JP2000313321A - ブレーキ力保持装置 - Google Patents

ブレーキ力保持装置

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JP2000313321A
JP2000313321A JP11120841A JP12084199A JP2000313321A JP 2000313321 A JP2000313321 A JP 2000313321A JP 11120841 A JP11120841 A JP 11120841A JP 12084199 A JP12084199 A JP 12084199A JP 2000313321 A JP2000313321 A JP 2000313321A
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Satoshi Haneda
智 羽田
Yoichi Sugimoto
洋一 杉本
Toshiya Kanda
稔也 神田
Hirotoshi Inoue
弘敏 井上
Takahiro Eguchi
高弘 江口
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60TVEHICLE BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF; BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF, IN GENERAL; ARRANGEMENT OF BRAKING ELEMENTS ON VEHICLES IN GENERAL; PORTABLE DEVICES FOR PREVENTING UNWANTED MOVEMENT OF VEHICLES; VEHICLE MODIFICATIONS TO FACILITATE COOLING OF BRAKES
    • B60T7/00Brake-action initiating means
    • B60T7/12Brake-action initiating means for automatic initiation; for initiation not subject to will of driver or passenger
    • B60T7/122Brake-action initiating means for automatic initiation; for initiation not subject to will of driver or passenger for locking of reverse movement

Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両発進時のブレーキ力の解除による唐突感
を解消するブレーキ力保持装置を提供することを課題と
する。 【解決手段】 ブレーキペダルBPの踏込み開放後も車
両自体の発進駆動力が所定値に増加するまで、引続き車
両にブレーキ力を作用させるブレーキ力保持装置RUに
おいて、発進駆動力の増加につれてブレーキ力を低減さ
せることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ブレーキペダルの
踏込み開放後も車両自体の発進駆動力が所定値に増加す
るまで、引続き車両にブレーキ力を作用させるブレーキ
力保持装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ブレーキペダルの踏込み開放後も、車両
自体に発進駆動力が生じるまでの間、ブレーキ力を作用
させることができるブレーキ力保持装置が知られてい
る。このブレーキ力保持装置により、車両は、登坂発進
時に後ずさりすることなく円滑な発進を容易に行うこと
ができる。
【0003】例えば、特開平9−202159号公報に
は、トラクションコントロールシステムを利用したブレ
ーキ力制御装置が開示されている。このブレーキ力制御
装置は、駆動力検出手段で駆動力が小さな状態から大き
な状態に切換わったことが検出されるまで(すなわち、
発進駆動力が所定値に増加するまで)、トラクションコ
ントロールシステムの制御によって、一定のブレーキ力
を保持する。そして、駆動力が大きな状態に切換わる
と、ブレーキ力の保持を解除する。そのため、上り坂に
おいて、車両が後ずさりすることがない。また、本願出
願人による特願平10−370249号には、ブレーキ
液圧低下速度減少手段によるブレーキ液圧保持装置につ
いて記載している。このブレーキ液圧保持装置は、車両
自体に発進駆動力が生じるまでの間、ドライバのブレー
キペダルの踏込み力の低下速度に対してホイールシリン
ダ内のブレーキ液圧の低下速度を小さくすることによ
り、ブレーキ液圧を徐々に低下させ、ブレーキ力を保持
している。そして、車両自体に発進駆動力が生じると、
ブレーキ液圧の保持を解除してブレーキ力を解除する。
そのため、上り坂において、車両が後ずさりせず、ま
た、下り坂において、ブレーキペダルの踏込みを開放し
たり、部分的に緩めるだけで、車両が発進することもで
きる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のブレーキ力保持
装置では、図14に示すように、発進駆動力が所定値
(例えば、強クリープ状態:強クリープ状態については
後で詳細に説明する)に増加した時点でブレーキ力の作
用を一気に解除していた。そのため、ブレーキ力を解除
した時点の発進が唐突な感じになる場合があった。特
に、下り坂における発進では、車両自体の発進駆動力だ
けでなく車両の自重による移動力が加わるため、前記し
た唐突感が生じ易く、ドライバにとっては、この唐突感
が発進時のショックあるいは発進時のブレーキの引っ掛
かり感として感じられる。
【0005】そこで、本発明の課題は、車両発進時のブ
レーキ力の解除による前記した唐突感を解消するブレー
キ力保持装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決した本発
明に係るブレーキ力保持装置は、ブレーキペダルの踏込
み開放後も車両自体の発進駆動力が所定値に増加するま
で、引続き車両にブレーキ力を作用させるブレーキ力保
持装置において、前記発進駆動力の増加につれて前記ブ
レーキ力を低減させることを特徴とする。このブレーキ
力保持装置によれば、発進駆動力が所定値に達するのに
先立って、ブレーキ力の低減を開始し、以後、発進駆動
力の増加につれてブレーキ力を低減させる。そのため、
発進時に、ブレーキ力が一気に解除されることがないの
で、ドライバは、唐突感を受けない。
【0007】なお、前記の「所定値」とは、ブレーキ力
が無くても坂道で下がりを生じない程度の駆動力値であ
り、本実施の形態および実施例では傾斜5°の登坂路で
釣合う駆動力値に設定している。なお、どの程度の駆動
力値に設定するかは、ブレーキ力無しで下がりを生じな
い傾斜角の設定に応じて任意に決定する。駆動力値は、
駆動輪の駆動トルクを直接測定する場合や発進クラッチ
のトルク伝達容量を測定する場合など、特に限定するも
のではない。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係るブレーキ力
保持装置の実施の形態および実施例を図面を参照して説
明する。図1はブレーキ力保持装置の構成図、図2はブ
レーキ力保持装置を備える車両のシステム構成図、図3
は車両停止時における制御ロジックであり、(a)は弱
クリープ状態および比例電磁弁を遮断状態にする制御ロ
ジック、(b)はエンジンを自動停止する制御ロジッ
ク、図4は車両発進時における制御ロジックであり、
(a)は比例電磁弁を連通状態にする制御ロジック、
(b)は強クリープ状態にする制御ロジック、(C)は
エンジンを自動始動する制御ロジック、図5はブレーキ
力保持装置を備えた車両のエンジンを自動停止する場合
の制御タイムチャート(ブレーキ力低減パターン1)、
図6はブレーキ力保持装置を備えた車両のエンジンを自
動停止する場合の制御タイムチャート(ブレーキ力低減
パターン2)、図7はブレーキ力保持装置を備えた車両
のエンジンを自動停止する場合の制御タイムチャート
(ブレーキ力低減パターン3)、図8はブレーキ力保持
装置を備えた車両のエンジンを自動停止しない場合の制
御タイムチャート(ブレーキ力低減パターン1)、図9
はブレーキ力保持装置を備えた車両のエンジンを自動停
止しない場合の制御タイムチャート(ブレーキ力低減パ
ターン2)、図10はブレーキ力保持装置を備えた車両
のエンジンを自動停止しない場合の制御タイムチャート
(ブレーキ力低減パターン3)、図11はブレーキ力保
持装置におけるブレーキ力低減パターン1のフローチャ
ート、図12はブレーキ力保持装置におけるブレーキ力
低減パターン2のフローチャート、図13はブレーキ力
保持装置におけるブレーキ力低減パターン3のフローチ
ャートである。
【0009】本実施の形態のブレーキ力保持装置は、油
圧(ブレーキ液圧)により作動するブレーキ装置を備
え、かつ原動機を搭載する全ての車両に適用することが
できる。なお、原動機には、ガソリンなどを動力源とす
る内燃機関であるエンジンや外燃機関であるスターリン
グエンジン、電気を動力源とするモータなどが含まれ
る。
【0010】《ブレーキ力保持装置の構成》本実施の形
態のブレーキ力保持装置は、ブレーキペダルの踏込み開
放後も、車両自体の発進駆動力が所定値に増加するま
で、引続き車両にブレーキ力を作用させる装置である。
さらに、本実施の形態のブレーキ力保持装置は、発進駆
動力の増加につれてブレーキ力を低減させる。そのブレ
ーキ力を保持および低減させる手段としては、ブレーキ
液の流れを遮断、連通および流量制限できる比例電磁弁
によって構成するものなど、特に手段を限定しない。
【0011】以下、図1を参照して、本実施の形態のブ
レーキ力保持装置を液圧式ブレーキ装置とともに説明す
る。ブレーキ力保持装置RUは、液圧式ブレーキ装置B
Kのブレーキ液圧回路BC内に設け、比例電磁弁LSV
によりホイールシリンダWC内のブレーキ液圧を保持お
よび低減する構成のものである。
【0012】〔液圧式ブレーキ装置〕まず、液圧式ブレ
ーキ装置BKを説明する。液圧式ブレーキ装置BKのブ
レーキ液圧回路BCは、マスタシリンダMCとホイール
シリンダWCとこれを結ぶブレーキ液配管FPよりな
る。ブレーキは安全走行のために極めて重要な役割を担
うので、液圧式ブレーキ装置BKは、それぞれ独立した
ブレーキ液圧回路を2系統設け(BC(A)、BC
(B))、一つの系統が故障したときでも、残りの系統
で最低限のブレーキ力が得られるようになっている。
【0013】マスタシリンダMCは、本体にピストンM
CPが挿入されており、ドライバがブレーキペダルBP
を踏込むことによりピストンMCPが押されてマスタシ
リンダMC内のブレーキ液に圧力が加わり機械的な力を
ブレーキ液圧(ブレーキ液に加わる圧力)に変換する。
ドライバがブレーキペダルBPから足を放して踏込みを
開放すると、マスタシリンダMCは、戻しバネMCSの
