JP2000355064A - 樹脂製段ボール構造板、及び構造物 - Google Patents

樹脂製段ボール構造板、及び構造物

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JP2000355064A
JP2000355064A JP11167994A JP16799499A JP2000355064A JP 2000355064 A JP2000355064 A JP 2000355064A JP 11167994 A JP11167994 A JP 11167994A JP 16799499 A JP16799499 A JP 16799499A JP 2000355064 A JP2000355064 A JP 2000355064A
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Japan
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resin
corrugated cardboard
ultraviolet stabilizer
sunshine weather
made corrugated
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JP11167994A
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English (en)
Inventor
Koji Yamatsuta
浩治 山蔦
Yoshinori Omura
吉典 大村
Takeshi Minaba
健 皆葉
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Sumika Plastech Co Ltd
Original Assignee
Sumika Plastech Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐光性に優れた樹脂製段ボール構造板およ
び、該構造板を用いてなる構造物を提供すること。 【解決手段】 樹脂製段ボール構造板は、略平行に配さ
れた一対のライナー2・2と、互いに隣接するライナー
2・2間に配されたリブ1とを有し、さらに、紫外線安
定剤が含まれており、サンシャインウェザーメーターに
よるサンシャインウェザー1000時間照射後における
曲げ強度保持率が、80%以上であるものである。ま
た、構造物は、上記の樹脂製段ボール構造板を用いてな
るものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、段ボール構造板に
関し、例えば、特に、商品陳列用衝立または棚等の用途
に好適に使用される樹脂製段ボール構造板に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、各種資材として、木製の合板に代
えて、樹脂(特に、プラスチック(合成樹脂))製段ボ
ール構造板が使用される場面が飛躍的に増大している。
【0003】上記樹脂製段ボール構造板(以下、場合に
よっては、単に樹脂製構造板と称する)は、木製の合板
と比較して、成形(成型)や、色付け等が容易である
(加工性に優れている)等の利点を有している。また、
該樹脂製構造板は、木材資源等の天然資源を原料とせ
ず、加えて、リサイクル使用が容易であるため、環境問
題の観点からも優れている。
【0004】また、樹脂製構造板は、通常、樹脂よりな
る2枚の平行な板(ライナー(部)またはライナとも称
する)の間に、該ライナーに対して垂直に配され、該樹
脂製構造板に強度を付与するための複数のリブを有する
構造となっている。即ち、上記リブ間に中空部を有する
ため、例えば、防音性・断熱性に優れているとともに、
曲げ剛性、曲げ強度の割に軽量であるという利点をも有
する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の樹脂製構造板
は、具体的には、例えば、自動車資材、建築資材、農業
資材、商品運搬・陳列用部材の資材、等として利用され
ている。
【0006】ところが、樹脂製構造板に含まれる樹脂
(特にプラスチック等)は、光(特に、紫外線)により
劣化(構造変化等)を起こしやすいという問題を有して
いる。具体的には、例えば、樹脂製構造板に光が当たる
ことにより、樹脂が酸化されて過酸化物(ラジカル)が
生じ、該ラジカルによる連鎖反応(ラジカル反応)が誘
発されて、該樹脂の劣化が進行する。光による劣化を起
こした樹脂製構造板は、表面光沢の消失、曲げ強度・曲
げ弾性率・衝撃強度の低下等が発生するため、製品とし
