JP2001055358A - 炭酸ジアルキルの製造方法 - Google Patents

炭酸ジアルキルの製造方法

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JP2001055358A
JP2001055358A JP2000172057A JP2000172057A JP2001055358A JP 2001055358 A JP2001055358 A JP 2001055358A JP 2000172057 A JP2000172057 A JP 2000172057A JP 2000172057 A JP2000172057 A JP 2000172057A JP 2001055358 A JP2001055358 A JP 2001055358A
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halide
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Masahide Tanaka
中 正 秀 田
Takahito Kimura
村 隆 人 木
Tomoaki Shimoda
田 智 明 下
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GE Plastics Japan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】CO、O2およびアルコールから、効率よく、
炭酸ジアルキルを製造する方法を提供する。 【解決手段】一酸化炭素、酸素およびアルコールを出発
原料として、炭酸ジアルキルを製造するに際して、(i)
ハロゲン化第二銅と、(ii)ハロゲン化第二銅と反応して
ハロゲン化銅アルコキシドを生成しうる化合物とからな
る触媒を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、炭酸ジアルキルの製法に
関する。さらに詳しくは、CO、O2およびアルコール
から、効率よく、炭酸ジアルキルを製造する方法に関す
る。
【0002】
【発明の技術的背景】近年、芳香族ポリカーボネートは
耐衝撃性などの機械的特性に優れ、しかも耐熱性、透明
性などにも優れたエンジニアリングプラスチックスとし
て、多くの分野において幅広く用いられている。この芳
香族ポリカーボネートの製造方法としては、ビスフェノ
ールなどの芳香族ジヒドロキシ化合物とホスゲンとを界
面重縮合法により反応させる、いわゆるホスゲン法が工
業化されている。しかしながら、現在工業的に実施され
ているホスゲン法は、非常に有毒なホスゲンを用いなけ
ればならないこと、多量に副生する塩化ナトリウムの処
理問題、反応溶媒として通常用いられている塩化メチレ
ンの衛生問題や大気環境問題など、多くの問題点が指摘
されている。
【0003】ホスゲン法以外の芳香族ポリカーボネート
の製造方法としては、水酸化ナトリウムなどのアルカリ
金属化合物を触媒として用いて芳香族ジヒドロキシ化合
物と炭酸ジエステルとのエステル交換反応させる方法
(溶融法)が知られている。この方法は、安価に芳香族
ポリカーボネートが製造できるという利点を有してお
り、ホスゲンや塩化メチレンなどの毒性物質を用いない
ので、環境衛生上も好ましく、近年特に注目されてい
る。
【0004】このような溶融法によりポリカーボネート
を製造する際に、炭酸ジエステルとしては、ジフェニル
カーボネートなどの炭酸ジアリールが使用される。この
炭酸ジアリールは、特開平9−194430号公報に記
載されているように、炭酸ジアルキルと、フェノールな
どの水酸基含有芳香族炭化水素とのエステル交換反応に
よって製造され、この炭酸ジアリールの原料となる炭酸
ジアルキルは、一酸化炭素と酸素とアルコールとから、
塩化第一銅などのハロゲン化第一銅からなる触媒を使用
して製造される。
【0005】たとえば、アルコールとしてメタノールを
使用した場合、以下のような反応: 2CH3OH+CO+1/2O2→(CH3O)2CO+H2O により、炭酸ジメチルが製造される。このとき触媒とし
て使用される塩化第一銅は、一次反応として、 2CuCl+2CH3OH+1/2O2→2Cu(OCH3)C
l+H2O によってメトキシ塩化第二銅を形成し、二次反応とし
て、 2Cu(OCH3)Cl+CO→(CH3O)2CO+2Cu