力でピストンMCPを元に戻し、同時にブレーキ液圧も
元に戻す。図1に示すマスタシリンダMCは、独立した
ブレーキ液圧回路BCを2系統設けるというフェイルア
ンドセーフの観点から、ピストンMCPを2つ並べて本
体を2分割したタンデム式のマスタシリンダである。
【0014】さらに、プレーキペダルBPの操作力を軽
くするために、ブレーキペダルBPとマスタシリンダM
Cの間に、マスタパワーMP(ブレーキブースタ)が設
けられる。図1に示すマスタパワーMPは、バキューム
(負圧)サーボ式のものであり、図示しないエンジンの
吸気マニホールドから負圧を取出して、ドライバによる
ブレーキペダルBPの操作を容易にしている。
【0015】ブレーキ液配管FPは、マスタシリンダM
CとホイールシリンダWCを結び、マスタシリンダMC
で発生したブレーキ液圧を、ブレーキ液を移動させるこ
とによりホイールシリンダWCに伝達する流路の役割を
果たす。また、ホイールシリンダWCのブレーキ液圧の
方が高い場合には、ホイールシリンダWCからマスタシ
リンダMCにブレーキ液を戻す流路の役割を果す。ブレ
ーキ液圧回路BCは前記のとおりそれぞれ独立したもの
が設けられるため、ブレーキ液配管FPもそれぞれ独立
のものが2系統設けられる。図1に示すブレーキ液配管
FPなどにより構成されるブレーキ液圧回路BCは、一
方のブレーキ液圧回路BC(A)が右前輪と左後輪を制
動し、他方のブレーキ液圧回路BC(B)が左前輪と右
後輪を制動するX配管方式のものである。なお、ブレー
キ液圧回路は、X配管方式ではなく、一方のブレーキ液
圧回路が両方の前輪を他方のブレーキ液圧回路が両方の
後輪を制動する前後分割方式とすることもできる。
【0016】ホイールシリンダWCは、車輪ごとに設け
られ、マスタシリンダMCにより発生しブレーキ液配管
FPを通してホイールシリンダWCに伝達されたブレー
キ液圧を、車輪を制動するための機械的な力(ブレーキ
力)に変換する役割を果す。ホイールシリンダWCは、
図示しない本体にピストンが挿入されており、このピス
トンがブレーキ液圧に押されて、ディスクブレーキの場
合にはブレーキパッドを、またドラムブレーキの場合に
はブレーキシューを作動させて、車輪を制動するブレー
キ力を作り出す。なお、前記以外に前輪のホイールシリ
ンダWCのブレーキ液圧と後輪のホイールシリンダWC
のブレーキ液圧を制御するブレーキ液圧制御バルブなど
が、必要に応じて設けられる。
【0017】〔ブレーキ力保持装置〕次に、ブレーキ力
保持装置RUを説明する。ブレーキ力保持装置RUは、
液圧式ブレーキ装置BKのブレーキ液圧回路BC内に比
例電磁弁LSVを設け、ブレーキ液の流れを遮断、連通
または流量制限し、ブレーキ力を保持、解除または低減
する。また、ブレーキ力保持装置RUは、比例電磁弁L
SVに通電するための通電回路を具備する制御手段CU
を構成に含むものとする。なお、ブレーキ力保持装置R
Uは、必要に応じて、ブレーキペダルBPの踏増しに対
応するためにチェック弁CV、ブレーキ液圧を測定する
ためにブレーキ液圧計PGを備える。
【0018】比例電磁弁LSVは、制御手段CUからの
通電により弁を開閉し、ホイールシリンダWCとマスタ
シリンダMC間のブレーキ液の流れを遮断、連通または
流量制限する。比例電磁弁LSVは、パイロット圧と受
圧面積の積である液圧力とスプリングSの付勢力の和
が、図示しない電磁コイルで発生した電磁力による弁を
閉じる力と均衡するように弁の開閉を繰返す。なお、パ
イロット圧は、ホイールシリンダWCの液圧である。例
えば、比例電磁弁LSVが常時開型の場合、液圧力と付
勢力の和が弁を閉じる力(電磁力)より大きい場合、弁
は開状態となる。ちなみに、図1に示す比例電磁弁LS
V,LSVは、ともに開状態であることを示す。この比
例電磁弁LSVにより、登坂発進時にドライバがブレー
キペダルBPの踏込みを開放した場合でも、坂道に抗す
るブレーキ力が保持され、車両の後ずさりを防止するこ
とができる。なお、後ずさりとは、車両の持つ自重(位
置エネルギ)によりドライバが進もうとする方向とは逆
の方向に車両が進んでしまうこと(坂道を下ってしまう
こと)を意味する。
【0019】なお、比例電磁弁LSVは、通電時に開状
態になる常時閉型と通電時に閉状態になる常時開型があ
るが、いずれの比例電磁弁LSVを使用することもでき
る。ただし、フェイルアンドセーフの観点から、本実施
の形態では、常時開型の比例電磁弁LSVとする。とい
うのは、故障などにより通電が絶たれた場合に、常時閉
型の比例電磁弁LSVでは、ブレーキが効かなくなった
り、逆にブレーキが効きっぱなしになったりするからで
ある。
【0020】また、本実施の形態では、ブレーキ液の流
れる状態によって、比例電磁弁LSVの状態を遮断状
態、流量制限状態および連通状態の3つの状態に分け
る。遮断状態は、比例電磁弁LSVに一定量の通電電流
を供給して弁を閉状態とし、ブレーキ液配管FP内のブ
レーキ液の流れを遮断してホイールシリンダWC内のブ
レーキ液圧を保持する状態であり、ブレーキ力を保持す
る。なお、一定量の通電電流とは、液圧力とスプリング
Sの付勢力の和を上回る弁を閉じる力(電磁力)を発生
させるために必要な電流量とする。流量制限状態は、比
例電磁弁LSVの通電電流量を変化させて弁の開閉状態
を制御し、ホイールシリンダWCからマスタシリンダM
Cに流れるブレーキ液の流れに対して流量制限する状態
であり、ブレーキ力を漸時低減させて解除する。連通状
態は、比例電磁弁LSVへの通電を停止し弁を開状態と
し、ホイールシリンダWCとマスタシリンダMCを連通
してブレーキ液の流れを許容し、ホイールシリンダWC
内のブレーキ液圧がドライバのブレーキペダルBPの踏
込み力に応じたブレーキ液圧とする状態であり、ブレー
キ力を保持しない。
【0021】比例電磁弁LSVは、図示しない電磁コイ
ル、プランジャ、弁およびスプリングSなどで構成され
る。電磁コイルは、制御手段CUから電流が供給され、
供給される電流量に応じた電磁力を発生する。プランジ
ャは、電磁コイルに内包され、発生した電磁力によって
進退移動する。弁は、プランジャにシャフトなどを介し
て連結され、プランジャとともに進退移動し、ブレーキ
液の流路を開閉する。なお、弁を閉じる力は、電磁力
(すなわち、制御手段CUから供給される電流量)に応
じた力である。スプリングSは、弁のプランジャと反対
側に配置され、弁を開する方向に弁を付勢する。
【0022】比例電磁弁LSVが連通状態の場合、比例
電磁弁LSVには制御手段CUから電流が供給されな
い。そのため、電磁弁には電磁力が発生せず、弁は、ス
プリングSに付勢され、開状態になる。その結果、ホイ
ールシリンダWCとマスタシリンダMCが連通し、ブレ
ーキ液の流れが許容され、ホイールシリンダWC内のブ
レーキ液圧をドライバのブレーキペダルBPの踏込み力
に応じたブレーキ液圧とする。連通状態では、ブレーキ
力が保持されない。
【0023】比例電磁弁LSVが遮断状態の場合、比例
電磁弁LSVには制御手段CUから前記した一定量の電
流が供給される。ちなみに、遮断状態では、供給される
電流量が最大である。通電されると、電磁コイルに電流
量に応じて発生した電磁力によってプランジャが移動
し、弁が閉する方向に移動する。このとき、弁を閉じる
力は液圧力とスプリングSの付勢力の和を上回るため、
弁は閉状態となり、ブレーキ液の流れは遮断される。そ
の結果、ホイールシリンダWC内のブレーキ液圧が保持
され、ひいてはブレーキ力が保持される。
【0024】比例電磁弁LSVが流量制限状態の場合、
比例電磁弁LSVには制御手段CUから必要なブレーキ
力に応じた量の電流が供給される。ちなみに、供給され
る電流量は遮断状態で供給される電流量から徐々に減少
し、それにともなって電磁力も減少する。通電される
と、電磁コイルに電流量に応じて発生した電磁力によっ
てプランジャが進退移動し、それにともなって弁も進退
移動し、弁を開閉する。弁を閉じる力は、発生した電磁
力(すなわち、通電電流量)の大きさに応じて決定され
る。弁を閉じる力が液圧力とスプリングSの付勢力の和
を上回る場合、弁は閉状態となる。他方、弁を閉じる力
が液圧力とスプリングSの付勢力の和を下回る場合、弁
は開状態となる。その結果、通電される電流量に応じて
ブレーキ液の流量が制限され、ひいてはブレーキ力が漸
時低減される。
【0025】ブレーキ液圧計PG,PGは、ホイールシ
リンダWCと比例電磁弁LSV間およびマスタシリンダ
MCと比例電磁弁LSV間のブレーキ液圧を測定する。
制御手段CUは、この2つの測定値が送信され、マスタ
シリンダMCの液圧やホイールシリンダWCの液圧(ひ
いては、ブレーキ力)を認識する。そして、制御手段C
Uは、制御しようとするブレーキ液圧(ひいては、ブレ
ーキ力)を発生するために必要な通電電流量を演算処理
する。
【0026】チェック弁CVは、必要に応じて設けられ
るが、比例電磁弁LSVが閉状態でかつドライバがブレ
ーキペダルBPを踏増しした場合に、マスタシリンダM
Cで発生したブレーキ液圧をホイールシリンダWCに伝
える役割を果す。チェック弁CVは、マスタシリンダM
Cで発生したブレーキ液圧がホイールシリンダWCのブ
レーキ液圧を上回る場合に有効に作動し、ドライバのブ
レーキペダルBPの踏増しに対応して迅速にホイールシ
リンダWCのブレーキ液圧を上昇させる。なお、マスタ
シリンダMCのブレーキ液圧がホイールシリンダWCの
ブレーキ液圧よりも上回った場合に、一旦閉じた比例電
磁弁LSVが開状態になるような構成とすれば、比例電
磁弁LSVのみでブレーキペダルBPの踏増しに対応す
ることができるので、チェック弁CVを設ける必要はな
い。
【0027】なお、ブレーキスイッチBSWは、ブレー
キペダルBPが踏込まれているか否かを検出し、この検
出値に基づいて、制御手段CUが比例電磁弁LSVに指
示を行う。
【0028】制御手段CUは、ブレーキ力保持装置RU
の比例電磁弁LSVの開閉状態を制御し、比例電磁弁L
SVを連通状態、遮断状態または流量制限状態にする。
なお、制御手段CUは、比例電磁弁LSVへ通電する通
電回路も備える。制御手段CUは、駆動力、マスタシリ
ンダMC、ホイールシリンダWCの各液圧、スプリング
Sの付勢力などの情報が入力され、比例電磁弁LSVへ
の通電電流量を変えて、比例電磁弁LSVの開閉状態を
制御する。なお、制御手段CUで判断する連通状態、遮
断状態にするための条件、および制御手段CUで制御す
る流量制限状態における制御については、後で詳細に説
明する。
【0029】《ブレーキ力保持装置の基本的動作》次
に、図1を参照して、ブレーキ力保持装置RUの基本的
な動作について説明する。
【0030】(上り坂での停止・発進) 例えば、上り
坂で停止しようとする場合、ドライバは、走行状態か
ら、ブレーキペダルBPを踏込む。これにより、マスタ
シリンダMC内のブレーキ液が圧縮され、ブレーキ液圧
が高まる。そして、このブレーキ液圧は、ブレーキ液の
流れを伴って、ブレーキ液配管FP、開状態(連通状
態)にある比例電磁弁LSVを通してホイールシリンダ
WCに伝達され、車輪を制動するブレーキ力に変換され