ての用をなさなくなる。
【0007】光による樹脂製構造板の劣化は、該樹脂製
構造板が屋外環境下で使用される場合のみならず、例え
ば、商品運搬・陳列用部材の資材等として屋内環境下で
使用される場合にも、蛍光灯等より発される光(特に、
紫外線)に長期間さらされること等が原因となって発生
する。
【0008】本発明は、上記問題点を解決するためにな
されたものであって、その目的は、耐光性(特に、耐紫
外線性)に優れた樹脂製段ボール構造板および、該構造
板を用いてなる構造物を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
樹脂製段ボール構造板は、上記の課題を解決するため
に、略平行に配された複数のライナーと、互いに隣接す
るライナー間に配されたリブとを有する樹脂製段ボール
構造板において、さらに、紫外線安定剤が含まれてお
り、サンシャインウェザーメーターによるサンシャイン
ウェザー1000時間照射後における曲げ強度保持率
が、80%以上であることを特徴としている。
【0010】上記の構成によれば、紫外線安定剤が、該
樹脂製段ボール構造板に照射される光(特に、紫外線)
を吸収等することで、樹脂製段ボール構造板の劣化を防
止し、サンシャインウェザー1000時間照射後におけ
る曲げ強度保持率が、上記の範囲内となる。すなわち、
光(特に、太陽光や蛍光灯に含まれる紫外線)に対して
強度保持性の高い(すなわち、耐光性に優れた)樹脂製
段ボール構造板を提供することができる。また、曲げ強
度保持率が上記の範囲内となるように紫外線安定剤を含
ませることで、樹脂製段ボール構造板の表面光沢の維
持、曲げ弾性率およびデュポン衝撃強度等の好適な値の
保持が、長期間にわたって可能となる。
【0011】本発明の請求項2記載の樹脂製段ボール構
造板は、上記の課題を解決するために、請求項1記載の
構成において、プロピレン系樹脂を含んでなることを特
徴としている。
【0012】上記の構成によれば、例えば、(半)透明
性、熱成形性、熱融着性、耐熱性、耐水性、耐油性、耐
薬品性などの各種特性に優れ、さらに、優れた耐光性を
有する樹脂製段ボール構造板を提供することができる。
【0013】本発明の請求項3記載の樹脂製段ボール構
造板は、上記の課題を解決するために、請求項1または
2に記載の構成において、上記紫外線安定剤が、ベンゾ
フェノン系、サルチレート系、ベンゾトリアゾール系、
アクリロニトリル系、金属錯塩系、および、ヒンダード
アミン系化合物より選択される、一種類以上の化合物で
あり、上記化合物が、上記樹脂100重量部に対して
0.02重量部以上含有されていることを特徴としてい
る。
【0014】本発明の請求項4記載の樹脂製段ボール構
造板は、上記の課題を解決するために、請求項3記載の
樹脂製段ボール構造板において、上記紫外線安定剤が、
2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−5
−クロロベンゾトリアゾール、ビス(2,2,6,6−
テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、および、
ヒンダードアミンオリゴマーより選択される、一種類以
上の化合物であることを特徴としている。
【0015】上記いずれかの構成によれば、サンシャイ
ンウェザーメーターによるサンシャインウェザー100
0時間照射後における曲げ強度保持率を、確実に80%
以上とすることができる。
【0016】本発明の請求項5記載の構造物は、請求項
1ないし4のいずれか一項に記載の樹脂製段ボール構造
板を用いてなることを特徴としている。
【0017】上記の構成によれば、光に対する強度保持
性が高い(すなわち、耐光性に優れた)構造物を提供す
ることができる。より具体的には、商品陳列・展示用の
構造物として、通常の陳列・展示期間に対応しうる充分
な強度(期間強度)を有する構造物を提供することがで
きる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態について図
1(a)〜(c)に基づいて説明すれば、以下の通りで
ある。尚、これによって、本発明が限定されるものでは
ない。
【0019】本実施の形態にかかる樹脂製段ボール構造
板(樹脂製サンドイッチ構造板)は、略平行に配された
一対のライナー2・2と、互いに隣接するライナー2・
2間に配されたリブ1とを有する樹脂製段ボール構造板
において、さらに、紫外線安定剤が含まれており、サン
シャインウェザーメーターによるサンシャインウェザー
1000時間照射後における曲げ強度保持率(すなわ
ち、サンシャインウェザー1000時間照射後の試験片
の曲げ強度/サンシャインウェザー照射前の試験片の曲
