化ビニリデンコートナイロン/ポリエチレ
ン)、KOP/PE(ポリ塩化ビニリデンコートポリプ
ロピレン/ポリエチレン)、もしくはKPET/PE
(ポリ塩化ビニリデンコートポリエチレンテレフタレー
ト/ポリエチレン)などで例示される各種ポリ塩化ビニ
リデンコート積層フィルム、エチレン−ビニルアルコー
ル共重合体(商品名:エバール(株)クラレ製)、ナイロ
ンMXD−6などの積層フィルムなどから作られた袋で
あり、密封は通常ヒートシールにより行われる。
粉系脱酸素剤を熱可塑性樹脂に混合し、膜状に成形した
脱酸素剤層に酸素バリヤー層を配してなる少なくとも2
層以上の多層構造を有する脱酸素性の多層体を用いる方
法である。脱酸素性多層体の例として、特開昭55−9
0535号公報に記載されているような通気性樹脂層/
脱酸素性樹脂層/バリヤー層/保護外層などからなる多
層構造の多層体を挙げることができる。この脱酸素性多
層体は、通気性樹脂層を内側にして物品を収納する容器
あるいは容器の蓋に成形して用いられる。この方法によ
って、容器内側の付着鉄粉を0.5mg/m2以下に減
少させることができ容易に高い清浄度の脱酸素性包装体
を得ることができる。
酸素透過性、透湿防止性に優れ、ヒートシール性を有す
る例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、
エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポ
リプロピレンなどのオレフィン系熱可塑樹脂を挙げるこ
とが出来る。
れる脱酸素剤としては、前記のシート状脱酸素剤包装体
において用いられる鉄粉系脱酸素剤が使用できる。脱酸
素性樹脂層に用いる樹脂としては、例えば、以下の樹脂
を挙げることが出来る。低密度エチレン、中密度エチレ
ン、高密度エチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−α−オレフ
ィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びグラ
フト変性などのポリエチレン系樹脂、変性エチレン樹
脂、上記と同様なポリプロピレン系樹脂、変性ポリプロ
ピレン系樹脂、これらポリエチレン系樹脂、ポリプロピ
レン系樹脂の塩化物、ポリビニルアルコール、エチレン
−酢酸ビニル共重合体、α―オレフィン共重合体、不飽
和カルボン酸−酢酸ビニル共重合体、アクリルアミド−
酢酸ビニル共重合体、アクリロニトリル−酢酸ビニル共
重合体、不飽和スルフォン酸−酢酸ビニル共重合体等の
ビニルアルコール系樹脂、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル
−エチレン共重合体などの酢酸ビニル系樹脂、ポリエス
テル系樹脂、ポリアミド系樹脂、スチレン系樹脂、ポリ
アセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリウレ
タン系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、
ポリ塩化ビニリデン樹脂、尿素系樹脂、セルロース系樹
脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂などである。
l/m2・24h・atm以下、好ましくは20ml/
m2・24h・atmの以下の積層樹脂、もしくはアル
ミニウム等の金属箔及び金属と樹脂との共積層物を挙げ
ることが出来る。例えば、Kコートしたビニルアルコー
ル系樹脂、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、ポリ
塩化ビニル、セロファン、ナイロンMXD−6とポリエ
チレンとの積層物、アルミナ又はシリカ蒸着ポリエチレ
ンなどの金属と樹脂の共積層物が挙げられる。
ことができる。保護層としては、防湿性でバリヤ−保護
機能を有したものであれば特定されないが、例えば、ポ
