JP2001011786A - 脱墨剤 - Google Patents

脱墨剤

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JP2001011786A
JP2001011786A JP2000126843A JP2000126843A JP2001011786A JP 2001011786 A JP2001011786 A JP 2001011786A JP 2000126843 A JP2000126843 A JP 2000126843A JP 2000126843 A JP2000126843 A JP 2000126843A JP 2001011786 A JP2001011786 A JP 2001011786A
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Japan
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oxide
deinking
nonionic surfactant
carbon atoms
deinking agent
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JP2000126843A
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English (en)
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Yuichi Irika
裕一 入夏
Yoshitaka Miyauchi
芳孝 宮内
Koji Hamaguchi
公司 浜口
Takeshi Edo
武 江戸
Yoshito Hamada
義人 濱田
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フロテーション工程での泡量が適正で操業性
に優れ、白色度が高く残インキ数の少ない脱墨パルプが
得られる脱墨剤を提供する。 【解決手段】 アルコール、油脂又は脂肪酸に、エチレ
ンオキサイドと、少なくともプロピレンオキサイド又は
ブチレンオキサイドを含むアルキレンオキサイドと、エ
チレンオキサイドとを、この順に付加重合させてなるノ
ニオン性界面活性剤を含有する脱墨剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、脱墨剤及び脱墨方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】森林資源保護、ごみ処理等の地球環境問
題とも連動して、古紙の有効利用は重要性を増してきて
おり、塗工紙由来の古紙が用いられる機会が増加してい
る。塗工紙は、填量の分散剤を含む事や塩強度の変化に
よってフロテーション工程の泡量を増加させたり、泡切
れ性を悪化させる事によって発泡トラブルを起こす。
又、インキ捕集の観点からインキ/気泡の接触機会を増
加させる目的で気体の吹き込み(或いは吸い込み)量を
増加させる構造のフロテーターが増加している。このよ
うなフロテーターでは、泡量が増加し、歩留りを低下さ
せ、泡トラブルを起こす事となる。その為、脱墨剤に対
して泡制御技術が要求され、操業性の良い脱墨剤及び脱
墨方法の開発が望まれている。
【0003】フロテーション工程における発泡量の低
減、泡切れ性の改善の為に、例えば、フロテーターの液
面調整や気体の吹き込み量を少なくするなどの方法が取
られているが、本質的な解決にはならず、排出フロス
(インキ、填料等を含む泡)量を低下させると品質が低
下してしまう。脱墨剤に用いられる界面活性剤の分子構
造の設計により泡量を低下させる事はできるが、疎水的
な空気を安定分散できない界面活性剤では一般的にイン
キ剥離性、分散性を低下させてしまい脱墨パルプの品質
を満足させる事ができない。又、剥離性の良い脱墨剤で
剥離した後、フロテーターでの泡消し調整や排出フロス
の泡消しの為に一般的な消泡剤を用いると、脱墨工程で
装備されている2次フロテーターや白水処理用のフロテ
ーター、加圧浮上装置等で泡が立たず、操業できなくな
ってしまう。特開平6−257081号に曇点の異なる
2種以上の界面活性剤を用い、インキ剥離工程では、曇
点の高い界面活性剤が主に作用して剥離を行い、フロテ
