JP2001047886A - ハブ切換装置 - Google Patents

ハブ切換装置

Info

Publication number
JP2001047886A
JP2001047886A JP11223513A JP22351399A JP2001047886A JP 2001047886 A JP2001047886 A JP 2001047886A JP 11223513 A JP11223513 A JP 11223513A JP 22351399 A JP22351399 A JP 22351399A JP 2001047886 A JP2001047886 A JP 2001047886A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
movable
meshing member
drive shaft
hub
switching device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11223513A
Other languages
English (en)
Inventor
Naomi Fujimoto
直巳 藤本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Suzuki Motor Corp
Original Assignee
Suzuki Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Suzuki Motor Corp filed Critical Suzuki Motor Corp
Priority to JP11223513A priority Critical patent/JP2001047886A/ja
Publication of JP2001047886A publication Critical patent/JP2001047886A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Arrangement And Mounting Of Devices That Control Transmission Of Motive Force (AREA)
  • Mechanical Operated Clutches (AREA)
  • Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 外乱に対するスライドギヤの位置保持力を向
上し、信頼性の向上を図り得るハブ切換装置を提供する
こと。 【解決手段】 ドライブシャフト1とホイールハブ4の
いずれか一方に連結される可動噛合部材G2と、いずれ
か他方に連結される固定噛合部材G1を互いに噛合可能
に配設し、上記可動噛合部材G2を流体圧力によって摺
動させて固定噛合部材G1に結合あるいは離間させて、
ドライブシャフト1とホイールハブ4との間の動力の伝
達、あるいは切り離しを行うハブ切換装置において、流
体圧力に抗して上記可動噛合部材G2の位置を保持する
とともに、流体圧力が一定圧を越えると上記可動噛合部
材G2に対して付勢力を付与する弾撥手段Sを設け、か
つ、該弾撥手段Sを上記可動噛合部材G2が軸方向の所
定位置に達すると可動噛合部材G2に付与する弾撥力の
方向が切り替わるように配設したことにある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、4輪駆動車の前輪
ドライブシャフトに取り付けられ、ドライブシャフトと
ホイールハブの間で駆動力の伝達と遮断を切り換えるハ
ブ切換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】パートタイム式の4輪駆動車は、前輪ハ
ブとドライブシャフトの間にハブ切換装置を組み込み、
ホイールに対する駆動力の伝達状態を切り換えるように
している。従来のハブ切換装置は、ドライブシャフトに
嵌合したスライドギヤを軸方向に移動自在に配設し、こ
のスライドギヤをホイールハブに対して係合、離脱させ
て、係合時にドライブシャフトとホイールハブを直結し
た4輪駆動状態とし、離脱時に2輪駆動状態となる構造
をしている。この駆動の切換えには、圧力流体、例えば
エア圧力を使用している。
【0003】このエア圧力を使用する例として知られて
いるエアロッキングハブは、走行中、停車中のいずれの
場合もハブのフリー・ロックの切換をインテークマニホ
ールド負圧を切換動力とし、トランスファに設けた4W
DスイッチによるON/OFF信号を4WDコントロー
ラに送って制御している。このシステムにより2WD/
