JP2001113146A - 固形物の溶解装置、および溶解方法 - Google Patents

固形物の溶解装置、および溶解方法

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JP2001113146A
JP2001113146A JP29476999A JP29476999A JP2001113146A JP 2001113146 A JP2001113146 A JP 2001113146A JP 29476999 A JP29476999 A JP 29476999A JP 29476999 A JP29476999 A JP 29476999A JP 2001113146 A JP2001113146 A JP 2001113146A
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container
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shape
dissolving
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Atsushi Mihara
淳 三原
Masanobu Kudo
政信 工藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 構造が簡単であり、固形物を溶解するのに要
する時間を少なくし、固形物の形状にかかわらず、不溶
解物が装置内部等に付着することなく良好に溶解させ得
る固形物の溶解装置、および溶解方法を提供すること。 【解決手段】 円柱状の容器12内部に、容器12の中
心軸を基軸14とする攪拌羽根16が備えられた、固形
物を溶媒に溶解するための溶解装置であって、攪拌羽根
16が、容器12底面形状および側面形状に沿って、基
軸14から張り出した形状であり、攪拌羽根16の先端
部と、前記中心軸と、の間に遮蔽部材18が、容器12
の上部から張り出すように配されてなることを特徴とす
る固形物の溶解装置、および溶解方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂およびゴム類
等の固形物(本発明において、「固形物」というとき
は、完全な固体のみならず、ゲル状、軟質体等液状以外
の性状であって、溶媒に溶解することが望まれる物質を
全て含むこととする。)を溶媒に溶解するための固形物
の溶解装置、および溶解方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、樹脂およびゴム類等の固形物を溶
解する手段としては、例えば特公昭52−22010号
公報のように回転羽根を用いた装置が広く知られてい
る。また一般に分散装置としては、特開昭60−481
26号公報のように籠状筐体内に物質を入れて攪拌を行
うものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例え
ば、合成ゴム等のゴム類および樹脂類は、溶解を行う前
の固形物の状態では、シート状やペレット状である場合
が多く、これを通常の攪拌装置で溶解しようとすると、
容器の隅のように溶液がこれら被溶解物質を剪断する力
が弱い箇所、或いは、回転羽根の端部や籠上筐体のよう
に溶液の流れが集中する箇所に、不溶解物質が付着して
しまい、溶解に要する時間を長引かせる欠点があった。
またこのような欠点を補うためゴムや樹脂等の被溶解物
質を溶解前に微細なチップ状に裁断することが行われる
が、溶媒にこれら被溶解物質を投入すると、該被溶解物
質表面より溶解が始まるため、被溶解物質の不溶解部分
同士が結着し、前述した欠点が十分に改善されないケー
スも見られた。
【0004】したがって本発明の目的は、以上の課題を
解決するものであって、詳しくは、構造が簡単であり、
固形物を溶解するのに要する時間を少なくし、固形物の
形状にかかわらず、固形物の不溶解部分が装置内部等に
付着することなく良好に溶解させ得る固形物の溶解装
置、および溶解方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的は、以下の本発
明により達成される。すなわち第1の本発明は、円柱状
の容器内部に、該容器の中心軸を基軸とする攪拌羽根が
備えられた、固形物を溶媒に溶解するための溶解装置で
あって、前記攪拌羽根が、前記容器底面形状および側面
形状に沿って、前記基軸から張り出した形状であり、前
記攪拌羽根の先端部と、前記中心軸と、の間に遮蔽部材
が、前記容器の上部から張り出すように配されてなるこ
とを特徴とする固形物の溶解装置である。
【0006】第1の本発明によれば、前記円柱状の容器
に、樹脂およびゴム類等の固形物と、それを溶解するた
めの溶媒とを投入し、基軸を中心として前記攪拌羽根を
回転させることで、前記容器内には液流が発生し、ま
た、前記容器底面および側面と、前記攪拌羽根との間に
剪断力が生じるとともに、前記遮蔽部材と前記攪拌羽根
との間にも剪断力が生じるため、効率的に固形物に剪断
力を付与することができる。したがって、簡単な構造で
ありながら強力に固形物を剪断および溶解することがで
き、固形物を溶解するのに要する時間を大幅に短縮する
ことができる。
【0007】また、前記攪拌羽根が、前記容器底面形状
および側面形状に沿った形状であるため、前記容器底面
および側面と、前記攪拌羽根との間に剪断力が生じ、容
器内に液の滞留する箇所を生じさせにくく、固形物の形
状にかかわらず、固形物の不溶解部分が装置内部等に付
着することなく良好に固形物を溶解することができる。
【0008】第1の本発明においては、前記攪拌羽根
