JP2000327918A - 含フッ素エマルジョン型硬化性組成物 - Google Patents

含フッ素エマルジョン型硬化性組成物

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JP2000327918A
JP2000327918A JP11136276A JP13627699A JP2000327918A JP 2000327918 A JP2000327918 A JP 2000327918A JP 11136276 A JP11136276 A JP 11136276A JP 13627699 A JP13627699 A JP 13627699A JP 2000327918 A JP2000327918 A JP 2000327918A
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fluorine
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JP11136276A
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Koichi Yamaguchi
浩一 山口
Naoki Omura
直樹 大村
Hirobumi Kinoshita
博文 木下
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】(A)下記一般式(1)で示される含フッ
素アミド化合物、 【化1】 [R1は一価炭化水素基、R2は水素原子又はR1と同じ
基、Qは式(2)又は(3)の基 【化2】 (R3は結合途中にO、N又はSiの原子を介在可能の
二価炭化水素基)Rfは−Cm2m−(m=1〜10)
の二価パーフルオロアルキレン基又は下記式の基から選
ばれる二価パーフルオロポリエーテル基、aは0〜10
の整数。](B)1分子中に一個以上の一価パーフルオ
ロオキシアルキル基、一価パーフルオロアルキル基、二
価パーフルオロオキシアルキレン基又は二価パーフルオ
ロアルキレン基を有し、2個以上のヒドロシリル基含有
の含フッ素オルガノ水素シロキサン、(C)界面活性
剤、(D)白金系触媒、(E)水を含有してなる含フッ
素エマルジョン型硬化性組成物。 【効果】 本発明の含フッ素エマルジョン型硬化性組成
物は、水希釈でき、室温下に放置又は加熱硬化させるこ
とで耐薬品性、耐溶剤性、耐熱性、耐寒性、耐候性、離
型性、撥水撥油性等に優れた含フッ素エラストマーを与
える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐薬品性、耐溶剤
性、耐熱性、耐寒性、耐候性、離型性、撥水撥油性等に
優れた含フッ素エラストマーを与える水希釈が可能な付
加反応硬化型の含フッ素エマルジョン型硬化性組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
含フッ素有機化合物のポリマーと架橋剤を主成分とする
硬化性含フッ素エラストマー組成物は、各種分野で使用
されている。これらの組成物を基材に塗布する場合に
は、これを溶剤で希釈したものを用いるが、この場合、
溶剤としては組成物の溶解性の点からフッ素系溶剤が好
適に用いられる。
【0003】しかしながら、フッ素系溶剤は含フッ素化
合物を十分に希釈し得るものの、高価である上、大気中
に拡散した場合、自然環境に悪影響を及ぼすおそれがあ
るという問題もあり、フッ素系溶剤で希釈しなくても使
用可能な硬化性含フッ素エラストマー組成物の開発が望
まれる。
【0004】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、水希釈が可能であり、室温で放置又は加熱すること
により容易に各種特性に優れた含フッ素エラストマーを
与える含フッ素エマルジョン型硬化性組成物を提供する
ことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結
果、(A)下記一般式(1)で示される含フッ素アミド
化合物、(B)1分子中に一個以上の一価のパーフルオ
ロオキシアルキル基、一価のパーフルオロアルキル基、
二価のパーフルオロオキシアルキレン基又は二価のパー
フルオロアルキレン基を有し、かつ2個以上のヒドロシ
リル基を有する含フッ素オルガノ水素シロキサン、
(C)界面活性剤、(D)白金系触媒、(E)水を配合
してエマルジョン型組成物とすることにより、水希釈が
可能となり、耐薬品性、耐溶剤性、耐熱性、耐寒性、耐
候性、離型性、撥水撥油性等に優れた含フッ素エラスト
マー硬化被膜を安価に、かつ大気汚染の恐れもなく与え
