JP2001106605A

JP2001106605A - 排水口用除菌剤及び排水口用除菌具

Info

Publication number: JP2001106605A
Application number: JP28442099A
Authority: JP
Inventors: Takayuki Taniguchi; 能之谷口; Keisuke Hotta; 恵介堀田
Original assignee: KING CHEMICALS CO; KING KAGAKU KK
Current assignee: KING CHEMICALS CO; KING KAGAKU KK
Priority date: 1999-10-05
Filing date: 1999-10-05
Publication date: 2001-04-17

Abstract

(57)【要約】【課題】本発明は以上の事情に鑑みてなされたもので
あり、ストレイナーや排水口のステンレス等に錆を発生
させず、またストレイナー上部のゴム製の蓋等の変形を
防止できる優れた排水口用除菌具を安価に提供すること
を課題とする。【解決手段】トリクロロイソシアヌル酸、安息香酸及
び揮散性防錆剤を含有する錠剤を、通水孔(12)を有する
合成樹脂製の容器(1) に保持してなる排水口用除菌具
(3) であって、前記錠剤(2) は、トリクロロイソシアヌ
ル酸の含有率を１０乃至３０重量％、安息香酸の含有率
を６０乃至８９．５重量％、揮散性防錆剤の含有率を
０．５乃至１０重量％としたことを特徴とする排水口用
除菌具を解決手段とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明が属する技術分野】本発明は、流し台のストレイ
ナーに生ずるヌメリの除去及び発生の防止を目的とし
て、流し台排水口に使用される排水口用除菌剤及び排水
口用除菌具に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】トリクロロイソシアヌル酸および有機酸
を併用した排水口用の除菌手段としては、例えば、特開
平８−２３１３１４号に記載されるように、安息香酸、
クエン酸、アジピン酸、コハク酸、リンゴ酸および酒石
酸よりなる群から選ばれた少なくとも一種の有機酸（以
下、一群の有機酸という。）とトリクロロイソシアヌル
酸を含有し、その一群の有機酸の配合割合が全体の１乃
至５０重量％としたトリクロロイソシアヌル酸成形物が
公知である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ここで、上記トリクロ
ロイソシアヌル酸成形物は、トリクロロイソシアヌル酸
を実質的に６０乃至９０重量％程度使用し、一群の有機
酸は、トリクロロイソシアヌル酸形成物が水中に浸漬又
は流水に接触した際に崩壊することを防止すべく添加さ
れるものであり、結果として、トリクロロイソシアヌル
酸によって発生する多量の塩素ガスの強力な酸化力によ
って、排水口におけるストレイナーのヌメリを除去する
ことは可能であるが、その反面、ストレイナーや排水口
のステンレスに錆を発生させたり、ストレイナー上部の
ゴム製の蓋を変形させる欠点があった。

【０００４】このため、前記錆の発生を防止するために
は、極めて多量の防錆剤を添加しなければならず、また
この場合においても、ストレイナー上部のゴム製の蓋の
変形を防止することができないこともある。

【０００５】このような事情から、トリクロロイソシア
ヌル酸を使用したヌメリ取りにおいては、ストレイナー
の錆の発生等については、ある程度やむをえないものと
する考え方が支配的であった。

【０００６】その一方で、錆の発生を完全に防止するこ
とを目的として、非塩素系の成分を配合したものもある
が、これはステンレスやゴムに対しての影響はないもの
の、塩素製剤と比べ効果が非常に劣っているものが多
く、実用上洗浄効果が不十分である。

【０００７】本発明は以上の事情に鑑みてなされたもの
であり、ストレイナーや排水口のステンレス等に錆を発
生させず、またストレイナー上部のゴム製の蓋等の変形
を防止できる優れた排水口用除菌具を安価に提供するこ
とを課題とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】トリクロロイソシアヌル
酸、安息香酸及び揮散性防錆剤を含有する排水口用除菌
剤であって、トリクロロイソシアヌル酸の含有率を１０
乃至３０重量％、安息香酸の含有率を６０乃至８９．５
重量％、揮散性防錆剤の含有率を０．５乃至１０重量％
としたことを特徴とする排水口用除菌剤等を、課題を解
決するための手段とするものである。

【０００９】

【発明の効果】本発明によれば、錠剤におけるトリクロ
ロイソシアヌル酸の含有率を１０乃至３０重量％、安息
香酸の含有率を６５乃至８９．５重量％、揮散性防錆剤
の含有率を０．５乃至１０重量％とし、トリクロロイソ
シアヌル酸の含有量を極めて低いものとして発生する塩
素量を低減することにより、ステンレスやゴムに対する
錆や変質などの影響を大幅に軽減することができる。

【００１０】また、このような錠剤を通水孔を有するケ
ースによって保持することにより、万が一前記錠剤が割
れ或いは崩壊を生じた場合においても、錠剤が水道へ流
されることもなく、錠剤が全て消費されるまで使用する
ことができる。

