JP2001121160A - 排水処理方法及び装置 - Google Patents

排水処理方法及び装置

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JP2001121160A
JP2001121160A JP29912999A JP29912999A JP2001121160A JP 2001121160 A JP2001121160 A JP 2001121160A JP 29912999 A JP29912999 A JP 29912999A JP 29912999 A JP29912999 A JP 29912999A JP 2001121160 A JP2001121160 A JP 2001121160A
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calcium
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water
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Yoshinobu Tajima
義宣 田嶋
Takeshi Murakami
健 村上
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Organo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フッ化物イオンを含有する排水を排水中に過
剰のカルシウム源を添加して排水中からフッ化物イオン
をカルシウム塩として除去する方法において、処理水中
のカルシウムを薬剤である分散剤や軟化処理によること
なく、簡便で安価な方法で排水回収する処理方法を提供
すること。 【解決手段】 フッ化物イオンを含有する排水にカルシ
ウム源を添加し、該排水からフッ化物イオンをカルシウ
ム塩として除去する第1工程、前記第1工程でフッ化物
イオンが除去された排水を通液型コンデンサに供給し、
通液型コンデンサが有する一対の電極に直流電圧を印加
して通液中の排水からイオン成分を除去してカルシウム
イオン濃度が低減された排水を得、その後前記一対の電
極を短絡あるいは直流電源を逆接続して、前記除去され
たカルシウムイオン成分を通液中の排水と共に回収する
第2工程を有する排水処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体製造工程及
び液晶ディスプレイ製造工程等から排出されるフッ化物
イオンを含有する排水の処理方法及び装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】半導体製造工程及び液晶ディスプレイ製
造工程等においては、エッチング剤としてフッ化水素酸
などを使用している。この結果、前記工程からはフッ化
物イオンを含有する排水が排出される。フッ化物イオン
は人体に有害であり、通常は放流規制などの各種規制の
対象項目となっているため、フッ化物イオン含有排水は
フッ化物イオンが除去された後、工場外に排出、放流さ
れるのが一般的である。従来、排水中からフッ化物イオ
ンを除去する方法としては、排水中に過剰のカルシウム
源を添加して排水中からフッ化物イオンをカルシウム塩
として除去する方法、排水をイオン交換塔に通水してイ
オン交換により除去する方法などが使用され、このう
ち、排水中に過剰のカルシウム源を添加して排水中から
フッ化物イオンをカルシウム塩として除去する方法が安
定で且つ人体に無害なカルシウム塩として除去できる点
で好適に使用されている。
【0003】排水中にカルシウム源を添加して排水中か
らフッ化物イオンをカルシウム塩として除去する方法と
しては、例えば、水酸化カルシウムや塩化カルシウムな
どのような水に対して溶解性を有するカルシウム塩を排
水に溶解させてカルシウムイオンを供給し、反応により
析出したフッ化カルシウムを凝集剤により凝集粗大化さ
せ沈殿分離する方法や、粒状炭酸カルシウムを充填した
反応塔に被処理液を通液し、主に炭酸イオンとフッ化物
イオンとの置換反応によりフッ化カルシウムを生成する
方法などがある。これらいずれの方法においても、フッ
化物イオンを除去するために使用するカルシウムの使用
量を過剰量とし、フッ化物イオンをほぼ完全に難溶性の
フッ化カルシウムとして排水中から除去している。これ
はカルシウム成分は天然水中に一般的に存在する無害な
