JP2000318328A - 熱転写記録媒体およびその製造方法 - Google Patents
熱転写記録媒体およびその製造方法Info
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Abstract
おけるインキ層剥がれのない熱転写記録を可能にするこ
と、また剥離層材料が保存安定性にも優れた熱転写記録
媒体であること、これらを満たす熱転写記録媒体とその
製造方法を提供する。 【解決手段】支持体の片面に耐熱層を有し、他面には、
剥離層、インク層をこの順に有する熱転写記録媒体で、
剥離層がワックスと樹脂を主成分とし、その比率が9
5:5〜80:20であり、且つ樹脂はエチレン−酢酸
ビニル共重合体とスチレン−ブタジエンゴムを主成分と
し、その比率が50:50〜80:20であり、特には
エチレン−酢酸ビニル共重合体の、酢酸ビニル含量が3
3wt%以上であることを特徴とする。
Description
ての転写不良、低温環境下において機械的外力による、
支持体からのインク層剥がれがなく、また剥離層用塗布
液の保存安定性に優れた熱転写記録媒体(インクリボ
ン)及びその製造方法に関するものであり、特にバーコ
ードをプリントするバーコードプリンター用途の熱転写
記録媒体に好適な技術に関する。
式で、且つ、メンテナンスフリー等の利点がある為、各
種プリンターやファクシミリの分野で広く利用されてい
る。またバーコードのように線幅、長さに厳しい規格が
設けられているものは、細線をシャープに印字させるた
めのインク層の膜切れ性が要求される。またバーコード
リーダーによる読みとりを確実なものとするために、印
字されたバーコードには耐擦過性が要求される。
いる熱転写記録媒体としては、シャープな印字性と、印
字物の耐擦過性を向上させるため、着色剤及びバインダ
ーからなるインク層を、ワックスを主成分とした剥離層
を介して支持体上に設けたものが代表的であるが、剥離
層のワックスとして多く用いられているものは凝集力が
小さく、支持体として多く用いられているPET(ポリ
エチレンテレフタレート)などの樹脂フィルムとの接着
性が極めて低く、剥離層、インク層が揉み落ちしてしま
う不具合が生じる。
要に応じて支持体との間にある程度の接着力を有する低
軟化点、低分子量の樹脂成分、例えば、エポキシ樹脂、
スチレンオリゴマー、エチレン−酢ビ共重物、ポリアミ
ド樹脂、ポリウレタン樹脂等の結着剤を添加する方法が
あげられるが、その使用成分の種類によっては、低温環
境下において機械的外力によるインク層剥がれ、高温環
境下においての転写不良が生ずることがあり、その作業
環境によっては必ずしも良好であるとは言えなかった。
成分を、有機溶剤もしくは水を溶媒として剥離層用塗布
液を製造する方法においては、その使用成分の種類によ
ってはワックスの分散安定性が低く、長期保存ができ
ず、また粒子の凝集が生じ、塗工ムラが生じて均一な剥
離層を形成できないという問題点がある。
術の欠点を解消しようとするものであって、その目的
は、(イ)高温環境下においての転写不良、低温環境下
におけるインキ層剥がれのない熱転写記録を可能にする
こと、さらには(ロ)剥離層用塗布液が保存安定性にも
優れた熱転写記録媒体であること、これらを満たす熱転
写記録媒体とその製造方法を提供できるようにすること
にある。
に本発明が提供する手段は、まず請求項1に示すよう
に、支持体の片面に耐熱層を有し、該支持体の他面上に
は、剥離層、インク層をこの順に有する熱転写記録媒体
において、該剥離層がワックスと樹脂を主成分とし、そ
の比率が95:5〜80:20であり、且つ該樹脂はエ
チレン−酢酸ビニル共重合体とスチレン−ブタジエンゴ
ムを主成分とし、その比率が50:50〜80:20で
あることを特徴とする熱転写記録媒体である。
−酢酸ビニル共重合体の、酢酸ビニル含量が33wt%
以上であることを特徴とする請求項1に記載の熱転写記
録媒体である。(尚、本明細書中でwt%とは重量基準
の%であることを示す。)
面に耐熱層を有し、該支持体の他面上には、剥離層、イ
ンク層をこの順に有する熱転写記録媒体を製造する製造
方法であって、該剥離層の材料はワックスと樹脂を主成
分とし、その比率が95:5〜80:20であり、且つ
該樹脂はエチレン−酢酸ビニル共重合体とスチレン−ブ
タジエンゴムを主成分とし、その比率が50:50〜8
0:20であり、メチルイソブチルケトンを主成分とし
た溶剤に、該ワックスと樹脂とを溶解分散したインキ組
成物を塗布し、その後乾燥して、該剥離層を形成するこ
とを特徴とする熱転写記録媒体の製造方法である。
ついて詳細に説明する。本発明の記録材は、支持体とそ
の上に形成された剥離層、インク層とから構成されてお
り、支持体としては、耐熱強度を有し、寸法安定性と表
面平滑性の高いものであれば使用できるが、好ましくは