【００１１】更に、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム
を、トリクロロイソシアヌル酸とともに容器内に収納す
ることにより、除菌効果が即効性、遅効性によって長期
にわたって維持された上で、低濃度の塩素による錆の発
生やゴムの変質を防止することができる。

【発明の実施の形態及び実施例】図１は本発明の実施例
１に係る排水口用除菌具の展開状態を示す斜視図、図２
は本発明の実施例２に係る排水口用除菌具の展開状態を
示す斜視図、図３は本発明の実施例２に係る排水用除菌
具の使用状態を示す説明図である。

【００１２】（実施例１）本発明の実施例１に係る排水
口用除菌具は、図１にその展開状態を示すように、多数
のスリット状の通水孔(12)を有するポリエチレン製の容
器本体(10)に環状として長さ約１０ｃｍ程度とした吊紐
(11)を取付けた容器(1) 内に、トリクロロイソシアヌル
酸、安息香酸及び揮散性防錆剤としてジシクロヘキシル
アンモニウムナイトライト（ｄｉｃｙｃｌｏｈｅｘｙｌ
ａｍｍｏｎｉｕｍｎｉｔｒｉｔｅ，ＤＩＣＨＡＮ）
を配合し加圧成形により重量２０ｇ、形状は直径３０ｍ
ｍ、高さ１６．３ｍｍの円盤状とした錠剤(2) を保持し
た構成を有するものであり、容器(1) は、雌側容器(15)
及び雄側容器(16)を蝶番(14)を介して開閉自在とし、該
雌側容器(15)及び雄側容器(16)に設けられた雌係合部(1
7)及び雄係合部(18)により閉口状態を維持するととも
に、紐吊下げ構造に吊紐を装着するものであり、錠剤中
における各成分の配合割合は、トリクロロイソシアヌル
酸を１０重量％、安息香酸を８９重量％、揮散性防錆剤
を１重量％としたものである。

【００１３】（実施例２）次に、本発明の実施例２に係
る排水口用除菌具は、図２に示すように、２つの錠剤(2
0)(21)を別個に収容すべく、容器(1) の内部に仕切用突
起(13)を形成し、該仕切用突起(13)によって２つの錠剤
(20)(21)を離間して収容するものであり、錠剤(2) は、
トリクロロイソシアヌル酸を３０％、安息香酸を６０重
量％及び揮散性防錆剤としては実施例1と同様に、ジシ
クロヘキシルアンモニウムナイトライトを１０重量％配
合して加圧成形により得られる重量２０ｇの円盤状の錠
剤(20)と、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムの重量１
０ｇの円盤状の錠剤(21)を使用し、遅効性を有する前記
トリクロロイソシアヌル酸を含有する錠剤(20)を前記蝶
番による連結端側寄りとし、即効性を有する前記ジクロ
ロイソシアヌル酸ナトリウムの錠剤(21)を開閉自由端側
寄りとして収納したものである。

【００１４】本実施例２においては、このように、一般
的に遅効性を有するトリクロロイソシアヌル酸と即効性
を有するジクロロイソシアヌル酸ナトリウムを併用する
ことにより、特にヌメリのひどい使用当初のみにおいて
は、ジクロロイソシアヌル酸を含有する錠剤(21)の即効
性によって、大半のヌメリを除去した後、低濃度のトリ
クロロイソシアヌル酸を含有する錠剤(20)によってステ
ンレス等の錆の発生を抑制するとともに、残存するヌメ
リを除去し、新たなヌメリの発生を防止するものであ
る。

【００１５】（使用方法）これら実施例１及び実施例２
における排水口用除菌具(3) は、図３に示すように、一
般家庭における排水口ストレイナー(4) の把手(40)に、
容器(1) の吊紐(11)をループ掛けして、吊紐(11)の長さ
を約１０ｃｍ程度として吊下げて使用するものであり、
排流水と当該排水口用除菌具(3) とが接触し、これによ
って、塩素ガスを発生させ、ヌメリを溶解させるもので
ある。

【００１６】尚、本発明に係る排水口用除菌剤は、実施
例１及び実施例２のように限定されるものではなく、種
々の公知な手段によって排水口の除菌を行うことがで
き、例えば、メッシュ状の袋内に錠剤を収納する等の手
段を用いることができる。

【００１７】（試験）本発明を完成するにあたり、下記
に示す内容で、試験を行った。（試験１）ステンレス及びゴム蓋に対する影響調査（試験２）一般家庭における使用試験（使用した試料）トリクロロイソシアヌル酸、安息香酸
及び揮散性防錆剤を、以下の表１に記載した割合で配合
した直径３０ｍｍ、高さ１６．３ｍｍの円盤状の錠剤を
試料として用い、上記試験１及び試験２を行った。

