JP2000309529A - 脳内アセチルコリン放出を促進するための薬剤 - Google Patents

脳内アセチルコリン放出を促進するための薬剤

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JP2000309529A JP2000121904A JP2000121904A JP2000309529A JP 2000309529 A JP2000309529 A JP 2000309529A JP 2000121904 A JP2000121904 A JP 2000121904A JP 2000121904 A JP2000121904 A JP 2000121904A JP 2000309529 A JP2000309529 A JP 2000309529A
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和雄 中村
Masatomo Shirane
正智 白根
Yushiro Tanaka
雄四郎 田中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 中枢アセチルコリン濃度を安全に上昇させる
ことができる化合物を提供する。 【解決手段】 脳内アセチルコリン放出を促進するため
のN−アニソイル−GABA又はp−アニス酸を含む医
薬組成物の調製のための、N−アニソイル−GABA又
はp−アニス酸の使用、並びに有効成分としてN−アニ
ソイル−GABA又はp−アニス酸及び治療上不活性な
担体を含む、脳内アセチルコリン放出を促進するための
医薬組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、脳におけるアセチ
ルコリン(ACh)放出を増強する医薬組成物として
の、N−アニソイル−γ−アミノ酪酸(N−アニソイル
−GABA)又はp−アニス酸の使用に関する。特に、
本発明は、日周期リズム障害、睡眠障害、注意の欠乏障
害及び問題行動の処置のための医薬組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】AChが重要な古典的な神経伝達物質で
あることは、周知である。主要なコリン作用経路は、哺
乳動物の脳の視床網様中橋核(mesopontine reticular
nucleus-thalamus)、海馬中隔(septum-hippocampu
s)、及び前脳新皮質基底核(forebrain basal nucleus
-neocortex)に存在する〔Neuroscience, 10, 1185-120
1 (1983)〕。これらのコリン作用経路は、急速眼球運動
睡眠(REMS)の誘導及び維持において、そして覚醒
及び注意の制御、学習及び記憶、並びに動機付けにおい
て機能的に中心的な役割を果たしていると考えられてい
る〔Journal of Neuroscience, 10, 2541-2559 (1990);
Brain Research Review, 19, 298-318 (1994)〕。他
方、ニューロン変性(即ち、アルツハイマー病、パーキ
ンソン病、及び進行性核上性麻痺)〔Lancet, 2, No.80
00, 1403 (1976); Journal of Neurological Neurosurg
ical Psychiatry, 51, 540-543 (1988)〕、並びに脳血
管疾患〔Dementia, 5, 163-167 (1994); Journal of Ne
ural Transmission, 103, 1211-1220 (1996)〕の患者に
おいて、中枢コリン作用性ニューロン活性は減少してい
た。コリン作用の欠陥及び/又は機能異常は、痴呆、睡
眠障害、低覚醒、注意の欠乏、並びにせん妄及び夜行性
遊走を含む問題行動などの各種神経精神病的症状と関連
していることが示唆されている。
【0003】脳機能改善剤1−p−アニソイル−2−ピ
ロリジノン(アニラセタム、欧州特許第5143号及び
第44088号)は、脳梗塞後の後遺症として現れる情
動障害(不安/過敏及び抑うつ)の治療のために使用さ
れている〔Igaku No Ayumi,156, No.2, 143-187 (199
1); Geriatric Medicine, 36, 1513-1520 (1998)〕。こ
の薬物は中枢コリン作用系を活性化することが報告され
ているが、経口投与された1−p−アニソイル−2−ピ
ロリジノンによるコリン作用活性化を、その代謝物を含
むどの物質が担っているのかは未だ不明である〔Drug I
nvestigation,5, 1-108 (1993)〕。更に、1−p−アニ
ソイル−2−ピロリジノンの主要なinvivo代謝物である
N−アニソイル−GABA及びp−アニス酸の生物学的
活性は、よく解明されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一方、前記疾患のため
の治療は、AChエステラーゼ阻害剤により中枢ACh
濃度を上昇させることにより開始される。AChエステ
ラーゼは脳のみならず末梢組織にも広く分布しているた
め、AChエステラーゼ阻害剤が血液脳関門を十分に通
過できないことにより引き起こされる末梢副作用が、医
薬品としてのこれらの酵素阻害剤にとって重大な問題を
生じ得る。したがって、本発明が解決しようとする課題
は、中枢ACh濃度を安全に上昇させることができる有
望な化合物を提供することであった。
【0005】本発明において、驚くべきことに、N−ア
ニソイル−GABA及びp−アニス酸が、それぞれ脳に
おける脳内ACh放出を増強することが見出された。
【0006】
【課題を解決するための手段】したがって、本発明は、
哺乳動物、好ましくはヒトの脳におけるACh放出を増
強するための、好ましくは医薬組成物の形態のN−アニ
ソイル−GABA又はp−アニス酸の使用に関する。こ
れらの化合物及びN−アニソイル−GABA又はp−ア
ニス酸を含む医薬組成物は、日周期リズム障害、睡眠障
害、注意の欠乏障害及び問題行動の処置にとって特に有
用である。
【0007】本発明は、前記障害の処置のための、有効
成分としてN−アニソイル−GABA又はp−アニス酸
を含む、脳内アセチルコリン放出を増強するための医薬
組成物に関する。
【0008】本発明は、脳におけるACh放出を増強す
るため、特に日周期リズム障害、睡眠障害、注意の欠乏
障害及び問題行動の処置のため、N−アニソイル−GA
BA又はp−アニス酸を使用する方法にも関する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明を以下に詳細に説明する。
以下に提供される記載及び実施例は、本発明を理解する
ために役立つものであり、決して本発明を制限するもの
と見なされるべきではない。実施例において得られた結
果は、添付の図面により図示される。これらの図面の簡
単な説明は以下のとおりである。
【0010】図1は、自由に移動できる発作傾向自然発
症高血圧ラット(SHRSP)の視床の網状核における
ACh放出に対する、アニラセタム(A)、2−ピロリ
ジノン、p−アニス酸、及びN−アニソイル−GABA
(B)の効果を示す。化合物は20分間灌流された(黒
いバー)。データは、平均値±S.E.M.を表してい
る。基底ACh放出は、0.35±0.03pmol/20
分(n=24)であった。*担体対照と比較してP<
0.05。
【0011】図2は、自由に移動できるSHRSPの背
側海馬におけるACh放出に対する、アニラセタム
(A)、2−ピロリジノン、p−アニス酸、及びN−ア
ニソイル−GABA(B)の効果を示す。化合物は20
分間潅流された(黒いバー)。データは、平均値±S.