得る含フッ素エマルジョン型硬化性組成物が得られるこ
とを見出し、本発明をなすに至った。
【0006】
【化9】 [但し、式中R1は炭素数1〜10の、アルキル基、シ
クロアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキ
ル基及びこれらの基の水素原子の一部又は全部をハロゲ
ン原子で置換した基から選ばれる一価炭化水素基、R2
は水素原子又はR1と同様の一価炭化水素基、Qは下記
一般式(2)又は(3)で示される基、
【化10】 (但し、式中R3は結合途中に酸素原子、窒素原子及び
ケイ素原子の1種又は2種以上を介在させてもよい炭素
数1〜20の、アルキレン基、シクロアルキレン基、ア
リーレン基、これらの基の水素原子の一部をハロゲン原
子で置換した基、及び上記アルキレン基とアリーレン基
とを組み合わせた基から選ばれる二価炭化水素基を示
す。)
【化11】 (但し、式中R4及びR5はそれぞれ炭素数1〜10の、
アルキレン基、シクロアルキレン基及びこれらの基の水
素原子の一部をハロゲン原子で置換した基から選ばれる
二価炭化水素基を示す。) Rfは−Cm2m−(m=1〜10)で示される二価の
パーフルオロアルキレン基又は下記式で示される基から
選ばれる二価のパーフルオロポリエーテル基であり、a
は0〜10の整数である。]
【0007】
【化12】 (YはF又はCF3基、p,q,kはそれぞれp≧1、
q≧1、2≦p+q≦200、特に2≦p+q≦11
0、0≦k≦6の整数)
【0008】
【化13】 (r,s,tはそれぞれ0≦r≦6、s≧0、t≧0、
0≦s+t≦200、特に2≦s+t≦110の整数)
【0009】
【化14】 (YはF又はCF3基、u,vはそれぞれ1≦u≦2
0、1≦v≦20の整数)
【0010】
【化15】 (wは1≦w≦100の整数)
【0011】従って、本発明は、(A)上記一般式
(1)で示される含フッ素アミド化合物、(B)1分子
中に一個以上の一価のパーフルオロオキシアルキル基、
一価のパーフルオロアルキル基、二価のパーフルオロオ
キシアルキレン基又は二価のパーフルオロアルキレン基
を有し、かつ2個以上のヒドロシリル基を有する含フッ
素オルガノ水素シロキサン、(C)界面活性剤、(D)
白金系触媒、(E)水を含有してなることを特徴とする
含フッ素エマルジョン型硬化性組成物を提供する。
【0012】以下、本発明につき更に詳述すると、本発
明の含フッ素エマルジョン型硬化性組成物の第一必須成
分[(A)成分]は、下記一般式(1)で示される含フ
ッ素アミド化合物であり、これは本出願人が特開平8−
198926号公報に提案したものである。
【0013】
【化16】
【0014】ここで、上記式(1)中のR1は、炭素数
1〜10、特に1〜8の脂肪族不飽和結合を除く、置換
又は非置換の一価炭化水素基であり、R2は水素原子又
はR1と同様の一価炭化水素基である。R1、R2の一価
炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、プロ
ピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t
ert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル
基、デシル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シク
ロヘキシル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキル
基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニ
ル基、ブテニル基、イソブテニル基、ヘキセニル基、シ
クロヘキセニル基等のアルケニル基、フェニル基、トリ
ル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジ
ル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、メチル
ベンジル基等のアラルキル基、或いはこれらの基の水素
原子の一部又は全部をハロゲン原子で置換したクロロメ
チル基、クロロプロピル基、ブロモエチル基、3,3,
3−トリフルオロプロピル基、6,6,6,5,5,
4,4,3,3−ノナフルオロヘキシル基等のフッ素置
換アルキル基などが挙げられる。
【0015】また、上記式(1)においてQは下記一般
式(2)又は(3)で示される基である。
【0016】
【化17】
【0017】上記式(2)中のR2は前記と同様であ
る。R3は、置換又は非置換の二価炭化水素基であり、
