JP2001047179A - 板金製ロッカーアームの製造方法 - Google Patents

板金製ロッカーアームの製造方法

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JP2001047179A
JP2001047179A JP11227318A JP22731899A JP2001047179A JP 2001047179 A JP2001047179 A JP 2001047179A JP 11227318 A JP11227318 A JP 11227318A JP 22731899 A JP22731899 A JP 22731899A JP 2001047179 A JP2001047179 A JP 2001047179A
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Satoshi Kadokawa
聡 角川
Noriyuki Takeo
則之 竹尾
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Nsk Ltd
日本精工株式会社
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21KMAKING FORGED OR PRESSED METAL PRODUCTS, e.g. HORSE-SHOES, RIVETS, BOLTS OR WHEELS
    • B21K1/00Making machine elements
    • B21K1/20Making machine elements valve parts
    • B21K1/205Making machine elements valve parts rocker arms

Abstract

(57)【要約】 【課題】 1枚の金属板にプレス加工を施して一体に形
成する構造で、弁体の基端部を突き当てる第一の係合部
28の強度を確保する。同時に、クラックと見間違える
様な皺が形成されるのを防止する。 【解決手段】 上記第一の係合部28を形成する為の連
結部24の厚さを、金属板の肉を集中させる事により増
大させる。そして、特に側壁部22、22の厚さを無用
に大きくする事なく、上記第一の係合部28の強度を確
保する。湾曲部21にこの第一の係合部28を形成する
のに先立って、傾斜部33、33を形成しておく事によ
り、上記皺が形成されない様にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、エンジンの動弁
機構に組み込み、カムシャフトの回転運動を弁体(吸気
弁及び排気弁)の往復運動に変換する為のロッカーアー
ムのうち、金属板にプレス加工を施す事により造る板金
製ロッカーアームの製造方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】レシプロエンジン(往復ピストンエンジ
ン)には、一部の2サイクルエンジンを除き、クランク
シャフトの回転と同期して開閉する吸気弁及び排気弁を
設けている。この様なレシプロエンジンでは、上記クラ
ンクシャフトの回転と同期して(4サイクルエンジンの
場合には1/2の回転速度で)回転するカムシャフトの
動きを、ロッカーアームにより、上記吸気弁及び排気弁
に伝達し、これら吸気弁及び排気弁を軸方向に亙り往復
運動させる。
【0003】従来は、この様なエンジンの動弁機構に組
み込むロッカーアームを、鋳造品(鋳鉄品或はアルミニ
ウムダイキャスト品)とする事が一般的であった。とこ
ろが、鋳造品は重量が嵩んだり(鋳鉄品の場合)、或は
十分に強度を確保する為には容積が嵩張る(アルミニウ
ムダイキャスト品の場合)。又、一般的にはロストワッ
クス法により造る為、製造コストが嵩む事も避けられな
い。この為に近年、鋼板等の金属板にプレス加工を施す
事により上記ロッカーアームを造る事が考えられ、一部
で実施されている。
【0004】この様な事情で考えられた板金製ロッカー
アームの製造方法として従来から、例えば特開平3−1
72506号公報に記載されたものがある。図2〜5
は、この公報に記載された、板金製ロッカーアームの製
造方法を示している。この従来方法では、先ず、材料と
なる金属板(例えば厚さが2〜4mm程度の炭素鋼板)を
プレス加工で打ち抜く事により、図2(A)に示す様な
形状を有し、同図(B)に示す様にt1 なる板厚を有す
る素板(ブランク)1を形成する。
【0005】次いで、この素板1にプレスによる曲げ加
工を施して、図3に示す様な第一中間素材2を形成す