が、基軸を中心として点対称に複数配されてなることが
好ましい。前記攪拌羽根を複数配することで、より効率
的に前記容器底面および側面と、前記攪拌羽根との間の
剪断力、および、前記遮蔽部材と前記攪拌羽根との間の
剪断力を生じさせ得るため、より固形物の溶解性が良好
となる。また、前記攪拌羽根が、基軸を中心として点対
称に配されているため、前記攪拌羽根全体の重心が基軸
となり、基軸を中心として安定的に前記攪拌羽根を回転
させることができる。
【0009】第1の本発明において、前記容器底面およ
び側面と、前記攪拌羽根との間隙(最短距離)として
は、30mm以下とすることが望ましい。当該間隙を小
さくすることで、両者の間に働く剪断力を強力にせしめ
ることができる。
【0010】第1の本発明において、前記遮蔽部材と前
記攪拌羽根との間隙(最短距離)としては、30mm以
下とすることが望ましい。当該間隙を小さくすること
で、両者の間に働く剪断力を強力にせしめることができ
る。
【0011】第1の本発明において、前記円柱状の容器
に、樹脂およびゴム類等の固形物と、それを溶解するた
めの溶媒とを投入し、基軸を中心として前記攪拌羽根を
回転させた際に、前記攪拌羽根の先端部が、前記容器内
の液面近傍もしくは液面よりも突出した位置に来るよう
に、前記攪拌羽根が前記容器の底面近傍から立ち上がっ
た形状であることが望ましい。前記攪拌羽根の先端部が
前記容器内の液面近傍もしくは液面よりも突出した位置
に配されていることにより、液面近傍に液の滞留部分を
発生させること無く、良好に固形物を溶解することがで
きる。
【0012】さらに、第1の本発明においては、前記攪
拌羽根の上方であって遮蔽部材と干渉しない位置に、前
記基軸を中心とする一般的な形状の攪拌羽根を設けるこ
とが望ましい。第1の本発明の構成に、さらに通常の攪
拌羽根を設けることにより、前記溶媒および固形物の攪
拌力がより一層高められ、極めて良好に固形物を溶解す
ることができる。
【0013】なお、本発明において、攪拌羽根における
「容器底面形状および側面形状に沿って、基軸から張り
出した形状」とは、攪拌羽根の各箇所における、容器底
面または側面からの最短距離を一定に保った状態となる
ように、基軸から張り出した形状のことを言う。また攪
拌羽根における、容器底面からの最短距離と、容器側面
からの最短距離とは、異なっていてもよく、攪拌羽根−
容器底面間と、攪拌羽根−容器側面間と、がそれぞれ一
定の最短距離を保っていればよい。
【0014】ただし、上記「距離を一定に保つ」と言っ
ても、常に正確に一定の距離を保つ必要は無く、容器底
面または容器側面に対して、攪拌羽根がある程度傾斜し
ている場合、あるいは、攪拌羽根自体にある程度凹凸を
有する場合であっても、実質的に容器底面形状および側
面形状に沿った形状であれば、上記本発明に言う攪拌羽
根の形状の概念に含まれるものとする。
【0015】第2の本発明は、固形物を溶媒に溶解する
ための溶解方法であって、第1の本発明の溶解装置の容
器内部に前記固形物および前記溶媒を投入し、基軸を中
心として攪拌羽根を回転させることにより、前記固形物
を前記溶媒に溶解することを特徴とする固形物の溶解方
法である。
【0016】第2の本発明によれば、前記基軸を中心と
して前記攪拌羽根を回転させることで、前記容器内には
液流が発生し、また、前記容器底面および側面と、前記
攪拌羽根との間に剪断力が生じるとともに、前記遮蔽部
材と前記攪拌羽根との間にも剪断力が生じるため、効率
的に固形物に剪断力を付与することができる。したがっ
て、強力に固形物を剪断および溶解することができ、固
形物を溶解するのに要する時間を大幅に短縮することが
できる。
【0017】また、前記容器底面および側面と、前記攪
拌羽根との間に剪断力が生じ、固形物の形状にかかわら
ず、不溶解物が装置内部等に付着することなく良好に固
形物を溶解することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を好ましい実施の形
態を挙げて説明する。図1は、本発明の第1の実施形態
である固形物の溶解装置10の斜視図である。図1にお
いて、12は円柱状の容器であり、内部に容器12の中
心軸を基軸14とする攪拌羽根16が備えられている。
攪拌羽根16は、基軸14の下方先端部で基軸14と接
続し、当該接続部14’を中心として、容器12の底面
形状に沿って側面方向に一対の腕部16a,16a’が
張り出し、かつ、腕部16a,16a’の端部で上方に
立ち上げられ、容器12の側面形状に沿って直立部位1
6b,16b’を形成してなる。
【0019】また、攪拌羽根16の直立部位16bと、
基軸14との間には、基軸14と平行な遮蔽部材18
が、容器12の上部から張り出すように(上から降りて
くるように)配されている。遮蔽部材18は、容器12
の蓋20に取り付けられている。ただし、遮蔽部材18
は、他の担持手段により担持されて、当該箇所に配され
ても構わない。
【0020】図2は、図1に示す本実施形態の溶解装置
10の断面図である。図2に示すように攪拌羽根16の
形状は、腕部16a,16a’において容器12の底面
形状に沿って、これと平行となっており、直立部位16
b,16b’において容器12の側面形状に沿って、こ
れと平行となっている。すなわち、本実施形態のように
容器12の底面形状が平面状であれば、それと平行に基
軸14の接続部14’から張り出し、かつ、容器12の
側面に到達する前に上方に立ち上げられ、容器12の側
面と平行な直立部位を有する形状であることが、本発明
に規定する攪拌羽根の形状となる。なお、基軸14の接
続部14’の底面方向への張り出しは、攪拌羽根16の
形状には含まれない。