ーション工程では、工程温度より曇点の低い脱墨剤によ
って発泡性を低減する技術が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこの方法
では、従来の脱墨剤添加量では、インキ剥離に関与する
界面活性剤の濃度は低下してしまい、総添加量を増加せ
ざるを得ず、コスト的には不利である。以上のように、
泡制御技術については、充分な解決技術は無く、品質を
向上しようとすれば、発泡トラブルや、歩留まり低下を
きたし、泡量を低減すれば、品質低下を起こすなどの問
題がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、アルコール、
油脂又は脂肪酸に、エチレンオキサイドと、少なくとも
プロピレンオキサイド又はブチレンオキサイドを含むア
ルキレンオキサイドと、エチレンオキサイドとを、この
順に付加重合させてなるノニオン性界面活性剤を含有す
る脱墨剤、及び古紙、例えばトナーが定着された古紙を
原料として、該脱墨剤の存在下にフロテーションを行う
古紙の脱墨方法を提供する。
【0006】
〔EOはエチレンオキサイド、AOは少なくともプロピレンオキサイド(以下POと表記する)又はブチレンオキサイド(以下BOと表記する)を含むアルキレンオキサイド、x、y、zは平均付加モル数であり、それぞれ0.5〜100の数、Rは炭素数8〜36のアルキル基もしくはアルケニル基又はアルキル基部分が炭素数6〜14であるアルキルフェニル基である。〕
式(1)中、Rは炭素数8〜36、好ましくは炭素数8
〜24のアルキル基又はアルケニル基、或いは、アルキ
ル部分が炭素数6〜14であるアルキルフェニル基であ
る。x、y、zの平均付加モル数は、それぞれ、0.5
≦x≦100、好ましくは0.5≦x ≦50、更に好ま
しくは0.5≦x≦20、最も好ましくは2≦x≦2
0、0.5≦y≦100、好ましくは0.5≦y≦5
0、更に好ましくは0.5≦y≦20、最も好ましくは
2≦y≦20、0.5≦z≦100、好ましくは0.5
≦z≦50、更に好ましくは0.5≦z≦20、最も好
ましくは2≦z≦20である。特に、トナーが定着され
た古紙を原料古紙とする場合には、2≦x≦20、2≦
y≦20、2≦z≦20であることが好ましい。ノニオ
ン性界面活性剤は、公知の方法で1価アルコールに、
EO、AO、EOの順に上記の平均付加モル数の範囲で
付加して製造される。 下記式(2)で表されるノニオン性界面活性剤 R’COO−(EO)x(AO)y(EO)zH (2) 〔EO、AO、x、y、zは前記(1)と同じ。R’は
炭素数7〜35のアルキル基又はアルケニル基であ
る。〕 式(2)中、R’は炭素数7〜35、好ましくは炭素数
7〜23、特に好ましくは11〜23のアルキル基又は
アルケニル基である。ノニオン性界面活性剤は、公知
の方法で脂肪酸にEO、AO、EOをこの順に付加して
製造される。脂肪酸としては、カプリル酸、ラウリン
酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレ
イン酸、リノール酸、リノレイン酸、リシノール酸、及
びやし油脂肪酸、菜種油脂肪酸等の油脂分解脂肪酸等が
挙げられる。x、y、zの平均付加モル数は、それぞ
れ、0.5≦x≦100、好ましくは0.5≦x ≦5
0、更に好ましくは0.5≦x≦20、最も好ましくは
2≦x≦20、0.5≦y≦100、好ましくは0.5
≦y≦50、更に好ましくは0.5≦y≦20、最も好
ましくは2≦y≦20、0.5≦z≦100、好ましく
は0.5≦z≦50、更に好ましくは0.5≦z≦2
0、最も好ましくは2≦z≦20である。特に、トナー
が定着された古紙を原料古紙とする場合には、2≦x≦
20、2≦y≦20、2≦z≦20であることが好まし
い。 油脂と1価又は多価アルコールとの混合物に、EO、
AO、EO〔EO、AOは前記(1)と同じ。〕を、そ
れぞれ0.5〜100の平均付加モル数で、この順に付
加重合させてなるノニオン性界面活性剤 ノニオン性界面活性剤は、油脂と1価又は多価アルコ
ールとの混合物にEO、AO、EOをこの順に付加して
製造される。最初のEOの平均付加モル数x、AOの平
均付加モル数y、最後のEOの平均付加モル数zは、そ
れぞれ、0.5≦x≦100、好ましくは0.5≦x≦
50、更に好ましくは0.5≦x≦20、最も好ましく
は2≦x≦20、0.5≦y≦100、好ましくは0.
