JP2000512129A - ブタレトロウィルス - Google Patents

ブタレトロウィルス

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、ブタレトロウイルス(porcine retrovirus,PoEV)ポリヌクレオチド断片、特に、少なくとも一つのブタレトロウィルス発現体を符号化するもの、少なくとも一つのポリヌクレオチド断片を含む組換えベクター、生来的ブタレトロウィルスを検出するためにPoEVポリヌクレオチド断片を使用すること、少なくとも一つのPoEVポリヌクレオチド断片を含む宿主細胞、もしくは少なくとも一つのPoEVポリヌクレオチド断片を含む組換えベクター、PoEVポリペプチド、PoEVポリペプチドに対して免疫反応を示す抗体、予防剤および/または治療剤として使用する組換えPoEVポリペプチドを含む薬剤組成物、および、PoEVポリヌクレオチド断片および/またはPoEVポリペプチドを、獣医学を含む医学に、およびこれらの医学に用いる薬剤の調合に用いること、を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 ブタレトロウィルス 本発明は、なかんずくブタレトロウィルス断片に係り、特に、少なくとも一つ のブタレトロウィルス発現体を符号化するブタレトロウィルス(porcine retrov inus,PoEV)断片、少なくとも一つのポリヌクレオチド断片を含む組換えベクタ ー、生来的ブタレトロウィルスを検出するためにPoEVポリヌクレオチド断片を使 用すること、少なくとも一つのPoEVポリヌクレオチド断片を含む宿主細胞、もし くは少なくとも一つのPoEVポリヌクレオチド断片を含む組換えベクター、PoEVポ リペプチド、PoEVポリペプチドに対して免疫反応を示す抗体、予防剤および/ま たは治療剤として使用する組換えPoEVポリペプチドを含む薬剤組成物、および、 PoEVポリヌクレオチド断片および/またはPoEVポリペプチドを、獣医学を含む医 学に、およびこれらの医学に用いる薬剤の調合に用いること、に関する。 ブタレトロウィルス(PoEV)は、ブタから隔離され、ブタの物質に誘導された 細胞系に発現する、内生的な(遺伝的に得られる)ウィルスである。このウィル スは、ブタのリンパ種に関係しているらしく、これと同類のウィルスは、その他 の種の白血病やリンパ種に関係しているが、ブタレトロウィルスそれ自体が、そ の生来的宿主に及ぼす病理遺伝学的影響については、明らかではない。ブタレト ロウィルスは、ブタではない様々な起源から、細胞に感染するということが報告 されており、このため、このウィルスは、異種反応型、両性反応型または多重反 応型ウィルスと呼ばれている(Lieber MM,Sherr CJ.Benveniste RE,Todaro GJ.1 975年;Strandstrom H,Verjalainen P,Moening V,Hunsmann G,Schwarz H,Schafe r W.1974年;Todaro GJ,Benveniste RE,Lieber MM,She CJ.1974年)。上記のよ うなウィルスは、ヒトに感染する潜在力を有している可能性があり、病理遺伝学 的にも影響を及ぼす可能性があるということが、観察されている。こうした観察 が示唆するところは、ブタレトロウィルスの問題は、異種移植のブタ組織または 細胞という文脈の中で、取り扱うべき問題だということである。したがって、 PoEVの特性についての情報、および、診断試剤、分子工学的手段、潜在的ワクチ ン物質の開発に関する情報は、たとえば異種移植テクノロジー等の分野において 、多大な重要性を有しているのである。 本発明の目的は、上記不都合の少なくともいくつかを未然に防ぎ、および/ま たは軽減することである。 本発明は、その態様の一つとして、以下のような隔離PoEVポリヌクレオチド断 片を提供する。すなわち、 (a)少なくとも一つのブタレトロウィルス(PoEV)発現体を符号化し、 (b)上記発現体の生理学的に活性な、および/または免役原的な誘導体を符 号化し、または、 (c)上記(a)または(b)に定義したポリヌクレオチド・シーケンスと相 補的な、隔離ブタレトロウィルス(PoEV)を提供する。 好ましくは、ポリヌクレオチド断片は、PoEVのギャグ遺伝子(gag)、ポリメラ ーゼ遺伝子(pol)および/またはエンベローブ遺伝子(env)を符号化する。し たがって、上記発現体は、PoEVのビリオンコアポリペプチド(GAG)、ポリメラー ゼ(POL)ポリペプチドおよび/またはエンベローブ(ENV)ポリペプチドであり 得る。さらに、本発明は、PoEVの組換えビリオンコアポリペプチド、組換えポリ メラーゼポリペプチドおよび/または組換えエンベローブポリペプチドをも提供 するのである。 「ポリヌクレオチド断片」という語は、ここでは、デオキシリボース核酸(DN A)のようなヌクレオチドの鎖、およびその転写体(たとえば、RNA)を指す。も ちろん、当業者であれば、自然に発生するPoEVゲノムのすべてが、ポリヌクレオ チド断片の定義に含まれるわけではないことを理解するであろう。 ポリヌクレオチド断片は、すべてのゲノムが通常生体内で結びついている生物 学的物質から、実質的に解放されているという意味において、隔離することがで きる。隔離されたポリヌクレオチド断片は、ポリヌクレオチド断片を含む組換え 分子を提供するために、クローン化される。このように、「ポリヌクレオチド断 片」は、二重および一重によじれたDNA、RNA、およびこれらから誘導されるポリ ヌクレオチド・シーケンスを含み、たとえば、該断片のシーケンスはいかな る長さであっても、ここに含まれる。核酸が、一重のストランドの場合は、該ス トランドおよびこれと相補的のシーケンスの両者が、本発明の範囲に含まれる。 一般に、「発現体」という用語は、上記ポリヌクレオチド断片の転写体および 翻体の双方を指す。発現体が「ポリペプチド」であるという場合(すなわち、生 理学的および/または免疫学的活動を発揮するアミノ酸の鎖またはシーケンスが 、PoEVのビリオンコアプロテイン、ポリメラーゼプロテインおよび/またはエン ベローブプロテインと実質的に同様である場合)、このことは、該発現体が何か 特定の長さを有しているということを意味するわけではない。したがって、当業 者であれば、「ポリペプチド」は、PoEVのペプチド、ポリペプチドおよびプロテ インを、なかんずく含むものであるということを理解するであろう。必要であれ ば、ポリペプチドは、生体内および試験管内において、たとえば、グリコシル化 、アミド化、カルボキシル化、リン酸化および/またはアミノ酸合成後の細胞分 裂により、加減・変更することができる。 PoEVゲノムを包含する部分を含み、逆転写ポジであるブタの腎臓細胞系PK-15 から放出されたレトロウィルス粒子から誘導されたポリヌクレオチド断片が、プ ラスミドのベクター内に分子的にクローン化された。このことは、PoEVのRNAゲ ノム(内生的ウィルスを発現するブタの腎臓から発見された)の相補的DNA(cDN A)を合成することにより、達成された。このcDNAを、プラスミドのベクターに クローン化し、隔離されたPoEVのDNA断片を決定した(図1、図2および図3参照 )。図1に示すシーケンスは、最初に決定されたシーケンスであり、その後、図 2に示すシーケンスが決定され、最後の図3に示すシーケンスは、最も最近に修 正されたシーケンスである。さらに、ヒトの細胞系「Raji」が、ブタの腎臓細胞 (PK15)内に存在するPoEVに感染し得るか否かを確認するための研究が、行われ た。こうして、Rajiのクローンが作られ、そのエンベローブ遺伝子領域のDNAシ ーケンスが決定された(図4参照)。 図3のDNA断片は、それぞれ524個、1194個、656個のアミノ酸から なる3つのオープン・リーディング・フレーム(ORF)を符号化するために、示 されたものである。 このアミノ酸シーケンスを、他の種から以前にシーケンスされたレトロウィル スと比較したところ、新しいレトロウィルスのcDNAがすでにクローン化されてい るのが観察された。DNASTAR社のソフトウェア「Lasergene」を用いて行ったシー ケンス分析では、大部分のレトロウィルスが、クローン化されたPoEVのDNAとの 相同性を示し、最も近似した相同性を示したのは、ポリメラーゼ(pol)および エンベローブ(env)領域におけるテナガザル白血病ウィルスのプロウィルスで あった。 図3における第一のORF(ヌクレオチド588-2162)は、PoEVのビリオンコアポ リペプチド(ギャグ遺伝子)を符号化しているものと予測される。第二のORF( ヌクレオチド2163-5747)は、PoEVのポリメラーゼポリペプチド(ポリメラーゼ 遺伝子)を符号化しているものと予測される。第三のORF(ヌクレオチド5620-75 90)は、PoEVのエンベローブポリペプチド(エンベローブ遺伝子)を符号化して いるものと予測される。当業者であれば、ポリヌクレオチド断片またはその誘導 体を、遺伝子的に操作することが可能であることを理解するであろう。この操作 は、たとえば、この分野では広く知られている組換えDNAテクノロジーを用いて 、遺伝子をクローン化し、そこに符号化されたポリペプチドを、試験管内および /または生体内に発現することにより行われる。図1、図2、図3および/また は図4に示されたポリヌクレオチド・シーケンスを有するポリヌクレオチド断片 、またはこれらのDNA/RNA誘導体は、診断上の手段として、またはドナー動物の 核酸内からPoEV核酸を検出するための試剤として、あるいはワクチンとして、用 いられることになろう。 