炭素数1〜20、特に2〜10の二価炭化水素基であ
り、具体的にはメチレン基、エチレン基、プロピレン
基、メチルエチレン基、ブチレン基、ヘキサメチレン基
等のアルキレン基、シクロヘキシレン基等のシクロアル
キレン基、フェニレン基、トリレン基、キシリレン基、
ナフチレン基、ビフェニレン基等のアリーレン基、或い
はこれらの基の水素原子の一部をハロゲン原子等で置換
した基、或いはこれらの置換又は非置換のアルキレン
基、アリーレン基の組み合わせである。
【0018】また、R3は結合の途中に酸素原子、窒素
原子及びケイ素原子から選ばれる原子の1種又は2種以
上を介在させてもよい。この場合、酸素原子は−O−、
窒素原子は−NR’−(R’は水素原子又は炭素数1〜
8、特に1〜6のアルキル基又はアリール基である)と
して介在することができる。また、ケイ素原子は下記の
基のように直鎖状又は環状のオルガノシロキサンを含有
する基或いはオルガノシリレン基として介在することが
できる。
【0019】
【化18】 (但し、R’’は前記R1,R2として例示したものと同
様の炭素数1〜8のアルキル基又はアリール基、
R’’’は前記R3として例示したものと同様の炭素数
1〜6のアルキレン基又はアリーレン基であり、n=0
〜10、特に0〜5の整数である。) このような基としては、下記の基を例示することができ
る。
【0020】
【化19】 (Meはメチル基を示す。)
【0021】更に、上記式(3)中のR4及びR5は、炭
素数1〜10、特に2〜6の置換又は非置換の二価炭化
水素基であり、具体的にはメチレン基、エチレン基、プ
ロピレン基、メチルエチレン基、ブチレン基、ヘキサメ
チレン基等のアルキレン基、シクロヘキシレン基等のシ
クロアルキレン基、或いはこれらの基の水素原子の一部
をハロゲン原子で置換した基である。
【0022】上記式(2)又は式(3)により示される
式(1)中のQとして具体的には、下記の基が例示され
る。なお、以下の化学式において、Meはメチル基、P
hはフェニル基を示す。
【0023】
【化20】
【0024】
【化21】 (Xは水素原子、メチル基又はフェニル基)
【0025】また、式(1)においてRfは二価パーフ
ルオロアルキレン基又は二価パーフルオロポリエーテル
基であり、二価パーフルオロアルキレン基としては−C
m2m−(但し、m=1〜10、好ましくは2〜6であ
る。)で示されるものであり、二価パーフルオロポリエ
ーテル基としては下記式で示されるものである。
【0026】
【化22】 (YはF又はCF3基、p,q,kはそれぞれp≧1、
q≧1、2≦p+q≦200、特に2≦p+q≦11
0、0≦k≦6の整数)
【0027】
【化23】 (r,s,tはそれぞれ0≦r≦6、s≧0、t≧0、
0≦s+t≦200、特に2≦s+t≦110の整数)
【0028】
【化24】 (YはF又はCF3基、u,vはそれぞれ1≦u≦2
0、1≦v≦20の整数)
【0029】
【化25】 (wは1≦w≦100の整数) Rfとして具体的には、下記のものが例示される。
【0030】
【化26】
【0031】なお、上記式(1)においてaは0〜10
の整数であり、従って、式(1)の含フッ素アミド化合
物は、1分子中に二価パーフルオロアルキレン基又は二
価パーフルオロポリエーテル基を1個以上含むものであ
るが、aは特に1〜6の整数である。
【0032】上記式(1)の含フッ素アミド化合物は、
特開平8−198926号公報記載の方法により製造す
ることができる。即ち、上記式(1)においてaが0で
ある含フッ素アミド化合物(下記式(1’)の化合物)
は、例えば下記一般式(4)で示される両末端に酸フロ
ライド基を有する化合物と下記一般式(5)で示される
一級或いは二級アミン化合物とをトリメチルアミン等の
受酸剤の存在下で反応させることにより合成することが
できる。
【0033】
【化27】 (R1,R2,Rfは上記と同様の意味を示す。)
【0034】上記式(1)においてaが1以上の整数と
なる含フッ素アミド化合物は、例えば上記式(4)で示
される両末端に酸フロライド基を有する化合物と下記一
般式(6) H−Q−H (6) (Qは上記と同様の意味を示す。)で示されるジアミン
化合物とを受酸剤の存在下で反応させることにより合成
することができる。
【0035】本発明においては、上記(A)成分の含フ
ッ素アミド化合物は、25℃における粘度が100〜1
00,000cSt(センチストークス)の範囲、特に
200〜20,000cStの範囲が好適である。低粘
度すぎると紙などのように染込み易い基材に塗布した場
合などに基材表面にポリマーが存在し難くなると共に、
得られる硬化物がエラストマーとしての伸びが小さくな