成分であり、放流規制などの各種排出規制には該当しな
い成分であることによる措置である。しかし、排水中に
残留するカルシウム成分の量が多くなると、排水処理装
置内部や配管中におけるスケールの析出が起こり易くな
る。特に、逆浸透膜処理やイオン交換処理などの排水回
収処理を行う場合、逆浸透膜やイオン交換塔内でスケー
ルの析出に伴う閉塞の問題が潜在的にある。これを解決
するために、逆浸透膜では分散剤を添加したり、イオン
交換ではカルシウム成分を強酸性カチオン交換樹脂に通
水してナトリウムなどのスケール析出を起こさない成分
に置換する、一般に軟化処理と呼ばれる処理を行ってい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
方法において、逆浸透膜で分散剤を添加する方法では薬
剤の管理、薬剤供給装置の設置などの問題がある。ま
た、強酸性カチオン交換樹脂を使用して軟化処理する方
法では、強酸性カチオン交換樹脂塔の設置や該イオン交
換樹脂の再生処理を含めて予想外に処理コストも嵩むと
いう問題がある。従って、半導体製造工程や液晶ディス
プレイ製造工程等から排出されるフッ化物イオン含有排
水を排水中に過剰のカルシウム源を添加して排水中から
フッ化物イオンをカルシウム塩として除去する方法にお
いて、処理水中のカルシウムを薬剤を使用することな
く、簡便で安価な方法で除去して排水を回収する処理方
法が望まれていた。
【0005】従って、本発明の目的は、フッ化物イオン
を含有する排水を排水中に過剰のカルシウム源を添加し
て排水中からフッ化物イオンをカルシウム塩として除去
する方法において、処理水中のカルシウムを薬剤である
分散剤や軟化処理によることなく、簡便で安価な方法で
除去して排水を回収する処理方法を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる実情において、本
発明者らは鋭意検討を行った結果、半導体製造工程や液
晶ディスプレイ製造工程等から排出されるフッ化物イオ
ン含有排水を排水中に過剰のカルシウム源を添加して排
水中からフッ化物イオンをカルシウム塩として除去した
後、該フッ化物イオンが除去された処理水を通液型コン
デンサに供給し、通液型コンデンサが有する一対の電極
に直流電圧を印加して通液中の排水からイオン成分を除
去してカルシウムイオン濃度が低減された排水を得、そ
の後前記一対の電極を短絡あるいは直流電源を逆接続し
て、前記除去されたカルシウムイオン成分を通液中の排
水と共に回収すれば、従来の軟化処理に代わる簡便で安
価な方法で、カルシウムイオンの除去が行えること、更
に、通液型コンデンサの後段に逆浸透膜又はイオン交換
塔を設置すれば、スケールの析出に伴う閉塞を生じるこ
となく、排水の回収処理が行えることなどを見出し、本
発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明(1)は、フッ化物イオ
ンを含有する排水にカルシウム源を添加し、該排水から
フッ化物イオンをカルシウム塩として除去する第1工
程、前記第1工程でフッ化物イオンが除去された排水を
通液型コンデンサに供給し、通液型コンデンサが有する
一対の電極に直流電圧を印加して通液中の排水からイオ
ン成分を除去してカルシウムイオン濃度が低減された排
水を得、その後前記一対の電極を短絡あるいは直流電源
を逆接続して、前記除去されたカルシウムイオン成分を
通液中の排水又は回収用水と共に回収する第2工程を有
することを特徴とする排水処理方法を提供するものであ
る。かかる構成を採ることにより、第1工程の処理水中
のカルシウムイオン成分を薬剤である分散剤や軟化処理
によることなく、簡便で安価な方法で除去することがで
きる。
【0008】また、本発明(2)は、更に、前記通液型
コンデンサの脱塩水を、逆浸透膜処理又はイオン交換処
理を行うことを特徴とする前記(1)記載の排水処理方
法を提供するものである。かかる構成を採ることによ
り、後段に設置される逆浸透膜又はイオン交換塔内でス
ケールの析出に伴う閉塞を生じることなく、排水を回収
処理することができる。
【0009】また、本発明(3)は、前記第1工程の排
水中のフッ化物イオンをカルシウム塩として該排水から
除去する方法が、凝集沈殿処理方法又は粒状フッ化カル
シウム転化処理方法であることを特徴とする前記(1)
又は(2)記載の排水処理方法を提供するものである。
