JP2000287983A - 人工膝関節置換術用大腿骨髄外クランプガイド装置 - Google Patents

人工膝関節置換術用大腿骨髄外クランプガイド装置

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JP2000287983A
JP2000287983A JP11100356A JP10035699A JP2000287983A JP 2000287983 A JP2000287983 A JP 2000287983A JP 11100356 A JP11100356 A JP 11100356A JP 10035699 A JP10035699 A JP 10035699A JP 2000287983 A JP2000287983 A JP 2000287983A
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clamp
extramedullary
femoral
femur
rod
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JP11100356A
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English (en)
Inventor
Takahiro Seki
敬 弘 関
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Mizuho Ika Kogyo KK
Original Assignee
Mizuho Ika Kogyo KK
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    • A—HUMAN NECESSITIES
    • A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61B—DIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B17/00—Surgical instruments, devices or methods, e.g. tourniquets
    • A61B17/14—Surgical saws ; Accessories therefor
    • A61B17/15—Guides therefor
    • A61B17/154—Guides therefor for preparing bone for knee prosthesis
    • A61B17/155—Cutting femur

Abstract

(57)【要約】 【課題】 大腿骨前後像において理想的大腿骨荷重軸と
垂直に大腿骨遠位端部を骨切りでき、また、大腿骨側面
像において大腿骨遠位部前面を大腿骨遠位骨幹部前面に
平行に骨切りすることが可能になる。 【解決手段】 一対の挟持片（６ａ，６ｂ）を有し大腿
骨遠位骨幹端部（６１）を挟持する第１クランプ（２）
と、一対の挟持片（１１ａ，１１ｂ）を有し大腿骨骨幹
端部（６１）の第１クランプ（２）より近位側の部位を
挟持する第２クランプ（３）と、第１クランプ（２）が
第２クランプ（３）に対して平行移動するように第１ク
ランプ（２）と第２クランプ（３）を連結する連結機構
（４）と、第１クランプ（２）の一対の挟持片（６ａ，
６ｂ）の中点と第２クランプ（３）の一対の挟持片（１
１ａ，１１ｂ）の中点とを結ぶ直線上の骨外に位置する
ように連結機構（４）に連結された髄外ロッド（５）と
から構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、大腿骨遠位端部を