Cl の反応によって、再生されると推定されている。
【0006】ところで、このような触媒として使用され
るハロゲン化第一銅の触媒活性を向上させるために、反
応系中にハロゲン化水素酸を添加することが開示されて
いる(特開平5−194327号公報参照)。しかしな
がら、上記のようにハロゲン化第一銅を触媒として使用
する方法では、上記アルコキシ塩化第二銅が形成される
転化率が低いため、得られる炭酸ジアルキルの収率が必
ずしも十分ではなく、しかも使用している触媒によって
反応槽や配管が詰まったりすることがあり、製造効率が
不十分であるという問題点があった。
【0007】このような情況下、本発明者らは、効率よ
く炭酸ジアルキルを製造する方法について、鋭意検討し
たところ、触媒として(i)ハロゲン化第二銅と、(ii)ハ
ロゲン化第二銅と反応してハロゲン化銅アルコキシドを
生成しうる化合物とを併用することによって、高い触媒
活性を維持した状態で、反応が進行し、かつ触媒によっ
て、反応槽や配管などが詰まったりすることなく、高収
率で炭酸ジエステルが得られることを見出し、本発明を
完成するに至った。
【0008】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に鑑み
てなされたものであり、CO、O2およびアルコールか
ら、効率よく、炭酸ジアルキルを製造する方法を提供す
ることを目的としている。
【0009】
【発明の概要】本発明に係る炭酸ジアルキルの製造方法
は、一酸化炭素、酸素およびアルコールを出発原料とし
て、炭酸ジアルキルを製造するに際して、(i)ハロゲン
化第二銅と、(ii)ハロゲン化第二銅と反応してハロゲン
化銅アルコキシドを生成しうる化合物とからなる触媒を
使用することを特徴としている。
【0010】前記(ii)ハロゲン化第二銅と反応してハロ
ゲン化銅アルコキシドを生成しうる化合物は、アルカリ
金属アルコキシド、アルカリ土類金属アルコキシド、下
式(1)で表される4級アンモニウムアルコキシド、およ
び下式(2)で表される4級ホスホニウムアルコキシドか
らなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物であるこ
とが好ましい。
【0011】 R1234NOR5 ……(1) R1234POR5 ……(2) (R1〜R4は互いに同一であっても異なっていてもよ
く、水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基を示
し、R5は炭素数1〜20の炭化水素基を示す。) 本発明では、このような(ii)ハロゲン化第二銅と反応し
てハロゲン化銅アルコキシドを生成しる化合物を、ハロ
ゲン化第二銅に対して、0.05〜2.0モルの範囲で
使用する。
【0012】本発明に係る炭酸ジアルキルの製造方法で
使用されるアルコールとしては、メタノールが好適であ
る。
【0013】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る炭酸ジアルキ
ルの製造方法について具体的に説明する。まず本発明に
係る炭酸ジアルキルの製造方法で使用される出発原料お
よび触媒について説明する。 [出発原料および触媒]本発明では、一酸化炭素(C
O)、酸素(O2)およびアルコールが出発原料として
使用される。
【0014】出発原料として使用されるアルコールとし
ては、特に限定されるものではなく、たとえば、メタノ
ール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプ
ロパノール、イソブタノール、ヘキサノールなどが使用
される。このうちメタノールが好適に使用される。ま
た、本発明では触媒として、(i)ハロゲン化第二銅と、
(ii)ハロゲン化第二銅と反応してハロゲン化銅アルコキ
シドを生成しうる化合物が使用される。
【0015】(i)ハロゲン化第二銅としては、塩化第二
銅、フッ化第二銅、臭化第二銅、ヨウ化第二銅が挙げら
れる。このうち塩化第二銅が好適に使用される。また、
(ii)ハロゲン化第二銅と反応してハロゲン化銅アルコキ
シドを生成しうる化合物としては、アルカリ金属アルコ
キシド、アルカリ土類金属アルコキシド、下式(1)で表
される4級アンモニウムアルコキシド、および下式(2)
で表される4級ホスホニウムアルコキシドからなる群か
ら選ばれる少なくとも1種の化合物が好適に使用され
る。
