JP2001030121A - 締付け・圧入装置 - Google Patents

締付け・圧入装置

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JP2001030121A
JP2001030121A JP11209068A JP20906899A JP2001030121A JP 2001030121 A JP2001030121 A JP 2001030121A JP 11209068 A JP11209068 A JP 11209068A JP 20906899 A JP20906899 A JP 20906899A JP 2001030121 A JP2001030121 A JP 2001030121A
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press
fitting
tightening
work
fastening
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JP11209068A
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Shigenobu Komiya
重信 小宮
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Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構成でワークに対する締結部材の締付
けと圧入部材の圧入とを同一の工程で自動的に行うこと
ができる締付け・圧入装置を提供する。 【解決手段】 締付け・圧入装置1は、共通のベース部
材10に同軸方向に設けられた、エンジン本体Wにボル
トを締付ける締付け機構11、および、ワークWにオイ
ルシールを圧入する圧入機構12と、ワークWと着脱可
能に連結されることにより圧入機構12による反力を受
ける反力受け機構13と、締付け条件および圧入条件に
基づいて前記各機構11,12,13をそれぞれ制御す
る制御手段と、搬送されるワークWに対して係合する係
合手段14と、該係合手段14がワークWに係合するこ
とによりワークWの移動と同期して追従移動するよう支
持する走行ユニット15と、ワークWの種類に応じて締
付け機構12を変位させる変移手段と、を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、締付け・圧入装置
に関し、さらに詳しくは、自動的にワークに締結部材を
締付けると共に、圧入部材を圧入する締付け・圧入装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ワークとこれに締付けられる締結部材と
しては、例えば、内燃機関(以下、エンジンという)本
体にそのチェーンケースを留めるボルトや、エンジンを
車両にマウンティングするためのマウンティングブラケ
ットを留めるボルトなどがある。通常では、これらのボ
ルトは複数あり、ボルトの配置に合わせて配設された締
付け装置としてのナットランナにより各ボルトを一度の
工程で締付けることが行われている。一般に、ナットラ
ンナは、ボルトヘッドに係合され回転駆動されるソケッ
トが下向きとなるように、カウンタバランサを備えた昇
降シリンダなどにより吊り下げられており、また、エン
ジン本体は、ソケットに係合し得るように上向きの姿勢
で支持される。そして、ナットランナはボルトに係合さ
れてソケットをその軸回りに回転駆動するための駆動源
として、電動モータやエアモータなどの回転モータが用
いられている。このようなナットランナでは、作業者が
ナットランナを元位置から下降させてその先端のソケッ
トをボルトヘッドに係合して起動する。そして、各ボル
トが設定された締付けトルクで締付けられると、ナット
ランナは自動的に締付けを完了して元位置に上昇復帰す
る。
【0003】また、ワークとこれに圧入される圧入部材
としては、例えば、エンジン本体と、そのクランクシャ
フトからオイルが外部に漏出しないように設けられるオ
イルシールがある。このオイルシールは、正位置におい
てはクランクシャフトが横方向(水平方向)に延びてい
るため、一般に、エンジン本体の外側からクランクシャ
フトを支持しているベアリング近傍へと横方向に圧入さ
れる。オイルシールを圧入するための従来の装置は、図
14に示すように、架台90のコラム91上に水平方向
に移動可能に設けられたオイルシールプッシャ92を備
えたスライド台93と、このスライド台93上のオイル
シールプッシャ92をエンジンのオイルシール収容部W
aに圧入駆動するための油圧シリンダ94と、油圧シリ
ンダ94に作動油を供給するための油圧ユニット95、
および、油圧シリンダ94の駆動を切替え操作するバル
ブ96と、圧入を開始させる起動ボタンなどを有する油
圧シリンダ94の駆動を制御するための制御盤97と、
を備えたものが一般的に用いられている。このような装
置では、オイルシールプッシャ92の先端にオイルシー
ルSを仮止めし、作業者が制御盤97に設けられた起動
ボタンを押して油圧シリンダ94を伸長駆動させること
により、搬送コンベア上のパレットなどに正位置の状態
で支持されたエンジン本体Wに対してオイルシールSを
圧入する。そして、このような圧入装置では、作動油の
流量や圧力により圧入の制御を行う。
【0004】さらに、オイルシールを圧入するための別
の装置としては、特開平9−174346号公報に開示
されているように、下方圧入ヘッドと対向するように配
設され、ワークを下方に押圧すると共に、ワークの組付
孔の外側上方からオイルシールをセット、圧入する上方
圧入ヘッドを備えたものが知られている。この圧入装置
