JP2001038419A - ロールの迅速切替えのための水平方向に開放可能な肩を備えた圧延鉄鋼製品の矯正機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ロールの迅速切替えのための水平方向に開放
可能な肩を備えた圧延鉄鋼製品の矯正機を提供する。 【解決手段】 本発明は、フレーム構造（11）が、２組
のロール（14,15 ）、即ち、上側の組をなすロール（1
4）と下側の組をなすロール（15）を支持する一対の対
向した肩（12,13 ）を有し、ロールの間には圧延鉄鋼製
品を矯正する矯正経路が構成されている形式の圧延鉄鋼
製品用矯正機に関する。本発明によれば、対向した肩（1
2,13 ）を、ロール（14,15 ）を包囲した状態で支持す
る閉鎖作動位置と、組をなすロール（14,15 ）を異なる
ロールから成る他の組と交換できるよう取り外せる開放
非作動位置との間で水平方向に並進できる。更に、上述
のフレーム構造（11）とは独立していて、組をなすロー
ル（14,15 ）を肩（12,13 ）の開放非動作位置で支持す
る支持搬送手段が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、肩がロールの迅速交換
を目的として水平方向並進運動（肩の相対的離隔）によ
り特徴的に開放可能な圧延鉄鋼製品のローラ矯正機に関
する。

【０００２】

【従来の技術及び発明の解決しようとする課題】圧延分
野の当業者には周知のように、圧延設備の冷却板の全体
的に下流側には矯正機が配置されており、かかる矯正機
は、圧延された鉄鋼製品を完全に直線状のもの、例えば
棒材又は他の形材（山形材等）にする目的をもってい
る。

【０００３】大まかに言えば、矯正機は、複数の下側ロ
ールと複数の上側ロールをケース又はホルスターで支持
して構成した機械である。これらロール（これらの軸線
を互いに平行にした状態で配置されている）相互間には
圧延工程からやって来た矯正されるべき鉄鋼材が送り込
まれる。

【０００４】下側ロールは、一般にモータ駆動式のもの
であり、これに対して上側ロールは、２つの列状に配置
されたロール相互間に送り込まれた圧延製品により回転
駆動される。

【０００５】下側ロールと上側ロールのシェルは、適当
に形作られていて（溝付き）、圧延機からやって来た製
品の加工に適した形態をしている。

【０００６】上側ロールと下側ロールとの間の距離（隙
間）は、圧延製品を矯正できるよう或る大きさの範囲内
で調整可能である。

【０００７】公知の形式の矯正機は例えば、イタリア国
特許第１，２０５，１２９号及び第１，２０５，１３０
号に記載されている。

【０００８】上述の形式の矯正機が満たさなければなら
ない重要な要件は、その時点で加工中の圧延製品とはか
なり異なる輪郭形状及び（又は）寸法を有する圧延製品
を矯正する必要が生じた場合、ロールを可能な限り最も
簡単且つ最も早いやり方で交換できることである。

【０００９】公知形式の矯正機では、かかる作業では、
ロール一式（上側ロールと下側ロール）を異なる形態を
したロールを有する別の一式で置き換える必要がある。

【００１０】ロールの組全体を交換するには、矯正機の
作動を停止し、現場でロールを取り外し、そして新しい
組をなす上側及び下側のロールを据えつける必要があ
る。しかしながら、かかる解決策は、時間が長くかかり
且つ労力を要し、しかもコストが高くつく。

【００１１】事実、公知の形式の矯正機では、ロールの
軸受の支持体は、矯正機のホルスターと一体であり、こ
れに対し、軸受本体は、分解中、ロール自体のシャフト
に固定されたままである。

【００１２】したがって、以下の代替策がある。即ち、
これは、各ロールが何れも、それ自体の軸受を装備する
ことであり、さもなければ、取り外したロールの軸受を
分解して新しいロールに再び取り付ける必要があり、こ
の場合、このような作業に起因してあらゆる操作上の問
題が生じることは明らかである。

【００１３】かかる問題の解決策に対して、イタリア国
特許第１，２０５，１３０号は、矯正経路を定める複数
の下側ロールと複数の上側ロールをフレーム構造で支持
した矯正機を提案している。

【００１４】上記特許によれば、上記ロールの中には直
径の小さなものがあれば、直径の大きなものもある。そ
の目的は、２つの組をなす互いに異なる直径のロールを
構成することにあり、かかるロール組は、交互に配置さ
れる。また、小径のロールを矯正経路から遠ざけ、矯正
されるべき異形棒材の横方向寸法に従ってこれらロール
を矯正経路中へ挿入する手段が設けられている。