大腿骨前後像において理想的大腿骨荷重軸に対して垂直
に、また、大腿骨側面像において大腿骨遠位端部前面を
大腿骨遠位骨幹部前面に対し水平に骨切りすることを可
能とする人工膝関節置換術用大腿骨髄外クランプガイド
装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来、人工膝関節置換術において、大腿
骨コンポーネントの設置角度を決定する方法として、大
腿骨骨幹部骨髄内にロッドを刺入する髄内ガイド方式
と、大腿骨骨切りガイドにロッドを連結し、ロッドを大
腿皮膚上に置き、術中にＸ線イメージ等を使用すること
で大腿骨骨頭を指標として骨切り角度を決定する髄外ガ
イド方式の２つがある。
【０００３】髄内ガイド方式は、大腿骨の解剖学的形態
を指標とするため、骨切り角度の精度が優れていること
が人工膝関節置換術の臨床成績に報告されている。
【０００４】髄外ガイド方式は、術中に大腿骨頭中心を
Ｘ線イメージ等を使用して間接的に指標とするため、正
確な大腿骨頭中心を決定しにくく、骨切り角度の誤差が
大きいことが人工膝関節置換術の臨床成績に報告されて
いる。
【０００５】また、特開平８−３３６６２号公報には、
術中に大腿骨遠位骨幹部をサスペンダーを用いて大腿を
上方へ懸垂しつつ大腿骨長軸方向に引っ張ることにより
理想的荷重軸を決定する、膝に対する大腿骨の機械的軸
線の方向を定める装置が記載されている。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】現在の人工膝関節置換
術においては、髄内ガイド方式と髄外ガイド方式とを比
較して、骨切り角度の精度が優れている髄内ガイド方式
が広く採用されている。
【０００７】髄内ガイド方式は、骨切り角度の精度が優
れているといっても、ロッドの刺入部位と刺入角度の決
定を術者の感に頼るところが多く、特に、髄内ガイド刺
入部位に骨棘等の変形がある場合は誤差が生じやすい。
また、骨髄内が広い場合には、ロッドの先端が定まらな
いために、骨切り角度に誤差が生じやすいという欠点が
ある。
【０００８】また、髄内ガイド方式は、大腿骨の湾曲や
変形を有する症例では、髄内ロッドの大腿骨骨髄内への
挿入困難のために使用できないという欠点がある。
【０００９】また、髄内ガイド方式は、大腿骨遠位端に
ガイド刺入による骨欠損を生じたり、大腿骨骨髄組織を
挫滅、破壊することで正常な骨髄内血行を阻害させた
り、骨髄内の脂肪組織が血中に入り、主要臓器の血管を
閉塞させる重篤な脂肪塞栓症を引き起こすことが報告さ
れている。
【００１０】さらに、特開平８−３３６６２号公報の発
明は、下肢全長を宙吊りにするための専用のサスペンダ
ーとこのサスペンダーを手術台に固定する器具を要する
ために、操作が煩雑となり、手技に時間を要し、また、
下肢の位置が不安定となることと、清潔サスペンダーを
不潔な固定器具を介して清潔術野に入れるため、術野が
不潔になる可能性があるという難点がある。
【００１１】本発明は上記した点を考慮してなされたも
ので、髄外ガイド方式でありながら、大腿骨遠位骨幹部
の解剖学的形状を基準とするため、髄内ガイド方式と同
等以上の精度が期待できる人工膝関節置換術用大腿骨髄
外クランプガイド装置を提供することを目的とする。
【００１２】
【課題を解決するための手段】本発明の人工膝関節置換
術用大腿骨髄外クランプガイド装置は、一対の挟持片を
有し大腿骨遠位骨幹端部を挟持する第１クランプと、一
対の挟持片を有し大腿骨骨幹端部の第１クランプより近
位側の部位を挟持する第２クランプと、第１クランプが
第２クランプに対して平行移動するように第１クランプ
と第２クランプを連結する連結機構と、第１クランプの
一対の挟持片の中点と第２クランプの一対の挟持片の中
