JP2001071176A - 高強度溶接鋼管 - Google Patents
高強度溶接鋼管Info
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Abstract
な溶接鋼管の提供。 【解決手段】本発明の溶接鋼管は、内外面に下記条件を
満たす各一層のシーム溶接金属を有する。母材の引張強
さが750〜905MPaのときは条件a、bおよび
c、905MPaを超えるときは条件a、d、eおよび
fを満す。条件a:溶接金属の引張強さが母材の引張強
さの1.05倍以上、条件b:溶接金属の引張強さ≦T
M (=2500C+910)、条件c:初層側溶接金属
の引張強さが950MPa以下、条件d:第二層側溶接
金属の引張強さ≦TM 、e:初層側溶接金属の引張強さ
>0.95TM 、条件f:溶接金属の組織がマルテンサ
イト組織で、マルテンサイト変態点MS(=538−3
17C−33Mn−28Cr−17Ni−11Si−1
1Mo−11W)が375℃以下。
Description
管等に使用される高強度溶接鋼管に関する。
ラインでは、操業圧力を高めることによって輸送効率を
向上させ、輸送コストの低減を図ることができる。
を増加させるか、あるいはパイプ材を高強度化すること
が必要となるが、パイプの厚肉化は現地溶接の施工能率
の低下を伴い、また、パイプの質量増加により施工効率
が低下するという問題が生じる。そのため、ラインパイ
プ材に対する高強度化ニーズが高まっており、現在、米
国石油協会(API)規格でX80グレード鋼(降伏強
さ(YS):551MPa以上、引張強さ(TS):6
20MPa以上)が規格化され、実用に供されている。
X100グレード鋼(YS:689MPa以上、TS:
760MPa以上)を製造し、この鋼を用いてパイプ
(鋼管)を試作した結果が報告されている(例えば、
「新日鐵技報」第362号(1997)38〜42
頁)。また、特開平8−269542号公報および特開
平8−199292号公報等では、950MPa以上の
引張強さを有する低温靭性および現地溶接性に優れた鋼
の製造方法が開示されている。
高強度でかつ低温靭性に優れ、また、現地溶接性にも優
れた(すなわち、比較的小入熱での溶接施工が可能
な)、良好な耐低温割れ特性を有する鋼材の製造が可能
とされている。
(大径鋼管)は、板材をプレス成形した後、シーム部を
溶融溶接することにより製造される。代表的なシーム溶
接方法としては、サブマージアーク溶接による両面一層
溶接が用いられている。
母材を含む部分を、ここでは溶接継手部という)では、
溶接部(溶接中に溶融凝固した部分である溶接金属と、
熱影響部を含む部分)、特に溶接金属が母材と同等の強
度を有し、引張試験の際、母材部分で破断することが求
められるが、前述のX100グレード鋼を用いて試作し
た鋼管についての試験結果では破断位置が溶接熱影響部
となっており、また、母材の引張強さに対して溶接部の
引張強さが低いという問題がある。
MPa以上の高強度鋼では、低温割れに関しては溶接金
属に発生する横割れの防止が最も困難であるとの報告が
なされており(「溶接学会誌」第46巻(1977)第
12号、875〜880頁)、拡散性水素量と溶接ワイ
ヤの組成から割れ発生限界を予測する試みが行われてい
る(「溶接学会誌」第46巻(1977)第8号、56
1〜566)。しかし、これらの報告では、特定の水素
含有量で割れが発生する場合には予熱温度または層間温
度を高くすることにより割れ発生が防止できるとの見解
を表明するにとどまっている。
かつ大量に供給するためには、溶接部の適正な設計が必
須であり、必要とされる特性に見合った溶接部を有する
大径鋼管の開発が不可欠であるが、現状では前記の問
題、すなわち、破断位置が母材ではないこと、溶接金属
の引張強さが低いこと、および溶接金属に横割れが発生
すること、に対する解決策は確立されていない。
題を解決し、高強度鋼板を母材とし、優れた溶接部特性
を備えた、安価で、かつ大量に供給し得る溶接鋼管を提
供することを課題としている。
a以上の高強度溶接管において、 A) 破断が発生する場合には、母材破断する鋼管を得る
こと、 B) 高強度かつ高靭性な溶接金属を得ること、 C) 製管溶接の際、溶接金属における横割れの発生を防
止すること、である。
高硬度溶接鋼管にある。
溶接鋼管であって、母材の引張強さが750〜905M
