JP2001030634A - 可逆性感熱記録材の転写シート - Google Patents

可逆性感熱記録材の転写シート

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JP2001030634A
JP2001030634A JP11209615A JP20961599A JP2001030634A JP 2001030634 A JP2001030634 A JP 2001030634A JP 11209615 A JP11209615 A JP 11209615A JP 20961599 A JP20961599 A JP 20961599A JP 2001030634 A JP2001030634 A JP 2001030634A
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Japan
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layer
thermosensitive recording
reversible thermosensitive
resin
transfer sheet
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JP11209615A
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English (en)
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Shinya Takemoto
晋也 竹本
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Mitsubishi Plastics Inc
Mitsumura Printing Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Plastics Inc
Mitsumura Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 転写後の可逆性感熱記録層の画像の識別性が
よく、サーマルヘッドが汚れたり焼きつきを起こさず、
サーマルヘッドによる印字適性に優れた転写シートを提
供することである。また、転写後の保護層の表面に塵埃
などが付着し難く、防汚性に優れた可逆性感熱記録材の
転写シートを提供することである。 【解決手段】 ポリエチレンテレフタレート等からなる
剥離用基材層1上に設けた光透過性の樹脂層2と、可逆
性感熱記録層3と、被転写物に対する接着面に接着層5
とを備えた転写シートであって、光透過性の樹脂層2
を、剥離用基材層1に対して離型性のある光硬化性樹脂
または電子線硬化樹脂のような樹脂硬化物で形成した可
逆性感熱記録材の転写シートAとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、加熱処理による
温度変化によって可視画像を表示または消去可能な可逆
性感熱記録材を物体の表面に転写するための可逆性感熱
記録材の転写シートに関する。
【0002】
【従来の技術】可視画像を表示または消去するために用
いられる可逆性感熱記録材料として、例えば加熱温度の
条件や加熱後の冷却速度によって可逆的に色調が変化す
る性質のロイコ染料(ロイコ色素とも呼ばれる。)や有
機低分子化合物を樹脂母材に分散させたものなどからな
る可逆性感熱記録材料が知られている。
【0003】ロイコ染料は、無色または淡色の電子供与
性染料前駆体からなる還元型の色素であり、これを用い
た可逆性感熱記録材料の組成物には、ロイコ染料と、こ
れを発色させる酸性基および発色したロイコ染料を消色
させる塩基性基とを有する両性化合物からなる顕減色剤
が配合されている(特開平2−188293号公報)。
電子供与性染料前駆体であるロイコ染料は、熱エネルギ
ーを制御することにより、酸性基による発色作用または
塩基性基による消色作用の一方が優先するので発色と消
色の作用がある。
【0004】また、特開昭63−41186号公報に
は、透明度を可逆的に変化させ、透明/白濁のコントラ
ストによって画像を表示する樹脂母材と、この樹脂母材
中に分散された有機低分子から構成された可逆性感熱記
録材料が記載されている。
【0005】上記したような可逆性感熱記録材料は、感
熱記録層を構成する各種材料をテトラヒドロフラン(T
HF)などの有機溶剤に溶かして、これを基材または所
要物品の表面に塗布して乾燥および硬化させ、さらにそ
の表面を物理化学的損傷から保護するための保護層で被
覆する態様で用いられている。
【0006】ところで、テトラヒドロフラン(THF)
などの有機溶剤に記録層を構成する材料を溶かした溶液
は、紙類に吸収されやすく塗膜を形成し難いものであ
り、紙類を基材としてその表面に可逆性感熱記録層を設
ける場合には、可逆性感熱記録層を有する転写シートを
