JP2000290635A - 遅延型膨張性組成物とその膨張材および破砕材 - Google Patents
遅延型膨張性組成物とその膨張材および破砕材Info
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- JP2000290635A JP2000290635A JP11100060A JP10006099A JP2000290635A JP 2000290635 A JP2000290635 A JP 2000290635A JP 11100060 A JP11100060 A JP 11100060A JP 10006099 A JP10006099 A JP 10006099A JP 2000290635 A JP2000290635 A JP 2000290635A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 添加量が少なくても十分な膨張効果が得ら
れ、作業性、破砕効果に優れた静的破砕材およびその膨
張成分である膨張性組成物と膨張材を提供する。 【解決手段】 粉末ないし顆粒状の水和反応により膨張
する成分の表面に、10℃〜30℃における水に対する
溶解度が水100gに対して1g以下のケイ素化合物また
は有機化合物からなる撥水性被膜を設けて水和反応を遅
延させたことを特徴とする遅延型膨張性組成物。
れ、作業性、破砕効果に優れた静的破砕材およびその膨
張成分である膨張性組成物と膨張材を提供する。 【解決手段】 粉末ないし顆粒状の水和反応により膨張
する成分の表面に、10℃〜30℃における水に対する
溶解度が水100gに対して1g以下のケイ素化合物また
は有機化合物からなる撥水性被膜を設けて水和反応を遅
延させたことを特徴とする遅延型膨張性組成物。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水和反応を遅延さ
せた遅延型膨張性組成物と、それを用いた膨張材および
静的破砕材に関し、より詳しくは、作業性および破砕効
果に優れた膨張性組成物とこれを成分とする膨張材およ
び破砕材に関するものである。
せた遅延型膨張性組成物と、それを用いた膨張材および
静的破砕材に関し、より詳しくは、作業性および破砕効
果に優れた膨張性組成物とこれを成分とする膨張材およ
び破砕材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、膨張性組成物が建築・土木分野に
おいて広く使用されている。その一例は日本工業規格(J
IS A 6202)で規定されているコンクリート用膨張材(剤)
に代表されるセメント用膨張材である。また、コンクリ
ートや岩石などの脆性物体を破砕する手段として静的破
砕材(剤)が知られている。このセメント用膨張材や静的
破砕剤は水和により膨張する膨張性組成物を主な成分と
したものであり、水和膨張性成分として主に酸化カルシ
ウム(生石灰)を含み、酸化カルシウムが水和によって水
酸化カルシウム結晶を生成する際に生じる膨張力を利用
するものが多い。しかし、酸化カルシウム単独では、こ
れをコンクリート用膨張材として用いた場合、セメント
が硬化する以前に殆どが反応してしまい、コンクリート
を膨張させることができない。また、静的破砕材として
酸化カルシウムを単独で用いた場合には水和反応が早す
ぎて破砕孔への注入に支障があり、また自硬性がないた
め孔の開口から噴出して十分な膨張圧を利用できない等
の問題がある。このため、酸化カルシウムに自硬性成分
のエーライト(3CaO・SiO2)等を加えて酸化カルシウムを
内包させたものや、水和遅延剤を添加して作業時間を確
保したものなどが実用化されている。
おいて広く使用されている。その一例は日本工業規格(J
IS A 6202)で規定されているコンクリート用膨張材(剤)
に代表されるセメント用膨張材である。また、コンクリ
ートや岩石などの脆性物体を破砕する手段として静的破
砕材(剤)が知られている。このセメント用膨張材や静的
破砕剤は水和により膨張する膨張性組成物を主な成分と
したものであり、水和膨張性成分として主に酸化カルシ
ウム(生石灰)を含み、酸化カルシウムが水和によって水
酸化カルシウム結晶を生成する際に生じる膨張力を利用
するものが多い。しかし、酸化カルシウム単独では、こ
れをコンクリート用膨張材として用いた場合、セメント
が硬化する以前に殆どが反応してしまい、コンクリート
を膨張させることができない。また、静的破砕材として
酸化カルシウムを単独で用いた場合には水和反応が早す
ぎて破砕孔への注入に支障があり、また自硬性がないた
め孔の開口から噴出して十分な膨張圧を利用できない等
の問題がある。このため、酸化カルシウムに自硬性成分
のエーライト(3CaO・SiO2)等を加えて酸化カルシウムを
内包させたものや、水和遅延剤を添加して作業時間を確
保したものなどが実用化されている。
【0003】上記静的破砕材(剤)の用途の一つとして、
現場打ち込みコンクリートの一部を除去する手段に静的
破砕材が用いられている。具体的には、例えば、(イ)透
水性の容器に破砕材を充填したものを、コンクリート打
設前の破砕箇所に取り付けておき、これにコンクリート
打設によって吸水させて膨張させ、この膨張圧によりコ
ンクリートにクラックを発生させて不要なコンクリート