Paのときは、下記の条件a、bおよびcを満足し、母
材の引張強さが905MPaを超えるときは、下記の条
件a、d、eおよびfを満足する高強度溶接鋼管。
強さの1.05倍以上、 条件b:金属の引張強さ(MPa)≦TM、 条件c:初層側溶接金属の引張強さが950MPa以
下、 条件d:第二層側溶接金属の引張強さ(MPa)≦
TM、 条件e:初層側溶接金属の引張強さ(MPa)>0.9
5TM、 条件f:初層側溶接金属の組織がマルテンサイト組織か
らなり、下記の(1) 式により求められるマルテンサイト
変態点MS(℃)が375℃以下、 MS=538−317C(%)−33Mn(%)−28Cr(%)−17Ni(%) −11Si(%)−11Mo(%)−11W(%) ・・・・ (1) ただし、条件b、dおよびeにおけるTM は、溶接金属
の組織がマルテンサイト組織からなる場合の溶接金属の
引張強さ(MPa)で、下記の(2) 式で表される。
金属でも、初層側溶接金属中のNi含有量が下記の条件
gを満たす量であれば、横割れは発生しない。
1.5Mo(%)}+3.5 また、上記の高強度溶接鋼管において、溶接金属中の酸
素含有量に対するアルミニウム含有量の比〔Al(%)/
O(%)〕が1.2以下であり、かつ、B含有量が0.0
02質量%以下であれば、特に低温靱性が向上する。
素記号の後に(%)を付した記号は、その元素の溶接金属
中または初層側溶接金属中における含有量(質量%)を
意味する。
属」とは、特に断らない限り、板材をプレス成形した後
シーム部を内外面各一層の溶接により製造した鋼管にお
ける前記各層の双方の溶接金属をいう。また、そのうち
の最初に溶接した側を「初層側溶接金属」、その後に溶
接した側を「第二層側溶接金属」という。
の引張強さをいう。これは、実際に溶接したときに形成
される溶接金属の部分から引張試験片を採取して引張試
験を行うことにより測定することができる。
発明者らは種々検討を重ね、以下の知見を得た。 A) 母材破断する鋼管を得る条件 シーム溶接金属の引張強さが母材の引張強さの1.05
倍以上であれば、溶接金属の引張強さが母材と同等であ
り、かつ、破断が発生する場合には、破断位置が母材と
なる。 B) 溶接金属の高強度化および靭性確保 溶接金属の組織は合金元素量の増加に伴い上部ベイナイ
トから下部ベイナイトを経てマルテンサイトへと変化
し、それに伴って引張強さが上昇する。溶接金属の組織
が最終組織であるマルテンサイト組織からなる溶接金属
の引張強さ(これをTM で表す)はC含有量で整理する
ことができ、下記の(2) 式により推定することができ
る。
シキュラーフェライト(溶接金属では、上部ベイナイト
をアシキュラーフェライトとすることにより靱性が向上
する)、または、アシキュラーフェライト、下部ベイナ
イトおよびマルテンサイトが混合した中間的な組織に制
御する必要があり、そのためには、溶接金属の引張強さ
を、その組織がマルテンサイト組織からなる場合の引張
強さ(T M )以下に制御することが必須である。 C) 溶接金属における横割れ発生の防止 (イ)横割れは初層側溶接金属で発生し、初層側溶接金属
内または初層側溶接金属と第二層側溶接金属を貫通して
存在する。
イト、または、アシキュラーフェライトと下部ベイナイ
トとマルテンサイトが混合した中間的な組織の場合、溶
接金属の引張強さが950MPaを超えるとシーム溶接
の際に溶接金属に横割れが発生する。
る場合、溶接金属の引張強さが950MPaを超えて
も、下記の(1) 式により推定されるマルテンサイト変態
点MSが375℃以下であれば横割れの発生を防止でき
る。
の場合であり、Ni含有量、具体的には初層側溶接金属
中のNi含有量が多い溶接金属では横割れが発生するこ
とがある。しかし、初層側溶接金属中のNi含有量を下
記の条件gを満足する量に制限すれば横割れの発生を防
止できる。
1.5Mo(%)}+3.5 上記本発明は、これらの知見に基づきなされたものであ
る。
ついて詳細に説明する。
は、内外面に各一層のシーム溶接金属を有する溶接鋼管
である。前述したように、パイプラインに使用される大
径の溶接鋼管は、通常、サブマージアーク溶接による両
面(鋼管の内面および外面)一層溶接が用いられている
ので、これを前提条件とした。
さが750〜905MPaのときは、上記a、bおよび
cの条件を満足することが必要である。
のは、前述したラインパイプ材に対する高強度化ニーズ