る。この第一中間素材2は、互いに平行な1対の側壁部
3、3と、これら両側壁部3、3の幅方向端縁同士を連
結する連結部4と、これら両側壁部3、3と連結部4と
により三方を囲まれる空間の中間部に設けられたローラ
収容凹部5と、上記連結部4の中間部一端寄り部分に設
けられた、球状凹面であるピボット部6とを有する。
【0006】次いで、上述の様な第一中間素材2を構成
する上記連結部4の一部で上記ローラ収容凹部5に対応
する部分に、図4に示す様な、上記各側壁部3、3と平
行な側から見た場合に鼓形の透孔7を形成して、第二中
間素材8とする。この第二中間素材8の一部で、この透
孔7を幅方向{図4(A)の上下方向}両側から挟む位
置には、それぞれ円弧状の突出部9、9が、互いの突縁
同士を対向させた状態で存在する。又、上記透孔7は、
中央部の幅W7 を両端寄り部分の幅に比較して狭くして
いる。
【0007】上述の様な第二中間素材8には、続く工程
で、上記透孔7の周囲部分に、バーリング加工及び扱き
加工を施す事により、図5に示す様な第三中間素材10
とする。この第三中間素材10は、上記透孔7(図4)
部分を、上記各側壁部3、3と平行な側から見た場合に
矩形の開口11とすると共に、上記連結部4の他端部分
の形状を整えて、吸気弁或は排気弁を構成する弁体の基
端部を突き当てる為のバルブ係合部12としたものであ
る。上述の様な第三中間素材10には、続く工程で、上
記両側壁部3、3の互いに整合する位置に、カムと係合
するローラを回転自在に支持する為の支持軸の両端部を
支持する為の円孔を形成し、板金製ロッカーアームとし
て完成する。そして、この様な板金製ロッカーアームを
エンジンに組み付けた状態では、前記ローラ収納部5に
回転自在に保持した上記ローラの外周面をカムの外周面
に当接させ、前記ピボット部6にラッシュアジャスタの
先端部を突き当て、前記バルブ係合部12に吸気弁又は
排気弁の基端面を突き当てる。
【0008】上述の様にして製造した板金製ロッカーア
ームを構成する、左右1対の側壁部3、3の厚さt3
は、前記素板1の厚さt1 {図2(B)}とほぼ同じで
ある(t3 ≒t1 )。又、これら両側壁部3、3の板厚
3 と、前記ピボット部6やバルブ係合部12を含む、
上記連結部4の板厚t4 {図5(B)}も、上記素板1
の厚さt1 とほぼ同じ(t1 ≒t3 ≒t4 )である。
【0009】即ち、上述した従来の板金製ロッカーアー
ムは、1枚の金属板からプレス加工を主体とする一体成
形により造る為、ピボット部6の一部等、金属板の一部
がフローする部分を除くほぼ全面に亙り、ほぼ均一な厚
さを有する。前記特開平3−172506号公報以外に
記載された従来技術の場合も、プレス加工により1枚の
金属板からプレス加工を主体とする一体成形により造る
板金製ロッカーアームは、全面に亙りほぼ均一な厚さを
有する。
【0010】これに対して従来から、ロッカーアーム
を、それぞれを金属板にプレス加工を施す事により形成
した、2個又は3個の部材を溶接により結合固定した構
造のものも知られている。従来知られている構造では、
これら各部材の板厚は総て同じである。但し、この様に
複数個の部材を組み合わせて成る板金製ロッカーアーム
の場合には、ピボット部及びバルブ係合部を含む連結部
の厚さを、各側壁部の厚さよりも大きくできる。
【0011】上述した様な従来技術の場合、次に述べる
様な不都合を生じる。先ず、特開平3−172506号
公報に記載された、1枚の金属板から板金製ロッカーア
ームを一体に造る技術の場合には、造られた板金製ロッ
カーアームの厚さは、ほぼ全面に亙り均一になる。一
方、ロッカーアームの使用時には、連結部4、特に、バ
ルブ係合部12の近傍に作用する応力が、側壁部3、3
等の他の部分に作用する応力に比較して大きくなる。こ
の為、厚さが均一の場合には、上記連結部4、特にバル
ブ係合部12の近傍部分が他の部分に比べて、強度的に
不利になり、剛性も低くなる場合がある。従来の場合に
は、上記バルブ係合部12の近傍部分の強度及び剛性を
十分に確保すべく、板金製ロッカーアームを造る為の金
属板の厚さを大きくしていた。この為、上記側壁部3、
3等の他の部分の厚さが、本来必要とする以上に大きく
なり、板金製ロッカーアームの小型・軽量化を十分に図
れないだけでなく、材料費も嵩む原因となっている。
【0012】これに対して、それぞれを金属板にプレス
加工を施す事により形成した2個又は3個の部材を溶接
により結合固定した板金製ロッカーアームの場合には、
バルブ係合部を含む連結部の厚さを、側壁部等他の部分
の厚さよりも大きくできる反面、複数個の部材を別々に
製造した後、これら各部材同士を組み付け、溶接により