る。その結果、車両が、坂道で停止する。
【0031】制御手段CUは、車両が停止しているなど
の条件を判断し、比例電磁弁LSVを閉状態(遮断状
態)にして、ブレーキ液配管FP内のブレーキ液の流れ
を遮断する。そして、ホイールシリンダWC内のブレー
キ液圧を保持し、ブレーキ力を保持する。このとき、制
御手段CUは、車両が停止している場所が坂道か否かを
判断する必要はない。なお、比例電磁弁LSVが閉状態
でも、ドライバは、ブレーキペダルBPの踏込みを踏増
すことにより、チェック弁CVを通してブレーキ力を増
すことができる。
【0032】次に、ドライバは、坂道を発進するため
に、ブレーキペダルBPの踏込みを開放するとともに、
図示しないアクセルペダルを踏込む。この操作時、比例
電磁弁LSVは閉状態(遮断状態)であるため、ブレー
キ力が保持され、ドライバがブレーキペダルBPの踏込
みを開放しても、車両が坂道を後ずさりすることはな
い。ブレーキペダルBPの開放後、発進駆動力が所定値
に達するまでに、ブレーキ力保持装置RUは、制御手段
CUからの指示により、比例電磁弁LSVによりブレー
キ液の流れに対して流量制限し(流量制限状態)、発進
駆動力の増加につれてブレーキ力を低減する。ブレーキ
力を低減させる場合、制御手段CUは、発進駆動力が所
定値に達するまでの間、発進駆動力とブレーキ力の和が
ブレーキ力の低減を開始する前のブレーキ力あるいはそ
れ以上に相当するレベルを確保できるようなブレーキ力
に制御する。他方、ドライバがアクセルペダルを踏込む
ことにより、駆動力が増していく。そして、駆動力が、
車両の自重による坂道を下ろうとする力と低減していく
ブレーキ力の和より大きくなったとき、車両が坂道を登
坂発進する。
【0033】なお、ドライバによっては、必要以上にブ
レーキペダルBPを強く踏込んでいる場合がある。この
ような場合に、ブレーキペダルBPの踏込みを開放した
り踏込みを緩めることで、比例電磁弁LSVにより一時
的に弁を開状態にし、ホイールシリンダWC内のブレー
キ液圧を所定のブレーキ液圧(リリーフ圧)まで一気に
低減させることができるので、迅速な登坂発進を行うこ
とができる。
【0034】なお、ブレーキ力保持装置RUは発進駆動
力が所定値に増加するまでに比例電磁弁LSVが遮断状
態から流量制限状態に移行してブレーキ力を低減させる
ので、余計なブレーキ力がなくなり、ブレーキの引きず
りを起こさない。そして、ブレーキ力がなくなると、比
例電磁弁LSVは、連通状態となる。また、フェイルア
ンドセーフアクションとして、ブレーキペダルBPの踏
込みを開放してから所定時間後(例えば2〜3秒後)や
車速が所定値より大きくなった場合に、比例電磁弁LS
Vを連通状態にする制御を行ってもよい。なお、ブレー
キペダルBPの踏込み・踏込みの開放は、ブレーキスイ
ッチBSWにより検知する。
【0035】(下り坂での停止・発進) 下り坂で停止
する場合は、ドライバは、上り坂の場合と同様に、ブレ
ーキペダルBPを踏込んで停止する。制御手段CUは、
車両が停止していることなどの条件を判断して、上り坂
の場合と同様に、比例電磁弁LSVを閉状態(遮断状
態)にして、ホイールシリンダWC内のブレーキ液圧を
保持してブレーキ力を保持する。制御手段CUは、前記
のとおり下り坂であるか上り坂であるかを判断しない。
【0036】次に、ドライバは坂道を下るため(発進す
るため)に、ブレーキペダルBPの踏込みを開放する。
下り坂の場合は、ドライバはアクセルペダルを踏込むこ
となく、ブレーキペダルBPの踏込みを開放したり踏込
みを緩めたりすることで、車両の自重を利用して坂道を
下ろうとすることがある。ブレーキ力保持装置RUは、
制御手段CUからの指示により、比例電磁弁LSVによ
ってブレーキ液の流れに対して流量制限し(流量制限状
態)、発進駆動力の増加につれてブレーキ力を低減す
る。したがって、通常の車両における下り坂の発進と同
様に、アクセルペダルを踏込むことなく車両を発進させ
ることができる。
【0037】ブレーキ力保持装置RUによれば、発進が
困難である上り坂であっても容易に発進することができ
る。また、下り坂や平坦な場所であっても車両の発進に
支障はない。さらに、発進駆動力が所定値に達するまで
に、ブレーキ力の低減を開始し、発進駆動力の増加につ
れてブレーキ力を徐々に低減させる。そのため、発進時
に、ブレーキ力が一気に解除されることがないので、ド
ライバは唐突感を受けない。さらに、発進駆動力の増加
につれて余計なブレーキ力を低減させるので、ドライバ
は車両に引掛かり感を受けない。
【0038】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。本実施例は、本発明のブレーキ力保持装置をA
T車(以下、車両と記載する)に適用したものである。
【0039】なお、本実施例で説明する車両は、原動機
としてエンジンとモータを備えた、いわゆるハイブリッ
ド車両であり、変速機としてベルト式無段変速機(以
下、CVTと記載する)を備える。この車両に使われる
ブレーキ力保持装置RUは、ブレーキ液圧回路BC内に
比例電磁弁LSVを設けた図1に示すものである。
【0040】さらに、この車両は、原動機がアイドリン
グ状態でかつ所定の車速以下であること、およびブレー
キペダルBPが踏込まれていることを条件にクリープの
駆動力を低減する駆動力低減装置または/および車両停
止中に原動機を自動で停止可能な原動機停止装置を備え
る。加えて、この車両は、ブレーキペダルBPの踏込み
が開放され、ブレーキスイッチBSWがOFFになると
同時に、車両に駆動力を生じさせる制御が自動的に開始
される構成を備える。
【0041】《システム構成》まず、図2を参照して、
本実施例の車両のシステム構成を説明する。車両は、原
動機としてエンジン1とモータ2を備え、変速機として
ベルト式無段変速機であるCVT3を備える。エンジン
1は、燃料噴射電子制御ユニット(以下、FIECUと
記載する)に制御される。なお、FIECUは、マネー
ジメント電子制御ユニット(以下、MGECUと記載す
る)と一体で構成し、燃料噴射/マネージメント電子制
御ユニット(以下、FI/MGECUと記載する)4に
備わっている。また、モータ2は、モータ電子制御ユニ
ット(以下、MOTECUと記載する)5に制御され
る。さらに、CVT3は、CVT電子制御ユニット(以
下、CVTECUと記載する)6に制御される。
【0042】さらに、CVT3には、駆動輪8,8が装
着された駆動軸7が取付けられる。駆動輪8,8には、
ホイールシリンダWC(図1参照)などを備えるディス
クブレーキ9,9が装備されている。ディスクブレーキ
9,9のホイールシリンダWCには、ブレーキ力保持装
置RUを介してマスタシリンダMCが接続される。マス
タシリンダMCには、マスタパワーMPを介してブレー
キペダルBPからの踏込みが伝達される。ブレーキペダ
ルBPは、ブレーキスイッチBSWによって、ブレーキ
ペダルBPが踏込まれているか否かが検出される。
【0043】エンジン1は、熱エネルギを利用する内燃
機関であり、CVT3および駆動軸7などを介して駆動
輪8,8を駆動する。なお、エンジン1は、燃費悪化の
防止などのために、車両停止時に自動で停止させる場合
がある。そのために、車両は、エンジン自動停止条件を
満たした時に、エンジン1を停止させる原動機停止装置
を備える。
【0044】モータ2は、図示しないバッテリからの電
気エネルギを利用し、エンジン1による駆動をアシスト
するアシストモードを有する。また、モータ2は、アシ
スト不要の時(下り坂や減速時など)に駆動軸7の回転
による運動エネルギを電気エネルギに変換し、図示しな
いバッテリに蓄電する回生モードを有し、さらにエンジ
ン1を始動する始動モードなどを有する。
【0045】CVT3は、ドライブプーリとドリブンプ
ーリとの間に無端ベルトを巻掛け、各プーリ幅を変化さ
せて無端ベルトの巻掛け半径を変化させることによっ
て、変速比を無段階に変化させる。そして、CVT3
は、出力軸に発進クラッチを連結し、この発進クラッチ
を係合して、無端ベルトで変速されたエンジン1などの
出力を発進クラッチの出力側のギアを介して駆動軸7に
伝達する。なお、このCVT3を備える車両は、クリー
プ走行が可能であるとともに、このクリープの駆動力を
低減する駆動力低減装置を備える。クリープの駆動力
は、発進クラッチの係合力によって調整され、駆動力が
大きい状態と駆動力が小さい状態の2つの大きさを有す
る。この駆動力の大きい状態は、傾斜5°に釣りあう駆
動力を有する状態であり、本実施例では強クリープ状態
と呼ぶ。なお、本実施例では、発進駆動力の所定値は、
この強クリープ状態の時の駆動力値とする。他方、駆動
力の小さい状態は、殆ど駆動力がない状態であり、本実
施例では弱クリープ状態と呼ぶ。強クリープ状態では、
アクセルペダルの踏込みが開放された時(すなわち、ア
イドリング状態時)で、かつポジションスイッチPSW
で走行レンジ(Dレンジ、LレンジまたはRレンジ)が
選択されている時に、ブレーキペダルBPの踏込みを開
放すると車両が這うようにゆっくり進む。弱クリープ状
態では、所定の低車速以下の時でかつブレーキペダルB
Pが踏込まれた時で、車両は停止か微低速である。な
お、ポジションスイッチPSWのレンジ位置は、シフト
レバーで選択する。ポジションスイッチPSWのレンジ
は、駐停車時に使用するPレンジ、ニュートラルである
Nレンジ、バック走行時に使用するRレンジ、通常走行
時に使用するDレンジおよび急加速や強いエンジンブレ
ーキを必要とするときに使用するLレンジがある。ま
た、走行レンジとは、車両が走行可能なレンジ位置であ
り、この車両ではDレンジ、LレンジおよびRレンジの
3つのレンジである。さらに、ポジションスイッチPS
WでDレンジが選択されている時には、モードスイッチ
MSWで、通常走行モードであるDモードとスポーツ走
行モードであるSモードを選択できる。
【0046】FI/MGECU4に含まれるFIECU
は、最適な空気燃費比となるように燃料の噴射量を制御
するとともに、エンジン1を統括的に制御する。FIE
CUにはスロットル開度やエンジン1の状態を示す情報
などが送信され、各情報に基づいてエンジン1を制御す
る。また、FI/MGECU4に含まれるMGECU
は、MOTECU5を主として制御するとともに、エン
ジン自動停止条件およびエンジン自動始動条件の判断を
行う。MGECUにはモータ2の状態を示す情報が送信
されるとともに、FIECUからエンジン1の状態を示
す情報などが入力され、各情報に基づいて、モータ2の
モードの切換え指示などをMOTECU5に行う。ま
た、MGECUにはCVT3の状態を示す情報、エンジ
ン1の状態を示す情報、ポジションスイッチPSWのレ
ンジ情報およびモータ2の状態を示す情報などが送信さ
れ、各情報に基づいて、エンジン1の自動停止または自
動始動を判断する。
【0047】MOTECU5は、FI/MGECU4か
らの制御信号に基づいて、モータ2を制御する。FI/
MGECU4からの制御信号にはモータ2によるエンジ
ン1の始動、エンジン1の駆動のアシストまたは電気エ
