JP2000304470A - 積層型熱交換器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱交換器のどの位置でも均一な熱交換能力が
得られる積層型熱交換器を提供するものである。 【解決手段】 矩形状のプレートの一端を４等分し、そ
の第１及び第３の区分にタンク形成用膨出部を、第２及
び第４の区分に切欠部を形成した第１の成形プレートを
作る。また、矩形状のプレートの一端を４等分し、その
第２及び第４の区分にタンク形成用膨出部を、第１及び
第３の区分に切欠部を形成した第２の成形プレートを作
る。そして第１の成形プレートと第２の成形プレートを
対向接合してチューブエレメントを構成する。このチュ
ーブエレメントと同じチューブエレメントを反転した反
転チューブエレメントとをコルゲートフィンを介在して
交互に積層して構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、車両用空調装置
に用いられるエバポレータで、特に積層型熱交換器に関
する。

【０００２】

【従来の技術】従来の積層型熱交換器としては、特許第
２６９４７３８（特開平３−１６４６８９）号公報中に
開示されたものがある。即ち、一端に第１〜第４の４つ
の冷媒タンクを有するチューブエレメントと、蛇腹状の
コルゲートフィンを備え、前記タンクにそれぞれ通孔が
設けてある片タンク式の積層型熱交換器であり前記第１
又は第２のタンクの一方と前記第３又は第４のタンクの
一方とをＵ字状に結ぶ冷媒蒸発流路を有する複数の第１
のチューブエレメントと、前記第１又は第２のタンクの
他方の前記第３又は第４のタンクの他方とをＵ字状に結
ぶ冷媒蒸発流路を有する複数の第２のチューブエレメン
トを、交互に配列し、互いに隣接する各チューブエレメ
ントの第１のタンク同士、第２のタンク同士、第３のタ
ンク同士、及び第４のタンク同士が、前記通孔によりそ
れぞれ連通している。

【０００３】そして、前記第１のチューブエレメントと
前記第２のチューブエレメントとの間に前記コルゲート
フィンを介し、積層方向の一端に位置する前記第１又は
第２のチューブエレメントの前記第１又は第２のタンク
の一方に冷媒導入管を接続し、他端に位置する前記第１
又は第２のチューブエレメントの他方の前記第３又は第
４のタンクの一方と前記第１又は第２のタンクの他方と
を、連絡通路部材により連通させてある。

【０００４】これにより冷媒は次のように流れる。第１
及び第２のチューブエレメントを交互に配置することに
より形成された第１及び第２のチューブエレメント群の
内、冷媒は先ず、いずれか一方のチューブエレメント群
の積層方向の一端側から冷媒導入管を介して第１又は第
２のタンクの一方に供給され、各チューブエレメントに
分配される。分配された冷媒はＵ字状の冷媒蒸発流路を
流れ、第３又は第４のタンクの一方に集合して積層方向
の他端側へ流れる。第３又は第４のタンクの一方内の冷
媒は、連絡通路部材を経て他方のチューブエレメント群
に流入し、第１又は第２のタンクの他方からＵ字状の冷
媒蒸発流路を通って第３又は第４のタンクの他方に至
り、積層方向の一端側の冷媒流出管を通じて流出する。
このため、いずれの吹き出し箇所から均等な温度の冷風
を吹き出させることが出来る優れた効果が得られる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところが、この積層型
熱交換器は前述したように、チューブエレメントに４つ
のタンクを必要としている。一般的にこの種のタンクの
成形は、チューブエレメントを構成するチューブエレメ
ントをプレス加工による深絞り加工で行われる。しかし
ながら、特にチューブエレメントの片側に近接して連続
した、４つの深絞り加工をするためには材料の流れ量が
不足し、材料取りが困難となる。このためには、材料の
板厚を厚肉にしなければならないが、材料費の上昇のみ
ならず軽量化に不利となる。一方、絞り深さを少なくす
ることも考えられるが、チューブエレメント間の間隔が
狭くなり、通風抵抗の増加や排水性が悪くなる欠点を持
つことになる。