接合する必要がある。この為、加工工数が増大し、しか
も部品管理の手間を要する。更に、各部材を組み付ける
際の位置決め等の為に、複雑且つ精密な設備を必要とす
る為、加工工数の増大及び部品管理の手間を要する事と
合わせてコストが嵩む事が避けられない。しかも、得ら
れた板金製ロッカーアームの品質(精度)が、一体構造
のものに比べると劣る場合が多い。
【0013】
【先発明の説明】この様な不都合を解消する為に本発明
者等は先に、図6〜13に示す様な、板金製ロッカーア
ームの製造方法を発明した(特願平11−63515
号)。先ず、この先発明に係る製造方法に就いて説明す
る。この製造方法では、先ず第一工程で、図6に示す様
な第一素板13を造る。即ち、この第一工程では、例え
ば3〜4mm程度の厚さを有する炭素鋼板等、十分な剛性
を有する金属板(平板材若しくはコイル材)を、図示し
ないプレス装置の打抜き型と受型との間に供給し、これ
ら両型同士の間で、上記第一素板13を打ち抜き形成す
る。
【0014】この第一素板13は、図6(A)に示す様
に、角を丸めた菱形の長さ方向一端部{図6(A)の右
端部}を切除した如き形状と、t13なる厚さ{図6
(B)}とを有する。この様な第一素板13の幅方向
{図6(A)の上下方向}中央部の、図6(A)に記載
した2本の鎖線α、αよりも少し内側部分(幅方向中央
寄り部分)で幅W14なる部分を、上記第一素板13の長
さ方向{図6(A)の左右方向}に連続する基部14と
している。そして、この基部14の幅方向の両側に、そ
れぞれが略三角形である、1対の翼状部15、15を設
けている。又、上記基部14の外周縁とこれら両翼状部
15、15の外周縁とは、直線若しくは曲線により滑ら
かに連続している。言い換えれば、応力集中を生じ易
い、鋭く曲がった部分をなくしている。尚、上記基部1
4の形状は、必ずしも図示の例に限定されず、造るべき
板金製ロッカーアームの最終形状に合わせて、適宜の形
状とする。
【0015】上述の様な第一素板13の中央部には、続
く第二工程で、図7(A)に示すように透孔16を形成
して、第二素板20とする。この透孔16の形状は、大
略鼓形で、幅方向両側縁の長さ方向中央部に、互いに近
づく方向に突出した、それぞれが部分円弧状である、1
対の舌状部17、17を形成している。これら両舌状部
17、17はそれぞれ、後述するローラを回転自在に支
持する為の支持軸の両端部を支持する為の円孔18、1
8(図12〜13参照)を形成する為に設ける。又、上
記透孔16の四隅部分には、それぞれが略半円形である
切り欠き部19、19を形成している。これら各切り欠
き部19、19は、次の第三工程で、上記基部14を断
面円弧状に湾曲させて湾曲部21(図8参照)を形成す
る際に、湾曲作業を行ない易くする為に形成する。
【0016】上述の様な第二素板20は、図示しないプ
レス加工装置に組み込んだ、プレス装置の打抜き型と受
型との間に上記第一素板13を供給し、これら両型同士
の間で上記透孔16を打ち抜く事により形成する。尚、
前記第一素板13及び上記第二素板20の基部14の幅
14は、次に述べる第三工程で形成する1対の側壁部2
2、22の外側面同士の間隔である、第一中間素材23
の幅W23(図8参照)よりも大きくしている(W14>W
23)。この様に、基部14の幅W14を第一中間素材23
の幅W23よりも大きくした事に伴って、上記1対の舌状
部17、17同士の間隔D17も、前述した従来技術で形
成する透孔7の中央部の幅W7 (図4参照)よりも大き
く(D17>W7 )している。
【0017】この様に、上記1対の舌状部17、17同
士の間隔D17を大きくすると、上記透孔16を打ち抜く
為の打抜き型の寿命を確保できる。即ち、上記従来技術
の様に、透孔7の中央部の幅W7 (図4)が狭いと、上
記透孔7を打抜き加工する為の打抜き型にかかる負担が
大きく、この打ち抜き型の寿命が短くなる。これに対し
て、先発明の場合には、上記透孔16の中央部の幅であ
る、上記1対の舌状部17、17同士の間隔D17を大き
くしている為、上記透孔16を形成する為の打抜き型の
負担が軽減し、この打ち抜き型の耐久性を確保して、コ
スト低減を図れる。
【0018】尚、第二素板20を形成する順序は、上述
した第二工程で行なうとした透孔16の打抜き形成を始
めに行ない、次に、前述した第一工程で行なうとした、
基部14及び翼状部15、15の打抜き形成を行なって
も良い。更には、打ち抜き型及び受型の加工が可能で、
プレス装置の容量が十分であれば、素材となる金属板か
ら、直接図7に示す様な第二素板20を形成しても良
い。
【0019】何れにしても、図7に示す様な形状に加工