は、特にデフケースの如き底のある箱状部材の内側か
ら、軸受等を組付孔に圧入すると共に、軸受の抜け止め
用の止め輪の装着と、オイルシール部材を同時に圧入す
ることができるようにした圧入装置に関するものでる。
ワークとしてのデフケースは、軸受を組み付ける組付孔
が下向きとなるようにセットされる。そして、軸受、こ
の軸受の抜け止め用の止め輪、および、オイルシールが
圧入された後に、軸受およびオイルシール内にデフ軸等
の軸が嵌挿され、デフ本体にデフケースを取付ける。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、図1
4に示したエンジン本体WにオイルシールSを圧入する
ような圧入装置と、ボルトを締付けるためのナットラン
ナとでは、ワークの姿勢が異なり、また、その駆動源が
油圧シリンダ94と回転モータのように全く異なる。こ
のような理由から、従来の技術にあっては、両装置を組
み合わせるような発想はすることができず、ワークへの
圧入と締付けとを一つの装置により同一の工程で行うこ
とができないという問題があった。また、駆動源が油圧
シリンダ94である場合には、装置全体が大型となって
両装置を共通するベース部材上に組み合わせて設けるこ
とは実際にできなかった。さらに、かかる場合には、一
般に油圧シリンダ94に作動油を供給するために、油圧
ユニット95のアキュムレータ(図示は省略する)など
に作動油を送るための電力を必要とするが、供給された
電力により間接的に油圧シリンダ94を駆動するために
油圧シリンダによる圧入荷重に関わりなく消費電力が大
きいなどという問題や、作動油のメンテナンスが必要で
あるという問題があった。
【0006】さらに、上記理由から、ワークへの圧入部
材の圧入を行うための圧入装置と締結部材の締付けを行
うための締付け装置とを個別に必要とし、さらに、両装
置間でワークを搬送するための搬送装置も必要となる。
そして、これらの装置をそれぞれ設置するためにはコス
トがかかるという問題や、また、各装置を設置するため
のスペースが必要となるという問題があった。そして、
各装置により別工程で圧入と締付けとを行うため、工程
数が多くなり煩雑となることはもちろんのこと、各工程
を完了したときに各装置が自動的に終了・復帰させるこ
とができたとしても、各装置を起動させるなどの開始作
業を行うための作業者も多く必要となるという問題があ
った。
【0007】また、図14に示したような駆動源に油圧
シリンダ94を用いた圧入装置にあっては、作動油の流
量や圧力によって制御するため、ワークに対する圧入部
材の圧入精度の向上を望むことができなかった。また、
圧入部材が上述したオイルシールのような場合に、オイ
ルシールプッシャとワークの圧入部の周辺とに間にオイ
ルシールの咬み込みが生じたり所謂めくれが生じたよう
なときに、その検出を行うことができないという問題が
あった。
【0008】さらに、特開平9−174346号公報に
開示された圧入装置のように、デフケースなどのワーク
にオイルシールを圧入してから、オイルシール内に軸を
嵌挿して、ワークをその取付けるべきデフ本体などの本
体にさらに取付けるような場合には、ワークを自由な姿
勢にすることができるものの、工程数が多くなるばかり
でなく、オイルシール内に軸が嵌合されたワークの、取
付けるべき本体に対する位置決めが困難となるという問
題もあった。
【0009】本発明は、上記問題に鑑みてなされたもの
で、簡単な構成でワークに対する締結部材の締付けと圧
入部材の圧入とを同一の工程で自動的に行うことができ
る締付け・圧入装置を提供することを目的とする。ま
た、本発明は、消費電力が少なく、メンテナンスが容易
な締付け・圧入装置を提供することを目的とする。さら
に、本発明は、簡単な構成でワークに対する締結部材の
締付けと圧入部材の圧入とを精度よく行うことができる
締付け・圧入装置を提供することを目的とする。本発明
の別の目的は、順次搬送されるワークに対して繰り返し
自動的に締結部材の締付けと圧入部材の圧入とを行うこ
とができる締付け・圧入装置を提供することにある。本
発明のさらに別の目的は、ワークの種類によって締結部
材の位置が異なる場合にも対応することができる締付け
・圧入装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の締付け・圧入
装置に係る発明は、上記目的を達成するため、ワークに
締結部材を締付けると共に、圧入部材を圧入する締付け
・圧入装置であって、共通のベース部材に同軸方向に設
けられた、ワークに締結部材を締付ける締付け機構、お
よび、ワークに圧入部材を圧入する圧入機構と、ワーク
と着脱可能に連結されることにより圧入機構による反力
を受ける反力受け機構と、締付け条件および圧入条件に
基づいて前記各機構をそれぞれ制御する制御手段と、を
備えてなることを特徴とするものである。
【0011】請求項2の締付け・圧入装置に係る発明
は、上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明に
おいて、圧入機構が、軸方向に移動可能に支持され圧入
部材を押圧することにより圧入動作を行うラムと、該ラ
ムをその軸方向に駆動するための、回転モータおよび該
モータの回転をラムの軸方向の移動に変換させる変換手
段と、を備えてなることを特徴とするものである。
【0012】請求項3の締付け・圧入装置に係る発明
は、上記目的を達成するため、請求項2に記載の発明に
おいて、圧入機構が、回転モータの駆動による圧入スト
ロークを検出するストローク検出手段と、圧入荷重を検
出する荷重検出手段と、の少なくとも一方を含むことを
特徴とするものである。
【0013】請求項4の締付け・圧入装置に係る発明
は、上記目的を達成するため、請求項1〜3のいずれか