かかる構成を採ることにより、第1工程においては、半
導体製造工程から排出される排水中のフッ化物イオンを
カルシウム塩として排水から安定して除去できる。
【0010】また、本発明(4)は、フッ化物イオンを
含有する排水供給源と、排水中からフッ化物イオンをカ
ルシウム塩として除去する装置と、一対の電極に直流電
圧を印加して通液中のイオン成分を除去し、前記一対の
電極を短絡あるいは直流電源を逆接続して、除去された
イオン成分を通液中の排水又は回収用水に回収する通液
型コンデンサと、をこの順序で連結してなることを特徴
とする排水処理装置を提供するものである。かかる構成
を採ることにより、前記(1)の排水処理方法を実施す
ることができる。
【0011】また、本発明(5)は、前記通液型コンデ
ンサの後段に、逆浸透膜又はイオン交換処理塔を設けた
ことを特徴とする前記(4)記載の排水処理装置を提供
するものである。かかる構成を採ることにより、前記
(2)の排水処理方法を実施することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】次に、本発明の第1の実施の形態
における排水処理方法を図1に基づいて説明する。図1
は本発明の第1の実施の形態である排水処理方法を示す
フロー図である。図中、1は通液型コンデンサであり、
通液型コンデンサ1の下流側は排出配管6により水質監
視装置8に接続し、更に水質監視装置8の排出配管10
は切替え弁12Aを有する脱塩水排出管10aと切替え
弁12Bを有する濃縮水排出配管10bの二つに分岐し
ている。通液型コンデンサの上流側は供給配管3により
カルシウムイオンを含有する排水供給源5に接続し、更
にカルシウムイオンを含有する排水供給源5は接続配管
4により排水中からフッ化物イオンをカルシウム塩とし
て除去する装置2に接続している。更に、排水中からフ
ッ化物イオンをカルシウム塩として除去する装置2は供
給配管12により電子部品部材類製造工程(不図示)に
接続されている。カルシウムイオンを含有する排水供給
源5はカルシウムイオン含有排水を貯留するタンクと、
これらから該排水を定量的に供給するための送液ポンプ
とを含んでいる(不図示)。電子部品部材類製造工程と
しては、例えば半導体製造工程及び液晶ディスプレイ製
造工程等が挙げられる。電子部品部材類製造工程から排
出される排水中のフッ化物イオン濃度としては、特に制
限されず、通常50〜30,000mg/Lである。このよ
うに、排水中のフッ化物イオンの濃度範囲が広いのは、
上記製造工程における洗浄排水等の分別の仕方や各種排
水等の混合の仕方に左右されるからである。
【0013】排水中からフッ化物イオンをカルシウム塩
として除去する装置2としては、例えば、凝集沈殿処理
装置又は粒状フッ化カルシウム転化処理装置が挙げら
れ、例えば、図3に示すような凝集沈殿処理装置が挙げ
られる。図3中、凝集沈殿処理装置2a(2)はカルシ
ウム反応装置14、中和槽16、凝集槽18、凝集沈殿
槽19、砂濾過器20をこの順序で連接したものであ
り、カルシウム反応装置14にはカルシウム源供給装置
13からカルシウム源が供給され、中和槽16には中和
剤供給装置15から塩酸等の中和剤が供給され、凝集槽
18には凝集剤供給装置17からポリ塩化アルミニウム
等の凝集剤が供給されるようになっている。
【0014】前記第1通液型コンデンサ1は、少なくと
も一対の電極30、31を内蔵し、電極30はスイッチ
32を介して直流電源34の陰極に接続されている。ま
た、一対の電極30、31はスイッチ35を介して互い
に接続されている。そして、これらの図1に表示の機器
類の運転制御は、シーケンサー、マイコン等の公知の制
御機器で行われ、その詳細な運転制御としては、例え
ば、後述の通液型コンデンサの通液方法が挙げられる。
【0015】前記通液型コンデンサ1の構造は、特に制
限されないが、ここではカラム中に金属、黒鉛等の集電
極に高表面積活性炭を接してなる電極30、31を収容
し、これら電極30、31間に非導電性のスペーサを介
在させたものである。そして、この通液型コンデンサ1
は、一対の電極30、31に直流電源34を接続し、直
流電圧、例えば、1〜2Vを印加した状態で、カラム中
にイオンを含有する被処理液を通すと、一対の電極3
0、31がイオンを吸着して、イオン成分が除去され脱
塩水を得ることができ、その後、一対の電極30、31
を短絡させると、電気的に中和し吸着していたイオンが
一対の電極30、31から離脱し、一対の電極30、3