5≦y≦50、更に好ましくは0.5≦y≦20、最も
好ましくは2≦y≦20、0.5≦z≦100、好まし
くは0.5≦z≦50、更に好ましくは0.5≦z≦2
0、最も好ましくは2≦z≦20である。特に、トナー
が定着された古紙を原料古紙とする場合には、2≦x≦
20、2≦y≦20、2≦z≦20であることが好まし
い。
【0007】また、油脂と1価又は多価アルコールとの
混合比率は、油脂/アルコールのモル比で1/0.1〜
1/6、特に1/0.3〜1/3が好ましい。
【0008】油脂としては、やし油、パーム油、オリー
ブ油、大豆油、菜種油、亜麻仁油等の植物油、豚脂、牛
脂等の動物油、魚油及びこれらの硬化油、半硬化油、更
にはこれら油脂の精製工程で得られる回収油等が挙げら
れる。
【0009】1価のアルコールとしては炭素数8〜24
のアルキル基又はアルケニル基を有するもの、或いは、
アルキル部分が炭素数6〜14であるアルキルフェニル
基を有するものが挙げられる。また、多価アルコールと
しては、エチレングリコール、プロピレングリコール、
グリセリン、トリメチロールプロパン、ソルビトール、
グルコース等が挙げられる。
【0010】尚、本発明のノニオン性界面活性剤の製造
に用いられるEOは、本発明の効果を損なわない量であ
れば、PO及びBOが混入していてもかまわない。例え
ば、PO及びBOが5%以下の量で混入していても、本
発明の脱墨剤の特性を発現することが確認されている。
【0011】更に、本発明の脱墨剤は、以下(I)〜
(V)に示す界面活性剤(本発明のノニオン性界面活性
剤を除く)の1種以上を含有する事ができる。本発明の
ノニオン性界面活性剤と(I)〜(V)に示すノニオン
性界面活性剤の比率は、〔本発明のノニオン性界面活性
剤〕/〔ノニオン性界面活性剤(I)〜(V)〕の重量
比で、100/0〜10/90、好ましくは90/10
〜25/75、更に好ましくは80/20〜25/75
の範囲である。 (I)油脂と1価又は多価アルコールの混合物にアルキ
レンオキサイドを付加して得られる反応性生成物 界面活性剤(I)は、油脂と1価又は多価アルコールと
の混合物のアルキレンオキサイド付加物である。アルキ
レンオキサイドは、混合物に対して、平均5〜300モ
ル、好ましくは20〜150モル付加される。アルキレ
ンオキサイドとしては、EO、PO、BOが挙げられ、
単独でも混合して用いても良い。また、油脂と1価又は
多価アルコールとの混合比率は、油脂/アルコールのモ
ル比で1/0.1〜1/6、特に1/0.3〜1/3が
好ましい。界面活性剤(I)の原料となる油脂、1価ア
ルコール、多価アルコールは、それぞれ本発明のノニオ
ン性界面活性剤で示したものが使用できる。 (II)下記式で表される化合物 R1COO(AO)m2 式中、R1は炭素数7〜23のアルキル基又はアルケニ
ル基を示し、R2は水素原子又は、炭素数1〜24のア
ルキル基、アルケニル基もしくはアシル基、好ましくは
水素原子を示し、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレ
ン基を示し、mは1以上の数である。式中のR1の炭素
数は、11〜23のものが好ましい。化合物(II)は、
従来公知の方法で脂肪酸にアルキレンオキサイドを付加
して必要に応じてエステル化或いはアシル化して製造す
るものであり、AOの平均付加モル数mは5〜300モ
ルが好ましい。又、AOとしてEOとPOをEO/PO
=1/5〜5/1のモル比で用いるのが好ましい。界面
活性剤(II)の原料となる脂肪酸は、本発明のノニオン
性界面活性剤で示したものが使用できる。 (III)下記式で表される化合物 R2O(AO)nH 式中、R2は炭素数8〜24のアルキル基又はアルケニ
ル基を示し、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基
を示し、nは1以上の数である。化合物(III)は、従来
公知の方法で1価アルコールにアルキレンオキサイドを
付加して製造するものであり、AOの平均付加モル数n
は5〜300モルが好ましく、より好ましくは7〜15
0モルである。又、AOとしてEOとPOをEO/PO
=1/5〜5/1のモル比で用いるのが好ましい。又、
原料となる1価アルコールは、炭素数8〜24のアルキ
ル基又はアルケニル基を有するもの、或いは、アルキル
部分が炭素数6〜14であるアルキルフェニル基を有す