【0021】本実施形態においては、攪拌羽根16の腕
部16a,16a’と、容器12の底面との最短距離A
は、攪拌羽根16の直立部位16b,16b’と、容器
12の側面との最短距離Bに対して、若干小さくなって
いる。本発明においては、このように、最短距離Aおよ
びBとは、必ずしも同一でなくてもよい。
【0022】また遮蔽部材18においても、攪拌羽根1
6の腕部16a,16a’と、遮蔽部材18との最短距
離Cは、攪拌羽根16の直立部位16b,16b’と、
遮蔽部材18との最短距離Dに対して、若干小さくなっ
ている。こちらも、両者が同一である必要は無く、攪拌
羽根16や基軸14と干渉しない位置であれば、如何な
る箇所に遮蔽部材18を設けても構わない。なお、本発
明における「攪拌羽根の先端部と、中心軸と、の間」と
の規定は、攪拌羽根が回転した際に描く軌跡と、中心軸
(本実施形態においては基軸14と同一軸)との間を意
味するものであり、攪拌羽根が回転した時のそれぞれの
位置における攪拌羽根と中心軸との間のことを指すもの
では、勿論無い。
【0023】当該溶解装置10を用いて樹脂およびゴム
類等の固形物を溶媒に溶解するには、容器12に、前記
固形物と溶媒とを投入し、不図示のモーターにより基軸
14を中心として攪拌羽根16を回転させる。すると、
容器12内には前記溶媒の液流が発生し、該液流に乗っ
て前記固形物が容器12内を回転する。前記液流は、液
内部では基軸14から容器12側面方向へ、液面近傍で
は容器12側面から基軸14する方向へ向かい、液面が
全体としてすり鉢状になる。
【0024】当該液流の発生により、容器12底面およ
び側面と、攪拌羽根16との間に剪断力が生じるととも
に、遮蔽部材18と攪拌羽根16との間にも剪断力が生
じるため、液流に乗って容器12内を移動する前記固形
物が、これら剪断力の作用を受ける部位に巻き込まれ、
溶解が容易な微細な片へと次々に裁断されて行く。そし
て、前記液流の中で前記固形物と溶媒とが効率的に混ぜ
合わせられ、前記固形物がすばやく溶解する。
【0025】このように本実施形態の溶解装置10によ
れば、効率的に固形物に剪断力を付与することができ、
簡単な構造でありながら強力に固形物を剪断および溶解
することができ、固形物を溶解するのに要する時間を大
幅に短縮することができる。
【0026】また、攪拌羽根16が、容器12底面形状
および側面形状に沿った形状であるため、容器12底面
および側面と、攪拌羽根16との間に剪断力が生じ、容
器内に液の滞留する箇所を生じさせにくく、固形物の形
状にかかわらず、不溶解物が装置内部(容器12の内壁
面、攪拌羽根16等)に付着することなく良好に固形物
を溶解することができる。
【0027】最短距離AおよびBは、小さければ小さい
ほど、容器12の底面または側面と、攪拌羽根16との
間の剪断力が高くなるため好ましいが、あまりに近づけ
すぎると、装置の設計上、精度が維持できず、攪拌羽根
16の回転時に容器12の底面または側面とぶつかって
しまう(干渉を起こしてしまう)場合がある。したがっ
て、かかる問題の生じない範囲で、最短距離AおよびB
を小さく設定することが望ましい。具体的には、最短距
離AおよびBは、30mm以内とすることが好ましく、
10mm以内とすることがより好ましい。
【0028】同様に最短距離CおよびDは、攪拌羽根1
6の回転時に遮蔽部材18と干渉を起こしてしまうこと
の無い範囲で、小さく設定することが望ましく、具体的
には、最短距離CおよびDは、30mm以内とすること
が好ましく、10mm以内とすることがより好ましい。
【0029】攪拌羽根16の形状としては、本実施例に
おいては図3に示す如く、E−E断面が矩形状のものを
用いたが、本発明においてはこれに限定されるものでは
なく、例えば、三角形状、多角形状、およびそれらの角
が丸められた形状、円形状、楕円形状等如何なる形状で
あってもよい。
【0030】図3におけるE−E断面の形状を図4
(a)に示す。本実施形態においては、このように偏平
の、矩形の断面形状を有する攪拌羽根16を、容器12
内に発生する液流方向と長手方向とが一致する向きに配
して用いている。このように、攪拌羽根16の長手方向
と液流方向とを一致させることで、液体にかかる剪断力
を強力なものとすることができる。また、それと共に、
溶解すべき固形物自体の攪拌羽根16への付着を防止す
ることもできる。
【0031】攪拌羽根16の図3におけるE−E断面に
相当する断面形状の、本発明における他の例について、
図4の(b)〜(i)に挙げる。これらの中でも、既述
の如く、偏平状の断面であり、容器12内に発生する液
流方向と長手方向とが一致する向きに配されている
(b)〜(h)が好ましく、液の流れに対し先鋭的な形
状の(c)、(e)、(f)、および(h)が剪断力を
より高め、固形物の攪拌羽根16への付着を防止する上
で好ましい。
【0032】ただし、先鋭的な形状でない方が、液流を
強力に生じさせるには好ましいため、固形物や溶媒の種
類、組み合わせ、固形物の形状、遮蔽部材の形状等に応
じて、好ましくは図4の(a)〜(i)の中から前記断
面形状を適宜選択すればよい。また、前記断面形状とし
ては、攪拌羽根の全ての部位で同一である必要は無く、
例えば、攪拌羽根16のE−E断面形状と、F−F断面
形状とが異なっていてもよい。
【0033】攪拌羽根16の先端部(直立部位16b,
16b’の端部)としては、容器12に、固形物および
溶媒とを投入し、基軸14を中心として攪拌羽根16を
回転させた際に、容器12内の液面近傍もしくは液面よ
りも突出した位置に来ることが望ましい。すなわち、攪
拌羽根16の回転による攪拌により、容器12内の固形
物を含む溶媒の液面は、基軸14を中心としてすり鉢状