1を再生させると共に、濃厚なイオン成分を回収した濃
縮水を得ることができるものである。なお、一対の電極
30、31間に印加する電圧は任意に設定することがで
きる。
【0016】通液型コンデンサ1の他の構造例として
は、特開平5−258992号公報に開示されているも
のが挙げられる。すなわち、カラムに被処理水を導入す
る入口と、イオン成分が除去された水を排出する出口と
を設け、そのカラム内に上記一対の電極を収容する。こ
れら一対の電極は、双方とも導電性支持層に高表面積導
電性表面層が支持され、更に非導電性多孔のスペーサが
含まれる。従って、一対の電極は、一方の電極の非導電
性多孔のスペーサ、導電性支持層、高表面積導電性表面
層、他方の電極の非導電性多孔のスペーサ、導電性支持
層、高表面積導電性表面層の6層構造となる。この一対
の電極は、中空の多孔質中心管に高表面積導電性表面層
を内側にして巻かれてカートリッジを形成する。一方の
電極の導電性支持層及び他方の電極の導電性支持層から
はリード線がカラム外に延出され、直流電源に接続さ
れ。カラムの入口には被処理液供給源が接続され、出口
にはイオン成分が除去された脱塩水とイオン成分を回収
した濃縮水とを分ける切替え弁が接続される。
【0017】更に、通液型コンデンサ1の他の構造例と
しては、非導電性多孔質通液性シートからなるスペーサ
を挟んで、高比表面積活性炭を主材とする活性炭層であ
る一対の電極を配置し、該電極の外側に一対の集電極を
配置し、更に該集電極の外側に押さえ板を配置した平板
形状とし、集電極に直流電源を接続し、更に集電極間の
短絡又は直流電源の逆接続を行うものであってもよい。
また、電極と集電極とは一体化されたものでもよい。
【0018】図1において、水質監視装置8は、液質を
測定するものでイオン除去の程度を正確に把握できる指
標の測定機器であれば特に限定されず、導電率計、比抵
抗計が挙げられ、本実施の形態では導電率計である。
【0019】第1の実施の形態例の排水処理方法におけ
る第1工程について説明する。第1工程においては、半
導体製造工程及び液晶ディスプレイ製造工程等の電子部
品部材類製造工程から排出されるフッ化物イオン含有排
水を被処理水として、該排水中のフッ化物イオンをカル
シウム塩として該排水から除去する。かかる除去方法と
しては、凝集沈殿処理方法又は粒状フッ化カルシウム転
化処理方法が挙げられる。凝集沈殿処理方法を図3を参
照して説明する。図3において、水酸化カルシウムや塩
化カルシウムなどのように水に対して溶解性を有するカ
ルシウム塩(カルシウム源)はカルシウム源供給装置1
3からカルシウム反応装置14に添加され、排水に溶解
されてカルシウムイオンとなり排水中のフッ化物イオン
と反応する。その後、中和槽16では中和剤供給装置1
5から塩酸等の中和剤が供給され、処理水のpHを中性
域とする。次いで、凝集槽18では凝集剤供給装置17
からポリ塩化アルミニウム等の凝集剤が供給され反応に
より析出したフッ化カルシウムを凝集粗大化させる。凝
集沈殿により分離された排水は更に砂濾過器20で除濁
される。従来、通常使用される凝集沈殿処理方法では凝
集沈殿により分離された排水は更にアクリル系アニオン
などの高分子凝集剤が添加され、この分離排水は砂濾過
器を通されることなく後段へ送られていたが、本実施の
形態例では高分子凝集剤を添加することなく、砂濾過器
を通すようにするため、高分子凝集剤の添加による後段
の通液型コンデンサの電極への悪影響がない。符号21
は排泥装置である。また、粒状フッ化カルシウム転化処
理方法としては、粒状炭酸カルシウム(カルシウム源)
を充填した反応塔に被処理液を通液し、主に炭酸イオン
とフッ化物イオンとの置換反応によりフッ化カルシウム
を生成する方法が挙げられる。上記のいずれの方法にお
いてもフッ化物イオンを除去するために添加するカルシ
ウム添加量を過剰量とすることが、カルシウム塩を安定
して生成できる点で好ましい。排水中に残存するフッ化
物イオンをカルシウム塩として該排水から除去する方法
として、凝集沈殿処理方法とするか、又は粒状フッ化カ
ルシウム転化処理方法とするかの適否は、排水に含有さ
れるフッ化物イオンの濃度、排水の水量、フッ化物イオ
ンとカルシウム源の反応において競合する他の陰イオン
の存在などにより異なり、これら排水自体の特性によっ
て決定される。
【0020】排水中からフッ化物イオンをカルシウム塩
として除去する工程において、該工程から排出される処