E.M.を表している。基底ACh放出は、0.63±
0.04pmol/20分(n=15)であった。*アニラ
セタムと比較してP<0.05、**アニラセタムと比較
してP<0.01。
【0012】図3は、自由に移動できるSHRSPの前
前頭皮質におけるACh放出に対する、アニラセタム
(A)、2−ピロリジノン、p−アニス酸(B)、及び
N−アニソイル−GABA(C)の効果を示す。化合物
は20分間潅流された(黒いバー)。データは、平均値
±S.E.M.を表している。基底ACh放出は、0.
58±0.03pmol/20分(n=24)であった。*
アニラセタムと比較してP<0.05、**アニラセタム
と比較してP<0.01。
【0013】図4は、若齢ラット及び高齢ラットにおけ
る日周期運動活性リズム及び食事時間関連予期活性を示
す。24時間の絶食(0日目)の後、連続する6日間、
摂食を13:30からの1時間のみに制限した。7日目
に再び食事を与えなかった。データは、1群当たり7匹
のラットから得られた、1時間毎に測定された運動活性
の平均値±S.E.M.を示している。点付きのカラム
は、摂食期を示す。白三角=−1日目、白丸=6日目、
黒丸=7日目。
【0014】図5は、高齢ラットにおける日周期運動及
び食事時間関連予期活性リズムに対するアニラセタムの
効果を示す。連続する7日間(1日目〜7日目まで)1
日に1回摂食終了直後に、ラットにアニラセタムを経口
で与えた。データは、1群当たり5〜6匹のラットから
得られた平均値±S.E.M.を示している。点付きの
カラムは、摂食期を示す。白丸=6日目、黒丸=7日
目。
【0015】図6は、SHRSP及び齢を一致させたウ
ィスター・キョウト・ラット(WKY)におけるREM
S、non−REMS(NREMS)、及び脳温度の日
中及び夜間の変化を示す。データは、1時間毎に測定さ
れた各変数の平均値±S.E.M.を示している。
【0016】図7は、SHRSPにおけるREMS、N
REMS、及び脳温度に対するアニラセタムの反復投与
の効果を示す。連続する5日間1日に2回(9:00及
び20:00)、アニラセタムを経口で動物に与えた。
9回目及び10回目の投薬の後のデータを示す。
【0017】N−アニソイル−GABA及びp−アニス
酸はいずれも、既知の化学化合物である。N−アニソイ
ル−GABAは、スペイン特許公開第84−53877
2号に記載の方法により合成することができる。p−ア
ニス酸は、Journal of American Chemical Society 78,
907-909 (1956)に記載の方法により調製されてもよい
し、Sigma Chem. Co.(St. Louis, USA)、Lancaster S
ynthesis Ltd.(Lancashire, UK)、和光純薬(Wako Pu
re Chem. Ind. Ltd.)(Osaka, Japan)などから購入す
ることもできる。
【0018】N−アニソイル−GABA及びp−アニス
酸は、各々、薬学的に許容される製剤の形態で用いるこ
とができる。この製剤は、錠剤、コーティング錠、糖衣
錠、硬ゼラチンカプセル剤、軟ゼラチンカプセル剤とし
て製剤化してもよいし、液剤、乳剤、又は懸濁液として
製剤化してもよい。得られた製剤は、経口投与すること
ができる。更に、この製剤は、直腸内投与のための座
剤、又は非経口投与することができる注射剤として製剤
化することもできる。
【0019】錠剤、コーティング錠、糖衣錠、又は硬ゼ
ラチンカプセル剤のような経口固形製剤を調製する場合
には、N−アニソイル−GABA又はp−アニス酸を、
各々、乳糖、トウモロコシデンプン及びそれらの誘導
体、タルク、ステアリン酸及びその塩基又は塩などのよ
うな薬学的に不活性な無機又は有機担体と共に製剤化す
ることができる。
【0020】軟ゼラチンカプセル剤又は硬ゼラチンカプ
セル剤を調製する場合には、例えば、植物油、ロウ、脂
肪、油、ゲル、半固体又は液体のポリオールなどの担体
を適宜使用することができる。
【0021】液体製剤及びシロップ剤を調製する場合に
は、例えば、水、ポリオール、サッカロース、転化糖、
グルコースなどの担体を適宜使用することができる。
【0022】注射用製剤を調製する場合には、例えば、
水、アルコール、ポリオール、グリセロール、植物油な
どの担体を適宜使用することができる。
【0023】座剤を調製する場合には、例えば、植物
油、ロウ、油、ゲル、又は液体ポリオールなどの担体を
適宜使用することができる。更に、これらの製剤を、防
腐剤、溶媒、安定剤、湿潤剤、乳化剤、矯味剤、浸透圧
を変化させるための塩基、緩衝剤、被覆剤、及び抗酸化
剤、並びに更なる治療上重要な化合物と共に組み合わせ
て使用することが可能である。
【0024】前記製剤の投与経路は、これらに限定され
ないが、剤型、又は患者の年齢、性別、症状などに応じ
て適切に変化させることができる。
【0025】投与経路、用量、及び投与回数は、患者の
年齢、体重、及び症状に応じて適切に変化させることが
できる。経口投与の場合、用量は通常1日当たり成人1
人当たり1〜300mg/kg(好ましくは3〜30mg/kg)
であり、この用量を1回〜数回に分けて投与することが
できる。
【0026】N−アニソイル−GABA又はp−アニス