点とを結ぶ直線上の骨外に位置するように連結機構に連
結された髄外ロッドとから構成され、人工膝関節置換術
時、大腿骨コンポーネントの設置角度を決定するため
に、大腿骨遠位骨幹端部の形状を基準とし、大腿骨前後
像において理想的大腿骨荷重軸に対して垂直に骨切りす
ることができ、また、大腿骨側面像において大腿骨遠位
端部前面を大腿骨遠位骨幹部前面に対して水平に骨切り
することができる。
【００１３】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面を
参照して説明する。図１は、本発明による人工膝関節置
換術用大腿骨髄外クランプガイド装置を示し、この人工
膝関節置換術用大腿骨髄外クランプガイド装置１は、大
腿骨６０の遠位骨幹端部６１を挟持する第１クランプ２
と、大腿骨骨幹端部６１の第１クランプ２より近位側を
挟持する第２クランプ３と、第１クランプ２と第２クラ
ンプ３を連結し第１クランプ２を第２クランプ３に対し
て平行移動させる連結機構４と、一端が連結機構４に連
結され他端が大腿骨遠位軸方向の骨外に延びる髄外ロッ
ド５とから構成されている。
【００１４】上記第１クランプ２は、一対の挟持片６
ａ，６ｂと、これら一対の挟持片６ａ，６ｂの上部に設
けられたねじ孔７ａ，７ｂと、両端にねじ部９ａ，９ｂ
を有し挟持片６ａ，６ｂに設けられたねじ孔７ａ，７ｂ
に螺合され一対の挟持片６ａ，６ｂを互いに接離する方
向に移動させるねじロッド８とを有する。
【００１５】上記第１クランプ２の一方の挟持片６ａは
左ねじ孔７ａを有し、他方の挟持片６ｂは右ねじ孔７ｂ
を有する。これに対応してねじロッド８の一端側に設け
られたねじ部９ａは左ねじであり、他端側に設けられた
ねじ部９ｂは右ねじである。ねじロッド８には回動を容
易に行うためのつまみ８ａ，８ｂが一体に形成されてい
る。また、各挟持片６ａ，６ｂの内面には、各挟持片６
ａ，６ｂを大腿骨骨幹端部６１の外面に固定するための
スパイク状係止部１０が形成されている。
【００１６】上記第２クランプ３は、一対の挟持片１１
ａ，１１ｂと、これら一対の挟持片１１ａ，１１ｂの上
部に設けられたねじ孔１２ａ，１２ｂと、各挟持片１１
ａ，１１ｂに設けられたねじ孔１２ａ，１２ｂに螺合さ
れたねじロッド１３とを有する。一方の挟持片１１ａに
設けられたねじ孔１２ａは左ねじであり、他方の挟持片
１１に設けられたねじ孔１２ｂは右ねじである。これに
対応してねじロッド１３の一端側に設けられたねじ部１
４ａは左ねじであり、他端側に設けられたねじ部１４ｂ
は右ねじである。ねじロッド１３の両端にはつまみ１３
ａ，１３ｂが一体に形成されている。一方の挟持片１１
ａは、二股状挟持部１５を有する。また、各挟持片１１
ａ，１１ｂの内面には、各挟持片６ａ，６ｂの内面に設
けたスパイク状係止部１０と同様なスパイク状係止部１
６が形成されている。
【００１７】しかして、第２クランプ３は、３点支持方
式であり、一方の挟持片１１ａに設けられた二股状挟持
部１５が大腿骨骨幹端部６１に密着して水平に固定され
ることで、骨幹端部骨幹部６１に垂直に固定され、骨幹
端部骨幹部６１に斜めにずれて固定されることはない。
【００１８】上記連結機構４は、第１クランプ２の挟持
片６ａ，６ｂの高さ方向中間位置に設けられた孔１７，
１７に挿通される連結軸１８，１８とねじロッド８を支
持する支持部１９，１９を有する本体ブロック２０と、
第２クランプ３の挟持片１１ａ，１１ｂの高さ方向中間
位置に設けられた孔２１，２１に挿通される連結軸２
２，２２とねじロッド１３を支持する支持部２３，２３
を有する本体ブロック２４と、本体ブロック２０と本体
ブロック２４を互いに平行運動するように互いに連結す
る一対のリンク２５，２５とを有する。
【００１９】上記髄外ロッド５は、一端側を本体ブロッ
