JP2001023597A - 電池用安全弁材料、その製造方法及び該電池用安全弁材料を用いた電池 - Google Patents

電池用安全弁材料、その製造方法及び該電池用安全弁材料を用いた電池

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JP2001023597A
JP2001023597A JP11189550A JP18955099A JP2001023597A JP 2001023597 A JP2001023597 A JP 2001023597A JP 11189550 A JP11189550 A JP 11189550A JP 18955099 A JP18955099 A JP 18955099A JP 2001023597 A JP2001023597 A JP 2001023597A
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safety valve
film
battery
metal plate
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Takaaki Okamura
高明 岡村
Kazuhiko Ishihara
和彦 石原
Hideyuki Minaki
秀幸 三奈木
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Toyo Kohan Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一定以上の圧力でのみ破断するとともに、フ
ッ化水素によって容易に弁金属膜にピンホール等を生じ
たりすることがなく、安全弁としての機能を安定して保
持することができる電池用安全弁材料とその構造を提供
する。 【解決手段】 所定パターンの孔を有するアルミニウム
金属板1を基材とし、アルミニウム箔2弁膜として、そ
のその両者の表面にクロム水和酸化物が2〜50mg/
付着している状態で、耐フッ化水素性のポリエチレ
ン等のオレフィン系樹脂を主体としたフィルム状ポリマ
ー3介してアルミニウム箔2密着した状態で接合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電池用安全弁材
料、その製造方法及び該電池用安全弁材料を用いた電池
に関し、特に非水電解液二次電池、電池内圧の上昇を緩
和する安全弁材料に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】安全弁を必要とする電
池として、例えばリチウムイオン二次電池があり、高エ
ネルギー密度並びに良サイクル性という特性を有してい
るところから電源電池としてのニーズが拡大しつつあ
る。この系統の電池は電池内部に非水電解液を注入する
ための注入孔と安全弁を有している。この安全弁は充放
電中の異常時に大幅にガスが発生し、爆発という予期し
ない事故の発生を防止するという目的のために、圧力が
一定以上になった場合に作動するためのもので、その構
造は一般的には電池壁にスクラッチを入れたものや、電
池壁に貫通させた孔に薄膜を種々の方法で形成させてお
き、圧力が一定以上になったときに該薄膜が破断するこ
とによって、内圧を低下させるという形式のものが多
い。
【0003】この安全弁用薄膜に要求される性質は、通
常の衝撃によっては破断せず、圧力が一定以上になった
場合にのみ破断するという二律背反的要素が強いため
に、従来その機能、構造、材質、取付け方法等に関し
て、多くの提案がされている。例えば、特開昭63−2
85859号公報の方法は電池容器材と同一の金属の場
合で、電池容器の一部をあらかじめ冷間圧延、薄肉化し
て安全弁に転用するというものであり、また別の方法と
しては電池容器の一部をエッチングによって薄肉化して
安全弁に転用するというものである。
【0004】一方、破断強度に関しては、例えば特開平
5−314959号公報提案の方法のように貫通孔を有
する金属板に対して同種の金属板又は融点等の特性がほ
ぼ同一の金属の薄板若しくは箔を熱圧着することによっ
て破断圧力に適合させようとするものである。
【0005】一般に破断強度の大きな破断膜を使用する
場合には、特殊な安全弁構造との併合によって、破断膜
が所定の圧力で容易に破断するような仕組みにする方法
を採用する場合が多く、例えば実公昭58−17332
号公報、実開昭60−65970号、特開平1−309
252号、特開平1−309253号公報の提案のよう
に電池内部に切欠部を設ける方法等がある。
【0006】しかし、特開昭63−285859号公報
提案の方法は、電池容器としての強度を保ち得る板厚か
らなる電池容器の一部を冷間圧縮、薄肉化して安全弁に
転用しようという方法であり、相反する性質を一枚の板
に求めることは無理で、十分な冷間圧延精度はこの方法
では得られないために、破断精度が劣ることになる。エ