に応えるためで、母材自体が750MPa以上の強度を
有することが必要だからである。ただし、後述するよう
に、条件aとbの関係から、母材の引張強さが905M
Pa以下という上限が自ずと定まる。
得るための素材としての鋼板が有すべき望ましい合金元
素とその含有量について述べる。なお、合金元素の
「%」は「質量%」を意味する。
の効果を得るためには、0.02%以上含有させること
が望ましい。一方、Cを過剰に含有させると炭化物の析
出量が増加し、炭化物が粗大化して鋼の靭性が劣化す
る。また、マルテンサイトの硬さが上昇するため、溶接
部(特に周溶接部)の耐水素割れ性が劣化する。したが
って、C含有量の上限は0.15%とするのが望まし
い。より望ましくは、0.10%である。
製鋼時の脱酸剤としても重要な元素である。しかし、過
剰に含有させると溶接金属の靭性低下の原因となるとと
もに、耐割れ感受性が劣化するので、その上限は0.6
%とするのが望ましい。望ましい下限は、0.05%で
ある。
あると同時に、製鋼時の脱酸剤としても重要な元素であ
る。その効果を得るために最低でも0.2%は含有させ
るのが望ましい。しかし、過剰に含有させると中心偏析
の増大等、鋼板の品質面での問題を生じることから、そ
の上限は2.5%とするのが望ましい。
も必須ではなく、Si、Mnで代替することも可能であ
る。Alを過剰に含有させると粗大なAl酸化物が形成
され、母材の靭性が劣化するので、sol.Alとして
のAl含有量の上限は0.1%とするのが望ましい。
に応じてさらに下記の成分を含有させてもよい。
2%未満ではその効果は認められないので、0.2%以
上含有させるのが望ましい。含有量が多いほどこの効果
は大きく、強度および靭性の改善の観点からは含有量の
上限を設ける必要はないが、経済性を考慮して、その上
限は3.5%とするのが望ましい。
0.2%未満ではその効果は認められないので、0.2
%以上含有させるのが望ましい。一方、過剰に含有させ
ると鋼の靭性を低下させるので、その上限は3%とする
のが望ましい。
満ではその効果は認められないので、0.2%以上含有
させるのが望ましい。一方、過剰に含有させると靭性が
低下するので、その上限はいずれも3%とするのが望ま
しい。
005%未満ではその効果は認められないので、0.0
05%以上含有させるのが望ましい。一方、過剰に含有
させると溶接熱影響部の靭性が低下するので、その上限
はいずれも0.5%とするのが望ましい。
する横ひび割れを防止し、あるいは溶接熱影響部での結
晶粒粗大化を抑制する作用がある。このいずれの効果も
TiとNの相互作用を介して発現するので、Nの含有量
に対するTiの含有量の比率〔Ti(%)/N(%)〕が1
〜5の範囲に入るように制御するのが望ましい。
高め、強度を向上させる。この効果は0.0003%以
上含有させると現れるので、下限は0.0003%とす
るのが望ましい。一方、過剰に含有させると靭性が低下
するので、その上限は0.003%とするのが望まし
い。
IC特性)を改善する作用がある。その効果は0.00
05%以上含有させると認められるが、過剰に含有させ
ると鋼の清浄性が損なわれるので、その含有量は0.0
005〜0.01%とするのが望ましい。
らなる鋼を圧延および熱処理することにより引張強さが
750MPa以上の鋼板を得ることが可能である。な
お、不純物としてのP(燐)、S(硫黄)、N(窒素)
およびO(酸素)の含有量は低いほど望ましい。
り、その含有量は低いほど好ましい。P、Sは、再加熱
による粒界脆化の原因となり、シーム溶接金属に発生す
る横割れに対して影響を及ぼすが、母材中のP、Sは、
母材希釈を通して溶接金属のP、S含有量にも影響を与
えるので、特に本発明の溶接鋼管では、母材においても
これらの元素の含有量を極力低い値に抑えるのがよい。
れも0.005%以下とするのが望ましい。
ときに本発明の溶接鋼管が満たすべき条件aは、溶接金
属の引張強さが母材の引張強さの1.05倍以上という
ことであるが、このように規定したのは、引張強さが7
50MPa以上の母材鋼板に対して1.05倍以上の引
張強さを有する溶接金属を組み合わせることにより、溶
接継手部が母材並の引張強さを有し、かつ母材破断する
ような溶接鋼管を得ることが可能となるからである。
さが著しく低い場合は、溶接継手部の引張強さは母材よ
り低く、破断位置は溶接金属となる。溶接金属の引張強