げ強度×100(単位%))が、80%以上であるもの
である。
【0020】ライナー2・2は、略平行に配される板状
構造のものを指す。ライナー2・2の配置間隔や、ライ
ナー2の厚さ等は特に限定されるものではないが、通
常、樹脂製段ボール構造板の厚さが3〜15mmとなる
ように、それぞれ設定される。尚、場合によっては、ラ
イナーを、略平行に3枚以上設ける構成としても良い。
【0021】リブ1は、互いに隣接するライナー2・2
間に配されて、該ライナー2・2の対向面を当接支持
し、樹脂製段ボール構造板を補強するためのものであ
る。リブ1としては、具体的には、例えば、図1(a)
に示すように、ライナー2・2に対して垂直に配され、
該ライナー2・2の対向面を当接支持するもの(以下、
場合によっては平行リブ型と称する)、図1(b)に示
すように、波型の形状を有し、該波の頂点部において、
ライナー2・2の対向面を当接支持するもの、図1
(c)に示すように、ジグザク形状を有し、該ジグザグ
の頂点部において、ライナー2・2の対向面を当接支持
するもの等を挙げることができるが、その形状・数等
は、特に限定されるものではない。
【0022】樹脂製とは、樹脂(特に、プラスチックと
して分類される熱可塑性樹脂、および、熱硬化性樹脂)
を含んでなることを指し、上記説明の段ボール構造板の
形に成形できるものであれば、樹脂の占める割合は特に
限定されるものではない。また、以下にも述べるが、樹
脂は、一種類のみを用いてもよく、混合可能な場合に
は、二種類以上を混合して用いてもよい。
【0023】上記樹脂の中でも、プラスチックとして分
類される熱可塑性樹脂として、具体的には、例えば、低
密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、超高密度ポリ
エチレン、ポリプロピレン、プロピレン共重合体、ポリ
アミド、ポリカーボネート、エチレン−酢酸ビニル共重
合体、ポリアセタール、アクリル−ブタジエン−スチレ
ン共重合体、ポリフェニレンオキサイド、ポリエーテル
サルホン、ポリアリレート、ポリエーテルエーテルケト
ン、ポリメチルペンテン等を挙げることができるが、特
にこれらに限定されるものではない。
【0024】上記例示の熱可塑性樹脂のなかでは、例え
ば、ポリプロピレンや、プロピレン共重合体等のプロピ
レンを含んでなる樹脂、すなわちプロピレン系樹脂を少
なくとも使用することがより好ましく、なかでもポリプ
ロピレンを少なくとも使用することが特に好ましい。こ
れは、プロピレン系樹脂(特に、ポリプロピレン)が、
例えば、(半)透明性、熱成形性、熱融着性、耐熱性、
耐水性、耐油性、耐薬品性などの各種特性に優れている
ためである。
【0025】また、プラスチックとして分類される熱硬
化性樹脂として、具体的には、例えば、エポキシ樹脂、
不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタ
ン樹脂等を挙げることができるが、特にこれらに限定さ
れるものではない。上記例示のプラスチックは、それぞ
れ単独に用いてもよく、混合可能な場合には、二種類以
上を混合して用いてもよい。また、上記樹脂は、場合に
よっては、以下に述べる造核剤、充填剤、滑剤、熱安定
剤、着色剤、帯電防止剤等の添加剤をさらに含有するも
のであってもよい。
【0026】サンシャインウェザーメーター(促進暴露
試験装置の一つ)によるサンシャインウェザーの照射と
は、JIS A−1415に規定された、プラスチック
建築材料の促進暴露試験方法の記載に基づくものであ
る。より具体的には、サンシャインウェザーメーターの
光源用カーボンとして、サンシャインカーボンを使用
し、試験片(樹脂製段ボール構造板)に対し、サンシャ
インウェザーを照射するものである。上記のサンシャイ
ンウェザーの照射を1000時間行うことにより、試験
片に対し、戸外で太陽光が約2年間照射されるのと同等
の環境をつくることができる。尚、サンシャインウェザ
ーの照射時間と、サンシャインウェザーの照射量とは正
比例の関係にある。すなわち、サンシャインウェザーの
照射を500時間行うことにより、試験片に対し、戸外
で太陽光が約1年間照射されるのと同等の環境をつくる
ことができる。代表的なサンシャインウェザーメーター
としては、ATLAS社のWOM(Weather-O-Meter)等
を挙げることができる。
【0027】また、曲げ強度とは、JIS K−720
3に規定された、硬質プラスチックの曲げ試験方法に基
づき測定されるものである。より具体的には、2つの支
点(支点間距離50mm)により支えられた試験片に対
し、該支点間を結ぶ直線の中点を通り鉛直方向に移動可
能に設けられた加圧くさびにより圧力をかけることで、