ッチングを使用する薄肉化法はエッチング条件の設定が
困難であり、また経済的にも不利である。さらに特開平
5−314959号公報の方法は、金属の融点以上に加
熱する必要があるために、金属板又は金属箔に生じる熱
歪みの関係で破断精度が劣化し、また弁材にピンホール
の生ずる危険性がある。実公昭58−1732号公報提
案の方法は切欠部分の精密な加工精度が達成できない
と、安全弁としての目的達成が困難になってしまう。
【0007】一方、これらの電池にはフッ素系化合物を
電解質とした電解液を使用している関係で、これらの電
解液を電池内部に注入した時に、その電解液が注入孔周
辺に飛散し、安全弁の外側に付着してしまうことがあ
る。この付着液は空気中で水分と反応して、容易に腐食
性の強いフッ化水素を生じるため、フッ化水素に対して
抵抗力のない材質を安全弁として使用している場合に
は、安全弁は急速に腐食されて弁金属の膜厚が薄くなっ
たり、弁金属膜にピンホールを生じたりして、安全弁と
して機能しなくなってしまう。このため。本発明者は前
記の事実を考慮して、簡易かつ安全弁としての破断精度
を有する材質について鋭意検討を重ねた結果、本発明を
完成させるに至った。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明請求項1の電池用
安全弁材料は、所定パターンの孔を有する金属板にフィ
ルム状ポリマーを介して熱融着により金属箔が接合して
いることを特徴とする。前記電池用安全弁材料は、金属
板及び金属箔がアルミニウムであることが好ましい。前
記電池用安全弁材料は、金属板及び金属箔の表面のう
ち、少なくともフィルム状ポリマーと熱融着する面にC
r換算で2〜50mg/mのクロム水和酸化物被膜を
有していることが好ましい。前記電池用安全弁材料は、
ポリマーが低密度ポリエチレン樹脂であることが好まし
い。前記電池用安全弁材料は、ポリマーがポリメチルペ
ンテン樹脂であることが好ましい。前記電池用安全弁材
料は、ポリマーがアイオノマー樹脂、又はマレイン酸若
しくはアクリル酸変性オレフィン系樹脂から選択される
1又は2以上のポリマーであることが好ましい。前記電
池用安全弁材料は、ポリマーが低密度ポリエチレン樹脂
とアイオノマー樹脂の混合ポリマーであって、低密度ポ
リエチレン樹脂に対するアイオノマー樹脂が重量比で
0.25〜4の割合で混合されていることが好ましい。
前記電池用安全弁材料は、融点が20℃以上異なる2種
以上のオレフィン系樹脂の混合ポリマーからなるフィル
ム状ポリマーを使用することが好ましい。前記電池用安
全弁材料は、ポリマーが、ポリメチルペンテン樹脂とア
イオノマー樹脂の混合ポリマーであって、ポリメチルペ
ンテン樹脂に対するアイオノマー樹脂が重量比で1〜4
の割合で混合されていることが好ましい。前記電池用安
全弁材料は、フィルム状ポリマーが3層からなる積層フ
ィルム状ポリマーであって、中間層のポリマーの熱変形
温度が上層及び下層のポリマーの熱変形温度より20℃
以上高いフィルム状ポリマーを使用することが好まし
い。前記電池用安全弁材料は、フィルム状ポリマーが3
層からなる積層フィルム状ポリマーであって、かつ各層
がポリメチルペンテン樹脂とアイオノマー樹脂の混合ポ
リマーからなっていて、その上層及び下層がポリメチル
ペンテン樹脂1重量部とアイオノマー樹脂2重量部の混
合ポリマーからなり、かつ中間層のポリメチルペンテン
樹脂のアイオノマー樹脂に対する割合が、上記上層又は
下層のこれらの割合の1/16〜10/16であるフィ
ルム状ポリマーを使用することが好ましい。前記電池用
安全弁材料は、ポリマーに2〜100Mradの電子線
照射がされていることが好ましい。前記電池用安全弁材
料は、金属板と金属箔がポリマーを介して接合されてい
る安全弁材料において、金属板の孔部に相当する部分の
金属箔がポリマーで全面を被覆されていることが好まし
い。本発明の電池用安全弁材料の製造方法は、あらかじ
め所定の孔を穿った金属板及び金属箔の双方にフィルム
状ポリマーを熱融着しておいて、金属板のポリマーと金
属箔のポリマーをこれらのポリマーの融点以上に加熱し
て一体化することを特徴とする。前記方法は、あらかじ
めフィルム状ポリマーを金属箔上に熱融着しておき、そ
の後にあらかじめ所定の孔を穿った金属板と該金属箔上
に積層したフィルム状ポリマーをさらに熱融着して、安
全弁とすることが好ましい。前記方法は、あらかじめフ
ィルム状ポリマーと金属箔及び所定の孔を穿った金属板
の三者を用意しておいて、この三者を熱融着により同時
に一体化して安全弁とすることが好ましい。前記熱融着
法で接合する方法は、混合ポリマー中の低い方の融点を
Tm1、高い方の融点をTm2とした場合に{(Tm1
〜Tm2)−5}℃の温度で金属板または金属箔とフィ
ルム状ポリマーを接合することによって一体化すること
が好ましい。前記熱融着法で接合する方法は、ポリマー
が3層からなる積層フィルム状ポリマーであって、かつ
上層と下層のみが2種以上のホリマーの混合ポリマーで