さの上昇とともに溶接継手部の引張強さが上昇し、溶接
金属の引張強さが母材引張強さの0.95倍程度以上に
なると溶接継手部の引張強さはほぼ母材並となる。しか
し、破断位置は溶接金属または溶接熱影響部であり、母
材破断には至らない。溶接金属の引張強さがさらに上昇
して母材の引張強さの1.05倍以上になると、溶接継
手部の引張強さが母材と同等で、かつ破断位置が母材と
なる。これは、溶接熱影響部には不可避的に軟化部が存
在するが、溶接金属の強度を母材より高くすることによ
り塑性拘束が生じ、破断位置が母材に移行するものと推
測される。
とき本発明の溶接鋼管が満たすべき条件bは、溶接金属
の引張強さ(前述したように、実測値である)が下記の
(3)式を満足することである。これは、安定した高い靭
性を有する溶接金属を得るためである。なお、式中のT
M は前記の(2) 式で与えられる、溶接金属の組織がマル
テンサイト組織からなる場合のその溶接金属の引張強さ
である。
伴い上部ベイナイトから下部ベイナイトを経てマルテン
サイトへと変化し、それに伴って引張強さが上昇する。
最終組織であるマルテンサイト組織からなる溶接金属の
引張強さ(MPa)は前記の(2) 式により推定すること
が可能であるが、実測により求めた溶接金属の引張強さ
がこのマルテンサイト組織からなる溶接金属の引張強さ
の80%以下である場合には、溶接金属の組織はほぼ上
部ベイナイト単相となり、80〜100%の場合には上
部ベイナイト、下部ベイナイトおよびマルテンサイトが
混合した中間的な組織となる。
であるが、溶接金属ではアシキュラーフェライトと称さ
れる微細組織とすることにより、溶接金属の破面遷移温
度を−60℃以下程度にすることが可能である。また、
溶接金属の組織がアシキュラーフェライト、下部ベイナ
イトおよびマルテンサイトが混合した中間的な組織から
なる場合は、それらが微細に入り組むため結果的には微
細組織を得ることが可能となり、破面遷移温度が−60
℃以下の高靭性の溶接金属とすることができる。マルテ
ンサイト単相からなる溶接金属は上述の組織を有する溶
接金属に比べて靭性は低く、破面遷移温度で−50℃程
度となる。
接金属を得るには、その組織をアシキュラーフェライ
ト、または、アシキュラーフェライト、下部ベイナイト
およびマルテンサイトが混合した中間的な組織に制御す
べきであり、このためには、溶接金属の引張強さをC含
有量から推定されるマルテンサイト組織からなる溶接金
属の引張強さ以下に、すなわち、溶接金属の引張強さが
前記の(3) 式を満足することが必須である。
Paのとき本発明の溶接鋼管が満たすべき条件cは、初
層側溶接金属の引張強さが950MPa以下を満足する
ことである。これは、以下に説明するように、製管溶接
の際、溶接金属に発生する横割れを防止するためであ
る。
種とされており、溶接金属の引張強さおよび溶接金属に
含まれる拡散性水素の含有量に影響され、溶接金属の引
張強さが高いほど、また、拡散性水素量が増大するほど
横割れが発生しやすくなることが知られている。
00gの水素含有量に低減するのが現在の技術では限界
と考えられる。そこで、拡散性水素量を約4cc/10
0gで一定として、溶接金属の横割れ発生位置を詳細に
調査し、また、限界引張強さを求めるとともに、割れ防
止方法の検討を行った。なお、拡散性水素量は、JIS
Z3118に規定されるグリセリン置換法で測定し
た。その結果、以下の事実が判明した。
は初層側溶接金属と第二層側溶接金属を貫通して存在す
る。しかし、第二層側溶接金属内のみにとどまるような
割れは観察されなかった。この観察結果から、横割れは
初層側溶接金属で発生し、一部が初層側溶接金属と第二
層側溶接金属を貫通したものと考えられる。すなわち、
初層側溶接金属での横割れ発生を防止することにより横
割れは防止可能であり、第二層側溶接金属については上
記の強度上の制約を受けずに設計することができる。
イト、または、アシキュラーフェライトと下部ベイナイ
トとマルテンサイトが混合した中間的な組織の場合は、
溶接金属の引張強さが950MPaを超えるとシーム溶
接の際に溶接金属に横割れが発生する。逆に、溶接金属
の引張強さが950MPa以下であれば、横割れは発生
しない。
からなる場合は、溶接金属の引張強さが950MPaを
超えても下記の(1) 式により推定されるマルテンサイト
変態点MSが375℃以下であれば横割れの発生を防止
することができる。これは、合金元素の含有量の上昇に