4WDの切換えの操作性の向上を図っている。
【0004】図10ないし図12はエアロッキングハブ
の一例を示したものでフロントドライブシャフト100
に嵌合されたスピンドル101にベアリング102を介
してホイールハブ103が支持されており、このホイー
ルハブ103に、ハブ切換装置を内蔵したケース104
が一体に並設されている。ケース104内面には、内歯
歯車を設けたアウタギヤ105が一体に設けられてお
り、このアウタギヤ105に噛合するスライドギヤ10
6がフロントドライブシャフト100にスプライン結合
している。このスライドギヤ106はケース104内に
配設されたピストン107と一体で動くもので、このピ
ストン107はケース104内を仕切るダイヤフラム1
08に一体的に設けられている。
【0005】ダイヤフラム108は、ケース104内を
ケース端部側の圧力室Aとフロントドライブシャフト1
00が設けられた圧力室Bに分割している。圧力室Bに
はスライドギヤ106をピストン107とともにアウタ
ギヤ105側に付勢するスプリング109と、スライド
ギヤ106をアウタギヤ105から離脱させる磁石11
0が配設されている。図13はスプリング109のみの
場合のスライド方向の保持力Fを示したもので、図14
は磁石110のみの場合のスライド方向の保持力Fを示
している。図15はスプリング109と磁石110を合
わせた場合のスライド方向の保持力Fを示している。A
はスライドギヤ106がフリー位置であることを示し、
Bはスライドギヤ106が噛合し始める位置であること
を示し、Cはスライドギヤ106がロック位置であるこ
とを示している。アウタギヤ105とダイヤフラム10
8との間にはスリーブ111が配設されて、スリーブ1
11の外側を通って圧力室Aに通じる通路112とスリ
ーブ111の内側を通って圧力室Bに通じる通路113
を形成している。圧力室Aに通じる通路112は、管路
114を通して電磁弁115に接続されている。
【0006】一方、圧力室Bに通じる通路113は、管
路116を通して電磁弁117に接続されている。電磁
弁115および電磁弁117は、管路118を通してイ
ンテークマニホルド119等の負圧源に接続されてい
る。120はチェックバルブ、121はバキュームタン
クである。電磁弁115および電磁弁117は、4WD
コントローラ122によって制御され、通常(電磁弁O
FF時)は大気圧を各圧力室A,Bに作用させる。
【0007】まず、4WD駆動を行う場合には、トラン
スファレバーを2WDから4WDへシフトする。する
と、4WDスイッチONの信号が4WDコントローラ1
22へ送られ、4WDインジケータを点灯させるととも
に電磁弁117を作動する。電磁弁117は、インテー
クマニホルド119の負圧を管路116および通路11
3を通して圧力室Bに作用させる。バキューム配管12
3途中に設けられたバキュームスイッチ124が260
mmHg以上の負圧を検出すると、4WDコントローラ
122は電磁弁117がONの状態を一定時間保持す
る。ダイヤフラム12に作用する負圧と大気圧との圧力
差によって磁石110から切り離されたスライドギヤ1
06は、図示右方向に移動し、アウタギヤ105と噛み
合うため、フロントドライブシャフト100とホイール
ハブ103が一体で回転する。そして、電磁弁117が
OFFされると、圧力室Bは大気圧になるが、スライド
ギヤ106はスプリング109によってロック位置に保
持される。また、フリーからロックへの切換時にスライ
ドギヤ106と、アウタギヤ105が噛合不可能な位相
の場合、遠隔操作による負圧供給が止まった後も、車輪
の回転により噛合可能な位相になったときにスプリング
109によってスライドギヤ106がスライドし、ロッ
ク位置になる(図11参照)。
【0008】次に、4WDから2WDに切り換えるに
は、トランスファレバーを4WDから2WDへシフトす
る。すると、4WDスイッチOFFの信号が4WDコン
トローラ122へ送られ、4WDインジケータを消灯さ
せる。コントローラ122は電磁弁115とタイマーを
ONする。ONされた電磁弁115は、インテークマニ
ホルド119の負圧を圧力室Aに作用させる。負圧によ
ってスライドギヤ106は、スプリング109を押し縮
めながら左方向に移動し、アウタギヤ105と切り離さ
れるため、フロントホイールの回転はフロントドライブ
シャフト100には伝達されない。タイマーが終了し、
電磁弁115がOFFされると、圧力室Aは大気圧にな
るが、スライドギヤ106は磁石110によって吸着さ
れてその位置に保持される。この磁石110がスプリン
グ109に打ち勝つことで、スライドギヤ106はアウ
タギヤ105と切り離された位置を保つ(図12参