リエチレン系樹脂、ポリプロピレン樹脂などのオレフィ
ン系樹脂、ナイロンMXD−6などのポリアミド樹脂、
ポリエチレンテレフタル酸エステルなどのポリエステル
系樹脂を挙げることが出来る。
品、化粧品、日用品、医用品などの一般的な物品を幅広
くあげることができるが、この中でも特に、鉄と付加物
を形成する物質、例えば、アスコルビン酸、クマリン、
タンニン、クレゾール又はヒノキチオールを含む飲食料
品、化粧品、日用品、医用品などが変色を起こすことな
く好適に保存される。具体的には、アスコルビン酸など
の保存剤入り饅頭、菓子、飲料類、クマリンなどの香料
を添加した化粧品、香水、クレゾール、ヒノキチオール
などの抗菌性物質を含む石鹸類又は輸液バッグなどの医
用品類をあげることができる。
なお、本発明はこの実施例に制限されるものではない。
重量部に対し、0.8重量部の塩化カルシウムを溶解し
た水溶液を散布し、加熱乾燥して塩化カルシウムを被覆
した鉄粉からなる鉄粉系脱酸素剤を得た。これを(株)
トパック製連続生産機を用いて、有孔ポリエチレンテレ
フタレート/紙/有孔ポリエチレンの構成からなる40
mm×30mmの通気性フィルム包装袋に収納し、包装
体Aを得た。得られた包装体1個ずつを外側が紙、内側
が××××の貫通微細孔を有したポリエチレンフィルム
からなる50mm×40mmの熱圧着2層包材でもう一
度、機械包装し2回包装体Bを得た。この2回包装体B
の表面をシャーレ上で50mm×60mmのガーゼで十
分に拭い、落下した粉塵とガーゼを塩酸加熱溶解処理し
て処理液を集めて鉄分を、ICP−AES(誘導結合型
プラズマ発光分析計、セイコー電子工業(株)製、12
00VR型)を用いて定量し、包装体の表面付着鉄粉量
を求めた。ヒノキチオール入り市販石鹸と、前記の2回
包装した脱酸素剤包装体Bをガスバリヤー性の高いKO
N/PE包装袋に共に封入し、25℃下にて保存し、7
日後及び30日後に包装袋内の酸素濃度を分析するとと
もに、30日後の石鹸の外観における異常の有無を10
0個の包装袋について調べた。
量部とを190℃で混練押し出してシート状とした後、
縦方向に5倍に延伸・裁断して厚さ1.2mm、15m
m×21mmのシート状脱酸素剤を得た。ポリエチレン
テレフタレートフィルムにポリエチレンフィルムを積層
し、穿孔加工を施した通気性フィルムのポリエチレン側
と、耐水紙にシール層として有孔ポリエチレンを積層し
た通気性シートの耐水紙側を貼り合わせることなく重ね
て二重包装材料を得た。この二重包装材料のガーレー式
透気度は20秒/空気100mlであった。この二重包
装材料の通気性シートのシール層側と、ポリエチレンテ
レフタレートフィルムにシール層としてポリエチレンフ
ィルムを積層した非通気性フィルムのシール層が接する
ように重ね、3辺をヒートシールし、片面二重包装袋
(30mm×45mm)を得た。通気性シートと非通気
性フィルムの間に前記シート状脱酸素剤を収納し、残り
の一辺をヒートシールし、シート状脱酸素剤包装体を得
た。得られたシート状脱酸素剤包装体表面を、実施例1
と同様に処理して包装袋表面上の付着鉄量を定量した。
2回包装した脱酸素剤包装体の代わりにシ−ト状脱酸素
剤包装体を用いた以外は、実施例1と全く同様に保存
し、酸素濃度分析、外観検査を行った。
脱酸素剤包装体Aを用いた以外は実施例1と全く同様に
保存、酸素濃度分析、外観検査を行った。
剤入り温泉饅頭を用いた以外は、実施例1と全く同様に
保存し、酸素濃度分析、外観検査を行った。
ヨモギ饅頭を、2回包装した脱酸素剤包装体の代わりに
シート状脱酸素剤包装体を用いた以外は、実施例1と全
く同様に保存し、酸素濃度分析、外観検査を行った。
剤包装体を用いる以外は実施例4と全く同様に保存し、
酸素濃度分析、外観検査を行った。
重量部とポリプロピレン40重量部からなる脱酸素剤樹
脂組成物/酸変性ポリプロピレン/エチレン−ビニルア
ルコール共重合体/酸変性ポリプロピレン/ポリプロピ
レンからなる脱酸素性6層積層シート(以下OASと略
