JP2001020962A - 転がり軸受用密封装置 - Google Patents

転がり軸受用密封装置

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JP2001020962A
JP2001020962A JP11191170A JP19117099A JP2001020962A JP 2001020962 A JP2001020962 A JP 2001020962A JP 11191170 A JP11191170 A JP 11191170A JP 19117099 A JP19117099 A JP 19117099A JP 2001020962 A JP2001020962 A JP 2001020962A
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Kazuya Fujimoto
和也 藤本
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Koyo Seiko Co Ltd
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    • F16C2322/12—Rolling apparatus, e.g. rolling stands, rolls

Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧延機のロールネック用軸受に装着して、従
来の密封装置に比して軸受内部に圧延水が侵入しにく
く、もって軸受寿命を向上させることのできる転がり軸
受用密封装置を提供する。 【解決手段】 外輪側に外周部が保持され、内周部には
内輪端部近傍の外周面に対し周方向に沿って接触する主
リップ７１１を備えた密封装置において、主リップ７１
１に対して軸方向内側に所定の距離を隔てて副リップ７
１２を形成し、その副リップ７１２は、その側面部が内
輪端部近傍の鍔部の外端面に接触させるとともに、その
副リップ７１２と主リップ７１１との間に環状のグリー
ス溜まり７１３を形成することで、外部から飛来した圧
延水の軸受内部への侵入を、主リップ７１１と副リップ
７１２に加えて、これらの間のグリース溜まり７１３内
に充填されたグリースＧによって阻止するように構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、転がり軸受用の密
封装置に関し、更に詳しくは、圧延機のロールネック用
転がり軸受のための密封装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】圧延機のワークロールやバックアップロ
ールのロールネックを支持する転がり軸受には、一般
に、図４に断面図を例示するような多列の円錐ころ軸受
が用いられる。この図において４１ａ，４１ｂは複列の
内輪で、４２ａは複列の外輪、４２ｂ，４２ｃはそれぞ
れ単列の外輪であって、これらの内・外輪間に形成され
る４列の円錐軌道のそれぞれに複数の円錐ころ４３が配
置され、各円錐ころ４３は各円錐軌道内でそれぞれ保持
器４４ａ〜４４ｄによって周方向に一定の間隔で保持さ
れる。また、各複列内輪４１ａ，４１ｂ間には内輪間座
４５が、複列外輪４２ａと各単列外輪４２ｂ，４２ｃの
間には外輪間座４６が介在している。
【０００３】そして、軸受両端部には、それぞれ環状の
密封装置４７が装着されている。この例における密封装
置４７は、両端の外輪４２ｂ，４２ｃとこれらの端面部
に固着されたシールカバー（鍔リング）４８との間にそ
の外周部において装着されており、図５に図４のＡ部拡
大図を示すように、合成ゴム等の弾性体からなるシール
部材４７１と環状の芯金４７２を一体化したものであっ
て、シール部材４７１には内輪４２ａ，４２ｂの端部近
傍の外周面に周方向に沿って接触するリップ４７１１が
形成されているとともに、そのリップ４７１１の外周に
はガータスプリング（バックアップリング）４７３が設
けられている。
【０００４】また、この種の転がり軸受における密封装
置としては、図６に要部断面図を示すように、シール部
材４７１に、上記の例と同様に内輪外周面に周方向に沿
って接触するリップ４７１１のほかに、その内側に副リ
ップ４７１２を形成した構造のものも知られており、こ
の副リップ４７１２は、通常、内輪４２ａ（４２ｂ）に
対しては接触せず、ラビリンス効果によって密封性を向
上させようとするものである。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】ところで、圧延機のワ