に記載の発明において、搬送されるワークに対して係合
する係合手段と、該係合手段がワークに係合することに
よりワークの移動と同期して移動するよう支持する移動
支持手段と、を備えたことを特徴とするものである。
【0014】請求項5の締付け・圧入装置に係る発明
は、上記目的を達成するため、請求項1〜4のいずれか
に記載の発明において、ワークの種類に応じて締付け機
構を変位させる変移手段を備えたことを特徴とするもの
である。
【0015】請求項1の発明では、制御手段により、締
付け機構と圧入機構とが同軸方向に設けられた共通のベ
ース部材をワークに近づけ、反力受け機構によりワーク
と連結した状態で、ワークに自動的に締結部材を適切に
締付けると同時に圧入部材を適切に圧入するよう制御す
る。
【0016】請求項2の発明では、請求項1に記載の発
明において、圧入機構は、回転モータの回転を変換手段
により変換してラムを軸方向に移動させる。圧入機構の
小型化を図ることができるために、締付け機構と共通の
ベース部材に同軸方向に設けることが容易となると共
に、消費電力が少なく、メンテナンスが容易である。
【0017】請求項3の発明では、請求項2に記載の発
明において、圧入機構により圧入部材を圧入する際に、
ストローク検出手段によって回転モータの駆動による圧
入ストロークを検出し、および/または、荷重検出手段
によって圧入荷重を検出するため、圧入精度が向上す
る。
【0018】請求項4の発明では、請求項1〜3のいず
れか記載の発明において、締付け・圧入装置は、移動支
持手段により移動可能に支持されており、ワークは搬送
可能に支持されている。そして、係合手段が搬送される
ワークに係合されると、締付け・圧入装置は、ワークの
移動と同期して移動する。
【0019】請求項5の発明では、請求項1〜4のいず
れか記載の発明において、ワークの種類に応じて位置が
異なる締結部材に対応するように、変移手段が締付け機
構を変位させる。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の締付け・圧入装置の第一
の実施の形態を、ワークがエンジン本体Wであり、締結
部材がエンジンにマウンティングブラケット(図示は省
略する)を取付けるためのボルトBであり、圧入部材が
クランクシャフトCRのオイルシールSである場合によ
り、図1〜図6に基づいて詳細に説明する。図において
同一符号は同一部分または相当部分とする。
【0021】本発明の締付け・圧入装置1は、概略、ワ
ークWに締結部材Bを自動的に締付けると共に、圧入部
材Sを自動的に圧入するためのものであって、共通のベ
ース部材10に同軸方向に設けられた、ワーク(エンジ
ン本体)Wに締結部材(ボルト)Bを締付ける締付け機
構11、および、ワークWに圧入部材(オイルシール)
Sを圧入する圧入機構12と、ワークWと着脱可能に連
結されることにより圧入機構12による反力を受ける反
力受け機構13と、締付け条件および圧入条件に基づい
て前記各機構11,12,13をそれぞれ制御する制御
手段(図示は省略するが、その制御内容については後述
する)と、搬送されるワークWに対して係合する係合手
段14と、該係合手段14がワークWに係合することに
よりワークWの移動と同期して追従移動するよう支持す
る移動支持手段15と、ワークWの種類に応じて締付け
機構12を変位させる変移手段16を備えている。
【0022】そして、圧入機構12が、軸方向に移動可
能に支持され圧入部材Sを押圧することにより圧入動作
を行うラム20と、該ラム20をその軸方向に駆動する
ための、回転モータ21および該回転モータ21の回転
をラム20の軸方向の移動に変換させる変換手段22
と、回転モータ21の駆動による圧入ストロークを検出
するストローク検出手段23と、圧入荷重(負荷)を検
出する荷重検出手段24と、を備えてなる。
【0023】図1および図7〜図9に示すように、本発
明の締付け・圧入装置1は、その上方に配設されたレー
ル30に吊り下げられており、レール30の下方には、
エンジン本体Wを支持するための治具2を備えた搬送ス
キッド3が、レール30と平行に移動可能に配設されて
いる。レール30は、断面が略I型またはH型に形成さ
れてなるもので、図示は省略するが搬送方向に向かって
左右に(すなわち、図1および図7〜図9の表面におけ
る手前と奥に)一対で配置されている。搬送スキッド3
の治具2は、エンジン本体Wを支持するフレーム2a
と、このフレーム2aを回動可能に且つ所定の位置で停
止可能に枢支するアーム2bとを備え、フレーム2aの
回動軸線Cはエンジン本体Wの重心とほぼ整合するよう
に設定されてなる。そして、治具2は、搬送スキッド3
が移動されるライン上の工程に応じて、床面からの高さ
を自動的に変化することができるように昇降可能となっ
ている。なお、この実施の形態では、搬送スキッド3に
支持されたエンジン本体Wは、図1および図7〜図9に
おいて右方から左方に向かって搬送される。また、図1
および図7〜図9では、エンジン本体Wがそのフロント
を上方に向けられるような(すなわち、クランクシャフ
トCRの周囲のフロント側オイルシール収容部Waが上
方に位置するような)姿勢で保持された状態を示してい
る。
【0024】締付け・圧入装置1の上方には、搬送され
るエンジン本体Wの移動と同期して移動するよう支持す
る移動支持手段としての走行ユニット15が配置されて
いる。走行ユニット15は、各レール30の下方のフラ
ンジ上をそれぞれ走行移動することが可能なトロリ31
と、各トロリ31に支持される略矩形の上部走行フレー
ム32と、上部走行フレーム32の下方に所定の間隔を
おいて配置される略矩形の下部走行フレーム33と、両
走行フレーム32,33の角隅部に挿通され端部に形成
