JP2000321233A - 異常水質検出装置 - Google Patents

異常水質検出装置

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JP2000321233A JP11134240A JP13424099A JP2000321233A JP 2000321233 A JP2000321233 A JP 2000321233A JP 11134240 A JP11134240 A JP 11134240A JP 13424099 A JP13424099 A JP 13424099A JP 2000321233 A JP2000321233 A JP 2000321233A
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方 正 升
Hirotaka Uno
野 弘 高 宇
Tatsuya Nakai
井 達 也 中
Tadashi Matsunaga
永 是 松
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村 徳 幸 中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 流入水の水質異常を、短時間でかつ正確、高
感度に検出することができると共に、当該検出測定を安
定に持続することができる異常水質検出装置を提供する
こと。 【解決手段】 本発明の異常水質検出装置20は、導入
口11を有する測定槽10と、導入口11に接続され導
入口11に被測定液を導入する導入管1と、導入管11
に接続され導入管11内に第1鉄含有溶液を導入する試
薬配管1tとを備えている。測定槽10内には、導入管
1から導入口11を経て測定槽10内に導入される被測
定液の流れ方向Aに対して略平行に、鉄バクテリアを保
持する微生物膜4が設けられている。微生物膜4には、
電極装置3が接続されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、浄水場や下水処理
場等に流入する被処理水の水質異常を検出する異常水質
検出装置に係り、とりわけ、微生物膜を備え被処理水に
対する微生物膜の反応から被処理水の水質異常を検出す
る異常水質検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】浄水場は、河川水を取水、処理して、飲
料水等を供給しているが、有害物質が河川水中に混入す
る等して通常の処理では除去できないような水質異常が
検出されると、取水停止という非常事態に至る。
【0003】同様に、下水処理場は流入下水を活性汚泥
処理しているが、流入下水への有害物質の混入等による
水質異常は、処理の量や精度等に大きく影響する。
【0004】このため、浄水場や下水処理場では、流入
水の水質を事前に検出するか、遅くとも流入水の流入時
までに検出する必要がある。
【0005】従来は、流入水が導入される水槽に魚類を
飼育し、当該魚類の行動の変化あるいは致死等の状態を
観察することによって、流入水の水質異常を検出してい
た。さらに、魚類観察者の負荷を低減するために、画像
処理を利用して魚類を自動監視する装置も提供されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述のような異常水質
検出方法では、魚類が異常水質の流入水により異常行動
を起こすまでに、あるいは死亡するまでに時間がかかる
ため、結果として異常水質の検出にも長時間がかかって
いる。また、魚類飼育用の水槽及び監視用装置は比較的
大型であり、構造も複雑である。
【0007】さらに、魚類の種々の行動には、当該魚類
の種別に基づく性質の他、個々の魚類の健康状態や水槽
の周囲の環境等による影響も反映され得る。従って、異
常水質の判別が困難で、結果的に異常検出の感度が低く
なったり、異常水質の誤検出を生じることもある。
【0008】本件発明者らは、本件発明に至る過程にお
いて、鉄バクテリアを保持する微生物膜と電極装置とを
用いることによって、流入水の異常水質を、短時間に正
確かつ高感度に検出することができることを知見した。
しかしながら、流入水を微生物膜に噴流(直交する水
流)として直接衝突させると、電極装置から得られる測
定値の変動やふらつきが大きく、検出測定が困難である