本発明をこうした側面から見た場合に、好ましい断片は、次のようなポリヌク レオチド断片である。すなわち、 (a)図1、図2、図3および/または図4に示されたアミノ酸シーケンスを 有する1〜3のポリペプチドの少なくとも一つを符号化し、 (b)上記(a)に定義されたポリペプチドの少なくとも一つにおいて、生理 学的に活性な、および/または免役原的な誘導体であるポリペプチドを符号化し 、または、 (c)上記に定義したポリヌクレオチド・シーケンスと相補的なポリヌクレオ チド断片、または、 (a)図1、図2、図3および/または図4に示されたORFの少なくとも一つ 、またはこれに対応するRNAシーケンスを含み、 (b)上記(a)に記述したシーケンスと実質的に同一なヌクレオチド・シー ケンスを有するシーケンスを含み、 (c)上記(a)または(b)に記述したシーケンスと相補的なシーケンスを 含むポリヌクレオチド断片が好ましい。なお、ここおける「実質的なシーケンス の同一性」という表現は、少なくとも50%(好ましくは、少なくとも75%、 少なくとも90%、または少なくとも95%)のシーケンスの同一性を意味する 。 本発明のポリヌクレオチド断片は、ドナー動物、およびドナー動物から得た細 胞、組織または器官の中に、PoEVウィルスの発現および/または存在があるかど うかを検査し、これらが異種移植に適しているかどうか(すなわち、PoEVを含ん でいないということ)を確かめるために用いられるであろう。さらに、ブタの細 胞、組織または器官の受容者側を直接調べることにより、また、検出細胞の培養 または感染により、PoEVウィルスの存在および/または発現を検査することも可 能である。 本発明のポリヌクレオチド断片は、PoEVゲノム内における、PoEVに特有なポリ ヌクレオチド・シーケンスを識別するためにも(すなわち、完全なPoEVゲノムが 識別される必要はない)、用いられるであろう。このようなPoEV特有のポリヌク レオチド・シーケンスは、たとえば、移植細胞、組織または器官のようなサンプ ル内に、PoEV核酸が存在するかどうかを確かめるために用いられるであろうし、 PoEV用の終局的な検査には、不可欠となろう。 さらに、本発明は、特に、PoEVポリヌクレオチド・シーケンスと混成すること が可能な、隔離PoEVポリヌクレオチド断片を提供する。このように、本発明は、 生体外および/または原位置における、PoEVウィルスの検出研究、発現研究用プ ローブおよび/またはプライマーを提供する。典型的な検出研究は、ポリメラー ゼ鎖反応(PCR)研究、ハイブッリド形成研究またはシーケンス研究を含む。上 記に示したPoEVシーケンスから得られる、PoEVに特有なポリヌクレオチド・シー ケンスは、どれもみな原則として、検出研究および/または発現研究に用いるこ とができる。 ここで、「特に、PoEVポリヌクレオチド・シーケンスと混成することが可能な 」とは、該ポリヌクレオチド断片は、他のウィルス、動物(特に、ブタやヒトの シーケンス)および/またはその他の種のポリヌクレオチド・シーケンスに優先 して、好ましくPoEVポリヌクレオチド・シーケンスと混成するということを意味 する。昇進において、このPoEV断片は、特に、生来的PoEVポリヌクレオチド・シ ーケンス、またはその部分と結合するのである。 本発明は、特に、PoEVポリヌクレオチド・シーケンス、またはその部分と混成 することが可能な、ポリヌクレオチド・シーケンスを含む。ただし、この場合、 必ずしも該PoEVポリヌクレオチド・シーケンス、またはその部分と、完全な相補 関係にある必要はない。たとえば、少なくとも50%、好ましくは少なくとも7 5%、最も好ましくは少なくとも90%または95%の相補性があればよい。も ちろん、シーケンスが、正しく完璧に補填され(100%の相補性)、あるいは完 璧に近く補填される(たとえば、10未満、好ましくは5未満の不一致)場合も あり得る。このように、本発明はまた、特に、開示されたDNAシーケンスと混成 することが可能な、アンチセンス・ヌクレオチド・シーケンスまたは相補的ヌク レオチド・シーケンスを提供する。PoEV特有のポリヌクレオチドが、プライマー として、ポリメラーゼ鎖反応研究および/またはシーケンス研究に用いられるな らば、該ポリヌクレオチドは、PoEVの核酸と混成することができるあろうし、鎖 の伸張をポリヌクレオチドの3’端から開始することも可能となるに違いない。 ただし、PoEVではないシーケンス(特にヒトのシーケンス、またはPoEVではない ブタのシーケンス)からは、正確には鎖の伸長を開始できないであろう。 PoEVに特有の試験ポリヌクレオチド・シーケンスをハイブッリド形成研究に用 いて、サンプル内におけるPoEV核酸の存在を検査する場合は、厳重な条件の下で 、試験ポリヌクレオチドとサンプル・ポリヌクレオチドとを混成し残すことが好 ましい。必要であれば、試験ポリヌクレオチドまたはサンプル・ポリヌクレオチ ドのいずれか一方を、固定する。一般に、試験ポリヌクレオチドの長さは、少な くとも10ベース、または少なくとも50ベースである。このポリヌクレオチド は、この分野では知られた適切な技術を用いて、標識化される。試験ポリヌ クレオチド・シーケンスは、少なくとも200ベースの長さを有することが好ま しく、数キロベースの長さを有していてもよい。変性させたサンプル・ポリヌク レオチドまたは試験ポリヌクレオチドのいずれか一方が、まず担体に結びつけら れる。ハイブッリド形成は、50℃〜70℃の温度において、0.1%のドデシ ル硫酸ナトリウム(SDS)を含む2倍の強さのSSC(2×NaCl 17.5g/lお よびクエン酸ナトリウム(SC)8.8g/l)緩衝含塩液の中で行われる。その 後、担体は、同じ温度において、ただし、SSCの濃度を薄めた緩衝液で洗浄され る。要求される厳格性の程度により、すなわち、要求されるシーケンスの相似度 により、この薄められた緩衝液は、典型的に、0.1%のSDSを含む1倍の強さ のSSCであり、0.1%のSDSを含む0.5倍の強さのSSCであり、0.1%のSDS を含む0.1倍の強さのSSCである。最も高い度合いの相似性を示すシーケンス は、そのハイブッリド形成における洗浄が、薄い濃度の緩衝液の中で行われ、洗 浄による影響を最も受けていないシーケンスである。サンプルおよび研究用のシ ーケンスの場合、高度の相似性が必要であるため、0.1%のSDSを含む0.1 倍の強さのクエン酸ナトリウムの中で洗浄し、または低温放置を行い、両者のハ イブッリド形成が、これらによる影響を実質的に受けないようにすることが、最 も好ましい。 特に、PoEV核酸と混成することを意図して、PoEVオリゴヌクレオチドを特定す ることもできる。これらは、既知の技術により合成され、ポリメラーゼ鎖反応ま たはシーケンス反応におけるプライマーとて、あるいはサンプル内におけるPoEV 物質の存在を検出するプローブとして、用いられる。オリゴヌクレオチドは、た とえば、放射能標識、化学発光標識または蛍光発光標識等のような、この分野で は既知の適切な標識を用いて標識化される。このように、本発明は、PoEVに特有 なオリゴヌクレオチド・プローブおよびオリゴヌクレオチド・プライマーをも提 供する。 「オリゴヌクレオチド」という語は、シーケンスが何か特別な長さを有すると いうことを意味するわけではなく、好ましくは少なくとも10ベース(たとえば 、1ベース〜1キロベース)の長さの、より好ましくは12ベース〜500ベー スの長さの、最も好ましくは15ベース〜100ベースの長さのヌクレオチドを 含 む。 PoEVに特有のオリゴヌクレオチドは、図1に示すシーケンスから決定され、既 知の技術によって操作される。これらは、そこに示されたストランドの一本また はこれに対応するRNA、あるいは該ストランドの部分と、実質的な同一性(たと えば、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも90%または少なくと も95%のシーケンスの同一性)を有する。こうした部分は、少なくとも10ベ ース、少なくとも30ベース、少なくとも50ベースまたは少なくとも200ベ ースの長さを有する。これは、ORF、またはその部分である。 通常30ベースよりも長いオリゴヌクレオチドは、上述した厳格な条件の一つ 以上の下で、サンプル・ポリヌクレオチドと混成し残すことが好ましい。通常3 0ベース未満の長さのオリゴヌクレオチドもまた、サンプル・ポリヌクレオチド と混成し残すことが好ましいが、この場合は、高度に厳格な異なった条件が必要 となる。30ベース未満のオリゴヌクレオチドの融解温度は、典型的に、次の公 式により計算される;(おのおのおAまたはTに対して2℃+おのおののGまた はCに対して4℃)−5℃。ハイブッリド形成は、どんなに特殊なオリゴヌクレ オチドの場合でも、上記公式により計算された融解温度、またはこれに近い温度 で、1%のSDSを含む6倍のSSCの中で行われる。その後、特に混成されないオリ ゴヌクレオチドは、厳格な洗浄によって取り除かれる。この洗浄は、たとえば、 同じ温度において、0.1%のSDSを含む3倍のSSCの中で行われる。こうして、 実質的に同様に一致したシーケンスだけが、すなわち、上述のオリゴヌクレオチ ドおよびこれに対応するPoEV核酸だけが、混成され残るのである。 通常30ベース未満の長さのオリゴヌクレオチドを、シーケンス研究および/ またはポリメラーゼ鎖反応研究に用いる場合も、その融解温度は、上記と同様の 方法で計算される。