ク２０の第１クランプ２の一対の挟持片６ａ，６ｂの間
の中点に対応した部位にピン２６ａを介して枢着される
とともに、本体ブロック２４の第２クランプ３の一対の
挟持片１１ａ，１１ｂの間の中点に対応した部位にピン
２６ｂを介して枢着されている。髄外ロッド５のピン枢
着側と反対側５ａは、髄外ロッド５の本体部より小径で
あり、その連結部に段部５ｂが形成されている。
【００２０】しかして、髄外ロッド５は、その軸線が第
１クランプ２の一対の挟持片６ａ，６ｂの間の中点と第
２クランプの一対の挟持片の中点とを結ぶ直線上の骨外
の大腿骨遠位端方向に延びるように配置されている。
【００２１】図２は、大腿骨髄外クランプガイド装置１
に着脱自在に装着される外反角度調整装置３０を示す。
この外反角度調整装置３０は、表面に角度表示部３１お
よび裏面に髄外ロッド５が挿通される開口３２ａを有す
る取付け部３２（図１０）を有する外反角度板３３と、
指示針３４を有し外反角度板３３に回動自在に取付けら
れた指示針装置３６と、指示針装置３６の指示針３４を
外反角度板３３に対して固定する固定手段３７とを有す
る。骨切ブック取付け部３５は、指示針３４と互いに指
示針装置３６を介することで、外反角度板３３に対して
水平面上を連動して可動する。固定手段３７は、外反角
度板３３の表面両側に突設された支持部３８，３８と、
各支持部３８，３８のねじ孔に螺合されるねじ部を有す
る固定ねじロット３９，３９とを有する。
【００２２】図３は、外反角度調整装置３０に着脱自在
に装着されるアライメントロッド４０を示す。このアラ
イメントロッド４０は、指示針３４の基部に装着される
取付け部４１と、複数のロッド４２ａ，４２ａ…と、隣
り合うロッド４２ａ同士を互いに垂直方向に回動自在に
連結する連結部４２とから形成される。アライメントロ
ッド４０を用いることにより、キャタピラ式アライメン
トロッド４０の遠位端を皮膚上に密着させることでアラ
イメントロッド４０が大腿骨頭中心を通り、外反骨切り
線が荷重軸に垂直であることを触診にて推定することが
できる。また、Ｘ線イメージを用いて、これを確認する
ことも可能である。アライメントロッド４０による触診
により、外反骨切り線が荷重軸から大きくずれている場
合には、作図上の骨切り角度に誤りがないか、装置が正
確に大腿骨に装着されているかを確認することができ
る。
【００２３】すなわち、本発明においては、アライメン
トロッド４０をキャタピラ式として、アライメントロッ
ドの遠位部を皮下に密着させることで、皮下の大腿骨頭
とアライメントロッドの位置関係を最短距離とし、大腿
骨頭の位置を正確に推定することができる。これに対し
て、従来のアライメントロッドは、直線状の棒のため
に、遠位端を皮膚上に密着できずに、アライメントロッ
ドの遠位端と皮膚との間に隙間ができてしまい、大腿骨
頭を推定する場合に、判定しにくく誤差が生じることが
多い。
【００２４】図４は、大腿骨髄外クランプガイド装置１
に着脱自在に装着される位置決めストッパー５０を示
す。この位置決めストッパー５０は、髄外ロッド５が挿
通される開口５１を有する本体５２と、この本体５２か
ら髄外ロッド５の軸線方向に延びる軸部５３と、この軸
部５３に設けられた回旋確認棒５４とを有し、髄外ロッ
ド５に段部５ｂに当接した位置で固定される。回旋確認
棒５４は、大腿骨髄外クランプガイド装置１が大腿骨遠
位骨幹端部に対して回旋されて装着されるのを防ぐため
に用いられる。
【００２５】上記位置決めストッパー５０は、軸部５３
の先端を大腿骨遠位端顆間部関節面中央部に当接するこ
とで、大腿骨髄外クランプガイド装置１の第２クランプ
３を大腿骨遠位端から９ｃｍ離れた位置に設定する。
【００２６】図５は、大腿骨６０のＸ線写真による術前