【0016】 R1234NOR5 ……(1) R1234POR5 ……(2) (R1〜R4は互いに同一であっても異なっていてもよ
く、水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基を示
し、R5は炭素数1〜20の炭化水素基を示す。) アルカリ金属アルコキシドとして、具体的には、ナトリ
ウムメトキシド、リチウムメトキシド、カリウムメトキ
シド、ルビジウムメトキシド、セシウムメトキシド、ナ
トリウムエトキシド、リチウムエトキシド、カリウムエ
トキシド、ルビジウムエトキシド、セシウムエトキシ
ド、ナトリウムプロポキシド、リチウムプロポキシド、
カリウムプロポキシド、ルビジウムプロポキシド、セシ
ウムプロポキシド、ナトリウムブトキシド、リチウムブ
トキシド、カリウムブトキシド、ルビジウムブメトキシ
ド、セシウムブトキシド、ナトリウムペントキシド、リ
チウムペントキシド、カリウムペントキシド、ルビジウ
ムペントキシド、セシウムペントキシド、ナトリウムヘ
キトキシド、リチウムヘキトキシド、カリウムヘキトキ
シド、ルビジウムヘキトキシド、セシウムヘキトキシ
ド、ナトリウムヘプトキシド、リチウムヘプトキシド、
カリウムヘプトキシド、ルビジウムヘプトキシド、セシ
ウムヘプトキシド、ナトリウムオクトキシド、リチウム
オクトキシド、カリウムオクトキシド、ルビジウムオク
トキシド、セシウムオクトキシド、ナトリウムフェノキ
シド、リチウムフェノキシド、カリウムフェノキシド、
ルビジウムフェノキシド、セシウムフェノキシドなどが
挙げられる。
【0017】また、アルカリ土類金属アルコキシドとし
て、具体的には、ベリリウム、マグネシウム、カルシウ
ム、ストロンチウム、バリウムのメトキシド、エトキシ
ド、プロポキシド、ブトキシド、ペントキシド、ヘキト
キシド、ヘプトキシド、オクトキシド、フェノキシド等
のモノおよびジアルコキシド化合物が挙げられる。4級
アンモニウムアルコキシドとして、具体的には、テトラ
メチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テト
ラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、
テトラペンチルアンモニウム、テトラへプチルアンモニ
ウムメトキシド、テトラオクチルアンモニウム、テトラ
フェニルアンモニウムのメトキシド、エトキシド、プロ
ポキシド、ブトキシド、ペントキシド、ヘキトキシド、
ヘプトキシド、オクトキシド、フェノキシド等のアルコ
キシド化合物が挙げられる。
【0018】4級ホスホニウムアルコキシドとして、具
体的には、テトラメチルホスホニウム、テトラエチルホ
スホニウム、テトラプロピルホスホニウム、テトラブチ
ルホスホニウム、テトラペンチルホスホニウム、テトラ
へプチルホスホニウムメトキシド、テトラオクチルホス
ホニウム、テトラフェニルホスホニウムのメトキシド、
エトキシド、プロポキシド、ブトキシド、ペントキシ
ド、ヘキトキシド、ヘプトキシド、オクトキシド、フェ
ノキシド等のアルコキシド化合物が挙げられる。
【0019】また、上記(ii)ハロゲン化第二銅と反応し
てハロゲン化銅アルコキシドを生成しうる化合物である
(1)4級アンモニウムアルコキシド、(2)4級ホスホニウ
ムアルコキシドは、炭素数1〜20のアルコキシ基を有
するアルカリ金属および/またはアルカリ土類金属アル
コキシド化合物と、4級アンモニウム塩および/または
4級ホスホニウム塩との反応で得られる。
【0020】炭素数1〜20のアルコキシ基を有するア
ルカリ金属および/またはアルカリ土類金属アルコキシ
ド化合物としては、前記したアルコキシド化合物と同様
のものが挙げられる。4級アンモニウム塩としては、テ
トラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアン
モニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムクロラ
イド、テトラエチルアンモニウムブロマイド、ジメチル
ジエチルアンモニウムクロライド、ジメチルジエチルア
ンモニウムブロマイド、テトラプロピルチルアンモニウ
ムクロライド、テトラプロピルチルアンモニウムブロマ
イド、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラブ
チルアンモニウムブロマイドなどが挙げられ、4級ホス