そして、オリゴヌクレオチドは、計算されたその融解温度に 近い温度で、アニールされ、または混成される。ポリメラーゼ鎖反応研究の場合 、アニール温度は、二つのプライマー・オリゴヌクレオチドについて計算された 融解温度うちの低い方と、およそ同じ温度である。なお、ここに示した条件およ び融解温度は、単に一例として提示したものであり、これに限定する意図ではな い。したがって、実験者の経験を通じて、ハイブッリド形成の条件を変更するこ とは 可能であり、上記の方法で計算された融解温度よりも高い温度で、オリゴヌクレ オチドをアニール/混成することも可能である。実際、こうした変更が、いわゆ る非特定ハイブッリド形成の発生を防ぐために、望ましい場合もある。 ポリメラーゼ鎖反応研究において、二つ以上の適切なPoEVオリゴヌクレオチド の組み合わせを用いた場合に、得られるであろうポリメラーゼ鎖反応物のサイズ は、予測可能である。この予測は、該オリゴヌクレオチドが、図1に示すシーケ ンスのどの位置で混成するかに基づいてなされる。こうしたポリメラーゼ鎖反応 をPoEVのDNAで行った場合に、予測通りのサイズの断片が得られたならば、今度 は、そのDNAはPoEVであるということが、予測される。 また、本発明は、次のようなPoEV検出キットを提供する。すなわち、本発明は 、PoEVに特有なオリゴヌクレオチドを少なくとも一つ含み、また、上記に概説し た試験形式用に必要とされる、あらゆる反応試剤、洗浄試剤、検出試剤、信号発 生剤等を含むPoEV検出キットを提供する。 また、本発明のもう一つ態様として、PoEV特有のポリヌクレオチドが、サンプ ル内のPoEVの検出に用いられる。 本発明のさらに一つの態様として、PoEV特有のポリヌクレオチドが、ポリメラ ーセ鎖反応における、サンプル内のPoEVの検出に用いられる。 当業者であれば、ポリヌクレオチド断片がどのように設計され、また、ポリメ ラーゼ鎖反応実験やサザン分析(すなわち、ハイブッリド形成研究)におけるプ ライマー/プローブとして、ブタの核酸内、またはブタから採取された細胞、組 織または器官サンプル(たとえば、肝臓、腎臓、心臓のような潜在的移植器官) 内に、PoEVポリヌクレオチドが存在するかどうか等を、調べるために、どのよう に用いられるかを理解するであろう。こうした細胞、組織または器官は、EP-A-0 493852に記載された手段により、または、この分野では既知のその他の手段によ り、作れ出された遺伝子移植動物から誘導され得る。したがって、これらの細胞 、組織または器官は、ヒトの中に活動する同族補完制限因子の一つ以上と結びつ き、補完活動を妨げ/減少させる可能性がある。 さらに、本発明のポリヌクレオチド断片は、ブタの動物細胞ゲノムに位置する 内生的PoEVの遺伝子構成を分析するためにも用いることができ、これにより、 改変されたプロウィルスおよび/またはゲノム座(たとえば、発現しないプロウ ィルスの遺伝子座)を、ブタの群の中からスクリーニングすることが可能となる 。このようなスクリーニング方法は、たとえば、発現したプロウィルスおよびゲ ノム座および/または伝染性のウィルス粒子を符号化しない遺伝子座を、生まれ つき欠いている動物の群におけるスクリーニングを、容易にする。 また、様々な試剤が、ヒトに感染可能な伝染性PoEVを発現しないブタを発育す るための補助剤として、上述したポリヌクレオチド断片から開発されるであろう 。こうしたブタであっても、なお、部分的に欠陥のあるゲノムを含む可能性があ り、その結果、非伝染性粒子、ウィルス・プロテインまたはウィルス・メッセン ジャーRNA(mRNA)の発現を招く可能性がある。これに代わる手段として、PoEV ポリヌクレオチド・シーケンスから誘導される構成を、生産的な伝染性PoEVをノ ックアウトする挿入型突然変異誘発体として作用させることも可能である。すな わち、上記のような突然変異誘発体を用いて、胚、胚の茎状細胞、または、生育 する胚を形成可能な全潜在的核を有する細胞内の、生産的な伝染性PoEVをノック アウトするのである。こように、ギャグ遺伝子、ポリメラーゼ遺伝子および/ま たはエンベローブ遺伝子の「ノックアウト」が構成されれば、内生的なPoEVの発 現を実質的に防止し、または減少させることを可能とする、ブタの発育プログラ ムの開発を促すことになろう。たとえば、試験管内で符号化シーケンスを削除し 、これにより得られた構成を、組換え技術を用いて生来のPoEVシーケンスと置き 換えることにより、PoEVのヌクレオチド・シーケンスを操作することが可能であ る。こうして、プロウィルスゲノムは、ブタの細胞内で不活性化される。ノック アウトを、胚および/または茎状細胞に導入することも可能であり、また、必要 であれば、この分野では周知のマイクロ操作技術を用いて、処理済みの核を標的 細胞から生殖細胞へと移し換えることもできる。本発明は、このような生殖細胞 から誘導された動物にも及ぶ。 こうして、ウィルス・プロテインの発現を抑制することが可能なアンチセンス 構成および/またはリボザイム構成を含むよう、遺伝子移植されたブタが生み出 されるであろうし、あるいは、PoEVプロテイン、またはプロテインの合成を妨げ るその他のプロテイン、もしくはウィルスの集合に対して、有効に作用する免 疫グロブリン分子の一本鎖を発現するよう、遺伝子移植されたブタも生み出され るであろう。同じような移植遺伝子、たとえば、PoEVの発現に否定的に作用する 調節因子の移転優性遺伝質を符号化する移植遺伝子、または、競争的で欠陥のあ る「ゲノムRNA」を符号化する移植遺伝子も、伝染性ビリオンの発生を減少さ せ、または排除するために用いられるであろう。アンチセンス核酸(たとえば、 アンチセンスmRNA)、リボザイム、またはその他の反ウィルス試剤を生成するこ とにより、ブタの中の生来的PoEV遺伝子座の発現を抑える試剤の生成が研究され るであろう。 ポリヌクレオチド断片は、標準的技術を用いて、原核細胞または真核細胞の発 現ベクター内に分子的にクローン化され、宿主に施される。発現ベクターは、細 胞および興味を示したポリヌクレオチド断片に受け取られ、プロテインを作り出 す。細胞表面のプロテインの存在は、宿主の免疫システムを刺激し、防衛機構の 一部として、該プロテインに対して免疫反応を示す抗体を作り出す。このように 、発現したプロテインは、ワクチンとして使用できる。 不活性化ワクチンは、PoEV細胞、またはPoEVを放出する細胞から作り出すこと ができる。こうしたPoEVに感染した細胞は、自然感染、またはPoEVプロウィルス ・クローンのトランスフェクションによって生成される。プロウィルス・クロー ンは、少なくとも一つのPoEV抗原プロペプチド上に符号化する分子クローンであ ることが、理解されよう。ウィルスおよび/または感染細胞を採取した後、これ らのウィルスまたは感染細胞を、たとえばホルムアルデヒト、グルテルアルデヒ ト、アセチレチレミン、またはその他の適切な薬剤もしくは工程で不活性化し、 この分野で一般に使用されている方法(CVMP Working Party on Immunologi cal Veterinary Medicinal Products 1993年;獣医学用不活性哺乳類バクテリア /ウィルス・ワクチンの製造および管理に関する一般的要求)を用いて、不活性 ワクチンを生成する。また、ギャグ遺伝子、ポリメラーゼ遺伝子およびエンベロ ーブ遺伝子によって符号化された個々のプロテインから、サブユニット・ワクチ ンが準備される。典型的にワクチンは、エンベローブ遺伝子の生成物を、単独で 含むか、あるいはギャグ遺伝子との組み合わせで含んでいる。なお、このギャグ 遺伝子は、バクテリア、コウボまたは哺乳類の細胞系における発現により 生成されたものである。 ワクチン接種を用いる技術に適した、単サイクル、または反復型の欠陥ウィル スベクターを発達させるよう、プロウィルス・クローンを工作することもできる 。この分野では知られたこうしたウィルスベクター(たとえば、「ネズミ白血病 レトロウィルス、アデノウィルスおよびヘルペスウィルス」AndersonWF.1992年 、「遺伝子療法」サイエンス256,P808-813)は、複製のために不可欠な遺伝子 を一つ以上削除されており、この欠落した遺伝子機能を、構成上もしくは条件上 、さらに異なる構成により(すなわち、プロウィルスPoEVクローンと相補的細胞 系の染色体DNAの中に組み込まれた構成により)発現している。このような細胞 系から放出されたPoEVビリオンは、ワクチン被接種者の第二の標的細胞に感染す る可能性はあるが、さらにそれ以上の感染性ウィルス粒子を作り出すことはない 。たとえば、ポリメラーゼの逆転写酵素ドメインを符号化するポリヌクレオチド ・シーケンスを、プロウィルスPoEVクローン、および相補的細胞系に組み込まれ たポリメラーゼの逆転写酵素ドメインから削除することができる。 本発明に包含されるポリヌクレオチド、ポリペプチド、PoEVを有さない細胞、 組織および/または器官は、治療、診断および/または治療方法に用いることが できる。また、本発明に包含されるポリヌクレオチド、ポリペプチド、PoEVを有 さない細胞、組織および/または器官は、治療または診断用の薬剤を調合するた めにも用いることができる。 さらに、PoEVの組換えポリヌクレオチド断片をクローニングし、発現すること により、反PoEV抗体およびその断片(特に、単一クローン抗体の断片)の生成が 容易となり、また、PoEVの組換えポリメラーゼおよび/またはエンベローブ・ポ リペプチドの生物学的な活動状態を、試験管内および生体内で評価することが容 易となる。