り、バランスのとれた物性が得られない場合が生じる。
また、高粘度すぎるとそのエマルジョン化が困難となる
場合がある。
【0036】本発明の第二必須成分[(B)成分]は、
含フッ素オルガノ水素シロキサンであり、上記含フッ素
アミド化合物の架橋剤、鎖長延長剤として働くものであ
る。この(B)成分の含フッ素オルガノ水素シロキサン
は、一分子中に一個以上の一価のパーフルオロオキシア
ルキル基、一価のパーフルオロアルキル基、二価のパー
フルオロオキシアルキレン基又は二価のパーフルオロア
ルキレン基を有し、かつ2個以上、好ましくは3個以上
のヒドロシリル基、即ちSi−H基を有するものであ
る。
【0037】上記パーフルオロオキシアルキル基、パー
フルオロアルキル基、パーフルオロオキシアルキレン
基、パーフルオロアルキレン基としては、下記一般式で
示されるものを挙げることができる。 一価のパーフルオロアルキル基: Cm2m+1−(mは1〜20、好ましくは2〜10の整
数) 二価のパーフルオロアルキレン基: −Cm2m−(mは1〜20、好ましくは2〜10の整
数) 一価のパーフルオロオキシアルキル基、二価のパーフル
オロオキシアルキレン基:
【0038】
【化28】 (nは1〜5の整数、m+nは2〜100の整数)
【0039】上記含フッ素オルガノ水素シロキサンは、
環状でも鎖状でもよく、更に三次元網状でもよく、特に
ケイ素原子に結合した置換基として下記一般式で示され
るパーフルオロアルキル基、一価のパーフルオロアルキ
ルエーテル基或いはパーフルオロアルキレン基、二価の
パーフルオロアルキルエーテル基を含有する有機基を分
子中に少なくとも1個有するものが好適である。
【0040】
【化29】
【0041】上記式中、R6はメチレン基、エチレン
基、プロピレン基、メチルエチレン基、テトラメチレン
基、ヘキサメチレン基等のアルキレン基、フェニレン基
等のアリーレン基などの好ましくは炭素数1〜10、特
に2〜6の二価炭化水素基、R 7は水素原子或いは前記
したR2と同様の好ましくは炭素数1〜8、特に1〜6
の一価炭化水素基、Rf1、Rf2はそれぞれ前記で挙げた
一価のパーフルオロアルキル基、一価のパーフルオロオ
キシアルキル基、二価のパーフルオロオキシアルキレン
基又は二価のパーフルオロアルキレン基である。
【0042】また、この(B)成分の含フッ素オルガノ
水素シロキサンにおける一価又は二価の含フッ素置換
基、即ちパーフルオロアルキル基、パーフルオロオキシ
アルキル基、パーフルオロオキシアルキレン基或いはパ
ーフルオロアルキレン基を含有する一価の有機基以外の
ケイ素原子に結合した一価の置換基としては、前記した
2と同様の好ましくは脂肪族不飽和結合を除く炭素数
1〜10、特に1〜8の一価炭化水素基が挙げられる。
この含フッ素オルガノ水素シロキサンにおける分子中の
ケイ素原子数はこれに限られるものではないが、通常2
〜60、好ましくは4〜60、より好ましくは4〜30
程度のものが挙げられる。
【0043】このような含フッ素オルガノ水素シロキサ
ンとしては、例えば下記の化合物が挙げられ、これらの
化合物は、単独で使用してもよく、併用してもよい。な
お、Meはメチル基、Phはフェニル基を示す。
【0044】
【化30】
【0045】
【化31】
【0046】
【化32】
【0047】上記(B)成分の配合量は、組成物全体に
含まれるアルケニル基、シクロアルケニル基等の脂肪族
不飽和基1モルに対し、(B)成分中のヒドロシリル
基、即ちSi−H基を好ましくは0.5〜5モル、より
好ましくは1〜2モル供給する量である。配合量が少な
すぎると架橋度合いが不十分になる場合があり、多すぎ
ると鎖長延長が優先し、硬化が不十分となったり、発泡
したり、耐熱性等を悪化させる場合がある。
【0048】なお、この(B)成分の(A)成分に対す
る配合量は、通常、(A)成分100重量部に対して
0.1〜50重量部の範囲とすることが好適である。
【0049】次に、本発明の第三必須成分[(C)成
分]としての界面活性剤は、この組成物をエマルジョン
化するためのものであり、これはノニオン系、アニオン
系、カチオン系等のいずれであってもよい。ノニオン系
界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンノニル
フェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニ
ルエーテル等のアルキルアリルエーテル型のもの、ポリ
オキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレン
トリデシルエーテル等のアルキルエーテル型のもの、ポ
リオキシエチレンオレエート、ポリオキシエチレンラウ