ネルギの回生などを指令するモード情報やモータ2に対
する出力要求値などがあり、MOTECU5は、これら
の情報に基づいて、モータ2に命令を出す。また、モー
タ2などから情報を得て、発電量などのモータ2の情報
やバッテリの容量などをFI/MGECU4に送信す
る。
【0048】CVTECU6は、CVT3の変速比や発
進クラッチの係合力などを制御する。CVTECU6に
はCVT3の状態を示す情報、エンジン1の状態を示す
情報およびポジションスイッチPSWのレンジ情報など
が送信され、CVT3のドライブプーリとドリブンプー
リの各シリンダの油圧の制御および発進クラッチの油圧
の制御をするための信号などをCVT3に送信する。さ
らに、CVTECU6は、クリープの駆動力を大きい状
態か小さい状態のいずれにするかを判断する。また、C
VTECU6は、ブレーキ力保持装置RUの比例電磁弁
LSV,LSVを制御するとともに、比例電磁弁LS
V,LSVへ通電する通電回路を具備する制御手段CU
を備える。さらに、CVTECU6は、ブレーキ力保持
装置RUの故障を検出するために、故障検出装置DUを
備えている。
【0049】ディスクブレーキ9,9は、駆動輪8,8
と一体となって回転するディスクロータを、ホイールシ
リンダWC(図1参照)を駆動源とするブレーキパッド
で挟みつけ、その摩擦力で制動力を得る。ホイールシリ
ンダWCには、ブレーキ力保持装置RUを介してマスタ
シリンダMCのブレーキ液圧が供給される。
【0050】ブレーキ力保持装置RUは、ブレーキペダ
ルBPの踏込み開放後も、ホイールシリンダWCにブレ
ーキ液圧を作用させる。ブレーキ力保持装置RUは、C
VTECU6に備えられる制御手段CUも構成に含むも
のとする。なお、本実施例における比例電磁弁LSV,
LSVは、常時開型の電磁弁である。なお、マスタシリ
ンダMC、マスタパワーMP、ブレーキスイッチBSW
などは、既に説明したとおりである。
【0051】この車両に備わる駆動力低減装置は、CV
T3およびCVTECU6などで構成される。駆動力低
減装置は、ブレーキペダルBPが踏込まれている時かつ
車速が5km/h以下の時(所定の低車速以下の時)
に、クリープの駆動力を低減し、強クリープ状態から弱
クリープ状態にする。駆動力低減装置は、CVTECU
6で、ブレーキペダルBPが踏込まれているかをブレー
キスイッチBSWの信号から判断するとともに、車速が
5km/h以下であるかをCVT3の車速パルスから判
断する。さらに、CVTECU6では前記2つの基本条
件に追加して、ブレーキ液温が所定値以上、ブレーキ力
保持装置RUが正常およびポジションスイッチPSWの
レンジがDレンジであることも判断し、5つの条件を満
たしたときに、駆動力を低減させている。車両は、この
駆動力低減装置による駆動力の低減によって、燃費の悪
化を防止する。なお、弱クリープ状態およびエンジン1
停止の時には、CVTECU6で、強クリープになるた
め条件を判断する。そして、強クリープの条件が満たさ
れると、CVTECU6からCVT3に発進クラッチの
係合力を強める命令を送信し、クリープの駆動力を大き
くする。
【0052】この車両に備わる原動機停止装置は、FI
/MGECU4などで構成される。原動機停止装置は、
車両が停止状態の時に、エンジン1を自動で停止させる
ことができる。原動機停止装置は、FI/MGECU4
のMGECUで、車速が0km/hなどのエンジン自動
停止条件を判断する。なお、エンジン自動停止条件につ
いては、後で詳細に説明する。そして、エンジン自動停
止条件が全て満たされていると判断すると、FI/MG
ECU4からエンジン1にエンジン停止命令を送信し、
エンジン1を自動で停止させる。車両は、この原動機停
止装置によるエンジン1の自動停止によって、さらに一
層燃費の悪化を防止する。なお、この原動機停止装置に
よるエンジン1自動停止時に、FI/MGECU4のM
GECUで、エンジン自動始動条件を判断する。そし
て、エンジン自動始動条件が満たされると、FI/MG
ECU4からMOTECU5にエンジン始動命令を送信
し、さらにMOTECU5からモータ2にエンジン1を
始動させる命令を送信し、モータ2によってエンジン1
を自動始動させるとともに、強クリープ状態にする。な
お、エンジン自動始動条件については、後で詳細に説明
する。
【0053】次に、このシステムにおいて送受信される
信号について説明する。なお、図2中の各信号の前に付
与されている「F_」は信号が0か1のフラグ情報であ
ることを表し、「V_」は信号が数値情報(単位は任
意)であることを表し、「I_」は信号が複数種類の情
報を含む情報であることを表す。
【0054】FI/MGECU4からCVTECU6に
送信される信号について説明する。V_MOTTRQ
は、モータ2の出力トルク値である。F_MGSTB
は、後で説明するエンジン自動停止条件の中でF_CV
TOKの5つの条件を除いた条件が全て満たされている
か否かを示すフラグであり、満たしている場合は1、満
たしていない場合は0である。ちなみに、F_MGST
BとF_CVTOKが共に1に切換わるとエンジン1を
自動停止し、どちらかのフラグが0に切換わるとエンジ
ン1を自動始動する。
【0055】FI/MGECU4からCVTECU6と
MOTECU5に送信される信号について説明する。V
_NEPは、エンジン1の回転数である。
【0056】CVTECU6からFI/MGECU4に
送信される信号について説明する。F_CVTOKは、
CVT3が弱クリープ状態、CVT3のレシオ(プーリ
比)がロー、CVT3の油温が所定値以上、ブレーキ液
温が所定値以上およびブレーキ力保持装置RUが正常の
5つの条件が満たされているか否かを示すフラグであ
り、5つの条件が全て満たされている場合は1、1つで
も条件を満たしていない場合は0である。なお、エンジ
ン停止時には、CVT3が弱クリープ状態、CVT3の
レシオがロー、CVT3の油温が所定値以上およびブレ
ーキ液温が所定値以上の条件は維持され、F_CVTO
Kは、ブレーキ力保持装置RUが正常か否かのみで判断
される。すなわち、エンジン停止時、ブレーキ力保持装
置RUが正常の場合にはF_CVTOKは1、ブレーキ
力保持装置RUが故障の場合にはF_CVTOKは0で
ある。F_CVTTOは、CVT3の油温が所定値以上
か否かを示すフラグであり、所定値以上の場合は1、所
定値未満の場合は0である。なお、このCVT3の油温
は、CVT3の発進クラッチの油圧を制御するリニアソ
レノイド弁の電気抵抗値から推定する。F_POSR
は、ポジションスイッチPSWのレンジがRレンジに選
択されているか否かを示すフラグであり、Rレンジの場
合は1、Rレンジ以外の場合は0である。F_POSD
Dは、ポジションスイッチPSWのレンジがDレンジか
つモードスイッチMSWのモードがDモードが選択され
ているか否かを示すフラグであり、DモードDレンジの
場合は1、DレンジDモード以外の場合は0である。な
お、FI/MGECU4は、DレンジDモード、Rレン
ジ、Pレンジ、Nレンジを示す情報が入力されていない
場合、DレンジSモード、Lレンジのいずれかが選択さ
れていると判断する。
【0057】エンジン1からFI/MGECU4とCV
TECU6に送信される信号について説明する。V_A
NPは、エンジン1の吸気管の負圧値である。V_TH
は、スロットルの開度である。V_TWは、エンジン1
の冷却水温である。V_TAは、エンジン1の吸気温で
ある。なお、エンジンルーム内に配置されているブレー
キ力保持装置RUのブレーキ液温は、この吸気温に基づ
いて推定する。両者ともエンジンルームの温度に関連し
て変化するからである。
【0058】CVT3からFI/MGECU4とCVT
ECU6に送信される信号について説明する。V_VS
P1は、CVT3内に設けられた2つの車速ピックアッ
プの一方から出される車速パルスである。この車速パル
スに基づいて、車速を算出する。
【0059】CVT3からCVTECU6に送信される
信号について説明する。V_NDRPは、CVT3のド
ライブプーリの回転数を示すパルスである。V_NDN
Pは、CVT3のドリブンプーリの回転数を示すパルス
である。V_VSP2は、CVT3内に設けられた2つ
の車速ピックアップの他方から出される車速パルスであ
る。なお、V_VSP2は、V_VSP1より高精度で
あり、CVT3の発進クラッチの滑り量の算出などに利
用する。
【0060】MOTECU5からFI/MGECU4に
送信される信号について説明する。V_QBATは、バ
ッテリの残容量である。V_ACTTRQは、モータ2
の出力トルク値であり、V_MOTTRQと同じ値であ
る。I_MOTは、電気負荷を示すモータ2の発電量な
どの情報である。なお、モータ駆動電力を含めこの車両
で消費される電力は、全てこのモータ2で発電される。
【0061】FI/MGECU4からMOTECU5に
送信される信号について説明する。V_CMDPWR
は、モータ2に対する出力要求値である。V_ENGT
RQは、エンジン1の出力トルク値である。I_MG
は、モータ2に対する始動モード、アシストモード、回
生モードなどの情報である。
【0062】マスタパワーMPからFI/MGECU4
に送信される信号について説明する。V_M/PNP
は、マスタパワーMPの定圧室の負圧検出値である。
【0063】ポジションスイッチPSWからFI/MG
ECU4に送信される信号について説明する。ポジショ
ンスイッチPSWでNレンジまたはPレンジのどちらか
が選択されている場合のみ、ポジション情報としてNか
Pが送信される。
【0064】CVTECU6からCVT3に送信される
信号について説明する。V_DRHPは、CVT3のド
ライブプーリのシリンダの油圧を制御するリニアソレノ
イド弁への油圧指令値である。V_DNHPは、CVT
3のドリブンプーリのシリンダの油圧を制御するリニア
ソレノイド弁への油圧指令値である。なお、V_DRH
PとV_DNHPにより、CVT3の変速比を変える。
V_SCHPは、CVT3の発進クラッチの油圧を制御
するリニアソレノイド弁への油圧指令値である。このV
_SCHPの値により、駆動力を算出する。なお、V_
SCHPにより、発進クラッチの係合力を変える。
【0065】CVTECU6からブレーキ力保持装置R
Uに送信される信号について説明する。V_SOLA
は、ブレーキ力保持装置RUの比例電磁弁LSV(A)
(図1参照)の開閉状態を制御するために供給する電流
である。V_SOLBは、ブレーキ力保持装置RUの比
例電磁弁LSV(B)(図1参照)の開閉状態を制御す
るために供給する電流である。
【0066】ポジションスイッチPSWからCVTEC
U6に送信される信号について説明する。ポジションス
イッチPSWでNレンジ、Pレンジ、Rレンジ、Dレン
ジまたはLレンジのいずれの位置に選択されているか
が、ポジション情報として送信される。
【0067】モードスイッチMSWからCVTECU6
に送信される信号について説明する。モードスイッチM
SWでDモード(通常走行モード)かSモード(スポー
ツ走行モード)のいずれが選択されているかが、モード