こうした抗体は、生来的PoEVウィルスに対する診断上の検査に用いら れることになろう。 ここで取り上げられている特殊なPoEVポリペプチドには、自然発生的な変形が 存在するということが理解されよう。こうした変形は、各々の個体間に、あるい はSuidae種族(すなわち、ブタ科)の一員同士の間に、存在し得るが、これらは 、シーケンス全体におけるアミノ酸の違いにより、または、該シーケンスに おけるアミノ酸の削除、置換、挿入、転換、または追加より説明できる。このよ うなすべての誘導体、すなわち、活発なポリメラーゼおよび/またはエンベロー ブ・ポリペプチドの生理学的および/または免役遺伝学的活動を示すすべての誘 導体は、本発明の範囲に含まれる。たとえば、本発明の目的のために、以下に示 すグループ内のアミノ酸の間で、保守的な置換がなされ得る。 (I)アラニン、セリン、トレオニン; (II)グルタミン酸とアスパラギン酸; (III)アルギニンとロイシン; (IV)アスパラギンとグルタミン; (V)イソロイシン、ロイシンとバリン; (VI)フェニルアラニン、チロシンとトリプトファン さらに、組換えDNAテクノロジーは、上記に概説した様々な誘導体を符号化す る核酸シーケンスを、準備するためにも用いられる。 この分野ではよく知られたことだが、遺伝子暗号の縮退により、コドンにおけ る塩基の置換が可能となり、その結果、一つの同じアミノ酸を符号化することが 可能な異なるコドンが併在することとなる。たとえば、アミノ酸グルタミン酸に 対応するコドンには、GATとGAAの二つがある。したがって、次のことが明らかで ある。すなわち、図1のアミノ酸シーケンスにより示されたポリペプチドまたは その断片の発現は、図1に示した核酸シーケンスとは異なる上記のような代替コ ドンの組み合わせを用いた二次的核酸シーケンスによっても、作り出すことがで きる。 さらに、本発明の範囲には、以下の断片も含まれる。すなわち、図3に示すPo EVコアポリペプチド、ポリメラーゼポリペプチドおよび/またはエンベローブポ リペプチドから誘導された断片(この断片は、PoEVウィルスのコアポリペプチド 、ポリメラーゼ・ポリペプチドおよび/またはエンベローブポリペプチドの特性 を、なおも発揮する)、または、ウィルスのコアポリペプチド、ポリメラーゼポ リペプチドおよび/またはエンベローブポリペプチドの特性を符号化する核酸シ ーケンスから誘導された、あるいは、上記ウィルスのコアポリペプチド、ポリメ ラーゼ・ポリペプチドおよび/またはエンベローブ・ポリペプチドの特性 を符号化する図1、図2、図3および/または図4に示した核酸シーケンスから 誘導された断片も、本発明の範囲に入る。当然、当業者であれば、上記断片は、 GAG、POLおよび/またはENVポリペプチドの生理学的および/または免疫学的特 性を、実質的に保持しているということを、本発明の範囲の中に、理解するであ ろう。 本発明のPoEVポリヌクレオチド断片は、調節制御シーケンスと好ましく結びつ く。こうした制御シーケンスは、プロモーター、オペレーター、インデューサー 、エンハンサー、リボソーム結合サイト、ターミネーター等を含む。所与の宿主 に適した制御シーケンスは、この分野における通常の知識により選択される。 本発明のポリヌクレオチド断片は、様々な発現制御シーケンスと結紮され、最 終的には、いわゆる組換え核酸分子となる。したがって、本発明は、発現可能な PoEV核酸分子を有する発現ベクターをも含む。組換えPoEV核酸分子は、その後、 適切な宿主の形質変換に用いられる。こうした混成分子は、ベクター分子と呼ば れるが、これらは、たとえば、プラスミドや、バクテリオファージまたはウィル ス内に存在する核酸シーケンスから、好ましく得ることができる。 本発明の核酸シーケンスをクローン化するために用いられる特定ベクターは、 この分野では既知である(たとえば、Rodriguez,R.L.,Denhadt,D.T.,Edit.,V ectors:分子クローニング・ベクターおよびその用法に関する査察、Butterwort hs,1988年)。 本発明の組換え核酸分子を作り出するため用いられる方法は、当業者には既知 であり、なかんずくSambrookその他(分子クローニング:実験マニュアル、Cold Spring Harbour Labortory,1989年)に示されている。 また、本発明は、PoEVポリヌクレオチド断片を発現可能な形態で含んだ形質変 形細胞に関する。ここにいう「形質変形」とは、異種構造のポリヌクレオチド断 片を、宿主に導入することを指す。これには、この分野で知られるどような方法 を用いてもよい。たとえば、直接取り込み、トランスフェクション転換、電子ポ レーション(分子生物学における新しいプロトコル、1995年)が挙げられる。導 入された異種構造のポリヌクレオチド断片は、自己複製により保持され、または 択一的に、宿主のゲノムに一体化される。組換え核酸分子は、好ましく、指定 された宿主とうまく和合できる適切な制御シーケンスを与えられる。この制御シ ーケンスは、挿入されたポリヌクレオチド断片の発現を制御する役割を果たすが 、これには、たとえば、テトラサイクリン反応プロモーター、チミジン・キナー ゼ・プロモーター、SV-40プロモーター等がある。 組換え核酸分子の発現には、原核細胞系または真核細胞系の宿主が適している 。組換え核酸分子の発現に適した宿主は、バクテリア、コウボ、昆虫細胞および 哺乳類細胞から選択される。 組換えPoEVウィルスの核ポリペプチド、ポリメラーゼ・ポリペプチドおよび/ またはエンベローブ・ポリペプチドの生物学的半減期およびグリコシル化の度合 いは、生体内に用いる場合に重要であるため、コウボや棒状ウィルス・システム (これらは、進行およびグリコシル化の度合いが大きい)が好まれる。コウボの 変種であるPichia Pastorisは、組換えプロテインの発現に高いレベルの潜在能 力を示している(Clareその他、1991年)。また、棒状ウィルス・システムは、第 1型インターフェロンの生成に用いられ、成功をおさめている(Smithその他、19 83年)。 以下に、本発明の態様を具体例として記述するが、これらは単なる例示に過ぎ ず、本発明を限定するものではない。実施態様 実施例1 (ウイルス性RNAの調整) 指数関数的に成長するブタの腎臓細胞から誘導された上澄み液500ml(PK -15、アメリカ型培養コレクションCCL33)が、約11,000xgの遠心力で1 0分にわたって澄まされた。約110,000xgの遠心力で60分にわたって 澄まされた上澄み液からウイルスがペレットにされた。上澄み液を捨てて、ウイ ルス性RNAのゲノムの調製のためにウイルスペレットが保持された。Dynabeads( 商標)mRNA Directキットを使用して、製造業者のプロトコルに従い、ウイルス ペレットからRNAが調製された。500μlのTNE(10mMのTris HCl pH 8.0、0.1M NaCl,1mM EDTA)にPoEVウイルスペレットを懸濁させて、 2mlの溶解(lysis)・結合(binding)緩衝液を追加して、ビリオンを崩壊させ た。製造者の指示に従い、Dynabeads Oligo(dT)25が調整されて、ウイルス崩 壊の溶液に添加された。 ウイルス性RNAが、10分間Dynabeadを結合(binding)できるようにしてから 、上澄み液が取り除かれ、結合されたRNAがLids(0.5ml)の洗浄液で3回 洗浄され、緩衝液のみで2回洗浄された。該RNAが、25μlの溶離液で最終的 に懸濁された。すべての操作が大気温度で行われた。RNaseの汚染は、手袋の着 用、殺菌技術の観察、溶液、非使い捨てガラスおよびプラスチック容器のヂエチ ルピロカーーボネイト(DEPC)による処理で防止した。DEPC処理の殺菌水にRN Aが懸濁された。実施例2 (cDNAの合成) cDNAは、製造者の指示に従い、Great Lengths(商標)cDNA増幅逆転写酵素試 薬を使用して、純粋なゲノムRNAから合成した。RNAは、合成を極限化するために 、オリゴ(dT)およびランダムhexamerでプライマー処理した。 Great Lengths(商標)cDNA合成プロトコルは、相補的DNAライブラリを作 るための修正Gubler Hoffman(1983)に基づき、基本的には、第1ストランド合 成、第2ストランド合成、アダプタ結紮、および細分化からなる。 第1ストランド合成: ロックードック(lock-docking)プライマーのアニールを、プライマーの3’ 端のA、C、または残基の存在によりRNAのポリ−A終端の開始までさせる。こ れにより、ポリ−Aの長いストレッチの不必要な逆転写酵素を除いて、cDNA合成 の効率が上がる。さらに、使用された逆転写酵素は、wild形のMMLVやAMVの逆転 写酵素よりも安定して産出量の多いMMLV(RNase H)である。 第2ストランド合成: RNase Hに対するDNAポリメラーゼIの比率が最適化されることにより、第2 ストランド合成の効率が増大し、ヘアピンループの形成によるプライム処理が最 小にされた。第2ストランド合成の後に、ds cDNAがT4DNAポリメラーゼで処理さ れて、ブラント(blunt)端が形成される。 アダプタ結紮(ligation): cDNAは、前に存在したEcoRIの「粘性端」を有するように特殊に設計されたア ダプタに結紮される。このアダプタの使用は、リンカ(linker)の代わりに、メ チレートやEcoRIの必要性を排除し、cDNAを消化し、内部のEcoRI場を損じないで 残す。