酸をラットに経口投与した場合、N−アニソイル−GA
BAの急性毒性(LD50値)はいずれの性でも5,00
0mg/kg以上であり、p−アニス酸のそれは、雄動物で
1,813mg/kg、雌動物で2,124mg/kgであった。
両薬物を4週間にわたりしラットに反復経口投与した場
合、血液学的試験、血液生化学的試験、及び毒性病理学
的試験における致死性及び異常性のような亜急性毒性
は、600mg/kgまで観察されなかった。
【0027】
【実施例】N−アニソイル−GABA及びp−アニス酸
によるACh放出増強効果、並びに1−p−アニソイル
−2−ピロリジノンによる日周期リズム障害及び睡眠障
害の改善効果を、以下に具体的に説明する。
【0028】実施例1ACh放出の増強効果の試験 試験動物 :実験前の5週間、水の代わりに1%NaCl
溶液を与えられた、13週齢の雄の発作傾向自然発症高
血圧ラット(stroke-prone spontaneously hypertensiv
e rats)(SHRSP)。
【0029】試験方法:SHRSPに麻酔を施し、視
床、背側海馬、及び前前頭皮質にガイド・カニューレを
埋め込んだ。回復後、同心微小透析プローブ(concentr
ic microdialysis probe)をガイド・カニューレに挿入
し、自由に移動できる条件の下、2μl/分の一定の流
速で10-5Mエゼリン(SIGMA, St. Louis, USA)を含
む通常リンゲル溶液を灌流した。N−アニソイル−GA
BA又はp−アニス酸を10 -7、10-6、及び10-5M
の最終濃度でリンゲル溶液に溶解し、各薬物を同プロー
ブを通して20分間灌流した。20分毎の透析物を回収
し、高速液体クロマトグラフィーシステムに注入して細
胞外ACh濃度を定量した。ACh放出を、薬物灌流前
に回収された3つの連続する安定な試料の平均に対する
変化のパーセントとして表した。
【0030】試験結果:視床(図1)、背側海馬(図
2)、及び前前頭皮質(図3)において、それぞれ、N
−アニソイル−GABAは32%、48%、及び70
%、p−アニス酸は22%、51%、及び61%、AC
h放出を増大させた。一方、1−p−アニソイル−2−
ピロリジノンの効果は、いずれの脳領域においても観察
されなかった。したがって、N−アニソイル−GABA
及びp−アニス酸は、1−p−アニソイル−2−ピロリ
ジノンの主要代謝物として、中枢コリン作用性ニューロ
ンの活性化(ACh放出の増強)に寄与している活性物
質であると推定された。
【0031】実施例2障害された日周期リズムの改善効果の試験 試験動物 :9週齢(若齢群)及び約30月齢(高齢群)
の雄ウィスター系ラット(Wister rats)。
【0032】試験方法:動物を個別に収容し、自由に食
事及び水を摂取させた。24時間の絶食(0日目)の
後、連続する6日間、摂食を13:30からの1日1時
間のみに制限した。7日目に再び食事を与えず、食事に
より動機付けられる日周期予期活性を調査した。連続す
る7日間、1日1回、摂食時間の直後に30及び100
mg/kgの1−p−アニソイル−2−ピロリジノン又はビ
ヒクルを経口投与した。各飼育ケージ内で、自発的運動
活性を測定した。
【0033】試験結果:高齢ラットでは、7日目に、食
事により動機付けられる予期活性が、若齢ラットと比較
して顕著に減弱し(図4)、このことは、加齢による日
周期リズム制御の異常及び計時能力の欠損を示唆してい
る。1−p−アニソイル−2−ピロリジノンの反復経口
投与は、老齢ラットにおける障害された予期活性を有意
に改善したが、ビヒクルは改善しなかった(図5)。
【0034】実施例3障害された睡眠パターンの改善効果の試験 試験動物 :5週間にわたり水の代わりに1%NaCl溶
液を与えられた13週齢の雄SHRSP、及び同齢のウ
ィスター・キョウト・ラット(Wister Kyoto rats)
(WKY)。
【0035】試験方法:動物に麻酔を施し、脳波計(E
EG)用の電極及び脳温度のセンサーを、脳皮質に埋め
込み、筋電図(EMG)用の電極を背部頸筋に埋め込ん
だ。全ての変数を7日間継続的に記録し、EEG波及び
EMG波の振幅及び周波数を解析することにより、ラッ
トの行動状態を覚醒、REMS、NREMSに分類し
た。連続する5日にわたり1日2回(朝及び晩)、15
mg/kgの1−p−アニソイル−2−ピロリジノン又はビ
ヒクルを経口投与した。
【0036】試験結果:SHRSPは、コントロールの
WKYと比較して、明期(睡眠期)におけるREMSの
減少、並びに暗期(活動期)におけるNREMSの増加
及び脳温度の低下を示し、このことは、睡眠−覚醒リズ
ムの障害を示唆している(図6)。1−p−アニソイル
−2−ピロリジノンの反復経口投与は、SHRSPにお
いて減少した日中のREMSを改善したが、ビヒクルは
改善しなかった(図7)。
【0037】以上に基づき、N−アニソイル−GABA
又はp−アニス酸は、脳血管疾患(即ち、脳梗塞及び脳
出血)のみならずニューロン変性(即ち、アルツハイマ
ー病、パーキンソン病、及び進行性核上性麻痺)並びに
多動症候群(注意欠乏多活動性疾患)においても観察さ
れる、日周期リズム障害、睡眠障害、注意の欠乏障害、
及び問題行動(せん妄及び夜行性遊走)のような様々な
