JP2001022366A - 波形データへの電子透かし埋込み方法および装置 - Google Patents
波形データへの電子透かし埋込み方法および装置Info
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Abstract
(57)【要約】
本発明は、音などの波形データに「電子透かし」を埋め
込む方法と装置に関するものであり、波形データに電子
透かしを埋め込む際の聴覚上の雑音を低減し音質劣化を
防ぐことを目的とする。 【解決手段】音などの波形データを時間軸上で、隣接す
る区間の間に重複部分を持たせつつ、複数の区間に分割
し、その分割した複数の区間に電子透かし情報をそれぞ
れ埋め込み、それら電子透かし情報を埋め込んだ各区間
を、隣接する区間の重複部分でその重複部分の波形デー
タにクロスフェード処理を施してつなぐことで、電子透
かし情報が埋め込まれた波形データを再合成する。
込む方法と装置に関するものであり、波形データに電子
透かしを埋め込む際の聴覚上の雑音を低減し音質劣化を
防ぐことを目的とする。 【解決手段】音などの波形データを時間軸上で、隣接す
る区間の間に重複部分を持たせつつ、複数の区間に分割
し、その分割した複数の区間に電子透かし情報をそれぞ
れ埋め込み、それら電子透かし情報を埋め込んだ各区間
を、隣接する区間の重複部分でその重複部分の波形デー
タにクロスフェード処理を施してつなぐことで、電子透
かし情報が埋め込まれた波形データを再合成する。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、音などの波形デー
タに「電子透かし」を埋め込む方法と装置に関するもの
である。
タに「電子透かし」を埋め込む方法と装置に関するもの
である。
【０００２】近年、音楽や音声などの音のディジタル化
が進み、これらのディジタル・コンテンツの不正コピー
を著作権で保護する技術として「電子透かし（Watermar
k ）」が注目されるようになっている。この電子透かし
は、音の波形データを例えば図４に示されるようなパー
ソナルコンピュータなどのデータ処理装置にかけて電子
透かし（複数のビットの構成される識別情報など) を埋
め込むものであり、かかる電子透かしを埋め込んだ波形
データはＣＤ−ＲＯＭなどの記録媒体に格納したり、電
子楽器などで再生したりする。
が進み、これらのディジタル・コンテンツの不正コピー
を著作権で保護する技術として「電子透かし（Watermar
k ）」が注目されるようになっている。この電子透かし
は、音の波形データを例えば図４に示されるようなパー
ソナルコンピュータなどのデータ処理装置にかけて電子
透かし（複数のビットの構成される識別情報など) を埋
め込むものであり、かかる電子透かしを埋め込んだ波形
データはＣＤ−ＲＯＭなどの記録媒体に格納したり、電
子楽器などで再生したりする。
【０００３】音の波形データに電子透かしを埋め込む方
法としては、例えば以下のような方法がよく用いられ
る。
法としては、例えば以下のような方法がよく用いられ
る。
【０００４】元の音の波形データ（元波形データと称
する）を時間分割する。具体的には、例えば図５に示す
ように、音の信号をサンプリングしてそのデータを量子
化し、ｎ個のサンプル値毎にブロック化してブロック＃
１〜＃８・・（ブロック波形データと称する）を逐次に
つくる。 時間分割したブロック波形データをブロック単位で周
波数変換〔例えばＤＣＴ（離散コサイン変換）、ＦＦＴ
（高速フーリエ変換）など〕する。 周波数変換された各ブロック波形データをそれぞれ電
子透かしの各ビットで変調することで、電子透かしを埋
め込む。具体的には、図５に示すように、電子透かし
「１００１１０１０・・」の各ビットをブロック＃１〜
＃８・・・にそれぞれ対応させてそのビットの“１”ま
たは“０”に応じて、周波数変換されたブロック波形デ
ータの周波数成分などを変える。 電子透かしを埋め込んだ各ブロック波形データを逆変