アダプタは、ブラント(blunt)端を5’リン酸化し、ブラント(blunt) 端を有するcDNAに有効な結紮を作る。 細分化: ds cDNAは、EcoRIの場でリン酸化しており、細分化により、結紮されていない アダプタや組み込まれないヌクレオチドが除かれる。得られたcDNAは、適当なEc oRI消化のベクターにクローニングのため使用できる。実施例3 (cDNAの分子クローニング) 細分化された断片が、EcoR I−消化pZEro(商標)−1プラスミドベクターDN A(Invitrogen Corporation,米国サンジェゴ)で結紮された・結紮混合物が適当 なTOP10F細胞を変成するために使用され、これらが、製造者の指示に従い (Zero Background(商標)クローニングキット−Invitrogen)、L-Agar含有ゼオ シン(zeocin)の上に置かれた。得られたゼオシン抵抗コロニーの数個がL-Brot h含有ゼオシンの中で増幅され、プラスミドDNAがアルカライン・リシス(Maniat is等、1982年)で純化された。 プラスミドDNAは、エンドヌクレアーゼEcoRIで、消化完成され、得られたDNA 断片は、1.0%アガローゼ・ゲル(Maniatis等、1982年)で電気泳動で分離さ れ、所定のサイズの断片がクローニングされたことを検査した。pPoEVと識別さ れたクローンは、そのあとの実験に使われた。実施例4 pPoEVプラスミドDNAは、一般の技術(Sambrook等、1989年)で純化し、ABI自 動シーケンサでシーケンス処理した。分子クローンの両ストランドからの重なる シーケンスプライマーが、ヌクレオチド・シーケンスの決定に使われた。 図1に、得られた第1のシーケンスを示す。このシーケンスは、924(ヌクレ オチド23-2793)および218(ヌクレオチド2642-3297)アミノ酸の2個のORF、そ れぞれpol、env遺伝子を符号化するものと、認められた。このシーケンスは、図 2に示すように修正されて、第2シーケンスにアップデイトされている。この第 2シーケンスは、516(ヌクレオチド576-2126)、1186(ヌクレオチド2143-5733) および656(ヌクレオチド5606-7576)アミノ酸の3個のORF、それぞれPoEV gag 、pol、env遺伝子を符号化するものと、認められた。この第2シーケンスは、図 3に示すように修正されて、アップデイトされている。この第3シーケンスは、 524(ヌクレオチド588-2162)、1194(ヌクレオチド2163-5747)および656(ヌク レオチド5620-7590)アミノ酸の3個のORF、それぞれPoEV gag、pol、env遺伝子 を符号化するものと、認められた。 開示されたシーケンスの相違は、得られたシーケンスの実施と分析の改良で反 映される。しかし、第1のシーケンスの21-2681位置と第3のシーケンスの2972- 5653位置との間の核酸レベルで100%識別ができる。全体に、第1のシーケン スの3310 bp全体の位置と第3のシーケンスの対応の位置との間で70.5%識 別ができる。 第2のシーケンスと第3のシーケンスの間には、ベースの変更は次のように3 つのみである。 ベース番号(図2から) 変更 2121 「G」の挿入 2157 「G」の挿入 5902 「R」から「A」に 7750 「M」から「A」に ベース番号5902と7700の変更は、対応のアミノ酸シーケンスに影響しない。し かし、ベース番号2121と2157の変更は、対応のアミノ酸シーケンスに、GAGの終 端とPOLの開始で影響する。GAGに対し、最終のアミノ酸「S」は「VLALEEDKD」 で置換されている。全体の製品寸法は、524のアミノ酸になっている。POLに対し ては、最初の5つのアミノ酸「PLJET」が除去れ、「GRR」に置換されている。全 体の製品寸法は、1194のアミノ酸になっている。 DNASTAR Inc.のLasergeneソフトウエア(DNASTAR)のアルゴリズムを使用して 決定された大部分のレトロウイルス(retrovimses)とpPoEVとの類似性が観察さ れた。類似性は、gibbon ape leukaemiaウイルス(GaLV)に、プローウイルス( pro-virus)のポィメラーゼ(pol)領域で、68.5%、ウイルスコア(gag) 領域で、59.2%、そしてエンベロープ(env)領域で、39.3%と、非常 に近かった。ヌクレオチド・シーケンスと、pPoEVインサートの主なORFを図3に 示す。最大のORF(ヌクレオチド2163-5747)がポリメラーゼ・ポリペプチドを符 号化し、最小のORF(ヌクレオチド588-2162、5620-7590)がコアとエンベロープ のポリペプチドを符号化する。実施例5 (培養された細胞、組織、血液からの細胞質DNAの純化) 培養された細胞 細胞は培養地に保持され、約5×107の細胞がDNA調製のために収穫された。 細胞は、遠心力でペレットにして、リン酸塩緩衝液の食塩液に再懸濁され、 1000gで2分遠心力処理し、上澄み液が捨てられた。 ブタの組織 ブタの組織のサンプルが液体窒素の中で凍結され、モルタル中で、また金属フ ォイルの間で磨砕され、粉末化された。このサンプルが、0.025M EDTA(p H8.0)、0.01M Tris.Cl pH8.0、0.5%SDS 20μg/ml R NAseおよび100μg/mlプロテイナーゼK(proteinase K,Maniatis等、19 82年)からなる抽出緩衝液5ml内に懸濁された。 ブタの血液 バッフィコート(buffy coat)が血液サンプルから用意された。20mlの サンプルが1000gで15分間遠心力処理された。バッフィコートは、緩衝液 に懸濁され、サンプルが1000gで15分遠心力処理された。このプロセスが もう一度繰り返された。このサンプルが、抽出緩衝液(Maniatis等、1982年)5 ml(3倍体積)と混合された。 純化 サンプル(すなわち、培養された細胞、ブタの組織、ブタの血液細胞)が、2 0μg/mlのRNAseと100μg/mlのプロテイナーゼKとを含むプロテイ ナーゼK抽出緩衝液に入れられ、37℃で約24時間消化された。脱タンパク質 化(deproteinised)されたDNAが、フェノールで2度、フェノールクロロフォル ムで2度抽出処理され、最終的にアンモニュームアセテートの存在で、エタノー ルで沈殿処理された。このDNAが、3000gで30分の遠心力処理で回収され 、上澄み液が捨てられた(Maniatis等、1982年)。ペレットは、70%エタノール で洗浄され、約1時間空気乾燥された。このDNAが、TrisEDTA(TE)緩衝液に溶 解され、spectrophotometry(Maniatis等、1982年)で純度と濃度が評価された 。実施例6 (ブタの組織と血液のサザーンブロット(Southern blot)分析) PoEVからのインサートを有する分予状でクローニングされたDNAが、PK-15細胞 線(アメリカ型培養コレクションCCL33)から誘導されたことを示すため に、DNAが細胞状のDNAに対してハイブリッド形成され、そのプロウイルスDNA検 出能力が検査された。 pPoEVから純化されたDNAが、放射線で標識化され、PK-15細胞から誘導された エンドヌクレアーゼ消化のDNAのサザーンブロットをプローブするのに使用され た。 プローブされたDNAは次の通りである。 a)EcoRIによる消化で線形にされたpPoEV DNAのコピー番号の制御。 haploid細胞ゲノム当たりの1コピーは6.84pgであると推定された。制 御は、1コピー、5コピー、10コピーのコピー数にておこなわれた。 b)PK-15 DNA。 c)ヒトの乳頭腫ウイルス型18DNAを宿すヒトの腺癌細胞から誘導された負制 御HeLa(アメリカ型培養コレクション集積CCL2)DNA。 d)異種反応型MuLVレトロウイルスを宿すネズミの骨髄腫細胞から誘導された 負制御SP20(動物細胞培養のヨーロッパコレクション85072401)DNA。 PK-15のブタのDNAのみから、ハイブリッド形成が観察された。負のヒトのおよ びネズミのDNAからは、信号が検出されなかった。PK-15DNAは細胞当たり10よ り多くのコピーを含有し、推定のコピー数は20であった。3つの主なEcoRI− エンドヌクレアーゼ消化のDNA断片の寸法は、約3.8kb、1.8kb、0. 6kbであった。組み替えpPoEVに検出された主な断片の大きさが比較しうる。 推定されたように、多数の断片がPK-15のゲノムDNAとpPoEVDNAに共通にある。 またXhol、BamHI、およびHindIIIで消化したDNAに観察されたパターンが一致し ていた。しかし、多数のエンドヌクレアーゼに寄るpPoEV DNAの消化で得られた 断片もあった。 pPoEVシーケンスも、ブタの精巣(アメリカ型培養コレクションCRL1746)およ び主なブタの腎臓細胞(Central Veterinary Laboratoryバッチco4495)に検出 されたが、ハムスタCHOKI(アメリカ型培養コレクションCCL61)またはネズミの NSO骨髄腫(myeloma)細胞(動物細胞培養のヨーロッパコレクション 85110503)には検出されなかった。 pPoEVからのインサートを有する分子状のクローニングDNAが、PK-15に加えて 、ブタの細胞や組織内のシーケンスを検出できることを示すために、pPoEVDNAが 、ブタから誘導された組織から細胞DNAに対してハイブリッド形成されて、プロ ウイルスDNAを検出する能力が検査された(Maniatis等、1982年)。 