神経精神病症状の治療薬として有用であると結論付ける
ことができる。更に、各々単独の効果と同様に、N−ア
ニソイル−GABAとp−アニス酸との組み合わせ効果
を充分に期待することができる。
【0038】実施例4医薬組成物の調製 以下に記載する薬学的に許容される製剤は、単なる適当
な実施例であって、決して本発明の医薬組成物を制限す
るものと見なされるべきではない。
【0039】4.1 N−アニソイル−GABAを含む
錠剤の調製 100mgのN−アニソイル−GABAを含む錠剤を、以
下の(1錠当たりの)組成を用いて以下の方法により調
製した。
【0040】 組成A: N−アニソイル−GABA 100mg 乳糖 20mg コリドン(Kollidon)CL(BASF) 15mg トウモロコシデンプン 30mg アビセル(Avicel)PH101(AsahiChemical Co. Ltd.) 50mg
【0041】 組成B: ポリビニルピロリジノンK−90 5mg 軽(light)無水ケイ酸 18mg ステアリン酸マグネシウム 2mg 計 240mg
【0042】ポリビニルピロリジノンK−90の8%水
溶液中で前記の組成Aの混合物を練合した。60℃で乾
燥させた後、組成Bをそれらと混合した。その混合物
を、重量240mg、直径8mmの丸型錠剤へと打錠した。
【0043】4.2 p−アニス酸を含む錠剤の調製 100mgのp−アニス酸を含む錠剤を、以下の(1錠当
たりの)組成を用いて以下の方法により調製した。
【0044】 組成A: p−アニス酸 100mg 乳糖 20mg コリドンCL(BASF) 15mg トウモロコシデンプン 30mg アビセルPH101(AsahiChemical Co. Ltd.) 50mg
【0045】 組成B: ポリビニルピロリジノンK−90 5mg 軽無水ケイ酸 18mg ステアリン酸マグネシウム 2mg 計 240mg
【0046】ポリビニルピロリジノンK−90の8%水
性溶液中で前記の組成Aの混合物を練合した。60℃で
乾燥させた後、組成Bをそれらと混合した。その混合物
を、重量240mg、直径8mmの丸型錠剤へと打錠した。
【0047】4.3 N−アニソイル−GABAを含む
カプセル剤の調製 100mgのN−アニソイル−GABAを含むカプセル剤
を、以下の(1カプセル当たりの)組成を用いて以下の
方法により調製した。
【0048】組成A : N−アニソイル−GABA 100mg 乳糖 20mg コリドンCL(BASF) 2mg トウモロコシデンプン 53mg
【0049】 組成B: ポリビニルピロリジノンK−90 5mg アビセルPH101(AsahiChemical Co. Ltd.) 18mg ステアリン酸マグネシウム 2mg 計 200mg
【0050】ポリビニルピロリジノンK−90の8%水
溶液中で前記の組成Aの混合物を練合した。60℃で乾
燥させた後、組成Bをそれらと混合した。その混合物
を、No.3ゼラチンカプセルに充填し、200mgを含む
カプセル剤を得た。
【図面の簡単な説明】
【図1】自由に移動できる発作傾向自然発症高血圧ラッ
トの視床の網状核におけるACh放出に対する効果を示
す。
【図2】自由に移動できるSHRSPの背側海馬におけ
るACh放出に対する効果を示す。
【図3】自由に移動できるSHRSPの前前頭皮質にお
けるACh放出に対する効果を示す。
【図4】若齢ラット及び高齢ラットにおける日周期運動
活性リズム及び食事時間関連予期活性を示す。
【図5】高齢ラットにおける日周期運動及び食事時間関
連予期活性リズムに対する効果を示す。
【図6】SHRSP及び齢を一致させたウイスター・キ
ョウト・ラットにおけるREMS、non−REMS、
及び脳温度の日中及び夜間の変化を示す。
【図7】SHRSPにおけるREMS、NREMS、及
び脳温度に対する効果を示す。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年7月21日(2000.7.2
1)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 脳内アセチルコリン放出を促進するた
めの薬剤
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、脳におけるアセチ
ルコリン(ACh)放出を促進する医薬組成物として
の、N−アニソイル−γ−アミノ酪酸(N−アニソイル
−GABA)又はp−アニス酸の使用に関する。特に、
本発明は、概日リズム障害、睡眠障害、注意欠陥障害及
び問題行動の処置のための医薬組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】AChが重要な古典的な神経伝達物質で
あることは、周知である。主要なACh作動性神経経路
として、哺乳動物の脳内に中脳橋網様核−視床(mesopo
ntinereticular nucleus-thalamus)、中隔野−海馬(s
eptum-hippocampus)、及び前脳基底核−大脳皮質(for
ebrain basal nucleus-neocortex)経路が存在する〔Ne
uroscience, 10, 1185-1201 (1983)〕。これらのACh
作動性神経経路は、急速眼球運動睡眠(REMS)の誘