されたねじ部にナットが螺合された支持ロッド34とを
備えてなる。下部走行フレーム33の上部走行フレーム
32に対する間隔は、支持ロッド34の両端部に螺合さ
れたナットを回転させることにより調節することができ
る。レール30の搬送方向前方(図1の左方)および後
方(図1の左方)には、締付け・圧入装置1が前進限お
よび原点に位置したかを検出するためのセンサ35,3
6がそれぞれ設けられており、上部走行フレーム32の
搬送方向前方および後方には、締付け・圧入装置1が所
定の位置に達したときにセンサ35,36の接触子に当
接する当接部材37,38がそれぞれ設けられている。
さらに、上部走行フレーム32には、後述するようにエ
ンジン本体Wの移動と同期して前進移動される状態から
解放されたときに、次に搬送されてくるエンジン本体W
にボルトBの締付けとオイルシールSの圧入とを行うべ
く、レール30の後方に設けられた締付け・圧入装置1
を後方に戻すように付勢するための戻し用バランサ39
が接続されている。
【0025】下部走行フレーム33には、ピストンロッ
ド40aを下方に延ばすように配置された昇降シリンダ
40が設けられており、ピストンロッド40aの先端は
昇降フレーム41が接続されている。昇降フレーム41
には、ガイドロッド42が上方に延びるように立設され
ており、ガイドロッド42はその移動が案内されるよう
に下部走行フレーム33に設けられたガイド43に嵌挿
されている。さらに、昇降フレーム41には、その上面
の角隅部にアイボルト44が設けられており、上部走行
フレーム32には、昇降シリンダ40による昇降フレー
ム41の昇降移動を補助するための昇降サポートバラン
サ45が吊設されており、昇降サポートバランサ45は
昇降フレーム41のアイボルト44に接続されている。
【0026】昇降フレーム41の下方には、上述した支
持ロッド34と同様の支持ロッド46を介して中間フレ
ーム47が吊設されており、中間フレーム47の下方に
は上述した支持ロッド34,46と同様の支持ロッド4
8を介してベース部材としてのベースフレーム10が吊
設されている。なお、ベースフレーム10は、中間フレ
ーム47を介することなく、支持ロッド48(46)に
より、昇降フレーム41に吊設することもできる。ベー
スフレーム10には締付け機構としてのナットランナ1
1が複数設けられており、この共通のベースフレーム1
0に圧入機構12が各ナットランナ11と同軸方向に設
けられている。図2および図3に示すように、この実施
の形態の場合、4本のナットランナ11がベースフレー
ム10に配置されており、図3および図4に示すよう
に、これらのナットランナ11のうち1本11Aは、後
述するように、エンジン本体Wの種類に応じて変位する
ことができるように変移手段16に支持されている。
【0027】各ナットランナ11は、締付けるボルトB
のヘッドと係合可能なソケット11aと、ソケット11
aを軸回りに回転駆動する電動モータなどの駆動手段
(図示は省略する)と、ボルトBの締付け力を検知する
トルクセンサ(図示は省略する)とを備えており、トル
クセンサにより検知された信号は制御手段に出力され
る。制御手段では、ボルトBの締付けが設定されたトル
クに達すると、ナットランナ11の駆動手段を自動的に
停止させるよう制御する。また、各ナットランナ11の
ソケット11aは、ボルトBが締付けられることにより
変化するそのヘッドの高さ方向の位置に追従して、軸方
向に伸長・退縮するように移動可能となっている。
【0028】この実施の形態におけるワークとしてのエ
ンジン本体Wは、その排気量など仕様の異なる種類が混
在した状態でそれぞれ搬送スキッド3の治具2に支持さ
れ搬送される。そして、図示は省略するが、搬送スキッ
ド3にはエンジン本体Wの種類などを書き込むことが可
能なRAMなどの記憶装置が設けられており、制御手段
は搬送スキッド3が搬送されてきて近づいたときにその
搬送スキッド3に支持されたエンジン本体Wの書き込ま
れた情報をRAMから読み取る。この実施の形態では、
エンジンを車両にマウンティングするための図示しない
マウンティングブラケットを留めるために4本のボルト
Bがエンジン本体Wに締付けられるが、そのうちの3本
のボルトBの位置は各エンジン本体Wの種類に関係なく
共通しており、1本のボルトBの位置がエンジン本体W
の種類によってわずかに異なっている(図2の鎖線を参
照)。そこで、本発明の締付け・圧入装置1では、制御
手段がRAMに書き込まれた情報を読み取ってエンジン
本体Wの種類を判別し、そのエンジン本体Wの種類に応
じて変位手段16を制御してナットランナ11Aの位置
を変位させる。
【0029】変位手段16は、図3および図4に示すよ
うに、変位させるナットランナ11Aを支持してベース
フレーム10上を摺動移動する変位プレート50と、ベ
ースフレーム10上にナットランナ11Aの変位させる
方向と平行にピストンロッドが伸長・退縮する変位駆動
手段としてのシリンダ51とを備え、そのピストンロッ
ドが変位プレート50上に設けられたブラケット52に
接続されてなるものである。さらに、変位プレート50
には変位させる方向に延びるドグ53が設けられてお
り、ベースフレーム10には接触子がドグ53と接触す
ることによりナットランナ11Aの変位を確認すること
ができるセンサ54,55が設けられている。
【0030】一方、圧入機構12は、図5および図6に
示すように、ベースフレーム10上に設けられた支持台
60に支持されており、圧入治具61が先端に取付けら
れ中間部から後端にわたってスクリュ20aが形成され
たラムシャフト20と、回転モータとしてのサーボモー
タ21と、このサーボモータ21の回転を所定の比の回
転に減速する減速ギヤ群25と、スクリュ20aと螺合
されサーボモータ21の回転駆動によって減速ギヤ群2