ある場合において、中間層のポリマーの融点をTm3、
上層と下層のポリマーの融点の中で高い方の融点をTm
4とした場合に、{(Tm4〜Tm3)−5}℃の温度
で金属板または金属箔とフィルム状ポリマーを接合する
ことによって安全弁を作製することが好ましい。前記熱
融着法で接合する方法は、フィルム状ポリマーが三層か
らなる積層フィルム状ポリマーであって、最初に金属箔
に接合したポリマーの融点をTm5、金属板に接合した
ポリマーの融点をTm6とした場合に、後に金属板と金
属箔の各ポリマーを接合して一体化する温度を、金属板
上の積層ポリマーの融点(Tm6)より20℃以上低
く、かつ{(Tm5〜Tm6)−5}℃で融着して安全
弁材料とすることが好ましい。本発明の電池は、前記安
全弁材料を備えたものであることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明に使用する安全弁の構造は
所定パターンの孔を有するアルミニウム等の金属板にポ
リエチレン等の耐フッ化水素性のオレフィン系樹脂を主
体としたポリマーが密着した状態で接合されている。か
かる安全弁構造の採用によって、通常の衝撃によっては
破断せず、圧力が一定以上になった場合にのみ破断する
ことができ、また耐フッ化水素性のポリマーを使用して
いるために、電解質を電池内部に注入した時に、注入孔
周辺に飛散し安全弁の外側に付着した電解液によっても
安全弁が腐食されたり、弁金属の膜厚が薄くなったり、
弁金属膜にピンホールを生じたりするという危険性は少
なく、安全弁としての機能を安定して保持することがで
きるようになる。以下に、本発明について説明する。本
発明の安全弁構造に使用する金属板としては、軟鋼板、
ニッケルめっきをした軟鋼板、アルミニウム板、アルミ
ニウム合金板、ステンレス鋼板、銅、真鍮板等が使用で
きるが、軽量性及び強度を考慮した場合に0.15〜
1.00mmの厚さのアルミニウム板が好ましい。もっ
とも、この厚さは安全弁材料に使用される、他の素材の
強度等を考慮して定める必要がある。
【0010】このアルミニウム板の少なくとも一面はエ
ッチング処理をして表面を粗い状態にしておくことが好
ましい。後にこの表面にフィルム状ポリマーを密着貼付
するためである。エッチングの方法にはアルカリエッチ
ング、プラズマエッチング等があるが、操作上、容易な
アルカリエッチング処理が好ましく使用され、またアル
カリエッチングの中でも作業管理が比較的容易で、か
つ、均一な製品を得ることができる電解アルカリエッチ
ングが好ましく使用される。電解エッチングは例えば7
5℃で30g/Lの水酸化ナトリウム水溶液中に5A/
dmで10秒間の陽極処理を行う方法で実施する。
【0011】また、アルミニウム板表面がフィルム状ポ
リマーと接する面はエッチング処理の有無に拘わらずク
ロメート処理をしておくことが必要である。フィルム状
ポリマーとの密着性を良好にして、電池内の腐食性のフ
ッ化水素酸等と金属の接触を完全に防止するためであ
る。クロメート処理はディッピング法、塗布法又は電解
法等によってアルミニウム板表面にクロム水和酸化物被
膜を形成させることによって行われる。電解法によるク
ロメート処理は例えば三酸化クロムとして100〜12
0g/Lの低濃度クロム酸を使用して電流密度40〜6
0A/dmの条件で行うことができる。
【0012】なお、このようにして処理されたアルミニ
ウム板表面のクロム水和酸化物量は2〜50mg/m
であることが必要である。付着量を2〜50mg/m
に限定する理由は2mg/m未満ではフィルム状ポリ
マーとの密着力が不十分であり、一方50mg/m
超えると密着力は大きく向上しないのに生産性が劣って
くるからである。
【0013】金属板にはパンチプレス等を使用してたと
えば直径3mm前後の円盤状の孔を多数、格子状に穿っ
ておく。安全弁の破断膜は金属箔、フィルム状ポリマー
の結合体が使用される。金属箔としては軟鋼、各種のス
テンレス、アルミニウム又はその合金、真鍮等の種々の
合金金属箔が使用可能であるが、中でも軽量化と強度の
点を考慮してJIS H4191のアルミニウム箔を使
用することが必要である。アルミニウム箔の厚さは、
0.005〜0.120mmのものが好ましいが、電池
仕様等を考慮して定める必要がある。アルミニウム箔の
成分純度は特に考慮する必要はなく、高純度品又は普通
純度品のいずれも使用することができる。
【0014】アルミニウム箔がフィルム状ポリマーと接
する表面は、前記アルミニウム板と同様にアルカリエッ
チング処理をしておくことが好ましく、またクロメート
処理をしておくのが好ましい。アルミニウム板の場合と
同様にフィルム状ポリマーを貼付した場合に、ポリマー
との密着性を良好にしておくためである。この場合のク
ロメート処理条件も、前記のアルミニウム板の場合と同
様にディッピング法、塗布法又は電解法等の方法により
形成することができる。クロム水和酸化物被膜を形成す
るクロム量も2〜50mg/mとしておくのが好まし
い。