情報として送信される。なお、モードスイッチMSW
は、ポジションスイッチPSWがDレンジに設定されて
いる時に機能するモード選択スイッチである。
【0068】ブレーキスイッチBSWからFI/MGE
CU4とCVTECU6に送信される信号について説明
する。F_BKSWは、ブレーキペダルBPが踏込まれ
ている(ON)か踏込みが開放されているか(OFF)
を示すフラグであり、踏込まれている場合は1、踏込み
が開放されている場合は0である。
【0069】《ブレーキ力が保持される場合》次に、前
記システム構成を備えた車両において、ブレーキ力保持
装置RUによりブレーキ液圧が保持されてブレーキ力が
保持される場合を説明する。ブレーキ力が保持される
(比例電磁弁LSVが遮断状態となる)のは、図3
(a)に示すように、I )車両の駆動力が弱クリープ状
態になり、かつ、II)車速が0km/hになった場合で
ある。この条件を満たすときに、二つの比例電磁弁LS
V,LSV(比例電磁弁A・B)がともに閉状態にな
り、ホイールシリンダWC内にブレーキ液圧が保持され
る。比例電磁弁LSVが遮断状態では、制御手段CUか
ら一定の電流量で通電を行う。なお、駆動力が弱クリー
プ状態(F_WCRPON=1)になるのは、弱クリー
プ指令(F_WCRP=1)が発せられた後である。
【0070】I ) 「弱クリープ状態」という条件は、
坂道において、ドライバに充分強くブレーキペダルBP
を踏込ませるという理由による。すなわち、強クリープ
状態は傾斜5度の坂道でも車両が後ずさりしないような
駆動力を有しているので、ドライバは、ブレーキペダル
BPを強く踏込まないでも坂道で車両を停止させること
ができる。そのため、ドライバがブレーキペダルBPを
弱くしか踏込んでいない場合がある。このような場合
に、比例電磁弁LSVを閉状態にし、さらにエンジン1
を止めてしまうと、車両が坂道を後ずさりしてしまうか
らである。
【0071】II) 「車速が0km/h」という条件
は、走行中に比例電磁弁LSVを閉じたのでは、任意の
位置に車両を停止することができなくなるという理由に
よる。
【0072】〔弱クリープ指令条件〕弱クリープ指令
(F_WCRP)は、図3(a)に示すように、1)ブレ
ーキ力保持装置RUが正常であること、2)ブレーキ液温
所定値以上であること(F_BKTO)、3)ブレーキペ
ダルBPが踏込まれてブレーキスイッチBSWがONに
なっていること(F_BKSW)、4)車速が5km/h
以下になっていること(F_VS)、5)ポジションスイ
ッチPSWがDレンジであること(F_POSD)、の
各条件が全て満たされた場合に発せられる。なお、駆動
力を弱クリープ状態にするのは、前記したようにドライ
バにブレーキペダルBPを強く踏込ませるためという理
由に加えて、燃費を向上させるためという理由もある。
【0073】1) ブレーキ力保持装置RUが正常でない
場合に弱クリープ指令が発せられないのは、例えば、比
例電磁弁LSVが閉状態にならないなどの異常がある場
合に、弱クリープ指令が発せられて弱クリープ状態にな
ると、ホイールシリンダWC内にブレーキ液圧が保持さ
れないために、発進時にドライバがブレーキペダルBP
の踏込みを開放すると一気にブレーキ力がなくなり車両
が坂道を後ずさりしてしまうからである。この場合、強
クリープ状態を保つことで、坂道での後ずさりを防止し
て坂道発進(登坂発進)を容易にする。
【0074】2) ブレーキ液温所定値未満で弱クリープ
指令が発せられないのは、ブレーキ液温が低い場合には
ブレーキ液の粘性が高くなり、ブレーキ液温が所定値以
上の場合と比較してブレーキ液の流れが極端に遅くなる
からである。このように、ブレーキ液温が低い場合に
は、弱クリープ状態になることを禁止して、強クリープ
状態を維持し、坂道での後ずさりを防止する。ちなみ
に、強クリープ状態が維持されれば、ブレーキ力保持装
置RUは作動せず、比例電磁弁LSVが閉状態になるこ
とはない。なお、比例電磁弁LSVによるブレーキ力保
持装置RUは、ブレーキ液温を制御条件に含めて弁の開
閉状態を制御できる。したがって、ブレーキ液温が所定
値以上という条件をなくすこともできる。
【0075】3) ブレーキペダルBPが踏込まれていな
いとき(F_BKSW)に弱クリープ指令が発せられな
いのは、ドライバは少なくとも駆動力の低下を望んでい
ないからである。
【0076】4) 車速が5km/h以上で弱クリープ指
令が発せられないのは、発進クラッチを経由して駆動輪
8,8からの逆駆動力をエンジン1やモータ2に伝達し
てエンジンブレーキを効かしたり、モータによる回生発
電を行わせることがあるからである。
【0077】5) ポジションスイッチPSWがDレンジ
である場合と異なり、ポジションスイッチPSWがRレ
ンジまたはLレンジでは、弱クリープ指令は発せられな
い。強クリープ走行による車庫入れなどを容易にするた
めである。
【0078】弱クリープ状態であるか否かはCVT発進
クラッチに対する油圧指令値により判定する。弱クリー
プ状態であるフラグF_WCRPONは、次に強クリー
プ状態になるまで立ちつづける。
【0079】〔エンジン自動停止条件〕燃費をさらに向
上させるため、車両の停止時にはエンジン1が原動機自
動停止装置により自動停止されるが、この条件を説明す
る。以下の各条件がすべて満たされた場合にエンジン停
止指令(F_ENGOFF)が発せられ、エンジン1が
自動的に停止する(図3(b)参照)。
【0080】1) ポジションスイッチPSWがDレンジ
でありモードスイッチMSWがDモード(以下、この状
態を「DレンジDモード」という)であること; Dレ
ンジDモード以外では、イグニッションスイッチを切ら
ない限り、エンジン1を自動停止しない。例えば、ポジ
ションスイッチPSWがPレンジやNレンジの場合に、
エンジン1を自動的に停止させる指令が発せられてエン
ジン1が停止すると、ドライバは、イグニッションスイ
ッチが切られたものと思いこんで車両を離れてしまうこ
とがあるからである。なお、ポジションスイッチPSW
がDレンジでありモードスイッチMSWがSモード(以
下、この状態を「DレンジSモード」という)の場合
は、エンジン1の自動停止を行わない。ドライバは、D
レンジSモードでは、素早い車両の発進などが行えるこ
とを期待しているからである。また、ポジションスイッ
チPSWがLレンジ、Rレンジの場合にエンジン1の自
動停止を行わないのは、車庫入れなどの際に、頻繁にエ
ンジン1を自動停止したのでは、ドライバにとって煩わ
しいからである。
【0081】2) ブレーキペダルBPが踏込まれてブレ
ーキスイッチBSWがONの状態であること; ドライ
バに注意を促すためである。ブレーキスイッチBSWが
ONの場合、ドライバは、ブレーキペダルBPに足を置
いた状態にある。したがって、仮に、エンジン1の自動
停止により駆動力がなくなって車両が坂道を後ずさりし
始めても、ドライバは、ブレーキペダルBPの踏増しを
容易に行い得るからである。
【0082】3) エンジン始動後、一旦車速が5km/
h以上に達したこと; クリープ走行での車庫出し・車
庫入れを容易にするためである。車両を車庫から出し入
れする際の切返えし操作などで、停止するたびにエンジ
ン1が自動停止したのでは、ドライバにとって煩わしい
からである。
【0083】4) 車速が0km/hであること; 停止
していれば駆動力は必要がないからである。 5) バッテリ容量が所定値以上であること; エンジン
停止後、モータ2でエンジン1を再始動することができ
ないという事態を防止するためである。 6) 電気負荷所定値以下であること; 負荷への電気の
供給を確保するためである。電気負荷が所定値以下であ
れば、エンジン1を自動停止しても支障はない。
【0084】7) マスターパワMPの定圧室の負圧が所
定値以上であること; 定圧室の負圧が小さい状態でエ
ンジン1を自動停止すると、定圧室の負圧はエンジン1
の吸気管より導入しているため、定圧室の負圧はさらに
小さくなり、ブレーキペダルBPを踏込んだ場合の踏込
み力の増幅が小さくなりブレーキの効きが低下してしま
うからである。
【0085】8) アクセルペダルが踏込まれていないこ
と; ドライバは、駆動力の増強を望んでおらず、エン
ジン1を自動停止しても支障がない。
【0086】9) CVT3が弱クリープ状態であるこ
と; ドライバに強くブレーキペダルBPを踏込ませ
て、エンジン停止後も車両が後ずさりするのを防ぐため
である。すなわち、エンジン1が始動している場合、坂
道での後ずさりは、ブレーキ力とクリープ力の合計で防
止される。このため、強クリープ状態では、ドライバが
ブレーキペダルBPの踏込みを加減して弱くしか踏込ん
でいない場合がある。したがって、弱クリープ状態にし
てからエンジン1の自動停止を行う。
【0087】10) CVT3のレシオがローであること;
CVT3のレシオ(プーリ比)がローでない場合、円
滑な発進ができない場合があるため、エンジン1の自動
停止は行わない。したがって、円滑な発進のため、CV
T3のレシオがローである場合に、エンジン1の自動停
止を行う。
【0088】11) エンジン1の水温が所定値以上である
こと; エンジン1の自動停止・自動始動はエンジン1
が安定している状態で行うのが好ましいからである。水
温が低いと、寒冷地ではエンジン1が再始動しない場合
があるため、エンジン1の自動停止を行わない。
【0089】12) CVT3の油温が所定値以上であるこ
と; CVT3の油温が低い場合は、発進クラッチの実
際の油圧の立ち上りに後れを生じ、エンジン1の始動か
ら強クリープ状態になるまでに時間がかかり、坂道で車
両が後ずさりする場合があるため、エンジン1の自動停
止を行わない。
【0090】13) ブレーキ液温が所定値以上であるこ
と; ブレーキ液温が低い場合、ブレーキ液の粘性が高
くなり、ブレーキ液温が所定値以上の場合に比較して極
端にブレーキ液の流れが遅くなるからである。このた
め、ブレーキ力保持装置RUは作動させない。したがっ
て、エンジン1の自動停止および弱クリープ状態を禁止
して、強クリープによって坂道での後ずさりを防止す
る。なお、比例電磁弁LSVによるブレーキ力保持装置
RUは、ブレーキ液温を制御条件に含めて弁の開閉状態
を制御できる。したがって、ブレーキ液温が所定値以上
という条件をなくすこともできる。
【0091】14) ブレーキ力保持装置RUが正常である
こと; ブレーキ力保持装置RUに異常がある場合、ブ
レーキ力を保持することができないことがあるので、強
クリープ状態を継続させて、坂道で車両が後ずさりしな
いようにする。したがって、ブレーキ力保持装置RUに
異常がある場合は、エンジン1の自動停止を行わない。
一方、ブレーキ力保持装置RUが正常であれば、エンジ
ン1の自動停止を行っても支障がない。
【0092】《ブレーキ力の保持が解除される場合》遮
断状態の比例電磁弁LSVは、図4(a)に示すよう
に、I )ブレーキペダルBPの踏込み開放後、所定の遅
延時間が経過した場合、II)ブレーキ力が零になった場
合、III )車速が5km/hになった場合、のいずれか
の条件を満たすときに連通状態になり、ホイールシリン