5を介して回転されサーボモータ21の回転をラムシャ
フト20の軸方向の移動に変換させる変換手段としての
ナット部22とを備え、さらに、サーボモータ21の回
転量からラムシャフト20のストローク量を検知するた
めのストローク検出手段としてのロータリエンコーダ2
3と、ラムシャフト20の圧入荷重を検出するための荷
重検出手段としてのロードセル24とを備えている。ラ
ムシャフト20は、ラムガイド26内に摺動可能に支持
されており、その軸方向の移動を案内される。さらに、
圧入機構12には、必要に応じてラムシャフト20の軸
方向の移動を任意に停止させるためのブレーキ27が設
けられている。
【0031】圧入治具61は、その下端中心に突出して
エンジン本体WのクランクシャフトCRの先端に形成さ
れたセンタ位置決め孔と係合する係合突起62と、この
係合突起62の周囲に配置され、クランクシャフトCR
に外嵌挿入され、圧入されるオイルシールSを押圧し得
る大きさに形成されたオイルシールプッシャ63とを備
え、係合突起62は、ラムシャフト20の下降によって
クランクシャフトCRのセンタ位置決め孔に係合されて
からオイルプッシャ63のさらなる下降を許容するよう
に、オイルプッシャ63に対して軸方向に相対移動可能
に設けられている。
【0032】また、図3および図6に示すように、ベー
スプレート10の下面には、ベースプレート10を下降
させたときにエンジン本体Wの上面に先端が当接される
ことによりエンジン本体Wの上面から所定の高さに保持
する高さ受けロッド65と、先端が当接されることによ
りエンジン本体Wの上面から所定の高さに保持すると共
に、エンジン本体Wの所定の基準孔Wbに係合されてエ
ンジン本体Wに対して締付け・圧入装置1を位置決めす
る位置決め基準ピン66とが設けられている。
【0033】圧入機構12による反力を受ける反力受け
機構13は、図2、図3、および図6に示すように、圧
入機構12が設けられたベースフレーム10の両端に設
けられた一対のブラケットと、中間部が各ブラケット7
0にそれぞれ枢着され下端部がエンジン本体Wのフラン
ジに掛止して連結し得るように鉤状に形成された一対の
クランパ71と、各クランパ71の上端に枢着されてク
ランパ71の鉤状の下端を開閉駆動する一対のシリンダ
72とを備えている。なお、両クランパ71の開閉方向
は,平行となるように配置する必要はなく、クランパ7
1を掛止するエンジン本体Wのフランジの形状などに応
じて、図3に示すように、互いに斜めの方向に開閉する
ように配置することもできる。
【0034】上述した移動支持手段としての走行ユニッ
ト15には、搬送されるエンジン本体Wに対して着脱可
能に係合する係合手段14が設けられている。係合手段
14は、走行ユニット15の下部走行フレーム33に垂
下された支持部材75と、この支持部材75に昇降移動
可能に支持された同期バー76と、同期バー76を昇降
駆動する駆動手段としてのシリンダ77と、を備えてな
る。同期バー76は、シリンダ77の駆動によって、支
持部材75の下端から下方に下降して搬送されるエンジ
ン本体Wと係合することが可能な係合位置と、この係合
位置から上方に上昇して搬送されるエンジン本体Wと係
合することがない非係合位置との間で昇降移動される。
さらに、図7に示すように、同期バー76の、係合位置
にあるときに搬送され当接されるエンジン本体Wと整合
する部分には、搬送されてきたエンジン本体Wが同期バ
ー76に当接したことを検知し制御手段にその信号を出
力するためのセンサ78が設けられている。
【0035】また、ベースフレーム10の下面には、ナ
ットランナ11のソケット11aがボルトBのヘッドに
係合しないときや、圧入機構12の圧入治具61がクラ
ンクシャフトCRに係合しないときに、作業者が手動で
ナットランナ11のソケット11aにボルトBのヘッド
を係合させ、あるいは、圧入機構12の圧入治具61に
クランクシャフトCRを係合させることができるよう
に、ハンドル80が設けられている。さらに、下部走行
フレーム33には、作業者が搬送されるエンジン本体の
種類などを目視により確認することができるように表示
したり、手動で締付け・圧入装置1の各機構11,1
2,13,14,16など操作などを行うための操作盤
81が設けられている。
【0036】次に、以上説明したように構成された本発
明の締付け・圧入装置の作動制御を、主に図7〜図13
に基づいて説明する。なお、前工程が完了して締付け・
圧入工程が行われるエンジン本体Wは、搬送スキッド3
の治具2のフレーム2aに支持され、そのフロントが上
方に向くような姿勢に保持され、図7〜図9において右
方から左方へと搬送されることとする(図中の矢印H1
を参照)。ここで、前工程では、エンジン本体Wに圧入
するオイルシールSをクランクシャフトCRに外嵌して
仮止めすると共に、図示しないマウンティングブラケッ
トに通したボルトBを抜け落ちない程度にエンジン本体
Wに螺合させるものとする。
【0037】最初に、図7に示すように、締付け・圧入
装置1は、走行ユニット15に接続された戻し用バラン
サ39により原点位置に戻るよう付勢されている。この
締付け・圧入装置1が原点位置に戻されていることは、
上部走行フレーム32に設けられた当接部材38が接触
子に当接していることをセンサ36が制御手段に出力す
ることにより確認される。このとき、昇降フレーム41
が接続された昇降シリンダ40は、共通のベースフレー
ム10に設けられたナットランナ11および圧入機構1
2が上昇するように、退縮駆動されている。圧入機構1
2は、ラムシャフト20がオイルシールSを圧入し得る
ストローク以上に退縮するようサーボモータ21が制御
され、反力受け機構13は、下端が鉤状に形成されたク
ランパ71を開放するようにシリンダ72が退縮駆動さ