レート等のアルキルエステル型のものなどが挙げられ、
これらは一種単独又は二種以上を組み合せて用いること
ができるが、これらは混合後のHLBが10〜15であ
るものとすることがよい。
【0050】また、アニオン系界面活性剤としては、例
えば長鎖のアルキルサルフェート、アルキルスルホネー
ト、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸
ナトリウムなどが挙げられ、カチオン系界面活性剤とし
ては、ベンジルアンモニウム塩などが例示され、アニオ
ン系、カチオン系のものはそれぞれ単独で使用してもよ
いが、これらは安全性、濡水性の面からは上記したノニ
オン系のものと併用することがよい。
【0051】界面活性剤の配合量は、上記した(A)成
分100重量部に対して0.5〜20重量部、特に1〜
15重量部が好ましい。界面活性剤の配合量が少なすぎ
ると満足にエマルジョン化できない場合があり、多すぎ
ると硬化後のゴム物性に悪影響を及ぼす場合がある。
【0052】次に、本発明の第四必須成分[(D)成
分]である白金系触媒は、(A)成分の含フッ素アミド
化合物と(B)成分の含フッ素オルガノ水素シロキサン
との付加反応(ヒドロシリル化)に用いられるもので、
公知の付加反応促進用白金系触媒を使用できる。例え
ば、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール溶液、塩化白
金酸のアルデヒド溶液、塩化白金酸と各種のオレフィン
化合物との錯塩等が挙げられる。
【0053】なお、上記白金系触媒は、後述するように
他の成分と同時に乳化せず、上記した(A)〜(C)を
(E)成分である水と共に乳化してエマルジョンとした
後、エマルジョンの使用直前に混合することが好ましい
ので、水分散が可能なものがよい。
【0054】白金系触媒の添加量は、付加反応を進行さ
せるのに必要な量とすればよいが、通常前記した(A)
成分100重量部に対して白金金属として10〜500
ppmの範囲とすればよい。
【0055】本発明組成物は、溶剤として水を使用する
もので、(E)成分の水の配合量は、上記(A)成分の
濃度が5〜80重量%、特に30〜80重量%となる量
とすることが好ましい。
【0056】本発明組成物は、上記必須成分以外に必要
に応じてその他の任意成分を添加することができる。
【0057】本発明の含フッ素エマルジョン型硬化性組
成物には硬化を妨げない範囲であればその実用性を高め
るために種々の添加剤を必要に応じて添加することがで
きる。具体的には前記(D)成分である白金系触媒の活
性を制御する目的で加える各種有機窒素化合物、有機リ
ン化合物、アセチレン化合物等の付加反応制御剤が挙げ
られる。
【0058】また、本組成物を長期保存した場合におけ
るキュアー性の低下を防止する目的で加える酢酸、シュ
ウ酸、酪酸、安息香酸などの有機酸、塩酸、リン酸、硫
酸などの無機酸を例示することができる。
【0059】更に、本組成物を多孔性基材に塗布する場
合など、浸透防止やエマルジョンの分離を防止する目的
に水溶性樹脂、メチルセルロース、ナトリウムカルボキ
シメチルセルロース、ポリビニルアルコール等を添加し
てもよい。
【0060】また更に、本組成物には硬化して得られる
弾性体の機械的強度を向上させるなどの目的で無機系粉
末、有機系粉末等の充填剤を添加してもよく、この場合
には、このエマルジョン化をする際にこの組成物中にこ
れらを混合しておくか、コロイダル・シリカ等の水性デ
ィスパージョンをエマルジョンに添加してもよい。
【0061】本発明の含フッ素エマルジョン型硬化性組
成物は、上記(A)〜(E)成分を配合して通常の方法
でエマルジョンを調製することができるが、上記した
(A)〜(C)を(E)成分である水と共に乳化してエ
マルジョンとした後、上記(D)成分の白金系触媒をエ
マルジョンの使用直前に混合することが好ましい。な
お、上記白金系触媒が塩化白金酸と各種オレフィンとの
錯塩である場合には、この白金系触媒を予め(C)成分
である界面活性剤の一部と混合してからエマルジョン中
に添加すると、その分解性を向上させることができる。
エマルジョンの調製条件は適宜調整できる。
【0062】本発明の硬化性組成物は、室温下に放置或
いは加熱することで容易に硬化して含フッ素エラストマ
ーを与えるもので、その硬化条件に特に制限はないが、
室温下に24時間以上放置、或いは40〜150℃で
0.5〜10時間加熱硬化させることが好適である。
【0063】
【発明の効果】本発明の含フッ素エマルジョン型硬化性
組成物は、水希釈でき、室温下に放置又は加熱硬化させ
ることにより耐薬品性、耐溶剤性、耐熱性、耐寒性、耐