計測図を示し、この大腿骨６０の術前計測図は下記する
手法により作成される。まず、大腿骨６０の前後Ｘ線写
真に示される大腿骨骨幹端部６１の大腿骨遠位端顆間部
関節面中点６２から近位９ｃｍ離れた位置の骨幹部骨皮
質外側縁６４ｂに対して垂直に線６４を引き、これと平
行に大腿骨遠位端顆間部関節面中点６２から近位６ｃｍ
離れた位置の大腿骨骨幹端部６１に線６３を引き、線６
３の通る大腿骨の横経の中点６３ａと線６４の通る大腿
骨の横経の中点６４ａとを求め、これら２つの中点６３
ａ，６４ａを通る直線を引き、この直線を大腿骨遠位基
本軸６５とする。
【００２７】つぎに、大腿骨骨頭６６の中心点６６ａと
大腿骨遠位端顆間部関節面中点６２を直線で結び、この
直線を理想的荷重軸６７とし、この理想的荷重軸６７と
大腿骨遠位基本軸６５とのなす角度を大腿骨遠位端外反
骨切り角度αとする。この角度αは専用のテンプレート
や定規と分度器を使用して簡便に測定することができ
る。この角度αは外反角度調整装置３０で設定する。
【００２８】つぎに本装置の使用方法を説明する。
【００２９】まず、図６に示す大腿骨髄外クランプガイ
ド装置１の髄外ロッド５の小径部５ａに、図７に示す位
置決めストッパー５０を装着し、位置決めストッパー５
０を小径部５ａに沿って髄外ロッド５の段部５ｂに当接
する位置まで摺動し、段部５ｂに当接した位置で髄外ロ
ッド５に固定する。
【００３０】つぎに、図７に示すように、位置決めスト
ッパー５０を固定した大腿骨髄外クランプガイド装置１
を大腿骨６０の骨幹部６１に配置し、大腿骨髄外クラン
プガイド装置１を、位置決めストッパー５０の軸部５３
の先端が大腿骨遠位端顆間部関節面中点６２に当接する
位置まで大腿骨６０の骨幹部６１の近位側に移動させ
る。この時、大腿骨髄外クランプガイド装置１が大腿骨
遠位骨幹端部に大腿骨長軸に対して回旋されて装着され
ることを防ぐために、軸部５３に設けられた回旋確認棒
５４を大腿骨内外後顆関節面と水平にした後、大腿骨髄
外クランプガイド装置１を設置する。これにより、大腿
骨髄外クランプガイド装置１の第１クランプ２および第
２クランプ３は、大腿骨６０の骨幹部６１に対して作図
にて設定された位置に配置される。この時、第１クラン
プ２および第２クランプ３は、遠位側本体ブロック２０
および近位側本体ブロック２４の底面を大腿骨６０の遠
位骨幹部６１の前面に密着させることで、大腿骨６０の
側面像において、大腿骨遠位骨幹部前面に平行に設置さ
れる。
【００３１】つぎに、大腿骨髄外クランプガイド装置１
の第２クランプ３は、一対の挟持片１１ａ，１１ｂに螺
合されたねじロッド１３をつまみ１３ａ，１３ｂにより
一方向に回すことで、一対の挟持片１１ａ，１１ｂが連
結機構４の連結軸２２，２２に沿って互いに近付く方向
に動かされ、各挟持片１１ａ，１１ｂは内面に設けられ
たスパイク状係止部１６を骨幹部６１の外面に突き刺す
ことで、その設定位置すなわち骨幹部６１の遠位端顆間
部関節面中点６２から９ｃｍ離れた位置に固定される。
第２クランプ３は、一方の挟持片１１ａが二股状挟持部
１５を有する構成であるから、骨幹部６１に密着して水
平に固定されることで骨幹部６１に対して常に垂直に固
定される。
【００３２】第２クランプ３が骨幹部６１に固定された
ら、位置決めストッパー５０を髄外ロッド５から取り外
し、第１クランプ２の一対の挟持片６ａ，６ｂに螺合さ
れたねじロッド８をつまみ８ａ，８ｂにより一方向に回
し、一対の挟持片６ａ，６ｂを連結機構４の連結軸１
８，１８に沿って互いに近付く方向に動かし、各挟持片
６ａ，６ｂの内面に設けられたスパイク状係止部１０を
骨幹部６１の外面に突き刺す。これにより、第１クラン
プ２は、骨幹部６１の遠位端顆間部関節面中点６２から
６ｃｍ離れた位置に固定される。