導及び維持において、そして覚醒及び注意の制御、学習
及び記憶、並びに動機付けにおいて機能的に中心的な役
割を果たしていると考えられている〔Journal of Neuro
science, 10, 2541-2559 (1990); BrainResearch Revie
w, 19, 298-318 (1994)〕。他方、神経変性疾患(即
ち、アルツハイマー病、パーキンソン病、及び進行性核
上性麻痺)〔Lancet, 2, No.8000,1403 (1976); Journa
l of Neurological Neurosurgical Psychiatry, 51, 54
0-543 (1988)〕、並びに脳血管障害〔Dementia, 5, 163
-167 (1994); Journal of Neural Transmission, 103,
1211-1220 (1996)〕の患者において、中枢ACh作動性
神経活性は減少していた。ACh作動性神経系の欠陥及
び/又は機能異常は、痴呆、睡眠障害、低覚醒、注意の
欠損、並びにせん妄及び夜間徘徊を含む問題行動などの
各種精神神経機能障害と関連していることが示唆されて
いる。
【0003】脳機能改善剤1−p−アニソイル−2−ピ
ロリジノン(アニラセタム、欧州特許第5143号及び
第44088号)は、脳梗塞後の後遺症として現れる情
緒障害(不安/焦燥及び抑うつ気分)の治療のために使
用されている〔Igaku No Ayumi, 156, No.2, 143-187
(1991); Geriatric Medicine, 36, 1513-1520 (199
8)〕。この薬物は中枢ACh作動性神経系を活性化する
ことが報告されているが、経口投与された1−p−アニ
ソイル−2−ピロリジノンによるACh作動性神経系の
活性化を、その代謝物を含むどの物質が担っているのか
は未だ不明である〔Drug Investigation, 5, 1-108 (19
93)〕。更に、1−p−アニソイル−2−ピロリジノン
の主要なin vivo代謝物であるN−アニソイル−GAB
A及びp−アニス酸の生物学的活性は、よく解明されて
いない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一方、前記疾患のため
の治療は、AChエステラーゼ阻害剤により中枢ACh
濃度を上昇させることにより開始される。AChエステ
ラーゼは脳のみならず末梢組織にも広く分布しているた
め、AChエステラーゼ阻害剤が血液脳関門を十分に通
過できないことにより引き起こされる末梢性副作用が、
医薬品としてのこれらの酵素阻害剤にとって重大な問題
を生じ得る。したがって、本発明が解決しようとする課
題は、中枢ACh濃度を安全に上昇させることができる
有望な化合物を提供することであった。
【0005】本発明において、驚くべきことに、N−ア
ニソイル−GABA及びp−アニス酸が、それぞれ脳内
ACh放出を促進することが見出された。
【0006】
【課題を解決するための手段】したがって、本発明は、
哺乳動物、好ましくはヒトの脳におけるACh放出を促
進するための、好ましくは医薬組成物の形態のN−アニ
ソイル−GABA又はp−アニス酸の使用に関する。こ
れらの化合物及びN−アニソイル−GABA又はp−ア
ニス酸を含む医薬組成物は、概日リズム障害、睡眠障
害、注意欠陥障害及び問題行動の処置にとって特に有用
である。
【0007】本発明は、前記障害の処置のための、有効
成分としてN−アニソイル−GABA又はp−アニス酸
を含む、脳内アセチルコリン放出を促進するための医薬
組成物に関する。
【0008】本発明は、脳におけるACh放出を促進す
るため、特に概日リズム障害、睡眠障害、注意欠陥障害
及び問題行動の処置のため、N−アニソイル−GABA
又はp−アニス酸を使用する方法にも関する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明を以下に詳細に説明する。
以下に提供される記載及び実施例は、本発明を理解する
ために役立つものであり、決して本発明を制限するもの
と見なされるべきではない。実施例において得られた結
果は、添付の図面により示される。これらの図面の簡単
な説明は以下のとおりである。
【0010】図1は、自由に行動できる脳卒中易発症性
高血圧自然発症ラット(SHRSP)の視床の網様核に
おけるACh放出に対する、アニラセタム(A)、2−
ピロリジノン、p−アニス酸、及びN−アニソイル−G
ABA(B)の効果を示す。化合物は20分間灌流され
た(黒いバー)。データは、平均値±標準誤差を表して
いる。基礎ACh放出量は、0.35±0.03pmol/
20分(n=24)であった。*対照群と比較してP<
0.05。
【0011】図2は、自由に行動できるSHRSPの背
側海馬におけるACh放出に対する、アニラセタム
(A)、2−ピロリジノン、p−アニス酸、及びN−ア
ニソイル−GABA(B)の効果を示す。化合物は20
分間潅流された(黒いバー)。データは、平均値±標準
誤差を表している。基礎ACh放出量は、0.63±
0.04pmol/20分(n=15)であった。*アニラ
セタムと比較してP<0.05、**アニラセタムと比較
してP<0.01。