紙類に転写する方法が検討されている。
【0007】図3に示すように、従来の可逆性感熱記録
材の転写シートBの積層構成は、剥離用基材層10上に
シリコーン樹脂などからなる剥離層11を設け、これに
重ねて透明な樹脂からなる保護層12を設け、この層で
転写した後の可逆性の感熱記録層13の表面を物理化学
的損傷から保護するようにしている。なお、図3中の符
号14はバリア層を示しており、符号15は接着性を向
上させるためのアンカー層を示し、符号16は接着層を
示している。
【0008】このような転写シートBを用いて可逆性感
熱記録層を転写するには、接着層16を被転写物の表面
に圧接して加熱し、その接着後に、表面を覆っている基
材層10を引き剥がすようにしている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
の可逆性感熱記録材の転写シートは、保護層と剥離層が
別々に形成された積層体からなり、このものはシートの
剥離性を得るための製造工程が煩雑であり、製造効率の
低下および製造コストを増加させる層構成であった。
【0010】また、図4に示すように、剥離用基材層1
0を引き剥がした際に、剥離層11が層破壊されて、そ
の一部が保護層12の表面に残る場合がある。このよう
にして保護層12の表面に残留した剥離層11の一部
は、可逆性感熱記録層13の画像の識別性を低下させた
り、サーマルヘッドに粘着し、サーマルヘッドの表面に
剥離層11が焼きつくと画像形成機能が阻害される場合
もある。
【0011】また、転写後の物体の表面は、シリコーン
オイルやシリコーン樹脂などのオルガノポリシロキサン
を含有するような軟質の剥離層が付着しているので、転
写面に塵埃が付着しやすく、汚れやすいという問題点も
ある。
【0012】そこで、この発明の課題は、上記した問題
点を解決して可逆性感熱記録材の転写シートの積層体の
層構成を可及的に単純化することにより、転写シートの
製造効率を高めて低コストで製造できる層構成の転写シ
ートを提供することを課題としている。
【0013】また、他に解決すべき課題としては、転写
後の可逆性感熱記録層の画像の識別性がよく、サーマル
ヘッドが汚れたり焼きつきを起こさず、サーマルヘッド
による印字適性に優れた転写シートを提供することであ
る。
【0014】さらにまた、この発明の他の課題として
は、転写後の保護層の表面に塵埃などが付着し難く、防
汚性に優れた可逆性感熱記録材の転写シートを提供する
ことである。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本願の発明においては、剥離用基材層上に設けた
光透過性の樹脂層と、可逆性感熱記録層と、被転写物に
対する接着面に接着層とを備えた転写シートであって、
前記光透過性の樹脂層を、剥離用基材層に対して離型性
のある樹脂硬化物で形成してなる可逆性感熱記録材の転
写シートとしたのである。
【0016】上記したように構成されるこの発明の可逆
性感熱記録材の転写シートは、基本的な層構成として、
剥離用基材層/光透過性の樹脂層/可逆性感熱記録層/
接着層を有する積層体であり、紙等の被転写物に対して
接着層を熱圧着した後、剥離用基材層を引き剥がして可
逆性感熱記録層を被転写物に写し取ることができる。
【0017】そして、この発明の可逆性感熱記録材の転
写シートの光透過性の樹脂層は、剥離用基材層に対して
離型性を有する樹脂硬化物で一層に形成されたものであ
り、シリコーン樹脂などからなる剥離層を重ねて設けた
ものではない。すなわち、この発明における光透過性の
樹脂層は、可逆性感熱記録層の保護層と、剥離層と、転
写時および転写後の強度を保障する機能を兼ね備えてお
り、しかも一層の樹脂硬化物からなる。
【0018】このような樹脂硬化物からなる光透過性の
樹脂層を設けたことにより、可逆性感熱記録材の転写シ
ートは、剥離用基材層に剥離性をもたせるための工程
が、未硬化樹脂材料のコーティングおよびその硬化処理
だけになって、製造効率の向上および製造コストを低減
できる構成になる。
【0019】そして、この発明の転写シートを用いて被
転写物に写し取られた可逆性感熱記録層は、樹脂硬化物
からなる光透過性の樹脂層によって支持されかつ保護さ
れており、転写時および転写後に必要な可逆性感熱記録
層の強度は、光透過性の樹脂層によって保障される。
【0020】また、転写された後の可逆性感熱記録層の
表面には、従来例のような層破壊された剥離層の一部が
付着することがなく、そのため汚れが付き難く、転写後
の可逆性感熱記録層の画像の識別性がよくなる。さら
に、サーマルヘッドが汚れたり焼きつきを起こさないの
で、サーマルヘッドによる印字適性に優れた転写シート
になる。
【0021】
【発明の実施の形態】この発明における剥離用基材層
は、剥離性のよいフィルムまたは紙などのシートからな
るものであって透明であっても不透明であってもよい
が、剥離する際に曲げてはぎ取りやすくするための柔軟
性および強靱性は必要であり、プラスチックフイルムを