るものが挙げられる。 (IV)炭素数8〜24の脂肪酸又はその塩 界面活性剤(IV)の原料となる脂肪酸は、本発明のノニ
オン性界面活性剤で示したものが使用でき、界面活性
剤(II)におけるR1の炭素数が11〜23のものが好
ましい。又、脂肪酸の塩としては、ナトリウム塩、カリ
ウム塩、アンモニウム塩が挙げられる。 (V)多価カルボン酸もしくはその酸無水物にアルキレ
ンオキサイドを付加して得られる反応生成物、又は、多
価カルボン酸もしくはその酸無水物とアルコールの混合
物にアルキレンオキサイドを付加して得られる反応生成
物 界面活性剤(V)は、多価カルボン酸又は酸無水物とア
ルコールを用いて製造される。その際、多価カルボン酸
又は酸無水物とアルコールのモル比が1/0.02〜
5、特に1/0.1〜3で用いられるのが好ましい。原
料となる多価カルボン酸又はその酸無水物としては、シ
ュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、無水コハク
酸、無水マレイン酸、無水フタル酸等、更に炭素数14
〜22の高級脂肪酸のダイマー酸及び/又はポリマー酸
も含まれる。ここで言うダイマー酸及び/又はポリマー
酸は、モノエン酸又はジエン酸、具体的には、オレイン
酸、リノール酸等のような不飽和脂肪酸モノマーをディ
ールス・アルダー反応のような熱重合により反応させる
方法、又はその他の反応方法によって合成できる。又、
ここで言うポリマー酸は、1分子内にカルボキシル基を
3個以上有するポリカルボン酸であって、ダイマー酸を
含まない。また、原料となるアルコールは1価或いは多
価のアルコールが挙げられ、界面活性剤(I)及び(II
I)で例示したアルコールを用いる事ができる。
【0012】上記の界面活性剤において、アルキレンオ
キサイド付加型の化合物ではアルキレンオキサイドの付
加形態はブロック又はランダムのいずれでもよく、ブロ
ックとランダムの混合でも良い。
【0013】本発明の脱墨剤は、脱墨方法のフロテーシ
ョン工程より前であれば、いずれの工程に添加しても良
い。しかし通常は、パルピング工程に添加される。これ
により、本発明の脱墨剤の存在下にフロテーションが行
われる。その添加量は特に限定されるものではないが、
好ましくは、原料古紙に対し、0.01〜10重量%、
特には0.03〜3重量%である。
【0014】又、本発明の脱墨剤に使用される古紙は、
一般的な古紙が用いる事ができる。例えば、新聞古紙、
チラシ古紙、模造古紙、色上古紙、雑誌古紙、OA古紙
等を挙げる事が出きる。更にこの中でも、チラシ古紙、
色上古紙、雑誌古紙、OA古紙等に対して効果的であ
る。これらの古紙は、塗工紙か、それ以外かで区別でき
る。その中で塗工紙であるチラシ古紙、色上古紙、雑誌
古紙の一部等では、塗工において用いられた分散剤の為
に、又、塗工された炭酸カルシウム等から溶出されたカ
ルシウムイオン等によって、脱墨工程で著しく泡量が増
加する。本発明の脱墨剤は、これらの発泡に対して、泡
切れ性を著しく改善し、白色度の高い高品位の脱墨パル
プを得る事ができる。更に、印刷の形態として、オフセ
ット及び凸版印刷かコピー機、レーザープリンター等に
よるトナーによる印刷(写真等も含む)かで区別ができ
る。その中で、トナーによる印刷が多いOA古紙は、従
来、脱トナーにおいて、充分な脱墨剤が無かった。OA
古紙脱墨での問題点は、脱墨パルプ中に視認できる遊離
トナーの墨点(大きさとしては、直径100μm程度以
上)の残留にある。本発明の脱墨剤は、この視認できる
残留トナーインキの低減に対して著しく効果を示し、高
品位の脱墨パルプを得る事ができる。
【0015】本発明の脱墨剤の泡への効果、メカニズム
は、充分には解明されていないが以下のように推測され
る。本発明の脱墨剤は、空気への表面張力を低下させる
効果が大きく細かい泡を形成する為、フロテーションに
おける浮上インキのセル上での保持性能が高い。その結
果、インキとパルプの分離効率が高くなり無駄なくイン
キの排出が可能となり脱墨パルプの品質を向上させる。
又、この物理的特性によって、泡の膜厚が薄くなり、破
泡性が良好となる。又、本発明の脱墨剤と他の界面活性
剤を共存させた場合、共存させる界面活性剤のアルキレ
ンオキサイドの付加形態が、ランダム付加もしくはPO
・EO・POタイプのブロック付加であり、構造の異な
る本発明のRO−EO・PO・EOタイプの構造物が共
存する事で分子集合体は、乱れて破泡性が強くなるもの