【0012】図3は、自由に行動できるSHRSPの大
脳皮質前頭前野におけるACh放出に対する、アニラセ
タム(A)、2−ピロリジノン、p−アニス酸(B)、
及びN−アニソイル−GABA(C)の効果を示す。化
合物は20分間潅流された(黒いバー)。データは、平
均値±標準誤差を表している。基礎ACh放出量は、
0.58±0.03pmol/20分(n=24)であっ
た。*アニラセタムと比較してP<0.05、**アニラ
セタムと比較してP<0.01。
【0013】図4は、若齢ラット及び老齢ラットにおけ
る概日運動活性リズム及び食餌期待行動活性を示す。2
4時間の絶食(0日目)の後、連続する6日間、摂食を
13:30からの1時間のみに制限した。7日目に再び
食事を与えなかった。データは、1群当たり7匹のラッ
トから得られた、1時間毎に測定された運動活性の平均
値±標準誤差を示している。点付きのカラムは、摂食期
間を示す。白三角=−1日目、白丸=6日目、黒丸=7
日目。
【0014】図5は、老齢ラットにおける概日運動及び
食餌期待行動活性リズムに対するアニラセタムの効果を
示す。連続する7日間(1日目〜7日目まで)1日に1
回摂食終了直後に、ラットにアニラセタムを経口で与え
た。データは、1群当たり5〜6匹のラットから得られ
た平均値±標準誤差を示している。点付きのカラムは、
摂食期間を示す。白丸=6日目、黒丸=7日目。
【0015】図6は、SHRSP及び同週齢のウィスタ
ー・キョウト・ラット(WKY)におけるREMS、n
on−REMS(NREMS)、及び脳温度の日中及び
夜間の変化を示す。データは、1時間毎に測定された各
変数の平均値±標準誤差を示している。
【0016】図7は、SHRSPにおけるREMS、N
REMS、及び脳温度に対するアニラセタムの反復投与
の効果を示す。連続する5日間1日に2回(9:00及
び20:00)、アニラセタムを経口で動物に与えた。
9回目及び10回目の投薬の後のデータを示す。
【0017】N−アニソイル−GABA及びp−アニス
酸はいずれも、既知の化学化合物である。N−アニソイ
ル−GABAは、スペイン特許公開第84−53877
2号に記載の方法により合成することができる。p−ア
ニス酸は、Journal of American Chemical Society 78,
907-909 (1956)に記載の方法により調製されてもよい
し、Sigma Chem. Co.(St. Louis, USA)、Lancaster S
ynthesis Ltd.(Lancashire, UK)、和光純薬(Wako Pu
re Chem. Ind. Ltd.)(Osaka, Japan)などから購入す
ることもできる。
【0018】N−アニソイル−GABA及びp−アニス
酸は、各々、薬学的に許容される製剤の形態で用いるこ
とができる。この製剤は、錠剤、コーティング錠、糖衣
錠、硬ゼラチンカプセル剤、軟ゼラチンカプセル剤とし
て製剤化してもよいし、液剤、乳剤、又は懸濁液として
製剤化してもよい。得られた製剤は、経口投与すること
ができる。更に、この製剤は、直腸内投与のための坐
剤、又は非経口投与することができる注射剤として製剤
化することもできる。
【0019】錠剤、コーティング錠、糖衣錠、又は硬ゼ
ラチンカプセル剤のような経口固形製剤を調製する場合
には、N−アニソイル−GABA又はp−アニス酸を、
各々、乳糖、トウモロコシデンプン及びそれらの誘導
体、タルク、ステアリン酸及びその塩基又は塩などのよ
うな薬学的に不活性な無機又は有機担体と共に製剤化す
ることができる。
【0020】軟ゼラチンカプセル剤又は硬ゼラチンカプ
セル剤を調製する場合には、例えば、植物油、ロウ、脂
肪、油、ゲル、半固体又は液体のポリオールなどの担体
を適宜使用することができる。
【0021】液体製剤及びシロップ剤を調製する場合に
は、例えば、水、ポリオール、サッカロース、転化糖、
グルコースなどの担体を適宜使用することができる。
【0022】注射用製剤を調製する場合には、例えば、
水、アルコール、ポリオール、グリセロール、植物油な
どの担体を適宜使用することができる。
【0023】坐剤を調製する場合には、例えば、植物
油、ロウ、油、ゲル、又は液体ポリオールなどの担体を
適宜使用することができる。更に、これらの製剤を、防
腐剤、溶媒、安定剤、湿潤剤、乳化剤、矯味剤、浸透圧
を変化させるための塩基、緩衝剤、被覆剤、及び抗酸化
剤、並びに更なる治療上重要な化合物と共に組み合わせ
て使用することが可能である。
【0024】前記製剤の投与経路は、これらに限定され
ないが、剤型、又は患者の年齢、性別、症状などに応じ
て適切に変化させることができる。
【0025】投与経路、用量、及び投与回数は、患者の
年齢、体重、及び症状に応じて適切に変化させることが
できる。経口投与の場合、用量は通常1日当たり成人1
人当たり1〜300mg/kg(好ましくは3〜30mg/kg)
であり、この用量を1回〜数回に分けて投与することが
できる。
【0026】N−アニソイル−GABA又はp−アニス
酸をラットに経口投与した場合、N−アニソイル−GA
BAの急性毒性(LD50値)はいずれの性でも5,00
0mg/kg以上であり、p−アニス酸のそれは、雄動物で