ことも知見した。
【0009】本発明は、このような点を考慮してなされ
たのであり、浄水場や下水処理場等への流入水の異常水
質を、短時間に正確かつ高感度に検出することができる
と共に、当該検出測定を安定に持続できるような異常水
質検出装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、導入口を有す
る測定槽と、導入口に接続され、導入口に被測定液を導
入する導入管と、導入管に接続され、導入管内に第1鉄
含有溶液を導入する試薬配管と、測定槽内に、導入管か
ら導入口を経て測定槽内に導入される被測定液の流れ方
向に沿って設けられた、鉄バクテリアを保持する微生物
膜と、微生物膜に接続された電極装置と、を備えたこと
を特徴とする異常水質検出装置である。
【0011】本発明によれば、鉄バクテリアによる第1
鉄の酸化作用を利用することにより、測定槽内に導入さ
れる被測定液の異常水質を短時間に、高感度で正確に検
出することができると共に、微生物膜が被測定液の流れ
方向に対して略平行に設けられているため、当該検出測
定を安定に持続することができる。
【0012】本発明は、内部側が大径の略円錐状に形成
された導入口を有する測定槽と、導入口の小径側の端部
に接続され、導入口に被測定液を導入する導入管と、導
入管に接続され、導入管内に第1鉄含有溶液を導入する
試薬配管と、測定槽内に設けられた、鉄バクテリアを保
持する微生物膜と、微生物膜に接続された電極装置と、
を備えたことを特徴とする異常水質検出装置である。
【0013】本発明によれば、鉄バクテリアによる第1
鉄の酸化作用を利用することにより、測定槽内に導入さ
れる被測定液の異常水質を短時間に、高感度で正確に検
出することができると共に、被測定液が円錐状の導入管
を経て緩やかな流速で微生物膜に接触するため、当該検
出測定を安定に持続することができる。
【0014】本発明は、導入口を有する測定槽と、導入
口に接続され、導入口に被測定液を導入する導入管と、
導入管に接続され、導入管内に第1鉄含有溶液を導入す
る試薬配管と、測定槽内に、導入口から2mm以上離れ
た位置に設けられた、鉄バクテリアを保持する微生物膜
と、微生物膜に接続された電極装置と、を備えたことを
特徴とする異常水質検出装置である。
【0015】本発明によれば、鉄バクテリアによる第1
鉄の酸化作用を利用することにより、測定槽内に導入さ
れる被測定液の異常水質を短時間に、高感度で正確に検
出することができると共に、被測定液の導入口と微生物
膜とが2mm以上離れているため、当該検出測定を安定
に持続することができる。
【0016】本発明は、導入口を有する測定槽と、導入
口に接続され、導入口に被測定液を導入する導入管と、
導入管に接続され、導入管内に第1鉄含有溶液を導入す
る試薬配管と、測定槽内に設けられた、鉄バクテリアを
保持する微生物膜と、微生物膜に接続された電極装置
と、導入口と微生物膜との間に設けられた液流妨害部
と、を備えたことを特徴とする異常水質検出装置であ
る。
【0017】本発明によれば、鉄バクテリアによる第1
鉄の酸化作用を利用することにより、測定槽内に導入さ
れる被測定液の異常水質を短時間に、高感度で正確に検
出することができると共に、液流妨害部によって被測定
液が直接微生物膜と衝突することが防止されるため、当
該検出測定を安定に持続することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について説明する。
【0019】図1は、本発明の第1の実施の形態による
異常水質検出装置を示す構成概略図であり、図2は、測
定槽部分の拡大図である。図1及び図2に示すように、
本発明の第1の実施の形態の異常水質検出装置20は、
浄水場や下水処理場への流入水などの被測定液が導入さ
れる導入口11と、被測定液が排出される排出口12
と、を有する測定槽10を備えている。測定槽10は、
温度調整器5内に設けられて、所望の温度に調整可能と
なっている。
【0020】導入口11には導入管1が接続され、排出
口12には排出管2が接続されている。導入管1には、
被測定液を供給するための被測定液供給ポンプ1pが設
けられている。
【0021】図2に示すように、測定槽10内には、導
入管1から導入口11を経て測定槽10内に導入される