候性、離型性、撥水撥油性等に優れた含フッ素エラスト
マーを与えるもので、自然環境への悪影響の心配なく幅
広く利用することができる。
【0064】
【実施例】以下、実施例を示して本発明を具体的に説明
するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではな
い。なお、以下の例において部はいずれも重量部であ
る。
【0065】[実施例1]下記式(7)で示されるポリ
マー(粘度2090cs、平均分子量6450、ビニル
基量0.031モル/100g)91.24部、下記式
(8)で示される含フッ素水素シロキサン8.76部、
HLBが13.6のポリオキシエチレンラウリルエーテ
ル:エマルゲン109P[花王(株)製商品名]2.0
部、酢酸0.04部及び水98.0部をホモミキサーを
用いて転相乳化を行い、平均粒径が0.3μmでpHが
4である水中油型エマルジョンを得た。また、塩化白金
酸のジビニルテトラメチルジシロキサン錯体のトルエン
溶液0.2部(Pt換算濃度0.5wt%)にエマルゲ
ン109Pを0.4部混合したものを上記エマルジョン
100部に添加し、本発明の含フッ素エマルジョン型硬
化性組成物を調製した。
【0066】得られた含フッ素エマルジョン型硬化性組
成物を5mm厚の長方形の枠に入れ、25℃、50%R
Hの雰囲気下で24時間放置した。24時間後、150
℃で10分間加熱硬化させ、得られた硬化物をJIS
K6301に準じて物性を測定したところ、以下に示す
結果を得た。 硬さ(JIS−A): 22 伸び(%): 209 引っ張り強さ(kgf/cm2 ): 6 (JIS−A:JIS K6301に規定のA型スプリ
ング式硬さ試験機を使用して測定)
【0067】
【化33】
【0068】次に、上記試験片を用いて、耐薬品性、溶
剤膨潤性、低温特性及び接触角を下記方法で調べたとこ
ろ、表1〜4に示した通りの結果が得られた。 耐薬品性:表1に示した25℃の各薬品に硬化物を7日
間浸漬し、その硬度変化及び表面状態により耐薬品性を
評価した。 溶剤膨潤性:表2に示した25℃の各溶剤に硬化物を7
日間浸漬し、その体積変化率で溶剤膨潤性を評価した。 低温特性:JIS K6301に従い、試験片をドライ
アイス/エタノール中で−70℃に冷却し、次いでこれ
を1℃/minの速度で昇温した。この時の各温度にお
ける剛性率を上島製作所製ゲーマンねじり試験機で測定
し、室温における剛性率に対し2倍、5倍、10倍及び
100倍となったときの温度を、それぞれT2,T5,T
10,T100とした。 接触角:協和界面科学(株)製接触角計CA−DT・A
型により25℃において測定した。
【0069】
【表1】
【0070】
【表2】
【0071】*1:イソプロピルアルコール *2:メチルエチルケトン *3:テトラヒドロフラン
【0072】
【表3】
【0073】
【表4】
【0074】[実施例2]式(7)で示されるポリマー
を92.0部、式(8)の含フッ素水素シロキサンの代
わりに下記式(9)で示される含フッ素水素シロキサン
8.0部を使用した以外は実施例1と同様に組成物を調
製し、硬化物を作成した。
【0075】得られた硬化物を上記と同様に物性を測定
したところ、以下に示す結果を得た。 硬さ(JIS−A): 23 伸び(%): 68 引っ張り強さ(kgf/cm2 ): 3
【0076】
【化34】
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年6月18日(1999.6.1
8)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】
【化12】 (YはF又はCF3基、p,q,kはそれぞれp≧1、
q≧1、2≦p+q≦200、特に2≦p+q≦11
0、0≦k≦6の整数)
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】
【化22】 (YはF又はCF3基、p,q,kはそれぞれp≧1、
q≧1、2≦p+q≦200、特に2≦p+q≦11
0、0≦k≦6の整数)
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08G 77/50 C08G 77/50 (72)発明者 木下 博文 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内 Fターム(参考) 4J001 DA01 DB01 DB02 DC10 DC14 DC25 DD02 DD03 DD20 EB24 EB28 EB72 EB73 EB74 EC36 EC38 EC81 EE82C FA01 FB03 FB05 FC03 FC05 JA01 JB18 JB32 JB33 JB50 4J002 CH05Y CP04X CP051 CP08X CP081 CP091 CP141 CP171 DE028 DE187 EN136 EV256 FD31Y FD316 GH01 HA07 4J035 BA03 CA01U CA04U CA14U CA16U CA18U CA19U GA01 GA02 LA08 LB01