【０００６】このため、この発明では、チューブエレメ
ントを構成する成形プレートの板厚を厚くせず、且つ熱
交換器のどの位置でも一定の温度の冷風を吹き出させる
ことができる積層型熱交換器を提供するものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】この発明に係る積層型熱
交換器は、矩形状のプレートの一端を４等分し、その第
１及び第３の区分にタンク形成用膨出部を、第２及び第
４の区分に切欠部をそれぞれ形成し、前記２つのタンク
形成用膨出部には連通孔がそれぞれ形成されると共に、
前記一方のタンク形成用膨出部から他方のタンク形成用
膨出部へ連通するＵ字状の冷媒通路形成用膨出部を形成
した第１の成形プレートと、矩形状のプレートの一端を
４等分し、その第２及び第４の区分にタンク形成用膨出
部を、第１及び第３の区分に切欠部をそれぞれ形成し、
前記２つのタンク形成用膨出部には連通孔がそれぞれ形
成されると共に、前記一方のタンク形成用膨出部から他
方のタンク形成用膨出部へ連通するＵ字状の冷媒通路形
成用膨出部を形成した第２の成形プレートとを備え、こ
の第１及び第２の成形プレートを最中合わせにて接合し
てチューブエレメントを形成し、このチューブエレメン
トと、同じチューブエレメントを反転した反転チューブ
エレメントとを交互にコルゲートフィンを介在して積層
たことにある（請求項１）。

【０００８】これにより、冷媒はまず積層型熱交換器の
一つおきのチューブエレメント群の一方のタンク群に流
入し、そしてチューブ群を介して他方のタンク群に流れ
る。それから、一つおきの反転チューブエレメント群の
一方のタンク群に流入し、そしてチューブ群を通り他方
のタンク群に流れ該他方のタンク群から流出される。こ
のため、熱交換能力（冷却能力）の高い冷媒と低い冷媒
が交互に近接して流れて、全体として熱交換器のどの位
置でも均一の熱交換能力が得られるものである。

【０００９】また、この発明の積層型熱交換器は、前記
した請求項１記載の熱交換器にあって、積層方向外側の
一方に前記第２の成形プレートと平プレートとの接合の
第２のチューブエレメントを、他方に同じ第２のチュー
ブエレメントを反転して配すると共に、一方の第２のチ
ューブエレメントに出入口パイプを、他方の第２のチュ
ーブエレメントに連通部材を配したことにある（請求項
２）。

【００１０】これにより、積層型熱交換器の積層方向の
両端に配された平板プレートを持つ第２のチューブエレ
メントのどちらかに出入口パイプを取付けると共に、外
された第２のチューブエレメントに２つのタンクを連通
する連通部材が取付けられ、冷媒がチューブエレメント
の他方のタンク群から反転チューブエレメントの一方の
タンク群に流される。

【００１１】更に、この発明の積層型熱交換器は、矩形
状のプレートの両端をそれぞれ４等分し、その第１及び
第３の区分にタンク形成用膨出部を、第２及び第４の区
分に切欠部をそれぞれ形成し、前記４つのタンク形成用
膨出部には連通孔がそれぞれ形成されると共に、前記プ
レートの一端側で一方のタンク形成用膨出部と他端側で
一方のタンク形成用膨出部を連通し、一端側で他方のタ
ンク形成用膨出部と他端側で他方のタンク形成用膨出部
とを連通するそれぞれ直線状の冷媒通路形成用膨出部を
形成した第３の成形プレートと、矩形状のプレートの両
端を４等分し、その第２及び第４の区分にタンク形成用
膨出部を、第１及び第３の区分に切欠部をそれぞれ形成
し、前記４つのタンク形成用膨出部には連通孔がそれぞ
れ形成されると共に、前記プレートの一端側で一方のタ
ンク形成用膨出部と他端側で一方のタンク形成用膨出部
を連通し、一端側で他方のタンク形成用膨出部と他端側
で他方のタンク形成用膨出部とを連通するそれぞれ直線
状の冷媒通路形成用膨出部を形成した第４の成形プレー
トとを備え、この第３及び第４の成形プレートを最中合
わせにて接合して第３のチューブエレメントを形成し、
この第３のチューブエレメントと、同じ第３のチューブ
エレメントを反転した反転第３のチューブエレメントと
を交互にコルゲートフィンを介在して積層して形成した
ことにある（請求項３）。