【0015】フィルム状ポリマーとしてはオレフィン系
樹脂、例えば高密度ポリエチレン樹脂、低密度ポリエチ
レン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリメチルペンテン樹
脂アイオノマー樹脂、アクリル樹脂等が使用可能である
が、経済性、耐薬品性、耐溶剤性、耐熱性等の安全弁に
必要な種々の特性を考慮した場合、低密度ポリエチレン
樹脂又はポリメチルペンテン樹脂もしくはこれらの組合
せを使用する必要がある。2種以上のポリマーを組み合
わせて使用する理由は、ポリマーの性質の向上を図るた
めで、組合せの態様としてはブレンド又は積層がある。
【0016】ブレンドの方法としては例えば共重合体と
する方法、各種のブレンダーを使用して混合する方法が
あるが、そのいずれの方法をも使用することができる。
また、異なる種類のポリマーを積層させて多層フィルム
とする方法としては、カレンダー法、インフレーション
法、Tダイ法等があり、さらに積層フィルムとする場合
にはインライン法、オフライン法のいずれの方法でもよ
い。
【0017】フィルム状ポリマーは上記の低密度ポリエ
チレン樹脂又はポリメチルペンテン樹脂の他にアイオノ
マー樹脂、若しくはアクリル酸又はマレイン酸で変性し
たアイオノマー樹脂、ポリエチレン樹脂又はポリメチル
ペンテン樹脂との組合せとして使用することができる。
さらに、フィルム状ポリマーは上記樹脂に加えてさらに
他の樹脂を組み合わせて使用することもできる。他の樹
脂としては例えばナイロン樹脂、ポリエステル樹脂、ポ
リビニルアルコール樹脂、塩化ビニル樹脂等がある。こ
れらのフィルム状ポリマーの厚さは0.005〜0.0
30mmの範囲とすることが好ましいが、安全弁の他の
使用材料の強度との関係を考慮して定める必要がある。
【0018】フィルム状ポリマーとしてポリマーのブレ
ンド品を使用する場合において、低密度ポリエチレン樹
脂とアイオノマー樹脂のブレンド樹脂を使用する場合に
は、低密度ポリエチレン樹脂に対するアイオノマー樹脂
が重量比で0.25〜4の割合で混合されているポリマ
ーとすることが好ましい。かかるブレンド樹脂を使用す
る理由は低密度ポリエチレン樹脂の薬品抵抗性とアイオ
ノマー樹脂の金属に対する密着性の双方を向上させるこ
とを目的としたものであり、従ってアイオノマー樹脂の
含有量が0.25重量部未満の場合はアルミニウム板又
はアルミニウム箔との密着性改良効果はなく、一方、ア
イオノマー樹脂の含有量が4重量部を超えると低密度ポ
リエチレンに基づく耐薬品抵抗性が失われてくるからで
ある。
【0019】また、混合ポリマーとして、ポリメチルペ
ンテン樹脂とアイオノマー樹脂のブレンド樹脂を使用す
ることもでき、この場合のポリメチルペンテン樹脂に対
するアイオノマー樹脂の重量比が1〜4であることが必
要である。このブレンド樹脂を使用する理由は、ポリメ
チルペンテン樹脂による耐腐食性の確保とアイオノマー
樹脂による金属板との密着性の両立向上を図るもので、
ポリメチルペンテン樹脂に対するアイオノマー樹脂の重
量比が1未満の場合は密着性が劣り、一方、4以上の場
合は耐腐食性が劣るからである。
【0020】上記ポリマーは電子線照射架橋(EB)さ
せたものを使用することが好ましい。EB処理によって
樹脂は三次元架橋して熱硬化樹脂的挙動を示すようにな
りオレフィン系樹脂の特徴である耐薬品性を損なわない
で、耐熱性を向上させることができるからである。この
場合のEB処理は種々の加速器を使用して行うことがで
き、この場合の照射線量は2〜100Mradの範囲が
好ましい。2Mrad未満でオレフィン系樹脂の耐熱性
向上効果はなく、また100Mradを超える場合はオ
レフィン系樹脂の硬度が高くなりすぎて、金属との熱融
着が困難になるからである。
【0021】金属板及び金属箔とフィルム状ポリマーを
接合して、安全弁を製作する場合において、安全弁の構
造は金属板の孔部に相当する部分の金属箔がポリマーで
全面的に被覆されている状態になっていることが必要で
ある。この被覆が不完全であると、電池内のフッ化水素
酸のような腐食性液体が、該不完全被覆部分から内部に
侵入して金属箔を侵し、金属箔の厚さを薄くしたり又は
金属箔にピンホールを生じさせたりして安全弁としての
機能を低下させるからである。金属板又は金属箔とフィ
ルム状ポリマーの接合はレーザー接合法等の当業界周知
の方法で行うことができる。
【0022】この場合の、ポリマーの被覆方法としては
まず所定の孔を穿った金属板にフィルム状ポリマーを
熱融着した後に、その後に該熱融着したフィルム状ポリ
マーにさらに金属箔を熱融着接合する方法(1)、ま
た、あらかじめフィルム状ポリマーを熱融着した金属箔
を作製しておいて、その後にあらかじめ孔を穿った金属
板に前記ポリマーを接着した金属箔を熱融着する方法
(2)、あるいはさらに所定の孔を有する金属板と金属
箔及びフィルム状ポリマーを別々に用意しておいてこれ
らを積層して一度に加熱融着し、一体化する方法(3)