伴ってマルテンサイト変態点MS(℃)が低下し、溶接
残留応力が緩和されるためである。
の場合であり、Ni含有量、具体的には初層側溶接金属
中のNi含有量が多い溶接金属では横割れが発生するこ
とがある。しかし、初層溶接金属中のNi含有量を前記
の条件gである下記(4) 式を満たす量に制限すれば横割
れの発生を防止できる。これは、初層側溶接金属中のN
i含有量が多い溶接金属の場合には、オーステナイトの
単相凝固に起因する凝固組織の粗大化が生じやすく、こ
の粗大化により横割れが助長されるのに対し、初層溶接
金属中のNi含有量が下記(4) 式を満たす量の場合に
は、オーステナイトの単相凝固が生じず、凝固組織の粗
大化が抑制されるためである。
(初層側溶接金属の引張強さが950MPa以下)を満
足することとしたのは、上記(イ)および(ロ)の知見によ
るものである。
張強さを950MPa以下という限定をした場合、母材
破断する溶接鋼管を得る条件から、母材の引張強さには
自ずと上限が定まる。すなわち、溶接継手が母材破断す
る条件を満たそうとすれば、シーム溶接金属の引張強さ
を少なくとも母材の引張強さ(750MPa以上)の
1.05倍とすることが必要であり、また、初層側溶接
金属の引張強さは950MPa以下であるから、母材の
引張強さの上限は905MPaとなる。したがって、母
材の引張強さが750〜905MPaのときは、前述し
た条件a、bおよびcを満たすこととした。
えるときは、本発明の溶接鋼管は、前述したように、条
件a、d、eおよびfを満たすことが必要である。
母材の引張強さが750〜905MPaの場合と同じ
で、溶接継手部が母材並の引張強さを有し、かつ母材破
断するような溶接鋼管を得るためである。条件e、すな
わち、第二層側溶接金属の引張強さ(実測値)がTM
(溶接金属の組織がマルテンサイト組織からなる場合の
その溶接金属の引張強さ)以下である、という条件を満
たすこととするのは、母材の引張強さが750〜905
MPaの場合と同じで、安定した高い靱性を有する溶接
金属を得るためである。ただし、この場合は、第二層側
溶接金属がこの条件を満たせばよい。
がマルテンサイト組織からなり、上記の(1) 式により求
められるマルテンサイト変態点MSが375℃以下、を
満たすこととするのは、前記(ハ)の知見によるもので、
溶接金属に発生する横割れを防止するためである。この
場合、初層側溶接金属がマルテンサイト組織からなるも
のであることを前提としているが、そのために必要なの
が条件e、すなわち、初層側溶接金属の引張強さ(実測
値)が0.95TM よりも大きい、という条件を満たす
ことである。なお、溶接金属に発生する横割れを防止す
るには初層側溶接金属での横割れ発生が防止できればよ
いので、いずれも初層側溶接金属についてのみ規定し
た。つまり、条件eとfは、母材の引張強さが905M
Paを超えるときに、溶接金属に発生する横割れを防止
するために必要な条件である。
中のNi含有量が多い溶接金属では横割れが発生するこ
とがあるので、初層溶接金属中のNi含有量は前記(4)
式、すなわち条件gを満足する量に制限するのが望まし
い。
散性水素を実質的に低減させることが考えられるが、こ
のような方法では溶接施工の効率が悪く、生産性が阻害
される。しかし、本発明の溶接鋼管では、溶接施工の
際、予熱・後熱を実施する必要がなく、材質面から横割
れを防止することができる。
保する方法について述べる。
は靭性が低いが、溶接金属ではアシキュラーフェライト
と称される微細組織とすることで破面遷移温度を−60
℃以下程度にすることが可能である。また、アシキュラ
ーフェライト、下部ベイナイトおよびマルテンサイトが
混合した中間的な組織では各々が微細に入り組むため結
果的には微細組織を得ることが可能となり破面遷移温度
で−60℃以下の高靭性が確保される。特に、中間的な
組織を含まず、アシキュラーフェライト組織のみにすれ
ば、低温靱性が確保できる。
イト組織とするには、溶接金属中のAl含有量とO含有
量の比〔Al(%)/O(%)〕を1.2以下とし、かつ、
B含有量を以下に述べるように、0.002%以下に調
整すればよい。
溶接金属中の酸化物はAl、Mn、TiおよびSiの酸
化物を含有する複合酸化物となる。このような複合酸化
物を核として粒内変態が生じ、微細なアシキュラーフェ
ライトが析出する。逆に、〔Al(%)/O(%)〕が1.