換する。 逆変換した各ブロック波形データをつなげて、電子透
かしが埋め込まれた音の波形データを復元する。
する）を時間分割する。具体的には、例えば図５に示す
ように、音の信号をサンプリングしてそのデータを量子
化し、ｎ個のサンプル値毎にブロック化してブロック＃
１〜＃８・・（ブロック波形データと称する）を逐次に
つくる。 時間分割したブロック波形データをブロック単位で周
波数変換〔例えばＤＣＴ（離散コサイン変換）、ＦＦＴ
（高速フーリエ変換）など〕する。 周波数変換された各ブロック波形データをそれぞれ電
子透かしの各ビットで変調することで、電子透かしを埋
め込む。具体的には、図５に示すように、電子透かし
「１００１１０１０・・」の各ビットをブロック＃１〜
＃８・・・にそれぞれ対応させてそのビットの“１”ま
たは“０”に応じて、周波数変換されたブロック波形デ
ータの周波数成分などを変える。 電子透かしを埋め込んだ各ブロック波形データを逆変
換する。 逆変換した各ブロック波形データをつなげて、電子透
かしが埋め込まれた音の波形データを復元する。
【０００５】なお、時間分割した各ブロック波形データ
に電子透かしを埋め込む方法は、上述の周波数変換以外
の方法にも種々提案されており、例えば元波形データを
ブロック単位に直交変換し、その位相成分を電子透かし
ビットに応じて変調する位相成分による電子透かし方法
なども提案されている。
に電子透かしを埋め込む方法は、上述の周波数変換以外
の方法にも種々提案されており、例えば元波形データを
ブロック単位に直交変換し、その位相成分を電子透かし
ビットに応じて変調する位相成分による電子透かし方法
なども提案されている。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来の電子透
かし方法は、基本的には、音の波形データを時間的に分
割してその各ブロック（区間）を電子透かしの各ビット
に応じてそれぞれ変調するものであるので、隣接するブ
ロック間で、埋め込まれた電子透かしビット（０または
１）の値が変化すると、電子透かしを埋め込んだ波形デ
ータがそのブロックのつなぎ目で不整合（例えば周波数
や位相が突然に変化するなど）を起こす。この不整合は
聴覚上雑音となり音質を劣化させるので、好ましくな
い。また、この不整合を例えば電子透かしを埋め込んだ
音波形を雑音除去フィルタに通すなどにより取り除こう
とすると、埋め込んだ電子透かし情報が失われる可能性
がある。
かし方法は、基本的には、音の波形データを時間的に分
割してその各ブロック（区間）を電子透かしの各ビット
に応じてそれぞれ変調するものであるので、隣接するブ
ロック間で、埋め込まれた電子透かしビット（０または
１）の値が変化すると、電子透かしを埋め込んだ波形デ
ータがそのブロックのつなぎ目で不整合（例えば周波数
や位相が突然に変化するなど）を起こす。この不整合は
聴覚上雑音となり音質を劣化させるので、好ましくな
い。また、この不整合を例えば電子透かしを埋め込んだ
音波形を雑音除去フィルタに通すなどにより取り除こう
とすると、埋め込んだ電子透かし情報が失われる可能性
がある。
【０００７】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであり、音の波形データに電子透かしを埋め込む際の
聴覚上の雑音を低減し音質劣化を防ぐことを目的とす
る。
のであり、音の波形データに電子透かしを埋め込む際の
聴覚上の雑音を低減し音質劣化を防ぐことを目的とす
る。
【０００８】
【課題を解決するための手段および作用】上述の課題を
解決するために、本発明の一つの形態では、音などの波
形データを時間軸上で、隣接する区間の間に重複部分を
持たせつつ、複数の区間に分割し、その分割した複数の
区間に電子透かし情報をそれぞれ埋め込み、それら電子
透かし情報を埋め込んだ各区間を、隣接する区間の重複
部分でその重複部分の波形データにクロスフェード処理