を除去する方法、(ロ)コンクリートに破砕材を混ぜ合わ
せておき、コンクリート硬化後ばらばらに破砕する方法
がある。また、(ハ)コンクリートの一部を除去する方法
の一つとして、現場打設コンクリート坑の坑頭部の余盛
コンクリートを除去することが一部で実施されている。
現場打ち込みコンクリートの一部を除去する手段に静的
破砕材が用いられている。具体的には、例えば、(イ)透
水性の容器に破砕材を充填したものを、コンクリート打
設前の破砕箇所に取り付けておき、これにコンクリート
打設によって吸水させて膨張させ、この膨張圧によりコ
ンクリートにクラックを発生させて不要なコンクリート
を除去する方法、(ロ)コンクリートに破砕材を混ぜ合わ
せておき、コンクリート硬化後ばらばらに破砕する方法
がある。また、(ハ)コンクリートの一部を除去する方法
の一つとして、現場打設コンクリート坑の坑頭部の余盛
コンクリートを除去することが一部で実施されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】水和膨張性成分を用い
た従来のコンクリート用膨張材は、コンクリート1m3
当り30kg程度使用されており、生コン工場で膨張コン
クリートを製造する際、1回の練混ぜ当たり100kg程
度の膨張材を人手でコンクリートに添加することがあ
り、大変な労力を要することがある。また、水和膨張性
成分を用いた従来の破砕組成物は、遅延剤を添加したも
のでも大部分は水と接触後に短時間で急激に膨張するの
で、予め大量の破砕材をスラリー化しておくことができ
ず、大きなコンクリートや岩石を破砕する場合には破砕
材のスラリー調製と孔への注入を繰り返し行わなければ
ならないので作業効率が劣る。
た従来のコンクリート用膨張材は、コンクリート1m3
当り30kg程度使用されており、生コン工場で膨張コン
クリートを製造する際、1回の練混ぜ当たり100kg程
度の膨張材を人手でコンクリートに添加することがあ
り、大変な労力を要することがある。また、水和膨張性
成分を用いた従来の破砕組成物は、遅延剤を添加したも
のでも大部分は水と接触後に短時間で急激に膨張するの
で、予め大量の破砕材をスラリー化しておくことができ
ず、大きなコンクリートや岩石を破砕する場合には破砕
材のスラリー調製と孔への注入を繰り返し行わなければ
ならないので作業効率が劣る。
【0005】また、現場打ちコンクリートの一部を静的
破砕材によって除去する方法では、破砕材を長時間放置
できないのでコンクリートの打設直前に破砕材を設置す
る必要があり、打設のために組み立てた型枠の一部を取
り外して破砕材を設置し、再び型枠を付け直さなければ
ならず、作業が大幅に遅れる問題がある。
破砕材によって除去する方法では、破砕材を長時間放置
できないのでコンクリートの打設直前に破砕材を設置す
る必要があり、打設のために組み立てた型枠の一部を取
り外して破砕材を設置し、再び型枠を付け直さなければ
ならず、作業が大幅に遅れる問題がある。
【0006】さらに、現場打ちコンクリート杭の施工で
は、ベントナイト懸濁液(粘土の泥水)を満たした杭打孔
にコンクリートを打設するので、杭頭の余盛コンクリー
トを静的破砕材で除去する場合にはベントナイト懸濁液
を満たした孔内に予め破砕材を設置することができず、
コンクリートの打設直前に破砕材を設置しなければなら
ないので作業が繁雑である。破砕材を予め孔内に設置し
て懸濁液に接した状態で長時間経過した後にコンクリー
トを打設すると、破砕材の膨張圧が既に失われて破砕不
能になる。これを避けるために遅延剤を多量に用いる
と、この遅延剤が周りのコンクリートの凝結を極度に遅
らせてコンクリート硬化体に悪影響を及ぼし、また膨張
圧が作用せず計画通り破砕できない場合が多い。
は、ベントナイト懸濁液(粘土の泥水)を満たした杭打孔
にコンクリートを打設するので、杭頭の余盛コンクリー
トを静的破砕材で除去する場合にはベントナイト懸濁液
を満たした孔内に予め破砕材を設置することができず、
コンクリートの打設直前に破砕材を設置しなければなら
ないので作業が繁雑である。破砕材を予め孔内に設置し
て懸濁液に接した状態で長時間経過した後にコンクリー
トを打設すると、破砕材の膨張圧が既に失われて破砕不
能になる。これを避けるために遅延剤を多量に用いる
と、この遅延剤が周りのコンクリートの凝結を極度に遅
らせてコンクリート硬化体に悪影響を及ぼし、また膨張
圧が作用せず計画通り破砕できない場合が多い。
【0007】また、コンクリートに静的破砕材を混ぜ合
わせておき、コンクリートの硬化後にばらばらに破砕す
る場合、破砕材に遅延材を添加してもコンクリート硬化
後に比較的短時間に破砕されるため、一定期間コンクリ
ートの強度を利用した後にコンクリートを撤去しようと
する場合などには適用できない問題があった。
わせておき、コンクリートの硬化後にばらばらに破砕す
る場合、破砕材に遅延材を添加してもコンクリート硬化
後に比較的短時間に破砕されるため、一定期間コンクリ
ートの強度を利用した後にコンクリートを撤去しようと
する場合などには適用できない問題があった。
【0008】本発明は、従来の膨張材や静的破砕材にお
ける上記問題を解決したものであって、従来のものより
添加量が少なくても優れた膨張効果が得られ、しかも従
来のものより作業性が良く、かつ破砕効果に優れた静的
破砕材を提供することを目的とし、さらにその膨張成分