2を超える場合には、溶接金属中の酸化物がAl2O3と
なるが、Al2O3は粒内変態核としての機能を有してい
ないため変態は粒界からしか生じず、この場合にはラス
状の上部ベイナイトとなる。
おいて、組織をアシキュラーフェライトとするのに必須
の元素であり、通常0.003%程度含有させる。Bの
効果は粒界フェライトの析出を抑制して粒内からの組織
変態を促進することにある。しかし、本発明のような高
強度溶接金属では、マトリックス自身の焼入性が高いた
め、Bの過剰な添加はむしろ靭性を悪化させる。そのた
め、上限は0.002%とする。望ましくは0.001
5%以下である。なお、Bの効果を得るための最低含有
量は0.0003%である。
l(%)/O(%)およびB含有量を上記のように調整すれ
ば、溶接金属の靱性を向上させ、特に低温靱性を確保す
ることができる。
ワイヤの化学組成およびボンドフラックスを用いた場合
にはフラックスの化学組成により決定される。本発明の
溶接鋼管では、母材の化学組成が既知であるから、溶接
金属の化学組成が目標値となるような化学組成を有する
ワイヤ、フラックスを選択することが可能である。
Bを除く)範囲とその理由について述べる。
効果を得るためには0.01%以上含有させることが望
ましい。一方、Cを過剰に含有させると炭化物の析出量
が増加し、炭化物が粗大化して靭性が劣化する。したが
って、その上限は0.15%とするのが望ましい。
る。その効果を得るために、最低0.02%は含有させ
るのが望ましい。しかし、過剰に含有させると溶接金属
の靭性低下の原因になるとともに、耐割れ感受性が劣化
するので、その上限は0.6%とするのが望ましい。
な元素である。その効果を得るために、最低0.3%は
含有量させるのが望ましい。しかし、過剰に含有させる
と溶接金属の靭性低下の原因となるとともに、耐割れ感
受性が劣化するので、その上限は3%とするのが望まし
い。
には少なくとも0.004%含有させることが望まし
い。一方、過剰に含有させると粗大な介在物の生成原因
となるため、その上限値は0.08%とするのが望まし
い。また、本発明の溶接鋼管においては、溶接金属の組
織制御を通して溶接金属の靭性を向上させる非常に重要
な元素である。その適正範囲は後述する酸素含有量との
関係で決定される。
撃試験の上部棚エネルギーを減少させる。このため、O
含有量は低いほど好ましく、その上限は0.06%とす
るのが望ましい。より望ましくは、0.04%である。
下限は、一般的に行われる溶融溶接(サブマージアーク
溶接、ガスメタルアーク溶接、レーザー溶接等)での限
界を考慮して、0.005%とするのが望ましい。
鋼の焼入性を高め、高強度の鋼を安定して得られるよう
にする作用がある。その効果を得るためには、0.00
2%以上含有させるのが望ましい。一方、過剰に含有さ
せると、TiCが析出し、溶接金属の靭性が著しく劣化
する。したがって、その上限は0.03%とするのが望
ましい。
あり、そのため、これらの元素のうちの一種または二種
以上を含有させるのが望ましい。ただし、いずれの元素
の場合も、過剰に含有させると靭性や耐割れ性が劣化す
るので、その含有量は上記の範囲とするのが望ましい。
属に対するNiの過剰添加は、前述したように、凝固組
織の粗大化を招いて横割れが生じやすくなるので、初層
側溶接金属中のNi含有量は条件gである前記の(4) 式
を満足する量にするのが望ましい。
は、母材、溶接ワイヤ、フラックスのいずれをその供給
源としてもよく、最終的に得られる溶接金属中での上記
元素の含有量が上記の望ましい範囲内に入るようにすれ
ばよい。また、不純物は少ない方が望ましく、特に、
P:0.03%以下、S:0.03%以下、N:0.0
1%以下とするのが望ましい。
Pa以上の鋼板を母材とし、破断位置が母材で、高強度
かつ高靭性であり、しかも製管溶接の際に横割れが発生
しないという優れた溶接部特性を備えている。この溶接
鋼管は、サブマージアーク溶接法やガスメタルアーク溶
接法、さらにはレーザー溶接法等の溶融溶接法を用いて
容易に製造することができ、安価で、かつ大量に供給し
得る溶接鋼管である。
炉法により溶製した。得られた溶鋼を連続鋳造により3
00mm厚のスラブとし、20mm厚にまで制御圧延し
た後直ちに水冷した(鋼板A)。この鋼板Aに、さら
に、500℃、600℃または700℃で焼戻処理を施
した(それぞれ鋼板B、CおよびD)。
件とそれぞれの降伏強さおよび引張強さを示す。なお、
引張試験は、これらの鋼板からJIS(1994…以下同じ)
Z2201に規定される5号試験片を切り出し、JI
S Z2241に規定される方法に準じて行った。
を母材とし、溶接ワイヤとフラックスの組み合わせを種
々変えて内径36インチ(914mm)の大径鋼管を試
作した。溶接は、いずれも鋼管内面側から1層溶接した
後に外面から1層溶接する両面1層溶接で行った。ま
た、溶接には、3電極(DC−AC−AC)のサブマー
ジアーク溶接を適用し、溶接入熱量は4.5kJ/cm
で一定とした。
とめて示す。これらはいずれも直径4.0mmの試作ワ
イヤである。
これらはいずれも試作した高塩基度フラックスである。
なお、これらのフラックスを用いた場合の溶接金属に含
まれる拡散性水素量をJIS Z3118に規定される
グリセリン置換法で測定した結果、代符F1のフラック
スを用いた場合は3.9cc/100g、代符F2のフ
ラックスを用いた場合は4.0cc/100g(いずれ
も、n数=5の平均値)であった。
学組成を示す。これは、上記大径鋼管の試作に用いた鋼
板について、試作時の組み合わせと同じ組み合わせのワ
イヤ/フラックスを用い、かつ同じ条件での溶接施工を
別に行い、得られた溶接金属W1ないしW8の部分のそ
れぞれから採取した試料の分析結果である。なお、表5
の「ワイヤ/フラックス組合わせ」の欄の、例えば、a
−a−aというのは、3電極ともに代符aの溶接ワイヤ
を使用したことを表す。
ついて、前記(2) 式から求めたTM、およびTM ×0.