照)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
構造では、スプリング109の反発力と磁石110の磁
力は、路面不整等による外乱に耐えてスライドギヤ10
6の位置を保持できるように充分大きくなければならな
いが、切換え作動時の推力以下である必要がある。ま
た、フリー位置では、磁石110の吸着部が一瞬でも外
乱により離れ、磁極間距離が広がると、磁力の非線形性
によりスライドギヤ106の保持力は急減してスプリン
グ109の反発力が勝り、スライドギヤ106がロック
方向へ移動してしまう。このため、スライド部や、磁石
110の吸着部は、ガタが小さいよう精度良く作成する
必要がある。しかも、一方向の押圧力しかもたないスプ
リング109であることから磁石110の吸着力に勝る
とその瞬間からロック方向へ移動してしまう。
【0010】本発明は上記課題を解決し、外乱に対する
スライドギヤの位置保持力を向上し、信頼性の向上を図
り得るハブ切換装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するため、ドライブシャフトとホイールハブのいずれか
一方に連結される可動噛合部材と、いずれか他方に連結
される固定噛合部材を互いに噛合可能に配設し、上記可
動噛合部材を流体圧力によって摺動させて固定噛合部材
に結合あるいは離間させて、ドライブシャフトとホイー
ルハブとの間の動力の伝達、あるいは切り離しを行うハ
ブ切換装置において、流体圧力に抗して上記可動噛合部
材の位置を保持するとともに、流体圧力が一定圧を越え
ると上記可動噛合部材に対して付勢力を付与する弾撥手
段を設け、かつ、該弾撥手段を上記可動噛合部材が軸方
向の所定位置に達すると可動噛合部材に付与する弾撥力
の方向が切り替わるように配設したことにある。また、
本発明は、ドライブシャフトを回転自在に支持するホイ
ールハブにケースを並設し、ドライブシャフトとホイー
ルハブのいずれか一方に連結される可動噛合部材と、い
ずれか他方に連結される固定噛合部材を互いに噛合可能
に上記ケース内に配設し、上記可動噛合部材を流体圧力
によって摺動させて固定噛合部材に結合あるいは離間さ
せて、上記ドライブシャフトとホイールハブとの間の動
力の伝達、あるいは切り離しを行うハブ切換装置におい
て、流体圧力に抗して上記可動噛合部材の位置を保持す
るとともに、流体圧力が一定圧を越えると上記可動噛合
部材に対して付勢力を付与する弾撥手段を設け、かつ、
該弾撥手段を上記可動噛合部材が軸方向の所定位置に達
すると可動噛合部材に付与する弾撥力の方向が切り替わ
るように配設し、該弾撥手段のケース側取付位置を上記
可動噛合部材の移動範囲中心位置よりも車体外側に配設
したことにある。さらに、本発明は、上記ケース内に、
ドライブシャフト側と仕切る可動膜を設け、該可動膜を
境にして2つの圧力室を形成するとともに、上記可動噛
合部材を該可動膜と連動して軸方向に作動させ、該可動
膜によって仕切られたドライブシャフト側と反対側の圧
力室に上記弾撥手段を配設したことにある。またさら
に、本発明は、上記弾撥手段として、多数のガイドスプ
リングを上記可動膜と連動するピストン側と、上記ケー
ス側との間に、放射状に配設したことにある。
【0012】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面を
参照しながら詳細に説明する。図1および図2はハブ切
換装置を示す断面図、図3はケースを断面にして示すA
方向矢視図、図4は図1のケース部分の拡大断面図であ
る。
【0013】図1ないし図4において、フロント側のド
ライブシャフト1には、スピンドル2が嵌合しており、
このスピンドル2は車両のナックルに支持されている。
このスピンドル2には、ベアリング3を介してホイール
ハブ4が支持されている。このホイールハブ4の外側端
面には、一端を塞いだ筒状のケース5がネジ6を介して
一体に並設されており、このケース5にはハブ切換装置
が内蔵されている。ハブ切換装置は、上記ケース5の内
周面に、固定噛合部材G1として内側に向けて突設され
たアウタギヤ7と、このアウタギヤ7の車体幅方向外側
に、アウタギヤ7と半径方向に噛合するように、可動噛
合部材G2としてフロントドライブシャフト1に支持さ
れたスライドギヤ8と、このスライドギヤ8をフロント
ドライブシャフト1の軸方向に摺動させる駆動機構9
と、スライドギヤ8の位置をその位置にある程度保持す
る位置保持機構10とで構成されている。
【0014】上記スライドギヤ8は、フロントドライブ
シャフト1の端部外周面に形成されたスプライン歯1a
にスプライン溝8aを介して嵌合して支持されており、
フロントドライブシャフト1と回転が一体で軸方向には
