JP2001089507A - 塩化ビニル系樹脂 - Google Patents

塩化ビニル系樹脂

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JP2001089507A
JP2001089507A JP27266399A JP27266399A JP2001089507A JP 2001089507 A JP2001089507 A JP 2001089507A JP 27266399 A JP27266399 A JP 27266399A JP 27266399 A JP27266399 A JP 27266399A JP 2001089507 A JP2001089507 A JP 2001089507A
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JP
Japan
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vinyl chloride
ppm
chloride resin
amount
polymerization
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Pending
Application number
JP27266399A
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English (en)
Inventor
Yuki Goto
祐樹 後藤
Yukio Shibazaki
行雄 柴崎
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 諸物性を低下させず、加熱時の塩化水素の発
生量が少ない塩化ビニル系樹脂の提供。 【解決手段】 塩化ビニル系単量体を油溶性開始剤の存
在下で、水性媒体中で懸濁重合する際に、反応系に、ソ
ルビタン高級脂肪酸エステルを塩化ビニル系単量体に対
して500〜5000ppm添加することにより得られ
る塩化ビニル系樹脂。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、諸物性を低下させ
ず、加熱時の塩化水素量の発生量が少ない、熱安定性に
優れた塩化ビニル系樹脂に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、塩化ビニル系樹脂は、機械的強
度、耐候性、耐薬品性に優れた特性を有する材料とし
て、パイプ、継手、プレート、シート等の幅広い用途に
用いられている。しかしながら、成形時の熱安定性に優
れているとは言えず、成形時に分解して、多量の塩化水
素を発生し、金型や作業環境に対しては決して良いもの
とは言えなかった。
【0003】一般に、塩化ビニル系樹脂の熱安定性を向
上させるには、成形前に安定剤等を添加することによ
り、成形時に発生する塩化水素を捕捉して、脱塩酸反応
を抑制する方法がとられている。しかしながら、安定剤
等を加えることにより、耐熱温度や耐衝撃性の低下を招
く場合があり、添加量には限界があった。このように、
諸物性を低下させず、加熱時の発生塩化水素量が少ない
塩化ビニル系樹脂を得るのは困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の課題に鑑み、諸物性を低下させず、加熱時の塩化水
素の発生量が少ない塩化ビニル系樹脂を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、塩化
ビニル系単量体を油溶性開始剤の存在下で、水性媒体中
で懸濁重合する際に、反応系に、ソルビタン高級脂肪酸
エステルを塩化ビニル系単量体に対して500〜500
0ppm添加することにより得られる塩化ビニル系樹脂
である。
【0006】請求項2の発明は、180℃、20分間加
熱した際の塩化水素の発生量が、1000ppm以下で
ある請求項1記載の塩化ビニル系樹脂である。
【0007】本発明の塩化ビニル系樹脂とは、塩化ビニ
ルの単独重合体、及び塩化ビニルを50重量%以上含有
し、塩化ビニルと共重合し得る他の単量体との共重合体
を意味する。塩化ビニルと共重合し得る単量体とは、例
えば、酢酸ビニルなどのアルキルビニルエステル類、エ
チレン、プロピレンなどのα‐モノオレフィン類、メチ
ル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレー
ト、オクチルアクリレートなどのアルキル(メタ)アク
リレート類、アルキルビニルエーテル類、マレイミド
類、塩化ビニリデン、スチレンなどが挙げられ、これら
の少なくとも1 種が使用される。
【0008】上記油溶性重合開始剤としては、一般に塩
化ビニルの重合に用いられている公知のラジカル開始剤
が使用されうる。具体的には、例えば、t‐ブチルパー
オキシネオデカノエート、t‐ヘキシルパーオキシネオ
デカノエート、t‐ヘキシルパーオキシピバレート、α
‐クミルパーオキシネオデカノエートなどのパーエステ
ル化合物、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、ジ
‐2‐エチルヘキシルパーオキシジカーボネートなどの
パーカーボネート化合物、デカノイルパーオキシド、ラ
ウロイルパーオキシドなどのパーオキシド化合物、α,
α’‐アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ化合物な
どが挙げられ、これらの少なくとも1 種が使用される。
【0009】懸濁重合の際の分散剤としては、特に限定
されず、部分鹸化ポリ酢酸ビニルやセルロース誘導体等
が単独、あるいは併用で好適に用いられる。
【0010】本発明に用いられるソルビタン高級脂肪酸
エステルは特に制限されないが、HLB値(親水親油平
行値)が3〜10のものが好適に用いられる。HLB値