【００１５】しかしながら、かかる解決策も又、非常に
コスト高であることが判明した。というのは、実際問題
として、このためには並置された２つの機械が必要にな
る。

【００１６】公知形式の矯正機のもう一つの欠点は、上
側ホルスターが上側ロールの全てに作用する力を支えて
これに耐え、これに対して下側ホルスターが下側ロール
の全てに作用する力を支えてこれに耐えるようになって
いることである。加うるに、上側ロール及び下側ロール
の配置構成は、圧延製品の矯正作業により生じる力がロ
ール自体を互いに遠ざける方向に発揮され、その結果、
構造体が上側ロールの全てに作用する力と下側ロールの
全てに作用する力を合計した力を支持しなければならな
いようなものになっている。これにより、ロールの全て
の外部に非常に大がかりな構造体を有し、応力を無くす
のに非常に長い経路が作られるようになるという欠点が
生じる。

【００１７】したがって、本発明の一般的な目的は、圧
延機からやって来た棒材及び（又は）形材に合わせたロ
ーラ矯正機のロール交換という問題を簡単且つ経済的に
完結することにある。

【００１８】本発明の別の目的は、圧延製品に対する矯
正作業により生じた力が、抵抗性のある頑丈な構造体に
逃がされ、経路を短くした状態で３つのロール群内にお
いて無くなるようにすることにある。

【００１９】

【課題を解決するための手段】上記目的は、請求項１及
びその従属形式の請求項に記載された特徴を有する矯正
機によって達成される。

【００２０】本発明の構造及び機能上の特徴並びに公知
技術と比較した場合のその利点は、本発明の幾つかの実
施形態を示す添付の図面を参照して以下の説明を読むと
明確に理解されよう。

【００２１】

【発明の実施の形態】図面において、問題の矯正機は、
全体が１０で示されており、この矯正機は構造的に、互
いに向かい合って配置された１対の肩１２，１３を有す
るフレーム構造１１で構成されており、これらの肩は、
２組のロール、即ち上側の組をなすロール１４及び下側
の組をなすロール１５を支持している。

【００２２】図面から明らかに分かるように、ロール１
４，１５の軸線１６，１７は、互い違いになっていて、
２つの連続したロール相互間の中間平面上に位置してい
る。その結果、この上側ロール１４は、対応関係にある
下側ロール１５の軸線相互間の距離によって定められる
空間内に配置されている。

【００２３】図示の例では、上側ロール１４は、モータ
によって駆動されるロールであり、下側ロール１５は遊
びロールである。動作は、モータ組立体１８、減速機１
９及び延長アーム２０によってロール１４に伝達され、
これらはすべて公知形式のものであり、ここではこれ以
上詳細には説明しない。

【００２４】図面の図４及び図１０に示すように、そし
て以下に説明するように、ロール１５，１４は、これら
軸線相互間の距離を変えることができ、その結果、ロー
ルそれ自体相互間の距離（隙間）を変えることができる
よう互いに対して位置調整できる。

【００２５】参照番号２１は、ロール１４，１５の組に
通される矯正されるべき圧延製品を示している。圧延製
品２１は、例えば図２に示すように山形断面を有し、し
たがってロール１４，１５はこれらと対応した受座を有
するようになっている。

【００２６】図面から明らかに分かるように、圧延製品
２１の矯正作業は、３つのロール１４，１５から成る
組、即ち上側の１つのロールと下側の２つのロール又は
上側の２つのロールと下側の１つのロール相互間で行わ
れる。

【００２７】本発明によれば、ロール１４，１５は、肩
１２，１３によって支持され、これら肩の中には、軸受
２２，２３が安定的に納められており、これら軸受は、
ロール１４，１５それ自体のシャフト２４，２５を受け
入れており、これらのネックは、部分的に円筒形であ
り、部分的に切頭円錐形の形状を有している。

【００２８】加うるに、これら肩１２，１３を、図５及
び図７に示すように軌道２７上で矢印２６の方向に並進
させるのがよい。

【００２９】肩１２，１３の並進運動は、それぞれの油
圧ジャッキ２８，２９によって行われる。

【００３０】肩１２，１３は、これらの並進運動のため
にそれぞれ、支持部３０を備え、この支持部は、図面に
概略的に示すように軌道２７と嵌合している。

【００３１】図面から明らかに分かるように、肩１２，
１３を図５及び図６に示すような閉鎖位置から図７及び
図８に示すような開放位置に開くだけで組をなすロール
１４，１５の必要な交換を容易かつ迅速に行うことがで
きる。