ダWC内のブレーキ液圧の保持が解除される。比例電磁
弁LSVが連通状態では、制御手段CUから通電は行わ
ない。なお、II) の条件の場合、比例電磁弁LSVが遮
断状態から連通状態になる過程では、駆動力の増加につ
れてブレーキ液圧(すなわち、ブレーキ力)を低減させ
る流量制限状態がある。
【0093】I ) 遅延時間は、ブレーキペダルBPの
踏込みが開放された場合(ブレーキスイッチBSWがO
FFになった場合)にカウントされ始める。遅延時間は
2〜3秒程度であり、フェイルアンドセーフアクション
として比例電磁弁LSVを開状態(連通状態)にして、
ブレーキの引きずりをなくする。
【0094】II) 流量制限状態において駆動力の増加
につれてブレーキ力が低減されており、ブレーキ力が零
のときには5度の坂道に抗して車両を停止させることが
できるような駆動力を備えている。そのため、ホイール
シリンダWCにブレーキ液圧を保持して車両が後ずさり
するのを防止する必要がなくなるからである。
【0095】III ) 車速が5km/h以上になると比
例電磁弁LSVが開状態(連通状態)にするのは、無駄
なブレーキの引きずりをなくするためのフェイルアンド
セーフアクションである。
【0096】〔強クリープ指令条件〕強クリープ指令
(F_SCRP)は、図4(b)に示すように、1)ブレ
ーキペダルBPが踏込みが開放されてブレーキスイッチ
BSWがOFFになっていること(F_BKSW)、2)
ポジションスイッチPSWがDレンジであること(F_
POSD)、の各条件が全て満たされた場合に発せられ
る。この2つの条件を満たす場合、ドライバの発進操作
が開始されたと判断できるため、強クリープ指令(F_
SCRP)を発し、強クリープ状態(F_SCRPO
N)にする。
【0097】〔エンジン自動始動条件〕エンジン1の自
動停止後、エンジン1は、以下の条件で自動的に始動す
る。このエンジン自動始動条件を説明する(図4(c)
参照)。以下の条件のいずれかを満たす場合に、エンジ
ン1が自動的に始動する。
【0098】1) DレンジDモードであり、かつブレー
キペダルBPの踏込みが開放された場合; ドライバの
発進操作が開始されたと判断されるため、エンジン1を
自動始動する。
【0099】2) DレンジSモードに切替えられた場
合; DレンジDモードでエンジン1が自動停止した
後、DレンジSモードに切替えると、エンジン1を自動
始動する。ドライバはDレンジSモードでは素早い発進
を期待するからであり、ブレーキペダルBPの踏込みの
開放を待つことなくエンジン1を自動始動する。
【0100】3) アクセルペダルが踏込まれた場合;
ドライバは、エンジン1による駆動力を期待しているか
らである。
【0101】4) Pレンジ、Nレンジ、Lレンジ、Rレ
ンジに切替えられた場合; DレンジDモードでエンジ
ン1が自動停止した後、Pレンジなどに切替えると、エ
ンジン1を自動始動する。PレンジまたはNレンジに切
替えた場合に、エンジン1を自動始動しないと、ドライ
バは、イグニッションスイッチを切ったものと思った
り、イグニッションスイッチを切る必要がないものと思
って、そのまま車両から離れてしまうことがあり、フェ
イルアンドセーフの観点から好ましくないからである。
このような事態を防止するため、エンジン1を再始動す
る。また、Lレンジ、Rレンジに切替えられた場合にエ
ンジン1を自動始動するのは、ドライバに発進の意図が
あると判断されるからである。
【0102】5) バッテリ容量が所定値以下になった場
合; バッテリ容量が所定値以上でなければエンジン1
を自動停止しないが、一旦エンジン1を自動停止した後
でも、バッテリ容量が低減する場合がある。この場合
は、バッテリに充電することを目的として、エンジン1
を自動始動する。なお、所定値は、これ以上バッテリ容
量が低減するとエンジン1を自動始動することができな
くなるという限界のバッテリ容量よりも高い値に設定す
る。
【0103】6) 電気負荷が所定値以上になった場合;
例えば、照明などの電気負荷が稼動していると、バッ
テリ容量が急速に低減してしまい、エンジン1を再始動
することができなくなってしまうからである。したがっ
て、バッテリ容量にかかわらず電気負荷が所定値以上で
ある場合には、エンジン1を自動始動する。
【0104】7) マスターパワMPの負圧が所定値以下
になった場合; マスターパワMPの負圧が小さくなる
とブレーキの制動力が低下するため、これを確保するた
めにエンジン1を自動始動する。
【0105】8) ブレーキ力保持装置RUが故障してい
る場合; 比例電磁弁LSVや制御手段CUなどが故障
している場合、エンジン1を始動して,強クリープ状態
にする。エンジン1の自動停止後、制御手段CUを含む
ブレーキ力保持装置RUに故障が検出された場合、発進
時にブレーキペダルBPの踏込みが開放された際にブレ
ーキ液圧を保持および低減することができない場合があ
るので、強クリープ状態にすべく、故障が検出された時
点でエンジン1を自動始動する。すなわち、強クリープ
状態で車両が後ずさりするのを防止し、登坂発進を容易
にする。
【0106】《ブレーキ力が低減される場合》比例電磁
弁LSVは、駆動力が強クリープ状態になるのに先立っ
てブレーキ液圧の低減を開始し、発進駆動力の増加につ
れてホイールシリンダWC内のブレーキ液圧を低減す
る。比例電磁弁LSVが流量制限状態では、ブレーキ力
を発生させるために必要な電流量で制御手段CUから通
電される。流量制限状態ではブレーキ力が低減していく
が、増加する駆動力と低減するブレーキ力の和が5度の
坂道に抗して車両を停止させることができるようにブレ
ーキ力を制御するので、坂道を後ずさりするようなこと
なはない。なお、比例電磁電LSVの流量制限状態にお
ける制御は、以下に説明する制御タイムチャートの中で
説明する。
【0107】《エンジン1を自動停止する場合の制御タ
イムチャート(1)》次に、図5を参照して、前記シス
テムを備えた車両が減速→停止→発進した時の制御につ
いて説明する。さらに、車両発進時において、比例電磁
弁LSVが遮断状態→流量制限状態→連通状態になる制
御については、図11のフローチャートに沿って説明す
る。この制御では、駆動力低減装置により駆動力が弱ク
リープ状態になり、さらに原動機停止装置によりエンジ
ン1が停止する。なお、車両のポジションスイッチPS
WおよびモードスイッチMSWは、DモードDレンジで
変化させないこととする。なお、図5のタイムチャート
は、車両の駆動力とブレーキ力の増減を時系列で示した
図である。図中の太い線が駆動力を示し、細い線がブレ
ーキ力を示す。
【0108】まず、図5において、車両走行時、ドライ
バがブレーキペダルBPを踏込むと(ブレーキSW[O
N])、ブレーキ力が増加していく。ブレーキペダルB
Pを踏込む際に、ドライバはアクセルペダルの踏込みを
開放するため、駆動力は、低減し、やがて強クリープ状
態(通常のアイドリング状態)になる。そして、継続し
てブレーキペダルBPが踏込まれて車速が5km/h以
下になると、弱クリープ指令(F_WCRP)が発せら
れ、さらに駆動力が低減し、弱クリープ状態(F_WC
RPON)になる。
【0109】そして、車速が0km/hになると、比例
電磁弁LSVが閉状態(遮断状態)になるとともに(図
11のS101)、エンジン1が自動的に停止(F_E
NGOFF)し、駆動力がなくなる。この際、比例電磁
弁LSVが閉状態(遮断状態)になるので、ホイールシ
リンダWC内にブレーキ液圧が保持されてブレーキ力が
保持される。また、エンジン1が弱クリープ状態を経て
停止するので、ドライバは、坂道で車両が後ずさりしな
い程度に強くブレーキペダルBPを踏込んでいる。その
ため、エンジン1が自動停止しても車両が後ずさりする
ことはない(後退抑制力)。仮に、後ずさりしても、ド
ライバがブレーキペダルBPを僅かに踏増すだけで、後
ずさりを防止することができる。ドライバはブレーキペ
ダルBPを踏込んだ状態(ブレーキペダルBPに足を置
いた状態)にあるので、慌てることなく容易にブレーキ
ペダルBPの踏増しを行える。なお、エンジン1を自動
停止するのは、燃費を向上させることおよび排気ガスの
発生をなくするためである。
【0110】なお、駆動力を弱クリープ状態にする条
件、比例電磁弁LSVを遮断状態にする条件、エンジン
1を自動停止する条件は、図3を参照して既に説明した
とおりである。
【0111】次に、ドライバが、車両を再発進させるた
めに、ブレーキペダルBPの踏込みを開放する。制御手
段CUは、ブレーキペダルBPの踏込みが開放(ブレー
キSW〔OFF〕)されているか否かを判断する(図1
1のS102)。ブレーキペダルBPの踏込みが完全に
開放(ブレーキSW[OFF])されると、エンジン自
動始動指令(F_ENGON)が発せられ、信号通信お
よびメカ系の遅れによるタイムラグの後、エンジン1が
自動始動する。
【0112】エンジン1が自動始動すると、駆動力が増
加してく。制御手段CUは、駆動力が強クリープ状態で
の駆動力の2分の1の駆動力まで増加したか否かを判断
する(図11のS103)。駆動力が強クリープ状態で
の駆動力の2分の1の駆動力まで増加していない場合、
ブレーキ力保持装置RUは遮断状態を維持する。
【0113】駆動力が強クリープ状態での駆動力の2分
の1の駆動力まで増加した場合、ブレーキ力保持装置R
Uは駆動力の増加に応じてブレーキ力を低減する(図1
1のS104)。制御手段CUは、駆動力、ホイールシ
リンダWCの液圧および比例電磁弁LSVのスプリング
Sの付勢力などからブレーキ力保持装置RUへ通電する
電流量を算出する。そして、制御手段CUは、算出され
た電流量で比例電磁弁LSVに通電する。比例電磁弁L
SVは、通電された電流量に応じた電磁力が発生し、そ
の電磁力によって弁の開閉状態を変えてブレーキ液圧を
低減していく。図5に示すように、制御手段CUは、低
減開始時にはブレーキ力の低減量を小さくし、次第にブ
レーキ力の低減量を増加させ、ブレーキ力が零に近づく
に従ってブレーキ力の低減量を減少させるように、通電
電流量を算出する。さらに、この通電電流量の算出にお
いて、制御手段CUは、増加する駆動力と低減するブレ
ーキ力の和が5度の坂道に抗して車両を停止させること
ができるようなブレーキ力となるように算出する。した
がって、車両は、坂道を後ずさりするようなことなはな
い。
【0114】ブレーキ力の低減中、制御手段CUは、ブ
レーキ力が零になっているか否かを判断し(図11のS
105)、ブレーキ力が零になるまでブレーキ力を低減
させる。
【0115】駆動力が増加し、強クリープ状態(F_S
CRPON)になると、車両は、坂道に抗することがで
きる駆動力を生じる。また、ブレーキ力低減装置RUに
よりブレーキ力が低減し、ブレーキ力が零になる。制御
手段CUは、ブレーキ力が零になると通電を停止し、比
例電磁弁LSVは開状態(連通状態)になる(図11の
S106)。その後、アクセルペダルのさらなる踏込み
により駆動力が増加し、車両は加速していく。
【0116】なお、エンジン1を自動始動する条件、比
例電磁弁LSVを連通状態にする条件は、図4を参照し