採用する場合には、母材に適量の可塑剤を配合するなど
して所要特性を調整する。剥離用基材層の具体的な材質
例としては、紙、布、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リエチレンナフタレートなどのポリエステル樹脂、ポリ
プロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリ塩
化ビニル、ポリエチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポ
リ乳酸、ポリサルフォン、ポリフェニレンサルファイ
ド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケト
ン、ポリエーテルサルフォンなどが挙げられる。なお、
耐熱性、剥離時の強度、耐溶剤性、機械的強度、コスト
などの点からポリエチレンテレフタレートは、特に好ま
しいものである。
【0022】この発明に用いる光透過性の樹脂層は、可
逆性感熱記録層に光を到達させるために透光性を有し、
しかも剥離用基材層に対して離型性のある樹脂硬化物か
らなる。
【0023】このような材質の樹脂硬化物は、樹脂硬化
時の重合や架橋による樹脂本来の硬度や表面の滑性、非
粘着性その他の材質(樹脂そのものの物性)によって離
型性を発揮させるか、またはシリコーン樹脂や含フッ素
重合体(四フッ化エチレン樹脂など)その他の滑剤の添
加もしくは粗面(マット)化処理などの表面処理によっ
て樹脂硬化物層の表面に離型性を発揮させるように調製
された樹脂である。
【0024】樹脂本来の物性によって離型性を発揮させ
るためには、樹脂として光硬化性樹脂または電子線硬化
樹脂(変性電子線硬化性樹脂を含む。)を採用すること
が好ましい。因みに、光硬化性樹脂は、光重合性オリゴ
マーに対して光重合性希釈剤を適量配合して粘度調整し
たものに、光重合開始剤を配合し、必要に応じて増感剤
を添加したものを樹脂材料とし、紫外線などの光エネル
ギーを照射してラジカル重合、カチオン重合、チオール
・エン付加型のラジカル付加反応で硬化させるものであ
る。
【0025】上記ラジカル重合型の光硬化性樹脂は、硬
化物の物性が軟質から硬質まで自由に設計できるので、
この発明に特に好ましい樹脂であるといえる。
【0026】また、好ましい電子線硬化性樹脂として
は、ポリエステル骨格を有する5官能以上、好ましくは
7〜13官能の分岐状分子構造を有する電子線硬化性樹
脂およびシリコーン変性電子線硬化性樹脂が挙げられ
る。これらの官能基により、樹脂硬化物の硬化反応速度
の促進および硬度向上を図ることができる。光透過性の
樹脂層は、可逆性感熱記録層の保護層と、剥離層と、転
写時および転写後の強度を保障する層を兼ねる性質を充
分にもつので好ましい。
【0027】因みに、電子線硬化性アクリル変性ポリウ
レタン樹脂は、以下のようにして製造することができ
る。すなわち、1,4−ブタンジオールとアジピン酸と
の反応生成物、またはプロピレングリコールとアジピン
酸との反応生成物のポリエステルジオールとポリエーテ
ルトリオールとの混合物にジイソシアネートとアクリル
系2重結合を有する化合物とを加えて反応させる。ま
た、ポリエステルジオールとポリエーテルトリオールと
の混合物、ポリエステルジオールとポリエステルトノオ
ールとの混合物、ポリエーテルジオールとポリエステル
トリオールとの混合物を用いてもよい。
【0028】ジイソシアネートとしては、2,4−トリ
レンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネ
ート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、キシ
リレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネー
ト、メチレンビス(4−フェニルイソシアネート)など
が挙げられる。
【0029】また、アクリル系2重結合を有する化合物
としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3
−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどが挙げ
られる。
【0030】可逆性感熱記録層は、樹脂母材に可逆性感
熱記録材料を混合した組成物からなり、樹脂母材は、透
明性、成膜性、高温領域での弾性その他の耐熱性、繰り
返し加熱される条件での耐久性等の点で良好なものが好
ましい。母材樹脂種の具体例としては、例えばポリ塩化
ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル
−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、塩化ビニル−酢酸
ビニル−アルコール共重合体、その他の酢酸ビニル化合
物、塩化ビニル系共重合体、ポリ塩化ビニリデン、塩化