【００１２】これにより、冷媒はまず積層型熱交換器の
一つおきのチューブエレメント群の上方及び下方のタン
ク群に流入し、そしてチューブに対向流として流されて
上方及び下方のタンク群に至る。それから、一つおきの
反転チューブエレメント群の一方の上方及び下方のタン
ク群に流入し、そしてチューブ群を通って他方の上方及
び下方のタンク群に至り、該タンク群から流出される。

【００１３】このため、熱交換能力（冷却能力）の高い
冷媒と低い冷媒が一つおきに対向流として流されると共
に、チューブの流路上にも対向流として流れ、全体とし
て熱交換器のどの位置でも均等の熱交換能力（冷却能
力）が得られるものである。

【００１４】また、この発明の積層型熱交換器は、積層
方向外側の一方に前記第４の成形プレートと平プレート
との接合の第４のチューブエレメントを、他方に同じ第
４のチューブエレメントを反転して配すると共に、一方
の第４のチューブエレメントに出入口パイプを、他方の
第４のチューブエレメントに２つの連通部材を配したこ
とにある（請求項４）。

【００１５】これにより、積層型熱交換器の積層方向の
両端に配された平板プレートを持つ第４のチューブエレ
メントのどちらかに取付けられた出入口部材から冷媒が
流入と流出が行われ、第３のチューブエレメントの上下
のタンク群と反転第３のチューブエレメントの上下のタ
ンク群とが２つの連通部材を介して連通され、冷媒が流
される。

【００１６】

【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面をもとに説明する。

【００１７】図１及至図６において、この発明の第１の
実施の形態を示している。図１、図２に示すエバポレー
タである積層型熱交換器１は、一対の成形プレート（下
記する）より成るチューブエレメント２と、同じチュー
ブエレメントを反転した反転チューブエレメント２′と
交互にコルゲートフィン３を介在して多数積層し、最も
外側に成形プレート（下記する）と平プレート（下記す
る）より成る第２のチューブエレメント４，４′が配さ
れ、該第２のチューブエレメント４，４′にはエンドプ
レート５，５が添着されて構成され、炉中ろう付にて一
体化されている。そして、図上右端側に出入口パイプ
６，７が前記エンドプレート５図１上右端側に固定さ
れ、タンク（下記する）に連通されている。

【００１８】図３及至図５も加えて説明すると、前記チ
ューブエレメント２及び反転チューブエレメント２′
は、第１及び第２の成形プレート９，１０を最中合わせ
に接合して構成されるが、それを構成する第１の成形プ
レート９は図５に示すように矩形状のプレートの一端を
４等分し、その第１及び第３の区分にタンク形成用膨出
部１２，１３が形成され、第２及び第４の区分に切欠部
１４，１５が形成されている。この切欠部１４，１５
は、タンク形成用膨出部１２，１３が嵌り込む大きさを
有している。

【００１９】タンク形成用膨出部１２，１３は、プレス
加工にて所望の深さを有し、該深さ寸法Ａはチューブエ
レメント２と２′間及びチューブエレメント２，２′と
第２のチューブエレメント４間の寸法Ｂに成形プレート
の板厚Ｃを加えた寸法となっている。また、タンク形成
用膨出部１２，１３の底部で中心に連通孔１７，１８が
形成されている。

【００２０】それから、第１の成形プレート９の大部分
は、チューブとなるチューブ形成用膨出部２０が形成さ
れ、前記したタンク形成用膨出部１２，１３から他端近
傍まで伸びる突条２２が形成されている。これにより、
一方のタンク膨出部１２から他方のタンク膨出部１３に
至るＵ字状の膨出部となる。なお、成形プレート９の上
端には、他の成形プレートと当接する突当部２３が形成
されている。

【００２１】第２の成形プレート１０は、図５に示すよ
うに、タンク形成用膨出部の位置が相違する点を除いて
同一構成であり、この相違点は前記第１の成形プレート
９と最中合わせ接合（対向接合）した際、タンク形成用
膨出部はタンク形成用膨出部に、切欠部は切欠部に合致
するためのものであり、このため該第２の成形プレート
１０の一端の第１の区分と第３の区分は切欠部２６，２
７となり、第２の区分と第４の区分はタンク形成用膨出
部２７，２８となっている。その他の部分は前記第１の
成形プレート９と同一のため同一の番号を付して説明を
省略した。