を施してつなぐことで、電子透かし情報が埋め込まれた
波形データを再合成する。このように、隣接する区間同
士を、その間にある重複部分で波形データをクロスフェ
ード処理を施してつなぐことで、波形データの変化を滑
らかにすることができ、それにより、従来方法において
区間のつなぎ目部分で生じていた雑音を低減することが
できる。
解決するために、本発明の一つの形態では、音などの波
形データを時間軸上で、隣接する区間の間に重複部分を
持たせつつ、複数の区間に分割し、その分割した複数の
区間に電子透かし情報をそれぞれ埋め込み、それら電子
透かし情報を埋め込んだ各区間を、隣接する区間の重複
部分でその重複部分の波形データにクロスフェード処理
を施してつなぐことで、電子透かし情報が埋め込まれた
波形データを再合成する。このように、隣接する区間同
士を、その間にある重複部分で波形データをクロスフェ
ード処理を施してつなぐことで、波形データの変化を滑
らかにすることができ、それにより、従来方法において
区間のつなぎ目部分で生じていた雑音を低減することが
できる。
【０００９】また、本発明の他の形態では、音などの波
形データを時間軸上で複数の区間に分割し、それら分割
した複数の区間を電子透かし情報を埋め込む第１の区間
と該第１の区間に挟まれる第２の区間とに分け、第１の
区間に対して、その区間の波形データを構成する成分情
報を電子透かし情報に応じて変化させることで、電子透
かし情報を埋め込み、第２の区間においてその成分情報
を、その両側の第１の区間の成分情報が滑らかにつなが
るように変化させ、さらにそれら分割した各区間をつな
いで、電子透かし情報が埋め込まれた波形データを再合
成する。このように、電子透かし情報を埋め込んだ第１
の区間同士の成分要素の変化が滑らかになるように、そ
の間に挟まれている第２の区間の成分要素を滑らかに変
化させてつないでいるので、従来方法において区間のつ
なぎ目部分で生じていた雑音を低減することができる。
形データを時間軸上で複数の区間に分割し、それら分割
した複数の区間を電子透かし情報を埋め込む第１の区間
と該第１の区間に挟まれる第２の区間とに分け、第１の
区間に対して、その区間の波形データを構成する成分情
報を電子透かし情報に応じて変化させることで、電子透
かし情報を埋め込み、第２の区間においてその成分情報
を、その両側の第１の区間の成分情報が滑らかにつなが
るように変化させ、さらにそれら分割した各区間をつな
いで、電子透かし情報が埋め込まれた波形データを再合
成する。このように、電子透かし情報を埋め込んだ第１
の区間同士の成分要素の変化が滑らかになるように、そ
の間に挟まれている第２の区間の成分要素を滑らかに変
化させてつないでいるので、従来方法において区間のつ
なぎ目部分で生じていた雑音を低減することができる。
【００１０】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。 〔実施形態１〕図１は本発明にかかる電子透かし埋込み
方法の一つの実施形態（実施形態１）を説明する図であ
り、図２はこの電子透かしの埋め込み方法を実施するた
めの装置の構成を概略的に示す図である。図２におい
て、ＣＤ−ＲＯＭやフロッピィディスクなどに格納され
ている元の音の波形データ（元波形データと称する）１
をパーソナルコンピュータ２に読み込んで、このパーソ
ナルコンピュータ２でのデータ処理により元波形データ
に電子透かし（ここでは複数ビットからなる識別情報）
を埋め込み、その電子透かし埋め込み済の波形データ３
をフロッピィディスクやＭＯディスクなどの記録媒体に
出力する。この記録媒体はコンピュータなどにより機械
読取り可能なものである。
施の形態を説明する。 〔実施形態１〕図１は本発明にかかる電子透かし埋込み
方法の一つの実施形態（実施形態１）を説明する図であ
り、図２はこの電子透かしの埋め込み方法を実施するた
めの装置の構成を概略的に示す図である。図２におい
て、ＣＤ−ＲＯＭやフロッピィディスクなどに格納され