した、上記第二素板20は、続く第三工程で、図8に示
す様な第一中間素材23とする。この第三工程では、上
記第二素板20を、図示しないプレス装置に組み付けた
押型と受型との間に供給して強く押圧し、上記第二素板
20の基部14及び翼状部15、15に曲げ加工を施
す。そして、上記第二素材20を、幅方向に関して左右
1対の側壁部22、22と、これら両側壁部22、22
の幅方向{図8(c)(d)の左右方向}端縁同士を連
結する湾曲部21とから成る、上記第一中間素材23と
する。この湾曲部21は、この第一中間素材23の長さ
方向{図8(A)の左右方向}中間部で、上記透孔16
に対応する部分が不連続な、半円筒状に形成されてい
る。この様に、透孔16部分で2分割された上記湾曲部
21のうち、一端側{図8(A)(B)の右端側}が弁
体の基端部を突き当てる為の第一の係合部28(図11
〜12参照)になり、他端側{図8(A)(B)の左端
側}がラッシュアジャスタの先端部を突き当てる為の第
二の係合部29(図11〜12参照)となる。
【0020】前述した通り、上記1対の側壁部22、2
2の外側面同士の間隔である、上記第一中間素材23の
幅W23は、前述した第一、第二素板13、20の基部1
4の幅W14より小さくしている。即ち、先発明の特徴の
一つであるが、上記第一中間素材23に於いて、上記1
対の側壁部22、22の幅方向端縁同士を連結する為の
連結部としての役目を有する上記湾曲部21は、図8
(C)(D)に示す様に、略半円筒状に形成している。
この様に略半円筒状の湾曲部21を形成し、この湾曲部
21の元となる、前述した平板状の基部14の幅W14
りもこの湾曲部21の幅を小さくする為、この基部14
の幅W14を、上記第一中間素材23に設けられる左右1
対の側壁部22、22の外側面同士の間隔である、上記
第一中間素材23の幅W23よりも大きく(W14>W23
でき、前述した舌状部17、17同士の間隔D17を大き
くできるのである。上述した様な第三工程により得られ
る、図8に示す様な第一中間素材23を構成する上記湾
曲部21の厚さt21は、前記第一素板13の厚さt13
ほぼ同じ(t21≒t13)である。
【0021】尚、上記湾曲部21のうち、少なくとも弁
体の基端部を突き当てる為の第一の係合部28を構成す
る為の一端側部分には、次述する第四工程で押圧加工を
施して、厚さを大きくする。この場合に、押圧加工(に
基づく増厚加工)後に所望の厚さを得る為には、上記湾
曲部21の形状及び寸法を規制する必要がある。即ち、
この湾曲部21の形状及び寸法の選択が、上記押圧加工
に於ける厚さを決定付ける事になる。又、上記第一中間
素材23には、上記湾曲部21を形成すると同時に、左
右1対の側壁部22、22も同時に形成する。即ち、上
記湾曲部21を形成するのに伴って、前記第一、第二素
板13、20の幅方向両端部に形成した翼状部15、1
5及び中央部の透孔16の内側縁部に設けた舌状部1
7、17(図6〜7参照)を起立させて、互いにほぼ平
行な、上記1対の側壁部22、22とする。
【0022】上述の様にして構成した、上記第一中間素
材23には、続く第四工程で湾曲部21に押圧加工を施
し、図9に示す様な第二中間素材25とする。即ち、上
記第四工程では、上記湾曲部21を平板状に加工すると
共に厚さを増大させて、図9に示す様に、上記第一素板
13の厚さt13{図6(B)参照}よりも大きな厚さt
24(t13<t24)を有する連結部24とする。尚、図示
の例では、前述した第三工程で、前記基部14(図6〜
7)を、略半円筒状になるまで曲げ加工を行なって、前
記湾曲部21(図8)としているが、この湾曲部21
は、必ずしも半円筒状でなくても良く、半長円筒状、半
楕円筒状等、湾曲していれば良い。
【0023】図10は、上記第四工程の実施の形態の1
例を示している。本例の場合、先ず図10(A)に示す
様に、上記第一中間素材23の湾曲部21を、押圧加工
用の押型26と受型27との間に間にセットする。次い
で、この押型26を受型27に向け加圧して冷間鍛造を
行ない、上記湾曲部21を塑性変形させる。この結果、
図10(B)に示す様に、平板状の連結部24が形成さ
れる。この様に、湾曲部21を塑性変形させて連結部2
4とする際、断面円弧状の湾曲部21が平板状の連結部
24になる分、厚さがt24にまで増大する。この様に、
先発明の特徴である、断面円弧状の湾曲部21を平板状
の連結部24にすると同時に厚さを増大させる加工は、
プレスによる押圧加工を用いて、容易に行なえる。
【0024】尚、図示の例では、湾曲部21の一端側に
限らず、他端側も厚さが大きな連結部24としている。
