JP2000289952A - 階段昇降装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 レ−ル体が軽くて持ち運びが容易であるとと
もに、荷物の姿勢を一定に保持できる階段昇降装置を得
る。 【解決手段】 階段を利用して荷物を昇降させる階段昇
降装置であって、上面または側面にラック２を有する1
対のレ−ル３からなり、階段の傾斜に沿って階段上に置
くレ−ル体１と、床面を走行できるとともに、階段を昇
降するときには、前記1対のレ−ル３のラック２にピニ
オンギアを噛み合わせ、駆動手段により該ピニオンギア
を回転させながら、階段上に置いた前記レ−ル体１に沿
って階段を昇降する荷物運搬台車とから構成される階段
昇降装置。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、階段を利用して
荷物を昇降させる階段昇降装置、特に荷物が階段を昇降
しているときにも、荷持の姿勢を一定状態に保つことの
できる階段昇降装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】階段を利用して荷物を昇降させる従来の
階段昇降装置としては、１対のレ−ルと、１対のレ−ル
間に設けられた駆動チェ−ンからなるレ−ル体を利用す
るものがある。この階段昇降装置により、階段を利用し
て荷持を昇降させるときには、前記レ−ル体を階段の勾
配に沿って階段に立て掛け、荷物を積載した台車の係合
金物をレ−ル体の駆動チェ−ンの係合金物に係合させ、
駆動チェ−ンを駆動手段で駆動させ、かつ台車の車輪が
レ−ル上を走行するようにして、台車ごと荷物を昇降さ
せる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の階段昇降装置には、次のような問題点がある。

【０００４】１対のレ−ル間に駆動チェ−ンおよび駆動
装置を配置しているので、レ−ル体の重量が重くなり、
レ−ル体の運搬が容易でなくなるとともに、レ−ル体を
階段上に配置するのにも時間を要する。

【０００５】また、台車の車輪がレ−ル上を走行するよ
うになっているので、階段の勾配にしたがって台車の荷
台が傾き、勾配が大きくなると、荷台上で荷物が転倒す
る恐れがある。

【０００６】この発明は、従来技術の上述のような問題
点を解消するためになされたものであり、階段上に配置
するレ−ル体の重量が軽く、かつ荷物が階段上を昇降し
ているときにも、荷持の姿勢を平らな床面を走行してい
るときと同じ姿勢に保つことのできる階段昇降装置を提
供することを目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】この発明に係る階段昇降
装置は、階段を利用して荷物を昇降させる階段昇降装置
であって、上面または側面にラックを有する1対のレ−
ルからなり、階段の傾斜に沿って階段上に置くレ−ル体
と、床面を走行できるとともに、階段を昇降するときに
は、前記1対のレ−ルのラックにピニオンギアを噛み合
わせ、駆動手段により該ピニオンギアを回転させなが
ら、階段上に置いた前記レ−ル体に沿って階段を昇降す
る荷物運搬台車とから構成されるものである。

【０００８】また、前記レ−ル体の１対のレ−ル側面
に、階段を昇降する荷物の自重を、階段の踏み面で支持
するための複数のアウトリガ−を設けたものである。

【０００９】また、前記荷物運搬台車に、階段昇降時の
荷物の姿勢を、床面走行時と同じ姿勢に保つ姿勢保持手
段を設けたものである。

【００１０】この発明に係る階段昇降装置においては、
レ−ル体がレ−ル以外の駆動チェ−ンや駆動装置を設け
ていないので、レ−ル体の重量が軽く、レ−ル体の運搬
や階段へいの配置が容易に行なえる。

【００１１】また、レ−ル体にアウトリガ−を設けたも
のにおいては、荷物の自重を階段の踏み面で垂直に支持
するので、階段の踏み面先端部が荷物の自重により破損
されることがない。

【００１２】また、荷物運搬台車に、姿勢保持手段を設
けたものにおいては、階段昇降中にも荷物運搬台車上の
荷物の姿勢を、平坦な床面を運搬するときと同じ姿勢に
保つことができるので、階段昇降中に荷物が転倒するこ
とはない。

【００１３】

【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、図面を参
照して説明する。

【００１４】図1は本発明の実施の形態の階段昇降装置
を構成するレ−ル体の説明図であり、（ａ）はレ−ル体
の平面図、（ｂ）はレ−ル体の側面図、（ｃ）は（ｂ）
のＡ−Ａ矢視図である。

【００１５】このレ−ル体１は、上面にラック２が形成
されている１対のレ−ル３と、それぞれのレ−ル３の側
面に設けた複数のアウトリガ−４と、１対のレ−ル３間
を接続する接続部材５とから構成されている。