1,813mg/kg、雌動物で2,124mg/kgであった。
両薬物を4週間にわたりラットに反復経口投与した場
合、血液学的試験、血液生化学的試験、及び毒性病理学
的試験における致死性及び異常性のような亜急性毒性
は、600mg/kgまで観察されなかった。
【0027】
【実施例】N−アニソイル−GABA及びp−アニス酸
によるACh放出促進効果、並びに1−p−アニソイル
−2−ピロリジノンによる概日リズム障害及び睡眠障害
の改善効果を、以下に具体的に説明する。
【0028】実施例1ACh放出の促進効果の試験 試験動物 :実験前の5週間、水の代わりに1%NaCl
溶液を与えられた、13週齢の雄の脳卒中易発症性高血
圧自然発症ラット(stroke-prone spontaneouslyhypert
ensive rats)(SHRSP)。
【0029】試験方法:SHRSPに麻酔を施し、視
床、背側海馬、及び大脳皮質前頭前野にガイド・カニュ
ーレを埋め込んだ。回復後、同心状型微小透析プローブ
(concentric microdialysis probe)をガイド・カニュ
ーレに挿入し、自由に移動できる条件の下、2μl/分
の一定の流速で10-5Mエゼリン(SIGMA, St. Louis,
USA)を含む通常リンゲル溶液を灌流した。N−アニソ
イル−GABA又はp−アニス酸を10-7、10-6、及
び10-5Mの最終濃度でリンゲル溶液に溶解し、各薬物
を同プローブを通して20分間灌流した。20分毎の透
析液を回収し、高速液体クロマトグラフィーシステムに
注入して細胞外ACh濃度を定量した。ACh放出量
を、薬物灌流前に回収された3つの連続する安定な試料
の平均に対する変化のパーセントとして表した。
【0030】試験結果:視床(図1)、背側海馬(図
2)、及び大脳皮質前頭前野(図3)において、それぞ
れ、N−アニソイル−GABAは32%、48%、及び
70%、p−アニス酸は22%、51%、及び61%、
ACh放出を増大させた。一方、1−p−アニソイル−
2−ピロリジノンの効果は、いずれの脳領域においても
観察されなかった。したがって、N−アニソイル−GA
BA及びp−アニス酸は、1−p−アニソイル−2−ピ
ロリジノンの主要代謝物として、中枢ACh作動性神経
系の活性化(ACh放出の促進)に寄与している活性物
質であると推定された。
【0031】実施例2障害された概日リズムの改善効果の試験 試験動物 :9週齢(若齢群)及び約30ヶ月齢(老齢
群)の雄ウィスター系ラット(Wister rats)。
【0032】試験方法:動物を個別に飼育し、自由に食
餌及び水を摂取させた。24時間の絶食(0日目)の
後、連続する6日間、摂食を13:30からの1日1時
間のみに制限した。7日目に再び食事を与えず、食事に
より動機付けられる概日性食餌期待行動活性を調査し
た。連続する7日間、1日1回、摂食時間の直後に30
及び100mg/kgの1−p−アニソイル−2−ピロリジ
ノン又はビヒクルを経口投与した。各飼育ケージ内で、
自発的運動活性を測定した。
【0033】試験結果:老齢ラットでは、7日目に、食
餌により動機付けられる期待行動活性が、若齢ラットと
比較して顕著に減弱し(図4)、このことは、加齢によ
る概日リズム制御の異常及び時間保持能力の欠損を示唆
している。1−p−アニソイル−2−ピロリジノンの反
復経口投与は、老齢ラットにおける障害された食餌期待
行動活性を有意に改善したが、ビヒクルは改善しなかっ
た(図5)。
【0034】実施例3障害された睡眠パターンの改善効果の試験 試験動物 :5週間にわたり水の代わりに1%NaCl溶
液を与えられた13週齢の雄SHRSP、及び同週齢の
ウィスター・キョウト・ラット(Wister Kyoto rats)
(WKY)。
【0035】試験方法:動物に麻酔を施し、脳波計(E
EG)用の電極及び脳温度のセンサーを、大脳皮質に埋
め込み、筋電図(EMG)用の電極を背部頸筋に埋め込
んだ。全ての変数を7日間継続的に記録し、EEG波及
びEMG波の振幅及び周波数を解析することにより、ラ
ットの行動状態を覚醒、REMS、NREMSに分類し
た。連続する5日にわたり1日2回(朝及び晩)、15
mg/kgの1−p−アニソイル−2−ピロリジノン又はビ
ヒクルを経口投与した。
【0036】試験結果:SHRSPは、コントロールの
WKYと比較して、明期(睡眠期)におけるREMSの
減少、並びに暗期(活動期)におけるNREMSの増加
及び脳温度の低下を示し、このことは、睡眠−覚醒リズ
ムの障害を示唆している(図6)。1−p−アニソイル
−2−ピロリジノンの反復経口投与は、SHRSPにお
いて減少した明期のREMSを改善したが、ビヒクルは
改善しなかった(図7)。
【0037】以上に基づき、N−アニソイル−GABA
又はp−アニス酸は、脳血管障害(即ち、脳梗塞及び脳
出血)のみならず脳神経変性(即ち、アルツハイマー
病、パーキンソン病、及び進行性核上性麻痺)並びに多
動症候群(注意欠陥多動性障害)においても観察され
る、概日リズム障害、睡眠障害、注意欠陥障害、及び問
題行動(せん妄及び夜間徘徊)のような様々な精神神経
症状の治療薬として有用であると結論付けることができ
る。更に、各々単独の効果と同様に、N−アニソイル−
GABAとp−アニス酸との組み合わせ効果を充分に期
