JP2000508491A - 伸縮アンテナ組立体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 アンテナが収縮位置から開放されたときアンテナを自動的に伸長させるための偏向力は、案内部材の一部に内臓される圧縮ばねによって得られる。案内部材のばね内臓部分と、案内部材の収縮アンテナ収納部とは非直線的な位置関係にある。この伸縮アンテナ組立体は携帯通信機器のアンテナを引き伸ばすために両手を使うという不都合を、機器の寸法や重量を増すことなく解消するものである。

Description

【発明の詳細な説明】 伸縮アンテナ組立体 本発明は一般的には携帯用または移動体通信機器用の手動伸縮アンテナ、特に 自動的に動作位置まで伸長可能な上記アンテナに関するものである。 発明の背景 携帯型セルラー電話やその他の移動体通信機器では、外形の小型化、非動作時 の偶発的なアンテナ損傷防止、使用者の被る電磁界強度の低減化のために、伸縮 アンテナが要望され、また広く使用されている。一般に、携帯型通信機器、特に 携帯電話の伸縮アンテナは手動で伸縮するようになっている。携帯電話のアンテ ナを手動で伸ばすのは「両手」作業であり、特に使用者が何か手荷物を持ちなが ら急いで着信に応答する場合、取扱い難く不便である。 自動車などの車両には一般に動力式伸縮アンテナが使用されている。しかし、 その構造は携帯機器に直ちに応用することはできない。理由は、その駆動機構が 比較的重く、かなりの収納スペースを要し、実用的な電池寿命を縮めるからであ る。 伸縮アンテナ収納ケースに十分な深さが求められることも、小型携帯用通信機 器に伴う問題である。アンテナ長は一般に機器本体の高さ以上であるので、アン テナを収縮させるには最低限の縦方向空間が必要である。これは携帯電話器が益 益小型になる最近の傾向に伴なって、さらに重要な課題となる。この問題に対処 するにあたって、伸長状態のアンテナを十分に長くするため、収縮時に機器ケー ス内で折れ曲がるフレキシブルアンテナを備えた電話機がある。 したがって、携帯通信機機を使用しないときはラッチ等のロック機構によって アンテナを収縮位置に保持し、ロック機構が開放されたときに自動的に自己伸長 する携帯通信機機用アンテナが望まれる。また、伸縮アンテナ組立体は、アンテ ナを伸ばすときに電力を必要としないこと、小型軽量であること、製造コストが 安い単純構造であることが望ましい。 発明の概要 伸縮アンテナ組立体は本体構造の中に取り付けられたアンテナを有し、本体構 造は伸長時のアンテナを保持するとともに、収縮時のアンテナを保護、収納する 。本体構造の中には案内部材が含まれ、この案内部材は収縮状態のアンテナを収 納する第１の部分と、第１の部分とは非直線的な位置関係にある第２の部分とを 有する。第２の案内部材内には圧縮ばねが配置され、このばねがアンテナに偏向 力を与えることによってアンテナを伸長位置へ付勢する。伸縮アンテナ組立体は また、アンテナを選択的に収縮位置に保持する手段も備えている。 本発明を実施する伸縮アンテナ組立体のその他の特徴としては、案内部材が本 体構造内の内部通路や溝で画定されるか、あるいは本体構造によって支持される 中空部材で画定されることである。 図面の簡単な説明 図１は本発明を実施する伸縮アンテナ組立体を、アンテナ伸長状態で示す図。 図２は本発明を実施する伸縮アンテナ組立体を、アンテナ収縮状態で示す図。 詳細な説明 本発明を実施した伸縮アンテナシステム１０はアンテナ１２を有しており、図 １はアンテナの伸長位置、図２は本体構造１４の内部に引っ込んだアンテナの収 縮位置を示す。本体構造の典型としては、携帯型電話やセルラー電話などの移動 体通信装置のケースまたはフレーム部である。そして、その構造は伸長状態のア ンテナ１２を保持する機能と、収縮時のアンテナの保護容器としての機能を持つ 。 好ましい実施例における要点は、ポリテトラフルオロエチレン（ＰＴＦＥ）や ナイロンのような非導電性プラスチック製の低摩擦性、小口径フレキシブルチュ ーブで形成される案内部材１６が、伸縮アンテナシステム１０に含まれることで ある。案内部材１６は収縮時のアンテナ１２を収納する第１の部分１８と、圧縮 ばね２２の収容スペースとしての第２の部分２０とを備えている。ばね２２はア ンテナ１２の下端と物理的に接触しており、アンテナ１２を押し込むと圧縮され る。