である膨張性組成物および膨張材を提供することを目的
とする。
ける上記問題を解決したものであって、従来のものより
添加量が少なくても優れた膨張効果が得られ、しかも従
来のものより作業性が良く、かつ破砕効果に優れた静的
破砕材を提供することを目的とし、さらにその膨張成分
である膨張性組成物および膨張材を提供することを目的
とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は以下
の遅延型膨張性組成物に関するものである。 (1)粉末ないし顆粒状の水和反応により膨張する成分
の表面に、撥水性被膜を設けて水和反応を遅延させたこ
とを特徴とする遅延型膨張性組成物。 (2)粉末ないし顆粒状の水和反応により膨張する成分
の表面に、10℃〜30℃における水に対する溶解度が
水100gに対して1g以下のケイ素化合物または有機化
合物からなる撥水性被膜を設けて水和反応を遅延させた
ことを特徴とする膨張性組成物。 (3)上記撥水性被膜が、炭素数5以上の炭化水素基お
よび/または炭素数5以上の炭化水素基から誘導された
疎水性基を分子内に有するケイ素化合物または有機化合
物である上記(2)の膨張性組成物。 (4)上記撥水性被膜が、分子内に極性を有するケイ素
化合物または有機化合物である上記(3)の膨張性組成
物。 (5)上記撥水性被膜が、分子内に極性を有すると共に
親水基を有するケイ素化合物または有機化合物である上
記(4)の膨張性組成物。
の遅延型膨張性組成物に関するものである。 (1)粉末ないし顆粒状の水和反応により膨張する成分
の表面に、撥水性被膜を設けて水和反応を遅延させたこ
とを特徴とする遅延型膨張性組成物。 (2)粉末ないし顆粒状の水和反応により膨張する成分
の表面に、10℃〜30℃における水に対する溶解度が
水100gに対して1g以下のケイ素化合物または有機化
合物からなる撥水性被膜を設けて水和反応を遅延させた
ことを特徴とする膨張性組成物。 (3)上記撥水性被膜が、炭素数5以上の炭化水素基お
よび/または炭素数5以上の炭化水素基から誘導された
疎水性基を分子内に有するケイ素化合物または有機化合
物である上記(2)の膨張性組成物。 (4)上記撥水性被膜が、分子内に極性を有するケイ素
化合物または有機化合物である上記(3)の膨張性組成
物。 (5)上記撥水性被膜が、分子内に極性を有すると共に
親水基を有するケイ素化合物または有機化合物である上
記(4)の膨張性組成物。
【0010】さらに、本発明は上記膨張性組成物を用い
た以下の膨張材および破砕材に関する。 (6)上記(1)〜(5)の何れかの膨張性組成物からなる膨
張材。 (7)上記(1)〜(5)の何れかの膨張性組成物に水和反応
遅延剤を混合してなる膨張材。 (8)上記(1)〜(5)の何れかの膨張性組成物からなる破
砕材。 (9)上記(1)〜(5)の何れかの膨張性組成物に水和反応
遅延剤を混合してなる破砕材。 (10)上記(8)または(9)の破砕材を半透水性容器に充
填してなる破砕材。
た以下の膨張材および破砕材に関する。 (6)上記(1)〜(5)の何れかの膨張性組成物からなる膨
張材。 (7)上記(1)〜(5)の何れかの膨張性組成物に水和反応
遅延剤を混合してなる膨張材。 (8)上記(1)〜(5)の何れかの膨張性組成物からなる破
砕材。 (9)上記(1)〜(5)の何れかの膨張性組成物に水和反応
遅延剤を混合してなる破砕材。 (10)上記(8)または(9)の破砕材を半透水性容器に充
填してなる破砕材。
【0011】
【発明の実施の態様】以下、本発明の上記膨張性組成
物、膨張材および破砕材について、実施態様に即して具
体的に説明する。
物、膨張材および破砕材について、実施態様に即して具
体的に説明する。
【0012】本発明において、水和反応により膨張する
成分とは、水和反応によって結晶化する際に体積膨張す
る成分を云う。例えば、3CaO・3Al2O3・CaSO
4に代表されるカルシウムサルホアルミネート系化合
物、カルシウムアルミネートに代表されるアルミニウム
化合物、石膏、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、あ
るいは酸化剤を混合した鉄粉、市販のコンクリート用膨
張材、市販の静的破砕剤などを一種又は二種以上用いる
ことができる。
成分とは、水和反応によって結晶化する際に体積膨張す
る成分を云う。例えば、3CaO・3Al2O3・CaSO
4に代表されるカルシウムサルホアルミネート系化合
物、カルシウムアルミネートに代表されるアルミニウム
化合物、石膏、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、あ
るいは酸化剤を混合した鉄粉、市販のコンクリート用膨
張材、市販の静的破砕剤などを一種又は二種以上用いる
ことができる。
【0013】本発明の膨張性組成物は、粉末状ないし顆
粒状の上記膨張成分の表面に撥水性被膜を設けて水和反
応を遅延させたものである。膨張成分の表面を撥水性被
膜によって包むことにより、撥水性被膜が溶解するま
で、又は膨張圧により撥水被膜が壊れるまで膨張性成分
と水との接触が阻止されるので、水和反応が遅くなる。
粒状の上記膨張成分の表面に撥水性被膜を設けて水和反
応を遅延させたものである。膨張成分の表面を撥水性被
膜によって包むことにより、撥水性被膜が溶解するま