但し、板金製ロッカーアームの使用時に特に大きな応力
が加わるのは、弁体の基端部を突き当てる第一の係合部
28を設ける、連結部24の一端側である。従って、こ
の連結部24の他端側は、必ずしも厚さを増大させる必
要はない。厚さを増大させる必要がなければ、単に湾曲
部21を塑性変形させて平坦な連結部にすれば良い。但
し、連結部24の厚さを、全長に亙り同じにする方が、
加工の手間を少なくできる為、コスト上有利である。
【0025】上記第四工程で、第一中間素材23に比較
的厚肉の連結部24を形成して第二中間素材25とした
ならば、次の第五工程でこの連結部24に塑性加工若し
くは切削加工、更には必要とする研削加工を施す。即
ち、図11に示す様に、上記連結部24のうちの前記両
側壁部22、22の長さ方向{図11(A)(B)の左
右方向}一端部に、図示しない弁体の基端部を突き当て
る為の第一の係合部28を形成する。又、上記連結部2
4のうちの上記両側壁部22、22の長さ方向他端部
に、図示しないラッシュアジャスタの先端部を突き当て
る為の第二の係合部29を形成する。この様な第五工程
では、上記第二中間素材25の連結部24の一端部を、
図示しない鍛造加工機の押型と受型との間にセットし
て、この一端部に冷間鍛造を施す事により、図11
(A)(B)(D)に示す様な、上記両側壁部22、2
2と反対側が凹んだ溝状で、底面部分が凸に湾曲した第
一の係合部28を形成する。又、上記第二中間素材25
の連結部24の他端部を、図示しない別の鍛造加工機の
押型と受型との間にセットして、この他端部に冷間鍛造
を施す事により、図11(A)(B)(C)に示す様
な、球状凹孔である第二の係合部29を形成する。この
様な第五工程により、前記第一素板13の厚さよりも大
きな厚さを有する上記第一、第二の係合部28、29を
設けた、第三中間素材30となる。尚、上述した第一〜
第五工程までの順序は、変更しても構わない。例えば、
トランスファープレス加工やプログレッシブ加工に適す
る様に、上記各工程の順序や各中間素材の形状を変更し
ても良い。但し、最終的には上記第三中間素材30を得
られる様にする。
【0026】この様にして得られた第三中間素材30に
は、次の第六工程で、1対の側壁部22、22の中間部
で互いに整合する位置に、それぞれ円孔18、18を、
プレス加工、或は旋削加工により形成し、図12〜13
に示す様な板金製ロッカーアーム31として完成する。
これら両円孔18、18は、前述した様に、ローラを回
転自在に支持する為の支持軸の両端部を支持する為のも
のである。即ち、上記両円孔18、18に両端部を支持
した支持軸の中間部周囲にローラを回転自在に支持する
と共に、このローラの外周面をカムの外周面に当接させ
て、カムシャフトの回転運動を上記板金製ロッカーアー
ム31の揺動運動に変換自在とする。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】上述の様に構成する、
先発明の板金製ロッカーアームの場合、次の様な理由に
より、第一の係合部28の形成作業に伴って、連結部の
両端部に、幅が狭い皺が形成される。即ち、前述した様
に、湾曲部21を塑性変形させて厚肉の連結部24と
し、更に上記第一の係合部28を形成する第四〜五工程
では、第二中間素材25の連結部24の一端部を、鍛造
加工機の押型と受型との間にセットして、この一端部に
冷間鍛造を施す。そして、図14(A)〜(D)に示す
様な工程で、前述の図11(A)(B)(D)及び図1
4(D)に示す様な、溝状で凸に湾曲した第一の係合部
28を形成する。
【0028】この様な第一の係合部28の形成作業時に
は、先ず、図14(A)に示した湾曲部21を1対の側
壁部22、22同士の間部分に向け、同図(B)に示す
様な形状に押し潰して、連結部24とする。この加工時
に於ける連結部24の両端部の折り曲げの起点は、第一
中間素材23の基準位置(各側壁部22、22の端縁か
ら所定長さだけ中央に寄った位置)よりもaだけ、上記
連結部24側に寄った部分に存在する。次いで、この連
結部24の幅方向中間部を更に1対の側壁部22、22
同士の間部分に向け押し出して、図14(C)に示す様
な形状に加工する。この加工時に於ける連結部24の両
端部の折り曲げの起点は、第一、第二各中間素材23、
25の基準位置よりもbだけ、上記連結部24側に寄っ
た部分に存在する。更に、この連結部24の幅方向中間
部を更に1対の側壁部22、22同士の間部分に向け押
し出して、図14(D)に示す様な、第一の係合部28
を有する形状に加工する。この加工時に於ける連結部2
4の両端部の折り曲げの起点は、第一、第二各中間素材