である。インキ剥離性に関しては、従来技術の低曇点で
規定される泡制御性界面活性剤や、消泡性を持つ油脂
類、脂肪酸、鉱物油が低い剥離性能しか有さない事に比
べて、本発明の脱墨剤は、上述の如く、表面張力の低下
能を有しインキへの浸透性が高く、インキ剥離性は良好
である。
【0016】又、コピー等のトナーによる印刷物に対し
ては、本発明の脱墨剤は、トナーインキへの浸透性とト
ナーインキの分散性が著しく強い為にトナーインキが速
やかに剥離され、細かく分散されることにより、脱墨パ
ルプに視認できるような直径100μm以上の残留トナ
ーインキが低減できるものと考えられる。
【0017】
【発明の効果】本発明の脱墨剤は、フロテーション工程
で適度な泡量を発生させ、操作性に優れ、白色度が高く
残存インキ数の少ない脱墨パルプを生産できる。
【0018】
【実施例】実施例1 市中回収された原料古紙(新聞紙/チラシ=70/3
0)を5cm×5cmに細断後、一定量を卓上離解機に
入れ、その中に温水及び水酸化ナトリウム1重量%(対
原料)、珪酸ソーダ3重量%(対原料)、30%過酸化
水素水3重量%(対原料)、本発明のノニオン性界面活
性剤とその他の界面活性剤を表1、2に示す様に添加
し、パルプ濃度5重量%、40℃で10分間離解した。
得られたパルプスラリーを40℃にて60分間熟成を行
った後パルプ濃度を1%に希釈し、40℃にて10分間
フロテーション処理を行った。尚、比較品は、本発明の
脱墨剤を用いず処理を行った。フロテーション処理後、
タッピマシンにてパルプシートを作成し、5kgf/c
2(490kPa)加圧した後、通風乾燥し白色度、
残インキ量を測定した。ここでパルプシートの白色度
は、測色色差計にて測定し、又、残インキ量は画像解析
装置(倍率:×100)を用いて測定した。パルプシー
トの白色度における1%の向上、及び残インキ量の0.
1%の低下は、目視においてパルプ品質が充分に向上し
たと認識できる。又、泡量はフロテーションを行ったパ
ルプスラリー総重量に対して、排出されたフロスの重量
から求め[すなわち、排出率(%)=(排出されたフロ
スの液重量)/(フロテーションに仕込んだパルプスラ
リー総重量)×100]、操業性は表4に示す指標で官
能評価した。結果を表3に示す。泡量は排出率3%〜7
%であれば問題無く操業できる。又、操業性は4以上が
良好である。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】表1、2において、各界面活性剤の構造の
Cの次の数字はアルキル基の炭素数を、Fの次の数字は
不飽和結合の数を、EO、POの次の数字は平均付加モ
ル数を示す。また混合物の数字はモル比である。本発明
品14、17のように(EOO/PO)で示すものはラ
ンダム付加物である。なお、各界面活性剤の添加量は対
パルプ重量%である。(以上、実施例2、3でも同様)
【0022】
【表3】
【0023】
【表4】
【0024】実施例2 市中回収された原料古紙(上質系雑誌古紙)を5cm×
5cmに細断後、一定量を卓上離解機に入れ、その中に
温水及び水酸化ナトリウム1重量%(対原料)、珪酸ソ
ーダ3重量%(対原料)、30%過酸化水素水3重量%
(対原料)、本発明の脱墨剤と界面活性剤を表5に示す
様に添加し、パルプ濃度15重量%、40℃で10分間
離解した。得られたパルプスラリーを40℃にて60分
間熟成を行った後パルプ濃度を1%に希釈し、45℃に
て10分間フロテーション処理を行った。その後実施例
1と同様に操作し、同様の評価を行った。結果を表6に
示す。尚、比較品は、本発明の脱墨剤を用いず処理を行
った。フロテーション処理後、タッピマシンにてパルプ
シートを作成し、5kgf/cm2(490kPa)加
圧した後、通風乾燥し白色度、残インキ量を測定した。
【0025】
【表5】
【0026】
【表6】
【0027】実施例3 市中回収された原料古紙(トナーによって印刷されたO
A古紙)を5cm×5cmに細断後、一定量を卓上離解
機に入れ、その中に温水及び水酸化ナトリウム0.5重
量%(対原料)添加し、パルプ濃度5重量%、40℃で
10分間離解した。得られたパルプスラリーを180μ
m標準フルイを用いて30重量%とし、水酸化ナトリウ
ム0.5重量%(対原料)、珪酸ソーダ0.5重量%
(対原料)、30%過酸化水素水0.3重量%(対原
料)、表7に示す脱墨剤(ノニオン性界面活性剤)0.