【００３３】大腿骨髄外クランプガイド装置１は、第１
クランプ２および第２クランプ３を骨幹部６１に固定し
た状態において、大腿骨前後像で、第１クランプ２の中
点と第２クランプ３の中点を通る直線上に髄外ロッド５
の中心軸線が位置しているので、髄外ロッド５は、その
中心軸線が図５で作図した術前計測した大腿骨遠位基本
軸６５に一致する。
【００３４】つぎに、大腿骨遠位端外反骨切り角度αを
予め設定した外反角度調整装置３０を、図８で示すよう
に髄外ロッド５に装着すると、骨切ブロック取付け部３
５は、その中心軸線が図５で作図した理想的荷重軸６７
と一致し、外反骨切り線は理想的荷重軸６７に垂直とな
る。
【００３５】外反角度調整装置３０の骨切ブロック取付
け部３５の中心軸線が理想的荷重軸６７に一致している
ことの確認は、図３に示すアライメントロッド４０を外
反角度調整装置３０に装着することで行われる。すなわ
ち、アライメントロッド４０を、図１１で示すように、
外反角度を示す外反角度指示針３４の基部に連結し、ア
ライメントロッド４０が大腿骨頭中心を通ることを触診
により確認する。
【００３６】つぎに、図８に示す骨切りブロック７０を
連結器７２を介して骨切ブロック取付け部３５に装着す
る。骨切りブロック７０は、外旋調整板７１により大腿
骨両顆関節面と水平、または３度旋位（人工膝関節の機
種により異なる）になるように回旋調整され、その位置
で大腿骨遠位部に鋼線ピン４本を用いて固定される。
【００３７】骨切りブロック７０が大腿骨遠位部に固定
されると、骨切りブロック７０のみを残して全ての装置
が大腿骨遠位部から除去される。これに続いて、骨切り
ブロック７０に、図１２で示す大腿骨遠位部前面骨切り
ガイド８０が装着され、図１３で示すスタイラス８１を
用いて骨切りレベルが決定される。大腿骨側面像で大腿
骨遠位部前面骨切りガイド８０の骨切りスリット８５
は、図１で示す遠位側本体ブロック２０および近位側本
体ブロック２４の底面と水平に作られており、これを用
いることで、大腿骨遠位部６１の前面が大腿骨遠位骨幹
部前面に平行に骨切りされる。
【００３８】つぎに、骨切りブロック７０に、図１４お
よび図１５で示す大腿骨遠位端骨切りガイド９０が装着
される。この大腿骨遠位端骨切りガイド９０は、３つの
取付け孔９１ａ，９１ａ，９１ａを有する固定板９２
と、この固定板９２に矢印Ａ方向に動くように配置され
たガイド本体９３とを有し、３本の鋼線ピン９１，９
１，９１を取付け孔９１ａ，９１ａ，９１ａを通して大
腿骨６０に螺合することで遠位部６１に固定される。ガ
イド本体９３は、移動方向に直交する方向に延びる骨切
りスリット９４を有する。
【００３９】しかして、大腿骨遠位端骨切りガイド９０
は、ガイド本体９３を矢印Ａ方向に移動することで大腿
骨６０に対する骨切りスリット９４の位置を変位し、ガ
イド本体９３をその変位位置に固定ねじ９５，９５によ
り固定板９２に固定することで大腿骨遠位部６１の骨切
り幅を調節することができる。
【００４０】大腿骨遠位端骨切りガイド９０は、大腿骨
遠位部９１に固定された後、大腿骨遠位端の骨切りが行
なわれる。これにより、大腿骨髄外クランプガイド装置
１を用いた骨切りは終了する。
【００４１】このあとは、各社の人工膝関節用大腿骨遠
位部ファイナルカッティングガイドを用いて最終骨切り
を行い大腿骨の骨切りが終了する。
【００４２】図１６に、骨切りされた前面部６３および
遠位端部６４を斜線とした大腿骨６０を示す。
【００４３】しかして、本発明の大腿骨髄外クランプガ
イド装置を用いることで、人工膝関節置換術時、大腿骨
遠位骨幹端部の形状を基準として大腿骨コンポーネント
の設置角度を決定でき、大腿骨前後像において理想的大
腿骨荷重軸と垂直に大腿骨遠位端部を骨切りでき、ま
た、大腿骨側面像において大腿骨遠位部前面を大腿骨遠