で、又は膨張圧により撥水被膜が壊れるまで膨張性成分
と水との接触が阻止されるので、水和反応が遅くなる。
【0014】上記撥水性被膜は、上記膨張成分に対して
悪影響のないケイ素化合物や有機化合物が適当である。
また、水和反応に対して十分な遅延効果が得られるよう
に、10〜30℃における水100gに対する溶解度が
1g以下のものが好ましい。溶解度が高い被膜は短時間
で溶解するので十分な遅延効果が得られない。また、コ
ンクリートなどに溶解度が高い物質で被膜した膨張性組
成物を入れると、コンクリートなどの凝結が遅延し、強
度が低下するなどの障害が起こることがある。
悪影響のないケイ素化合物や有機化合物が適当である。
また、水和反応に対して十分な遅延効果が得られるよう
に、10〜30℃における水100gに対する溶解度が
1g以下のものが好ましい。溶解度が高い被膜は短時間
で溶解するので十分な遅延効果が得られない。また、コ
ンクリートなどに溶解度が高い物質で被膜した膨張性組
成物を入れると、コンクリートなどの凝結が遅延し、強
度が低下するなどの障害が起こることがある。
【0015】上記撥水性被膜を形成する材料としては、
(イ)疎水性基を分子内に有するケイ素化合物または有機
化合物、(ロ)炭素数5以上の炭化水素基および/または
疎水性基を分子内に有するケイ素化合物または有機化合
物、(ハ)分子内に極性を有するケイ素化合物または有機
化合物、(二)分子内に極性を有すると共に親水基を有
し、親水基が水中でアニオンを生じるケイ素化合物また
は有機化合物がある。ケイ素化合物としてはシラン、ア
ルコキシシラン、シリコーン等がある。
(イ)疎水性基を分子内に有するケイ素化合物または有機
化合物、(ロ)炭素数5以上の炭化水素基および/または
疎水性基を分子内に有するケイ素化合物または有機化合
物、(ハ)分子内に極性を有するケイ素化合物または有機
化合物、(二)分子内に極性を有すると共に親水基を有
し、親水基が水中でアニオンを生じるケイ素化合物また
は有機化合物がある。ケイ素化合物としてはシラン、ア
ルコキシシラン、シリコーン等がある。
【0016】上記撥水性被膜を形成する材料として、分
子内に疎水性基を有するケイ素化合物ないし有機化合物
が用いられるが、このなかで炭素数5以上の炭化水素基
および/または疎水性基を分子内に有するものは撥水性
がより高くなる。さらに、分子内に極性を有するもの
は、この極性部分が膨張性組成物の表面に吸着ないし結
合して疎水性基の層を形成するので高い撥水性が得られ
る。特に、水中でアニオンを生じる親水基を有するもの
は、イオン結合している膨張性組成物の表面に強く吸着
ないし結合するので撥水性が高くなる。
子内に疎水性基を有するケイ素化合物ないし有機化合物
が用いられるが、このなかで炭素数5以上の炭化水素基
および/または疎水性基を分子内に有するものは撥水性
がより高くなる。さらに、分子内に極性を有するもの
は、この極性部分が膨張性組成物の表面に吸着ないし結
合して疎水性基の層を形成するので高い撥水性が得られ
る。特に、水中でアニオンを生じる親水基を有するもの
は、イオン結合している膨張性組成物の表面に強く吸着
ないし結合するので撥水性が高くなる。
【0017】撥水性被膜の形成は、撥水剤の蒸気または
溶液と上記膨張性組成物とを混合する方法、上記膨張性
組成物を撥水剤溶液に浸漬する方法、上記膨張性組成物
に撥水剤溶液を散布する方法、さらに、これらの後に必
要に応じて加熱する方法などによれば良く、その形成方
法は限定されない。また、所定の遅延効果が得られれば
良く、膨張成分の表面全体を被覆するものに限らず、表
面の一部を被覆するものでも良い。また、膨張成分の内
部まで撥水被膜形成材料が浸透するものに限らず、膨張
成分の表面部分を被覆するものでも良い。
溶液と上記膨張性組成物とを混合する方法、上記膨張性
組成物を撥水剤溶液に浸漬する方法、上記膨張性組成物
に撥水剤溶液を散布する方法、さらに、これらの後に必
要に応じて加熱する方法などによれば良く、その形成方
法は限定されない。また、所定の遅延効果が得られれば
良く、膨張成分の表面全体を被覆するものに限らず、表
面の一部を被覆するものでも良い。また、膨張成分の内
部まで撥水被膜形成材料が浸透するものに限らず、膨張
成分の表面部分を被覆するものでも良い。
【0018】本発明の膨張材および破砕材は撥水性被膜
を有する上記膨張性組成物を膨張成分としたものであ
る。これらは上記膨張性組成物と共にその水和反応を遅
延させる遅延剤を混合したものでもよい。水和反応遅延
剤としては、例えば、糖類、デキストリン等の化工澱
粉、クエン酸、リグニンスルホン酸塩等を用いることが
できる。この遅延剤の使用量はコンクリートの水和反応
に悪影響を与えない範囲であれば良い。また、膨張量や
発熱量などをコントロールするためにセメント、フライ
アッシュ、石粉などの膨張性のない添加物を加えて用い
ることができる。
を有する上記膨張性組成物を膨張成分としたものであ
る。これらは上記膨張性組成物と共にその水和反応を遅
延させる遅延剤を混合したものでもよい。水和反応遅延
剤としては、例えば、糖類、デキストリン等の化工澱
粉、クエン酸、リグニンスルホン酸塩等を用いることが
できる。この遅延剤の使用量はコンクリートの水和反応
に悪影響を与えない範囲であれば良い。また、膨張量や
発熱量などをコントロールするためにセメント、フライ