ークロールやバックアップロールのロールネックを支持
する転がり軸受においては、使用中にその周囲に冷却用
の圧延水が多量に飛来する。図５および図６に示した従
来の密閉装置は、このような使用環境においてその密閉
機能は十分であるとは言いがたく、軸受内部に圧延水が
侵入しやいという問題があった。軸受内部に圧延水が侵
入すると潤滑性が著しく悪化し、寿命が低下してしま
う。
【０００６】本発明はこのような実情に鑑みてなされた
もので、圧延機のロールネック用軸受に装着して、従来
の密封装置に比して軸受内部に圧延水が侵入しにくく、
もって従来に比して軸受寿命を向上させることのできる
転がり軸受用密封装置の提供を目的としている。
【０００７】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の転がり軸受用密封装置は、圧延機ロールネ
ック用軸受の端面部に設けられる環状の密封装置であっ
て、外輪側に外周部が保持され、内周部には内輪端部近
傍の外周面に対し周方向に沿って接触する主リップを備
えるとともに、その主リップに対して軸方向内側に所定
の距離を隔てて副リップが突出形成され、その副リップ
は、その側面が内輪端部近傍の鍔部の外端面に周方向に
沿って接触し、その副リップと主リップの間に、環状の
グリース溜まりが形成されていることによって特徴づけ
られる。
【０００８】本発明は、主リップの内側に副リップを設
けるとともに、その副リップを内輪の鍔部外端面に接触
させ、その副リップと主リップとの間に独立した環状の
グリース溜まりを形成することによって、圧延水の侵入
を抑制しようとするものである。
【０００９】すなわち、副リップは主リップの内側に位
置して、主リップとともに内輪に対して接触し、これら
両リップの間に内輪と共同して外部に対して閉ざされた
環状の空間が形成され、この環状空間をグリース溜まり
としてその内部にグリースを詰めることによって、外部
から飛来する圧延水は、主リップと内輪との接触部、環
状のグリース溜まり、副リップの全てを通過しなければ
軸受内部に侵入することができず、従来の主リップの
み、あるいはそれに加えてラビリンス効果を期待した副
リップを有する密封装置に比して、圧延水に対する密閉
性が大幅に向上する。
【００１０】また、副リップは、その側面が内輪の鍔部
の外側の端面に対して接触する、いわゆるフェースシー
ルを形成しているため、副リップの内輪との接触による
発熱および硬化を抑制することができる。
【００１１】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明の
好適な実施の形態について述べる。図１は本発明に係る
密封装置を装着した圧延機のロールネック用転がり軸受
の全体構成を示す軸平行断面図で、図２はそのＡ部拡大
図である。
【００１２】この実施の形態は、転がり軸受自体の構造
については図５に例示した従来のものと同等の４列円錐
ころ軸受であって、２つの複列内輪１ａ，１ｂと、１つ
の複列外輪２ａおよびその両側の２つの単列外輪２ｂ，
２ｃ、およびこれらの内・外輪間に形成される４列の円
錐軌道のそれぞれに複数の円錐ころ３が配置され、各円
錐ころ３は各円錐軌道内でそれぞれ保持器４ａ〜４ｄに
よって周方向に一定の間隔で保持されている。また、複
列内輪１ａと１ｂの間には内輪間座５が、複列外輪２ａ
と各単列外輪２ｂ，２ｃの間には外輪間座６ａ，６ｂが
介在している。
【００１３】そして、軸受の両端部には、それぞれ環状
の密封装置７が装着されており、この密封装置７は、合
成ゴム等の弾性材料からなるシール部材７１と、それと
一体化ささた環状の芯金７２、および、ガータスプリン
グ７３によって構成されている。芯金７２の外周部に
は、外方に向けて突出する係止縁７２１が形成されてお
り、この係止縁７２１が、軸受両端部に位置する各単列
外輪２ｂおよび２ｃと、その各外側の端面部に固着され
るシールカバー（鍔リング）８との間に挟み込まれるこ
とによって、密封装置７が軸受に対して装着される。
【００１４】シール部材７１には、その内周側に、内輪
１ａ，１ｂの端部近傍に形成されている鍔部１１ａ，１
１ｂの更に外側において、内輪１ａ，１ｂの外周面に対
して周方向に沿って接触する主リップ７１１が形成され
ており、その主リップ７１１の外周にはガータスプリン
グ７３が配されている。
【００１５】また、主リップ７１１の軸方向内側には、
一定の距離を開けて主リップ７１１に対して平行に副リ
ップ７１２が形成されている。この副リップ７１２は、
その側面部分が内輪１ａ，１ｂの上記した鍔部１１ａ，
１１ｂの外側の端面に対して接触する、いわゆるフェー
スシールを構成するものであって、シール部材７１の本