摺動自在に噛合されている。上記駆動機構9は、上記ス
ライドギヤ8を支持したピストン11と、このピストン
11を支持するとともに上記ケース5内を、ケース5端
部側の圧力室Aとフロントドライブシャフト1側の圧力
室Bに仕切る可動膜Mとしてのダイヤフラム12と、上
記圧力室Aと圧力室Bに流体圧力(負圧)を供給する圧
力供給手段13とで構成されている。上記ダイヤフラム
12は圧力室Aと圧力室Bに作用する負圧によって作動
し、スライドギヤ8を、アウタギヤ7に対して噛合、あ
るいは離脱させるものである。上記ピストン11は上記
スライドギヤ8の後端部外周面を支持しており、中心部
にストッパ部材14が設けられている。上記ピストン1
1の中心部から圧力室A側に延出された延出部11a
と、圧力室A側のケース5内面に配設されたヨーク15
途中との間には、位置保持機構10として円周方向に所
定間隔を置いて放射状に複数のガイドスプリング16が
弾撥手段Sとして配設されている。
【0015】ヨーク15はケース5の端部内周面に配設
されたもので、車体側端部をスリーブ17の外周面に装
着され、車体外側端部に圧力室Aに通じる開口穴15a
が形成されている。スリーブ17は上記ダイヤフラム1
2とアウタギヤ7相互間のケース5の内周面に配設され
たもので、スリーブ17の内周面側に圧力室Bを、スリ
ーブ17の外周面側に圧力室Aに通じる通路18が形成
されている。この通路18はアウタギヤ7の外周面側を
通って負圧供給用ポート19に接続されている。負圧供
給用ポート19は、前記した従来技術の説明と同様の図
示しない電磁弁を介してエンジンの負圧源に接続されて
いる。圧力室Bは負圧供給用ポート20に接続され、前
記した従来技術の説明と同様の図示しない電磁弁を介し
てエンジンの負圧源に接続されている。
【0016】上記位置保持機構10としてのガイドスプ
リング16は、図5に示すような板ばね21あるいは図
6に示すようなワイヤーばね22を使用したもので、該
ガイドスプリング16のケース側取付位置を上記スライ
ドギヤ8の移動範囲中心位置よりも車体外側に配設した
ことにある。
【0017】次に上記ハブ切換装置の動作を説明する。
まず、4WD駆動を行う場合には、従来技術で説明した
とおり、トランスファレバーを2WDから4WDへシフ
トする。すると、4WDスイッチONの信号が4WDコ
ントローラへ送られ、電磁弁を作動する。電磁弁は、イ
ンテークマニホルドの負圧を管路および通路を通して圧
力室Bに作用させる。そして、圧力室Bが一定圧以上の
負圧になると、ガイドスプリング16のばね力に抗して
スライドギヤ8は、図示右方向に移動し、アウタギヤ7
に噛合する。スライドギヤ8は、アウタギヤ7に噛合す
るため、フロントドライブシャフト1とホイールハブ4
が一体で回転する。
【0018】次に、4WDから2WDに切り換えるに
は、トランスファレバーを4WDから2WDへシフトす
る。電磁弁の作動によって、インテークマニホルドの負
圧を圧力室Aに作用させる。負圧によってスライドギヤ
8はガイドスプリング16のばね力に抗して、左方向に
移動し、スライドギヤ8がアウタギヤ7から離脱する。
スライドギヤ8がアウタギヤ7から切り離されるため、
フロントホイールの回転はフロントドライブシャフト1
には伝達されない。そして、スライドギヤ8の位置が所
定位置を過ぎると、ガイドスプリング16のばね力が図
示左方向に働き、スライドギヤ8は、圧力室Aのケース
5内壁面に保持される。電磁弁がOFFされると、圧力
室Aは大気圧になるが、スライドギヤ8はガイドスプリ
ング16のばね力によってその位置に保持される。
【0019】図7は、ピストン11が、A,B,Cの位
置に移動したときのガイドスプリング16を示したもの
で、図8に示すようなガイドスプリング16の自由長l
0 、ヨーク15とピストン11までの距離d、ピストン
11の移動距離xのときの状態を示している。図9はd
=10[mm]、k=4.5[N/mm]、l0 =1
1.93[mm]のときのピストン11のスライド方向
の位置xに働く保持力Fをグラフで示したものである。
Aはスライドギヤ8がフリー位置であることを示し、B
はスライドギヤ8が噛合し始める位置であることを示
し、Cはスライドギヤ8がロック位置であることを示し
ている。この時の関係式を示すと次のようになる。
【0020】
【数1】
【0021】上記実施の形態によると、スライドギヤ8
の位置保持機構10としてのガイドスプリング16を用
いて、負圧の圧力に抗してスライドギヤ8の位置を保持
するとともに、負圧が一定圧を越えると上記スライドギ
ヤ8に対して付勢力を付与し、かつ、スライドギヤ8が
軸方向の所定位置に達するとスライドギヤ8に付与する