アッシュ、石粉などの膨張性のない添加物を加えて用い
ることができる。
【0019】また、本発明の破砕材は、撥水性被膜を有
する粉末状ないし顆粒状の膨張性組成物を半透水性容器
に充填したものとすることができる。これは、撥水性被
膜を有する膨張性組成物と共にその水和反応遅延剤を添
加したものでもよい。この半透水性容器は水を通すが遅
延剤や撥水性被膜を形成する化合物は通さない材料から
なるものであれば良い。具体的な材料としては、例え
ば、セロハン、硫酸紙、コロジオン膜などの半透膜から
なる袋や容器を用いることができる。この容器は全体が
半透水性である必要はなく、少なくとも一部分が半透水
性であればよい。なお、半透水性部分を全透性の材料に
よって挟み込んで強度を高めたものなど種々の形態のも
のを用いることができる。
する粉末状ないし顆粒状の膨張性組成物を半透水性容器
に充填したものとすることができる。これは、撥水性被
膜を有する膨張性組成物と共にその水和反応遅延剤を添
加したものでもよい。この半透水性容器は水を通すが遅
延剤や撥水性被膜を形成する化合物は通さない材料から
なるものであれば良い。具体的な材料としては、例え
ば、セロハン、硫酸紙、コロジオン膜などの半透膜から
なる袋や容器を用いることができる。この容器は全体が
半透水性である必要はなく、少なくとも一部分が半透水
性であればよい。なお、半透水性部分を全透性の材料に
よって挟み込んで強度を高めたものなど種々の形態のも
のを用いることができる。
【0020】上記膨張剤組成物を半透水性容器に収納し
て用いることにより、膨張性組成物の水和反応に必要な
水は容器の内部に取り込まれるが、撥水性被膜材料は外
部に溶れ出さず容器内部で膨張成分を包んだ状態を保つ
ので膨張成分の水和反応を効果的に遅延することができ
る。また、膨張性組成物と共に用いた水和遅延剤も容器
内部に閉じ込められ流出しないので無駄が無く、遅延剤
の使用量を低減することができ、また周りのコンクリー
トに対して強度低下などの悪影響を与えることが無い。
て用いることにより、膨張性組成物の水和反応に必要な
水は容器の内部に取り込まれるが、撥水性被膜材料は外
部に溶れ出さず容器内部で膨張成分を包んだ状態を保つ
ので膨張成分の水和反応を効果的に遅延することができ
る。また、膨張性組成物と共に用いた水和遅延剤も容器
内部に閉じ込められ流出しないので無駄が無く、遅延剤
の使用量を低減することができ、また周りのコンクリー
トに対して強度低下などの悪影響を与えることが無い。
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に示
す。なお、これらの例は本発明の範囲を限定するもので
はない。
す。なお、これらの例は本発明の範囲を限定するもので
はない。
【0022】実施例1(膨張材の例) 市販のコンクリート用膨張材(石灰系およびカルシウム
サルホアルミネート系)に、表1に示す撥水性被膜を設
けて本発明の膨張材を調製した。これを表2の配合に従
ってコンクリートに混合し、日本工業規格(JIS A 6202
参考1[膨張コンクリートの拘束膨張及び収縮試験方法]
のA法:膨張だけを対象とした試験方法)に従って膨張
コンクリートの拘束膨張試験を行った。この結果を表3
に示した。
サルホアルミネート系)に、表1に示す撥水性被膜を設
けて本発明の膨張材を調製した。これを表2の配合に従
ってコンクリートに混合し、日本工業規格(JIS A 6202
参考1[膨張コンクリートの拘束膨張及び収縮試験方法]
のA法:膨張だけを対象とした試験方法)に従って膨張
コンクリートの拘束膨張試験を行った。この結果を表3
に示した。
【0023】表3の拘束膨張試験の結果に示すように、
撥水性被膜を形成したコンクリート用膨張材は、撥水性
被膜を形成していないものに比べて使用量が少ないにも
係わらず、膨張率が同程度であった。
撥水性被膜を形成したコンクリート用膨張材は、撥水性
被膜を形成していないものに比べて使用量が少ないにも
係わらず、膨張率が同程度であった。
【0024】
【表1】表1:膨張材の種類
【0025】
【表2】表2:コンクリートの配合
【0026】
【表3】表3 コンクリートの試験結果
【0027】試験例2(破砕材の例) 中心部に直径40mmの貫通孔を有する一辺300mmの立
方体のコンクリート供試体を作製し、貫通孔の下部をガ
ムテープにより栓をし、表4に示す破砕材を水で練って
供試体の貫通孔に流し込み、野外においてコンクリート
が割れるまでの破砕日数を確認した。
方体のコンクリート供試体を作製し、貫通孔の下部をガ
ムテープにより栓をし、表4に示す破砕材を水で練って
供試体の貫通孔に流し込み、野外においてコンクリート
が割れるまでの破砕日数を確認した。
【0028】表4のコンクリートの破砕試験の結果に示
すように、本発明の撥水性被膜を有する破砕材(No.8〜1
2)は、撥水性被膜を有しないもの(No.7)に比べて破砕日
数を大幅に遅延できる。一方、溶解度の大きな被膜を有
するもの(No.13,14)は被膜を有しないものに比べて破砕
日数は変わらない。
すように、本発明の撥水性被膜を有する破砕材(No.8〜1
2)は、撥水性被膜を有しないもの(No.7)に比べて破砕日
数を大幅に遅延できる。一方、溶解度の大きな被膜を有
するもの(No.13,14)は被膜を有しないものに比べて破砕
日数は変わらない。
【0029】