2〜10μmの厚さのポリエステルフィルムの裏面にサ
ーマルヘッドのスティッキングを防止する層を設けて成
るものを用いる。
が支持体から剥離し易いように形成するものであり、そ
の結果、解像力の優れた記録画像が得られるものであ
る。剥離層には主として、支持体との接着力が弱く、か
つ凝集力の小さいワックス類が用いられる。具体的に
は、パラフィンワックス、カルナバワックス、モンタン
ワックス、マイクロクリスタリンワックス、高級脂肪
酸、高級アルコール、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸
アミド等の融点が60〜120℃のワックス類を挙げる
ことができるが、これらのワックスに対してワックス:
樹脂比率が95:5〜80:20になるように樹脂を混
合する必要がある。
t%はエチレン−酢酸ビニル共重合体からなり、50〜
20wt%はスチレン−ブタジエンゴムを含有する。こ
こでのエチレン−酢酸ビニル共重合体は、支持体との結
着剤としての役割を持ち、かつ低温下におけるインク層
剥がれを防止し、さらには剥離層の形成に、有機溶剤を
溶媒とした剥離層用塗布液を使用した場合に、ワックス
と有機溶剤との親和性を緩和する作用を有する。また、
ここでのスチレンーブタジエンゴムは、支持体との結着
剤としての役割を持ち、かつ高温環境下においてPET
に対する接着強度が大きくなり、転写不良を発生させる
現象を押さえる作用を有する。
0:20が好ましく、樹脂の比率が20wt%を越える
と剥離層とPET間の接着強度は大きくなり転写不良の
問題が生じる。逆に5wt%未満であると接着強度は小
さくなり、インク層剥がれといった問題を生じる。さら
に、樹脂成分中のエチレン−酢酸ビニル共重合体の比率
が80wt%以上であると高温環境下における転写不良
が発生し、逆に50wt%未満であると、ワックスと有
機溶剤との親和性を緩和する作用が低くなり、剥離層用
塗布液としての保存安定性がなくなる。
した剥離層用塗布液を使用した場合に、ワックスとの親
和性の低いメチルイソブチルケトンを使用することによ
り、更にインキの保存安定性が良好となる。この場合、
樹脂として使用するエチレン−酢酸ビニル共重合体は、
メチルイソブチルケトンに溶解性の良好な、酢酸ビニル
含量33wt%以上のものを用いるのが好ましい。剥離
層の厚みは、0.1〜10μm、好ましくは0.5〜3
μmである。
り、具体的には着色剤、ワックスを主成分とし、さらに
必要に応じて樹脂や種々の添加剤を加えたものでもよ
い。着色剤としては、通常使用される染料や顔料が使用
できるが、転写記録された画像の耐候性を考慮すれば、
無機又は有機の顔料を使用することが好ましく、具体的
には、酸価チタン、炭酸カルシウム、ハンザイエロー、
オイルイエロー2G、カーボンブラック、オイルブラッ
ク、ピラゾロンオレンジ、オイルレッド、ベンガラ、ア
ンスラキノンバイオレット、フタロシアニンブルー、フ
タロシアニングリーン、アルミ粉、ブロンズ粉、パール
エッセンス、磁性粉等が用いられる。
クス、カルナバワックス、モンタンワックス、マイクロ
クリスタリンワックス、高級脂肪酸、高級アルコール、
高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミド等が用いられ
る。
スチレン樹脂、スチレン共重合樹脂、アクリル樹脂、メ
タクリル樹脂、ロジンエステル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹
脂、ポリ塩化ビニル、酢酸ビニル共重合樹脂、ポリエス
テル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ブチラー
ル樹脂、ポリアミド樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、
塩化ゴム、石油樹脂等が用いられる。インク層の厚み
は、0.5〜10μm好ましくは1〜3μmである。
は、まず支持体の表面に、剥離層組成物をソルベントコ
ーティング法によって塗布し、乾燥して剥離層を形成
し、その上に、水/アルコールに分散したインク層組成
物を、バーコード、ブレードコート、エアナイフコー
ト、グラビアコート、ロールコート等によって塗布、乾
燥して積層し、熱転写記録層を形成することにより成
る。
製造方法の実施例および比較例を示す。猶、各実施例中
の「部」とは重量部を意味する。 1.剥離層用塗布液の調製 表1に記載の材料を、サンドミルにて1時間粉砕分散し
て調製した。
ング防止層を設けて成る6μmの厚さのポリエステルフ
ィルム上に乾燥後の塗布量が1.0g/m2 になるよう
にワイヤーバーを用いて塗布した。次いでインク層用塗
布液(表2)を、剥離層上に乾燥後の塗布量が2.0g