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)下記一般式(1)で示される含フ
    ッ素アミド化合物、 【化1】 [但し、式中R1は炭素数1〜10の、アルキル基、シ
    クロアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキ
    ル基及びこれらの基の水素原子の一部又は全部をハロゲ
    ン原子で置換した基から選ばれる一価炭化水素基、R2
    は水素原子又はR1と同様の一価炭化水素基、Qは下記
    一般式(2)又は(3)で示される基 【化2】 (但し、式中R3は結合途中に酸素原子、窒素原子及び
    ケイ素原子の1種又は2種以上を介在させてもよい炭素
    数1〜20の、アルキレン基、シクロアルキレン基、ア
    リーレン基、これらの基の水素原子の一部をハロゲン原
    子で置換した基、及び上記アルキレン基とアリーレン基
    とを組み合わせた基から選ばれる二価炭化水素基を示
    す。) 【化3】 (但し、式中R4及びR5はそれぞれ炭素数1〜10の、
    アルキレン基、シクロアルキレン基及びこれらの基の水
    素原子の一部をハロゲン原子で置換した基から選ばれる
    二価炭化水素基を示す。)Rfは−Cm2m−(m=1
    〜10)で示される二価のパーフルオロアルキレン基又
    は下記式で示される基から選ばれる二価のパーフルオロ
    ポリエーテル基であり、aは0〜10の整数である。] 【化4】 (YはF又はCF3基、p,q,kはそれぞれp≧1、
    q≧1、2≦p+q≦200、特に2≦p+q≦11
    0、0≦k≦6の整数) 【化5】 (r,s,tはそれぞれ0≦r≦6、s≧0、t≧0、
    0≦s+t≦200、特に2≦s+t≦110の整数) 【化6】 (YはF又はCF3基、u,vはそれぞれ1≦u≦2
    0、1≦v≦20の整数) 【化7】 (wは1≦w≦100の整数) (B)1分子中に一個以上の一価のパーフルオロオキシ
    アルキル基、一価のパーフルオロアルキル基、二価のパ
    ーフルオロオキシアルキレン基及び二価のパーフルオロ
    アルキレン基から選ばれる基を有し、かつ2個以上のヒ
    ドロシリル基を有する含フッ素オルガノ水素シロキサ
    ン、 (C)界面活性剤、 (D)白金系触媒、 (E)水を含有してなることを特徴とする含フッ素エマ
    ルジョン型硬化性組成物。
  2. 【請求項2】 (A)成分の含フッ素アミド化合物中の
    置換基R1及びR2のアリール基がフェニル基、トリル
    基、キシリル基又はナフチル基であり、アラルキル基が
    ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基又
    はメチルベンジル基であり、R3のアリーレン基がフェ
    ニレン基、トリレン基、キシリレン基、ナフチレン基又
    はビフェニレン基であり、R3の結合の途中に介在され
    る酸素原子は−O−、窒素原子は−NR’−(R’は水
    素原子又は炭素数1〜8のアルキル基又はアリール
    基)、ケイ素原子は 【化8】 (但し、R’’は炭素数1〜8のアルキル基又はアリー
    ル基、R’’’は炭素数1〜6のアルキレン基又はアリ
    ーレン基であり、n=0〜10の整数である。)として
    介在される請求項1記載の含フッ素エマルジョン型硬化
    性組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010189602A (ja) * 2009-02-20 2010-09-02 Shin-Etsu Chemical Co Ltd 硬化性フルオロポリエーテル組成物、該組成物から得られる微粉末状又はペースト状の重合生成物、及び該重合生成物の製造方法
JP2018123206A (ja) * 2017-01-30 2018-08-09 信越化学工業株式会社 含フッ素コーティング剤組成物及びコーティングされた物品

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