理水中のフッ化物イオン濃度は、特に制限されないが、
放流規制等の各種排出規制をクリアーする程度に除去さ
れる。第1工程でフッ化物イオン含有排水からカルシウ
ムイオン含有排水へ転化された排水は第2工程で通液型
コンデンサに供給される。
【0021】カルシウムイオン含有排水を通液型コンデ
ンサ1で処理する第2工程を説明する。先ず、スイッチ
32をオンして一対の電極30、31に直流電圧を印加
し、切替え弁12Aを開、切替え弁12Bを閉の状態と
し、水質監視装置8を監視状態にして、カルシウムイオ
ンを含有する排水供給源5のポンプを作動させ、カルシ
ウムイオン含有排水を通液型コンデンサ1に供給する。
この段階で通液型コンデンサ1は脱塩工程(イオン成分
除去工程)に入り、カルシウムイオン含有排水は通液型
コンデンサ1の一対の電極30、31にイオン成分を吸
着され、カルシウムイオン等のイオン成分が除去された
排水となり、脱塩液排出管10aにより排出(放流)さ
れる。
【0022】この状態が継続すると、一対の電極30、
31にイオン成分が徐々に吸着され飽和状態に近づき、
イオン成分除去性能が徐々に低下し、徐々に排水(脱塩
水)の導電率が上昇する。水質監視装置8により測定さ
れた導電率が脱塩水採液不可値になると、切替え弁12
Aを閉、切替え弁12Bを開として、直ちにスイッチ3
2をオフして通液型コンデンサ1への直流電圧の印加を
止め、更にスイッチ35をオンして一対の電極30、3
1間を短絡、あるいは直流電源34を逆接続させ、吸着
したカルシウムイオン等のイオン成分を一対の電極3
0、31から離脱させ、排水側に移動させて一対の電極
30、31を再生する。すなわち、通液型コンデンサ1
は濃縮工程(イオン成分回収工程)に入る。また、濃縮
工程においては、通液中の排水と一緒に又は別途に純水
や工業用水等の回収用水を通液することによりカルシウ
ムイオン等のイオン成分を回収してもよい。
【0023】上記脱塩工程(除去工程)及び濃縮工程
(回収工程)を1サイクルとし、このサイクルを繰り返
して行うことにより、脱塩工程からは排水中のカルシウ
ムイオン等のイオン成分が除去された排水を得、濃縮工
程からはカルシウムイオン濃度を高めた濃縮液を得ると
共に、通液型コンデンサ1の一対の電極30、31の飽
和と再生の繰り返しを図る。
【0024】次に、本発明の第2の実施の形態における
排水処理方法を図2に基づいて説明する。図2は本発明
の第2の実施の形態である排水処理方法を示すフロー図
である。図中、図1と同一構成要素には同一符号を付し
てその説明を省略して異なる点について、主に説明す
る。図2において図1と異なる点は、脱塩水排出管10
aにカートリッジポリッシャ(非再生式イオン交換樹脂
装置)7を設けた点にある。すなわち、第2の実施の形
態例は、通液型コンデンサ1によりカルシウムイオンな
どのイオン成分を粗取りした後、通液型コンデンサ1の
脱塩水をカートリッジポリッシャ7に通水して排水の水
質を更に高めて、排水の回収を図るものである。カート
リッジポリッシャ7から排出される排水の水質として
は、特に制限されないが、例えば、導電率0.06〜
0.1μS/cmの純水である。第2の実施の形態例によれ
ば、排水を放流することなく純水として回収できる。こ
のため、半導体製造工程や液晶ディスプレイ製造工程等
の電子部品部材類製造工程の洗浄水として工場内利用が
可能となる。
【0025】第2の実施の形態例のカートリッジポリッ
シャ7はこれに限定されず、カチオン交換樹脂装置又は
アニオン樹脂装置などの種々のイオン交換装置が使用で
きる。また、前段にカチオン交換樹脂装置又はアニオン
樹脂装置を設置し、後段にカートリッジポリッシャを設
置するものであってもよい。また、カートリッジポリッ
シャなどのイオン交換装置に代えて、逆浸透膜装置を設
置してもよい。
【0026】第2の実施の形態例のカートリッジポリッ
シャを含む例示として、公知の紫外線殺菌装置、紫外線
酸化装置、酸化性物質分解装置などをカートリッジポリ
ッシャの前段に設置し、カートリッジポリッシャの後段
に限外濾過膜分離装置を設置れば、特に過酸化水素な
どの酸化性物質を有効に除去できる点で好適である。
【0027】第2の実施の形態例において、通液型コン
デンサーの後段に逆浸透膜装置を設置した場合、炭酸カ
ルシウムによるスケーリングの可能性を評価する方法で
あるLangelier 飽和指数(LSI) に基づき計算したとこ
ろ、逆浸透膜において、4倍の濃縮をかけた場合(70