案内部材１６の第１の部分１８と第２の部分２０との配置関係は非直線的で あつて、第２の部分２０はケース１４の内部で２次元または複合３次元的に湾曲 させることが可能である。しかし、アンテナ１２がフレキシブルでない場合は、 案内部材１６の第１の部分１８は図示されるようにアンテナ１２に対して直線的 に配置する必要がある。また、案内部材１６は、その第２部分２０の曲げ半径が 、ばね２２の実用的曲げ半径を超えたり、ばね２２と案内部材１６の内壁の間で 過大な摩擦を引き起こすほどシャープであってはならない。 フレキシブル案内部材１６は、ケース１４と一体成型された１個以上の止めク リップ２４を用いてケース１４内部の所望位置に保持されることが好ましい。止 めクリップ２４は案内部材１６の外径より僅かに小さい開口と、案内部材１６の 外径と略同一の内径を持つ。それにより、案内部材１６はカチッと定位置に収ま り、クリップ２４によって確実に保持される。 案内部材１６はまた、本体構造１４の内部に一体的な通路または開放Ｃ形溝と して形成することも可能である。単体チューブを用いる構成、内部の通路または 溝を用いる構成、いずれの構成においても、電話機や機器のケース内における不 用空間を利用して案内部材１６を湾曲させることが可能であり、そのため、特に 縦方向に余分の容積を必要としなくなる。 図の例では、ばね２２は、横弾性係数が約１２０，０００ｐｓｉ（８２，７０ ０Ｎ/ｍ²）、直径０．００８ｉｎ（０．２ｍｍ）のスチール線で形成され、コイ ル外径が０．０６２ｉｎ（1．６ｍｍ）、ばね率が０．１１ ｌｂ／ｉｎ(１９． ３Ｎ／ｍ)である。携帯電話に広く使用されるタイプの典型的な四分の一波長ア ンテナは、伸長状態の長さが３．５インチ（８．９ｃｍ）、重量が０．０２ポン ド（９ｇ）である。アンテナ１２が完全伸長状態のとき、伸長状態を維持するた めにばねから十分な偏向力がアンテナに加わること、つまり、伸長時にアンテナ １２に加わるばね力がアンテナ１２の重量すなわち質量より大きいことが望まし い。したがって、ばね２２の自由長すなわち非圧縮時の長さを、アンテナを伸ば すときに必要な長さより長く、例えば、作用長または伸び長を約４．０ｉｎ（１ ０．２ｃｍ）とすることにより、アンテナが伸びきったとき、ばね２２の残留圧 縮長がさらに０．５ｉｎ（１．３）だけ長くなる。図の例では、この残留非圧縮 長によって、上述したアンテナ１２の質量を大幅に上回る０．０５５ １ｂ（０ ．２４Ｎ）の偏向力が得られる。 ばね設計分野で周知の方程式によれば、上述の例では、ばね２２は約２３４回 巻きコイルとなり、完全圧縮状態すなわち実質的に固体状態で長さが約１．８７ ｉｎ（４．７５ｃｍ）、完全伸長状態の長さすなわち自由長が５．８７ｉｎ(１ ４．９ｃｍ)である。したがって、案内部材１６の全体長は約６ｉｎ（１５．２ ｃｍ）であり、その一部で、第２の部分２０の底部で案内部材１６の端部に隣接 する例えば約０．１ｉｎ（０．２５ｃｍ）の部分をシールすることにより、ばね ２２の先端の作用面が得られる。 本発明を実施する伸縮アンテナ組立体１０は、選択的に図２の収縮位置にアン テナ１２を保持する手段２６を備える。好ましい実施例では、手段２６は、アン テナ１２の外面に形成された戻り止め３０と係合する端部を持つ摺動ラッチ２８ である。アンテナ１２を引っ込めると、ラッチ２８は図面上の右側へ移動して戻 り止め３０と係合し、アンテナ１２を収縮位置でロックし、戻り止め３０との係 合が解除されるまでアンテナ１２の伸長が防止される。偶発的な係合解除によっ てアンテナ１２が開放され、伸長するのを防止するため、図示されていない別の ばねを用いてラッチ２８を戻り止め３０方向に付勢することが望ましい。また、 ラッチ２８をアンテナ１２方向へ付勢すれば、ラッチ２８はアンテナ面との定常 的接触を維持することができ、さらに、ラッチを導電材で形成すれば、アンテナ １２と機器の信号処理回路の間での信号伝達に適する電気接続が得られる。 アンテナ１２を選択的に収縮位置に維持する手段２６として、その他のラッチ 機構、例えば金属製やプラスチック製のばねを使用することが可能であり、また 、機器のフリップオープンカバーに手段２６を機械的に接続すれば、機器のカバ ーを開いたときにアンテナ１２が自動的に伸長するようになる。