pPoEVから純化されたDNAは、放射線で標識化され、ブタの肝臓、kidney、心臓 、血液などの器官から誘導されたエンドヌクレアーゼ消化DNAのサザーンブロッ トをプローブするのにつかわれた。 プローブされたDNAは次の通りである。 a)EcoRIで消化されて線形化されたpPoEVのコピー数制御。 ハップロイド細胞ゲノム当たり1コピーは6.34pgと推定された。推定コ ピー数5、10、20、50に制御が存在した。 b)EcoRIで消化されたブタの組織から純化されたDNA。 すべてのブタのDNAにハイブリッド形成信号が観察された。 DNAは、細胞当たり5コピー含有していた。各DNAに約8つの明瞭なバンドが存 在した。エンドヌクレアーゼで消化された3つの主なDNA断片は約3.8kb、 1.8kb、0.6kbであった。実施例7 (ポリメラーゼ鎖反応(PCR)の増幅) オリゴヌクレオチドはPoEVゲノムから選択された。 上向プライマーは、5'-GGA AGT GGA CTT CAC TGAG-3'であった。 下向プライマーは、5'-CTT TCC ACC CCG AAT CGG-3'であった。 ポリメラーゼ鎖反応は、Saikiその他(1987年)の記載に基づいて行われた。 100ng/μlのテンプレートDNA1μlの1つが、200μMのdATP、DCTP 、dGTP、dTTP、30pmolの上記一対の両プライマー、1ユニットの DNAポリメラーゼ、および5μlの反応緩衝液を含む反応混合物に加えられた。 反応緩衝液は、200mMのTris-HCl pH8.4、500mMの塩化カリウム 、15mMの塩化マグネシウム、超純化水を含んだ。この溶液は、蒸発を防ぐた め、2滴の鉱物油で表面を覆われた。Perkin Elmer Cetusの熱サイクラーを用い て、35サイクルの増幅を行った。それぞれのサイクルは、次のように構成され た。すなわち、95℃で一分間DNAを変性させ、53℃で一分間アニールしてプ ライマーをテンプレートにし、72℃で一分間プライマーを伸張させた。最終サ イクル終了後、さらに、72℃における10分間の低温放置が実行され、部分的 完成物の伸張を可能とした。増幅完了後、10μlの反応混合物を、5%のアク リミドゲルを用いて電気泳動させた。DNAはエチジウムブロマイドで染色し、紫 外線(320nm)に晒すことにより、視覚化された。 このポリメラーゼ鎖反応(PCR)は、予想通り、pPoEVおよびブタ細胞からおよ そ787bpのシーケンスを増幅し、検出された分析物は、PoEVプロウィルスDN Aであることを示した。ブタではない起源の細胞には、何らシーケンスの増幅は 観察されず、したがって、このポリメラーゼ鎖反応および組換えクローンは、Po EV検出用の効果的かつ高感度な診断手段として利用可能であることが判明した。 二つのさらなるジゴヌクレオチドが、それぞれ、ポリメラーゼ(pol)遺伝子 の3’端、およびギャグ(gag)遺伝子のs’端に対して設計された。 3’ポリメラーゼ・オリゴヌクレオチドは、5'-GAT GGT TCT CCT GCC CTT TG- 3であった。 5’ギャグ・オリゴヌクレオチドは、5'-CGA TGG AGG CGAAGC TTA AGG-3'であ った。 上記オリゴヌクレオチドも、上述した条件に従い、ポリメラーゼ鎖反応に用い られた。ただしこの場合、アニール温度は58℃とされ、30サイクルの反復が 行われた。このポリメラーゼ鎖反応は、およそ468bpのシーケンスを、pPoE Vおよびブタ細胞から増幅した。実施例8 (大腸菌内におけるPoEVポリヌクレオチドの生成) ポリメラーゼ・ペプチドを符号化するオープン・リーディング・フレーム(OR F)を、PoEVクローンから隔離し、プラスミドpGEX-4T-1(Pharmacia社)の中に クローン化して発現させた。 大腸菌の遺伝子を様々な発現構成で形質変化させ、その培養菌2mlを37℃ におけるシェーキングで、後期ログ段階(0.6のO.D.600rull)に成長させ、 IPTGを0.1mMまで加えて誘導した。誘導された培養菌は、さらに2時間定温 放置され、その後、遠心分離によりバクテリアが収集された。バクテリアのペレ ットは、SDS-PAGEのサンプル緩衝液の中で沸騰させることにより、溶解され、誘 導されたバクテリアのプロテイン分析が、12%のアクリミドゲル上で行われ、 (Laemmli、1970年)、その後バクテリアは、coomassieの光る青い染料で染色され た。実施例9 (Rajiクローンの隔離および部分的シーケンス) この研究の目的は、ヒトの細胞系「Raji」が、ブタの腎臓細胞(PK15)内に存 在するPoEVの感染を、受けるか否かを確認することであった。ウィルスの異種反 応能力を検査するため、20回にわたって、PK15細胞を、Bリンパ胚細胞系(Ra ji)と共に培養した。 培養システムとしては直接培養とトランスウェル(transwell)を用いた。こ のシステムでは、ヒトの細胞とブタの細胞は分離されてはいるが、ウィルスは両 者を隔てている薄膜を通過することができる。5回の培養ごとに、ヒトの細胞系 からの上澄み液にレトロウィルスが存在するかどうが、逆転写酵素分析物により 検査された。 細胞培養物 ブタの腎臓(PK15)細胞(ATTCC CCL 33)が、PoEVの起源として用いられた。 PK15細胞との共培養に用いられたヒト細胞は、リンパ胚に似たBurkitts リンパR aji(ATCC CCL 86)細胞系であった。この細胞系は、本発明者たちが検査したと ころでは、内生的レトロウィルスを潜伏させておらず、逆転写酵素の活 動を欠くものであった。 共培養 Raji細胞は、2本の80cm2のフラスコ内で、PK15細胞と直接的に共培養さ れ、20回の培養期間を通じて、PK15細胞に晒された。細胞は、一週間に2回づ つ経過観測され、PK15細胞が、必要に応じて、ストック培養物から補充された。 5回の経過観測ごとに、Raji細胞のサンプルを共培養物から取り出し、洗浄し、 3〜4日間培養した。その後、上澄み液を採集し、逆転写酵素分析物により、レ トロウィルスが存在するかどうかが検査された。 結果 検出細胞培養物から採取された上澄み液に、Mn2+陽イオンを好む逆転写酵素 活動が存在すれば、このことは、ブタレトロウィルスによる感染を示唆している ことになる。5回目の経過観察では、二重培養の試験培養物中に、Mn2+のテン プレートを好む逆転写酵素活動を、検出できなかったが、10回、15回および 20回目の経過観察では、検出した。逆転写酵素に兆候的な活動は、負制御の培 養物には検出されなかった。正制御の培養物からは、5回目と20回目の経過観 察において、Mn2+のテンプレートを好む逆転写酵素活動が検出された。感染し たraji培養物を、単細胞へと希釈化し、細胞を抜粋して別々に培養した。こうし て、単一の細胞に起源を発する、それぞれの培養物を得て、これらを逆転写酵素 分析物により検査した。 ゲノムDNAが、実施例5に示した純化により、逆転写酵素陽性クローンから作 られた。PoEVのエンベローブ領域が、下記に示すポリメラーゼ鎖反応(PCR)に より増幅され、その生成物をpMOS blue T-vector(Amersham)に分子的にクロー ン化した。この分子クローンは、その後、シーケンス処理された(図4)。 ポリメラーゼ鎖反応(PCR) オリゴヌクレオチドは、PoEVゲノムから選択された。 上向プライマーは、5'-GAT GGC TCT CCT GCC CTTTG-3'であった。 5’基の位置:5240 下向プライマーは、5'-CCA CAG TCG TAC ACC ACG-3'であった。 5’基の位置:8144 予測される生成物のサイズ:2904bp およそ1μgのゲノムrajiクローンDNAが、200μMのdATP、dCTP、dGTP、d TTP、上記一対のそれぞれのプライマーを30pM、1μTaqのDNAポリメラーゼ 、および5μlの反応緩衝液を含む50μlの反応混合物に加えられた。反応緩 衝液は、200mMのTris.Cl pH8.4、500mMの塩化カリウム、15 mMの塩化マグネシウム、超純化水を含んだ。この溶液は、蒸発を防ぐため、2 滴の鉱物油で表面を覆われた。30サイクルの増幅が行われ、その後、伸長反応 を72℃で1時間延長した。サイクルは、以下のように構成された。 95℃ 1分 56℃ 1分 72℃ 1分 ポリメラーゼ鎖反応(PCR)生成物は、例7に記述した方法で視覚化された。 予想される生成物のサイズ:−3Kb クローニング ポリメラーゼ鎖反応(PCR)生成物は、pMOS-Blue T-vector内に、製造者の指 示にしたがって(pMOS-Blue T-vectorキット−Amersham)分子的にクローン化さ れた。形質変形された20のコロニー(クローン)が、取り出され、50μg/ mlのアンピシリンを含む5mlsのL−ブロスに加えられた。この培養物を、 37℃で、一晩シェーキングして、成長させた。パーフェクト・プレップ・プラ スミド隔離キットを用いて、製造者の指示に従い(5P rime-3 Prime Inc.Boulde r,CO,USA)、プラスミドDNAを、それぞれのクローンから隔離した。 プラスミドDNAは、エンドヌクレアーゼEcoRIおよびHindIIIで消化完成され、 エチジウムでブロマイド染色した1%のアガローセゲル上に視覚化された。PoEV 細胞から誘導されたPK-15細胞系に予測される結合パターンと、同様の結合パタ ーンを示すクローン(raji envクローン)がシーケンシング用に選ばれた。 