【００２２】前記第１の成形プレート９と第２の成形プ
レート１０とが周縁で接合されると、互いの突条２２，
２２も接合され、対向するタンク形成用膨出部１２，１
３と２７，２８でタンク３８，３９が、チューブ形成用
膨出部２０，２０でチューブ４０（図１に示す）が形成
されることになる。

【００２３】第２のチューブエレメント４は、前記第２
の成形プレート１０と平プレート３１より接合されて構
成され、同じく第２のチューブエレメント４′は前記成
形プレート１０と平プレート３２とより接合されて構成
されている。なお、平プレート３１は下端で両角側に孔
３３，３４が形成され、平プレート３２は下端で内側に
孔３５，３６が形成されている。

【００２４】前記第２の成形プレート４と平プレート３
１と、第２の成形プレート４と日田らプレート３２とが
それぞれ周縁で接合されると、突条２２が平プレート３
１，３２に接合されてＵ字状のチューブ４０′（図１に
示す）と、下端にタンク４４，４５が形成されることに
なる。

【００２５】前記エンドプレート５，５′は、上下両端
に接合縁４２，４３が形成され、下端で中程に切欠部４
４が形成されている。一方のエンドプレート５には、下
端側で前記接合縁４２に入口及び出口パイプ６，７が取
付けられ、該入口パイプ６は前記した第１のチューブエ
レメント２のタンク３８に接続され、出口パイプ７は第
２のチューブエレメント４のタンク４５に接続されてい
る。また、他方のエンドプレート５′には、何ら付加さ
れる物はないが、切欠部４４を介して連通キャップ４７
が前記第２の成形プレート４′の平プレート３２の下端
に前記した孔３５，３６を包むように取付けられてい
る。

【００２６】前記したように、チューブエレメント２と
反転チューブエレメント２′とが交互にフィン３を介在
して積み重ねられ、最も両外側に第２のチューブエレメ
ント４，４′が配され、更に外側にエンドプレート５，
５′が配されているから、図２に示すように、チューブ
エレメント２のタンク３８，３９と、反転チューブエレ
メント２′のタンク３８，３９及び第２のチューブエレ
メント４，４′のタンク４４，４５との作るタンク群
（連通状態にある）は、次のように構成される。

【００２７】入口パイプ６と接続される第１群と、出口
パイプ７が接続される第４群と、その間に介在される第
２群、第３群とが積層方向に形成されている。第１群は
入口パイプ６に接続の第１のチューブエレメント２のタ
ンク３８が多数連なると共に、最も反入口パイプ側に第
２のチューブエレメント４′のタンク４５が配されて構
成されている。

【００２８】第２群は図上右側から第２のチューブエレ
メント４のタンク４４から始まり、反転チューブエレメ
ント２′のタンク３９が多数連なっている。第３群は図
上右側から第１のチューブエレメント１のタンク３９か
ら始まり、多数連なると共に最も左端に第２のチューブ
エレメント４′のタンク４４が配されて構成されてい
る。この第３群と前記第２群は、左端側で連通キャップ
４１と平プレート３２に形成の孔３５，３６を介して連
通接続されている。

【００２９】第４群は図上右側から出口パイプ７に接続
の第２のチューブエレメント４のタンク４５から始ま
り、反転チューブエレメント２′のタンク３８が多数連
なって構成されている。

【００３０】即ち、積層型熱交換器１は、図６に示され
る冷媒の流れとなって表れ、まず入口パイプ６から第１
群（タンク）に入り、それから第１のチューブエレメン
ト２を通り熱交換をし、第３群（タンク）に至る。そし
て、冷媒はこの第３群（タンク）から連通部材４７を通
り第２群（タンク）に入り、再び反転チューブエレメン
ト２′を通り熱交換をし、第４群（タンク）に至り出口
パイプ７より流出する。このような冷媒の流れにあっ
て、チューブエレメント２と反転チューブエレメント２
とは交互に配されるので、冷却能力の高い冷媒と低い冷
媒とが交互に近接して流れて、全体として熱交換器のど
の位置でも均一の熱交換能力（冷却能力）が得られるも
のである。