ビニリデン共重合体、ポリエステル、ポリアミド、ポリ
スチレン、ポリメチル(メタ)アクリレート、またはそ
の共重合体などが挙げられる。
【0031】このような樹脂母材に、例えばロイコ染料
などを配合し、また、樹脂母材に有機低分子化合物を分
散状態に配合して可逆性感熱記録層とする。
【0032】上記したロイコ染料(電子供与性染料前駆
体)の具体例としては、トリフェニルメタンフタリド系
化合物、ジフェニルメタン系化合物、フルオラン系化合
物、フェノチアジン系化合物、ロイコオーラミン系化合
物、インドリノフタリド系化合物などがある。
【0033】また、ロイコ染料として、トリアリールメ
タン系化合物の具体例としては、3,3−ビス(p−ジ
メチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド
(クリスタルバイオレットラクトン)、3,3−ビス
(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3−(p−
ジメチルアミノフェニル)−3−(1,2−ジメチルイ
ンドール−3−イル)フタリドなどが挙げられ、ジフェ
ニルメタン系化合物として、4,4´−ビス(ジメチル
アミノフェニル)ベンズヒドリルベンジルエーテル、N
−クロロフェニルロイコオーラミン、N−2,4,5−
トリクロロフェニルロイコオーラミンなどが挙げられ、
キサンテン系化合物として、ローダミンBアニリノラク
タム、ローダミンB−p−クロロアニリノラクタム、3
−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオランな
どが挙げられ、チアジン系化合物として、ベンゾイルロ
イコメチレンブルー、p−ニトロベンゾイルロイコメチ
レンブルーなどが挙げられ、スピロ系化合物として、3
−メチルスピロジナフトピラン、3−エチルスピロジナ
フトピラン、3,3´−ジクロロスピロジナフトピラン
などが挙げられる。
【0034】ロイコ染料を発色状態または消色状態にす
るための顕減色剤としては、分子内にロイコ染料を発色
させることができる構造と、分子間の凝集力を制御する
長い脂肪族鎖構造を併有する化合物であり、たとえば、
炭素数12以上の脂肪族基を有する有機リン化合物、脂
肪族カルボン酸化合物またはフェノール系化合物が挙げ
られる。
【0035】炭素数12以上の脂肪族基を有する有機リ
ン化合物としては、ドデシルホスホン酸、テトラデシル
ホスホン酸、ヘキサデシルホスホン酸、オクタデシルホ
スホン酸、エイコシルホスホン酸、ドコシルホスホン酸
テトラコシルホスホン酸、ヘキサコシルホスホン酸、オ
クタコシルホスホン酸などである。
【0036】また、脂肪族カルボン酸化合物としては、
α−ヒドロキシデカン酸、α−ヒドロキシテトラデカン
酸、α−ヒドロキシヘキサデカン酸、α−ヒドロキシオ
クタデカン酸、α−ヒドロキシペンタデカン酸、α−ヒ
ドロキシエイコサン酸、α−ヒドロキシドコサン酸、α
−ヒドロキシテトラコサン酸、α−ヒドロキシヘキサコ
サン酸、α−ヒドロキシオクタコサン酸などである。ま
た、脂肪族カルボン酸化合物のα位またはβ位の炭素に
ハロゲン元素を有するもの、またはこれらのα位、β位
またはγ位の炭素がオキソ基となっているもの、二塩基
酸、長鎖脂肪酸によりアシル化されたクエン酸などの三
塩基酸であってもよい。
【0037】また、フェノール系化合物の例としては、
下記の化1の式で示されるものが挙げられる。
【0038】
【化1】
【0039】(化1の式中、nは1〜3の整数、mは0
または1の整数を表し、R1 、R2は脂肪族炭化水素
基、アルコキシ基、ハロゲン原子から選ばれる置換基ま
たは水素原子を表し、互いに同一でも異なるものであっ
てもよい。また、R3 は、脂肪族炭化水素基を表す。Y
は、下記の化2で表される基である。)
【0040】
【化2】
【0041】(化2の式中、p、qはそれぞれ0または
1の整数を表し、X1 、X2 はそれぞれ少なくとも1つ
のヘテロ原子を有する2価の基を表し、互いに同一でも
異なっていてもよく、Arは置換基を有することのある
芳香族基である。)また、熱処理により結晶化したりま
たは融解して非結晶状態になる有機低分子化合物として
は、カルボン酸、ジカルボン酸、ケトン、エーテル、ア
ルコール、エステルおよびその誘導体などが挙げられ、
それらの1種または2種以上を混合して用いることもで
きる。
【0042】特に、有機低分子化合物として炭素数12
以上の脂肪酸のアルキルエステルを採用することは、こ
のものが低融点(mp)である点で好ましく、このもの
と共に炭素数10以上の脂肪族二塩基酸の高融点(m
p)のものを併用することも好ましいことである。
【0043】このような脂肪酸アルキルエステルと脂肪
族二塩基酸の配合割合を適当に調整することにより、透
明化する温度領域や透明性の度合いおよび白濁状態の濁
りの程度を任意に変化させることができる。
【0044】以上述べたような可逆性感熱記録材料は、
一般に溶剤コーティングにより対象物表面に層状に積層