95と、前記(1) 式から求めたMS、ならびに、実際に
引張試験およびシャルピー衝撃試験を行って求めた引張
強さ(TS)、および破面遷移温度vTs(℃)と、−
20℃での吸収エネルギーvE-20 (J)を示す。
8)の分析に用いた試料の採取と同様に、大径鋼管の試
作に用いた鋼板について溶接施工を別に行い、得られた
溶接金属W1ないしW8の部分のそれぞれから次に述べ
るように採取した試験片を用い、JIS Z2241に
規定される方法に準じて行った。また、シャルピー衝撃
試験は、同じく溶接金属W1ないしW8の部分のそれぞ
れから採取した試験片を用い、JIS Z2242に規
定される方法に準じて行った。
験およびシャルピー衝撃試験で用いた試験片の採取位置
を示す図で、シーム溶接方向に垂直な断面図である。こ
れらの試験片は、前述したように、大径鋼管の試作に用
いた鋼板2枚を突き合わせ、試作時の組み合わせと同じ
組み合わせのワイヤ/フラックスを用い、かつ同じ条件
で溶接施工(ただし、鋼板の上面1層溶接)を行って得
られた溶接部を有する鋼板1から切り出したものであ
る。
1の表面から5mmの位置で、溶接金属2の中央部から
切り出したもので、JIS Z2201に規定される1
4A号試験片(平行部が直径6mmの円形断面を有する
試験片)である。また、図2に示すように、衝撃試験片
4は、切欠き部5が溶接金属2の中央部に位置するよう
な部位から切り出したもので、JIS Z2202に規
定されるフルサイズの4号試験片である。なお、前記の
分析試料は引張試験片の採取位置から採取した。
No. 12)の母材、初層側溶接金属、第二層側溶接金属
および溶接継手部の引張強さ、横割れ発生の有無の調査
結果をまとめて示す。
さである。また、初層側および第二層側溶接金属の引張
強さはそれぞれ前記表7に示した溶接金属(W1〜W
8)の引張強さであり、「強度比」とは、母材の引張強
さに対する溶接金属の引張強さの比である。
径鋼管(No. 1〜No. 12)のそれぞれについて溶接部
とその近傍の母材を含む部分から採取した試料をプレス
で偏平にした後、それから切り出したJIS Z220
1に規定される5号試験片を用いて行った。なお、引張
試験片は、図3に示すように、溶接金属7が引張試験片
8の平行部の中央に位置するように作製した。
鋼管について、製管溶接後72時間経過した後に行った
超音波およびX線による探傷で、欠陥の存在が認められ
た部分を切断し、断面を調査した結果である。
12は、母材の引張強さが750〜905MPaの場合
であって、前記の条件a、bおよびcを満たしており、
溶接継手部の引張試験での破断位置が母材で、横割れが
なく、良好な結果を示した。
〜905MPaの場合で、条件aおよびbは満たしてい
るが、初層側溶接金属の引張強さが950MPa以下と
いう条件cから外れており、横割れが生じた。
を超える場合で、条件dは満たしているが、条件a、e
およびfから外れており、引張試験での破断位置が溶接
金属であった。
MPaを超える場合で、条件aおよびdは満たしている
が、条件eおよびfから外れており、横割れが生じた。
が905MPaを超える場合で、条件a、d、eおよび
fを満たしており、破断位置が母材で、横割れがなく、
良好な結果を示した。
MPaを超える場合で、条件d、eおよびfを満たして
いるが、第二層側溶接金属が条件aから外れており、引
張試験での破断位置が溶接熱影響部(HAZ)であっ
た。
905MPaを超える場合で、条件a、d、eおよびf
を満たしており、破断位置が母材で、横割れがなく、良
好な結果を示した。
も、本発明で規定する条件を満たすものの、表5と表6
に示すように、No. 4は溶接金属(代符W2)のAl
(%)/O(%)が1.2を超えており、No. 11(溶接金
属代符W7)および12(溶接金属代符W8)はB含有
量が0.002%を超えている。このため、表7のシャ
ルピー衝撃試験の結果から明らかなように、本発明で規
定する条件を満たすNo.1(溶接金属代符W1)、2
(溶接金属代符W1とW4)、7(溶接金属代符W3と
W4)、9(溶接金属代符W3とW5)および10(溶
接金属代符W6)に比べて溶接金属の靭性が低かった。
し、前記表3中の代符b、c、d、gおよびhの溶接ワ