【００３１】図７及至図１３は、この発明の第２の実施
の形態が示され、エバポレータである積層型熱交換器１
は、一対の第３及び第４の成形プレート５２，５３より
成る第３のチューブエレメント５０と、同じチューブエ
レメントを反転した反転チューブエレメント５０′とを
交互にコルゲートフィン３を介して多数積層し、最も外
側に前記第４の成形プレート５３と平プレート５４より
成る第４のチューブエレメント５５，５５′が配されて
構成されている。

【００３２】更に、この第４のチューブエレメント５５
の平プレート５４の外側に分配流路材５８と集合流路材
５９とが配され、また第４のチューブエレメント５５′
の平プレート５７の外側にエンドプレート６３が配され
ている。

【００３３】前記第３のチューブエレメント５０及び反
転チューブエレメント５０′は、第３及び第４の成形プ
レート５２，５３を最中合わせに接合して構成される
が、それを構成する第３の成形プレート５２は、図９に
示すように、矩形状のプレートの両端を４等分し、その
第１及び第３の区分にタンク形成用膨出部６５，６６及
び６７，６８が形成され、第２及び第４区分に切欠部６
９，７０及び７１，７２が形成されている。この切欠部
６９，７０及び７１，７２は、タンク形成用膨出部６
５，６６及び６７，６８が嵌り込む大きさを有してい
る。

【００３４】タンク形成用膨出部６５，６６，６７，６
８は、プレス加工にて所望の深さを有し、該深さ寸法Ａ
はチューブエレメント５０と５０′間及びチューブエレ
メント５０，５１と平プレート５４との間の寸法Ｂに成
形プレートの板厚Ｃを加えた寸法となっている。また、
タンク形成用膨出部６５，６６，６７，６８の底部で中
心に連通孔７４，７５，７６，７７が形成されている。

【００３５】それから、第３の成形プレート５２の大部
分は、チューブとなるチューブ形成用膨出部７９が形成
され、前記したタンク形成用膨出部６７，６８の中間か
ら他端のタンク形成用膨出部６５，６６との中間まで伸
びる突条８０が形成され、これにより上下のタンク形成
用膨出部６７，６８とタンク形成用膨出部６７，６８と
が連通する２つの膨出部７９ａ，７９ｂとなる。

【００３６】第４の成形プレート５３は、図９に示すよ
うに、タンク形成用膨出部の位置が相違する点を除いて
同一構成であり、この相違点は前記第３の成形プレート
５２と最中合わせ接合（対向接合）した際、タンク形成
用膨出部はタンク形成用膨出部に、切欠部は切欠部に合
致するためのものであり、このため該第４の成形プレー
トの両端の第１の区分と第３の区分は切欠部８２，８
３，８４，８５となり、第２の区分と第４の区分はタン
ク形成用膨出部８７，８８，８９，９０となっている。
その他の部分は前記第３の成形プレート５２と同一のた
め同一の番号を付して説明を省略した。

【００３７】前記第３の成形プレート５２と第４の成形
プレート５３とが周縁で接合されると、図１０に示すご
とく、互いの突条８０，８０も接合され、対向するタン
ク形成用膨出部６５，６６，６７，６８と８７，８８，
８９，９０とでタンク９２，９３，９４，９５が２つの
流路９６，９７を持つチューブ９８が形成されることに
なる。

【００３８】第４のチューブエレメント５５は、前記第
４の成形プレート５３と平プレート５４より接合されて
構成され、同じく第２のチューブエレメント５５′は、
前記第４の成形プレート５３と平プレート５４とにより
接合されて構成されている。なお、平プレート５４は、
上方及び下方で孔１００，１０１及び１０２，１０３が
形成され、また平プレート５７も上方及び下方で孔１０
５，１０６及び１０７，１０８が形成されている。

【００３９】前述の第４の成形プレート５３と平プレー
ト５４と、第４の成形プレート５３と平プレート５７と
が周縁で接合されると、突条８０が平プレート５４，５
７と接合され、２つの流路９６′，９７′を持つチュー
ブと、上下端にタンク１１２，１１３及び１１４，１１
５が形成される。