れている。一方、係合手段14の同期バー76は、シリ
ンダ77の駆動により係合位置に下降している。
【0038】この状態でエンジン本体Wを支持した搬送
スキッド3が搬送されると、制御手段は、搬送スキッド
3に設けられたRAMに書き込まれた情報から搬送され
てくるエンジン本体Wの種類を判別して、そのエンジン
本体Wの種類に応じてナットランナ11Aのソケット1
1aがボルトBのヘッドに係合することができるように
変移手段16のシリンダ51を駆動する。エンジン本体
Wの種類に応じたナットランナ11Aの位置は、ドグ5
3が当接した接触子のセンサ54または55から出力さ
れる信号により確認される。エンジン本体Wの種類およ
びこれに応じたナットランナ11Aの位置は操作盤81
に表示される。その後、係合手段14の同期バー76に
設けられたセンサ78によりエンジン本体Wが同期バー
76に当接したことを検知すると、制御手段は、昇降シ
リンダ40を伸長駆動させて昇降フレーム41と共にベ
ースフレーム10に設けられたナットランナ11および
圧入機構12を下降させる。このとき、図8に矢印H2
で示すように、レール30に走行ユニット15のトロリ
31が支持されている締付け・圧入装置1は、エンジン
本体Wに当接された同期バー76が押されることによ
り、エンジン本体Wの搬送と同期して追従移動する。
【0039】図2および図6に参照されるように、ベー
スフレーム10に設けられた位置決め基準ピン66がエ
ンジン本体Wの基準孔Wbに係合すると共に、高さ受け
ロッド65がエンジン本体Wの(この姿勢での)上面に
当接することにより、ベースフレーム10はエンジン本
体Wの上面から所定の間隔をおいて保持される。この位
置決め基準ピン66のエンジン本体Wの基準孔Wbに対
する係合、および、高さ受けロッド65のエンジン本体
Wの上面に対する当接は、ベースフレーム10に設けた
センサ(図示は省略する)などにより検知し、あるい
は、昇降シリンダ40の伸長ストロークにより検知する
ことができる。そして、このことが検知されると、制御
手段は反力受け機構13のシリンダ72を伸長駆動させ
る。その結果、下端が鉤状に形成されたクランパ71
は、搬送スキッド3に支持されたエンジン本体Wのフラ
ンジに掛止されることが可能となる。
【0040】また、ベースフレーム10がエンジン本体
Wの上面から所定の間隔をおいて保持されたときには、
ナットランナ11のソケット11aがボルトBのヘッド
にそれぞれ係合し、圧入機構12の圧入治具61の係合
突起62がクランクシャフトCRの位置決め孔に係合し
ている。そしてナットランナ11のソケット11aは、
締付けられる前のエンジン本体Wから仮止めされて突出
した状態のボルトBの高さと適合して、わずかに上昇し
ている。
【0041】続いて、ナットランナ11の図示しない駆
動手段および圧入機構12のサーボモータ21が駆動さ
れると、圧入機構12のラムシャフト20が伸長するこ
とにより、ベースフレーム10がエンジン本体Wの上面
から離れようとする反力を受けることとなる。しかしな
がら、ベースフレーム10に枢着されたクランパ71が
エンジン本体Wのフランジを挟み込むように回動されて
いるため、その鉤状の下端がエンジン本体のフランジに
掛止することにより、ベースフレーム10がエンジン本
体Wの上面から離れることはなく、ベースフレーム10
に設けられた圧入機構12のラムシャフト20の伸長す
る力により、仮止めされたオイルシールSはエンジン本
体Wのオイルシール収容部Waに確実に圧入される。ま
た、ナットランナ11のソケット11aは、ボルトBが
エンジン本体Wに締付けられるのに伴って下降する。
【0042】ここで、本発明の圧入機構12の制御につ
いて説明する。図10は、圧入機構12によるストロー
クと負荷の変化を模式的に示したグラフである。ストロ
ークは圧入機構12が備えるエンコーダ23により、負
荷は圧入機構12が備えるロードセル24により、それ
ぞれ検出される。オイルシールSを圧入する際に、通常
の状態においては、図10に実線で示すように、ストロ
ークに対して負荷が安定して比例変化する。一方、圧入
時にオイルシールSが何らかの理由で破壊された場合に
は、図10に二点鎖線で示すように、ストロークに対し
て負荷が比例することなく不安定な状態で変化する。ま
た、圧入時にオイルシールSがオイルシール収容部Wa
に嵌らず圧入治具61とエンジン本体Wの表面との間に
咬み込んだ場合には、図10に一点鎖線で示すようにス
トロークに対して負荷が急激に上昇するよう変化する。
このように、オイルシールSが破壊されたりあるいは咬
み込んだ場合など、いずれが発生した場合にも、ストロ
ークの初期の段階で、基準となる通常の状態と比較して
大きく負荷が異なることとなる。制御手段では、このよ
うに実質的にオイルシールSがオイルシール収容部Wa
に圧入される前あるいは初期の時点で、ストロークに対
して負荷が基準から大きく外れた場合に、サーボモータ
21の回転駆動すなわち圧入を停止させると共に、操作
盤81に異常発生を表示するなどして警告を発する。
【0043】また、制御手段では、サーボモータ21の
駆動を以下のように制御する。すなわち、制御手段に
は、圧入の負荷およびストロークの最大制限値と、圧入
の正常・異常を判定する許容上限値および下限値が設定
されている。また、制御手段には、圧入の開始から完了
までを複数のステップに区分し、各ステップごとに圧入
するときの速度、負荷、ストローク、時間などが設定さ
れている。そして、各ステップごとに設定された圧入速
度でサーボモータ21を駆動し、負荷、ストローク、時
間のいずれかが設定値を越えると、次のステップに進む
よう制御する。なお、この実施の形態では、制御手段が
圧入の状態を精度よく把握するために負荷とストローク