3点曲げ試験を行い、該試験片の降伏点(JIS K−
6900に規定のプラスチック用語参照)を測定する。
試験時の加圧くさびの移動速度は、10mm/minで
ある。
【0028】また、上記の試験片としてはいずれも、幅
50mm、リブの厚さ(リブ幅)5mm、材料目付1k
g/m2 の、平行リブ型のプラスチック製段ボール構造
板(樹脂製段ボール構造板)が使用される。
【0029】本実施の形態にかかる樹脂製段ボール構造
板は、以下に説明する紫外線安定剤を含むことで光(特
に紫外線)による劣化が防止され、サンシャインウェザ
ーメーターによるサンシャインウェザー1000時間照
射後における曲げ強度保持率(以下、場合によっては、
単に曲げ強度保持率と称する)が、80%以上となって
いる。また、上記の曲げ強度保持率は、90%以上とな
っていることがより好ましい。
【0030】曲げ強度保持率が、上記の範囲内にあるこ
とにより、光(特に、太陽光や蛍光灯に含まれる紫外
線)に対して強度保持性の高い(すなわち、耐光性に優
れた)樹脂製段ボール構造板を提供することができると
いう効果を奏する。具体的には例えば、特に商品陳列・
展示用の構造物またはその部材(陳列棚・バックボード
等)として、通常の陳列・展示期間に対応しうる充分な
強度を有する樹脂製段ボール構造板を提供することが可
能となる。
【0031】特に、上記樹脂としてポリプロピレンが少
なくとも使用される場合、曲げ強度保持率が一旦80%
未満となると、それ以降、時間が経過するに従い、曲げ
強度が急激に低下し、実用性に乏しくなる。しかしなが
ら、上記の曲げ強度保持率が80%以上となるように紫
外線安定剤を含ませることで、ポリプロピレンが有する
各種特性を備え、さらに、優れた耐光性を有する樹脂
(ポリプロピレン)製段ボール構造板を提供することが
可能となる。
【0032】また、曲げ強度保持率が上記の範囲内とな
るように紫外線安定剤を含ませることで、樹脂製段ボー
ル構造板の表面光沢の維持、以下に示す実施例において
述べる曲げ弾性率およびデュポン衝撃強度等の好適な値
の保持が、長期間にわたって可能となる。
【0033】上記の紫外線安定剤とは、具体的には、例
えば、1)照射された紫外線を吸収する、2)樹脂中に
取り込まれることにより、該樹脂の構造を紫外線に対し
て安定化する、3)紫外線が照射されることにより発生
した過酸化物(ラジカル)を消去する、等の、樹脂が紫
外線(紫外光)によって分解されることを防止する機能
のうち少なくとも一つの機能を有するものを指す。より
具体的には、例えば、ヒンダードアミン系化合物や、各
種ビタミン類、等の酸化防止剤(抗酸化剤);ベンゾフ
ェノン系、サルチレート系、ベンゾトリアゾール系、ア
クリロニトリル系、金属錯塩系、ベンゾエート系化合
物、等の紫外線吸収剤;等を挙げることができるが、特
に限定されるものではない。
【0034】上記例示の紫外線安定剤のうち、ベンゾフ
ェノン系;サルチレート系;2−(2’−ヒドロキシ−
5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾー
ル等のベンゾトリアゾール系;アクリロニトリル系;金
属錯塩系;ヒンダードアミン系;化合物がより好まし
く、中でも、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフ
ェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールや、ヒンダー
ドアミン系化合物が特に好ましい。
【0035】ヒンダードアミン系化合物としては、特開
平8−73667号公報に記載の構造式を有するものが
挙げられ、具体的には、例えば、チヌビン 622−L
D、キマソーブ 944−LD、ホスタビン N30、
VP San duvorPR−31、チヌビン 12
3(いずれもチバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製の
商品名)、スミソーブ S577(住友化学工業株式会
社製の商品名)、ビス(2,2,6,6−テトラメチル
−4−ピペリジル)セバケート、ヒンダードアミンオリ
ゴマー等を挙げることができる。また、ヒンダードアミ
ン系化合物を含有する安定剤として、特開昭63−28
6448号記載の組成物(例えば、チヌビン 492
や、チヌビン 494等、いずれもチバ・スペシャリテ
ィ・ケミカルズ社製の商品名)を挙げることができる。
【0036】上記の紫外線安定剤は、一種類のみを使用
してもよく、二種類以上を同時に使用してもよい。
【0037】上記の紫外線安定剤は、通常、樹脂中に
(望ましくは均一に)混合して使用される。該紫外線安