シーケンシング 上記のように準備されたRajiエンベローブ遺伝子クローンのプラスミドDNAが 、ABIの自動シーケンサー、および商業的に入手可能なT7シーケンシングプ ライマーを用いて、シーケンス処理された。「Raji」のエンベローブ遺伝子領域 全体が、シーケンス処理されたが(図4参照)、核酸およびアミノ酸の両レベルに おいて、PK-15からのPoEVシーケンスと実質的な同一性(それぞれ98.9%、 96.3%)を有していることが発見された。実施例10 系統発生学的分析 系統発生学的分析が、PHYLIPパッケージを用いて行われた。シーケンスの隔た りが、PROTDISTプログラム(Dayhoff matrix)を用いて計算され、NIEGHBOURプ ログラムを用いて、近隣結合型の非ルーツ式系図を再現した。Bootstrappingが 、SEQBOOTプログラムを用いて作成したポリメラーゼ遺伝子列200コピーを用 いて行われ、CONSENSEプログラムを用いて、同系の系統図(図5参照)を得た。 Bootstrapのパーセンテージが、分岐点に、100%には満たない数値で示され ている。このデータは、PoEVは、テナガザル、ネズミ、ネコの白血病ウィルスに 代表されるC型腫瘍ウィルスと、密接な関係を有してはいるが、これとは区別さ れるということを示している。 また、系統発生学的系図が、最大限可能性アルゴリスム(maximum likliehoo d algorithm;Dayhoff matrix)を用いて、ポリメラーゼ遺伝子列から、作成さ れた。この系図は、上記ポリメラーゼ遺伝子の近隣結合型(NJ)系図と、他の哺 乳類C型ウィルスとの関係におけるBaEV系の位置が異なるだけであり、BaEV分岐 の下部のbootstrapについては、NJ系図における観察と一致いていた。実施例11 LTR および近隣領域の分析 ロング・ターミナル・リピート(LTR)は、プロウィルスのそれぞれの末端に 、何度も長く繰り返されるシーケンスであり、RNAゲノムの逆転写や、プロウィ ルスDNAの統合に必要とされるシーケンスを含むばかりでなく、プロウィルスの 転写を抑制するエンハンサーやプロモーターをも含んでいる。3つLTRドメイン が認識されており、U3、R、およびU5で表される。LTRは、U3とU 5のそれぞれ5’端と3’端に、AATGAAAGGおよびCCTTTCATTが反対に繰り返して 示されることにより、識別できる。LTR ドメイン PoEV ゲノムシーケンス 長さbp 図3に従って U3 7638-8106 469 R* 8107-8188,1-61 82 U5 62-143 82 *Rの位置は、ここでは、MuLV LTRの3’端との近似性により定めており、TA TAボックスのおよそ24bp下流に観察されたキャップサイトの位置と適合して いる。 図6に示されているように、U3領域は、多数の潜在的転写サイトを含んでい る。U3領域の大部分は、保存サイトまたは反復要素を示す他の哺乳類のC型レ トロウィルスとは、殆ど、もしくは全く相同性を示さない。しかしながら、U3 の3’端へ向かう領域、およびR、U5に入る領域には、他の哺乳類のC型ウィ ルスとの相同性が見られる。潜在的転写因子サイトの中から、以下にいくつかを 示す: LyF-1は、リンパ細胞特有遺伝子用の新種のプロモーター(Loその他1991年) と相互に作用し合う転写調節因子である。 E47は、ネズミ白血病ウィルスのエンハンサーと結びつく新種の組織特有エン ハンサープロテインの原型である。 ETS-1は、主として造血系統に発現される転写因子である。 LTRは、80006-8062および8045-8101に、直接反復を含むが、これらは、ともに 3つの潜在的CCATTボックスを含む。潜在的TATAボックスは、8129-8144に位置す る。 R領域は、PADS(Poly A downstream element)および一致するアデニン重合 信号(AATAAA)を含む。 PoEVのプライマー結合サイト(PBS)は、グリシリン(2)tRNAであるが、 今のところ、グリシリン(2)tRNAが外因性レトロウィルスに見られたという報 告はない。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】平成10年6月24日(1998.6.24) 【補正内容】 請求の範囲 1.図1、2、3または4に示される、次の各要素からなる隔離されたポリヌク レオチド断片、その派生物またはそれに対応するRNAシーケンス: (a)少なくとも1つのブタのレトロウイルス(PoEV)発現体を符号化する、 (b)前記(a)の発現体の生理化学的に活性なおよび/または免疫原的な誘 導体と実質的に同様な生理化学的に活性なおよび/または免疫原的な誘導体を示 す発現体を符号化する、または、 (c)上記(a)、(b)で定義されたポリヌクレオチドシーケンスに相補的な ポリヌクレオチド断片。 2.次の各要素からなる請求項1に記載の隔離されたポリヌクレオチド断片: (a)図3または図4に示されるアミノ酸シーケンスを有するポリペプチドを 少なくとも1つ符号化する、 (b)前記(a)の発現体の生理化学的に活性なおよび/または免疫原的な誘 導体と実質的に同様な生理化学的に活性なおよび/または免疫原的な誘導体を示 す少なくとも1つのポリペプチドを符号化する、または、 (c)上記(a)、(b)で定義されたポリヌクレオチドシーケンスに相補的な ポリヌクレオチド断片。 3.次の各要素からなる請求項1または2に記載の隔離されたポリヌクレオチド 断片: (a)ポリメラーゼ(POL)ポリペプチドを符号化する、 (b)前記(a)のポリメラーゼ(POL)ポリペプチドの生理化学的に活性な および/または免疫原的な誘導体と実質的に同様な生理化学的に活性なおよび/ または免疫原的な誘導体を示すポリペプチドを符号化する、または、 (c)上記(a)、(b)で定義されたポリヌクレオチドシーケンスに相補的な ポリヌクレオチド断片。 4.次の各要素からなる請求項2に記載の隔離されたポリヌクレオチド断片: (a)ビリオンコアポリペプチド(GAG)および/またはエンベロープポリペ プチド(ENV)を符号化する、 (b)前記(a)のビリオンコアポリペプチド(GAG)および/またはエンベ ロープポリペプチド(ENV)の生理化学的に活性なおよび/または免疫原的な誘 導体と実質的に同様な生理化学的に活性なおよび/または免疫原的な誘導体を示 すポリペプチドを符号化する、または、 (c)上記(a)、(b)で定義されたポリヌクレオチドシーケンスに相補的な ポリヌクレオチド断片。 5.図2または図3に示されたシーケンスと少なくとも90%のシーケンスの同 一性を示す、次の各要素からなる隔離されたポリヌクレオチド断片: (a)ブタレトロウィルス(PoEV)のビリオンコアポリペプチド(GAG)、ポ リメラーゼ(POL)およびエンベロープポリペプチド(ENV)を符号化する、 (b)前記(a)のGAG、POLおよびENVポリペプチドの生理化学的に活性なお よび/または免疫原的な誘導体と実質的に同様な生理化学的に活性なおよび/ま たは免疫原的な誘導体を示すポリペプチドを符号化する、または、 (c)上記(a)、(b)で定義されたポリヌクレオチドシーケンスに相補的な ポリヌクレオチド断片。 6.請求項1〜5のいずれかに記載のポリヌクレオチド断片を有する組換え核酸 分子。 7.組換え核酸分子が、ポリヌクレオチド断片の発現を制御するためにポリヌク レオチド断片に機能的に結合する制御シーケンスを有する請求項6に記載の組換 え核酸分子。 8.請求項6または7に記載の組換え核酸分子を有するベクター。 9.ウイルスまたはプラスミドである請求項8に記載のベクター。 10.請求項1〜9のいずれかに記載のポリヌクレオチド断片、組換え核酸分子 、またはベクターにより形質変成された原核生物型または真核生物型宿主細胞。 11.POL活性を有する図3に示すアミノ酸シーケンスを含む組換えPoEVポリペ プチド。 12.図3に示すGAGアミノ酸シーケンスと少なくとも95%のシーケンス同一 性を有するアミノ酸シーケンスを含む組換えPoEVポリペプチドまたはその誘導体 。 13.図3または図4に示すENVアミノ酸シーケンスと少なくとも75%のシー ケンス同一性を有するアミノ酸シーケンスを含む組換えPoEVポリペプチドまたは その誘導体。 14.図3または図4に示すシーケンスまたは該PoEVポリペプチドの生理化学的 に活性なおよび/または免疫原的活性を含むポリペプチド誘導体組換えPoEVポリ ペプチドまたはその誘導体。 15.請求項11〜14のいずれかに記載の組換えPoEVポリペプチド、または不 活性なPoEVウイルスおよび医学的に許容されるキャリアを有するワクチン。 16.請求項11〜14のいずれかに記載のポリペプチドまたは誘導体に対する 反PoEV抗体または断片。 17.図1、2、3または4に示されるPoEVポリヌクレオチド断片と、特に混成 することができ、かつ、鎖の伸張をプライマーの3’端から開始することができ るが、PoEVではないシーケンスからは、正確には鎖の伸張を開始できないポリヌ クレオチドプライマー。 18.厳格な条件下で、図1、2、3または4に示されるポリヌクレオチドシー ケンスと特に混成することができるが、厳格な条件下でPoEVではないシーケンス とは混成しないポリヌクレオチドプローブ。 19.図1、2、3または4に示される分子のストランドと、またはその相補的 なストランド、対応のRNA分子または該分子の一部を有する、と同一の実質的な ヌクレオチドシーケンスを有する請求項17または18に記載のプローブまたは プライマー。 