して設けることができる。また、貧溶媒での分散コーテ
ィング、無溶剤での押し出しコーティングなどによる積
層方法や、離型フィルムに予め積層した可逆性感熱記録
材料層を対象物に熱転写して積層する方法を採用するこ
ともできる。
【0045】この発明に用いる接着層は、加熱によって
軟化して接着効果を発揮する周知の熱可塑性樹脂からな
り、そのような樹脂(共重合体)の具体例としては、塩
化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、塩化
ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体にアク
リル酸またはメタクリル酸を重合させた樹脂、その他の
熱可塑性樹脂の分子内に二重結合を導入した樹脂などが
挙げられる。
【0046】この発明の可逆性感熱記録材の転写シート
の実施形態を、以下に添付図面に基づいて説明する。
【0047】図1に示す第1実施形態の可逆性感熱記録
材の転写シートAは、ポリエチレンテレフタレート等か
らなる剥離用基材層1上に光透過性の樹脂層2を重ねて
設け、その上に樹脂母材に例えば有機低分子化合物を配
合した可逆性感熱記録層3を重ねて設け、その上にバリ
ア層4を重ねて設け、転写用表面は接着層5で形成した
積層体であり、光透過性の樹脂層2は、剥離用基材層1
に対して離型性のある樹脂硬化物で形成した可逆性感熱
記録材の転写シートである。
【0048】上記の実施形態の可逆性感熱記録材の転写
シートAは、図2に示すように、剥離用基材層1を剥が
して接着層5を紙製カード6に熱圧により接着し、すな
わち、可逆性感熱記録材A´を転写によって取り付けた
可逆性感熱記録媒体を作製することができる。
【0049】このようにして可逆性感熱記録材を転写し
た紙製のカード状可逆性感熱記録媒体は、低コストで製
造でき、このものは紙質による柔軟性があるので、サー
マルヘッドに対する当たりが柔らかく、すなわち紙質の
クッション性(緩衝性)によって樹脂層にせん断圧力が
かかり難いので、感熱記録材の繰り返し使用に関する耐
久性も向上し、またサーマルヘッドの寿命(耐久性)も
向上させる。また、転写される可逆性感熱記録材は、バ
リアー層の厚みが薄く(いわゆる、基材レスにな
る。)、紙製カードの表面の突出する高さが極めて小さ
いので、2回以上重ねて転写することもでき、また薄い
可逆性感熱記録材のみを破ることなく剥がすことは困難
であるから、防犯性に優れているという利点もある。ま
た紙製のカード状可逆性感熱記録媒体は、容易に破れる
ので廃棄処分が簡単である。
【0050】さらにまた、蒸着層を有する可逆性感熱記
録材を転写した紙製のカードや紙製容器、特にダンボー
ル紙などは、アルカリ処理によって蒸着層の金属を腐食
させることにより紙から可逆性感熱記録材を剥がして簡
単に除くことができ、紙をリサイクルして再使用しやす
いものである。
【0051】本願の請求項1に係る発明の実施態様とそ
の他の関連事項について、以下に列挙する。
【0052】(1)光透過性の樹脂層が、シリコーン樹
脂または含フッ素重合体(四フッ化エチレン樹脂など)
が含有されている層である請求項1記載の可逆性感熱記
録材の転写シート。
【0053】(2)光透過性の樹脂層が、粒径5μm以
下の微粒子が含有されている層である請求項1記載の可
逆性感熱記録材の転写シート。
【0054】(3)光透過性の樹脂層が、着色されてい
る層である請求項1記載の可逆性感熱記録材の転写シー
ト。
【0055】(4)剥離用基材層が、ポリエチレンテレ
フタレート樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂からなる
層である請求項1記載の可逆性感熱記録材の転写シー
ト。
【0056】(5)剥離用基材層が、剥離面を表面粗さ
(十点平均粗さRz =0.5μm)以上に粗化されてい
る層である請求項1記載の可逆性感熱記録材の転写シー
ト。
【0057】(6)請求項1記載の可逆性感熱記録材の
転写シートにおいて、可逆性感熱記録層と接着層との間
(好ましくは、図4中のバリア層4と接着層5の間)に
金属反射層を設けたことを特徴とする可逆性感熱記録材
の転写シート。
【0058】(7)上記1〜6項のいずれか1項に記載
の可逆性感熱記録材の転写シートを、紙またはプラスチ
ック製シートに転写したものからなる可逆性感熱記録用
カード。
【0059】(8)上記1〜6項のいずれか1項に記載
の可逆性感熱記録材の転写シートを、包装容器に転写し
たものからなる可逆性感熱記録用包装容器。
【0060】(9)上記1〜6項のいずれか1項に記載
の可逆性感熱記録材の転写シートを、搬送用容器に転写
したものからなる可逆性感熱記録用搬送用容器。
【0061】
【実施例】〔実施例1〕剥離用基材層として、厚さ25
μm のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム
を採用し、剥離面を表面粗さ(十点平均粗さRz =0.