定剤を、樹脂中に混合する場合における混合割合は特に
限定されるものではないが、ベンゾフェノン系、サルチ
レート系、ベンゾトリアゾール系、アクリロニトリル
系、金属錯塩系、および、ヒンダードアミン系化合物よ
り選択される、一種類以上の化合物を、上記紫外線安定
剤として使用する場合には、該化合物が、樹脂100重
量部に対して0.02重量部以上含有されていることが
より好ましい。また、該化合物が、樹脂100重量部に
対して0.03重量部以上含有されていることがさらに
好ましく、樹脂100重量部に対して0.05重量部以
上含有されていることが特に好ましい。これらの紫外線
安定剤の混合割合を上記の範囲内とすることにより、上
記説明の曲げ強度保持率を、確実に80%以上の範囲と
することができる。
【0038】尚、樹脂製段ボール構造板に紫外線安定剤
が含まれるとは、樹脂製段ボール構造板の表面に、紫外
線安定剤が塗布された状態のものも指すものとする。こ
の時の紫外線安定剤の塗布方法、塗布量等は、特に限定
されるものではない。
【0039】また、紫外線安定剤として揮発性の低いも
のを使用することが必要な場合もある。例えば、以下に
述べる樹脂製段ボール構造板の成形工程において、高温
下で押出成形する工程を含む場合や、樹脂製段ボール構
造板が、太陽の直射光下で長時間使用される場合等であ
る。
【0040】樹脂製段ボール構造板の成形方法は、特に
限定されるものではなく、具体的には、例えば、1)平
行に配された2枚の樹脂板(ライナー2・2に相当)の
間に、樹脂からなる板を接着剤を用いて、または、熱融
着により貼り合わせる方法、 2)押出成形、射出成形等により一体構造として成形す
る方法、等の、従来公知の方法を挙げることができる。
【0041】成形時には、必要に応じて、例えば、石
綿、シリカ、ガラス繊維、炭酸カルシウム、タルク等の
充填剤;芳香族カルボン酸の金属塩、タルク等の造核
剤;ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリ
ルアルコール等の滑剤;スミライザーBP101、ウル
トラノックス626(いずれも住友化学工業株式会社製
の商品名)等の熱安定剤;着色剤;デノン2220(丸
菱油化製の商品名)等の帯電防止剤;等を、樹脂中に添
加することもできる。
【0042】本実施の形態にかかる構造物とは、上記説
明の樹脂製段ボール構造板を用いてなるものである。構
造物の種類は、特に限定されるものではないが、具体的
には、例えば、商品陳列・展示用の棚やバックボード;
パーティション(衝立、仕切り壁等);運搬・収納用箱
(コンテナーやダンボール箱等);コンクリート型枠、
建設養生シート等の建築資材;セパレートシート;看
板;障子板;等を挙げることができる。尚、上記の構造
物とは、少なくともその一部(特に、光の照射を直接受
ける部位等)に樹脂製段ボール構造板を用いてなるもの
であれば良い。
【0043】上記の構造物はいずれも、光に対する強度
保持性が高い(すなわち、耐光性に優れる)。より具体
的には、商品陳列・展示用の構造物として、通常の陳列
・展示期間に対応しうる充分な強度(期間強度)を有す
る。
【0044】
【実施例】以下、実施例および比較例により、本発明を
さらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限
定されるものではない。
【0045】始めに、実施例および比較例において測定
される、曲げ弾性率およびデュポン衝撃強度について説
明を行う。曲げ弾性率とは、上記実施の形態中で説明の
曲げ強度と同様、JIS K−7203に規定された硬
質プラスチックの曲げ試験方法に基づいて試験を行い、
測定される弾性率(JIS K−6900に規定のプラ
スチック用語参照) を指す。そのため、試験方法に関す
る詳細な説明は省略する。
【0046】また、デュポン衝撃強度とは、JIS K
−7211に規定の硬質プラスチックの落錘衝撃試験方
法通則に基づいて測定されるものである。より具体的に
は、支持枠に取り付けられた試験片のほぼ中心に対し、
重錘(直径1/2インチ、重量0.2kg〜2.0k
g)を落下させることで衝撃試験を行い、該試験片の衝
撃値(JIS K−6900に規定のプラスチック用語
参照)を測定する。尚、曲げ弾性率およびデュポン衝撃
強度の測定に供される試験片は、サンシャインウェザー
の照射試験および曲げ強度の測定試験と同じものが使用
される。
【0047】〔実施例1〕樹脂としてポリプロピレンを
使用した。混練押出機内で、200℃に保たれ可塑化さ
れたポリプロピレンに対し、ステアリン酸カルシウム
(滑剤)、スミライザーBP101(熱安定剤)、ウル
トラノックス626(熱安定剤)、ヒンダードアミン系