23、25の基準位置よりもcだけ、上記連結部24側
に寄った部分に存在する。先発明の場合、これら図14
(A)〜(D)に示した一連の加工時に、上記連結部2
4の両端の折り曲げの起点は、加工の進行に伴って上記
1対の側壁部22、22の側に移動する(a>b>
c)。
【0029】この様に、加工の進行に伴って上記連結部
24の両端の折り曲げの起点が上記1対の側壁部22、
22の側に移動する為、完成後の板金製ロッカーアーム
31の一部で、上記第一の係合部28を形成した連結部
24と上記1対の側壁部22、22とが連続する隅部
に、皺32、32が形成される。これら各皺32、32
は、その存在自体、特に板金製ロッカーアーム31の強
度を低下させる等の問題となるものではない。ところ
が、上記各皺32、32は、幅が狭く一見クラック(亀
裂)の如く見える為、上記板金製ロッカーアーム31の
完成品検査で不良品との見分けが難しくなる。本発明
は、この様な事情に鑑みて、板金製ロッカーアーム31
の完成品に、クラックと見間違える様な皺32、32が
形成される事のない板金製ロッカーアームの製造方法を
実現すべく発明したものである。
【0030】
【課題を解決する為の手段】本発明の板金製ロッカーア
ームの製造方法は、1枚の金属材を打ち抜き成形する事
により、所定の外形及び透孔を有する素板を形成し、こ
の素板に曲げ加工を施す事により、互いにほぼ平行な1
対の側壁部とこれら両側壁部の幅方向一端縁同士を連結
する連結部とを形成すると共に、これら両側壁部の互い
に整合する位置に形成した少なくとも1対の通孔と、上
記連結部の一部に設けた、少なくとも1個の係合部とを
備えた板金製ロッカーアームを製造するものである。こ
の様な本発明の板金製ロッカーアームの製造方法は、上
記素板に上記両側壁部を形成する為の曲げ加工を施すと
共に、上記連結部に対応する部分を断面円弧状に湾曲さ
せて湾曲部を形成してから、この湾曲部を強く押圧して
塑性変形させる押圧加工を行なう事により、この湾曲部
の厚さを増大させて上記連結部とする増厚加工を施した
後、この連結部の幅方向中間部を塑性変形させる事によ
り、上記1対の側板部と反対側が凹んだ溝状の凹部を有
する上記係合部とする係合部形成工程を有する。更に、
本発明の板金製ロッカーアームの製造方法の場合には、
上記曲げ加工を行なった後、この係合部形成工程までの
間に、上記湾曲部の一部を内径側に押圧する事により、
上記両側壁部に対し傾斜方向に存在する1対の傾斜部を
有する形状とした後、上記係合部を形成する。
【0031】
【作用】上述の様な構成を有する本発明の板金製ロッカ
ーアームの製造方法によれば、前述した先発明に係る板
金製ロッカーアームの製造方法と同様に、厚さが均一な
1枚の金属板からロッカーアームを一体成形するにも拘
らず、バルブ係合部を含む連結部の厚さを、1対の側壁
部の厚さよりも大きくできる。従って、このバルブ係合
部を含む連結部に作用する応力を低減して、無駄な重量
増大を招来する事なく、板金製ロッカーアームの強度並
びに剛性を確保できる。又、上記両側壁部の厚さは、こ
れら両側壁部に要求される強度並びに剛性を確保できる
ものであれば良く、必要以上に大きくする必要がない。
従って、これら両側壁部の外側面同士の間隔である、上
記板金製ロッカーアームの幅を小さくできて、この板金
製ロッカーアームを、エンジン内部の限られた空間内に
組み込む為の設計が容易になる。
【0032】しかも、板金製ロッカーアーム全体を、1
枚の金属板により一体に成形している為、互いに別々に
造った複数個の部材同士を結合する手間が不要で、工数
の削減を図ると同時に、製造コストの高騰や精度の悪化
を防止し、しかも、組立や位置決めの為に複雑な設備を
設ける必要をなくして、高品質の板金製ロッカーア−ム
を低コストで造れる。更に、上記連結部の厚さを増大さ
せる作業も、特別な装置を導入する事なく、プレス加工
のみにより実施可能である。この為、設備投資を抑制
し、しかも、工程の自動化を行なう事による省力化によ
り、高品質の板金製ロッカーアームを低コストで得られ
る。
【0033】更に、本発明の板金製ロッカーアームの製
造方法の場合には、両側壁部に対し傾斜方向に存在する
1対の傾斜部を形成する事に伴い、係合部を形成する為
に湾曲部乃至は連結部を曲げ加工する際の折り曲げの起
点を、板金製ロッカーアームの完成品としての折れ曲が
り部に近い部分に設定できる。この為、上記両側壁部と
連結部とが連続する隅部に、クラックと見間違える様な
皺が形成される事がなくなる。
【0034】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の形態の1