ている元の音の波形データ（元波形データと称する）１
をパーソナルコンピュータ２に読み込んで、このパーソ
ナルコンピュータ２でのデータ処理により元波形データ
に電子透かし（ここでは複数ビットからなる識別情報）
を埋め込み、その電子透かし埋め込み済の波形データ３
をフロッピィディスクやＭＯディスクなどの記録媒体に
出力する。この記録媒体はコンピュータなどにより機械
読取り可能なものである。
【００１１】このパーソナルコンピュータ２の構成は、
その内部での処理を機能ブロックで表現すると、読み込
まれた元波形データを逐次に時間軸上で所定の大きさの
ブロックに分割する分割処理機能２１、分割した各ブロ
ック波形データに電子透かしのビットを逐次に埋め込む
電子透かし埋込み処理機能２２、電子透かしを埋め込ん
だブロック波形データを再合成して電子透かしが埋め込
まれた波形データを復元する再合成機能部２３などから
なる。
その内部での処理を機能ブロックで表現すると、読み込
まれた元波形データを逐次に時間軸上で所定の大きさの
ブロックに分割する分割処理機能２１、分割した各ブロ
ック波形データに電子透かしのビットを逐次に埋め込む
電子透かし埋込み処理機能２２、電子透かしを埋め込ん
だブロック波形データを再合成して電子透かしが埋め込
まれた波形データを復元する再合成機能部２３などから
なる。
【００１２】この実施形態１の装置による埋め込み処理
の概略は、元波形データを時間軸上で隣接するブロック
の間にオーバーラップ部分を設けながら分割し、その分
割した各ブロック波形データに電子透かしのビットを順
次に埋め込み、その電子透かしを埋め込んだ各ブロック
をつなぐにあたり、そのつなぎ目をオーバーラップ部分
でクロスフェードすることでつなぐものである。
の概略は、元波形データを時間軸上で隣接するブロック
の間にオーバーラップ部分を設けながら分割し、その分
割した各ブロック波形データに電子透かしのビットを順
次に埋め込み、その電子透かしを埋め込んだ各ブロック
をつなぐにあたり、そのつなぎ目をオーバーラップ部分
でクロスフェードすることでつなぐものである。
【００１３】具体的に説明すると、図１において、
（１）は元波形データを示している。この元波形データ
を時間軸上で同じ大きさのブロック＃１〜＃５・・・に
逐次にブロック化する。このブロック化にあたっては、
隣接するブロックの間にオーバーラップ部分＃１・２、
＃２・３、＃３・４、・・・を設定する。具体例ではブ
ロック＃１とブロック＃２の間にはオーバーラップ部分
＃１・２を設け、ブロック＃２とブロック＃３の間には
オーバーラップ部分＃２・３を設ける。
（１）は元波形データを示している。この元波形データ
を時間軸上で同じ大きさのブロック＃１〜＃５・・・に
逐次にブロック化する。このブロック化にあたっては、
隣接するブロックの間にオーバーラップ部分＃１・２、
＃２・３、＃３・４、・・・を設定する。具体例ではブ
ロック＃１とブロック＃２の間にはオーバーラップ部分
＃１・２を設け、ブロック＃２とブロック＃３の間には
オーバーラップ部分＃２・３を設ける。
【００１４】電子透かしの埋め込みの方法としては、前
述したような、各波形ブロック＃１〜＃５・・・を周波
数変換（ＤＣＴまたはＦＦＴなど）して電子透かしビッ
トで周波数成分を変調する、あるいは各波形ブロックを
直交変換して電子透かしビットで位相成分を変調するな
どの従来公知の種々の方法が利用できる。このようにし
て電子透かしを埋め込んだ後の各ブロック波形データは
逆変換して元の時間軸上の波形データに戻す。
述したような、各波形ブロック＃１〜＃５・・・を周波
数変換（ＤＣＴまたはＦＦＴなど）して電子透かしビッ
トで周波数成分を変調する、あるいは各波形ブロックを
直交変換して電子透かしビットで位相成分を変調するな
どの従来公知の種々の方法が利用できる。このようにし
て電子透かしを埋め込んだ後の各ブロック波形データは
逆変換して元の時間軸上の波形データに戻す。