のいずれの方法でも製作することができる。
【0023】この場合においてもフィルム状ポリマー
は、上記ポリマーの組合せである、ブレンド品又は積層
品を使用することができる。この場合に2種以上のポリ
マーの組合せを使用する理由は金属板又は金属箔とフィ
ルム状ポリマーとの熱融着性を改良するためであり、単
に2種以上のポリマーをブレンドして得たフィルム状ポ
リマーの使用にとどまらず、さらに積層フィルムとして
組み合わせて使用することもできる。
【0024】フィルム状ポリマーとして、2種以上のポ
リマーのブレンド品を使用する場合には、その融点が2
0℃以上異なる2種以上のポリマーを使用することもて
きる。この理由は、安全弁の構造が図1のようにアルミ
ニウム箔とアルミニウム板の中間にフィルム状ポリマー
を熱融着して作製されている場合に、フィルム状ポリマ
ーが1種類のポリマーのみからなっている場合には金属
板の孔部と該金属板に熱融着されているフィルム状ポリ
マーの界面に微少な隙間が形成される場合があり、かか
る場合には該隙間から腐食性のフッ化水素酸水溶液が侵
入して、金属箔を腐食して安全弁としての機能を損なう
場合があるからである。かかる危険性を排除するために
は、融点の異なる2種以上の混合ポリマーを使用するこ
とが好ましく、またフィルム状ポリマーと金属板孔部の
界面の熱融着を完全にして、隙間を生じさせないように
するためには、混合ポリマーの融点の差が少なくとも2
0℃以上のポリマーを選択使用することが好ましい。
【0025】なお、フィルム状ポリマーをポリメチルペ
ンテン樹脂とアイオノマー樹脂の混合ポリマーとし、か
つ3層の複層フィルムとして使用する場合においては、
その上層及び下層のポリマーがポリメチルペンテン樹脂
1重量部とアイオノマー樹脂2重量部の混合ポリマーで
あって、かつ中層のポリマー中のポリメチルペンテン樹
脂のアイオノマー樹脂に対する割合が、上記上層又は下
層のこれらの割合の1/16〜10/16であることが
好ましい。
【0026】かかるブレンド樹脂を使用する理由も、上
記と同様にトリメチルペンテン樹脂によるアルミニウム
板孔部界面の安定被覆効果の確保とアイオノマー樹脂に
よる金属板との密着性の両立向上を図るもので、中層の
ポリメチルペンテン樹脂に対するアイオノマー樹脂の割
合が、上層又は下層のポリメチルペンテン樹脂に対する
アイオノマー樹脂の割合の1/16〜10/16にして
おくことによって、界面の安定被覆効果と密着性の両者
がさらに向上するからである。
【0027】なお、さらに好ましくはかかるポリマーを
選択使用した上で、熱融着温度(℃)を下記式に従って
行うことである。 (Tm1〜Tm2)−5 ここでTm1は低融点側のポリマーの融点、Tm2は高
融点側のポリマーの融点である。この式の意味するとこ
ろは、いま低融点側のポリマーの融点Tm1が200
℃、高融点側のポリマーの融点Tm2が240℃であっ
た場合に、熱融着温度は、200℃〜240℃の間の温
度より5℃低い温度で行うということである。
【0028】さらに、フィルム状ポリマーが3層からな
る積層フィルム状ポリマーであって、中間層のポリマー
の熱変形温度が上層及び下層のポリマーの熱変形温度よ
り20℃以上高いフィルム状ポリマーを使用した場合に
は,アルミニウムとポリマーとアルミニウム箔の密着一
体化はさらに好ましいものとなる。
【0029】フィルム状ポリマーが3層からなる積層フ
ィルム状ポリマーであって、かつ各層が混合ポリマーの
場合の一例として、ポリマーがポリメチルペンテン樹脂
とアイオノマー樹脂の混合ポリマーの場合であって、そ
の上層及び下層がポリメチルペンテン樹脂1重量部とア
イオノマー樹脂2重量部の混合ポリマーからなり、かつ
中層のポリメチルペンテン樹脂のアイオノマー樹脂に対
する割合が、上記上層又は下層のこれらの割合の1/1
6〜10/16であるフィルム状ポリマーを使用するこ
とによってポリマー間の密着力は良好に向上する。
【0030】また、フィルム状ポリマーが3層からなる
積層フィルム状ポリマーであって、かつ上層と下層のみ
が2種以上のポリマーの混合ポリマーで、中間層だけが
単一成分のポリマーの場合には、中間層のポリマーの融
点をTm3、上層と下層のポリマーの融点の中で高い方
の融点をTm4とした場合に、{(Tm4〜Tm3)−
5)}℃の温度で金属板または金属箔とフィルム状ポリ
マーを接合することによって安定した密着状態を得るこ
とができる。
【0031】さらに、フィルム状ポリマーが三層からな
る積層フィルム状ポリマーであって、最初に金属箔に接
合したポリマーの融点をTm5、金属板に接合したポリ
マーの融点をTm6とした場合に、後に金属板と金属箔
の各ポリマーを接合して一体化する温度を、金属板上の
積層ポリマーの融点(Tm6)より20℃以上低く、か
つ{(Tm5〜Tm6)−5}℃で融着することによっ
ても良好な密着状態を作ることができる。
【0032】以上のようにして安全弁を作製したら、そ
の安全弁をレーザー溶接等により組み込んで電池を作製
する。