ホニウム塩としては、テトラメチルホスホニウムクロラ
イド、テトラメチルホスホニウムブロマイド、テトラエ
チルホスホニウムクロライド、テトラエチルホスホニウ
ムブロマイド、ジメチルジエチルホスホニウムクロライ
ド、ジメチルジエチルホスホニウムブロマイド、テトラ
プロピルチルホスホニウムクロライド、テトラプロピル
チルホスホニウムブロマイド、テトラブチルホスホニウ
ムクロライド、テトラブチルホスホニウムブロマイドな
どが挙げられる。
【0021】このアルカリ金属および/またはアルカリ
土類金属アルコキシド化合物と、4級アンモニウム塩お
よび/または4級ホスホニウム塩との反応は、以下のよ
うに進行する。 M(OR')n +nR”4Np・X → MXn + n
R”4Np・OR' (式中、Xはハロゲンを示し、Mはアルカリ金属、アル
カリ土類金属を示す。Npは窒素またはリン、nはMの
価数を示す。R'は炭素数1〜20の炭化水素基を示し
(すなわちR5)、R"は水素原子または炭素数1〜20
の炭化水素基を示す(すなわちR1〜R4)。
【0022】上記反応は、R'OHを溶媒として、0〜
120℃の温度で行われることが望ましい。また、反応
させるアルコキシド化合物と4級アンモニウム塩および
/または4級ホスホニウム塩との量比は、(アルコキシ
ド化合物のアルコキシ基/4級アンモニウム塩・4級ホ
スホニウム塩)モル比が0.5〜2.0、好ましくは
0.9〜1.5の範囲になるようにすることが望まし
い。
【0023】アルカリ金属および/またはアルカリ土類
金属アルコキシド化合物と、4級アンモニウム塩および
/または4級ホスホニウム塩との反応混合物をそのまま
使用しても良いが、生成した金属塩(MXn)は、ろ過
などにより除去することが望ましい。上記(i)ハロゲン
化第二銅と、(ii)ハロゲン化第二銅と反応してハロゲン
化銅アルコキシドを生成しうる化合物とは、下記式(3)
に示されるように反応して、ハロゲン化銅アルコキシド
を生成する。 (i)CuX2 + (ii)M(OR')n →Cu(OR')X+MX
(OR')n-1 …(3)(式中、Xはハロゲンを示し、Mはア
ルカリ金属、アルカリ土類金属、4級アンモニウムまた
は4級ホスホニウムを示す。nはMの価数を示す。Rは
炭素数1〜20の炭化水素基を示す。) このようなハロゲン化銅アルコキシドは、一酸化炭素、
酸素およびアルコールを出発原料として炭酸ジアルキル
を製造する際の触媒活性が高く、しかも反応時に安定で
あるため、長時間にわたって触媒としての活性を保持で
きる。
【0024】なお、従来から使用されていた塩化第一銅
でも、前記したように反応時に、下記の反応により、ハ
ロゲン化銅アルコキシドが形成される。 2CuCl+2CH3OH+1/2O2→2Cu(OCH3)C
l+H2O しかしながら、この反応では、ハロゲン化銅アルコキシ
ドの生成効率が低いため、結果として炭酸ジアルキルの
生産性が低くなることがある。また、この塩化第一銅
に、前記アルコキシ化合物(ハロゲン化第二銅と反応し
てハロゲン化銅アルコキシドを生成しうる化合物)を添
加しても、下記の反応が進むため、ハロゲン化銅アルコ
キシドが形成されにくい。
【0025】2CuX+ (ii)M(OR')n →Cu(OR')
+MX(OR')n-1 これに対して、本発明のように(i)ハロゲン化第二銅
と、(ii)ハロゲン化第二銅と反応してハロゲン化銅アル
コキシドを生成しうる化合物とを使用すると、効率よく
ハロゲン化銅アルコキシドの生成させることができる。
このため、本発明によれば、長期間安定して炭酸ジアル
キルを製造することができる。
【0026】本発明では、このような(ii)ハロゲン化第
二銅と反応してハロゲン化銅アルコキシドを生成しる化
合物を、(i)ハロゲン化第二銅に対して、0.05〜
2.0モル、好ましくは0.1〜1.2モルの範囲で使
用することが好ましい。 [炭酸ジアルキルの製造]本発明では、一酸化炭素、酸
素およびアルコールを出発原料として、炭酸ジアルキル
を製造するに際して、上記触媒を使用する。
【0027】具体的には、まず、(i)ハロゲン化第二銅
および(ii)ハロゲン化第二銅と反応してハロゲン化銅ア
ルコキシドを生成しうる化合物を、原料であるアルコー
ルに添加し、反応させて、触媒成分を含む原料アルコー
ルを調製する。なお、ハロゲン化第二銅はアルコール1
モルに対し、0.001〜1.0モル、好ましくは0.