【００１５】この実施形態１の特徴は、上記のようにし
て電子透かしを埋め込んだ各ブロック波形データを再合
成する仕方にある。すなわち、隣接するブロック波形デ
ータを再合成する際に、その隣接するブロック波形デー
タのオーバーラップ部分をクロスフェードすることで、
波形データ間のつなぎ目をつくる。具体例では、図１の
（２）と（３）に示すように、ブロック波形データ＃２
とブロック波形データ＃３のつなぎ目では、それらのオ
ーバーラップ部分＃２・３で、ブロック波形データ＃２
の振幅を最大レベルから０に次第に減少させるとともに
ブロック波形データ＃３の振幅を０から最大レベルに次
第に増加させつつこれらの振幅値を加算するクロスフェ
ード処理を行う。同様に、図１の（３）と（４）に示す
ように、次のつなぎ目、すなわちブロック波形データ＃
３とブロック波形データ＃４のオーバーラップ部分＃３
・４では、ブロック波形データ＃３の振幅を最大レベル
から０に次第に減少させるとともにブロック波形データ
＃４の振幅を０から最大レベルに次第に増加させる。
て電子透かしを埋め込んだ各ブロック波形データを再合
成する仕方にある。すなわち、隣接するブロック波形デ
ータを再合成する際に、その隣接するブロック波形デー
タのオーバーラップ部分をクロスフェードすることで、
波形データ間のつなぎ目をつくる。具体例では、図１の
（２）と（３）に示すように、ブロック波形データ＃２
とブロック波形データ＃３のつなぎ目では、それらのオ
ーバーラップ部分＃２・３で、ブロック波形データ＃２
の振幅を最大レベルから０に次第に減少させるとともに
ブロック波形データ＃３の振幅を０から最大レベルに次
第に増加させつつこれらの振幅値を加算するクロスフェ
ード処理を行う。同様に、図１の（３）と（４）に示す
ように、次のつなぎ目、すなわちブロック波形データ＃
３とブロック波形データ＃４のオーバーラップ部分＃３
・４では、ブロック波形データ＃３の振幅を最大レベル
から０に次第に減少させるとともにブロック波形データ
＃４の振幅を０から最大レベルに次第に増加させる。
【００１６】このような処理を各ブロック波形データの
つなぎ目で行うことにより、復元されるブロック波形デ
ータのつなぎ目では、その埋め込まれた電子透かしビッ
トに応じた周波数や位相などの変化が、オーバーラップ
部分で漸次に変化するものとなるため、従来突然的に変
化していたものに比べると、聴感上の雑音が軽減され、
復元された波形データの音質劣化を抑制できる。
つなぎ目で行うことにより、復元されるブロック波形デ
ータのつなぎ目では、その埋め込まれた電子透かしビッ
トに応じた周波数や位相などの変化が、オーバーラップ
部分で漸次に変化するものとなるため、従来突然的に変
化していたものに比べると、聴感上の雑音が軽減され、
復元された波形データの音質劣化を抑制できる。
【００１７】〔実施形態２〕図３には本発明にかかる電
子透かし埋め込み方法の他の実施形態（実施形態２）を
説明するための図である。この実施形態２では、時間分
割したそれぞれのブロック波形データに電子透かしビッ
トを埋め込むにあたり、時間分割したブロック波形デー
タを、電子透かし情報を埋め込むブロック（区間）と、
それら電子透かし情報を埋め込んだブロックの間に置か
れてそれらのブロック同士を滑らかにつなぐブロックと
に分ける。そして、電子透かし情報を埋め込んだ成分情
報（電子透かしビットで変調した周波数成分や位相成分
など）を上記滑らかにつなぐブロックにおいて徐々に変
化させることにより、音質劣化を抑制する。
子透かし埋め込み方法の他の実施形態（実施形態２）を
説明するための図である。この実施形態２では、時間分
割したそれぞれのブロック波形データに電子透かしビッ
トを埋め込むにあたり、時間分割したブロック波形デー
タを、電子透かし情報を埋め込むブロック（区間）と、
それら電子透かし情報を埋め込んだブロックの間に置か
れてそれらのブロック同士を滑らかにつなぐブロックと
に分ける。そして、電子透かし情報を埋め込んだ成分情