ガイドスプリング16の弾撥力の方向が切り替わるよう
に配設したので、路面不整地等の走行による外乱に対し
てもスライドギヤ8の位置を所定位置に保持することが
できる。とくに、フリー(二輪)走行時に外乱によって
スライドギヤ8がロック(四輪)方向に動かされた場
合、所定位置を越えなければ、フリー方向への復元力が
働くため、ロック方向へのスライド加速度が加わっても
負荷時間が短く、所定位置(D点)に至らなければフリ
ー位置に復帰する。AD間のストロークが充分に長くと
れるためA点位置の精度は、±0.5mm程度のばらつ
きが許容されるので、生産性が高く、品質も安定する。
従来の磁石とコイルスプリングを用いた方法ではAD間
のストロークが短く、A点の位置精度は本案の10分の
1程度のばらつきに収まるような高精度に管理する必要
があった。本発明では、従来の磁石を省略できるので、
部品点数の削減を図り、経済性にも優れている。
【0022】さらに、ガイドスプリング16の揺動中心
点(ヨーク側取付点)を、スライドギヤ8フリー側寄り
(ケース端部側寄り)に設定しているため、フリー維持
状態時にガイドスプリング16の生ずるフリー方向付勢
力を大きくすることができる。
【0023】なお、本発明は、上記各実施の形態のみに
限定されるものではなく、例えば、ガイドスプリング1
6は弾撥手段Sとして機能するものであれば、板ばね、
コイルばねに限らずピストンの一部をガイドスプリング
として利用するようにしても良い。また、上記実施の形
態では、磁石を使用しない場合について説明したが、磁
石を用いても良いことは言うまでもない。その他、本発
明の要旨を変更しない範囲内で、適宜変更して実施し得
ることは言うまでもない。
【0024】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によるハブ切
換装置によれば次のような効果を奏することができる。
ドライブシャフトとホイールハブのいずれか一方に連結
される可動噛合部材と、いずれか他方に連結される固定
噛合部材を互いに噛合可能に配設し、上記可動噛合部材
を流体圧力によって摺動させて固定噛合部材に結合ある
いは離間させて、ドライブシャフトとホイールハブとの
間の動力の伝達、あるいは切り離しを行うハブ切換装置
において、流体圧力に抗して上記可動噛合部材の位置を
保持するとともに、流体圧力が一定圧を越えると上記可
動噛合部材に対して付勢力を付与する弾撥手段を設け、
かつ、該弾撥手段を上記可動噛合部材が軸方向の所定位
置に達すると可動噛合部材に付与する弾撥力の方向が切
り替わるように配設したので、路面不整地等の走行によ
る外乱に対しても可動噛合部材の位置を所定位置に保持
することができる。とくに、フリー(二輪)走行時に外
乱によって可動噛合部材がロック(四輪)方向に動かさ
れた場合、所定位置を越えなければ、フリー方向への復
元力が働くため、ロック方向へのスライド加速度が加わ
っても負荷時間が短く、所定位置に至らなければフリー
位置に復帰させることができる。また、本発明は、ドラ
イブシャフトを回転自在に支持するホイールハブにケー
スを並設し、ドライブシャフトとホイールハブのいずれ
か一方に連結される可動噛合部材と、いずれか他方に連
結される固定噛合部材を互いに噛合可能に上記ケース内
に配設し、上記可動噛合部材を流体圧力によって摺動さ
せて固定噛合部材に結合あるいは離間させて、上記ドラ
イブシャフトとホイールハブとの間の動力の伝達、ある
いは切り離しを行うハブ切換装置において、流体圧力に
抗して上記可動噛合部材の位置を保持するとともに、流
体圧力が一定圧を越えると上記可動噛合部材に対して付
勢力を付与する弾撥手段を設け、かつ、該弾撥手段を上
記可動噛合部材が軸方向の所定位置に達すると可動噛合
部材に付与する弾撥力の方向が切り替わるように配設
し、該弾撥手段のケース側取付位置を上記可動噛合部材
の移動範囲中心位置よりも車体外側に配設したので、フ
リー維持状態時に弾撥手段の生ずるフリー方向付勢力を
大きくすることができる。さらに、本発明は、上記ケー
ス内に、ドライブシャフト側と仕切る可動膜を設け、該
可動膜を境にして2つの圧力室を形成するとともに、上
記可動噛合部材を該可動膜と連動して軸方向に作動さ
せ、該可動膜によって仕切られたドライブシャフト側と
反対側の圧力室に上記弾撥手段を配設したので、可動膜
に流体圧力がかかりやすくなり、確実にロック状態を実
現できる。またさらに、本発明は、上記弾撥手段とし
て、多数のガイドスプリングを上記可動膜と連動するピ
ストン側と、上記ケース側との間に、放射状に配設した
ので、可動噛合部材の位置保持力とストロークの関係が