/m2 になるように同様に塗布し、熱転写記録媒体料を
作製した。
転写記録媒体について、ベック平滑度500秒/10c
cの表面処理されたキャストコート紙(王子製紙製)
に、バーコード用熱転写プリンター(サトー製:M−4
800RV)を用いて、低温環境下(5℃、60%R
H)、高温環境下(40℃、80%RH)の2条件下に
おいて、印字速度8inch/sでec印字を行い、そ
の転写性、及びインク剥がれの有無を調べた。また、得
られた剥離層用塗布液の状態と、インキとしての保存適
正を評価した。その結果を表3に示す。
塗布液の状態と保存適正の評価についての説明は以下に
示す。 転写性: バーコード部が鮮明に印字されているかどう
かの評価 ○ … バーコード部が鮮明に印字転写されている × … バーコード部が不鮮明な印字となり、部分的に
転写されていない、あるいはバリによりつぶれてしま
う。 インク層剥がれの有無: インク層の剥離を目視評価 剥離層用塗布液の状態: 沈殿物がないかどうかを目視
評価 剥離層用塗布液の保存性:40℃の環境下に1週間保存
し、インキがゲル状にならないかどうかを目視評価 ○ …異常なし ×…インキがゲル状に変化
録媒体は、高温環境下における転写性に優れ、且つ低温
環境下におけるインク層の剥がれがなく、且つ剥離層用
塗布液の保存安定性に優れた熱転写記録媒体を得ること
ができ、本発明の目的が達成された。
の熱転写記録媒体に関し、詳しくは、高温環境下におい
ての転写不良、低温環境下において機械的外力による支
持体からのインク層剥がれがなく、剥離層用塗布液の保
存安定性に優れた熱転写記録媒体及びその製造方法を可
能とする。
Claims (3)
- 【請求項1】支持体の片面に耐熱層を有し、該支持体の
他面上には、剥離層、インク層をこの順に有する熱転写
記録媒体において、 該剥離層がワックスと樹脂を主成分とし、その比率が9
5:5〜80:20であり、且つ該樹脂はエチレン−酢
酸ビニル共重合体とスチレン−ブタジエンゴムを主成分
とし、その比率が50:50〜80:20であることを
特徴とする熱転写記録媒体。 - 【請求項2】前記エチレン−酢酸ビニル共重合体の、酢
酸ビニル含量が33wt%以上であることを特徴とする
請求項1に記載の熱転写記録媒体。 - 【請求項3】支持体の片面に耐熱層を有し、該支持体の
他面上には、剥離層、インク層をこの順に有する熱転写
記録媒体を製造する製造方法であって、 該剥離層の材料はワックスと樹脂を主成分とし、その比
率が95:5〜80:20であり、且つ該樹脂はエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体とスチレン−ブタジエンゴムを
主成分とし、その比率が50:50〜80:20であっ
て、 メチルイソブチルケトンを主成分とした溶剤に、該ワッ
クスと樹脂とを溶解分散したインキ組成物を塗布し、そ
の後乾燥して、該剥離層を形成することを特徴とする熱
転写記録媒体の製造方法。
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JP13578499A JP3714027B2 (ja) | 1999-05-17 | 1999-05-17 | 熱転写記録媒体の製造方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007149239A3 (en) * | 2006-06-22 | 2008-03-27 | Eastman Kodak Co | Dispersants for waxes |
JP2021191613A (ja) * | 2020-06-05 | 2021-12-16 | フジコピアン株式会社 | 熱転写記録媒体 |
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1999
- 1999-05-17 JP JP13578499A patent/JP3714027B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2007149239A3 (en) * | 2006-06-22 | 2008-03-27 | Eastman Kodak Co | Dispersants for waxes |
US7696270B2 (en) | 2006-06-22 | 2010-04-13 | Eastman Kodak Company | Method of manufacturing a wax dispersion |
JP2021191613A (ja) * | 2020-06-05 | 2021-12-16 | フジコピアン株式会社 | 熱転写記録媒体 |
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