【0033】以上のようにこの発明は、ポリオレフィン
系樹脂の中でも、比較的、耐薬品抵抗性のあるポリエチ
レン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂等を使用し、これら
の樹脂や弁基体となるアルミニウム板、箔等の性質を改
良することによって、これらの樹脂フィルムと基体金属
を密着一体化させ、フッ化水素酸のような腐食性液体の
侵入を排除するものである。したがって、本発明は乾電
池安全弁だけでなく、同様の他の用途、例えば工業薬品
封止用等に広く応用できる可能性がある。
【0034】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳し
く説明する。 [実施例1]安全弁の作製方法(1) 厚さ0.020mmのアルミニウム箔を用意して、この
アルミニウム箔を75℃で30g/Lの水酸化ナトリウ
ム水溶液中に浸漬し、5A/dmで10秒間の陽極処
理で電解エッチングし、次いで、三酸化クロムとして1
10g/L、硫酸として1.1g/Lの50℃水溶液に
浸漬し、50A/dmで陰極処理による電解クロメー
ト処理した。この場合に、アルミニウム箔上に形成され
たクロム水和酸化物の量は25.0mg/mであっ
た。
【0035】一方、厚さ0.20mmのアルミニウム板
を用意して、このアルミニウム板にパンチプレスを使用
して、直径3mmの孔をピッチが10mmの格子状とな
るように穿ち、その後に前記アルミニウム箔と同一の条
件でエッチング及びクロメート処理した。この場合のア
ルミニウム板上のクロム水和酸化物の量は30.3mg
/mであった。その後、さらに長辺が10.5mm、
短辺が7.5mmでその中心に直径3mmの孔が1個穿
設された電池用安全弁素子を打ち抜いた。
【0036】次いで、低密度ポリエチレンフィルム(厚
さ0.040mm)を前記アルミニウム板上に貼付し、
次いでレーザー溶接機を使用して熱融着し、さらにレー
ザー溶接機を使用してアルミニウム板上のポリエチレン
フィルムとアルミニウム箔を接合した。この安全弁を、
アルミニウム板の周辺をレーザービームを用いることに
よって溶融させ、鋼板製圧力容器に設けた貫通孔を閉塞
するように溶接した。この鋼板製圧力容器の一端を圧力
計を介してコンプレッサーと接続し、圧力容器内部を加
圧していって、被膜が破断する圧力を測定した結果、1
5kgf/cm であった。なお、この試験は10枚の
安全弁被膜について測定し、その平均値を求めた。この
結果を表1に示した。
【0037】[比較例1]実施例1において、フィルム
状ポリマーとして低密度ポリエチレンフィルムの代わり
に、同一厚さのポリエステル樹脂フィルムを使用して作
製した安全弁について破断強度を測定し、同様に表1に
示した。
【0038】[実施例2及び比較例2]安全弁の作製方
法(2)実施例2は実施例1の場合と同様にして準備して
得た素材を使用して、最初にアルミニウム箔にポリエチ
レンフィルムをレーザー接合し、その後にアルミニウム
板とレーザー接合した場合である。比較例2は比較例1
と同じポリエステルフィルムを使用して作製した安全弁
である。結果を表1に示した。
【0039】[実施例3及び比較例3]安全弁の作製方
法(3)実施例3は実施例1の場合と同様にして準備して
得た素材を使用して、アルミニウム箔とアルミニウム板
とポリエチレンフィルムの三者を用意しておいてこれら
を同時にレーザー接合した場合である。比較例3は比較
例1と同じポリエステルフィルムを使用して作製した安
全弁の場合である。結果を表1に示した。
【0040】[実施例4〜7、比較例4〜5]実施例1
において、電解クロメート処理条件(三酸化クロム等の
濃度、浴温度、電流密度、処理時間)を変えることによ
ってアルミニウム板及びアルミニウム箔上のクロム水和
酸化物付着量を変え、その素材を使用して作製した安全
弁について破断強度を測定した。この場合も実施例1と
同様、10個の測定値について平均値を求めた。この結
果を表2に示した。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】[実施例8〜11、比較例6〜8]同一の
厚さ(0.020mm)の低密度ポリエチレン樹脂フィ
ルム、ポリメチルペンテン樹脂フィルム又はこれらとア
イオノマー樹脂のブレンド樹脂フィルムを使用して、実
施例1と同一の条件で安全弁を作製した。この場合にお
いて、アルミニウム板及び箔上のクロム水和酸化物の量
はほぼ同一になるようにした。この安全弁を水平板上に
セットし、アルミニウム板の孔部分に0.1Nのフッ化
水素酸水溶液を0.1mL滴下して、そのまま10日
間、室温で放置する。10日後に安全弁を分解してアル
ミニウム箔の腐食の有無を調査してその結果を表3に示
した。
【0044】[実施例13〜15、比較例9]種々のポ
リマーに放射線照射をしてその結果を表4に示した。表
4でのかっこ内の数値はブレンド比率を示す。また、表
4で、LDPEは低密度ポリエチレン樹脂、PMPはポ