【表4】表4:破砕材の種類とコンクリート破砕試験の
試験結果
試験結果
【0030】試験例3(遅延剤を混合して半透水性容器
に入れた破砕材) 表5に示す破砕材を容器に入れた破砕材(長さ40cm×幅1
0cm×厚さ2cm,断面楕円)を調製し、内側の一辺が60cmの
立方体の型枠を用い、その内側に29cmの高さに針金を
2本水平に通し、先に作製した破砕材2個をその中心が
型枠の中心から10cmの位置になるようにビニールテー
プで固定した。この時、型枠内側に弾力のある樹脂をコ
ーティングした。次に、型枠内に水を満たし、1日間置
き水中でコンクリートを下から打設して型枠内の水と置
き換えた。4週間後型枠を取り外し、コンクリートの破
砕状況を目視にて確認した。この試験結果から次の結果
を得た。なお、スパイラルシース管を用いた破砕材以外
は各容器入り破砕材を樹脂製の網状筒に収納して使用し
た。
に入れた破砕材) 表5に示す破砕材を容器に入れた破砕材(長さ40cm×幅1
0cm×厚さ2cm,断面楕円)を調製し、内側の一辺が60cmの
立方体の型枠を用い、その内側に29cmの高さに針金を
2本水平に通し、先に作製した破砕材2個をその中心が
型枠の中心から10cmの位置になるようにビニールテー
プで固定した。この時、型枠内側に弾力のある樹脂をコ
ーティングした。次に、型枠内に水を満たし、1日間置
き水中でコンクリートを下から打設して型枠内の水と置
き換えた。4週間後型枠を取り外し、コンクリートの破
砕状況を目視にて確認した。この試験結果から次の結果
を得た。なお、スパイラルシース管を用いた破砕材以外
は各容器入り破砕材を樹脂製の網状筒に収納して使用し
た。
【0031】撥水性被膜を有する膨張性組成物を全透水
性の不織布容器に入れた破砕材(No.16,17)を用いたもの
は2個の破砕材を結んだ線でほぼ水平にコンクリートを
2分割することが出来た。また、撥水性被膜を有する膨
張性組成物を遅延剤と共に半透水性容器に入れた破砕材
(No.18,19,20)も同様に2個の破砕材を結んだ線でほぼ
水平にコンクリートを2分割することが出来た。一方、
撥水性被膜を有しない膨張性組成物を全透水性の不織布
容器に入れた破砕材(No.15)は2個の破砕材を結んだ線
から大きくずれてクラックが入り、予定どうりに破砕す
ることができなかった。撥水性被膜を有する膨張性組成
物を遅延剤と共に全透水性の不織布容器に入れた破砕材
(No.21)は試料No.15の場合と同様であった。また、不透
水性の容器に入った破砕材(No.22)を用いものはコンク
リートが全く割れなかった。
性の不織布容器に入れた破砕材(No.16,17)を用いたもの
は2個の破砕材を結んだ線でほぼ水平にコンクリートを
2分割することが出来た。また、撥水性被膜を有する膨
張性組成物を遅延剤と共に半透水性容器に入れた破砕材
(No.18,19,20)も同様に2個の破砕材を結んだ線でほぼ
水平にコンクリートを2分割することが出来た。一方、
撥水性被膜を有しない膨張性組成物を全透水性の不織布
容器に入れた破砕材(No.15)は2個の破砕材を結んだ線
から大きくずれてクラックが入り、予定どうりに破砕す
ることができなかった。撥水性被膜を有する膨張性組成
物を遅延剤と共に全透水性の不織布容器に入れた破砕材
(No.21)は試料No.15の場合と同様であった。また、不透
水性の容器に入った破砕材(No.22)を用いものはコンク
リートが全く割れなかった。
【0032】
【表5】表5:容器に充填した破砕材と破砕試験結果
【0033】実施例1(推進工法用反力支持壁の完全破
砕) 市販の静的破砕剤にアルコキシシラン(n-C10H21Si(OC
H3)3)の撥水被膜を形成して本発明の生石灰系破砕材を
調製した。この破砕材をコンクリート1m3当たり40K
g均一に混ぜて、全く拘束されていない無筋コンクリー
トからなる推進工法用反力支持壁(高さ3m×幅4m×厚
み0.8m)を作製した。その後、この反力支持壁を用いて
推進管を埋設したところ、コンクリート打設から約30
日で反力支持壁のコンクリートは完全に破砕され、通常
行う破砕工程を省くことが出来た。一方、従来の静的破
砕材を同様に使用したところ、コンクリート打設から4
日目でコンクリート壁が破砕してしまい、反力支持壁と
して使用することができなかった。
砕) 市販の静的破砕剤にアルコキシシラン(n-C10H21Si(OC
H3)3)の撥水被膜を形成して本発明の生石灰系破砕材を
調製した。この破砕材をコンクリート1m3当たり40K
g均一に混ぜて、全く拘束されていない無筋コンクリー
トからなる推進工法用反力支持壁(高さ3m×幅4m×厚
み0.8m)を作製した。その後、この反力支持壁を用いて
推進管を埋設したところ、コンクリート打設から約30
日で反力支持壁のコンクリートは完全に破砕され、通常
行う破砕工程を省くことが出来た。一方、従来の静的破
砕材を同様に使用したところ、コンクリート打設から4
日目でコンクリート壁が破砕してしまい、反力支持壁と
して使用することができなかった。
【0034】実施例2(仮設基礎の部分破砕) 市販の静的破砕剤にアルコキシシラン(n-C10H21Si(OC
H3)3)の撥水被膜を形成して本発明の生石灰系破砕材を
調製した。この破砕材をコンクリート1m3当たり40Kg
均一に混ぜたものを、図1のように、通常のコンクリー