%回収)でもLSI 指数がマイナスとなりスケールは発生
しない。これに対し、従来のように通液型コンデンサー
を使用しない第1工程処理液では、LSI 指数がプラスと
なり、スケールを生じることとなり、特に、逆浸透膜に
おいて、4倍の濃縮をかけた場合(70%回収)にはLS
I 指数は原水の3倍近い値となり、スケーリングの危険
性はますます高くなる。上記Langelier 飽和指数(LSI)
は、一般に炭酸カルシウムによるスケーリングの可能性
を評価するものであり、例えば、ASTM D3739-88 に記載
された方法で求められる値である。
【0028】上記実施の形態では、通液型コンデンサー
は1台であるが、通液型コンデンサーの複数台を並列配
置して、フッ化物イオン及びカルシウムイオンの濃度が
低減された排水又はカルシウムイオンの濃度が高められ
た濃縮水を連続して得るようにしてもよい。
【0029】
【実施例】次に、実施例を挙げて、本発明を更に具体的
に説明するが、これは単に例示であって、本発明を制限
するものではない。 実施例1 半導体製造工程から排出されるフッ化物イオン濃度が1
50mg/Lの排水を図1に示すような排水処理フローを有
する排水装置を用いて、下記排水処理条件で処理した。
第1工程及び第2工程から得られた処理水の水質を表1
に示す。 (排水処理条件;第1工程) ・図1中、フッ化物イオンをカルシウム塩として除去す
る装置2は図3に示す処理フローを有する凝集沈殿処理
装置を用いた。 ・凝集沈殿処理条件 カルシウム反応;水酸化カルシウム555mg/L添加して
フッ化物イオンとカルシウムイオンを反応させる。 中和;塩酸を添加してpHを中性域とする。 凝集;ポリ塩化アルミニウムを添加して凝集沈殿処理を
行う。 砂濾過;除濁を行う。 (排水処理条件;第2工程) ・通液型コンデンサの仕様及び運転条件 装置;(キャパシタ;関西熱化学社製) 活性炭電極の総活性炭量;253g 活性炭電極の表面積;1500m2/g 印加電圧;直流1.2V 処理液流速;300ml/ 分 運転方法;導電率計により、排水の導電率を監視し、脱
塩工程から脱塩率が80%の脱塩水を得るように運転し
た。
【0030】
【表1】
【0031】実施例2 図2に示すような排水処理フローを有する排水装置を用
いて、下記排水処理条件で処理した以外は、実施例1と
同様の方法で行った。図2中の記号7は逆浸透膜装置を
使用した。得られた12日目の脱塩水(逆浸透膜処理
水)と濃縮水の水質を表2に示す。また、逆浸透膜装置
における供給圧力の変化を図4に示す。 (逆浸透膜装置の仕様) ・膜の材質;ポリアミド ・供給圧力(初期設定);10kgf/cm2 ・供給水量;100リットル/時間 ・循環水量;500リットル/時間 ・膜透過水量;75リットル/時間 ・排出濃縮水量;25リットル/時間 ・水回収;75% ・運転日数;12日間であり、途中の3、5、8、10
及び12日における供給圧力の変化を測定する。
【0032】
【表2】
【0033】比較例1 第2工程、すなわち通液型コンデンサによる処理を省略
した以外は、実施例2と同様の方法で行った。逆浸透膜
装置における供給圧力の変化を図4に示す。
【0034】実施例、比較例及び図4から明らかなよう
に、第1工程の処理水中のカルシウムイオン成分は通液
型コンデンサーで除去される。このため、通液型コンデ
ンサーの脱塩工程から排出される脱塩水を逆浸透膜装置
で長期間処理しても供給圧力の上昇は認められない。一
方、通液型コンデンサーに通水しないで逆浸透膜処理を
行うと、約数日後には、スケールの発生に伴う供給圧力
の上昇が認められる。
【0035】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、第1工程の処
理水中のカルシウムイオン成分を薬剤である分散剤や軟
化処理によることなく、簡便で安価な方法で除去するこ
とができる。請求項2の発明によれば、後段に設置され
る逆浸透膜又はイオン交換塔内でスケールの析出に伴う
閉塞を生じることなく、排水を回収処理することができ
る。請求項3の発明によれば、第1工程においては、半
導体製造工程から排出される排水中のフッ化物イオンを
カルシウム塩として排水から安定して除去できる。請求
項4及び請求項5の発明によれば、前記排水処理方法を
実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態である排水処理方法