被測定液の流れ方向Aに対して略平行に、酸素を利用し
て第1鉄を第2鉄に変えることができる鉄バクテリアを
保持する微生物膜4が設けられている。微生物膜4は、
着脱ホルダ4hを介して、測定槽10に着脱可能に固定
されている。
【0022】本実施の形態で微生物膜4に保持される鉄
バクテリアは、Thiobacillus ferro
oxidansである。
【0023】本実施の形態の導入管1には、第1鉄含有
溶液とPH調整用緩衝液との混合試薬溶液を導入するた
めの試薬配管1tが接続している。試薬配管1tは、試
薬供給ポンプ1qを介して試薬タンク7に接続されてい
る。
【0024】また本実施の形態の導入管1は、空気ある
いは酸素濃度を一定に調整した気体を導入管1に供給す
る気体供給器14にも接続されている。
【0025】微生物膜4には、電極装置3が接続されて
いる。電極装置3は、図2に示すように、微生物膜4の
測定槽10内部側と逆側に重ねられた気体透過性膜32
と、気体透過性膜32に当接する検出電極33とを有し
ている。検出電極33は、支持柱38によって保持され
ている。支持柱38の周囲には、検出電極33の周囲で
気体透過性膜32に当接する内部液を収容するための内
部室35が、溶存酸素電極36によって区画形成されて
いる。また、支持柱38の外周には、対極34が設けら
れている。
【0026】電極装置3の検出電極33及び対極34に
は、電線33a、34aを介して、電極装置3の出力を
増幅、変換すると共に、被測定液の異常水質を判別する
変換演算手段13が接続されている。
【0027】次に、このような構成よりなる本実施の形
態の作用について説明する。
【0028】本実施の形態では、被測定液供給ポンプ1
pにより送液された被測定液が、試薬タンク7から試薬
供給ポンプ1qにより試薬配管1tを介して送られてく
る第1鉄含有溶液とPH調整用緩衝液との混合溶液と、
導入管1内で混合される。この混合液は、その後、気体
供給管14から供給される気体によって溶存酸素濃度が
飽和され、さらに導入管1を通って導入口11から測定
槽10内に流入する。
【0029】まず、有害物質が混入していない被測定液
が単独で測定槽10内に流入した場合について説明す
る。この場合、当該被測定液が微生物膜4に接すると、
被測定液中の溶存酸素濃度に対応した酸素が気体透過性
膜32を透過して溶存酸素電極36の内部液中を拡散す
るため、検出電極33と対極34との間に電流が流れ
る。
【0030】例えば、被測定液中の溶存酸素濃度を空気
により飽和させた場合の測定では、図3のa部に示した
ような電流が流れる。この場合、微生物膜4の鉄バクテ
リアによる酸素消費は極めて僅かである。
【0031】次に、有害物質が混入していない被測定液
が、第1鉄含有溶液及びPH調整用緩衝液の混合液と混
合されて測定槽10内に流入した場合について説明す
る。この場合、微生物膜4の鉄バクテリアが、溶存酸素
を利用して第1鉄を第2鉄に酸化するため、気体透過性
膜32を透過する酸素が減少する。この化学反応式は以
下のようになる。
【0032】Fe2+(第1鉄)+0(酸素) →
Fe3+(第2鉄) この場合、検出電極33と対極34との間に流れる電流
は、図3のb部のようになる。
【0033】この測定例は、微生物膜4に保持される鉄
バクテリアがThiobacillus ferroo
xidansの場合の結果であるが、鉄バクテリアとし
ては、前記化学式の働きを持つすべての微生物が本発明
に適用できる。もっとも、本件発明者らは、入手の容易
性と多くの実験における取り扱いの容易性から、Thi
obacillus ferrooxidans、Ga
llionellaferruginea、Lepto
spirillum ferrooxidans、Le
ptothrix、Sphaerotilusがより適
していることを確認している。
【0034】さて、図3のa部の電流とb部の電流との
差が、異常水質のない被測定液を測定した場合の、微生
物膜4の鉄バクテリアによる、鉄の酸化における酸素消
費量に対応している。ただし、鉄バクテリアの活性すな
わち鉄の酸化量は、温度の影響によっても変化する可能
性があるため、測定槽10は、温度調整器5によって、
鉄バクテリアの活性が安定するような温度に維持される
ことが望ましい。
【0035】また、図3のa部の電流値は、被測定液中
の溶存酸素濃度によっても変化する。このため、測定槽