待することができる。
【0038】実施例4医薬組成物の調製 以下に記載する薬学的に許容される製剤は、適当な実施
例であって、決して本発明の医薬組成物を制限するもの
と見なされるべきではない。
【0039】4.1 N−アニソイル−GABAを含む
錠剤の調製 100mgのN−アニソイル−GABAを含む錠剤を、以
下の(1錠当たりの)組成を用いて以下の方法により調
製した。
【0040】 組成A: N−アニソイル−GABA 100mg 乳糖 20mg コリドン(Kollidon)CL(BASF) 15mg トウモロコシデンプン 30mg アビセル(Avicel)PH101(AsahiChemical Co. Ltd.) 50mg
【0041】 組成B: ポリビニルピロリジノンK−90 5mg 軽(light)無水ケイ酸 18mg ステアリン酸マグネシウム 2mg 計 240mg
【0042】ポリビニルピロリジノンK−90の8%水
溶液中で前記の組成Aの混合物を練合した。60℃で乾
燥させた後、組成Bをそれらと混合した。その混合物
を、重量240mg、直径8mmの丸型錠剤へと打錠した。
【0043】4.2 p−アニス酸を含む錠剤の調製 100mgのp−アニス酸を含む錠剤を、以下の(1錠当
たりの)組成を用いて以下の方法により調製した。
【0044】 組成A: p−アニス酸 100mg 乳糖 20mg コリドンCL(BASF) 15mg トウモロコシデンプン 30mg アビセルPH101(AsahiChemical Co. Ltd.) 50mg
【0045】 組成B: ポリビニルピロリジノンK−90 5mg 軽無水ケイ酸 18mg ステアリン酸マグネシウム 2mg 計 240mg
【0046】ポリビニルピロリジノンK−90の8%水
性溶液中で前記の組成Aの混合物を練合した。60℃で
乾燥させた後、組成Bをそれらと混合した。その混合物
を、重量240mg、直径8mmの丸型錠剤へと打錠した。
【0047】4.3 N−アニソイル−GABAを含む
カプセル剤の調製 100mgのN−アニソイル−GABAを含むカプセル剤
を、以下の(1カプセル当たりの)組成を用いて以下の
方法により調製した。
【0048】組成A : N−アニソイル−GABA 100mg 乳糖 20mg コリドンCL(BASF) 2mg トウモロコシデンプン 53mg
【0049】 組成B: ポリビニルピロリジノンK−90 5mg アビセルPH101(AsahiChemical Co. Ltd.) 18mg ステアリン酸マグネシウム 2mg 計 200mg
【0050】ポリビニルピロリジノンK−90の8%水
溶液中で前記の組成Aの混合物を練合した。60℃で乾
燥させた後、組成Bをそれらと混合した。その混合物
を、No.3ゼラチンカプセルに充填し、200mgを含む
カプセル剤を得た。
【図面の簡単な説明】
【図1】自由に行動できる脳卒中易発症性高血圧自然発
症ラットの視床の網様核におけるACh放出に対する効
果を示す。
【図2】自由に行動できるSHRSPの背側海馬におけ
るACh放出に対する効果を示す。
【図3】自由に行動できるSHRSPの大脳皮質前頭前
野におけるACh放出に対する効果を示す。
【図4】若齢ラット及び老齢ラットにおける概日運動活
性リズム及び食餌期待行動活性を示す。
【図5】老齢ラットにおける概日運動及び食餌期待行動
活性リズムに対する効果を示す。
【図6】SHRSP及び同週齢のウイスター・キョウト
・ラットにおけるREMS、NREMS、及び脳温度の
日中及び夜間の変化を示す。
【図7】SHRSPにおけるREMS、NREMS、及
び脳温度に対する効果を示す。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
フロントページの続き (72)発明者 田中 雄四郎 神奈川県横浜市栄区上郷町262−32−3− 509

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脳内アセチルコリン放出を増強するため
    のN−アニソイル−GABA又はp−アニス酸を含む医
    薬組成物の調製のための、N−アニソイル−GABA又
    はp−アニス酸の使用。
  2. 【請求項2】 医薬組成物が、日周期リズム障害、睡眠
    障害、注意の欠乏障害及び問題行動の処置用である、請
    求項1記載の使用。
  3. 【請求項3】 有効成分としてのN−アニソイル−GA
    BA又はp−アニス酸が、1日当たり成人1人当たり1
    〜300mg/kgの単位用量で存在する、請求項1又は2
    記載の使用。
  4. 【請求項4】 有効成分としてN−アニソイル−GAB
    A又はp−アニス酸及び治療上不活性な担体を含む、脳
    内アセチルコリン放出を増強するための医薬組成物。
  5. 【請求項5】 日周期リズム障害、睡眠障害、注意の欠
    乏障害及び問題行動の処置用の、請求項4記載の医薬組
    成物。
JP2000121904A 1999-04-27 2000-04-24 脳内アセチルコリン放出を促進するための薬剤 Pending JP2000309529A (ja)

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