称)を用いて60mm×50mm×25mmの容器を作
製し、これにヒノキチオール入り石鹸を収納し、ポリプ
ロピレン/酸変性ポリプロピレン/エチレン−ビニルア
ルコール共重合体/酸変性ポリプロピレン/ポリプロピ
レンからなる5層積層シートの蓋をして封入し、実施例
1と全く同様に保存し、酸素濃度分析、外観検査を行っ
た。また、実施例1と同様に処理して内側表面の付着鉄
量を定量した。
容器、及び蓋を用いた以外は全く実施例5と同様に保存
し、酸素濃度分析、外観検査を行った。
シート状脱酸素剤包装体及び脱酸素性6層容器を用いた
実施例1〜5では、保存中の物品に汚れ、変色の発生が
全く認められなかった。しかし、2回包装した脱酸素剤
包装体、シート状脱酸素剤包装体を従来の脱酸素剤に代
えた比較例1〜3では、保存物品に褐変もしくは黒班の
汚れが発生した。従って、脱酸素剤包装体の表面に付着
する鉄粉量が0.5mg/m2以下にすると保存中の物
品に汚れや変色が発生しないことが分かる。また、脱酸
素剤を用いないで保存した場合、汚れは見られないが変
色が発生することが分かる。
変色を発生させることなく長期間保存することが可能と
なる。特に、鉄と付加物を形成する物質を含む物品、例
えば、飲食料品、化粧品、日用品、医用品などの保存に
有効である。
Claims (6)
- 【請求項1】鉄粉系脱酸素剤または熱可塑性樹脂に鉄粉
系脱酸素剤を配合したシート状脱酸素剤を、少なくとも
一部が通気性を有する包装材により包装してなる脱酸素
剤包装体と共に物品をガスバリア性容器に収納する物品
の保存方法において、前記包装材の脱酸素剤包装体外側
表面の面積当たりの付着鉄粉量が0.5mg/m2以下
であることを特徴とする物品の保存方法。 - 【請求項2】脱酸素剤包装体が、鉄粉系脱酸素剤を有孔
多層包装袋に収納した後、これを無孔紙系通気性包装材
によって包装してなる包装体である請求項1記載の物品
の保存方法。 - 【請求項3】脱酸素剤包装体が、鉄粉系脱酸素剤を熱可
塑性樹脂に配合、成形、延伸したシート状脱酸素剤を通
気性包装材によって包装してなる包装体である請求項1
記載の物品の保存方法。 - 【請求項4】鉄粉系脱酸素剤に熱可塑性樹脂を配合、成
形したシート状脱酸素剤に酸素バリヤー層を積層した少
なくとも2層以上の脱酸素性多層体を物品収納側表面の
少なくとも一部に使用してなる容器を用いる物品の保存
方法において、前記脱酸素性多層体表面の面積当たりの
付着鉄粉量が0.5mg/m2以下であることを特徴と
する物品の保存方法。 - 【請求項5】収納する物品が、鉄と付加物を形成する物
質を含む物品である請求項1又は4記載の物品の保存方
法。 - 【請求項6】収納する物品が、アスコルビン酸、クマリ
ン、タンニン、クレゾール及びヒノキチオールからなる
群から選ばれた少なくとも一種の物質を含有する物品で
ある請求項1又は4記載の物品の保存方法。
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Cited By (2)
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WO2016181227A1 (en) * | 2015-04-17 | 2016-11-17 | Ds Smith Plastics Limited | Multilayer film used with flexible packaging |
JP2021174217A (ja) * | 2020-04-24 | 2021-11-01 | 株式会社アクセスホールディングス | 輸入品流通管理システム、輸入品流通管理方法、及びプログラム |
-
1999
- 1999-11-22 JP JP33131699A patent/JP4061448B2/ja not_active Expired - Lifetime
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