例を示している。本例は、吸気弁又は排気弁の基端面を
突き当てる為の第一の係合部28の形成作業に伴って、
連結部24の両端部に、幅が狭い皺が形成されない様に
したものである。この様な本例の場合、前述の先発明の
製造方法の第三工程で造った第一中間素材23(図8参
照)に設けた、図1(A)に示す様な湾曲部21のう
ち、特に上記第一の係合部28を形成すべき湾曲部21
の一部を、例えば図示しない1対の押型と受型との間で
強く挟持する事により、内径側に押圧する。そして、上
記湾曲部21の一部を内径側に塑性変形させる事によ
り、図1(B)に示す様に、上記第一中間素材23に設
けた1対の側壁部22、22に対し傾斜方向に存在す
る、1対の傾斜部33、33を有する形状とする。これ
ら両傾斜部33、33の傾斜方向は互いに逆であり、互
いの先端縁同士は、幅の狭い平坦部或は曲率半径が小さ
い湾曲部である、連続部35により、互いに連続させて
いる。即ち、本例の板金製ロッカーアームの製造方法の
場合には、上記第三工程の後、前述の先発明の製造方法
の第四工程に移る以前に、上記湾曲部21を塑性変形さ
せて、断面形状が略V字形である素連結部34とする。
【0035】この様にして形成した素連結部34は、や
はり図示しないプレス装置に組み込んだ押型と受型との
間で強く挟持する事により塑性変形させて、図1(C)
に示す様な、厚肉の連結部24とする。この加工時に於
ける連結部24の両端部の折り曲げの起点は、第一中間
素材23の基準位置よりもa´だけ、上記連結部24側
に寄った部分に存在する。
【0036】次いで、やはり図示しないプレス装置に組
み込んだ押型と受型との間で、この連結部24の幅方向
中間部を強く挟持する事により、この連結部24の幅方
向中間部を、更に1対の側壁部22、22同士の間部分
に向け押し出して、図1(D)に示す様な形状に加工す
る。この加工時に於ける連結部24の両端部の折り曲げ
の起点は、第一中間素材23の基準位置よりもb´だ
け、上記連結部24側に寄った部分に存在する。
【0037】更に、やはり図示しない、プレス装置に組
み込んだ仕上加工用の押型と受型との間でこの連結部2
4の幅方向中間部を強く挟持する事により、この連結部
の幅方向中間部を更に1対の側壁部22、22同士の間
部分に向け押し出して、図14(E)に示す様な、第一
の係合部28を有する形状に加工する。この加工時に於
ける連結部24の両端部の折り曲げの起点は、第一中間
素材23の基準位置よりもc´だけ、上記連結部24側
に寄った部分に存在する。
【0038】本発明の板金製ロッカーアームの製造方法
を実施する場合、これら図1(A)〜(E)に示した一
連の加工時に、上記連結部24の両端の折り曲げの起点
は、加工の進行に伴って殆ど移動しない(a′≒b′≒
c′)。言い換えれば、前記第一の係合部28を形成す
る為に湾曲部21乃至は連結部24を曲げ加工する際の
折り曲げの起点を、板金製ロッカーアーム31(図12
〜13参照)の完成品としての折れ曲がり部、即ち、上
記両側壁部22、22の内側面と上記連結部24との連
続部に近い部分に設定できる。この為、これら両側壁部
22と連結部24とが連続する隅部に、クラックと見間
違える様な皺32、32{図14(D)参照}が形成さ
れる事がなくなる。尚、前記各傾斜部33、33を形成
する作業は、湾曲部21を増厚しつつ連結部24を形成
するのと同時に行なっても良い。言い換えれば、図1
(B)の工程を省略し、図1(B)の形状から直接図1
(C)に示す形状を得ても良い。
【0039】
【発明の効果】本発明の板金製ロッカーアームの製造方
法は、以上に述べた通り構成され作用するので、先発明
の場合と同様に、大きな力が加わる係合部を含む連結部
に作用する応力を低減する事ができ、ロッカーアームの
強度や剛性の向上を図れる。又、得られる板金製ロッカ
ーアームは一体構造である為、工数及び部品点数の削減
により、コストの低減、精度の向上、設備の簡略化を図
れる。又、特別な装置を導入する必要もなく、自動化も
行ない易い為、高品質の板金製ロッカーアームを低コス
トで実現できる。更に、本発明の板金製ロッカーアーム
の製造方法の場合には、両側壁部と連結部とが連続する
隅部に、クラックと見間違える様な皺が形成される事が
なくなる為、完成品検査に於ける良品と不良品との判別
作業が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の1例を工程順に示す、図
13のA矢印方向から見た模式図。
【図2】従来方法の第一工程で造られた素板を示してお
り、(A)は平面図、(B)は(A)のa−a断面図。