リメチルペンテン樹脂、IOはアイオノマー樹脂であ
る。
【0045】
【表3】
【0046】
【表4】
【0047】[実施例16〜18、比較例10]フィル
ム状ポリマーが3層構造であって、かつポリメチルペン
テン樹脂とアイオノマー樹脂の混合ポリマーであって、
請求項17に該当する場合の例で、実施例10と同様の
条件で弁箔の腐食状況を調べてその結果を表5にまとめ
た。なお、ポリマー以外の素材の条件は実施例1に同じ
である。
【0048】[実施例19及び比較例11]フィルム状
ポリマーが3層構造であって、かつ上層と下層のみが混
合ポリマーであって、請求項18に該当する場合の例
で、実施例10と同様の条件で弁箔の腐食状況を調べて
その結果を表6にまとめた。なお、ポリマー以外の素材
の条件は実施例1に同じである。
【0049】[実施例20及び比較例12]フィルム状
ポリマーが3層構造であって、請求項19に該当する場
合の例で、実施例10と同様の条件で弁箔の腐食状況を
調べてその結果を表7にまとめた。なお、ポリマー以外
の素材の条件は実施例1に同じである。
【0050】
【表5】
【0051】
【表6】
【0052】
【表7】
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、一定以上の圧力でのみ
破断するとともに、腐食性の強いフッ化水素が飛散によ
り付着しても、耐フッ化水素性を有するオレフィン系の
樹脂を主体としたポリマーがあるので、容易に弁金属膜
にピンホールが生じることなく、安全弁としての機能を
安定して保持することができる電池用安全弁材料とその
構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の安全弁の構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1・・・アルミニウム板 2・・・アルミニウム箔 3・・・フィルム状ポリマー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 23/26 C08L 23/26 (72)発明者 三奈木 秀幸 山口県下松市東豊井1296番地の1 東洋鋼 鈑株式会社技術研究所内 Fターム(参考) 4F071 AA15 AA21 AA78 AA84 AB09B AH15 CA01 CD02 CD07 4J002 BB03W BB17W BB23X GF00 GQ00 5H012 DD01 DD06 EE01 EE04 FF01 GG01 JJ02 JJ10

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定パターンの孔を有する金属板にフィ
    ルム状ポリマーを介して熱融着により金属箔が接合して
    いることを特徴とする電池用安全弁材料。
  2. 【請求項2】 金属板及び/又は金属箔がアルミニウム
    である請求項1に記載の電池用安全弁材料。
  3. 【請求項3】 金属板及び/又は金属箔の表面のうち、
    少なくともフィルム状ポリマーと熱融着する面に、Cr
    換算で2〜50mg/mのクロム水和酸化物被膜が形
    成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の
    電池用安全弁材料。
  4. 【請求項4】 前記ポリマーが、低密度ポリエチレン樹
    脂であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記
    載の電池用安全弁材料。
  5. 【請求項5】 前記ポリマーが、ポリメチルペンテン樹
    脂であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記
    載の電池用安全弁材料。
  6. 【請求項6】 前記ポリマーが、アイオノマー樹脂、マ
    レイン酸若しくはアクリル酸変性オレフィン系樹脂から
    選択される1又は2以上のポリマーであることを特徴と
    する請求項1〜3のいずれかに記載の電池用安全弁材
    料。
  7. 【請求項7】 前記ポリマーが、低密度ポリエチレン樹
    脂とアイオノマー樹脂の混合ポリマーであって、低密度
    ポリエチレン樹脂に対するアイオノマー樹脂が重量比で
    0.25〜4の割合で混合されていることを特徴とする
    請求項1〜3のいずれかに記載の電池用安全弁材料。
  8. 【請求項8】 融点が20℃以上異なる2種以上のオレ
    フィン系樹脂の混合ポリマーからなるフィルム状ポリマ
    ーを使用することを特徴とする請求項1〜3のいずれか
    に記載の電池用安全弁材料。
  9. 【請求項9】 前記ポリマーが、ポリメチルペンテン樹
    脂とアイオノマー樹脂の混合ポリマーであって、ポリメ
    チルペンテン樹脂に対するアイオノマー樹脂が重量比で
    1〜4の割合で混合されていることを特徴とする請求項