改善し、外乱に対する信頼性を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるハブ切換装置のフリー状態(二輪
駆動時)の実施の形態を示す断面図である。
【図2】本発明によるハブ切換装置のロック状態(四輪
駆動時)の実施の形態を示す断面図である。
【図3】図1のケースを外した状態のX方向の矢視図で
ある。
【図4】図1のケース部分を示す拡大断面図である。
【図5】板ばねを用いたコイルスプリングを示す斜視図
である。
【図6】ワイヤーばねを用いたコイルスプリングを示す
斜視図である。
【図7】図1のコイルスプリングの作用を説明する概念
図である。
【図8】図7のコイルスプリングを示す概念図である。
【図9】図1のコイルスプリングの保持力を説明するグ
ラフである。
【図10】従来のハブ切換装置の動作を説明する動作説
明図である。
【図11】従来のハブ切換装置を示す断面図である。
【図12】従来のハブ切換装置を示す断面図である。
【図13】スプリングのみの場合のスライド方向の保持
力を示したものである。
【図14】磁石のみの場合のスライド方向の保持力を示
したものである。
【図15】スプリングと磁石を合わせた場合のスライド
方向の保持力を示したものである。
【符号の説明】
1 ドライブシャフト 2 スピンドル 3 ベアリング 4 ホイールハブ 5 ケース 7 アウタギヤ 8 スライドギヤ 9 駆動機構 10 位置保持機構 11 ピストン 12 ダイヤフラム 13 圧力供給手段 14 ストッパ部材 15 ヨーク 16 ガイドスプリング A 圧力室 B 圧力室 G1 固定噛合部材 G2 可動噛合部材 M 可動膜 S 弾撥手段

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ドライブシャフトとホイールハブのいず
    れか一方に連結される可動噛合部材と、いずれか他方に
    連結される固定噛合部材を互いに噛合可能に配設し、上
    記可動噛合部材を流体圧力によって摺動させて固定噛合
    部材に結合あるいは離間させて、ドライブシャフトとホ
    イールハブとの間の動力の伝達、あるいは切り離しを行
    うハブ切換装置において、流体圧力に抗して上記可動噛
    合部材の位置を保持するとともに、流体圧力が一定圧を
    越えると上記可動噛合部材に対して付勢力を付与する弾
    撥手段を設け、かつ、該弾撥手段を上記可動噛合部材が
    軸方向の所定位置に達すると可動噛合部材に付与する弾
    撥力の方向が切り替わるように配設したことを特徴とす
    るハブ切換装置。
  2. 【請求項2】 ドライブシャフトを回転自在に支持する
    ホイールハブにケースを並設し、ドライブシャフトとホ
    イールハブのいずれか一方に連結される可動噛合部材
    と、いずれか他方に連結される固定噛合部材を互いに噛
    合可能に上記ケース内に配設し、上記可動噛合部材を流
    体圧力によって摺動させて固定噛合部材に結合あるいは
    離間させて、上記ドライブシャフトとホイールハブとの
    間の動力の伝達、あるいは切り離しを行うハブ切換装置
    において、流体圧力に抗して上記可動噛合部材の位置を
    保持するとともに、流体圧力が一定圧を越えると上記可
    動噛合部材に対して付勢力を付与する弾撥手段を設け、
    かつ、該弾撥手段を上記可動噛合部材が軸方向の所定位
    置に達すると可動噛合部材に付与する弾撥力の方向が切
    り替わるように配設し、該弾撥手段のケース側取付位置
    を上記可動噛合部材の移動範囲中心位置よりも車体外側
    に配設したことを特徴とするハブ切換装置。
  3. 【請求項3】 上記ケース内に、ドライブシャフト側と
    仕切る可動膜を設け、該可動膜を境にして2つの圧力室
    を形成するとともに、上記可動噛合部材を該可動膜と連
    動して軸方向に作動させ、該可動膜によって仕切られた
    ドライブシャフト側と反対側の圧力室に上記弾撥手段を
    配設したことを特徴とする請求項2に記載のハブ切換装
    置。
  4. 【請求項4】 上記弾撥手段として、多数のガイドスプ
    リングを上記可動膜と連動するピストン側と、上記ケー
    ス側との間に、放射状に配設したことを特徴とする請求
    項3に記載のハブ切換装置。
  5. 【請求項5】 上記ガイドスプリングとして板ばねを使
    用したことを特徴とする請求項4に記載のハブ切換装
    置。
  6. 【請求項6】 上記ガイドスプリングとしてワイヤばね
    を使用したことを特徴とする請求項4に記載のハブ切換
    装置。