10に被測定液を供給する前に、空気あるいは酸素濃度
を一定に調整した気体を気体供給器14から供給して、
常に被測定液を飽和溶存酸素濃度にすることが望まし
い。ここで飽和溶存酸素濃度は液温度により変化するた
め、この点においても、温度調節器5によって測定槽1
0を一定の温度に維持することは重要である。
【0036】次に、被測定液中にシアン、フェノール、
農薬等の有害物質が混入した場合について説明する。こ
の場合、鉄バクテリアは活性低下を生じたり死亡したり
するため、酸素消費量は少なくなる。例えば、シアン濃
度0.1mg/Lの場合には、図3のc部のような電流
が流れる。この時の酸素消費量の変化は、有害物質の濃
度と相関があり、シアン濃度0.05mg/Lでは図3
のd部のようになる。
【0037】従って、(a部の電流値−b部の電流値)
と、(a部の電流値−c部の電流値)または(a部の電
流値−d部の電流値)との比較、あるいは(c部の電流
値−b部の電流値)と、(d部の電流値−b部の電流
値)との比較から、異常水質を検出することが可能とな
る。例えば、変換演算手段13によって、異常水質の検
出結果を自動的に警報、ガイダンス等の態様で出力する
ことが可能である。
【0038】ここで本件発明者は、被測定液と第1鉄含
有溶液及びPH調整用緩衝液との混合液を微生物膜4の
至近距離から微生物膜4の膜面に噴流(直交する水流)
として衝突させた場合、短時間で検出電極33の測定値
が変化することを確認した。具体的には、混合液を測定
槽10に導入した場合、始めは図3のb部のような低い
電流が流れるが、数時間で電流値が上昇し始める。ま
た、指示値のふらつきも大きく、測定が困難である。
【0039】本実施の形態では、図2に示すように、被
測定液と第1鉄含有溶液及びPH調整用緩衝液との混合
液が、微生物膜4の膜面に対し平行流、または平行に近
い水流として流入するようになっているため、前述のよ
うな測定値の変動、ふらつきがなく、安定した測定が長
期間持続できる。
【0040】以上のように、本実施の形態によれば、微
生物膜4の鉄バクテリアによる第1鉄の酸化作用を利用
することにより、測定槽10内に導入される被測定液の
異常水質を、短時間に高感度で正確に検出することがで
きる。
【0041】また本実施の形態によれば、微生物膜4が
被測定液の流れ方向に対して略平行に設けられているた
め、当該検出測定を安定に持続することができる。
【0042】また本実施の形態によれば、気体供給器1
4から空気あるいは酸素濃度を一定に調整した気体が導
入管1に供給されるため、被測定液を常に飽和溶存酸素
濃度にすることができ、水質検出測定の精度が向上す
る。
【0043】また本実施の形態によれば、温度調整器5
によって測定槽10が温度調整されるため、鉄バクテリ
アの活性が安定し、水質検出測定の精度が向上する。
【0044】また本実施の形態によれば、微生物膜4が
着脱ホルダ4hを介して着脱可能に測定槽10に取付け
られているため、取付けの際に微生物膜4がよじれた
り、破けたり、気泡が残留するなどして、測定の精度を
低下させる要因となることが防止される。また、微生物
膜4の交換が容易に行える。
【0045】なお、長期間未使用状態にあった微生物膜
4を使用すると、測定が安定するまでに長時間を要した
り、安定な測定が困難な場合がある。本件発明者らは、
微生物膜4(が保持する鉄バクテリア)を凍結乾燥処理
することによって、数ヶ月という長期間保管した後で
も、短時間で安定な測定が可能な状態になることを確認
した。
【0046】次に、本発明の第2の実施の形態の異常水
質検出装置について図4を用いて説明する。図4は、第
2の実施の形態の異常水質検出装置の構成概略図であ
る。
【0047】図4に示すように、本実施の形態の異常水
質検出装置20は、導入管1に、酸溶液を導入するため
の酸供給配管1aが接続され、酸供給配管1aは、酸供
給ポンプ1rを介して酸タンク8に接続されている他
は、図1及び図2に示す第1の実施の形態と同様の構成
である。第2の実施の形態において、図1及び図2に示
す第1の実施の形態と同一の部分には同一の符号を付し
て詳細な説明は省略する。
【0048】酸溶液は、PH4以下に調整された硫酸ま
たは塩酸等の強酸溶液となっている。
【0049】本実施の形態では、図4に示すように、被