位骨幹部前面に平行に骨切りすることが可能になる。
【００４４】また、本発明の大腿骨髄外クランプガイド
装置は、大腿骨遠位骨幹部の解剖学的形状を基準とする
ため、特別な熟練を要せずに、だれでも同様に正確に骨
切り角度を決定でき、従来、広く使用されている髄内ガ
イドと同等、もしくはそれ以上の精度が期待できる。
【００４５】さらに、本発明の大腿骨髄外クランプガイ
ド装置に装着される骨切りブロックに外反角度調節機能
をもたせたことで、大腿骨の変形を有する症例において
も角度調節して使用可能であり、大腿骨遠位前面と遠位
端の骨切りまで行なうことができる。
【００４６】なお、本発明の大腿骨髄外クランプガイド
装置は、大腿骨遠位部ファイナルカッティングに各社の
人工膝関節用の大腿骨遠位部ファイナルカッティングガ
イド装置を用いることで、各社の人工膝関節に使用可能
である。
【００４７】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、大腿
骨遠位骨幹部の解剖学的形状を基準とするため、髄内ロ
ッド使用時の術者の感に頼るところのロッドの刺入位置
と刺入角度による誤差がなく、髄内ガイドと同等もしく
はそれ以上の精度を得ることが熟練なしに再現できる。
【００４８】また、本発明によれば、大腿骨遠位端カッ
ティングガイドを装着する骨切りブロックに外反角度調
節機能をもたせたことで、骨切りブロックの外反角度を
自由に設定でき、数種類の角度のカッティングガイドを
必要した従来のものを１つのカッティングガイドで適用
でき、正確に骨切りすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明による人工膝関節置換術用大腿骨髄外ク
ランプガイド装置の斜視図。
【図２】図１の大腿骨髄外クランプガイド装置に組み込
まれる外反角度調整装置の斜視図。
【図３】図２の外反角度調整装置に組み込まれるアライ
メントロッドの斜視図。
【図４】図１の大腿骨髄外クランプガイド装置に組み込
まれる位置決めストッパーの斜視図。
【図５】大腿骨６０のＸ線写真による術前計測図。
【図６】本発明による人工膝関節置換術用大腿骨髄外ク
ランプガイド装置の位置決めストッパーを装着する前の
状態を示す図。
【図７】位置決めストッパーを装着した大腿骨髄外クラ
ンプガイド装置を大腿骨の骨幹端部に配置した状態を示
す図。
【図８】図７に示す大腿骨髄外クランプガイド装置に外
反角度調整装置を装着した状態を示す図。
【図９】図８の外反角度調整装置の正面図。
【図１０】図８の外反角度調整装置の立面図。
【図１１】図８に示す外反角度調整装置にアライメント
ロッドを装着した状態を示す図。
【図１２】骨切りブロックに大腿骨遠位部前面骨切りガ
イドを装着した状態を示す図。
【図１３】図１２で示す大腿骨遠位部前面骨切りガイド
にスタイラスを装着した状態を示す図。
【図１４】骨切りブロックに可動式大腿骨遠位端骨切り
ガイドを装着した状態を示す平面図。
【図１５】骨切りブロックに可動式大腿骨遠位端骨切り
ガイドを装着した状態を示す側面図。
【図１６】遠位部前面部および遠位端部を骨切りした大
腿骨の側面図。
【符号の説明】
１ 大腿骨髄外クランプガイド装置 ２ 第１クランプ ３ 第２クランプ ４ 連結機構 ５ 髄外ロッド５ ６ａ，６ｂ 挟持片 ８ ねじロッド １０ スパイク状係止部 １１ａ，１１ｂ 挟持片 １３ ねじロッド １５ 二股状挟持部 １６ スパイク状係止部 ３０ 外反角度調整装置 ３３ 外反角度板 ３５ 骨切プロック取り付け部 ４０ アライメントロッド ５０ 位置決めストッパー ６０ 大腿骨 ６１ 大腿骨遠位骨幹端部 ７０ 骨切りブロック ７１ 外旋調整板 ８０ 大腿骨遠位部前面骨切りガイド