JP11223513A 1999-08-06 1999-08-06 ハブ切換装置 Pending JP2001047886A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11223513A JP2001047886A (ja) 1999-08-06 1999-08-06 ハブ切換装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11223513A JP2001047886A (ja) 1999-08-06 1999-08-06 ハブ切換装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001047886A true JP2001047886A (ja) 2001-02-20

Family

ID=16799328

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11223513A Pending JP2001047886A (ja) 1999-08-06 1999-08-06 ハブ切換装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001047886A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100847567B1 (ko) 2004-05-07 2008-07-21 원 인더스트리즈, 아이엔씨. 휠 엔드 분리 시스템 및 그 시스템을 이용한 차량
WO2016175143A1 (ja) * 2015-04-27 2016-11-03 Ntn株式会社 フリーホイールハブ
WO2019065862A1 (ja) * 2017-09-28 2019-04-04 Ntn株式会社 ハブクラッチ装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100847567B1 (ko) 2004-05-07 2008-07-21 원 인더스트리즈, 아이엔씨. 휠 엔드 분리 시스템 및 그 시스템을 이용한 차량
WO2016175143A1 (ja) * 2015-04-27 2016-11-03 Ntn株式会社 フリーホイールハブ
WO2019065862A1 (ja) * 2017-09-28 2019-04-04 Ntn株式会社 ハブクラッチ装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9899132B2 (en) Magnetically latching two position actuator and a clutched device having a magnetically latching two position actuator
CA1191458A (en) Control system for split axle drive mechanism
US20050277510A1 (en) Differential gear mechanism
KR101559290B1 (ko) 차단 입력 샤프트를 구비하는 동력 전달 유닛
JP5922335B2 (ja) 動力伝達装置
KR20020025651A (ko) 차륜 단부 클러치
JP2001047886A (ja) ハブ切換装置
JPH062823Y2 (ja) フリ−ホイルハブクラツチ
JPH10217802A (ja) ハブクラッチ装置
JPS63225706A (ja) ダイヤフラムアクチユエ−タ
KR20160022963A (ko) 솔레노이드 장치 및 이를 포함하는 클러치 어셈블리
US10808771B2 (en) Power transmission device
JP7236871B2 (ja) フリーホイールハブ
US6076420A (en) Power transmission changeover devices for four-wheel drive vehicles
JP3757000B2 (ja) ハブクラッチ装置
JP2702490B2 (ja) ハブクラッチ
JP6539496B2 (ja) フリーホイールハブ機構
JPH01218926A (ja) ハブクラッチ
WO2019240026A1 (ja) フリーホイールハブ
JP2708984B2 (ja) 前後輪駆動車の制御装置
JPH06200991A (ja) ディファレンシャルロック装置
JPH0999754A (ja) ハブクラッチ装置
JPH0958293A (ja) ハブクラッチ装置
JPH01208235A (ja) ハブクラッチ
JP2675316B2 (ja) ハブクラッチ