【００４０】前記第４のチューブエレメント５５の平プ
レート５４の外側に分配流路材５８と集合流路材５９が
配され、分配流路材５８が前記孔１００，１０２に連通
し、集合流路材５９が前記孔１０１，１０３に連通して
いる。この分配及び集合流路材５８，５９には、入口パ
イプ６０と出口パイプ６１が接続され、冷媒の流入、流
出が行われる。

【００４１】前記第４のチューブエレメント５５′の平
プレート５７の外側にエンドプレート６３が配されると
共に、２つの連通キャップ１１０，１１１が配され、連
通キャップ１１０は孔１０５，１０６を包むように取付
けられ、該孔１０５，１０６同士を連通し、連通キャッ
プ１１１は孔１０７，１０８を包むように取付けられ、
該孔１０７，１０８同士を連通する。

【００４２】前述したように、第３のチューブエレメン
ト５０と反転第３のチューブエレメント５０′とが交互
にフィン３を介在して積み重ねられ、最も両外側に第４
のチューブエレメント５５，５５′が配されているか
ら、図１１に示すように、第３のチューブエレメント５
０のタンク９２，９３、９４，９５と、反転第３のチュ
ーブエレメント５０′の９２，９３、９４，９５及び第
４のチューブエレメント５５，５５′のタンク１１２，
１１３，１１４，１１５との作るタンク群（連通状態に
ある）は次のように構成される。

【００４３】図１１のａに示すように、上面から見て、
冷媒の流入側の第１群と、冷媒の流出側の第４群と、そ
の間に介在される第２群、第３群とが積層方向に形成さ
れている。また、図１１のｂに示すように、下面から見
て、冷媒の流入側の第５群と、冷媒流出側の第８群と、
その間に介在される第６群と第７群とが積層方向に形成
されている。第１群は分配流路材５８に接続の第３のチ
ューブエレメント５０のタンク９２が多数連なると共
に、最も反流入側に第４のチューブエレメント５５′の
タンク１１３が配されて構成されている。

【００４４】第２群は、図１１のａの右側から第４のチ
ューブエレメント５５のタンク１１２から始まり、反転
第３のチューブエレメント５０′のタンク９３が多数連
なっている。第３群は図１１のａの右側から第３のチュ
ーブエレメント５０のタンク９３が多数連なると共に、
最も左端に第４のチューブエレメント５５′のタンク１
１２が配されて構成されている。この第３群と前記第２
群は、左側端で連通キャップ１１０と平プレート５７の
孔１０５，１０６を介して連通接続されている。

【００４５】第４群は図１１のａの右側から集合流路材
５９に接続の第４のチューブエレメント５５のタンク１
１３から始まり、反転の第３のチューブエレメント５
０′のタンク９２が多数連なって構成されている。

【００４６】第５群は、図１１のｂに示すように、分配
流入材５８に接続の第３のチューブエレメント５０のタ
ンク９４が多数連なると共に、最も反流入側に第４のチ
ューブエレメント５５′のタンク１１５が配されて構成
されている。

【００４７】第６群は、図１１のｂの右側から第４のチ
ューブエレメント５５のタンク１１４から始まり、反転
第３のチューブエレメント５０′のタンク９５が多数連
なって構成されている。第７群は図１１のｂの右側から
第３のチューブエレメント５０のタンク９５が多数連な
ると共に、最も左端に第４のチューブエレメント５５′
のタンク１１４が配されて構成されている。この第７群
と前記第６群は左側端で、連通キャップ１１１と平プレ
ート５７の孔１０７，１０８を介して連通接続されてい
る。

【００４８】第８群は図１１のｂの右側から集合流路材
５９に接続の第４のチューブエレメント５５のタンク１
１５から始まり、反転の第３のチューブエレメント５
０′のタンク９４が多数連なって構成されている。