となり、容器12側面に行くにしたがって液面が上が
る。この上昇した液面近傍もしくは液面よりも突出した
位置に来るように攪拌羽根16の先端部位置を配するこ
とで、液面近傍に固形物の滞留を発生させること無く、
良好に固形物を溶解することができる。ここで「液面近
傍」としては、前記上昇した液面から下方に100mm
以内であることが好ましく、30mm以内であることが
より好ましい。
【0034】攪拌羽根16は、本実施形態においては基
軸14を中心として一対(2つ)設けられているが、2
つに限定されるものではなく、1つでも3つ以上でも問
題無い。ただし、攪拌羽根16は、基軸14を中心とし
て点対称に複数配されてなることが好ましい。攪拌羽根
16を複数配することで、より効率的に容器12底面お
よび側面と、攪拌羽根16との間の剪断力、および、遮
蔽部材18と攪拌羽根16との間の剪断力を生じさせ得
るため、より固形物の溶解性が良好となる。また、攪拌
羽根16が、基軸14を中心として点対称に配されてい
れば、攪拌羽根16全体の重心が基軸14となり、基軸
14を中心として安定的に攪拌羽根16を回転させるこ
とができる。また、勿論複数の攪拌羽根とすることが、
攪拌効率の観点からは有利である。
【0035】本実施形態において、遮蔽部材18の形状
としては、容器12内に発生する液流方向の断面形状と
して、攪拌羽根16の図3におけるE−E断面の形状に
準じた形状、すなわち、例えば図4(a)〜(i)に示
す形状を何れも選択することができる。なお、遮蔽部材
18の前記断面形状は、何れの箇所においても同一であ
る必要は無く、たとえば液面付近は矩形状、先端部付近
は円形状等であっても問題無い。勿論、遮蔽部材18の
前記断面形状は、攪拌羽根16の同断面形状と同一にす
る必要は無く、固形物や溶媒の種類、組み合わせ、固形
物の形状、攪拌羽根16の形状等に応じて、適宜選択す
ればよい。
【0036】本実施形態において、遮蔽部材18は基軸
14と平行に配されているが、本発明においては、本発
明の効果を損ねない範囲で、基軸14(中心軸)と前記
遮蔽部材とがある程度の傾きを有していても構わない。
具体的には、前記中心軸と前記遮蔽部材との為す角が、
±30°以下であることが好ましく、±10°以下であ
ることがより好ましい。
【0037】本実施形態においては、遮蔽部材18が1
つのみの形態を示したが、本発明において、遮蔽部材の
数は2個以上であっても差し支えない。図5に、遮蔽部
材の様々な態様を示す。図5(a)は、前記断面形状が
矩形である板状の遮蔽部材18aが2つ対になって、蓋
20aに接続している態様を示すものである。蓋20a
の中心には穴22aが設けられている。図1に示す遮蔽
部材18および蓋20に代えて、遮蔽部材18aを下に
向け、基軸14が穴22aに貫通するように容器12に
被せることにより、2つの遮蔽部材18aが容器12内
に配される。
【0038】図5(b)は、前記断面形状が、液流にし
たがって曲面を描くような円弧状である遮蔽部材18b
が2つ対になって、蓋20bに接続している態様を示す
ものである。蓋20bの中心には穴22bが設けられて
いる。図1に示す遮蔽部材18および蓋20に代えて、
遮蔽部材18bを下に向け、基軸14が穴22bに貫通
するように容器12に被せることにより、2つの遮蔽部
材18bが容器12内に配される。
【0039】図5(c)は、前記断面形状が、円形であ
る遮蔽部材18cが4つ、蓋20cの中心を基準とする
点対称に配されて、蓋20cに接続している態様を示す
ものである。蓋20cの中心には穴22cが設けられて
いる。図1に示す遮蔽部材18および蓋20に代えて、
遮蔽部材18cを下に向け、基軸14が穴22bに貫通
するように容器12に被せることにより、4つの遮蔽部
材18cが容器12内に配される。
【0040】本実施形態において、容器12の径として
は、150mm〜1000mmの範囲が好ましく、15
0mm〜500mmの範囲がより好ましい。150mm
未満であると、仕込み量(目標固形分)にもよるが、容
器12内に固形分が密集するため、攪拌羽根16を回転
させるための手段(モータ等)に大きな負荷がかかって
しまう。また、攪拌羽根16自体や遮蔽部材18への負
荷も大きく、曲がりなどの変形を起こすこともあるため
好ましくない。一方、1000mmを超えると、攪拌羽
根16の回転数にもよるが、容器12内で固形物の動き
が鈍くなり、溶解にかかる時間が長くなってしまうため
好ましくない。
【0041】また、容器12の高さとしては、特に制限
はないが、攪拌時の容器12開口部周縁からの溢出を防
ぐために、容器12内に投入する固形物および溶媒によ
る液面に対し十分な高さを確保することが望ましい。な
お、あまりに高い位置に液面が来ると、攪拌羽根16の
先端位置を如何に液面近傍もしくは液面より突出した位
置に配しても、攪拌効率が低下し、逆に液面が低すぎる
と液の飛び散り、あるいは、固形分の飛び散りによる容
器12内面への固形分の付着が問題となる場合がある。
【0042】基軸14を中心として攪拌羽根16を回転
させる、当該回転数(rpm)としては、既述の如く回
転により液面がすり鉢状となるため、液面の上昇部分が
蓋に達しない程度、あるいは、液面の下降部分が基軸1
4の下端近傍に達しない程度とすることが望ましい。実
際には、好ましい回転数は、攪拌羽根16の形状、遮蔽
部材18の形状、およびこれらの配置、容器12の径・
高さ、溶媒の種類(特に粘度)および量、固形物の形状
および量、等の各要素により大幅に異なってくるので、
これらを考慮して最適の値に適宜調整すればよい。
【0043】図6は、本発明の第2の実施形態である固
形物の溶解装置60の断面図である。図6において、6