005〜0.2モルの範囲にあることが望ましい。この
際、必要に応じて、(i)ハロゲン化第二銅および(ii)ハ
ロゲン化第二銅と反応してハロゲン化銅アルコキシドを
生成しる化合物とともに、ハロゲン化水素酸を添加して
もよい。
【0028】次いで、触媒成分を含むアルコールに、一
酸化炭素および酸素の気体を加圧下で導入する。なお、
一酸化炭素と酸素は、個々に触媒成分を含むアルコール
に供給されてもよく、また予め混合したのち、供給され
てもよい。このとき、反応系で反応生成物を発生させな
いガス、具体的には、水素、窒素、二酸化炭素、メタ
ン、アルゴンなどの不活性ガスが存在していてもよい。
【0029】導入される一酸化炭素の量は、化学量論数
よりも多く含まれていることが望ましい。このため、導
入される一酸化炭素と酸素とのモル比(一酸化炭素/酸
素)は、3/1〜100/1、好ましくは20/1〜1
00/1の範囲にあることが望ましい。反応は、通常、
50〜200℃、好ましくは100〜150℃の温度
で、大気圧〜150気圧、好ましくは10〜100気圧
の圧力下で行われる。
【0030】以上のような反応によって、炭酸ジアルキ
ルが生成する。このような本発明によれば、得られる炭
酸ジアルキルの収率を向上させることができる。なお、
生成した炭酸ジアルキルは、公知の分離法、たとえば蒸
留、濾過、デカンティング、遠心分離、デミキシング、
浸透膜分離などを利用して回収される。これらの分離法
は、2種以上組み合せて使用してもよい。
【0031】生成した炭酸ジアルキルを回収した反応液
に含まれるハロゲン化第二銅、ハロゲン化第二銅と反応
してハロゲン化銅アルコキシドを生成しうる化合物、お
よび未反応アルコールなどは回収されて、再使用するこ
ともできる。このような反応は、バッチ式の反応槽を使
用しても、連続式の反応槽を使用しても行うことができ
る。また、オートクレーブなどの耐圧容器を使用するこ
とが望ましい。
【0032】連続式の反応槽を使用する場合、アルコー
ル、一酸化炭素および酸素を、上記したような条件下
で、ハロゲン化第二銅およびハロゲン化第二銅と反応し
てハロゲン化銅アルコキシドを生成しうる化合物を含む
アルコール、溶液中に供給して反応させる。次いで、生
成した炭酸ジアルキル、水、アルコールを含む反応液お
よび未反応一酸化炭素および水蒸気を取り出し、さらに
反応液から、炭酸ジアルキルおよび水を除去し、他の成
分を反応系に再循環させる。
【0033】アルコール、一酸化炭素、酸素および必要
に応じてハロゲン化水素酸が供給される反応液中には、
回収されていない炭酸ジアルキルが含まれていてもよ
い。アルコール、一酸化炭素、酸素および必要に応じて
ハロゲン化水素酸が供給される反応液は、アルコール濃
度が30〜80重量%、好ましくは35〜80重量%、
水の濃度が1〜10重量%、2〜7重量%の範囲あるこ
とが望ましい。
【0034】以上ような本発明に係る炭酸ジアルキルの
製造方法では、(i)ハロゲン化第二銅とともに、(ii)ハ
ロゲン化第二銅と反応してハロゲン化銅アルコキシドを
生成しうる化合物を使用している。このため本発明で
は、高い触媒活性を維持した状態で、炭酸ジアルキルを
効率よく製造することができる。
【0035】
【発明の効果】本発明に係る炭酸ジアルキルの製造方法
によれば、触媒によって、配管や反応槽が詰まったりす
ることなく、高い触媒活性を維持した状態で、炭酸ジア
ルキルを効率よく製造することができる。また、こうし
て得られた炭酸ジアルキルを原料として製造された炭酸
ジアリールを使用してポリカーボネートの重縮合を行う
と、色相の改良されたポリカーボネートを得ることが可
能であり、このようなポリカーボネートは、一般の成形
材料はもとより、シートなどの建築材料、自動車用ヘッ
ドランプレンズ、眼鏡等の光学用レンズ類、光学用記録
材料等に好適に用いられ、特に光ディスク用成形材料と
して好適である。
【0036】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明はそれらの実施例に限定されるもの
ではない。本発明における実施例で示される物性は、以
下のようにして測定される。