25重量%を添加し、60℃にて(株)山本百馬製作所
製SUS−T型ニーダー(200rpm)を通した後、
60℃にて2時間熟成を行った。その後、パルプ濃度を
1重量%に希釈した後、45℃にて10分間フロテーシ
ョンを行った。フロテーション処理後、タッピマシンに
てパルプシートを作成し、5kgf/cm2(490k
Pa)加圧した後、通風乾燥した。乾燥後のパルプシー
トを用い、直径100μm以上の黒点を認識できる解像
度を有するスキャナーで画像を取り込み、画像解析装置
にて黒点の個数を数えた。結果を表7に示す。尚、黒点
の個数が5000個/m2以下であれば実際に流通する
コピー用再生紙レベルであり、1000個/m2の差
は、目視で充分に優位差を認識できる。
【0028】
【表7】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浜口 公司 和歌山県和歌山市湊1334 花王株式会社研 究所内 (72)発明者 江戸 武 和歌山県和歌山市湊1334 花王株式会社研 究所内 (72)発明者 濱田 義人 和歌山県和歌山市湊1334 花王株式会社研 究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルコール、油脂又は脂肪酸に、エチレ
    ンオキサイドと、少なくともプロピレンオキサイド又は
    ブチレンオキサイドを含むアルキレンオキサイドと、エ
    チレンオキサイドとを、この順に付加重合させてなるノ
    ニオン性界面活性剤を含有する脱墨剤。
  2. 【請求項2】 ノニオン性界面活性剤が下記〜の一
    種以上である請求項1記載の脱墨剤。 下記式(1)で表されるノニオン性界面活性剤 RO−(EO)x(AO)y(EO)zH (1) 〔EOはエチレンオキサイド、AOは少なくともプロピ
    レンオキサイド又はブチレンオキサイドを含むアルキレ
    ンオキサイド、x、y、zは平均付加モル数であり、そ
    れぞれ0.5〜100の数、Rは炭素数8〜36のアル
    キル基もしくはアルケニル基又はアルキル基部分が炭素
    数6〜14であるアルキルフェニル基である。〕 下記式(2)で表されるノニオン性界面活性剤 R’COO−(EO)x(AO)y(EO)zH (2) 〔EO、AO、x、y、zは前記(1)と同じ。R’は
    炭素数7〜35のアルキル基又はアルケニル基であ
    る。〕 油脂と1価又は多価アルコールとの混合物に、EO、
    AO、EO〔EO、AOは前記(1)と同じ。〕を、そ
    れぞれ0.5〜100の平均付加モル数で、この順に付
    加重合させてなるノニオン性界面活性剤
  3. 【請求項3】 請求項1又は2の脱墨剤の存在下にフロ
    テーションを行う古紙の脱墨方法。
  4. 【請求項4】 トナーが定着された古紙を原料として、
    請求項1又は2の脱墨剤の存在下にフロテーションを行
    う古紙の脱墨方法。
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