【００３２】この開放位置では、ロール１４，１５の組
は、クレードル３２，３３を備えたコンテナ３１によっ
て支持され、これらクレードル上には、部分的に円錐形
であり、部分的にロール１４，１５（図９）の切頭円錐
形の形をしたネックを備えるシャフト２５，２４が載っ
ている。

【００３３】コンテナ３１は、適当に形作られていて、
ベース３４、サイド３５（これにより上述のクレードル
３２，３３が構成されている）及びヘッド３６を有し、
ロールそれ自体の組立及び分解作業中、上側ロール１４
及び下側ロール１５を支持する目的をもっている。

【００３４】ロールは円筒形ネック（シャフト２４，２
５の円筒形部分）をコンテナ３１内に形成された支持体
（クレードル３２，３３）に載せた状態で、肩１２，１
３を互いに近づけ、ついにはロールのシャフトの円錐形
部分がブッシュの受座に入り、そしていったん組立を完
了すると、ロールのネックはコンテナの支持体では支持
されないようになる。

【００３５】組立位置は、図３の場合、筒体又はロール
相互間の隙間の開きが最大であり、図１０の場合、開き
が最小である。

【００３６】分解作業では、ロールはこれらの軸線が互
いに距離を置いた状態で配置され、これは、肩の開放
中、円錐形表面の摺動により、ロールが肩内のハウジン
グとコンテナ３１内に形成されている支持体との間で過
度に大きな自由移動をしなくてもすむような仕方で行わ
れる。

【００３７】ロールを支持したコンテナ３１は、図９に
示すように、例えば頭上移動クレーンで取り出され、肩
１２，１３相互間のスペースを空け、ここに新しい２組
のロールを配置され、これら新しい組をなすロールも
又、コンテナ３１で支持される。

【００３８】次に、肩１２，１３は、図５及び図６に示
す作動位置に再び閉鎖されることになろう。

【００３９】本発明によれば、組をなすロールを回転さ
せる軸受２２，２３は、ロールの交換作業中、肩１２，
１３内の定位置に位置したままであり、その結果、操作
全体が容易になり、これによりシステムの費用をかなり
節約できる。

【００４０】本発明によれば、下側ロール１５（図３、
図４及び図４Ａ）の支持体２３（軸受）又は変形例とし
ての上側ロール１４の支持体（図１０）は、支柱３７の
一端に固定され、これら支柱は、両方向を示す矢印３８
で示された方向へ垂直方向に並進運動することにより位
置調整可能に肩１２，１３に一体的に固定されている。
支柱３７はロールと反対側の端部が、雌ねじ４２に結合
されたねじ付き部分３７Ａを有している。

【００４１】両方向を示す矢印３８で示された方向への
各支柱３７の並進は、それ自体のモータ３９と減速機４
０から成る組立体により、本発明の目的の達成に適した
任意形式の機構を介して行われる。

【００４２】図示の例では、この機構は、雄ねじ３７Ａ
と雌ねじ４２で構成された形式のものであり、支柱３７
の回転は、阻止される。雌ねじ４２の回転は、ウォーム
スクリュー４１により行われ、このウォームスクリュー
は、組立体３９〜４０からの動作を受け取り、雌ねじ４
２それ自体の円周方向歯４１Ａに結合されている。

【００４３】このように、図４Ａ中に矢印４３，４４で
示されているように力の作用系は、３つのロール、例え
ば上側ロール１４と２つの下側ロール１５の間に認めら
れる。上記の力の作用系は、肩１２，１３に作用してロ
ール自体のシャフト及び支持体がこれらを広げる傾向の
ある荷重を確実に相殺し、かくして公知技術により生じ
る上記欠点が解決される。

【００４４】図面から明らかに分かるように、ロールの
位置調整動作は、モータ３９と減速機４０から成る組立
体によって、肩１２に取り付けられている軸受２２に直
に伝えられ、そして符号４５で概略的に示されている継
手により肩１３に取り付けられている軸受２３に伝えら
れる。

【００４５】このようにして本明細書の「従来の技術及
び発明の解決しようとする課題」の項に記載した目的が
達成される。

【００４６】本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載に
基づいて定められる。

【図面の簡単な説明】

【図１】矯正されるべき製品が送り込まれるロール相互
間のローラ矯正機を示す縦正面図である。

【図２】図１の矯正機の部分断面側面図である。

【図３】上側の固定ロール、下側の可調式ロール及び肩
を開くためのガイドを示す図１の図と類似した図であ
る。

【図４】図３の下側の可調式ロール及びこれと対応関係
にある調整装置を示す部分切除断面詳細図であり、上側
ロールが破線で示されている図である。

【図４Ａ】２つの下側ロール及びこれらに対応した上側
ロール（図４の上側ロール）の略図であり、３つのロー
ルで構成された各組内の耐力肩に加わる力の合力を０に
する原理を示す図である。