測定液と第1鉄含有溶液とPH調整用緩衝液の混合溶液
が送液される導入管1に、酸溶タンク8から強酸溶液を
供給することができるようになっている。
【0050】本実施の形態では、酸供給配管1aに、酸
溶液を1時間に1回乃至1週間に1回の頻度で供給する
ような第1酸供給制御装置1dと、酸溶液を15分以上
連続供給するような第2酸供給制御装置1cとが設けら
れ、これにより定期的な強酸溶液の定量の導入が実現さ
れている。
【0051】異常水質検出測定は、前述の第1の実施の
形態の異常水質検出装置20と略同様に行われる。
【0052】異常水質検出測定を継続すると、被測定液
中の汚濁物質が導入管1及び測定槽10内部に徐々に付
着堆積してくる。また、試薬溶液中の第1鉄の一部が第
2鉄に酸化されて析出するが、これも導入管1及び測定
槽10内部に徐々に付着堆積してくる。これらは、導入
管1の閉塞や、水質検出測定の感度低下につながり得
る。
【0053】本実施の形態の異常水質検出装置20は、
これらの問題を解消するものであり、定期的に酸タンク
8から強酸溶液を導入管1に供給し、導入管1内や測定
槽10内に付着堆積している汚濁物質および第2鉄を除
去、排出する「酸洗浄」を行う。強酸溶液による汚濁物
質の除去は、有機性のものには特に効果的である。ま
た、第2鉄も再溶解して容易に除去される。さらに、微
生物膜4への付着物も除去され、長期間の安定な高精度
な測定が可能となる。
【0054】なお、このような酸洗浄は、鉄バクテリア
がPH4以下の強酸性溶液中でも活性を維持できるとい
う特異な性質に基づくものである。他のタイプの微生物
膜では、このような酸洗浄は実施不可能である。
【0055】次に、本発明の第3の実施の形態の異常水
質検出装置について図5を用いて説明する。図5は、第
3の実施の形態の異常水質検出装置の測定槽部分の構成
概略図である。
【0056】図5に示すように、本実施の形態の異常水
質検出装置20は、導入管1が螺旋状に形成されている
他は、図1及び図2に示す第1の実施の形態と同様の構
成である。第3の実施の形態において、図1及び図2に
示す第1の実施の形態と同一の部分には同一の符号を付
して詳細な説明は省略する。
【0057】本実施の形態によれば、被測定液が螺旋状
の導入管1を介して測定槽10内に導入されるため、被
測定液は微生物膜4に対して極めて穏やかに接触する。
このため、水質検出測定が安定する。
【0058】次に、本発明の第4の実施の形態の異常水
質検出装置について図6を用いて説明する。図6は、第
4の実施の形態の異常水質検出装置の測定槽部分の構成
概略図である。
【0059】図6に示すように、本実施の形態の異常水
質検出装置20は、導入口11が測定槽10の底部に内
部側を大径にした略円錐状に形成され、小径側の端部で
導入管11に接続されている。この場合、微生物膜4
は、導入口11を経て測定槽10内に導入される被測定
液の流れ方向Bに対して直交する向きに配置されてい
る。
【0060】その他の構成は、図1及び図2に示す第1
の実施の形態と同様の構成である。第4の実施の形態に
おいて、図1及び図2に示す第1の実施の形態と同一の
部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0061】本実施の形態では、導入口11の形状は、
軸を含んで軸方向に平行な断面の頂角が120度以上の
円錐状である。
【0062】本実施の形態によれば、微生物膜4が被測
定液の流れ方向Bに対して直交する向きに設けられてい
るが、被測定液が略円錐状の導入口11を介して測定槽
10内に導入されるため、被測定液が微生物膜4に対し
て極めて緩やかな流速で接する。このため、水質検出測
定が安定する。
【0063】次に、本発明の第5の実施の形態の異常水
質検出装置について図7を用いて説明する。図7は、第
5の実施の形態の異常水質検出装置の測定槽部分の構成
概略図である。
【0064】図7に示すように、本実施の形態の異常水
質検出装置20は、微生物膜4が導入口11を経て測定
槽10内に導入される被測定液の流れ方向Bに対して直
交する向きに、導入口から2mm以上離れた位置に設け
られている他は、図1及び図2に示す第1の実施の形態
と同様の構成である。第5の実施の形態において、図1
及び図2に示す第1の実施の形態と同一の部分には同一