【0037】
【実施例1】内容量300mlのハステロイ製オートクレ
ーブに、メタノール47.2g、塩化第二銅6.90g
およびナトリウムメトキシド1.38g(NaOMe/CuCl2
モル比=0.5)を仕込み密閉した。次いで、オートクレー
ブを125℃に昇温し、反応ガス(組成:O2=5.55%、
2=5.78%、CO=88.7%、CO2=0.01%)を、31.0ml
/gの供給速度で、全圧が25〜26kg/cm2・Gとなるよ
うにオートクレーブに供給し、60分反応させた。
【0038】オートクレーブを冷却したのち、未反応ガ
スをゆっくりとパージし、反応液を取り出し、ガスクロ
マトグラフィーにて、反応後のガス組成および反応液組
成を定量分析した。結果を表1に示す。また、メタノー
ルの炭酸ジメチル転化率は8.6モル%であり、ジメチ
ルカーボネートの生成量は5.7gであった。
【0039】なお、副生成物として、メチラールを確認
した。
【0040】
【実施例2】内容量300mlのハステロイ製オートクレ
ーブに、メタノール47.0g、塩化第二銅6.91g
およびナトリウムメトキシド1.96g(NaOMe/CuCl2
モル比=0.71)を仕込み密閉した。次いで、オートクレ
ーブを125℃に昇温し、実施例1で使用したものと同
じ反応ガスを、36.5ml/gの供給速度で、全圧が2
1.5〜24kg/cm2・Gとなるようにオートクレーブに
供給し、60分反応させた。
【0041】オートクレーブを冷却したのち、未反応ガ
スをゆっくりとパージし、反応液を取り出し、ガスクロ
マトグラフィーにて、反応後のガス組成および反応液組
成を定量分析した。結果を表1に示す。また、メタノー
ルの炭酸ジメチル転化率は9.7モル%であり、ジメチ
ルカーボネートの生成量は6.4gであった。
【0042】なお、副生成物として、メチラールを確認
した。
【0043】
【実施例3】内容量300mlのハステロイ製オートクレ
ーブに、メタノール46.2g、塩化第二銅6.90g
およびカリウムメトキシド1.85g(KOMe/CuCl2モル
比=0.5)を仕込み密閉した。次いで、オートクレーブを
125℃に昇温し、反応ガス(組成:O2=5.55%、N2=
5.78%、CO=88.7%、CO2=0.01%)を、31.0ml/gの
供給速度で、全圧が25〜26kg/cm2・Gとなるように
オートクレーブに供給し、60分反応させた。
【0044】オートクレーブを冷却したのち、未反応ガ
スをゆっくりとパージし、反応液を取り出し、ガスクロ
マトグラフィーにて、反応後のガス組成および反応液組
成を定量分析した。結果を表1に示す。また、メタノー
ルの炭酸ジメチル転化率は9.2モル%であり、ジメチ
ルカーボネートの生成量は6.0gであった。
【0045】なお、副生成物として、メチラールを確認
した。
【0046】
【実施例4】内容量300mlのハステロイ製オートクレ
ーブに、メタノール47.0g、塩化第二銅6.91g
およびナトリウムメトキシド1.96g(NaOMe/CuCl2
モル比=0.71)を仕込み密閉した。次いで、オートクレ
ーブを125℃に昇温し、実施例1で使用したものと同
じ反応ガスを、36.5ml/gの供給速度で、全圧が2
4.5〜25.0kg/cm2・Gとなるようにオートクレー
ブに供給し、150分反応させた。
【0047】オートクレーブを冷却したのち、未反応ガ
スをゆっくりとパージし、反応液を取り出し、ガスクロ
マトグラフィーにて、反応後のガス組成および反応液組
成を定量分析した。結果を表1に示す。また、メタノー
ルの炭酸ジメチル転化率は13.9モル%であり、ジメ
チルカーボネートの生成量は9.2gであった。
【0048】なお、副生成物として、メチラールを確認
した。
【0049】
【比較例1】内容量300mlのハステロイ製オートクレ
ーブに、メタノール47.1gおよび塩化第二銅6.9
0gを仕込み密閉した。次いで、オートクレーブを12
5℃に昇温し、反応ガス(組成:O2=5.07%、N2=6.15
%、CO=88.8%、CO2=0.01%)を、31.0ml/gの供給
速度で、全圧が24〜25kg/cm2・Gとなるようにオー