【図５】作業位置（肩が閉じられた状態）にある矯正機
を示す側面図である。

【図６】図５に示す矯正機と同一の矯正機を作業位置で
示す平面図である。

【図７】図５に示す矯正機と同一の矯正機をロール交換
位置（肩が水平方向に開かれている）で示す側面図であ
る。

【図８】図７と同一の矯正機をロール交換位置で示す平
面図である。

【図９】ロール交換作業を示す概略側面図である。

【図１０】下側ロールが固定され、上側ロールが位置調
整可能な変形例を示す図３と類似した図である。

【符号の説明】

１０ 矯正機 １１ フレーム構造 １２，１３ 肩 １４ 上側ロール １５ 下側ロール

Claims (10)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 フレーム構造（11）が、２組のロール
   （14,15 ）、即ち、上側の組をなすロール（14）と下側
   の組をなすロール（15）を支持する一対の対向した肩
   （12,13 ）を有し、ロールの間には圧延鉄鋼製品を矯正
   する矯正経路が構成されている形式の圧延鉄鋼製品用矯
   正機において、前記対向した肩（12,13 ）を、前記ロー
   ル（14,15 ）を包囲した状態で支持する閉鎖作動位置
   と、前記組をなすロール（14,15 ）を異なるロールから
   成る他の組と交換できるよう取り外せる開放非作動位置
   との間で水平方向に並進でき、更に、前記フレーム構造
   （11）とは別体であって、前記組をなすロール（14,15
   ）を肩（12,13 ）の前記開放非動作位置で支持する支
   持搬送手段が設けられていることを特徴とする矯正機。
2. 【請求項２】 前記組をなすロールの各ロール（14,15
   ）は、前記肩（12,13 ）の一体部分を形成する対応関
   係にある軸受（22,23 ）に取り付けられ、前記軸受（2
   2,23 ）は、肩の開放時、前記肩内の定位置に位置した
   ままであることを特徴とする請求項１記載の矯正機。
3. 【請求項３】 前記支持搬送手段は、前記ロール（14,1
   5 ）のシャフト（25,24 ）を支持するクレードル（32,3
   3 ）を備えたコンテナ（31）から成ることを特徴とする
   請求項１記載の矯正機。
4. 【請求項４】 前記コンテナ（31）は、ベース（34）、
   サイド（35）及びヘッド（36）を有していることを特徴
   とする請求項２記載の矯正機。
5. 【請求項５】 前記軸受（22）又は（23）は、ロール相
   互間の距離（隙間）を変えるよう位置調整可能な様態で
   前記肩（12,13 ）に取り付けられていることを特徴とす
   る請求項２記載の矯正機。
6. 【請求項６】 前記軸受（22）又は（23）は、両方向を
   示す矢印（38）で示された方向へ垂直方向に並進運動す
   ることにより位置調整可能に前記肩に一体的に固定され
   た支柱（37）の端に固定されていることを特徴とする請
   求項５記載の矯正機。
7. 【請求項７】 両方向を示す矢印（38）で示された方向
   における各支柱（37）の並進運動は、伝動装置を介して
   それ自体のモータ（39）と減速機（40）から成る組立体
   により行われることを特徴とする請求項６記載の矯正
   機。
8. 【請求項８】 前記伝動装置は、雄ねじ（37A ）と雌ね
   じ（42）により構成された機構であり、支柱（37）の回
   転が阻止された場合、雌ねじ（42）への動作が雌ねじ
   （42）それ自体の円周方向の歯（41A ）に結合されたウ
   ォームスクリュー（41）を介して伝達されるようになっ
   ていることを特徴とする請求項７記載の矯正機。
9. 【請求項９】 前記モータ（39）と減速機（40）から成
   る組立体からの動作は、一方の肩（12）に取り付けられ
   た軸受に直接伝達され、そして、継手（45）を介して他
   方の肩（13）に取り付けられた軸受に間接的に伝達され
   ることを特徴とする請求項７記載の矯正機。
10. 【請求項１０】 前記肩（12,13 ）は、互いに向かい合
    って配置された前記肩（12,13 ）は、支持部（30）によ
    り軌道（27）上で水平方向に並進運動することを特徴と
    する請求項１記載の矯正機。