の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0065】本実施の形態によれば、微生物膜4が被測
定液の流れ方向Bに対して直交する向きに設けられてい
るが、被測定液の導入口と微生物膜とが2mm以上離れ
ているため、当該検出測定を安定に持続することができ
る。ここで「2mm」という距離は、本件発明者が多く
の実験結果に基づいて知見した値であるが、この値は正
確には流入する溶液の流速に影響されるため、流速に合
わせて更に余裕を持たせることが好ましい。
【0066】次に、本発明の第6の実施の形態の異常水
質検出装置について図8を用いて説明する。図8は、第
6の実施の形態の異常水質検出装置の測定槽部分の構成
概略図である。
【0067】図8に示すように、本実施の形態の異常水
質検出装置20は、導入口11と微生物膜4との間に液
流妨害部17が設けられている他は、図7に示す第5の
実施の形態と同様の構成である。第6の実施の形態にお
いて、図7に示す第5の実施の形態と同一の部分には同
一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0068】本実施の形態によれば、微生物膜4が被測
定液の流れ方向Bに対して直交する向きに設けられてい
るが、液流妨害部17によって被測定液が直接微生物膜
4と衝突することが防止されるため、水質検出測定を安
定に持続することができる。
【0069】なお、被測定液の微生物膜4への接触状態
を制御するために、測定槽10の内部に被測定液を攪拌
するための攪拌装置を設けることも有効である。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
鉄バクテリアによる第1鉄の酸化作用を利用することに
より、測定槽内に導入される被測定液の異常水質を短時
間に、高感度で正確に検出することができると共に、微
生物膜が被測定液の流れ方向に対して略平行に設けられ
ているため、当該検出測定を安定に持続することができ
る。
【0071】あるいは本発明によれば、鉄バクテリアに
よる第1鉄の酸化作用を利用することにより、測定槽内
に導入される被測定液の異常水質を短時間に、高感度で
正確に検出することができると共に、被測定液が円錐状
の購入管を経て緩やかな流速で微生物膜に接触するた
め、当該検出測定を安定に持続することができる。
【0072】あるいは本発明によれば、鉄バクテリアに
よる第1鉄の酸化作用を利用することにより、測定槽内
に導入される被測定液の異常水質を短時間に、高感度で
正確に検出することができると共に、被測定液の導入口
と微生物膜とが2mm以上離れているため、当該検出測
定を安定に持続することができる。
【0073】あるいは本発明によれば、鉄バクテリアに
よる第1鉄の酸化作用を利用することにより、測定槽内
に導入される被測定液の異常水質を短時間に、高感度で
正確に検出することができると共に、液流妨害部によっ
て被測定液が直接微生物膜と衝突することが防止される
ため、当該検出測定を安定に持続することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による異常水質検出装置の第1の実施の
形態を示す構成概略図。
【図2】図1の測定槽部分を示す構成概略図。
【図3】図1の電極装置が検出する電流値を示す図。
【図4】本発明による異常水質検出装置の第2の実施の
形態を示す構成概略図。
【図5】本発明による異常水質検出装置の第3の実施の
形態の測定槽部分を示す構成概略図。
【図6】本発明による異常水質検出装置の第4の実施の
形態の測定槽部分を示す構成概略図。
【図7】本発明による異常水質検出装置の第5の実施の
形態の測定槽部分を示す構成概略図。
【図8】本発明による異常水質検出装置の第6の実施の
形態の測定槽部分を示す構成概略図。
【符号の説明】