5μm)以上に粗化されている層として、その上に光透
過性の樹脂層として、以下の材料からなる紫外線硬化性
樹脂を含む層を次のようにして形成した。すなわち、エ
ポキシアクリレート系UV硬化樹脂をイソプロピルアル
コール(IPA)で希釈して塗布し、50℃で1分間乾
燥させた後、10m/秒の速度で160Wの/cmの紫
外線を照射して硬化させ、厚さ5μmの光透過性の樹脂
層を形成した。
【0062】そして、その上に以下のようにして可逆性
感熱記録層を形成した。すなわち、ロイコ染料前駆体で
ある3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニ
リノフルオラン40部を2.5%ポリビニルアルコール
水溶液90部と共にボールミルで24時間粉砕し、染料
前駆体分散液を得た。次いで、4´−ヒドロキシ−n−
ヘプタンアニリド100部を2.5%ポリビニルアルコ
ール水溶液400部と共にボールミルで24時間粉砕
し、分散液を得た。上記2種の分散液を混合した後、1
0%ポリビニルアルコール水溶液200部、水400部
を添加して混合し、可逆性感熱材料の塗布液を作製し、
固形分塗抹量4g/m2 となるように塗布し、乾燥させ
た。
【0063】次に、バリアー層として、紫外線硬化樹脂
塗料;ウレタンアクリレート系樹脂(大日本インキ化学
工業社製:C3−374)100重量部(N.V.75重量
%)、トルエン50重量部、メチルエチルケトン50重
量部からなる塗料組成物を塗布し、100℃で2分間乾
燥させた後、25m/秒の速度で160Wの/cmの紫
外線を照射して硬化させ、厚さ5μmの層を形成した。
【0064】さらにその上に、接着層として、塩化ビニ
ル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体にアクリル
酸をエステル重合させた樹脂(N.V.30重量%)を40重
量部、トルエン20重量部、メチルエチルケトン20重
量部からなる塗料組成物を塗布し、これを100℃で2
分間乾燥させ、3μmの厚さの接着層を形成し、可逆性
感熱記録材の転写シートを製造した。
【0065】得られた可逆性感熱記録材の転写シートを
紙製カードの片面に重ね、その上から約130℃に加熱
したゴムロールを押し当てて転写し、得られたものが使
用に耐える可逆性感熱記録材であることを確認した。
【0066】〔実施例2〕実施例1に記載の光透過性の
樹脂層に代えて、アクリル樹脂100重量部に対して、
シリコーン樹脂を10重量部含有する樹脂層としたこと
以外は、全く同様にして可逆性感熱記録材の転写シート
を製造した。
【0067】〔実施例3〕実施例1に記載の光透過性の
樹脂層に代えて、フッ素樹脂層としたこと以外は全く同
様にして、可逆性感熱記録材の転写シートを製造した。
【0068】〔実施例4〕実施例1に記載の光透過性の
樹脂層に代えて、PET樹脂100重量部に対して、粒
径5μm以下のシリカ微粒子を7重量部添加して混合
し、均一分散させた樹脂層としたこと以外は、全く同様
にして可逆性感熱記録材の転写シートを製造した。
【0069】〔実施例5〕実施例1に記載の剥離用基材
層として、PET樹脂に代えてシリコーン樹脂としたこ
と以外は、全く同様にして可逆性感熱記録材の転写シー
トを製造した。
【0070】得られた実施例2〜5の可逆性感熱記録材
の転写シートを使用して、紙製カードの片面に130℃
に加熱したゴムロールを押し当てて転写し、得られたも
のが使用に耐える可逆性感熱記録材であることを確認し
た。
【0071】以上のようにして得られた実施例の転写シ
ートを利用して製造したカードの実用性を調べた。その
結果、転写された可逆性感熱記録層の表面には、従来品
の転写シートを使用した場合のような層破壊された剥離
層の一部が付着しておらず、そのため汚れが付きに難
く、転写後の可逆性感熱記録層の画像の識別性がよいも
のであった。さらに、サーマルヘッドを用いて多数回の
印字および消去を行なったが、サーマルヘッドは汚れた
り焼きつきを起こさなかった。
【0072】
【発明の効果】この発明は、以上説明したように、光透
過性の樹脂層を、剥離用基材層に対して離型性のある樹