2は円柱状の容器であり、内部に容器62の中心軸を基
軸64とする攪拌羽根66が備えられている。容器62
は、底面の周端の角が取られ、アールを形成している。
攪拌羽根66は、基軸64の下方先端部で基軸64と接
続し、当該接続部64’を中心として、容器62の底面
形状に沿って側面方向に一対の腕部66a,66a’が
張り出し、腕部66a,66a’の端部で、容器62底
面周端のアールに沿った形状に上方に立ち上げられ、容
器62の側面形状に沿って直立部位66b,66b’を
形成してなる。すなわち、基軸64および攪拌羽根66
は、図7に斜視図を示した形状となっている。
【0044】また、攪拌羽根66の直立部位66bと、
基軸64との間には、基軸64と平行な遮蔽部材68
が、容器62の上部から張り出すように(上から降りて
くるように)配されている。遮蔽部材68は、容器62
の蓋70に取り付けられている。ただし、遮蔽部材68
は、他の担持手段により担持されて、当該箇所に配され
ても構わない。
【0045】本実施形態においても、固形物を溶媒に溶
解する際の基本的な動作、作用および効果は、第1の実
施形態と同様である。ただし、容器62の底面周端の角
が取られているため、当該箇所に液の滞留がより発生し
にくく、固形物を完全に溶解させることがより容易とな
る。
【0046】本実施形態において、攪拌羽根66の図7
におけるH−H断面形状は、円形状であるが、かかる断
面形状に関する考え方も第1の実施形態と同様であり、
本発明においては、かかる形状に限定されない。
【0047】本実施形態において、容器62底面および
側面と、攪拌羽根66との間隙、および、遮蔽部材68
と攪拌羽根66との間隙、に関する考え方も第1の実施
形態と同様であるが、本実施形態においては、容器62
底面周端および攪拌羽根66のアール部において注意を
要する。当該箇所においては、容器62と攪拌羽根66
との最短距離I、および、遮蔽部材68と攪拌羽根66
との最短距離G、を基準として、前記第1の実施形態の
考え方が論じられる。
【0048】その他、攪拌羽根66の先端部位置、攪拌
羽根66の数、遮蔽部材68の形状・位置・数・態様、
容器62の径および高さ、液面の高さ、等については、
前記第1の実施形態と同様である。
【0049】図8は、本発明の第3の実施形態である固
形物の溶解装置80の断面図である。図8において、8
2は円柱状の容器であり、内部に容器82の中心軸を基
軸84とする攪拌羽根86が1つ備えられている。容器
82は、底面形状が偏平半球面状となっている。攪拌羽
根86は、基軸84の下方先端部で基軸84と接続し、
容器82の底面形状に沿って側面方向に張り出し、端部
で容器82の側面形状に沿って立ち上げられてなる。
【0050】また、攪拌羽根86の先端部と、基軸84
との間には、基軸84と平行な遮蔽部材88が、容器8
2の上部から張り出すように(上から降りてくるよう
に)配されている。遮蔽部材88は、容器82の蓋90
に取り付けられている。ただし、遮蔽部材88は、他の
担持手段により担持されて、当該箇所に配されても構わ
ない。
【0051】本実施形態においても、固形物を溶媒に溶
解する際の基本的な動作、作用および効果は、第1の実
施形態と同様である。ただし、容器82の底面形状が偏
平半球面状であること、攪拌羽根86を一つのみしか有
しないこと、の2点が異なる。したがって、容器82の
底部に液の滞留がより発生しにくく、固形物を完全に溶
解させることがより容易となる。また、攪拌羽根86が
1つのみであることより、基軸84を中心とする攪拌羽
根86の回転の安定性に欠け、攪拌効率も若干劣るもの
の、装置としての簡略化を図ることが可能となる。
【0052】本実施形態において、容器82底面および
側面と、攪拌羽根86との間隙、および、遮蔽部材88
と攪拌羽根86との間隙、に関する考え方も第1の実施
形態と同様であるが、本実施形態においては、容器82
底面および攪拌羽根66のアール部において注意を要す
る。当該箇所においては、容器82と攪拌羽根86との
最短距離KまたはL、および、遮蔽部材88と攪拌羽根
86との最短距離J、を基準として、前記第1の実施形
態の考え方が論じられる。
【0053】その他、攪拌羽根86の先端部位置、攪拌
羽根86の形状・数、遮蔽部材88の形状・位置・数・
態様、容器82の径および高さ、液面の高さ、等につい
ては、前記第1の実施形態と同様である。
【0054】図9は、本発明の第4の実施形態である固
形物の溶解装置100の斜視図である。第4の実施形態
は、第1の実施形態と基本構成が共通し、さらに本実施
形態特有の構成が付加されたものであるため、図9にお
いて、第1の実施形態と同一の機能を有する部材につい
ては図1と同一の符号を付して、その詳細な説明は省略
することとする。
【0055】本実施形態においては、攪拌羽根16(よ
り詳細には攪拌羽根16の腕部16a,16a’)の上
方であって、遮蔽部材18と干渉しない位置に、基軸1
4を中心とする一般的な形状の攪拌羽根24が設けられ
ている。
【0056】当該溶解装置100を用いて樹脂およびゴ
ム類等の固形物を溶媒に溶解するには、容器12に、前
記固形物と溶媒とを投入し、不図示のモーターにより基
軸14を中心として攪拌羽根16および一般的な形状の
攪拌羽根24を回転させる。容器12内には前記溶媒の
液流が発生し、該液流に乗って前記固形物が容器12内
を回転する。このとき前記液流は、一般的な形状の攪拌
羽根24が加わることにより、攪拌羽根16のみで付与
される液流がより強くなり、前記固形物は液内を激しく
移動する。
【0057】すると、容器12底面および側面と、攪拌
羽根16との間に剪断力が生じるとともに、遮蔽部材1