1 導入管 1a 酸供給配管 1t 試薬配管 1p 被測定液供給ポンプ 1q 試薬供給ポンプ 1r 酸供給ポンプ 2 排出管 3 電極装置 4 微生物膜 4h 着脱ホルダ 5 温度調整器 7 試薬タンク 8 酸タンク 10 測定槽 11 導入口 12 排出口 13 変換演算手段 14 気体供給器 17 液流妨害部 20 異常水質検出装置 32 気体透過性膜 33 検出電極 34 対極 35 内部室 36 溶存酸素電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 升 方 正 東京都港区芝浦一丁目1番1号 株式会社 東芝本社事務所内 (72)発明者 宇 野 弘 高 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 (72)発明者 中 井 達 也 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 (72)発明者 松 永 是 東京都小金井市本町4丁目20番地15号 (72)発明者 中 村 徳 幸 東京都小金井市中町2−24−31−20

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導入口を有する測定槽と、 導入口に接続され、導入口に被測定液を導入する導入管
    と、 導入管に接続され、導入管内に第1鉄含有溶液を導入す
    る試薬配管と、 測定槽内に、導入管から導入口を経て測定槽内に導入さ
    れる被測定液の流れ方向に沿って設けられた、鉄バクテ
    リアを保持する微生物膜と、 微生物膜に接続された電極装置と、を備えたことを特徴
    とする異常水質検出装置。
  2. 【請求項2】導入管は、螺旋状に形成されていることを
    特徴とする請求項1に記載の異常水質検出装置。
  3. 【請求項3】内部側が大径の略円錐状に形成された導入
    口を有する測定槽と、 導入口の小径側の端部に接続され、導入口に被測定液を
    導入する導入管と、 導入管に接続され、導入管内に第1鉄含有溶液を導入す
    る試薬配管と、 測定槽内に設けられた、鉄バクテリアを保持する微生物
    膜と、 微生物膜に接続された電極装置と、を備えたことを特徴
    とする異常水質検出装置。
  4. 【請求項4】導入口の形状は、軸を含んで軸方向に平行
    な断面の頂角が120度以上の円錐状であることを特徴
    とする請求項3に記載の異常水質検出装置。
  5. 【請求項5】導入口を有する測定槽と、 導入口に接続され、導入口に被測定液を導入する導入管
    と、 導入管に接続され、導入管内に第1鉄含有溶液を導入す
    る試薬配管と、 測定槽内に、導入口から2mm以上離れた位置に設けら
    れた、鉄バクテリアを保持する微生物膜と、 微生物膜に接続された電極装置と、を備えたことを特徴
    とする異常水質検出装置。
  6. 【請求項6】導入口を有する測定槽と、 導入口に接続され、導入口に被測定液を導入する導入管
    と、 導入管に接続され、導入管内に第1鉄含有溶液を導入す
    る試薬配管と、 測定槽内に設けられた、鉄バクテリアを保持する微生物
    膜と、 微生物膜に接続された電極装置と、 導入口と微生物膜との間に設けられた液流妨害部と、を
    備えたことを特徴とする異常水質検出装置。
  7. 【請求項7】測定槽は、内部に導入される被測定液を攪
    拌するための攪拌装置を有していることを特徴とする請
    求項1乃至6のいずれかに記載の異常水質検出装置。
  8. 【請求項8】導入管は、空気あるいは酸素濃度を一定に
    調整した気体を供給するための気体供給器に接続されて
    いることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載
    の異常水質検出装置。
  9. 【請求項9】導入管は、酸溶液を導入するための酸供給
    配管に接続されていることを特徴とする請求項8に記載
    の異常水質検出装置。
  10. 【請求項10】酸溶液は、PH4以下に調整した溶液で
    あることを特徴とする請求項9に記載の異常水質検出装
    置。
  11. 【請求項11】微生物膜は、着脱可能に設けられている
    ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の
    異常水質検出装置。
  12. 【請求項12】測定槽は、温度調整器内に設けられてい
    ることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載
    の異常水質検出装置。
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