【００１６】このレ−ル体１を詳述すると、アウトリガ
−４は、図２の側面図に示すように、レ−ル体１を階段
３１の勾配に沿って配置したときに、レ−ル３を介して
伝わる荷物の自重を、階段３１の複数の踏み面３２で垂
直に支持するためのものであり、レ−ル３に固着されて
いる固定部４ａと、固定部４ａに設けられている雌ネジ
部に螺合している脚部４ｂと、脚部４ｂの先端に球面座
を介して回動可能に接続されている回動部４ｃとから構
成されている。

【００１７】そして、階段３１の勾配に合わせて、脚部
４ｂを固定部４ａにネジ込んだり、ゆるめたりして、脚
部４ｂの長さを調整するとともに、回動部４ｃを回動せ
て、脚部４ｂが階段３１の踏み面３２に対して直角とな
るようにセットする。

【００１８】このようにすることにより、階段３１を昇
降中の荷物の自重は、アウトリガ−４を介して踏み面３
２で垂直に支持されるので、レ−ル３が接触している踏
み面３２の先端部３２ａが、荷物の自重により破損され
ることはない。

【００１９】なお、階段３１の長さに応じてレ−ル体１
の長さが調整できるように、レ−ル３の一端側にはレ−
ル接続用の突起部６が、レ−ル３の他端側には隣り合う
レ−ル３の突起部６を嵌装するためのレ−ル接続用凹部
７が設けられている。

【００２０】また、ラック２は図１（ｃ）に示すよう
に、レ−ル３の上面にＴ字形形成されており、後述する
荷物運搬台車のピニオンがラック２から逸脱するのを防
止するためのガイドが、このＴ字の凹部８を抱え込むよ
うになっている。

【００２１】図３は本発明の実施の形態の階段昇降装置
を構成する荷物運搬台車の説明図であり、（ａ）は荷物
運搬台車の側面図、（ｂ）は荷物運搬台車の正面図、
（ｃ）は荷物運搬台車の裏面図である。

【００２２】この荷物運搬台車１１は、荷物を積載する
荷台１２と、荷台１２の裏面に固着した軸受部１３に回
転可能に取り付けた床面走行用前輪１４と、荷台１２に
設けた貫通孔を通して荷台１２の荷物積載面と直交する
方向にスライドするラック１５を有するスライダ−１６
と、スライダ−１６の先端に接続された軸受部１７に回
転可能に取り付けた床面走行用後輪１８ａおよび１８ｂ
と、前記床面走行用前輪１４よりも前方に軸受を介して
取り付けられた階段昇降用ピニオンギア１９と、ピニオ
ンギア１９を減速機２０および回転軸２１を介して回転
させる階段昇降用モ−タ−２２と、前記スライダ−１６
のラック１５と噛み合ってスライダ−１６をスライドさ
せるスライド用ピニオンギア２３と、スライド用ピニオ
ンギア２３を減速機２４および回転軸２５を介して回転
させるスライド用モ−タ−２６と、荷台１２の裏面に取
り付けた傾斜計２７とから構成されている。なお、図中
符号２８は、スライダ−１６が上下にスライドするとき
のガイドである。

【００２３】この荷物運搬台車１１は、平坦な床面を走
行するときには、床面走行用後輪１８ａおよび１８ｂの
回転軸の床面からの高さを、床面走行用前輪１４の回転
軸の床面からの高さと同じになるように、スライダ−１
６を調整して走行する。このようにして走行すると、荷
台１２の荷物積載面は水平になるので、床面走行時に荷
物が荷台１２上で転倒することはない。

【００２４】次に、荷物運搬台車１１に積載した荷物
を、レ−ル体１を使用して荷物運搬台車１１ごと階段を
昇降させる方法を、図４〜図６により説明する。図４は
荷物運搬台車１１が階段を昇り上り始める状態を示す側
面図、図５は荷物運搬台車１１の一部が階段を昇りつつ
ある状態を示す側面図、図６は荷物運搬台車１１全体が
階段を昇っている状態を示す側面図である。

【００２５】図４は、例えば１階の床面３３から階段３
１を昇って２階の床面３４まで、荷物３５を運び上げる
状態を示している。荷物運搬台車１１を階段３１の位置
まで移動させ、荷物運搬台車１１の階段昇降用ピニオン
ギア１９をレ−ル体１のレ−ル３のラック２に噛み合わ
せる。

【００２６】そして、階段昇降用モ−タ−２２を駆動さ
せ、階段昇降用ピニオンギア１９を回転させる。階段昇
降用ピニオンギア１９が回転すると、階段昇降用ピニオ
ンギア１９がレ−ル３のラック２に噛み合っているの
で、階段昇降用ピニオンギア１９、したがって荷物運搬
台車１１はレ−ル３に沿って上昇を開始する。