8と攪拌羽根16との間にも剪断力が生じるため、液流
に乗って容器12内を移動する前記固形物が、これら剪
断力の作用を受ける部位に巻き込まれ、溶解が容易な微
細な片へと裁断されて行く。そして、前記激しい液流の
中で前記固形物と溶媒とが効率的に混ぜ合わせられ、前
記固形物がすばやく溶解する。
【0058】このように本実施例の溶解装置100によ
れば、極めて効率的に固形物に剪断力および攪拌力を付
与することができ、簡単な構造でありながら強力に固形
物を剪断および溶解することができ、固形物を溶解する
のに要する時間をより大幅に短縮することができる。
【0059】本実施形態における一般的な形状の攪拌羽
根24とは、図10に示す形状のものである。図10
(a)は一般的な形状の攪拌羽根24の正面図、図10
(b)は一般的な形状の攪拌羽根24の平面図であり、
さらに図10(c)は一般的な形状の攪拌羽根24の斜
視図である。図10に示す通り、一般的な形状の攪拌羽
根24は、基軸14を中心として点対称に4つの羽根が
配された形状をしており、かつ、これらの羽根が一般的
な形状の攪拌羽根24の回転方向に対して一定の角度を
為すように傾けられている。
【0060】攪拌羽根24の個々の羽根の長さとして
は、遮蔽部材18にぶつからない(干渉しない)長さで
あれば問題無く、かかる干渉しない範囲でより長いもの
とすることが、攪拌効率向上の観点から望ましい。
【0061】本実施例においては、図10に示す一般的
な形状の攪拌羽根24を「一般的な形状の攪拌羽根」と
して用いたが、かかる「一般的な形状の攪拌羽根」は、
従来公知のあらゆる攪拌羽根を、用途に応じて選択し得
る。
【0062】以上、本発明を好ましい実施の形態を挙げ
て説明したが、本発明はこれら実施例に限定されるもの
ではない。例えば、上記各実施形態においては、基軸は
容器の上部から投入される形態を示したが、容器の底面
を貫通する基軸が下方から伸び、攪拌羽根の上方には軸
となる棒の存在しない構成であってもよい。この場合、
遮蔽部材は、基軸の延長線である容器の中心軸と、攪拌
羽根との間に配される。
【0063】また、上記各実施形態においては、攪拌羽
根を回転することで液流(さらには液中における剪断
力)を生じさせたが、攪拌羽根は容器との関係で相対的
に回転させればよく、すなわち、攪拌羽根自体は固定し
ておき、容器の方を回転させたり、双方を逆方向に回転
させることにより液流を生じさせてもよい(本発明にお
いて、かかる構成も「攪拌羽根を回転」の概念に含める
ものとする)。
【0064】さらに、上記実施形態では、攪拌羽根とし
て、かなり忠実に容器底面および側面に沿った形状のも
のを挙げて説明したが、本発明においては、例えば、第
1の実施形態および第2の実施形態にそれぞれ示す形状
の、容器および攪拌羽根を、相互に入れ替えた構成(す
なわち、攪拌羽根の容器底面に対応する箇所と、容器側
面に対応する箇所と、の繋ぎ目のいわゆる立ち上がり部
分の形状が、容器底面の周縁部の形状と異なり、一方が
アールを有し、他方がアールを有しない構成)であって
も、全体として攪拌羽根が容器底面および側面に実質的
に沿った形状となっていれば問題ない。
【0065】本発明の固形物の溶解装置には、容器周囲
に溶液温度制御のためのジャケットを設けることで、溶
解中の固形物および溶媒の温度を一定に制御することも
できる。かかるジャケットは、前記固形物および溶媒の
冷却および加温双方を目的とすることができる。
【0066】以上、本発明の溶解装置を説明したが、本
発明の溶解方法は、かかる本発明の溶解装置を用いて固
形物を溶媒に溶解する方法である。すなわち、本発明の
溶解方法は、固形物を溶媒に溶解するための溶解方法で
あって、前記本発明の溶解装置の容器内部に前記固形物
および前記溶媒を投入し、その後、前記基軸を中心とし
て周端攪拌羽根を回転させることにより、前記固形物を
前記溶媒に溶解することを特徴とする。
【0067】本発明の溶解方法によれば、前記基軸を中
心として前記攪拌羽根を回転させることで、前記容器内
には液流が発生し、また、前記容器底面および側面と、
前記攪拌羽根との間に剪断力が生じるとともに、前記遮
蔽部材と前記攪拌羽根との間にも剪断力が生じるため、
効率的に固形物に剪断力を付与することができる。した
がって、強力に固形物を剪断および溶解することがで
き、固形物を溶解するのに要する時間を大幅に短縮する
ことができる。
【0068】また、前記容器底面および側面と、前記攪
拌羽根との間に剪断力が生じ、固形物の形状にかかわら
ず、不溶解物が装置内部等に付着することなく良好に固
形物を溶解することができる。
【0069】本発明の溶解装置および溶解方法に適用で
きる固形物としては、特に限定されないが、例えば、ブ
タジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、イソプロピレ
ンゴム、エチレンプロピレンゴム、ニトリルブタジエン
ゴム、クロロピレンゴム、ブチルゴム、ウレタンゴム、
シリコーンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、エピ
クロロヒドリンゴム、プロピレンオキサイドゴム、エチ
レン酢酸ビニルゴム、エチレンアクリル酸エステルゴ
ム、ノボルネンゴム、フッ素ゴム等の合成ゴム類、天然
ゴム類や熱可塑性の合成樹脂等を挙げることができる。
【0070】また本発明の溶解装置および溶解方法に適
用できる溶媒としては、特に限定されないが、例えば、
ケトン類、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチ
ル、シクロヘキサノン、n−ヘキサン、アルコール類等
を挙げることができ、これら1種を単独で、あるいは2