20.請求項17〜19のいずれかに記載のポリヌクレオチドプライマーまたは プローブを有するPoEV検出キット。 21.サンプル中のPoEVの検出における請求項17〜19のいずれかに記載のPo EV特性ポリヌクレオチドプライマーまたはプローブの使用。 22.サンプル中のPoEVを検出するためのポリメラーゼ鎖反応における請求項1 7または19のいずれかに記載のPoEV特性ポリヌクレオチドプライマー1つまた は複数の使用。 23.図1、2、3または4に示したポリヌクレオチドシーケンスから誘導され るポリヌクレオチドシーケンスを用いることにより伝染性のPoEVを発現しないよ う操作されたブタの胚、胚の茎状細胞、または生育する胚を形成可能な全潜在的 核を有する細胞。 24.胚、胚の茎状細胞、または生育する胚を形成可能な全潜在的核を有する細 胞から得ることができるブタ。 25.請求項24に記載のブタから得られる細胞、組織または器官。 26.ワクチンの調整に用いるための請求項11〜14に記載のいずれかの組換 えPoEVポリペプチドまたはその機能的に活性な誘導体。 27.サンプルにおけるPoEV核酸の存在を検出することのできる検出キットの調 製における請求項17〜19に記載のポリヌクレオチドプライマーまたはプロー ブの使用。 28.治療または診断に使用する薬剤の調製における請求項1〜5、11〜13 、25のいずれかに記載のポリヌクレオチド、ポロペプチド、細胞、組織、また は器官。 29.治療または診断における請求項1〜5、11〜13、25のいずれかに記 載のポリヌクレオチド、ポロペプチド、細胞、組織、または器官の使用。 30.ここまでに実質的に記載された発明。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 1/19 C12N 1/19 1/21 1/21 5/10 C12Q 1/68 A C12Q 1/68 C12N 5/00 B //(C12N 15/09 ZNA C12R 1:92) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU ,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH, CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,G B,GE,GH,HU,IL,IS,JP,KE,KG ,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT, LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,N O,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG ,SI,SK,TJ,TM,TR,TT,UA,UG, US,UZ,VN,YU (72)発明者 ハワース,クリスチーヌ イギリス国、ジー11 7ジェイイー、グラ スゴー、ブルームヒル、マリボラフ アヴ ェニュー 139番地 (72)発明者 リース,ジリアン,マーガレット イギリス国、ジー77 5エイチディー、グ ラスゴー、ニュートン ミールンス、カー クベール ドライブ 5番地 (72)発明者 スミス,ケニス,トーマス イギリス国、ジー77 5エイチディー、グ ラスゴー、ニュートン ミールンス、カー クベール ドライブ 5番地

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.次の各要素からなる隔離されたポリヌクレオチド断片: (a)少なくとも1つのブタのレトロウイルス(PoEV)発現体を符号化する、 (b)前記発現体の生理化学的に活性なおよび/または免疫原的な誘導体を符 号化する、または、 (c)上記(a)、(b)で定義されたポリヌクレオチドシーケンスに相補的な ポリヌクレオチド断片。 2.次の各要素からなる請求項1に記載の隔離されたポリヌクレオチド断片: (a)ポリメラーゼ(POL)ポリペプチドを符号化する、 (b)上記(a)のポリペプチドを生理化学的に活性なおよび/または免疫原的 な誘導体を符号化する、または、 (c)上記(a)、(b)で定義されたポリヌクレオチドシーケンスに相補的な ポリヌクレオチド断片。 3.次の各要素からなる請求項1に記載の隔離されたポリヌクレオチド断片: (a)ビリオンコアポリペプチド(GAG)および/またはエンベロープポリペ プチド(ENV)を符号化する、 (b)上記(a)のポリペプチドを生理化学的に活性なおよび/または免疫原 的な誘導体を符号化する、または、 (c)上記(a)、(b)で定義されたポリヌクレオチドシーケンスに相補的な ポリヌクレオチド断片。 4.次の各要素からなる請求項1に記載の隔離されたポリヌクレオチド断片: (a)ビリオンコアポリペプチド(GAG)、ポリメラーゼ(POL)およびエンベロ ープポリペプチド(ENV)を符号化する、 (b)上記(a)のポリペプチドを生理化学的に活性なおよび/または免疫原 的な誘導体を符号化する、または、 (c)上記(a)、(b)で定義されたポリヌクレオチドシーケンスに相補的な ポリヌクレオチド断片。 5.ポリヌクレオチド断片が、デオキシリボース核酸(DNA)断片である請求 項1〜4のいずれかに記載の隔離されたポリヌクレオチド断片。 6.次の各要素からなる前記請求項のいずれかに記載の隔離されたポリヌクレオ チド断片: (a)図3または4に示されるアミノ酸シーケンスを有する少なくとも1つの ポリペプチドを符号化する、 (b)上記(a)に定義の少なくとも1つのポリペプチドの生理化学的に活性 なおよび/または免疫原的な誘導体であるポリペプチドを符号化する、または、 (c)上記(a)、(b)で定義されたポリヌクレオチドシーケンスに相補的な ポリヌクレオチド断片。 7.次の各要素からなる前記請求項のいずれかに記載の隔離されたポリヌクレオ チド断片: (a)図1、2、3または4に示されるORFの少なくとも1つ、またはこれに 対応のRNAシーケンスを有する、 (b)上記(a)に記載のシーケンスと同一の実質的なヌクレオチドシーケン スを有するシーケンスを有する、または、 (c)上記(a)、(b)に記載されたシーケンスに相補的なシーケンスを有す る。 8.請求項1〜7のいずれかに記載のポリヌクレオチド断片を有する組換え核酸 分子。 9.組換え核酸分子が、ポリヌクレオチド断片の発現を制御するためにポリヌク レオチド断片に機能的に結合する制御シーケンスを有する請求項8に記載の組換 え核酸分子。 10.請求項8または9に記載の組換え核酸分子を有するベクター。 11.ウイルスまたはプラスミドである請求項10に記載のベクター。 12.請求項1〜11のいずれかに記載のポリヌクレオチド断片、組換え核酸分 子、またはベクターにより形質変成された原核生物型または真核生物型宿主細胞 。 13.POL PoEV生理化学的および/または免疫原的活性を示す組換えPoEVポリペ プチドまたはその誘導体。 14.GAGおよび/またはENV PoEV生理化学的および/または免疫原的活性 を示す組換えPoEVポリペプチドまたはその誘導体。 15.GAG、POLおよびENV PoEV生理化学的および/または免疫原的活性を示す組 換えPoEVポリペプチドまたはその誘導体。 16.図3または4に示されるシーケンスを有する請求項13〜15に記載のい ずれかの組換えPoEVポリペプチドまたはその機能的に活性な誘導体。 17.請求項13〜16のいずれかに記載の組換えPoEVポリペプチド、または不 活性なPoEVウイルスおよび医学的に許容されるキャリアを有するワクチン。 18.請求項13〜16のいずれかに記載のポリペプチドまたは断片に結合可能 な抗体または断片。 19.PoEV特性であるポリヌクレオチドプライマー。 20.PoEVポリヌクレオチドシーケンスに対し具体的にハイブリッド形成できる ポリヌクレオチドプローブ。 21.図1、2、3または4に示される分子のストランドと、またはその相補的 なストランド、対応のRNA分子または該分子の一部を有する、と同一の実質的な ヌクレオチドシーケンスを有する請求項19または20に記載のプローブまたは プライマー。 22.請求項19〜21のいずれかに記載のポリヌクレオチドプライマーまたは プローブを有するPoEV検出キット。 23.サンプル中のPoEVの検出におけるPoEV特性ポリヌクレオチドの使用。 24.サンプル中のPoEVの検出のPCRにおけるPoEV特性ポリヌクレオチドの使用 。 25.ヒトに感染する感染性PoEVを出さないように変成したブタ。 26.請求項25に記載のブタから得られる細胞、組織または器官。 27.ワクチンの調製における請求項13〜16に記載の組換えPoEVポリペプチ ドの使用。 28.サンプルにおけるPoEV核酸の存在を検出することのできる検出キットの調 製における請求項19〜21に記載のポリヌクレオチドプライマーまたはプロー ブの使用。 29.治療または診断における請求項1〜7、13〜16、26のいずれかに記 載のポリヌクレオチド、ポロペプチド、細胞、組織、または器官の使用。 30.治療または診断に使用する薬剤の調製における請求項1〜7、13〜16 、26のいずれかに記載のポリヌクレオチド、ポロペプチド、細胞、組織、また は器官。 31.ここまでに実質的に記載された発明。
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