とをロードセル24およびエンコーダ23により検知す
ることとしているが、圧入部材Sが比較的高い精度を要
しない場合には、ロードセル24またはエンコーダ23
のいずれか一方のみを設けて、負荷とストロークとのい
ずれかを検知することもできる。制御手段は、圧入治具
61が仮止めされたオイルシールSに当接するまでの初
期の段階では、比較的速い速度に設定されており、圧入
治具61がオイルシールSに当接してからは比較的低い
速度に設定されている。そして、圧入負荷が所定値に達
すると、負荷をかけた状態を所定時間保持し、その後、
比較的高速で圧入治具61を上昇させるように駆動制御
する。図11に示したグラフでは圧入時間に対して、図
12に示したグラフでは圧入ストロークに対して、それ
ぞれ実際にロードセル24により検出された圧入負荷の
変化の一例を示している。本発明では、圧入の駆動源と
してサーボモータ21を用いるため、その小型化を図っ
てナットランナ11と共通のベースフレーム10に設け
ることができるばかりでなく、図14に示したような従
来の油圧式の圧入装置と比較して制御の応答性がよいた
めに圧入精度を向上させることができ、しかも、消費す
る電力も少なくて済む。
【0044】図13は、荷重に対する消費電力の変化を
示したグラフであって、本発明における圧入機構の消費
電力の変化は実線で、図14に示したような従来の油圧
式の圧入装置の消費電力の変化は鎖線で示されている。
従来の油圧式の圧入装置では、油圧ユニット95の図示
しないアキュムレータに作動油を供給するなどのため
に、圧入するための荷重(負荷)に関わりなく、常にほ
ぼ一定の電力(図13に示したグラフの例の場合、約
0.79kw)を消費している。一方、サーボモータ2
1を使用した本発明の圧入機構では、例えば、圧入する
ための最大荷重を1000kgfとした場合に消費する
電力は0.25kwとなる。したがって、この例の場合
では、消費電力を68パーセント削減することができ
る。なお、オイルシールを圧入するときの実際の荷重
は、200〜500kgf程度に、好ましくは300〜
400kgf程度に設定される。そのため、実際に消費
電力を削減できる割合はさらに向上する。
【0045】さらに、本発明の締付け・圧入装置1で
は、単一の制御手段の制御論理に、各ナットランナ11
がボルトBを締付ける際にそれぞれ所定の締付けトルク
に達したかを判定することと、圧入機構12がオイルシ
ールSを圧入する際に所定の負荷およびストロークに達
したかを判定すること、を含めることができるため、従
来のようにボルトBの締付けとオイルシールSの圧入を
別の専用装置を使用する場合と比較して、設備のための
スペースや工程数、配置すべき作業者の人数など、コス
トを削減することができる。また、作業者が他の工程
(例えば、前工程でのボルトBやオイルシールSの仮止
めなど)をしながら、本発明の装置により締付けと圧入
の工程を同時に自動的に行わせることができる。
【0046】ボルトBの圧入およびオイルシールSの圧
入は、エンジン本体Wの搬送と同期して移動しながら、
上部走行フレーム32の搬送方向前方に設けられた当接
部材37がセンサ35の接触子に接するまで、すなわち
前進限に達するまでに行われる。また、前進限に達する
までに、制御手段は、オイルシールSの圧入が完了する
と、圧入機構12のサーボモータ21を反転させて圧入
治具61を上昇復帰させると共に、反力受け機構13の
シリンダ72を退縮駆動させて搬送スキッド3に支持さ
れたエンジン本体Wのフランジに掛止されていたクラン
パ71を開いて解放し、その後、昇降フレーム41に接
続された昇降シリンダ40を退縮駆動してベースフレー
ム10に設けられたナットランナ11および圧入機構1
2を上昇させる。このとき、昇降フレーム41に昇降サ
ポートバランサ45が接続されていることにより、ナッ
トランナ11や圧入機構12などの重量に関わりなく、
わずかな動力で昇降シリンダ40を退縮駆動させること
ができる。そして、係合手段14の同期バー76を上昇
させるようシリンダ77を駆動させると、図9に示すよ
うに、搬送スキッド3に支持されたエンジン本体Wはそ
のまま搬送され(矢印H1を参照)、締付け・圧入装置
は、次に搬送されてくるエンジン本体へのボルトの締付
けとオイルシールの圧入とを行うべく、走行ユニットに
接続された戻し用バランサにより原点位置に戻される
(矢印H3を参照)。
【0047】なお、本発明は、以上説明した実施の形態
に限定されることはなく、例えば、ナットランナ11の
ソケット11aに係合される締結部材としてボルトBの
ヘッドの他に、ナットを締付ける場合などにも用いるこ
とができ、また、圧入部材としてオイルシールSの他に
ピンやピンリングを圧入する場合などにも用いることも
できる。
【0048】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、共通のベース
部材に同軸方向に設けられた、ワークに締結部材を締付
ける締付け機構、および、ワークに圧入部材を圧入する
圧入機構と、ワークと着脱可能に連結されることにより
圧入機構による反力を受ける反力受け機構と、締付け条
件および圧入条件に基づいて前記各機構をそれぞれ制御
する制御手段と、を備えたことにより、簡単な構成でワ
ークに対する締結部材の締付けと圧入部材の圧入とを同
一の工程で自動的に行うことができる締付け・圧入装置
を提供することができる。
【0049】請求項2の発明によれば、請求項1に記載
の発明において、圧入機構が、軸方向に移動可能に支持
され圧入部材を押圧することにより圧入動作を行うラム
と、該ラムをその軸方向に駆動するための、回転モータ
および該モータの回転をラムの軸方向の移動に変換させ
る変換手段と、を備えてなることにより、消費電力が少