報（電子透かしビットで変調した周波数成分や位相成分
など）を上記滑らかにつなぐブロックにおいて徐々に変
化させることにより、音質劣化を抑制する。
【００１８】具体的には、図３に示すように、元波形デ
ータを所定の大きさのブロック波形データ＃１〜＃８・
・・に逐次に分割し、これらのブロック波形データのう
ちの例えば一つ置きのブロック波形データ＃１、＃３、
＃５、＃７・・・に、電子透かしの各ビット（例えば
１，０，０，１，１・・・の列）を埋め込む。この埋め
込みは、前述したように、電子透かしビットに応じてそ
れらのブロック波形データの周波数成分や位相成分など
を変調することによる。そして、これらのブロック波形
データ＃１、＃３、＃５、＃７・・・の間にあるブロッ
ク波形データ＃２、＃４、＃６、＃８・・・では、それ
らに隣接する電子透かしビットを埋め込んだブロック波
形データで電子透かしビットにより変調した成分情報
（周波数や位相など）を滑らかに変化させる。
ータを所定の大きさのブロック波形データ＃１〜＃８・
・・に逐次に分割し、これらのブロック波形データのう
ちの例えば一つ置きのブロック波形データ＃１、＃３、
＃５、＃７・・・に、電子透かしの各ビット（例えば
１，０，０，１，１・・・の列）を埋め込む。この埋め
込みは、前述したように、電子透かしビットに応じてそ
れらのブロック波形データの周波数成分や位相成分など
を変調することによる。そして、これらのブロック波形
データ＃１、＃３、＃５、＃７・・・の間にあるブロッ
ク波形データ＃２、＃４、＃６、＃８・・・では、それ
らに隣接する電子透かしビットを埋め込んだブロック波
形データで電子透かしビットにより変調した成分情報
（周波数や位相など）を滑らかに変化させる。
【００１９】例えばブロック波形データ＃２では、ブロ
ック波形データ＃１で電子透かしビット“１”で変調し
た成分情報（周波数や位相など）が、次のブロック波形
データ＃３で電子透かしビット“０”で変調した成分情
報の値になるように滑らかに変化させる。
ック波形データ＃１で電子透かしビット“１”で変調し
た成分情報（周波数や位相など）が、次のブロック波形
データ＃３で電子透かしビット“０”で変調した成分情
報の値になるように滑らかに変化させる。
【００２０】このようにすることで、復元されるブロッ
ク波形データのうちの電子透かしビットが埋め込まれた
ブロック同士は、その間に挟まれたブロック波形データ
により、その埋め込まれた電子透かしビットに応じた周
波数や位相などの成分情報の変化が滑らかに行われるの
で、従来これらの成分情報が突然的に変化したことによ
り生じていた聴感上の雑音が軽減され、復元された波形
データの音質劣化を抑制でき、埋め込み情報が失われる
可能性を少なくできる。
ク波形データのうちの電子透かしビットが埋め込まれた
ブロック同士は、その間に挟まれたブロック波形データ
により、その埋め込まれた電子透かしビットに応じた周
波数や位相などの成分情報の変化が滑らかに行われるの
で、従来これらの成分情報が突然的に変化したことによ
り生じていた聴感上の雑音が軽減され、復元された波形
データの音質劣化を抑制でき、埋め込み情報が失われる
可能性を少なくできる。
【００２１】なお、この実施形態２の説明では、電子透
かし情報を埋め込むブロックとブロックの間には必ず
「つなぎ」のためのブロックが設けられているものとし
て説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、
電子透かし情報を埋め込んだ隣り合うブロックにおける
成分情報の変化が僅かであれば、その間につなぎのため
のブロックを設ける必要はない。この場合には、電子透
かし情報を埋め込んだ区間の間につなぎのブロックが挿
入されていないという情報を持っておいて、電子透かし
情報を取り出す際にその情報を用いればよい。
かし情報を埋め込むブロックとブロックの間には必ず
「つなぎ」のためのブロックが設けられているものとし