また、アンテナ １２、圧縮ばね２２、本体構造に含まれない場合の案内部材１６、アンテナ収縮 ラッチ２８、電気接点またはコネクタ３２などを１個以上含む「ドロップイン」 組立体として、総体的な収縮アンテナ１２を形成することも可能である。 実際の使用状態において、アンテナ１２を手動で収縮させるには、案内部材１ ６の第１の部分１８にアンテナ１２を押し込む。それによって、ばね２２が案内 部材１６の第２の部分２０内で圧縮される。その時、係止ラッチ２８またはその 他のラッチ機構２６が係合してアンテナ１２を収縮位置に保持する。ラッチ機構 ２６の開放時には、アンテナ１２は自動的に伸長位置まで伸び、機器の使用中は 、ばね２２の偏向力によってその定位置が維持される。 以上、好ましい実施例に基づいて本発明の説明を行ったが、案内部材１６の構 成および材料、その他の構成、圧縮ばね２２の直径、ばね率およびパラメータ等 に関して、発明の趣旨から逸脱することなく、具体的に記述した動作条件に基づ いた変更が可能なことは当業者には理解されることであろう。同様に、ラッチ２ ８についても、上述とは異なる構造、構成が可能である。これら変更は添付の請 求の範囲に含まれる。その他、本発明の側面、特徴、利点については、本記述、 添付の図面、添付の請求の範囲を熟読することによって理解することができる。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，Ｌ Ｕ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ， ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，Ｓ Ｄ，ＳＺ，ＵＧ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ， ＣＮ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，Ｇ Ｂ，ＧＥ，ＨＵ，ＩＬ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ， ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，Ｎ Ｚ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ ，ＳＫ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＺ， ＶＮ，ＹＵ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．伸長位置と収縮位置の間で移動可能なアンテナと、 前記アンテナが前記伸長位置にあるとき前記アンテナを保持し、前記アンテナ が前記収縮位置にあるとき前記アンテナを保護収納する本体構造と、 前記アンテナの少なくとも一部を摺動的に収容する第１の部分と、前記第１の 部分とは非直線的な関係で配置され前記第１の部分とつながる第２の部分とを有 し、前記本体構造内に位置する案内部材と、 前記案内部材の前記第２の部分内に配置され、前記アンテナに偏向力を与える ことによって、前記アンテナを前記伸長方向へ付勢する圧縮ばねと、 前記アンテナを選択的に前記収縮位置に保持する手段 を有する伸縮アンテナ組立体。 ２．請求項１において、前記案内部材が前記本体構造と一体的に形成さる内部 通路によって画定されることを特徴とする前記伸縮アンテナ。 ３．請求項１において、前記案内部材が前記本体構造に支持されるフレキシブ ル管状部材を含むことを特徴とする前記伸縮アンテナ。 ４．請求項３において、前記本体構造が内壁面を含み、前記フレキシブル管状 部材が前記本体構造の内壁によって所定位置に保持されることを特徴とする前記 伸縮アンテナ。 ５．請求項１において、前記案内部材の第２の部分が曲線路に沿って配置され ることを特徴とする前記伸縮アンテナ。 ６．請求項１において、前記アンテナが外面を有し、アンテナの先端に隣接し て前記外面に戻り止めが形成され、前記アンテナを選択的に前記収縮位置に保持 する前記手段が前記アンテナ外面の前記戻り止めに係合するラッチを有すること を特徴とする前記伸縮アンテナ。 ７．請求項６において、前記アンテナと通信装置の信号処理回路に接続可能な 電気接点との間が前記ラッチによって電気的に接続されることを特徴とする前記 伸縮アンテナ。