て既に説明したとおりである。
【0117】なお、図5のブレーキ力を示す線におい
て、「ブレーキペダルの踏込み開放」の部分から右斜め
下に伸びる仮想線は、ブレーキ力が保持されない場合を
示す。この場合、ブレーキペダルBPの踏込み力の低下
に遅れることなくブレーキ力が低減し消滅するので、登
坂発進を容易に行うことはできない。
【0118】《エンジン1を自動停止する場合の制御タ
イムチャート(2)》次に、図6を参照して、前記シス
テムを備えた車両が減速→停止→発進した時の制御につ
いて説明する。さらに、車両発進時において、比例電磁
弁LSVが遮断状態→流量制限状態→連通状態になる制
御については、図12のフローチャートに沿って説明す
る。この制御では、駆動力低減装置により駆動力が弱ク
リープ状態になり、さらに原動機停止装置によりエンジ
ン1が停止する。なお、車両のポジションスイッチPS
WおよびモードスイッチMSWは、DモードDレンジで
変化させないこととする。なお、図6のタイムチャート
は、車両の駆動力とブレーキ力の増減を時系列で示した
図である。図中の太い線が駆動力を示し、細い線がブレ
ーキ力を示す。
【0119】車両が停止するまでの制御は、《エンジン
1を自動停止する場合の制御タイムチャート(1)》と
同様の制御なので説明を省略する。
【0120】車速が0km/hになると、比例電磁弁L
SVが閉状態(遮断状態)になるとともに(図12のS
201)、エンジン1が自動的に停止(F_ENGOF
F)し、駆動力がなくなる。この際、比例電磁弁LSV
が閉状態(遮断状態)になるので、ホイールシリンダW
C内にブレーキ液圧が保持されてブレーキ力が保持され
る。また、エンジン1が弱クリープ状態を経て停止する
ので、ドライバは、坂道で車両が後ずさりしない程度に
強くブレーキペダルBPを踏込んでいる。そのため、エ
ンジン1が自動停止しても車両が後ずさりすることはな
い(後退抑制力)。
【0121】なお、比例電磁弁LSVを遮断状態にする
条件、エンジン1を自動停止する条件は、図3を参照し
て既に説明したとおりである。
【0122】次に、ドライバが、車両を再発進させるた
めに、ブレーキペダルBPの踏込みを開放する。制御手
段CUは、ブレーキペダルBPの踏込みが開放(ブレー
キSW〔OFF〕)されているか否かを判断する(図1
2のS202)。ブレーキペダルBPの踏込みが完全に
開放(ブレーキSW[OFF])されると、エンジン自
動始動指令(F_ENGON)が発せられ、信号通信お
よびメカ系の遅れによるタイムラグの後、エンジン1が
自動始動する。
【0123】エンジン1が自動始動すると、駆動力が増
加してく。制御手段CUは、駆動力が強クリープ状態で
の駆動力の2分の1の駆動力まで増加したか否かを判断
する(図12のS203)。駆動力が強クリープ状態で
の駆動力の2分の1の駆動力まで増加していない場合、
ブレーキ力保持装置RUは遮断状態を維持する。
【0124】駆動力が強クリープ状態での駆動力の2分
の1の駆動力まで増加した場合、ブレーキ力保持装置R
Uはブレーキ力を一定の勾配(割合)で低減する(図1
2のS204)。制御手段CUは、駆動力、ホイールシ
リンダWCの液圧および比例電磁弁LSVのスプリング
Sの付勢力などからブレーキ力保持装置RUへ通電する
電流量を算出する。そして、制御手段CUは、算出され
た電流量で比例電磁弁LSVに通電する。比例電磁弁L
SVは、通電された電流量に応じた電磁力が発生し、そ
の電磁力によって弁の開閉状態を変えてブレーキ液圧を
低減していく。図6に示すように、制御手段CUは、ブ
レーキ力が一定の勾配で低減するように、通電電流量を
算出する。前記一定の勾配の条件としては、増加する駆
動力と低減するブレーキ力の和が5度の坂道に抗して車
両を停止させることができるようなブレーキ力となる勾
配値とする。したがって、車両は、坂道を後ずさりする
ようなことなはない。さらに、ドライバにブレーキ力が
一気に解除されることによる唐突感を与えないブレーキ
力となるゆるやかな勾配値とする。
【0125】ブレーキ力の低減中、制御手段CUは、ブ
レーキ力が零になっているか否かを判断し(図12のS
205)、ブレーキ力が零になるまでブレーキ力を低減
させる。
【0126】駆動力が増加し、強クリープ状態(F_S
CRPON)になると、車両は、坂道に抗することがで
きる駆動力を生じる。また、ブレーキ力低減装置RUに
よりブレーキ力が低減し、ブレーキ力が零になる。制御
手段CUは、ブレーキ力が零になると通電を停止し、比
例電磁弁LSVは開状態(連通状態)になる(図12の
S206)。その後、アクセルペダルのさらなる踏込み
により駆動力が増加し、車両は加速していく。
【0127】なお、エンジン1を自動始動する条件、比
例電磁弁LSVを連通状態にする条件は、図4を参照し
て既に説明したとおりである。
【0128】なお、図6のブレーキ力を示す線におい
て、「ブレーキペダルの踏込み開放」の部分から右斜め
下に伸びる仮想線は、ブレーキ力が保持されない場合を
示す。
【0129】《エンジン1を自動停止する場合の制御タ
イムチャート(3)》次に、図7を参照して、前記シス
テムを備えた車両が減速→停止→発進した時の制御につ
いて説明する。さらに、車両発進時において、比例電磁
弁LSVが遮断状態→流量制限状態→連通状態になる制
御については、図13のフローチャートに沿って説明す
る。この制御では、駆動力低減装置により駆動力が弱ク
リープ状態になり、さらに原動機停止装置によりエンジ
ン1が停止する。なお、車両のポジションスイッチPS
WおよびモードスイッチMSWは、DモードDレンジで
変化させないこととする。なお、図7のタイムチャート
は、車両の駆動力とブレーキ力の増減を時系列で示した
図である。図中の太い線が駆動力を示し、細い線がブレ
ーキ力を示す。
【0130】車両が停止するまでの制御は、《エンジン
1を自動停止する場合の制御タイムチャート(1)》と
同様の制御なので説明を省略する。
【0131】車速が0km/hになると、比例電磁弁L
SVが閉状態(遮断状態)になるとともに(図13のS
301)、エンジン1が自動的に停止(F_ENGOF
F)し、駆動力がなくなる。この際、比例電磁弁LSV
が閉状態(遮断状態)になるので、ホイールシリンダW
C内にブレーキ液圧が保持されてブレーキ力が保持され
る。また、エンジン1が弱クリープ状態を経て停止する
ので、ドライバは、坂道で車両が後ずさりしない程度に
強くブレーキペダルBPを踏込んでいる。そのため、エ
ンジン1が自動停止しても車両が後ずさりすることはな
い(後退抑制力)。
【0132】なお、比例電磁弁LSVを遮断状態にする
条件、エンジン1を自動停止する条件は、図3を参照し
て既に説明したとおりである。
【0133】次に、ドライバが、車両を再発進させるた
めに、ブレーキペダルBPの踏込みを開放する。制御手
段CUは、ブレーキペダルBPの踏込みが開放(ブレー
キSW〔OFF〕)されているか否かを判断する(図1
3のS302)。ブレーキペダルBPの踏込みが完全に
開放(ブレーキSW[OFF])されると、エンジン自
動始動指令(F_ENGON)が発せられ、信号通信お
よびメカ系の遅れによるタイムラグの後、エンジン1が
自動始動する。
【0134】エンジン1が自動始動すると、駆動力が増
加してく。制御手段CUは、駆動力が増加を開始したか
否かを判断する(図13のS303)。駆動力が全く増
加していない場合、ブレーキ力保持装置RUは遮断状態
を維持する。
【0135】駆動力が増加を開始した場合、ブレーキ力
保持装置RUは(駆動力+ブレーキ力)が一定となるよ
うにブレーキ力を低減する(図13のS304)。制御
手段CUは、駆動力、ホイールシリンダWCの液圧およ
び比例電磁弁LSVのスプリングSの付勢力などからブ
レーキ力保持装置RUへ通電する電流量を算出する。そ
して、制御手段CUは、算出された電流量で比例電磁弁
LSVに通電する。比例電磁弁LSVは、通電された電
流量に応じた電磁力が発生し、その電磁力によって弁の
開閉状態を変えてブレーキ液圧を低減していく。図7に
示すように、制御手段CUは、(駆動力+ブレーキ力)
が一定となるようなブレーキ力となるように、通電電流
量を算出する。(駆動力+ブレーキ力)は、5度の坂道
に抗して車両を停止させることができるので、車両は、
坂道を後ずさりするようなことなはない。
【0136】ブレーキ力の低減中、制御手段CUは、ブ
レーキ力が零になっているか否かを判断し(図13のS
305)、ブレーキ力が零になるまでブレーキ力を低減
させる。ちなみに、駆動力が強クリープ状態になると、
ブレーキ力が零になる。
【0137】駆動力が増加し、強クリープ状態(F_S
CRPON)になると、車両は、坂道に抗することがで
きる駆動力を生じる。また、ブレーキ力低減装置RUに
よりブレーキ力が低減し、ブレーキ力が零になる。制御
手段CUは、ブレーキ力が零になると通電を停止し、比
例電磁弁LSVは開状態(連通状態)になる(図13の
S306)。その後、アクセルペダルのさらなる踏込み
により駆動力が増加し、車両は加速していく。
【0138】なお、エンジン1を自動始動する条件、比
例電磁弁LSVを連通状態にする条件は、図4を参照し
て既に説明したとおりである。
【0139】なお、図7のブレーキ力を示す線におい
て、「ブレーキペダルの踏込み開放」の部分から右斜め
下に伸びる仮想線は、ブレーキ力が保持されない場合を
示す。
【0140】《エンジン1を自動停止しない場合の制御
タイムチャート(1)》次に、図8を参照して、前記シ
ステムを備えた車両が減速→停止→発進した時の制御に
ついて説明する。さらに、車両発進時において、比例電
磁弁LSVが遮断状態→流量制限状態→連通状態になる
制御については、図11のフローチャートに沿って説明
する。この制御では、駆動力低減装置により駆動力が弱
クリープ状態になるが、エンジン1は自動停止しない。
エンジン1を自動停止しないのは、原動機停止装置を備
えていな場合や原動機停止装置を備えているがエンジン
自動停止条件を満たさない場合などである。なお、車両
のポジションスイッチPSWおよびモードスイッチMS
Wは、DモードDレンジで変化させないこととする。な
お、図8のタイムチャートは、車両の駆動力とブレーキ
力の増減を時系列で示した図である。図中の太い線が駆
動力を示し、細い線がブレーキ力を示す。
【0141】まず、図8において、車両走行時、ドライ
バがブレーキペダルBPを踏込むと(ブレーキSW[O
N])、ブレーキ力が増加していく。ブレーキペダルB
Pを踏込む際に、ドライバはアクセルペダルの踏込みを
開放するため、駆動力は、低減し、やがて強クリープ状
態(通常のアイドリング状態)になる。そして、継続し
てブレーキペダルBPが踏込まれて車速が5km/h以
下になると、弱クリープ指令(F_WCRP)が発せら
れ、さらに駆動力が低減し、弱クリープ状態(F_WC
RPON)になる。
【0142】そして、車速が0km/hになると、比例
電磁弁LSVが閉状態(遮断状態)になる(図11のS
101)。この際、比例電磁弁LSVが閉状態(遮断状
態)になるので、ホイールシリンダWC内にブレーキ液
圧が保持されてブレーキ力が保持される。また、弱クリ