トとの間に格子状に組み込み、全く拘束されていない無
筋コンクリートからなる仮設の基礎(長さ6m×幅4m×高
さ1.5m)を作製した。この仮設基礎はコンクリート打設
から35日で自然にブロック状に破砕できた。一方、従
来の静的破砕材を同様に使用したところ、コンクリート
打設から4日目でコンクリートがブロック状に破砕して
しまい、仮設の基礎として使用することができなかっ
た。
H3)3)の撥水被膜を形成して本発明の生石灰系破砕材を
調製した。この破砕材をコンクリート1m3当たり40Kg
均一に混ぜたものを、図1のように、通常のコンクリー
トとの間に格子状に組み込み、全く拘束されていない無
筋コンクリートからなる仮設の基礎(長さ6m×幅4m×高
さ1.5m)を作製した。この仮設基礎はコンクリート打設
から35日で自然にブロック状に破砕できた。一方、従
来の静的破砕材を同様に使用したところ、コンクリート
打設から4日目でコンクリートがブロック状に破砕して
しまい、仮設の基礎として使用することができなかっ
た。
【0035】実施例3(孔内充填による破砕) 全く拘束されていない無筋コンクリート(長さ6m×幅4m
×高さ1.2m)の長手方向の上面に高さ方向に一定間隔ご
とに穿孔(直径42mm×深さ1m)を設け、その孔に水で練っ
た破砕材を充填して、その無筋コンクリートを破砕させ
た。穿孔は縦横1m間隔に格子状の列をなすように設け
た。長手方向の穿孔間隔は40cm、幅方向の穿孔間隔は
10cm、40cm、40cm、10cm(合計1m)とした。破
砕材は、従来の静的破砕材と、市販の静的破砕剤にシリ
コーン(ジメチルポリシロキサン,重合度80)の撥水被膜
を設けた本発明の生石灰系破砕材の2種類を用いた。
×高さ1.2m)の長手方向の上面に高さ方向に一定間隔ご
とに穿孔(直径42mm×深さ1m)を設け、その孔に水で練っ
た破砕材を充填して、その無筋コンクリートを破砕させ
た。穿孔は縦横1m間隔に格子状の列をなすように設け
た。長手方向の穿孔間隔は40cm、幅方向の穿孔間隔は
10cm、40cm、40cm、10cm(合計1m)とした。破
砕材は、従来の静的破砕材と、市販の静的破砕剤にシリ
コーン(ジメチルポリシロキサン,重合度80)の撥水被膜
を設けた本発明の生石灰系破砕材の2種類を用いた。
【0036】長手方向に穿孔した後に横方向の穿孔を行
って、各穿孔に破砕材を充填する場合、(イ)従来の破砕
材を用いるものは、破砕材が撥水被膜を有しないため
に、横方向の穿孔を形成する前に、長手方向の穿孔に破
砕材を練り混ぜて充填することができず、横方向の穿孔
後に長手方向の穿孔に破砕材を充填し、そのクラックの
発生を確認した後に横方向の穿孔に破砕材を充填して、
クラックを発生させる。このため、穿孔から破砕材の充
填、クラックの発生による破砕および破砕片の撤去まで
含めて4日間の作業日数を要する。
って、各穿孔に破砕材を充填する場合、(イ)従来の破砕
材を用いるものは、破砕材が撥水被膜を有しないため
に、横方向の穿孔を形成する前に、長手方向の穿孔に破
砕材を練り混ぜて充填することができず、横方向の穿孔
後に長手方向の穿孔に破砕材を充填し、そのクラックの
発生を確認した後に横方向の穿孔に破砕材を充填して、
クラックを発生させる。このため、穿孔から破砕材の充
填、クラックの発生による破砕および破砕片の撤去まで
含めて4日間の作業日数を要する。
【0037】一方、(ロ)本発明の破砕材を用いるもの
は、長手方向および横方向の穿孔後におのおの破砕材を
練り混ぜて充填できるので、破砕材の充填からクラック
発生に至る作業日数が短縮でき、破砕片の撤去まで含め
て3日間で作業が完了し、作業効率を大幅に向上でき
た。
は、長手方向および横方向の穿孔後におのおの破砕材を
練り混ぜて充填できるので、破砕材の充填からクラック
発生に至る作業日数が短縮でき、破砕片の撤去まで含め
て3日間で作業が完了し、作業効率を大幅に向上でき
た。
【0038】
【発明の効果】本発明の膨張性組成物およびこれを膨張
成分とする膨張材ないし破砕材は、膨張性成分が撥水性
被膜で覆われているので、コンクリート打設前に予め設
置し、あるいは予めコンクリートに混合して使用するこ
とができ、作業効率が大幅に向上する。また、遅延剤を
併用する場合でも。その使用量を低減することができる
ので遅延剤によるコンクリートの凝結に対する悪影響を
避けることができる。さらに、一定期間経過後にコンク
リートを自然に破壊できるので、仮説用コンクリート構
造物の破砕手段として好適である。
成分とする膨張材ないし破砕材は、膨張性成分が撥水性
被膜で覆われているので、コンクリート打設前に予め設
置し、あるいは予めコンクリートに混合して使用するこ
とができ、作業効率が大幅に向上する。また、遅延剤を
併用する場合でも。その使用量を低減することができる
ので遅延剤によるコンクリートの凝結に対する悪影響を
避けることができる。さらに、一定期間経過後にコンク
リートを自然に破壊できるので、仮説用コンクリート構
造物の破砕手段として好適である。
【図1】 実施例2で形成した仮説基礎の概略斜視図
10−通常のコンクリート、20−破砕材を混合した
コンクリート。
コンクリート。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋本 保 千葉県佐倉市大作2丁目4番地2号 株式 会社小野田開発研究所内 Fターム(参考) 2E176 AA01 DD42 4D067 CC01 GA02 GA06 4H020 BA31 BA32