体部分からの突出量に比してその厚みは相当に薄く、内
輪１ａ，１ｂの鍔部１１ａ，１１ｂの外端面に対して極
めてソフトに接触するようになっている。以上の主リッ
プ７１１と副リップ７１２との間には、軸受の周方向に
沿った環状の空間が形成されることになるが、この環状
の空間はグリース溜まり７１３として用いられる。すな
わち、圧延機のロールネックへの組み込みに際しては、
内・外輪間に形成される４列の円錐軌道の内部に適宜量
のグリースが封入されるとともに、軸受両端に装着され
ている密封装置７のグリース溜まり７１３内にグリース
Ｇが充填される。
【００１６】以上の本発明の実施の形態によると、圧延
機のロールネックに組み込まれた状態において、軸受の
周囲に飛来する圧延水は、まず、内輪１ａ，１ｂの外周
面に接触する主リップ７１１によって軸受内部への侵入
が阻止され、その主リップ７１１を通過した圧延水は、
次いでその主リップ７１１と副リップ７１２との間に形
成されている環状のグリース溜まり７１３内に充填され
ているグリースＧによって軸受内部への侵入が阻止さ
れ、更に、グリースＧ内に侵入した圧延水は、内輪１
ａ，１ｂの鍔部１１ａ，１１ｂの外端面に接触する副リ
ップ７１２によって軸受内への侵入が阻止されることに
なり、外部からの水に対して極めて高い侵入抑止能力を
持つ。
【００１７】なお、本発明は、主リップ７１１および副
リップ７１２、並びにこれらの間に形成されるグリース
溜まり７１３を除く細部の構造は、上記した実施の形態
において採用した構造に限定されるものではなく、例え
ば、図３に本発明の他の実施の形態の要部断面図を示す
ように、芯金７２を略コ字形の断面として係止縁７２１
を設けず、芯金７２の外周面をシールカバー８の内周面
に対して圧入することによって、軸受に対して装着する
構造を採用することができる。
【００１８】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、転がり
軸受の外輪側に外周部が装着され、内周部には内輪の外
周面に対して接触する主リップを備えた密封装置におい
て、主リップの内側に所定の距離を開けて副リップを設
け、その副リップの側面部分を内輪の端部近傍に形成さ
れている鍔部の外端面に対して接触させるとともに、そ
の副リップと主リップとの間に、環状のグリース溜まり
を設けているから、圧延機のロールネックに装着した使
用状態において外部から飛来する圧延水は、主リップ、
環状のグリース溜まり内に充填されたグリース、副リッ
プの順で軸受内部への侵入が阻止され、従来のこの種の
軸受に用いられている主リップだけの密封装置、あるい
はそれに加えてラビリンス効果を目的とした副リップを
備えた密封装置に比して、圧延水の侵入抑止効果が大幅
に向上し、ひいては軸受寿命を向上させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係る密封装置を装着した圧延機のロー
ルネック用転がり軸受の全体構成を示す軸平行断面図で
ある。
【図２】図１のＡ部拡大図である。
【図３】本発明の他の実施の形態の要部断面図である。
【図４】圧延機のワークロールやバックアップロールの
ロールネックを支持する転がり軸受の一般的な構成例を
示す断面図である。
【図５】図５のＡ部拡大図である。
【図６】圧延機のロールネック用軸受に用いられている
密封装置の他の構成例を示す要部断面図である。
【符号の説明】
１ａ，１ｂ 複列内輪 １１ａ，１１ｂ 鍔部 ２ａ 複列外輪 ２ｂ，２ｃ 単列外輪 ３ 円錐ころ ４ａ，４ｂ，４ｃ，４ｄ 保持器 ５ 内輪間座 ６ａ，６ｂ 外輪間座 ７ 密封装置 ７１ シール部材 ７１１ 主リップ ７１２ 副リップ ７１３ グリース溜まり ７２ 芯金 ７３ ガータスプリング ８ シールカバー

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 圧延機ロールネック用軸受の端面部に設
    けられる環状の密封装置であって、外輪側に外周部が保
    持され、内周部には内輪端部近傍の外周面に対し周方向
    に沿って接触する主リップを備えるとともに、その主リ
    ップに対して軸方向内側に所定の距離を隔てて副リップ
    が内周に向けて突出形成され、その副リップは、その側
    面が内輪端部近傍の鍔部の外端面に周方向に沿って接触
    し、その副リップと主リップの間に、環状のグリース溜
    まりが形成されていることを特徴とする転がり軸受用密
    封装置。
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