    1〜3のいずれかに記載の電池用安全弁材料。
  10. 【請求項10】 前記フィルム状ポリマーが、3層から
    なる積層フィルム状ポリマーであって、中間層のポリマ
    ーの熱変形温度が上層及び下層のポリマーの熱変形温度
    より20℃以上高いフィルム状ポリマーを使用すること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電池用安
    全弁材料。
  11. 【請求項11】 前記フィルム状ポリマーが、3層から
    なる積層フィルム状ポリマーであって、かつ各層がポリ
    メチルペンテン樹脂とアイオノマー樹脂の混合ポリマー
    からなっていて、その上層及び下層がポリメチルペンテ
    ン樹脂1重量部とアイオノマー樹脂2重量部の混合ポリ
    マーからなり、かつ中間層のポリメチルペンテン樹脂の
    アイオノマー樹脂に対する割合が、上記上層又は下層の
    これらの割合の1/16〜10/16であるフィルム状
    ポリマーを使用することを特徴とする請求項1〜3のい
    ずれかに記載の電池用安全弁材料。
  12. 【請求項12】 前記フィルム状ポリマーが、2〜10
    0Mradの電子線照射がされていることを特徴とする
    請求項1〜11のいずれかに記載の電池用安全弁材料。
  13. 【請求項13】 金属板と金属箔が、ポリマーを介して
    接合されている安全弁材料において、金属板の孔部に相
    当する部分の金属箔がポリマーで全面を被覆されている
    ことを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の電
    池用安全弁材料の製造方法。
  14. 【請求項14】 あらかじめ所定の孔を穿った金属板及
    び金属箔の双方にフィルム状ポリマーを熱融着しておい
    て、金属板のポリマーと金属箔のポリマーをこれらのポ
    リマーの融点以上に加熱して一体化することを特徴とす
    る請求項1〜9のいずれかに記載の電池用安全弁材料の
    製造方法。
  15. 【請求項15】 あらかじめフィルム状ポリマーを金属
    箔上に熱融着しておき、その後にあらかじめ所定の孔を
    穿った金属板と該金属箔上に積層したフィルム状ポリマ
    ーをさらに熱融着して、安全弁とすることを特徴とする
    請求項1〜12のいずれかに記載の電池用安全弁材料の
    製造方法。
  16. 【請求項16】 あらかじめフィルム状ポリマーと金属
    箔及び所定の孔を穿った金属板の三者を用意しておい
    て、この三者を熱融着により同時に一体化して安全弁と
    することを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載
    の電池用安全弁材料の製造方法。
  17. 【請求項17】 フィルム状混合ポリマーを介して金属
    板と金属箔を熱融着法で接合する電池用安全弁材料の製
    造方法において、混合ポリマー中の低い方の融点をTm
    1、高い方の融点をTm2とした場合に{(Tm1〜T
    m2)−5}℃の温度で金属板または金属箔とフィルム
    状ポリマーを接合することによって一体化することを特
    徴とする請求項11又は12に記載の方法。
  18. 【請求項18】 フィルム状複層ポリマーを介して金属
    板と金属箔を熱融着法で接合する電池用安全弁材料の製
    造方法において、ポリマーが3層からなる積層フィルム
    状ポリマーであって、かつ上層と下層のみが2種以上の
    ホリマーの混合ポリマーである場合において、中間層の
    ポリマーの融点をTm3、上層と下層のポリマーの融点
    の中で高い方の融点をTm4とした場合に、{(Tm4
    〜Tm3)−5}℃の温度で金属板または金属箔とフィ
    ルム状ポリマーを接合することによって安全弁を作製す
    ることを特徴とする請求項14又は16に記載の方法。
  19. 【請求項19】 フィルム状複層ポリマーを介して金属
    板と金属箔を熱融着法で接合する電池用安全弁材料の製
    造方法において、フィルム状ポリマーが三層からなる積
    層フィルム状ポリマーであって、最初に金属箔に接合し
    たポリマーの融点をTm5、金属板に接合したポリマー
    の融点をTm6とした場合に、後に金属板と金属箔の各
    ポリマーを接合して一体化する温度を、金属板上の積層
    ポリマーの融点(Tm6)より20℃以上低く、かつ
    {(Tm5〜Tm6)−5}℃で融着して安全弁材料と
    する電池用安全弁材料の製造方法。
  20. 【請求項20】 請求項1〜12のいずれかの安全弁材
    料を用いて作製した電池用安全弁を備えた電池。
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