て説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、
電子透かし情報を埋め込んだ隣り合うブロックにおける
成分情報の変化が僅かであれば、その間につなぎのため
のブロックを設ける必要はない。この場合には、電子透
かし情報を埋め込んだ区間の間につなぎのブロックが挿
入されていないという情報を持っておいて、電子透かし
情報を取り出す際にその情報を用いればよい。
【００２２】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、音の波形データに電子透かしを埋め込む際の聴覚上
の雑音を低減し音質劣化を防ぐことができる。
ば、音の波形データに電子透かしを埋め込む際の聴覚上
の雑音を低減し音質劣化を防ぐことができる。
【図１】本発明にかかる電子透かし埋め込み方法の一つ
の実施形態（実施形態１）を説明するための図である。
の実施形態（実施形態１）を説明するための図である。
【図２】本発明の電子透かしの埋め込み方法を実施する
ための装置の構成を概略的に示す図である
ための装置の構成を概略的に示す図である
【図３】本発明にかかる電子透かし埋め込み方法の他の
実施形態（実施形態２）を説明するための図である。
実施形態（実施形態２）を説明するための図である。
【図４】電子透かし情報を埋め込むためのシステムの一
例を示す図である。
例を示す図である。
【図５】電子透かし埋め込む方法の従来例を説明するた
めの図である。
めの図である。
１ 元波形データ ２ パーソナルコンピュータ ３ 電子透かし埋め込み済の波形データ ２１ 時間軸上での分割処理機能ブロック ２２ 電子透かし埋め込み処理機能ブロック ２３ 再合成処理機能ブロック
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ｇ１０Ｌ 7/06 9/16
Claims (3)
- 【請求項１】波形データを時間軸上で、隣接する区間の
間に重複部分を持たせつつ、複数の区間に分割する過程
と、 該分割した複数の区間に電子透かし情報をそれぞれ埋め
込む過程と、 該電子透かし情報を埋め込んだ各区間を、隣接する区間
の重複部分でその重複部分の波形データにクロスフェー
ド処理を施してつなぐことで、電子透かし情報が埋め込
まれた波形データを再合成する過程とを含む波形データ
の電子透かし埋込み方法。 - 【請求項２】波形データを時間軸上で複数の区間に分割
する過程と、 該分割した複数の区間を電子透かし情報を埋め込む第１
の区間と該第１の区間に挟まれる第２の区間とに分け、
該第１の区間に対して、その区間の波形データを構成す
る成分情報を電子透かし情報に応じて変化させること
で、電子透かし情報を埋め込む過程と、 該第２の区間においてその成分情報を、その両側の第１
の区間の成分情報が滑らかにつながるように変化させる
過程と、 該分割した各区間をつないで、電子透かし情報が埋め込
まれた波形データを再合成する過程とを含む波形データ
の電子透かし埋込み方法。 - 【請求項３】請求項２または３記載の電子透かし埋め込
み方法の実施に使用する電子透かし埋込み装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11197323A JP2001022366A (ja) | 1999-07-12 | 1999-07-12 | 波形データへの電子透かし埋込み方法および装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11197323A JP2001022366A (ja) | 1999-07-12 | 1999-07-12 | 波形データへの電子透かし埋込み方法および装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
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