種以上を適宜混合して使用することができる。
【0071】
【実施例】次に、本発明を実施例を挙げて、より具体的
に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるも
のではない。 (実施例1)本実施例においては、図1および図2に示
す溶解装置を用いた。当該溶解装置の詳細は以下の通り
である。なお、各最短距離を示す記号は、図2中の記号
を用いた。
【0072】1)容器12 ・内径:208mm ・高さ:350mm
【0073】2)攪拌羽根16(板状) ・腕部16a,16a’の全長:190mm(最短距離
Bが9mm) ・腕部16a,16a’の幅:30mm ・腕部16a,16a’の厚み:4mm ・直立部位16b,16b’の長さ(高さ):200m
m(攪拌時、液面からの先端部の高さ約+50mm) ・直立部位16b,16b’の幅:30mm ・直立部位16b,16b’の厚み:4mm ・最短距離A:7mm
【0074】3)遮蔽部材18(円柱状) ・直径:8mm ・最短距離C:7mm ・最短距離D:7mm
【0075】先ず、容器12にメチルイソブチルケトン
2500gを投入し、続いて厚さ3〜5mm(平均4m
m)、30mm角に裁断されたフッ素ゴム(フッ素ゴム
(昭和電工・デュポン社製、商品名:VITON E−
60C)100重量部、カーボンブラック(ヴァンデル
ビルト社製、商品名:テルマックスMT)10重量部、
酸化マグネシウム(協和化学工業社製、商品名:#3
0)15重量部からなるもの)を1000g投入し、基
軸14を中心として攪拌羽根16を180rpmで回転
して、溶解を実施した。溶解終了までの時間は、3時間
であった。このときの溶液の固形分濃度を測定したとこ
ろ、28.6重量%であった。また、容器12内壁面、
攪拌羽根16および遮蔽部材18を確認したところ、固
形物の付着は確認されなかった。
【0076】(実施例2)実施例1において、攪拌羽根
16(板状)を図7に示す攪拌羽根66(パイプ状)に
代え、遮蔽部材18の直径を7mmに変えた他は、実施
例1と同様の溶解装置を用いた。攪拌羽根66の詳細は
以下の通りである。なお、各記号は、図7中の記号を用
いた。
【0077】・全長K:190mm(最短距離Bが9m
m) ・高さL:200mm(攪拌時液面からの先端部の高さ
約+50mm) ・H−H断面における直径:7mm ・アール部の曲率半径R:10mm ・最短距離A:7mm
【0078】攪拌羽根66の回転数を200rpmに変
えたことを除き、実施例1と同様にして、溶解を実施し
た。溶解終了までの時間は、3時間であった。このとき
の溶液の固形分濃度を測定したところ、28.6重量%
であった。また、容器12内壁面、攪拌羽根66および
遮蔽部材18を確認したところ、固形物の付着は確認さ
れなかった。
【0079】(実施例3)実施例1において、攪拌羽根
16の位置を、最短距離Aが40mm(攪拌時液面から
の先端部の高さ約+90mm)になるように変えた他
は、実施例1と同様の溶解装置を用い、溶解を実施し
た。溶解終了までの時間は、12時間であった。このと
きの溶液の固形分濃度を測定したところ、28.6重量
%であった。また、容器12内壁面、攪拌羽根16およ
び遮蔽部材18を確認したところ、固形物の付着は確認
されなかった。
【0080】(実施例4)実施例1において、攪拌羽根
16を腕部16a,16a’の全長が140mm(最短
距離Bが34mm)のものに代え(攪拌時液面からの攪
拌羽根16先端部の高さ約+60mm)、これに対応し
て、最短距離CおよびDを変えることが無いように遮蔽
部材18の位置を移動した他は、実施例1と同様の溶解
装置を用い、溶解を実施した。溶解終了までの時間は、
12時間であった。このときの溶液の固形分濃度を測定
したところ、28.6重量%であった。また、容器12
内壁面、攪拌羽根16および遮蔽部材18を確認したと
ころ、固形物の付着は確認されなかった。
【0081】(実施例5)実施例1において、遮蔽部材
18の位置を、最短距離Cおよび最短距離D共に50m
mとなるように変えた他は、実施例1と同様の溶解装置
を用い、溶解を実施した。溶解終了までの時間は、14
時間であった。このときの溶液の固形分濃度を測定した
ところ、28.6重量%であった。また、容器12内壁
面、攪拌羽根16および遮蔽部材18を確認したとこ
ろ、固形物の付着は確認されなかった。
【0082】(実施例6)本実施例においては、図9に
示す溶解装置100を用いた。これは、実施例1におい
て用いた溶解装置10に対して、さらに攪拌羽根16
(より詳細には攪拌羽根16の腕部16a,16a’)
の上方であって、遮蔽部材18と干渉しない位置に、基
軸14を中心とする一般的な形状の攪拌羽根24(図1
0に示すもの)が設けられたものである(攪拌時液面か
らの攪拌羽根16先端部の高さ約+45mm)。攪拌羽
根24以外の各構成は、実施例1と同様のものとした。
一般的な形状の攪拌羽根24の詳細は以下の通りであ
る。
【0083】・羽根(一対)の全長:90mm ・羽根の厚み:3mm ・回転方向に対する傾斜角度:30°
【0084】先ず、容器12にメチルイソブチルケトン
2500gを投入し、続いて厚さ3〜5mm(平均4m
m)、30mm角に裁断されたフッ素ゴム(フッ素ゴム
(昭和電工・デュポン社製、商品名:VITON E−
60C)100重量部、カーボンブラック(ヴァンデル
ビルト社製、商品名:テルマックスMT)10重量部、
酸化マグネシウム(協和化学工業社製、商品名:#3
0)を1000g投入し、基軸14を中心として攪拌羽
根16および一般的な攪拌羽根24を180rpmで回
転して、溶解を実施した。溶解終了までの時間は、2.