【００４９】即ち、積層型熱交換器１は、図１２に示さ
れる冷媒の流れとなって表れ、まず冷媒は入口パイプ６
０から分配流路材５８を介して第１群（タンク）と第５
群（タンク）に入り、第３のチューブエレメント５０の
チューブ９８の２つの流路９６，９７を対向して冷媒が
流れる。そして、第１群（タンク）の冷媒は第６群（タ
ンク）へ至り、第５群（タンク）の冷媒は第２群（タン
ク）に至り、それぞれ連通キャップ１１０，１１１を介
して第６群（タンク）は反転第３のチューブエレメント
５０′より構成の第７群（タンク）に至り、第２群（タ
ンク）は反転第３のチューブエレメント５０′より構成
の第３群（タンク）に至る。そして反転第３のチューブ
エレメント５０′のチューブの２つの流路９６，９７を
対向して流れて、それぞれ第４群（タンク）と第８群
（タンク）に至って集合流路材５９に入り出口パイプ６
１より流出するものである。

【００５０】このような冷媒の流れにあって、第３のチ
ューブエレメント５０と反転第３のチューブエレメント
５０′とは交互に配されると共に、チューブの流路が並
設されているので冷媒能力の高い冷媒と低い冷媒が交互
に近接して流れ、且つ対向して流れると共にチューブの
流路においても対向流として流れるので、全体として熱
交換器のどの位置でも均一の熱交換能力（冷却能力）が
得られるものである。

【００５１】冷媒の流れとしては、前記した例ばかりで
なく、図１３に示すような流し方もできるものである。
即ち、第１群の中間のタンクと第４群の中間のタンクと
第５群の中間のタンクと第８群の中間のタンクをめくら
とすることで図示のような複雑な流れとすることができ
るものである。

【００５２】

【発明の効果】以上のように、この発明によれば、まず
冷媒は一つおきに設けられたチューブエレメント群を流
れ、該チューブエレメント群を流れた冷媒は、一つおき
の反転チューブエレメント群に流れるから、熱交換能力
（冷却能力）の高い冷媒と低い冷媒が交互に近接して流
れることで全体として熱交換器のどの位置でも均一の熱
交換能力が得られるものである（請求項１、２）。

【００５３】また、他の発明によれば、冷媒は一つおき
に設けられた第３のチューブエレメント群の両端から対
向して流れ、該チューブエレメント群を流れた冷媒は一
つおきの反転第３のチューブエレメント群の両端から対
向して流れるから、熱交換能力（冷却能力）の高い冷媒
と低い冷媒が交互に対向近接して流れ、且つチューブエ
レメント群を構成する第３のチューブエレメント内を冷
媒が対向して流れるから、全体として熱交換器のどの位
置でも均一の熱交換能力が得られるものである（請求項
３、４）。

【００５４】更に、タンクを形成するタンク形成用膨出
部が切欠部を介して一端側に２つ形成されるので、プレ
ス成形時にあっても材料の流れ量の不足を生じず、材料
の板厚を従来通りの薄いもので良い利点を有している
（請求項１〜４）。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の第１の実施の形態を示す斜視図であ
る。

【図２】同上の底面図である。

【図３】同上の分解斜視図で、右側部分のみで下記する
図４と一対になるものである。

【図４】同上の分解斜視図で、左側部分のみである。

【図５】同上の一対の成形プレートの斜視図である。

【図６】同上の冷媒の流れ図である。

【図７】この発明の第２の実施の形態を示す分解斜視図
で、右側部分のみで下記する図８と一対となるものであ
る。

【図８】同上の分解斜視図で、左側部分のみである。

【図９】同上の一対の成形プレートの斜視図である。

【図１０】同上の一対の成形プレートが対向接合した斜
視図である。

【図１１】ａは同上の平面図である。ｂは同上の底面図
である。

【図１２】同上の冷媒の流れ図である。

【図１３】同上の他の例の冷媒の流れ図である。

【符号の説明】

１ 積層型熱交換器 ２ チューブエレメント ２′ 反転チューブエレメント ３ フィン ４，４′ 第２のチューブエレメント ６ 入口パイプ ７ 出口パイプ ９ 第１の成形プレート １０ 第２の成形プレート １２，１３ タンク形成用膨出部 １４，１５ 切欠部 ２０ チューブ形成用膨出部 ２５，２６ 切欠部 ２７，２８ タンク形成用膨出部 ３１，３２ 平プレート ３３，３４，３５，３６ 孔 ３８，３９ タンク ４０，４０′ チューブ ４４，４５ タンク ４７ 連通キャップ ５０ 第３のチューブエレメント ５０′ 反転第３のチューブエレメント ５２ 第３の成形プレート ５３ 第４の成形プレート ５４ 平プレート ５５ 第４のチューブエレメント ５８ 分配流路材 ５９ 集合流路材 ６０ 入口パイプ ６１ 出口パイプ ６５，６６，６７，６８ タンク形成用膨出部 ６９，７０，７１，７２ 切欠部 ７９ チューブ形成用膨出部 ８２，８３，８４，８５ 切欠部 ９２，９３，９４，９５ タンク ９６，９７ 流路 １１０，１１１ 連通キャップ １１２，１１３，１１４，１１５ タンク