【図3】同じく第二工程を経て造られた第一中間素材を
示しており、(A)は平面図、(B)は(A)のa−a
断面図。
【図4】同じく第三工程を経て造られた第二中間素材を
示しており、(A)は平面図、(B)は(A)のa−a
断面図。
【図5】同じく第四工程を経て造られた第三中間素材を
示しており、(A)は平面図、(B)は(A)のa−a
断面図。
【図6】先発明の第一工程により得られる第一素板を示
しており、(A)は平面図、(B)は(A)のa−a断
面図、(C)は(A)のb−b断面図、(D)は(A)
のc−c断面図。
【図7】同第二工程により得られる第二素板を示してお
り、(A)は平面図、(B)は(A)のa−a断面図、
(C)は(A)のb−b断面図、(D)は(A)のc−
c断面図。
【図8】同第三工程により得られる第一中間素材を示し
ており、(A)は平面図、(B)は(A)のa−a断面
図、(C)は(A)のb−b断面図、(D)は(A)の
c−c断面図。
【図9】同第四工程により得られる第二中間素材を示し
ており、(A)は平面図、(B)は(A)のa−a断面
図、(C)は(A)のb−b断面図、(D)は(A)の
c−c断面図。
【図10】同第四工程の実施状況を示しており、(A)
は湾曲部を押圧する以前の状態を、(B)は湾曲部を押
圧して連結部とした状態を、それぞれ示す部分拡大断面
図。
【図11】同第五工程により造られる第三中間素材を示
しており、(A)は平面図、(B)は(A)のa−a断
面図、(C)は(A)のb−b断面図、(D)は(A)
のc−c断面図。
【図12】同第六工程を経て完成した板金製ロッカーア
ームを示しており、(A)は平面図、(B)は(A)の
a−a断面図、(C)は(A)のb−b断面図、(D)
は(A)のc−c断面図。
【図13】同じく斜視図。
【図14】先発明で第一の係合部を加工する状態の1例
を工程順に示す、図1と同様の図。
【符号の説明】
1 素板 2 第一中間素材 3 側壁部 4 連結部 5 ローラ収容凹部 6 ピボット部 7 透孔 8 第二中間素材 9 突出部 10 第三中間素材 11 開口 12 バルブ係合部 13 第一素板 14 基部 15 翼状部 16 透孔 17 舌状部 18 円孔 19 切り欠き部 20 第二素板 21 湾曲部 22 側壁部 23 第一中間素材 24 連結部 25 第二中間素材 26 押型 27 受型 28 第一の係合部 29 第二の係合部 30 第三中間素材 31 板金製ロッカーアーム 32 皺 33 傾斜部 34 素連結部 35 連続部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3G016 BB09 CA04 CA12 CA13 CA29 CA44 CA45 EA02 FA07 FA12 GA00 4E087 BA19 CA11 CB03 HA67

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1枚の金属材を打ち抜き成形する事によ
    り、所定の外形及び透孔を有する素板を形成し、この素
    板に曲げ加工を施す事により、互いにほぼ平行な1対の
    側壁部とこれら両側壁部の幅方向一端縁同士を連結する
    連結部とを形成すると共に、これら両側壁部の互いに整
    合する位置に形成した少なくとも1対の通孔と、上記連
    結部の一部に設けた、少なくとも1個の係合部とを備え
    た板金製ロッカーアームを製造する板金製ロッカーアー
    ムの製造方法であって、上記素板に上記両側壁部を形成
    する為の曲げ加工を施すと共に、上記連結部に対応する
    部分を断面円弧状に湾曲させて湾曲部を形成してから、
    この湾曲部を強く押圧して塑性変形させる押圧加工を行
    なう事により、この湾曲部の厚さを増大させて上記連結
    部とする増厚加工を施した後、この連結部の幅方向中間
    部を塑性変形させる事により、上記1対の側板部と反対
    側が凹んだ溝状の凹部を有する上記係合部とする係合部
    形成工程を有し、且つ、上記曲げ加工を行なった後、こ
    の係合部形成工程までの間に、上記湾曲部の一部を内径
    側に押圧する事により、上記両側壁部に対し傾斜方向に
    存在する1対の傾斜部を有する形状とした後、上記係合
    部を形成する板金製ロッカーアームの製造方法。
  2. 【請求項2】 増厚加工と同時に1対の傾斜部の形成を
    行なう、請求項1に記載した板金製ロッカーアームの製
    造方法。
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