5時間であった。このときの溶液の固形分濃度を測定し
たところ、28.6重量%であった。また、容器12内
壁面、攪拌羽根16、一般的な攪拌羽根24および遮蔽
部材18を確認したところ、固形物の付着は確認されな
かった。
【0085】(比較例1)実施例1において、遮蔽部材
18を除した他は、実施例1と同様の溶解装置(攪拌時
液面からの攪拌羽根16先端部の高さ約+45mm)を
用い、溶解を実施した。溶解終了までの時間は、15時
間であった。このときの溶液の固形分濃度を測定したと
ころ、24重量%であった(すなわち、フッ素ゴムは完
全には溶解していなかった。)。また、容器12内壁面
および攪拌羽根16を確認したところ、攪拌羽根16表
面にかなりの量の固形物の付着が確認された。
【0086】(比較例2)実施例6において、攪拌羽根
16を除した他は(すなわち、攪拌用として一般的な形
状の攪拌羽根24のみを配した構成)、実施例1と同様
の溶解装置を用い、溶解を実施した。溶解終了までの時
間は、15時間であった。このときの溶液の固形分濃度
を測定したところ、23重量%であった(すなわち、フ
ッ素ゴムは完全には溶解していなかった。)。また、容
器12内壁面、遮蔽部材18および攪拌羽根24を確認
したところ、攪拌羽根24全面および容器12内面の底
部から側面にかけて、かなりの量の固形物の付着が確認
された。
【0087】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、固
形物を溶解するのに要する時間を少なくし、不溶解物が
装置内部等に付着することなく良好に固形物を溶解する
ことができる。
【0088】また、本発明によれば、溶解しようとする
固形物の形状が、例えばシート状あるいは塊状の場合で
あっても、攪拌羽根−容器底面および側面間、攪拌羽根
−遮蔽部材間に強力な剪断力が発生するため、良好な溶
解性が達成され、これら被溶解物たる固形物の裁断工程
を省くこともできる。
【0089】さらに、本発明の溶解装置は簡単な構造で
あるため、投入した材料を溶解後回収する際に、装置内
部に残存してしまうような材料のロスも少なく、洗浄等
のメンテナンスも容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態である固形物の溶解
装置の斜視図である。
【図2】 図1に示す固形物の溶解装置の断面図であ
る。
【図3】 図1に示す固形物の溶解装置における攪拌羽
根の斜視図である。
【図4】 本発明における攪拌羽根の断面形状の各種例
を示す模式図である。
【図5】 本発明における遮蔽部材の様々な態様を示す
斜視図である。
【図6】 本発明の第2の実施形態である固形物の溶解
装置の斜視図である。
【図7】 図6に示す固形物の溶解装置における攪拌羽
根の斜視図である。
【図8】 本発明の第3の実施形態である固形物の溶解
装置の断面図である。
【図9】 本発明の第4の実施形態である固形物の溶解
装置の断面図である。
【図10】 図9に示す固形物の溶解装置における一般
的な形状の攪拌羽根の斜視図である。
【符号の説明】
10,60,80,100 溶解装置 12,62,82 容器 14,64,84 基軸 16,66,86 攪拌羽根 18,68,88 遮蔽部材 20,70,90 蓋 22a,22b,22c 穴 24,26 一般的な形状の攪拌羽根

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円柱状の容器内部に、該容器の中心軸を
    基軸とする攪拌羽根が備えられた、固形物を溶媒に溶解
    するための溶解装置であって、 前記攪拌羽根が、前記容器底面形状および側面形状に沿
    って、前記基軸から張り出した形状であり、 前記攪拌羽根の先端部と、前記中心軸と、の間に遮蔽部
    材が、前記容器の上部から張り出すように配されてなる
    ことを特徴とする固形物の溶解装置。
  2. 【請求項2】 固形物を溶媒に溶解するための溶解方法
    であって、請求項1に記載の溶解装置の容器内部に前記
    固形物および前記溶媒を投入し、基軸を中心として攪拌
    羽根を回転させることにより、前記固形物を前記溶媒に
    溶解することを特徴とする固形物の溶解方法。
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