を示すフロー図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態である排水処理方法
を示すフロー図である。
【図3】図1及び図2で使用するフッ化物イオンをカル
シウム塩として除去する装置の一例の凝集沈殿処理方法
を示すフロー図である。
【図4】実施例2及び比較例1の逆浸透膜装置における
供給圧力の変化を示す。
【符号の説明】
1 通液型コンデンサ 2 フッ化物イオンをカルシウム塩として
除去する装置 2a 凝集沈殿処理装置 3、4、6、10 接続配管 5 カルシウムイオン含有排水供給源 7 カートリッジポリッシャ 8 水質監視装置 10a 脱塩水排出配管 10b 濃縮水排出配管 12 供給配管 12A、12B 切替え弁 13 カルシウム源供給装置 14 カルシウム反応装置 15 中和剤供給装置 16 中和槽 17 凝集剤供給装置 18 凝集槽 19 凝集沈殿槽 20 砂濾過器 21 除濁装置 30、31 電極 32、35、 スイッチ 34 直流電源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01G 9/155 H01G 9/00 301Z Fターム(参考) 4D006 GA03 KA01 KA12 KB01 KB11 KB13 KB15 MB02 MC54X PA05 PB08 PB27 PB28 PB70 PC01 4D025 AA09 AB06 BA08 BA13 BA24 DA05 DA06 4D038 AA08 AB41 BA04 BA06 BB08 BB09 BB10 BB13 BB17 BB18 4D061 DA08 DB18 DC13 EA02 EB04 EB17 EB19 EB27 EB28 EB29 EB30 EB31 EB34 EB35 EB37 EB39 EB40 ED10 FA08 FA09 FA11 FA13 FA14 GA21 GC20

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フッ化物イオンを含有する排水にカルシ
    ウム源を添加し、該排水からフッ化物イオンをカルシウ
    ム塩として除去する第1工程、前記第1工程でフッ化物
    イオンが除去された排水を通液型コンデンサに供給し、
    通液型コンデンサが有する一対の電極に直流電圧を印加
    して通液中の排水からイオン成分を除去してカルシウム
    イオン濃度が低減された排水を得、その後前記一対の電
    極を短絡あるいは直流電源を逆接続して、前記除去され
    たカルシウムイオン成分を通液中の排水又は回収用水と
    共に回収する第2工程を有することを特徴とする排水処
    理方法。
  2. 【請求項2】 更に、前記通液型コンデンサの脱塩水
    を、逆浸透膜処理又はイオン交換処理を行うことを特徴
    とする請求項1記載の排水処理方法。
  3. 【請求項3】 前記第1工程の排水中のフッ化物イオン
    をカルシウム塩として該排水から除去する方法が、凝集
    沈殿処理方法又は粒状フッ化カルシウム転化処理方法で
    あることを特徴とする請求項1又は2記載の排水処理方
    法。
  4. 【請求項4】 フッ化物イオンを含有する排水供給源
    と、排水中からフッ化物イオンをカルシウム塩として除
    去する装置と、一対の電極に直流電圧を印加して通液中
    のイオン成分を除去し、前記一対の電極を短絡あるいは
    直流電源を逆接続して、除去されたイオン成分を通液中
    の排水又は回収用水に回収する通液型コンデンサと、を
    この順序で連結してなることを特徴とする排水処理装
    置。
  5. 【請求項5】 前記通液型コンデンサの後段に、逆浸透
    膜又はイオン交換処理塔を設けたことを特徴とする請求
    項4記載の排水処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008272650A (ja) * 2007-04-27 2008-11-13 Sekisui Chem Co Ltd 脱塩処理方法及び脱塩処理装置
CN103253838A (zh) * 2013-06-14 2013-08-21 波鹰(厦门)科技有限公司 基于化学脱钙的造纸深度处理废水回用装置

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