Claims (10)
- 【請求項1】粉末ないし顆粒状の水和反応により膨張す
る成分の表面に、撥水性被膜を設けて水和反応を遅延さ
せたことを特徴とする遅延型膨張性組成物。 - 【請求項2】粉末ないし顆粒状の水和反応により膨張す
る成分の表面に、10℃〜30℃における水に対する溶
解度が水100gに対して1g以下のケイ素化合物または
有機化合物からなる撥水性被膜を設けて水和反応を遅延
させたことを特徴とする膨張性組成物。 - 【請求項3】上記撥水性被膜が、炭素数5以上の炭化水
素基および/または炭素数5以上の炭化水素基から誘導
された疎水性基を分子内に有するケイ素化合物または有
機化合物である請求項2の膨張性組成物。 - 【請求項4】上記撥水性被膜が、分子内に極性を有する
ケイ素化合物または有機化合物である請求項3の膨張性
組成物。 - 【請求項5】上記撥水性被膜が、分子内に極性を有する
と共に親水基を有するケイ素化合物または有機化合物で
ある請求項4の膨張性組成物。 - 【請求項6】請求項1〜5の何れかの膨張性組成物から
なる膨張材。 - 【請求項7】請求項1〜5の何れかの膨張性組成物に水
和反応遅延剤を混合してなる膨張材。 - 【請求項8】請求項1〜5の何れかの膨張性組成物から
なる破砕材。 - 【請求項9】請求項1〜5の何れかの膨張性組成物に水
和反応遅延剤を混合してなる破砕材。 - 【請求項10】請求項8または9の破砕材を半透水性容
器に充填してなる破砕材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11100060A JP2000290635A (ja) | 1999-04-07 | 1999-04-07 | 遅延型膨張性組成物とその膨張材および破砕材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11100060A JP2000290635A (ja) | 1999-04-07 | 1999-04-07 | 遅延型膨張性組成物とその膨張材および破砕材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000290635A true JP2000290635A (ja) | 2000-10-17 |
Family
ID=14263939
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11100060A Pending JP2000290635A (ja) | 1999-04-07 | 1999-04-07 | 遅延型膨張性組成物とその膨張材および破砕材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000290635A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005281070A (ja) * | 2004-03-30 | 2005-10-13 | Taiheiyo Cement Corp | 自己崩壊型セメント組成物とそのコンクリート製品 |
JP2005290172A (ja) * | 2004-03-31 | 2005-10-20 | Taiheiyo Cement Corp | 自己崩壊型固形物とその用途 |
JP2006144238A (ja) * | 2004-11-16 | 2006-06-08 | Toda Constr Co Ltd | クレーン構台用基礎とその維持システム |
JP2018002897A (ja) * | 2016-07-04 | 2018-01-11 | 三菱瓦斯化学株式会社 | 膨張剤用組成物及びそれを用いた膨張剤 |
JP2018040167A (ja) * | 2016-09-07 | 2018-03-15 | 大成建設株式会社 | 静的破砕方法 |
-
1999
- 1999-04-07 JP JP11100060A patent/JP2000290635A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005281070A (ja) * | 2004-03-30 | 2005-10-13 | Taiheiyo Cement Corp | 自己崩壊型セメント組成物とそのコンクリート製品 |
JP2005290172A (ja) * | 2004-03-31 | 2005-10-20 | Taiheiyo Cement Corp | 自己崩壊型固形物とその用途 |
JP2006144238A (ja) * | 2004-11-16 | 2006-06-08 | Toda Constr Co Ltd | クレーン構台用基礎とその維持システム |
JP2018002897A (ja) * | 2016-07-04 | 2018-01-11 | 三菱瓦斯化学株式会社 | 膨張剤用組成物及びそれを用いた膨張剤 |
JP2018040167A (ja) * | 2016-09-07 | 2018-03-15 | 大成建設株式会社 | 静的破砕方法 |
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