化合物(紫外線安定剤)としてのスミソーブ S57
7、デノン2220(帯電防止剤)、充填剤・造核剤と
してのタルク(ミクロンホワイト5000S)を、それ
ぞれ順に、0.05phr(phrとは、per hu
ndred resin、すなわち樹脂100重量部に
対する混合量(重量部)を指す)、0.10phr、
0.05phr、0.07phr、0.28phr、
0.30phr、となるよう加えた。
【0048】続いて、上記温度を保った状態で、紫外線
安定剤等を含んでなるポリプロピレンを一定時間混練
(混合)した後、賦形ダイスを通して、幅50mm、リ
ブの厚さ5mm、材料目付1kg/m2 の、平行リブ型
のプラスチック製段ボール構造板(樹脂製段ボール構造
板)を成形した。
【0049】そして、上記のプラスチック製ダンボール
構造板を試験片とし、該試験片に対しサンシャインウェ
ザーの照射を1000時間行った。曲げ強度、曲げ弾性
率、および、デュポン衝撃強度の測定は、サンシャイン
ウェザー照射前(照射時間0)、サンシャインウェザー
500時間照射後、サンシャインウェザー1000時間
照射後、の3度行った。紫外線安定剤としてのスミソー
ブ S577の添加量、および、測定結果等は、以下の
表1にまとめて示す。尚、表1において、曲げ弾性率、
および、デュポン衝撃強度はそれぞれ、単に、弾性率、
および、衝撃強度と記載している。
【0050】〔実施例2〕上記実施例1において、スミ
ソーブ S577の使用量を0.03phrとした以外
は、同様の方法によりプラスチック製段ボール構造板を
製造し、曲げ強度、曲げ弾性率、デュポン衝撃強度の測
定を行った。紫外線安定剤としてのスミソーブ S57
7の添加量、および、測定結果等は、以下の表1にまと
めて示す。
【0051】〔比較例1〕上記実施例1において、スミ
ソーブ S577の使用量を0.01phrとした以外
は、同様の方法によりプラスチック製段ボール構造板を
製造し、曲げ強度、曲げ弾性率、デュポン衝撃強度の測
定を行った。紫外線安定剤としてのスミソーブ S57
7の添加量、および、測定結果等は、以下の表1にまと
めて示す。
【0052】〔比較例2〕上記実施例1において、スミ
ソーブ S577の使用量を0phrとした以外は、同
様の方法によりプラスチック製段ボール構造板を製造
し、曲げ強度、曲げ弾性率、デュポン衝撃強度の測定を
行った。紫外線安定剤としてのスミソーブS577の添
加量、および、測定結果等は、以下の表1にまとめて示
す。
【0053】
【表1】
【0054】表1より明らかなように、紫外線安定剤と
してのヒンダードアミン系化合物が、上記樹脂(ポリプ
ロピレン)100重量部に対して0.02重量部以上含
有されている場合(実施例1、2参照)には、サンシャ
インメーターによるサンシャインウェザー1000時間
照射後の曲げ強度保持率が、確実に80%以上となるこ
とが分かる。また、サンシャインメーターによるサンシ
ャインウェザー1000時間照射後の曲げ強度保持率
が、80%以上であるものは、デュポン衝撃、および、
曲げ弾性率にも優れていることが分かる(特に実施例
1、2参照)。
【0055】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の樹脂製段ボール
構造板は、以上のように、紫外線安定剤が含まれてお
り、サンシャインウェザーメーターによるサンシャイン
ウェザー1000時間照射後における曲げ強度保持率
が、80%以上である構成である。
【0056】上記の構成によれば、紫外線安定剤が、樹
脂製段ボール構造板の劣化を防止し、サンシャインウェ
ザー1000時間照射後における曲げ強度保持率が、上
記の範囲内となる。すなわち、耐光性に優れた樹脂製段
ボール構造板を提供することができる。また、曲げ強度
保持率が上記の範囲内となるように紫外線安定剤を含ま
せることで、樹脂製段ボール構造板の表面光沢の維持、
曲げ弾性率およびデュポン衝撃強度等の好適な値の保持
が可能となるという効果を奏する。
【0057】本発明の請求項2記載の樹脂製段ボール構
造板は、以上のように、請求項1記載の構成において、
プロピレン系樹脂を含んでなる構成である。
【0058】上記の構成によれば、例えば、(半)透明
性、熱成形性、熱融着性、耐熱性、耐水性、耐油性、耐
薬品性などの各種特性に優れ、さらに、優れた耐光性を
有する樹脂製段ボール構造板を提供することができると
いう効果を、請求項1記載の構成による効果に加えて奏
する。
【0059】本発明の請求項3記載の樹脂製段ボール構
造板は、以上のように、請求項1または2に記載の構成
において、上記紫外線安定剤が、ベンゾフェノン系、サ
ルチレート系、ベンゾトリアゾール系、アクリロニトリ
ル系、金属錯塩系、および、ヒンダードアミン系化合物