ープ状態なので、ドライバは、坂道で車両が後ずさりし
ない程度に強くブレーキペダルBPを踏込んでいる。そ
のため、弱クリープ状態でも車両が後ずさりすることは
ない(後退抑制力)。仮に、後ずさりしても、ドライバ
がブレーキペダルBPを僅かに踏増すだけで、後ずさり
を防止することができる。ドライバはブレーキペダルB
Pを踏込んだ状態(ブレーキペダルBPに足を置いた状
態)にあるので、慌てることなく容易にブレーキペダル
BPの踏増しを行える。
【0143】なお、駆動力を弱クリープ状態にする条
件、比例電磁弁LSVを遮断状態にする条件は、図3を
参照して既に説明したとおりである。
【0144】次に、ドライバが、車両を再発進させるた
めに、ブレーキペダルBPの踏込みを開放する。制御手
段CUは、ブレーキペダルBPの踏込みが開放(ブレー
キSW〔OFF〕)されているか否かを判断する(図1
1のS102)。ブレーキペダルBPの踏込みが完全に
開放(ブレーキSW[OFF])されると、強クリープ
指令(F_SCRP)が発せられ、駆動力が増加する。
【0145】そして、制御手段CUは、駆動力が強クリ
ープ状態での駆動力の2分の1の駆動力まで増加したか
否かを判断する(図11のS103)。駆動力が強クリ
ープ状態での駆動力の2分の1の駆動力まで増加してい
ない場合、ブレーキ力保持装置RUは遮断状態を維持す
る。
【0146】駆動力が強クリープ状態での駆動力の2分
の1の駆動力まで増加した以降の制御は、《エンジン1
を自動停止する場合の制御タイムチャート(1)》と同
様の制御なので説明を省略する。
【0147】なお、駆動力を強クリープ状態にする条件
は、図4を参照して既に説明したとおりである。
【0148】なお、図8のブレーキ力を示す線におい
て、「ブレーキペダルの踏込み開放」の部分から右斜め
下に伸びる仮想線は、ブレーキ力が保持されない場合を
示す。
【0149】《エンジン1を自動停止しない場合の制御
タイムチャート(2)》次に、図9を参照して、前記シ
ステムを備えた車両が減速→停止→発進した時の制御に
ついて説明する。さらに、車両発進時において、比例電
磁弁LSVが遮断状態→流量制限状態→連通状態になる
制御については、図12のフローチャートに沿って説明
する。この制御では、駆動力低減装置により駆動力が弱
クリープ状態になるが、エンジン1は自動停止しない。
エンジン1を自動停止しないのは、原動機停止装置を備
えていな場合や原動機停止装置を備えているがエンジン
自動停止条件を満たさない場合などである。なお、車両
のポジションスイッチPSWおよびモードスイッチMS
Wは、DモードDレンジで変化させないこととする。な
お、図9のタイムチャートは、車両の駆動力とブレーキ
力の増減を時系列で示した図である。図中の太い線が駆
動力を示し、細い線がブレーキ力を示す。
【0150】この制御は、駆動力が弱クリープ状態にな
り、ブレーキ力が保持されるまでは《エンジン1を自動
停止しない場合の制御タイムチャート(1)》と同様の
制御なので説明を省略する。
【0151】ドライバが、車両を再発進させるために、
ブレーキペダルBPの踏込みを開放する。制御手段CU
は、ブレーキペダルBPの踏込みが開放(ブレーキSW
〔OFF〕)されているか否かを判断する(図12のS
202)。ブレーキペダルBPの踏込みが完全に開放
(ブレーキSW[OFF])されると、強クリープ指令
(F_SCRP)が発せられ、駆動力が増加する。
【0152】そして、制御手段CUは、駆動力が強クリ
ープ状態での駆動力の2分の1の駆動力まで増加したか
否かを判断する(図12のS203)。駆動力が強クリ
ープ状態での駆動力の2分の1の駆動力まで増加してい
ない場合、ブレーキ力保持装置RUは遮断状態を維持す
る。
【0153】駆動力が強クリープ状態での駆動力の2分
の1の駆動力まで増加した以降の制御は、《エンジン1
を自動停止する場合の制御タイムチャート(2)》と同
様の制御なので説明を省略する。
【0154】なお、駆動力を強クリープ状態にする条件
は、図4を参照して既に説明したとおりである。
【0155】なお、図9のブレーキ力を示す線におい
て、「ブレーキペダルの踏込み開放」の部分から右斜め
下に伸びる仮想線は、ブレーキ力が保持されない場合を
示す。
【0156】《エンジン1を自動停止しない場合の制御
タイムチャート(3)》次に、図10を参照して、前記
システムを備えた車両が減速→停止→発進した時の制御
について説明する。さらに、車両発進時において、比例
電磁弁LSVが遮断状態→流量制限状態→連通状態にな
る制御については、図13のフローチャートに沿って説
明する。この制御では、駆動力低減装置により駆動力が
弱クリープ状態になるが、エンジン1は自動停止しな
い。エンジン1を自動停止しないのは、原動機停止装置
を備えていな場合や原動機停止装置を備えているがエン
ジン自動停止条件を満たさない場合などである。なお、
車両のポジションスイッチPSWおよびモードスイッチ
MSWは、DモードDレンジで変化させないこととす
る。なお、図10のタイムチャートは、車両の駆動力と
ブレーキ力の増減を時系列で示した図である。図中の太
い線が駆動力を示し、細い線がブレーキ力を示す。
【0157】なお、この制御は、駆動力が弱クリープ状
態になり、ブレーキ力が保持されるまでは《エンジン1
を自動停止しない場合の制御タイムチャート(1)》と
同様の制御なので説明を省略する。
【0158】ドライバが、車両を再発進させるために、
ブレーキペダルBPの踏込みを開放する。制御手段CU
は、ブレーキペダルBPの踏込みが開放(ブレーキSW
〔OFF〕)されているか否かを判断する(図13のS
302)。ブレーキペダルBPの踏込みが完全に開放
(ブレーキSW[OFF])されると、強クリープ指令
(F_SCRP)が発せられ、駆動力が増加する。
【0159】そして、制御手段CUは、駆動力が増加を
開始したか否かを判断する(図13のS303)。駆動
力が全く増加していない場合、ブレーキ力保持装置RU
は遮断状態を維持する。
【0160】駆動力が増加を開始した以降の制御は、
《エンジン1を自動停止する場合の制御タイムチャート
(3)》と同様の制御なので説明を省略する。
【0161】なお、駆動力を強クリープ状態にする条件
は、図4を参照して既に説明したとおりである。
【0162】なお、図10のブレーキ力を示す線におい
て、「ブレーキペダルの踏込み開放」の部分から右斜め
下に伸びる仮想線は、ブレーキ力が保持されない場合を
示す。
【0163】以上、本発明は、前記の実施の形態に限定
されることなく、様々な形態で実施される。例えば、ブ
レーキ力保持装置はブレーキ力に作用する手段としてブ
レーキ液圧に作用する手段で構成したが、ブレーキ力に
作用できる手段なら特に限定するものではない。また、
ブレーキ液の流れを遮断、連通および流量制限できる手
段として比例電磁弁を使用したが、ブレーキ液の流れを
遮断、連通および流量制限できる手段なら特に限定する
ものでない。
【0164】
【発明の効果】本発明に係るブレーキ力保持装置によれ
ば、ブレーキ力を徐々に低減させてブレーキ力を一気に
解除しないので、車両発進時の唐突感を解消する。さら
に、発進駆動力の増加に対して余計なブレーキ力を低減
させるので、車両に引掛かり感が生じない。また、発進
駆動力の増加につれてブレーキ力を低減させるので、発
進駆動力とブレーキ力の和による登坂発進時の後ずさり
防止力を、発進駆動力が所定値に増加するまでの間、ブ
レーキ力の低減を開始する前のブレーキ力あるいはそれ
以上に相当するレベルに確保している。そのため、発進
駆動力が所定値に増加するまでにブレーキ力の低減を開
始しても、登坂時に後ずさりしない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係るブレーキ力保持装置の構成
図である。
【図2】本実施例に係るブレーキ力保持装置を備える車
両のシステム構成図である。
【図3】図2の車両の停止時における制御ロジックであ
り、(a)は弱クリープ状態および比例電磁弁を遮断状
態にする制御ロジック、(b)はエンジンを自動停止す
る制御ロジックである。
【図4】図2の車両の発進時における制御ロジックであ
り、(a)は比例電磁弁を連通状態にする制御ロジッ
ク、(b)は強クリープ状態にする制御ロジック、
(c)はエンジンを自動始動する制御ロジックである。
【図5】本実施例に係るブレーキ力保持装置を備えた車
両のエンジンを自動停止する場合の制御タイムチャート
(ブレーキ力低減パターン1)である。
【図6】本実施例に係るブレーキ力保持装置を備えた車
両のエンジンを自動停止する場合の制御タイムチャート
(ブレーキ力低減パターン2)である。
【図7】本実施例に係るブレーキ力保持装置を備えた車
両のエンジンを自動停止する場合の制御タイムチャート
(ブレーキ力低減パターン3)である。
【図8】本実施例に係るブレーキ力保持装置を備えた車
両のエンジンを自動停止しない場合の制御タイムチャー
ト(ブレーキ力低減パターン1)である。
【図9】本実施例に係るブレーキ力保持装置を備えた車
両のエンジンを自動停止しない場合の制御タイムチャー
ト(ブレーキ力低減パターン2)である。
【図10】本実施例に係るブレーキ力保持装置を備えた
車両のエンジンを自動停止しない場合の制御タイムチャ
ート(ブレーキ力低減パターン3)である。
【図11】本実施例に係るブレーキ力保持装置における
ブレーキ力低減パターン1のフローチャートである。
【図12】本実施例に係るブレーキ力保持装置における
ブレーキ力低減パターン2のフローチャートである。
【図13】本実施例に係るブレーキ力保持装置における
ブレーキ力低減パターン3のフローチャートである。
【図14】従来のブレーキ力保持装置のブレーキ力を解
除する時の制御タイムチャートである。
【符号の説明】
BP・・・ブレーキペダル RU・・・ブレーキ力保持装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 神田 稔也 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 井上 弘敏 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 江口 高弘 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 Fターム(参考) 3D046 BB02 BB26 CC02 EE01 GG01 HH02 HH07 HH15 HH16 HH22 JJ14 LL23 LL30

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブレーキペダルの踏込み開放後も車両自
    体の発進駆動力が所定値に増加するまで、引続き車両に
    ブレーキ力を作用させるブレーキ力保持装置において、 前記発進駆動力の増加につれて前記ブレーキ力を低減さ
    せることを特徴とするブレーキ力保持装置。
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