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 矩形状のプレートの一端を４等分し、そ
   の第１及び第３の区分にタンク形成用膨出部を、第２及
   び第４の区分に切欠部をそれぞれ形成し、前記２つのタ
   ンク形成用膨出部には連通孔がそれぞれ形成されると共
   に、前記一方のタンク形成用膨出部から他方のタンク形
   成用膨出部へ連通するＵ字状の冷媒通路形成用膨出部を
   形成した第１の成形プレートと、 矩形状のプレートの一端を４等分し、その第２及び第４
   の区分にタンク形成用膨出部を、第１及び第３の区分に
   切欠部をそれぞれ形成し、前記２つのタンク形成用膨出
   部には連通孔がそれぞれ形成されると共に、前記一方の
   タンク形成用膨出部から他方のタンク形成用膨出部へ連
   通するＵ字状の冷媒通路形成用膨出部を形成した第２の
   成形プレートとを備え、 この第１及び第２の成形プレートを最中合わせにて接合
   してチューブエレメントを形成し、このチューブエレメ
   ントと、同じチューブエレメントを反転した反転チュー
   ブエレメントとを交互にコルゲートフィンを介在して積
   層して形成したことを特徴とする積層型熱交換器。
2. 【請求項２】 積層方向外側の一方に前記第２の成形プ
   レートと平プレートとの接合の第２のチューブエレメン
   トを、他方に同じ第２のチューブエレメントを反転して
   配すると共に、一方の第２のチューブエレメントに出入
   口パイプを、他方の第２のチューブエレメントに連通部
   材を配したことを特徴とする請求項１記載の積層型熱交
   換器。
3. 【請求項３】 矩形状のプレートの両端をそれぞれ４等
   分し、その第１及び第３の区分にタンク形成用膨出部
   を、第２及び第４の区分に切欠部をそれぞれ形成し、前
   記４つのタンク形成用膨出部には連通孔がそれぞれ形成
   されると共に、前記プレートの一端側で一方のタンク形
   成用膨出部と他端側で一方のタンク形成用膨出部を連通
   し、一端側で他方のタンク形成用膨出部と他端側で他方
   のタンク形成用膨出部とを連通するそれぞれ直線状の冷
   媒通路形成用膨出部を形成した第３の成形プレートと、 矩形状のプレートの両端を４等分し、その第２及び第４
   の区分にタンク形成用膨出部を、第１及び第３の区分に
   切欠部をそれぞれ形成し、前記４つのタンク形成用膨出
   部には連通孔がそれぞれ形成されると共に、前記プレー
   トの一端側で一方のタンク形成用膨出部と他端側で一方
   のタンク形成用膨出部を連通し、一端側で他方のタンク
   形成用膨出部と他端側で他方のタンク形成用膨出部とを
   連通するそれぞれ直線状の冷媒通路形成用膨出部を形成
   した第４の成形プレートとを備え、 この第３及び第４の成形プレートを最中合わせにて接合
   して第３のチューブエレメントを形成し、この第３のチ
   ューブエレメントと、同じ第３のチューブエレメントを
   反転した反転第３のチューブエレメントとを交互にコル
   ゲートフィンを介在して積層して形成したことを特徴と
   する積層型熱交換器。
4. 【請求項４】 積層方向外側の一方に前記第４の成形プ
   レートと平プレートとの接合の第４のチューブエレメン
   トを、他方に同じ第４のチューブエレメントを反転して
   配すると共に、一方の第４のチューブエレメントに出入
   口パイプを、他方の第４のチューブエレメントに２つの
   連通部材を配したことを特徴とする請求項３記載の積層
   型熱交換器。