なく、メンテナンスが容易な締付け・圧入装置を提供す
ることができる。
【0050】請求項3の発明によれば、請求項2に記載
の発明において、圧入機構が、 回転モータの駆動によ
る圧入ストロークを検出するストローク検出手段と、圧
入荷重を検出する荷重検出手段と、の少なくとも一方を
含むことにより、簡単な構成でワークに対する締結部材
の締付けと圧入部材の圧入とを精度よく行うことができ
る締付け・圧入装置を提供することができる。
【0051】請求項4の発明によれば、請求項1〜3の
いずれかに記載の発明において、搬送されるワークに対
して係合する係合手段と、該係合手段がワークに係合す
ることによりワークの移動と同期して移動するよう支持
する移動支持手段と、を備えたことにより、順次搬送さ
れるワークに対して繰り返し自動的に締結部材の締付け
と圧入部材の圧入とを行うことができる締付け・圧入装
置を提供することができる。
【0052】請求項5の発明によれば、請求項1〜4の
いずれかに記載の発明において、ワークの種類に応じて
締付け機構を変位させる変移手段を備えたことにより、
ワークの種類によって締結部材の位置が異なる場合にも
対応することができる締付け・圧入装置を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の締付け・圧入装置の実施の一形態を示
す正面図である。
【図2】ベースフレームが下降されて、ナットランナの
ソケットがボルトのヘッドに係合し、圧入機構の圧入治
具がクランクシャフトに係合した状態を示す要部拡大側
面図である。
【図3】ベースフレーム上に設けられたナットランナ
と、圧入機構と、反力受け機構と、変移手段と、高さ受
けロッドと、位置決め基準ピン、および係合手段の配置
を説明するための平面図である。
【図4】変移手段を説明するための一部断面図である。
【図5】圧入機構の構成を説明するための説明図であ
る。
【図6】高さ受けロッドが当接すると共に位置決め基準
ピンが基準孔に係合されてベースフレームがエンジン本
体の上面から所定の間隔で保持され、クランパがエンジ
ン本体のフランジに掛止され、圧入機構の圧入治具がオ
イルシールを圧入する前の状態を示す部分説明図であ
る。
【図7】搬送されるエンジン本体に同期バーが当接する
前の状態を示す説明図である。
【図8】搬送されるエンジン本体と同期して締付・圧入
装置が追従移動する状態を示す説明図である。
【図9】締付け・圧入が完了して搬送されるエンジン本
体から締付け・圧入装置が解放されて原点位置に戻る状
態を示す説明図である。
【図10】圧入機構によりオイルシールが圧入されると
きの通常の状態および異常が発生した状態におけるスト
ロークと負荷との変化を模式的に示すグラフである。
【図11】実際にロードセルにより検出された圧入負荷
の圧入時間に対する変化の一例を示すグラフである。
【図12】実際にロードセルにより検出された圧入負荷
の圧入ストロークに対する変化の一例を示すグラフであ
る。
【図13】本発明における圧入機構と従来の圧入装置と
の荷重に対する消費電力の変化を示すグラフである。
【図14】従来の油圧式の圧入装置を示す説明図であ
る。
【符合の説明】
W エンジン本体(ワーク) Wa オイルシール収容部(圧入部材収容部) B ボルト(締結部材) S オイルシール(圧入部材) 1 締付け・圧入装置 3 搬送スキッド 10 ベースフレーム(ベース部材) 11 ナットランナ(締付け機構) 12 圧入機構 13 反力受け機構 14 係合手段 15 走行ユニット(移動支持手段) 16 変移手段 20 ラムシャフト 21 サーボモータ(回転モータ) 22 ナット部(変換手段) 23 ロータリエンコーダ(ストローク検出手段) 24 ロードセル(圧入荷重検出手段)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワークに締結部材を締付けると共に、圧
    入部材を圧入する締付け・圧入装置であって、 共通のベース部材に同軸方向に設けられた、ワークに締
    結部材を締付ける締付け機構、および、ワークに圧入部
    材を圧入する圧入機構と、 ワークと着脱可能に連結されることにより圧入機構によ
    る反力を受ける反力受け機構と、 締付け条件および圧入条件に基づいて前記各機構をそれ
    ぞれ制御する制御手段と、を備えてなることを特徴とす
    る締付け・圧入装置。
  2. 【請求項2】 圧入機構が、 軸方向に移動可能に支持され圧入部材を押圧することに
    より圧入動作を行うラムと、 該ラムをその軸方向に駆動するための、回転モータおよ
    び該モータの回転をラムの軸方向の移動に変換させる変
    換手段と、を備えてなることを特徴とする請求項1に記
    載の締付け・圧入装置。
  3. 【請求項3】 圧入機構が、 回転モータの駆動による圧入ストロークを検出するスト
    ローク検出手段と、 圧入荷重を検出する荷重検出手段と、の少なくとも一方
    を含むことを特徴とする請求項2に記載の締付け・圧入
    装置。
  4. 【請求項4】 搬送されるワークに対して係合する係合
    手段と、 該係合手段がワークに係合することによりワークの移動
    と同期して移動するよう支持する移動支持手段と、を備
    えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の
    締付け・圧入装置。
  5. 【請求項5】 ワークの種類に応じて締付け機構を変位
    させる変移手段を備えたことを特徴とする請求項1〜4
    のいずれかに記載の締付け・圧入装置。
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