より選択される、一種類以上の化合物であり、上記化合
物が、上記樹脂100重量部に対して0.02重量部以
上含有されている構成である。
【0060】本発明の請求項4記載の樹脂製段ボール構
造板は、以上のように、請求項3記載の樹脂製段ボール
構造板において、上記紫外線安定剤が、2−(2’−ヒ
ドロキシ−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾ
トリアゾール、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−
4−ピペリジル)セバケート、および、ヒンダードアミ
ンオリゴマーより選択される、一種類以上の化合物であ
る構成である。
【0061】上記いずれかの構成によれば、サンシャイ
ンウェザーメーターによるサンシャインウェザー100
0時間照射後における曲げ強度保持率を、確実に80%
以上とすることができるという効果を奏する。
【0062】本発明の請求項5記載の構造物は、以上の
ように、請求項1ないし4のいずれか一項に記載の樹脂
製段ボール構造板を用いてなる構成である。
【0063】上記の構成によれば、耐光性に優れた構造
物を提供することができる。より具体的には、商品陳列
・展示用の構造物として、通常の陳列・展示期間に対応
しうる充分な強度を有する構造物を提供することができ
るという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(c)は、本発明の実施の形態にかか
る樹脂製段ボール構造板の概略構成を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 リブ 2 ライナー
フロントページの続き (72)発明者 皆葉 健 大阪府高槻市塚原2丁目10番1号 住化プ ラステック株式会社内 Fターム(参考) 4F100 AH02A AH03A AK01A AK07A BA01 CA07A DA14 DC25A EJ52 EJ99 GB07 JK04A JL09 YY00A

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】略平行に配された複数のライナーと、互い
    に隣接するライナー間に配されたリブとを有する樹脂製
    段ボール構造板において、 さらに、紫外線安定剤が含まれており、 サンシャインウェザーメーターによるサンシャインウェ
    ザー1000時間照射後における曲げ強度保持率が、8
    0%以上であることを特徴とする樹脂製段ボール構造
    板。
  2. 【請求項2】プロピレン系樹脂を含んでなることを特徴
    とする請求項1記載の樹脂製段ボール構造板。
  3. 【請求項3】上記紫外線安定剤が、ベンゾフェノン系、
    サルチレート系、ベンゾトリアゾール系、アクリロニト
    リル系、金属錯塩系、および、ヒンダードアミン系化合
    物より選択される、一種類以上の化合物であり、 上記化合物が、上記樹脂100重量部に対して0.02
    重量部以上含有されていることを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載の樹脂製段ボール構造板。
  4. 【請求項4】上記紫外線安定剤が、2−(2’−ヒドロ
    キシ−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリ
    アゾール、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−
    ピペリジル)セバケート、および、ヒンダードアミンオ
    リゴマーより選択される、一種類以上の化合物であるこ
    とを特徴とする請求項3記載の樹脂製段ボール構造板。
  5. 【請求項5】請求項1ないし4のいずれか一項に記載の
    樹脂製段ボール構造板を用いてなることを特徴とする構
    造物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003326643A (ja) * 2002-05-16 2003-11-19 Kawakami Sangyo Co Ltd ダブルウオールシート
JP2007069404A (ja) * 2005-09-06 2007-03-22 Sumitomo Chemical Co Ltd 段ボール構造板
CN106910430A (zh) * 2017-05-02 2017-06-30 京东方科技集团股份有限公司 显示组件及具有其的移动设备

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