が3未満の場合は、親油性が高いため、水中における単
量体の乳化分散能力が低くなり、得られる塩化ビニル樹
脂の粒度分布は、粗大粒子を含む幅広いものとなる。ま
た、HLB値が10を超える場合には、親水性が大きい
ため、重合中の単量体の油滴が不安定となり、単量体の
粒子の凝集が起こりやすく、塩化ビニル樹脂がブロック
状、粗大粒子の集合体となる。HLB値が3〜10のソ
ルビタン高級脂肪酸エステルとしては、例えば、ソルビ
タンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソ
ルビタンモノステアレートなどのソルビタン飽和高級脂
肪酸エステル、不飽和高級脂肪酸エステル等が挙げら
れ、これらの少なくとも1 種が使用される。
【0011】ソルビタン高級脂肪酸エステルの添加量
は、単量体に対して、500〜5000ppmが好まし
い。より好ましくは、1000〜3000ppmであ
る。添加量が500ppm未満の場合には、塩化水素発
生量を抑制する効果が小さくなり、塩化水素発生量を1
000ppm以下とするのに充分ではない。また、添加
量が5000ppmを超えると懸濁系が不安定になり、
塩化ビニル系樹脂の粒度分布が、粗大粒子を含む広いも
のとなり、重合器内壁へスケールが付着する。
【0012】本発明の塩化ビニル系樹脂の具体的な製造
方法としては、例えば、撹拌機及びジャケットを備えた
反応容器に、純水、分散剤、油溶性重合開始剤、ソルビ
タン酸高級脂肪酸エステル、必要に応じて重合度調節剤
等を投入し、その後、真空ポンプで重合器内の空気を排
出し、更に撹拌条件下で塩化ビニル及び必要に応じて塩
化ビニルと共重合可能な他のビニルモノマーを投入した
後、反応容器内をジャケットにより加熱し、塩化ビニル
の重合を行う方法が挙げられる。前記重合反応に用いら
れる重合号機、攪拌機、邪魔板(バッフル)等の構造、
形状等に関しては特に制限されず、従来公知の物が使用
される。
【0013】(作用)本発明の塩化ビニル系樹脂は、懸
濁重合する際に、反応系に、ソルビタン高級脂肪酸エス
テルが添加されているので、得られた塩化ビニル系樹脂
の加熱の際に発生する塩化水素量が抑制され、熱安定性
が向上する。
【0014】
【実施例】次に本発明の実施例を説明する。 (実施例1 )内容積100Lの重合器(耐圧オートクレ
ーブ)に脱イオン水50kg、塩化ビニル単量体に対し
て、ヒドロキシプロピルメチルセルロース500pp
m、ソルビタンモノラウレート2500ppm及びt‐
ブチルパーオキシネオデカノエート500ppmを投入
した。次いで、重合器内を45mmHgまで脱気した
後、塩化ビニル33kgを仕込み、攪拌を開始した。重
合器を64℃迄昇温し重合を開始し、重合反応終了まで
この温度を保った。重合転化率が90%になった時点で
反応を終了し、重合器内の未反応単量体を回収した後、
重合体をスラリー状で系外へ取り出し、遠心脱水機で脱
水し、乾燥機で乾燥し塩化ビニル系樹脂を得た。
【0015】(実施例2 )実施例1において、ソルビタ
ンモノラウレート1000ppmを用いる以外は実施例
1と同様にして塩化ビニル系樹脂を得た。
【0016】(実施例3 )実施例1において、ソルビタ
ンモノパルミテート2500ppmを用いる以外は実施
例1と同様にして塩化ビニル系樹脂を得た。
【0017】(比較例1 )実施例1において、ソルビタ
ンモノラウレートを使用しない以外は実施例1と同様に
して塩化ビニル系樹脂を得た。
【0018】(比較例2 )実施例1において、ソルビタ
ンモノラウレート6000ppmを使用する以外は実施
例1と同様にして塩化ビニル系樹脂を得た。
【0019】実施例1、2、3及び比較例1、2で得ら
れた塩化ビニル系樹脂樹脂について下記の方法で粒度分
布と塩化水素発生量を測定した結果を表1 に示す。
【0020】[評価方法] (粒度分布)JIS Z 8801に準じて、上記で得
られた塩化ビニル樹脂を、それぞれ、60、100 、
150メッシュの篩を用いて分別し、通過量の重量%を
求めた。 (塩化水素発生量)塩化ビニル樹脂0. 5gを試験管の
中に入れ、気体の入口及び出口を備えた栓をし、180
℃のオイルバス中に浸漬した。試験管中に速度1cc/
secで窒素ガスを吹き込み、試験管よりでたガスを攪
拌させた純水中に溶解させ、20分後のPHを測定し、
脱塩酸量を算出した。
【0021】
【表1】
【0022】
【発明の効果】本発明の塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニ
ル系単量体を油溶性開始剤の存在下で、水性媒体中で懸
濁重合する際に、反応系に、ソルビタン高級脂肪酸エス
テルを塩化ビニル系単量体に対して500〜5000p
pm添加されているので、加熱時の塩化水素発生量が少
ない。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J011 AA05 JA06 JA08 JA13 JB22 JB26 4J100 AA02Q AA03Q AB02Q AC03P AC04Q AE02Q AG04Q AL03Q AL04Q AM43Q CA01 CA04 DA22 FA03 FA21

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル系単量体を油溶性開始剤の存
    在下で、水性媒体中で懸濁重合する際に、反応系に、ソ
    ルビタン高級脂肪酸エステルを塩化ビニル系単量体に対
    して500〜5000ppm添加することにより得られ
    ることを特徴とする塩化ビニル系樹脂。
  2. 【請求項2】 180℃、20分間加熱した際の塩化水
    素発生量が、1000ppm以下であることを特徴とす
    る請求項1記載の塩化ビニル系樹脂。
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