脂硬化物で形成した可逆性感熱記録材の転写シートとし
たので、可逆性感熱記録材の転写シートの積層体の層構
成を少なくして単純化でき、転写シートの製造効率を高
めて低コストで製造できる層構成の転写シートを提供で
きるという利点がある。
【0073】また、この発明の可逆性感熱記録材の転写
シートは、転写後の可逆性感熱記録層の画像の識別性が
よく、サーマルヘッドが汚れたり焼きつきを起こさず、
サーマルヘッドによる印字適性に優れた転写シートであ
るという利点がある。
【0074】さらにまた、この発明の転写シートは、転
写後の保護層の表面に塵埃などが付着し難く、防汚性に
優れた可逆性感熱記録材の転写シートであるという利点
もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の可逆性感熱記録材の転写シートの層
構成を示す断面図
【図2】実施形態の可逆性感熱記録材の転写シートを転
写した紙製カードの断面図
【図3】従来例の可逆性感熱記録材の転写シートの層構
成を示す断面図
【図4】従来例の可逆性感熱記録材の転写シートの剥離
層の層破壊状態を説明する断面図
【符号の説明】
1、10 剥離用基材層 2 光透過性の樹脂層 3、13 可逆性感熱記録層 4、14 バリア層 5、16 接着層 6 紙 11 剥離層 12 保護層 15 アンカー層 A、B 転写シート A´ 可逆性感熱記録材
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年5月10日(2000.5.1
0)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0061
【補正方法】変更
【補正内容】
【0061】
【実施例】〔実施例1〕剥離用基材層として、厚さ25
μm のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム
を採用し、剥離面を表面粗さ(十点平均粗さRz =0.
5μm)以上に粗化されている層として、その上に光透
過性の樹脂層として、以下の材料からなる紫外線硬化性
樹脂を含む層を次のようにして形成した。すなわち、エ
ポキシアクリレート系UV硬化樹脂をイソプロピルアル
コール(IPA)で希釈して塗布し、50℃で1分間乾
燥させた後、160W/cmの紫外線を照射して硬化さ
せ、厚さ5μmの光透過性の樹脂層を形成した。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0063
【補正方法】変更
【補正内容】
【0063】次に、バリアー層として、紫外線硬化樹脂
塗料;ウレタンアクリレート系樹脂(大日本インキ化学
工業社製:C3−374)100重量部(N.V.75重量
%)、トルエン50重量部、メチルエチルケトン50重
量部からなる塗料組成物を塗布し、100℃で2分間乾
燥させた後、160W/cmの紫外線を照射して硬化さ
せ、厚さ5μmの層を形成した。
フロントページの続き Fターム(参考) 2H026 AA07 AA09 AA28 BB01 FF01 FF13 FF27 FF29 GG10 2H111 HA07 HA18 HA23 HA35 3B005 EA20 EB01 EC30 FA15 FB11 FB26 FC02Z FC03Z FC04Y FC04Z FC08Z FC09Y FE04 FF04 FF06 FG02Z FG04X FG08Z GA02 GB01 4J004 AA06 AA09 AA10 CA02 CA04 CA05 CA06 CB01 CB02 CC03 CD05 CD06 DB03 FA01

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 剥離用基材層上に設けた光透過性の樹脂
    層と、可逆性感熱記録層と、被転写物に対する接着面に
    接着層とを備えた転写シートであって、前記光透過性の
    樹脂層を、剥離用基材層に対して離型性のある樹脂硬化
    物で形成してなる可逆性感熱記録材の転写シート。
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