トクレーブに供給し、60分反応させた。
【0050】オートクレーブを冷却したのち、未反応ガ
スをゆっくりとパージし、反応液を取り出し、ガスクロ
マトグラフィーにて、反応後のガス組成および反応液組
成を定量分析した。結果を表1に示す。また、メタノー
ルの炭酸ジメチル転化率は4.7モル%であり、ジメチ
ルカーボネートの生成量は3.1gであった。
【0051】
【比較例2】内容量300mlのハステロイ製オートクレ
ーブに、メタノール47.2gおよび塩化第一銅5.0
8gを仕込み密閉した。次いで、オートクレーブを12
5℃に昇温し、反応ガス(組成:O2=5.44%、N2=3.62
%、CO=90.9%、CO2=0.01%)を、26.6ml/gの供給
速度で、全圧が25〜26kg/cm2・Gとなるようにオー
トクレーブに供給し、60分反応させた。
【0052】オートクレーブを冷却したのち、未反応ガ
スをゆっくりとパージし、反応液を取り出し、ガスクロ
マトグラフィーにて、反応後のガス組成および反応液組
成を定量分析した。結果を表1に示す。また、メタノー
ルの炭酸ジメチル転化率は5.4モル%であり、ジメチ
ルカーボネートの生成量は3.6gであった。
【0053】
【比較例3】内容量300mlのハステロイ製オートクレ
ーブに、メタノール47.2gおよび塩化第一銅5.0
8gを仕込み密閉した。次いで、オートクレーブを12
5℃に昇温し、反応ガス(組成:O2=5.44%、N2=3.62
%、CO=90.9%、CO2=0.01%)を、26.6ml/gの供給
速度で、全圧が25〜26kg/cm2・Gとなるようにオー
トクレーブに供給し、150分反応させた。
【0054】オートクレーブを冷却したのち、未反応ガ
スをゆっくりとパージし、反応液を取り出し、ガスクロ
マトグラフィーにて、反応後のガス組成および反応液組
成を定量分析した。結果を表1に示す。また、メタノー
ルの炭酸ジメチル転化率は9.5モル%であり、ジメチ
ルカーボネートの生成量は6.3gであった。
【0055】
【表1】
【0056】
【実施例6〜14】実施例1において、使用した触媒成
分を表2のようにした以外は実施例1と同様にして、ジ
メチルカーボネートを製造した。結果を表2に示す。
【0057】
【表2】

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一酸化炭素、酸素およびアルコールを出発
    原料として、炭酸ジアルキルを製造するに際して、 (i)ハロゲン化第二銅と、 (ii)ハロゲン化第二銅と反応してハロゲン化銅アルコキ
    シドを生成しうる化合物 とからなる触媒を使用することを特徴とする炭酸ジアル
    キルの製造方法。
  2. 【請求項2】前記(ii)ハロゲン化第二銅と反応してハロ
    ゲン化銅アルコキシドを生成しうる化合物が、アルカリ
    金属アルコキシド、アルカリ土類金属アルコキシド、下
    式(1)で表される4級アンモニウムアルコキシド、およ
    び下式(2)で表される4級ホスホニウムアルコキシドか
    らなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の炭酸ジアルキルの製造
    方法。 R1234NOR5 ……(1) R1234POR5 ……(2) (R1〜R4は互いに同一であっても異なっていてもよ
    く、水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基を示
    し、R5は炭素数1〜20の炭化水素基を示す。)
  3. 【請求項3】前記(ii)ハロゲン化第二銅と反応してハロ
    ゲン化銅アルコキシドを生成しうる化合物を、ハロゲン
    化第二銅に対して、0.05〜2.0モルの範囲で使用
    することを特徴とする請求項1に記載の炭酸ジアルキル
    の製造方法。
  4. 【請求項4】アルコールがメタノールであることを特徴
    とする請求項1〜3のいずれかに記載の炭酸ジアルキル
    の製造方法。
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