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】一対の挟持片（６ａ，６ｂ）を有し大腿骨
    遠位骨幹端部（６１）を挟持する第１クランプ（２）
    と、一対の挟持片（１１ａ，１１ｂ）を有し大腿骨骨幹
    端部（６１）の第１クランプ（２）より近位側の部位を
    挟持する第２クランプ（３）と、第１クランプ（２）が
    第２クランプ（３）に対して平行移動するように第１ク
    ランプ（２）と第２クランプ（３）を連結する連結機構
    （４）と、第１クランプ（２）の一対の挟持片（６ａ，
    ６ｂ）の中点と第２クランプ（３）の一対の挟持片（１
    １ａ，１１ｂ）の中点とを結ぶ直線上の骨外に位置する
    ように連結機構（４）に連結された髄外ロッド（５）と
    を有することを特徴とする人工膝関節置換術用大腿骨髄
    外クランプガイド装置。
  2. 【請求項２】髄外ロッド（５）に位置決めストッパー
    （５０）を装着したことを特徴とする請求項１に記載の
    人工膝関節置換術用大腿骨髄外クランプガイド装置。
  3. 【請求項３】第２クランプ（３）の一方の挟持片（１１
    ａ）は、二股状挟持部（１５）を有することを特徴とす
    る請求項１または２に記載の人工膝関節置換術用大腿骨
    髄外クランプガイド装置。
  4. 【請求項４】各挟持片（６ａ，６ｂ，１１ａ，１１ｂ）
    の内面にスパイク状係止部（１０，１６）を設けたこと
    を特徴とする請求項１ないし３のいずれかに記載の人工
    膝関節置換術用大腿骨髄外クランプガイド装置。
  5. 【請求項５】髄外ロッド（５）に外反角度調整装置（３
    ０）を着脱自在に装着したことを特徴とする請求項１な
    いし４のいずれかに記載の人工膝関節置換術用大腿骨髄
    外クランプガイド装置。
  6. 【請求項６】外反角度調整装置（３０）は、表面に角度
    表示部（３１）および裏面に髄外ロッドが挿通される取
    付け部（３２）を有する外反角度板（３３）と、指示針
    （３４）および骨切ブロック取付け棒（３５）を有し骨
    切ブロック取付け棒（３５）を指示針（３４）に連動し
    て垂直な同一平面内で回動するように外反角度板（３
    ３）に回動自在に取り付けられた指示針装置（３６）
    と、指示針装置（３６）の指示針（３４）を外反角度板
    （３３）に対して固定する固定手段（３７）とを有する
    ことを特徴とする請求項５に記載の人工膝関節置換術用
    大腿骨髄外クランプガイド装置。
  7. 【請求項７】骨切ブロック（７０）を髄外ロッド（５）
    に装着された外反角度調整装置（３０）を介して大腿骨
    遠位端部に固定し、大腿骨遠位前面骨切りガイド（８
    ０）を骨切ブロック（７０）に装着し、大腿骨遠位端部
    前面を大腿骨遠位骨幹部前面に平行に骨切りすることを
    可能にした請求項５に記載の人工膝関節置換術用大腿骨
    髄外クランプガイド装置。
  8. 【請求項８】外反角度調整装置（３０）に荷重軸が大腿
    骨頭中心を通ることを確認するためのアライメントロッ
    ド（４０）を取付けたことを特徴とする請求項５または
    ６に記載の人工膝関節置換術用大腿骨髄外クランプガイ
    ド装置。
  9. 【請求項９】アライメントロッド（４０）は、複数のロ
    ッド（４２）を垂直方向に回動自在に連結した回動ロッ
    ドを有することを特徴とする請求項８に記載の人工膝関
    節置換術用大腿骨髄外クランプガイド装置。
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