【００２７】荷物運搬台車１１が上昇を開始すると、図
５に示すように、床面走行用前輪１４の回転軸の床面３
３からの高さが、床面走行用後輪１８ａおよび１８ｂの
回転軸の床面３３からの高さよりも高くなるので、荷物
運搬台車１１の荷台１２は、床面走行用後輪１８ａおよ
び１８ｂの側が低くなるように傾こうとし、荷物３５が
転倒しやすい状態となる。

【００２８】そこで、この荷物運搬台車１１において
は、スライド用モ−タ−２６を駆動させ、スライダ−１
６の荷台１２から下の部分の長さが長くなるようにし
て、荷台１２の荷物積載面１２ａを水平に保つ。

【００２９】スライダ−１６の駆動は、傾斜計２７から
の傾斜信号を姿勢保持制御装置（図示せず）に送り、姿
勢保持制御装置により行なってもよいし、作業者が傾斜
計を見ながら行なってもよい。

【００３０】なお、図５に示す符号２９は、前述した階
段昇降用ピニオンギア１９がレ−ル３のラックから逸脱
するのを防止するための逸脱防止ガイドである。

【００３１】荷物運搬台車１１全体がレ−ル３上を走行
する状態になったら、図６に示すように、スライダ−１
６の荷台１２から下の部分の長さを一定にして、床面走
行用後輪１８ａがレ−ル３のラック２上を走行するよう
にして、荷台１２の荷物積載面１２ａを水平に保つ。

【００３２】そして、床面走行用前輪１４が２階の床面
３４に達したら、スライダ−１６の荷台１２から下の部
分の長さを徐々に短くしていき、荷台１２の荷物積載面
１２ａが水平に保たれるようにする。

【００３３】なお、床面走行用後輪１８ｂは、荷台１２
の転倒防止用に設けている。本発明の階段昇降装置は、
上述のようにして、人力では持ち上げられないような重
量の荷物を、階段を利用して容易に、かつ安全に下の階
から上の階へと、または上の階から下の階へと昇降させ
ることができる。

【００３４】

【発明の効果】この発明により、高重量の荷物の上下階
間の移動が、階段を利用して容易に、かつ安全に行なえ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態の階段昇降装置を構成する
レ−ル体の説明図であり、（ａ）はレ−ル体の平面図、
（ｂ）はレ−ル体の側面図、（ｃ）は（ｂ）のＡ−Ａ矢
視図である。

【図２】レ−ル体を階段に配置した状態を示す側面図で
ある。

【図３】本発明の実施の形態の階段昇降装置を構成する
荷物運搬台車の説明図であり、（ａ）は荷物運搬台車の
側面図、（ｂ）は荷物運搬台車の正面図、（ｃ）は荷物
運搬台車の裏面図である。

【図４】荷物運搬台車が階段を昇り上り始める状態を示
す側面図である。

【図５】荷物運搬台車の一部が階段を昇りつつある状態
を示す側面図である。

【図６】荷物運搬台車１１全体が階段を昇っている状態
を示す側面図である。

【符号の説明】

１ レ−ル体 ２ ラック ３ レ−ル ４ アウトリガ− ５ 接続部材 ６ レ−ル接続用突起部 ７ レ−ル接続用凹部 ８ ラックの凹部 １１ 荷物運搬台車 １２ 荷台 １３ 軸受部 １４ 床面走行用前輪 １５ ラック １６ スライダ− １７ 軸受部 １８ａ、１８ｂ 床面走行用後輪 １９ 階段昇降用ピニオンギア ２０ 減速機 ２１ 回転軸 ２２ 階段昇降用モ−タ− ２３ スライド用ピニオンギア ２４ 減速機 ２５ 回転軸 ２６ スライド用モ−タ− ２７ 傾斜計 ２８ スライダ−用ガイド ２９ 逸脱防止ガイド

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 階段を利用して荷物を昇降させる階段昇
   降装置であって、上面または側面にラックを有する1対
   のレ−ルからなり、階段の傾斜に沿って階段上に置くレ
   −ル体と、床面を走行できるとともに、階段を昇降する
   ときには、前記1対のレ−ルのラックにピニオンギアを
   噛み合わせ、駆動手段により該ピニオンギアを回転させ
   ながら、階段上に置いた前記レ−ル体に沿って階段を昇
   降する荷物運搬台車とから構成されることを特徴とする
   階段昇降装置。
2. 【請求項２】 前記レ−ル体の１対のレ−ル側面に、階
   段を昇降する荷物の自重を、階段の踏み面で支持するた
   めの複数のアウトリガ−を設けたことを特徴とする請求
   項１に記載の階段昇降装置。
3. 【請求項３】 前記荷物運搬台車に、階段昇降時の荷物
   の姿勢を、床面走行時と同じ姿勢に保つ姿勢保持手段を
   設けたことを特徴とする請求項１または請求項２に記載
   の階段昇降装置。