【表１】

【００１８】（試験１）２０００ｍｌビーカー内におい
て、樹脂製円筒上に樹脂製の網を載せ、布で覆った台の
上に試料となる錠剤１錠を載置した。次に、そのビーカ
ー内に、縦６０ｍｍ、横２０ｍｍ、高さ１ｍｍのステン
レスの小片を立てかけ、該小片が半分浸る程度（約２０
０ｍｌ）の水を注いだ。この後、ビーカー上部をゴム製
蓋（流し台排水口用ゴム蓋）で覆い、該ビーカーを静置
して前記ステンレスの小片における錆の発生とゴム蓋の
変形の有無を確認した。本試験１の結果を、以下、表２
及び３に示す。

【００１９】

【表２】ステンレスの小片に対する錆の発生−：錆が認められず
+：錆の発生（+：微量〜+++：中程度〜+++++：広範
囲）

【００２０】以上の試験結果より、試料１乃至試料３に
おいて、ステンレスの小片に対する錆の発生が試験開始
から７日後まで全く観察されず、優れた防錆能を有する
ことが判明した。

【表３】ゴム製蓋に対する影響−：変形が認められず +：変形
あり（+：微量〜+++：中程度〜+++++：広範囲）以上の試験結果より、試料１乃至試料４において、ゴム
製蓋の変形が試験開始から３０日後まで全く観察され
ず、極めて良好な結果を得ることができた。

【００２１】（試験２）錠剤を通水孔を有する合成樹脂
製容器に保持し、紐で一般家庭の排水口ストレイナーの
把手にループ掛けをして、ストレイナーの垂直壁内面に
位置する紐の長さとして吊下げ、ストレイナー内のヌメ
リの発生状況及び錠剤の効力持続日数につき、性能試験
を行った。

【００２２】

【表４】本試験２の結果により、略１ヶ月間のヌメリの抑制及び
溶解持続性を得ることができた。

【００２３】上記試験１及び試験２において、トリクロ
ロイソシアヌル酸の含有量を抑えることにより発生する
塩素量を抑え、ステンレスやゴムに対して影響を与える
こと無く、約１ヶ月間のヌメリ抑制と溶解持続性を得る
ことができることが明らかとなった。

【００２４】尚、試験における結果、トリクロロイソシ
アヌル酸における錠剤に対する重量％が０．５％未満の
場合には、ヌメリの除去及び抑制が十分に行えなず、ま
たトリクロロイソシアヌル酸における錠剤に対する重量
％が５０％を超えると、塩素の発生量の増加に伴い、ス
テンレスに錆が発生することから、適当でないことが判
明した。

【００２５】また、揮散性防錆剤は、本実施例において
使用したジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト
（ＤＩＣＨＡＮ）以外に、例えば、ベンゾトリアゾール
（ＢＴ）、トリルトリアゾール（Ｔ．Ｔ）、ジイソプロ
ピルアンモニウムナイトライト（ＤＩＰＡＮ）等を使用
することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例１に係る排水口用除菌具の展開
状態を示す斜視図である。

【図２】本発明の実施例２に係る排水口用除菌具の展開
状態を示す斜視図である。

【図３】本発明の実施例２に係る排水用除菌具の使用状
態を示す説明図である。

【符号の説明】

(1) 容器 (2) 錠剤 (3) 排水口用除菌具 (4) ストレイナー (10) 容器本体 (11) 吊紐 (12) 通水孔 (13) 仕切用突起 (14) 蝶番 (15) 雌側容器 (16) 雄側容器 (17) 雌係合部 (18) 雄係合部 (20) 錠剤 (21) 錠剤 (40) 把手

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号ＦＩテーマコート゛(参考）Ｃ０２Ｆ 1/50 ５１０Ｃ０２Ｆ 1/50 ５１０Ｃ５３２５３２ＨＥ０３Ｃ 1/126 Ｅ０３Ｃ 1/126

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】トリクロロイソシアヌル酸、安息香酸及
び揮散性防錆剤を含有する排水口用除菌剤であって、ト
リクロロイソシアヌル酸の含有率を１０乃至３０重量
％、安息香酸の含有率を６０乃至８９．５重量％、揮散
性防錆剤の含有率を０．５乃至１０重量％としたことを
特徴とする排水口用除菌剤。
【請求項２】トリクロロイソシアヌル酸の含有率を１
０乃至３０重量％、安息香酸の含有率を６０乃至８９．
５重量％、揮散性防錆剤の含有率を０．５乃至１０重量
％とした錠剤を、通水口を有する合成樹脂製容器に保持
してなることを特徴とする排水口用除菌具。
【請求項３】ジクロロイソシアヌル酸塩を含有する錠
剤を容器に収納したことを特徴とする請求項２記載の排
水口用除菌具。