イヤと、表4中の代符F1のフラックスとを用い、溶接
ワイヤの組み合わせを種々変えて実施例1と同じ寸法の
10種類の大径鋼管(No. 13〜22)を試作した。溶
接は、いずれも、鋼管内面側から1層溶接した後に外面
から1層溶接する両面1層溶接で行った。また、内面側
の溶接には、3電極(DC−AC−AC)、外面側の溶
接には4電極(DC−AC−AC−AC)のサブマージ
アーク溶接を適用し、溶接入熱量は両側ともに4.5k
J/cmで一定とした。
内面(初層)側および外面(第二層)側の溶接金属の化
学組成を示す。また、表11に、各鋼管の初層側および
第二層側の溶接金属について、前記の(2) 式から求めた
TM 、およびTM ×0.95、前記の(1) 式から求めた
MS、実際に引張試験を行って求めた初層側および第二
層側の溶接金属の引張強さ(TS:MPa)と溶接金属
中のNi含有量、前記の(4) 式(条件g)の右辺から求
めた値、ならびに溶接継手部の引張試験における破断位
置および横割れ発生の有無の調査結果をまとめて示す。
引張強さ(TS:MPa)、溶接継手部の破断位置、お
よび横割れ発生の有無は、実施例1の場合と同様の方法
により調査した。
ずれも、母材の引張強さが905MPaを超える場合で
あり、No. 15と18は、前記の条件a、d、eおよび
fを満たし、かつ条件gも満たしており、溶接継手部の
引張試験での破断位置が母材で、横割れがなく、良好な
結果を示した。
を満たしていないため破断位置がHAZで、横割れが生
じた。No. 14は、条件aおよびfを満たしていないた
め破断位置がHAZで、横割れが生じた。No. 16と1
7は、条件a、d、eおよびfを満たすものの、条件g
を満たしていないため、横割れが生じた。No. 19およ
び22は、条件aを満たしていないためHAZで破断し
た。No20と21は、条件dを満たしていないため靭性
が劣っていた。
溶接金属中のNi含有量は条件g、すなわち前記の(4)
式を満たす量に制限するのが望ましいことがわかる。
a以上の鋼板を母材とするもので、高強度かつ高靭性で
あり、引張試験の破断位置が母材で、しかも製管溶接の
際に横割れが発生しないという優れた溶接部特性を備え
ている。この溶接鋼管は、安価で、かつ大量生産に適し
ている。
す図で、シーム溶接方向に垂直な断面図である。
模式的に示す図で、シーム溶接方向に垂直な断面図であ
る。
示す図で、(a)は試作した大径鋼管の一部のシーム溶
接部を含む部分の横断面図、(b)は引張試験片におけ
る(a)に示したシーム溶接部の位置を示す図である。
Claims (3)
- 【請求項1】内外面に各一層のシーム溶接金属を有する
溶接鋼管であって、母材の引張強さが750〜905M
Paのときは、下記の条件a、bおよびcを満足し、母
材の引張強さが905MPaを超えるときは、下記の条
件a、d、eおよびfを満足する高強度溶接鋼管。 条件a:溶接金属の引張強さが母材の引張強さの1.0
5倍以上、 条件b:溶接金属の引張強さ(MPa)≦TM、 条件c:初層側溶接金属の引張強さが950MPa以
下、 条件d:第二層側溶接金属の引張強さ(MPa)≦
TM、 条件e:初層側溶接金属の引張強さ(MPa)>0.9
5TM、 条件f:初層側溶接金属の組織がマルテンサイト組織か
らなり、下記の(1) 式により求められるマルテンサイト
変態点MS(℃)が375℃以下、 MS=538−317C(%)−33Mn(%)−28Cr(%)−17Ni(%) −11Si(%)−11Mo(%)−11W(%) ・・・・ (1) ただし、条件b、dおよびeにおけるTM は、溶接金属
の組織がマルテンサイト組織からなる場合の溶接金属の
引張強さ(MPa)で、下記の(2) 式で表される。 TM =2500C(%)+910 ・・・・ (2) - 【請求項2】初層側溶接金属中のNi含有量が下記の条
件gを満足する請求項1に記載の高強度溶接鋼管。 条件g:Ni(%)≦0.4{Cr(%)+1.5Mo
(%)}+3.5 - 【請求項3】溶接金属中のAl(%)/O(%)が1.2以
下であり、かつ、B含有量が0.002質量%以下であ
る請求項1または2に記載の高強度溶接鋼管。
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